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特開2023-107198モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法
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  • 特開-モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107198
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/52 20060101AFI20230726BHJP
   E02D 27/42 20060101ALI20230726BHJP
   E02B 3/06 20060101ALI20230726BHJP
【FI】
E02D27/52 Z
E02D27/42 Z
E02B3/06 301
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022182932
(22)【出願日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】202210070912.0
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520414480
【氏名又は名称】中国長江三峡集団有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】522339927
【氏名又は名称】交通運輸部天津水運工程科学研究所
(71)【出願人】
【識別番号】522044283
【氏名又は名称】中国三峡新能源(集団)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王衞
(72)【発明者】
【氏名】陳松貴
(72)【発明者】
【氏名】閻俊義
(72)【発明者】
【氏名】胡杰龍
(72)【発明者】
【氏名】王百智
(72)【発明者】
【氏名】陳漢宝
(72)【発明者】
【氏名】于光明
(72)【発明者】
【氏名】張澤超
【テーマコード(参考)】
2D046
2D118
【Fターム(参考)】
2D046DA31
2D046DA36
2D046DA61
2D046DA64
2D118AA05
2D118BA01
2D118BA02
2D118CA04
2D118DA03
2D118DA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】破壊された底部保護構造体及び洋上建造物の基礎周りの洗掘ピットの補修に適しており、さらなる洗掘破壊を効果的に軽減、防止することができる洗掘防止施工方法を提供する。
【解決手段】打設施工の範囲を決定するステップ1と、打設施工の範囲を、モザイク状領域となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点として決定するステップ2と、水中セメント系材料の一回の打設量を計算し、水中セメント系材料を準備するステップ3と、所定の打設点で水中セメント系材料を打設し、一点打設を完了するステップ4と、すべての所定の打設点の打設が完了するまで、ステップ4を繰り返すステップ5と、を含むモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法であって、
打設施工の範囲を決定するステップ1と、
打設施工の範囲を、モザイク状領域(3)となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点(3-3)として決定するステップ2と、
水中セメント系材料の一回の打設量を計算し、水中セメント系材料を準備するステップ3と、
所定の打設点(3-3)で水中セメント系材料を打設し、一点打設を完了するステップ4と、
すべての所定の打設点(3-3)の打設が完了するまで、前記ステップ4を繰り返すステップ5と、を含む、ことを特徴とするモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項2】
前記ステップ1において、打設施工の範囲で捨石投入作業を行い、捨石群(2)を形成し、又は、
打設施工の範囲で捨石投入作業を行う必要がない、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項3】
水中セメント系材料は水中非分散ペースト、水中非分散モルタル及び水中非分散コンクリートを含み、直接一点打設に供する、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項4】
水中保護剤希釈液を準備し、所定の打設点(3-3)で水中保護剤希釈液及び水中セメント系材料を順に投入する、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項5】
水中保護剤希釈液投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始める、ことを特徴とする請求項4に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項6】
一点打設において、水中セメント系材料を1~3回打設する、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項7】
前記ステップ4及び前記ステップ5を繰り返し、2~3回打設するステップ6をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項8】
複数の円形領域は同一円心の環状領域を複数形成し、外側に位置する円形領域と内側に位置する円形領域は相互にずらして配列され、且つ相対位置が交差又は相接している、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項9】
