(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107227
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】関心地域に対する個人化推薦のための方法、システム、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0282 20230101AFI20230726BHJP
【FI】
G06Q30/0282
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023006266
(22)【出願日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0009535
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】505205812
【氏名又は名称】ネイバー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NAVER Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム ジェフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンソク
(72)【発明者】
【氏名】チョン ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンホ
(72)【発明者】
【氏名】チェー ジフン
(72)【発明者】
【氏名】パク ミジュ
(72)【発明者】
【氏名】イ ユンソン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】 関心地域に対する個人化推薦のための方法、システム、およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 共通する特徴に基づいて範囲が決定される地域を推薦するものであって、前記地域のうちからユーザの行動データに基づいて前記ユーザの関心地域を抽出し、前記関心地域に基づいて類似