打設施工の範囲は洗掘ピット及び底部保護構造体を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洋上風力発電基礎の洗掘防止方法の技術分野に関し、特にモザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エネルギーの不足、環境汚染等の問題が深刻になってきており、世界では再生可能エネルギーを開発し利用するエネルギー革命が起きている。中国の洋上風力発電資源が豊富であり、そして洋上風力発電システムは運転効率が高く、送電距離が短く、現場での消費が便利で、大規模な開発に適する等の特徴を有するため、洋上風力発電は再生可能エネルギーを精力的に開発するための必然的な選択肢となっている。
【0003】
洋上風力発電の開発の重要な一環は洋上風力発電の適切な基礎支持構造を選択することであり、近年、洋上風力発電機の基礎の主な形式では、モノパイル構造が主流となっている。海洋環境におけるモノパイル基礎の局部的な洗掘は風力発電機構造の安定性に大きな影響を与える。現在、広く使用されるモノパイル保護手段は投積法であり、主に砂袋の投積、石の投積を含むが、施工精度が低く、損失量が大きく、保護層の保護効果が悪く、メンテナンス作業が大きい等の欠陥がある。従って、上記問題を改善し解決することは、現在のモノパイル保護についての重要な研究課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来技術に存在する問題を解決し、破壊された底部保護構造体及び洋上建造物の基礎周りの洗掘ピットを補修し、さらなる洗掘破壊を効果的に軽減、防止するために、モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は以下の技術案を提供し、本発明は、
打設施工の範囲を決定するステップ1と、
打設施工の範囲を、モザイク状領域となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点として決定するステップ2と、
水中セメント系材料の一回の打設量を計算し、水中セメント系材料を準備するステップ3と、
所定の打設点で水中セメント系材料を打設し、一点打設を完了するステップ4と、
すべての所定の打設点の打設が完了するまで、前記ステップ4を繰り返すステップ5と、を含む、モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法を提供する。
【0006】
好ましくは、前記ステップ1において、打設施工の範囲で捨石投入作業を行い、捨石群を形成し、又は、
打設施工の範囲で捨石投入作業を行う必要がない。
【0007】
好ましくは、水中セメント系材料は水中非分散ペースト、水中非分散モルタル及び水中非分散コンクリートを含み、直接一点打設に供する。
【0008】
好ましくは、水中保護剤希釈液を準備し、所定の打設点で水中保護剤希釈液及び水中セメント系材料を順に投入する。
【0009】
好ましくは、水中保護剤釈液投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始める。
【0010】
好ましくは、一点打設において、水中セメント系材料を1~3回打設する。
【0011】
好ましくは、前記ステップ4及び前記ステップ5を繰り返し、2~3回打設するステップ6をさらに含む。
【0012】
好ましくは、複数の円形領域は同一円心の環状領域を複数形成し、外側に位置する円形領域と内側に位置する円形領域は相互にずらして配列され、且つ相対位置が交差又は相接している。
【0013】
好ましくは、打設施工の範囲は洗掘ピット及び底部保護構造体を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明は以下の技術的効果を開示する。本発明は、モザイク状グリッド打設方法を採用し、水中セメント系材料の打設量を制御することにより、モノパイルの周りの捨石をセメントで粘着し、構造化した支持骨格を有する水中粘着捨石による底部保護体を形成することができ、一定の強度を有する骨格は大きな波の流体力学的条件に対応することができるため、非常に優れた耐洗掘性を有し、セメントで粘着されていない散在捨石は所定の波浪流条件で洗掘ピット内や斜面に位置し、底部保護体のエッジの洗掘ピットの拡大を効果的に抑制することができ、優れた地盤変形適応性を有する。また、従来の捨石保護方法に比べて、該方法は捨石の使用量を大幅に削減し、捨石の厚さ及び範囲を50%以上小さくすることができ、優れた経済性を有する。本発明の施工プロセスは、破壊された底部保護構造体及び洋上建造物の基礎周りの洗掘ピットの補修に適しており、さらなる洗掘破壊を効果的に軽減、防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例に使用される図面を簡単に説明し、明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば創造的な労働を必要とせずにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
図1】本発明の底部保護構造体の断面図である。
図2】本発明の底部保護構造体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では、本発明の実施例の図面を参照しながら、本発明の実施例の技術的解決手段を明確で完全に説明し、明らかに、説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労働を必要とせずに取得するすべてのその他の実施例は本発明の保護範囲に属する。
【0017】
本発明の上記目的、特徴及び利点を明らかで分かりやすくするために、以下、図面と具体的な実施例を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。
【0018】
本発明は、モザイク状水中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法を提供し、この方法は、ステップ1~ステップ5を含む。
【0019】
ステップ1:打設施工の範囲を決定し、打設施工の範囲は洗掘ピット、破壊された又は破壊されていない捨石底部保護体及びその他の底部保護構造等を含み、打設施工の範囲で捨石投入作業を行い、捨石群2を形成し、捨石群2で被覆される位置を打設施工の範囲とし、又は打設施工の範囲で捨石投入作業を行わなくてもよい。
【0020】
ステップ2:打設施工の範囲を、モザイク状領域3となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点3-3として決定する。
【0021】
ステップ3:水中セメント系材料の一回の打設量を計算し、水中セメント系材料を準備し、捨石投入作業を行う場合、打設時の波と海流の大きさ、モザイク状領域3の単一の円形領域及び捨石の厚さに基づき、水中セメント系材料の一回の打設量を決定して計算し、捨石投入作業を行わない場合、打設時の波と海流の大きさ、モザイク状領域3の単一の円形領域に基づき、水中セメント系材料の一回の打設量を決定して計算する。
【0022】
ステップ4:所定の打設点3-3で水中セメント系材料を打設し、一点打設を完了する。
【0023】
ステップ5:すべての所定の打設点3-3の打設が完了するまで、ステップ4を繰り返す。
【0024】
技術的解決手段の更なる改良として、水中セメント系材料は、水中非分散ペースト、水中非分散モルタル、水中非分散コンクリート等の自己保護型の水中セメント系材料を選択し、直接一点打設に供する。
【0025】
技術的解決手段の更なる改良として、水中セメント系材料を水中保護剤と組み合わせて使用すべきであり、水中保護剤希釈液を準備し、所定の打設点3-3で水中保護剤希釈液及び水中セメント系材料を順に投入し、水中保護剤釈液投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始める。
【0026】
技術的解決手段の更なる改良として、一点打設において、水中セメント系材料を1~3回打設する。
【0027】
技術的解決手段の更なる改良として、前記ステップ4及び前記ステップ5を繰り返し、2~3回打設するステップ6をさらに含む。
【0028】
技術的解決手段の更なる改良として、複数の円形領域は同一円心の環状領域を複数形成し、外側に位置する円形領域と内側に位置する円形領域は相互にずらして配列され、且つ相対位置が交差又は相接しており、これにより、モザイク状領域3が形成される。
【0029】
実施例1
図1~2に示すように、本実施例では、打設施工の範囲で捨石投入作業を行い、この方法は以下のステップを含む。
【0030】
ステップ1:モノパイル1の周りで捨石投入作業を行い、厚さが0.5~2m、範囲がパイル径の1~3倍である円錐台形状の捨石群2を形成し、捨石で被覆される領域を打設施工の範囲とし、選択可能な実施形態として、ステップ1において、打設施工範囲内の打設点の位置を予め決定し(打設点の数をnとする)、材料打設管の固定フレームを製造し、捨石群2の表面まで降ろし、各供給管をすべて作業船まで上方へガイドし、次に所定の順序で打設し、そのうち、各供給管及び材料打設管の固定フレームはリサイクルして再使用することができる。
【0031】
ステップ2:打設施工が必要な範囲を、モザイク状領域3となる複数の円形領域に分割し、捨石体の粒径、水中セメント系材料の流動性に基づき、領域の大きさ及び数を決定し、円形領域の円心を所定の打設点3-3として決定し、具体的には、モザイク状領域3は外側打設円形領域3-1及び内側打設円形領域3-2を含み、外側打設円形領域3-1と内側打設円形領域3-2は相互にずらして配列され、相対位置が交差又は相接しており、且つ外側打設円形領域3-1と内側打設円形領域3-2との間に中間打設円形領域を設置してもよい。
【0032】
ステップ3:打設時の波と海流の大きさ、モザイク状領域3の単一の円形領域及び捨石の厚さに基づき、水中セメント系材料の一回の打設量を決定して計算し、ここで、前記水中セメント系材料は、捨石の粒径の大きさに応じて、自己充填型のコンクリート、自己充填型のモルタル及び自己充填型のペーストから選択できる。
【0033】
水中保護剤希釈液を準備し、打設時の波と海流の大きさ及び一回の水中セメント系材料の打設量に基づき、水中保護剤希釈液の使用量を決定し、ここで、水中保護剤の初期濃度が2%であり、水中保護剤希釈液の推奨濃度が0.2%である。
【0034】
決定した水中セメント系材料の打設量及び水中保護剤の使用量に基づき、施工船舶で、水中セメント系材料及び水中保護剤希釈液をそれぞれ準備する。
【0035】
ステップ4:水中ロボットで水中保護剤投入管4及び水中セメント系材料注入管5を所定の打設点3-3の上部に引きずれ、その後所定の打設点3-3の上方に水中保護剤希釈液を投入し、投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始め、一点打設が完了すると、水中保護剤の投入を停止し、単一の所定の打設点3-3では水中セメント系材料を1~3回打設し、ここで、水中保護剤投入管の開口部4-1と水中セメント系材料注入管の開口部5-1との距離は遠すぎではならず、水中保護剤投入管の開口部4-1と水中セメント系材料注入管の開口部5-1との距離は施工領域の波の流れの条件によって決定され、水中セメント系材料注入管の開口部5-1の捨石体からの高さは1m以下であることが好ましい。
【0036】
ステップ5:すべての所定の打設点3-3の打設が完了するまで、ステップ4を繰り返す。
【0037】
ステップ6:ステップ4及びステップ5を繰り返し、2~3回打設する。
【0038】
実施例2
上記実施例1との相違点は、施工部位で捨石投入を行う必要がないことであり、具体的には以下のステップを含む。
【0039】
ステップ1:打設施工の範囲を決定する。
【0040】
ステップ2:打設施工の範囲を、モザイク状領域3となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点3-3として決定する。
【0041】
ステップ3:打設時の波と海流の大きさ、モザイク状領域3の単一の円形打設領域に基づき、水中セメント系材料の一回の打設量を決定して計算し、
水中保護剤希釈液を準備し、打設時の波と海流の大きさ及び一回の水中セメント系材料の打設量に基づき、水中保護剤希釈液の使用量を決定し、
決定した水中セメント系材料の打設量及び水中保護剤の使用量に基づき、施工船舶で、水中セメント系材料及び水中保護剤希釈液をそれぞれ準備する。
【0042】
ステップ4:水中保護剤投入管4及び水中セメント系材料注入管5を所定の打設点3-3の上部に引きずれ、その後所定の打設点3-3の上方に水中保護剤希釈液を投入し、投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始め、一点打設が完了すると、水中保護剤の投入を停止する。
【0043】
ステップ5:すべての所定の打設点3-3の打設が完了するまで、ステップ4を繰り返す。
【0044】
本発明は、モザイク状グリッド打設方法を採用し、水中セメント系材料の打設量を制御することにより、モノパイル1の周りの捨石をセメントで粘着し、構造化した支持骨格を有する水中捨石粘着による底部保護体を形成することができ、一定の強度を有する骨格は大きな波の流体力学的条件に対応することができるため、非常に優れた耐洗掘性を有し、セメントで粘着されていない散在捨石は所定の波流条件で洗掘ピット内及び斜面に位置し、底部保護体のエッジの洗掘ピットの拡大を効果的に抑制することができ、優れた地盤変形適応性を有する。また、従来の捨石保護方法に比べて、該方法は捨石の使用量を大幅に削減し、捨石の厚さ及び範囲を50%以上小さくすることができ、優れた経済性を有する。本発明の施工プロセスは、破壊された底部保護構造体及び洋上建造物の基礎周りの洗掘ピットの補修に適しており、さらなる洗掘破壊を効果的に軽減、防止することができる。
【0045】
本発明の説明において、理解する必要がある点として、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の用語により示される方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、これは本発明を説明するためのものに過ぎず、示される装置又は素子が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構造、操作されたりすることを指示又は示唆するものではなく、本発明を制限するものとして理解することができない。
【0046】
上記した実施例は本発明の好ましい形態を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、当業者が本発明の技術的解決手段に対して行った様々な変形や改良は、いずれも本発明の特許請求の範囲で決められた保護範囲内に属すべきである。
【符号の説明】
【0047】
1 モノパイル
2 捨石群
3 モザイク状領域
3-1 外側打設円形領域
3-2 内側打設円形領域
3-3 所定の打設点
4 水中保護剤投入管
4-1 水中保護剤投入管の開口部
5 水中セメント系材料注入管
5-1 水中セメント系材料注入管の開口部
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-07-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法であって、
打設施工の範囲を決定するステップ1と、
打設施工の範囲を、打設領域(3)となる複数の円形領域に分割し、円形領域の円心を所定の打設点(3-3)として決定するステップ2と、
水中セメント系材料の一回の打設量を計算し、水中セメント系材料を準備するステップ3と、
所定の打設点(3-3)で水中セメント系材料を打設し、一点打設を完了するステップ4と、
すべての所定の打設点(3-3)の打設が完了するまで、前記ステップ4を繰り返すステップ5と、を含む、ことを特徴とする中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項2】
前記ステップ1において、打設施工の範囲で捨石投入作業を行い、捨石群(2)を形成し、又は、
打設施工の範囲で捨石投入作業を行う必要がない、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項3】
水中セメント系材料は水中非分散ペースト、水中非分散モルタル及び水中非分散コンクリートを含み、直接一点打設に供する、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項4】
水中保護剤希釈液を準備し、所定の打設点(3-3)で水中保護剤希釈液及び水中セメント系材料を順に投入する、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項5】
水中保護剤希釈液投入20~60s後、水中セメント系材料を打設し始める、ことを特徴とする請求項4に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項6】
一点打設において、水中セメント系材料を1~3回打設する、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項7】
前記ステップ4及び前記ステップ5を繰り返し、すべての所定の打設点(3-3)で打設を2~3回繰り返す、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項8】
複数の円形領域は同一円心の環状領域を複数形成し、外側に位置する円形領域と内側に位置する円形領域は相互にずらして配列され、且つ相対位置が交差又は相接している、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。
【請求項9】
打設施工の範囲は洗掘ピット及び底部保護構造体を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の中セメントロックフィルに基づくモノパイル基礎の洗掘防止施工方法。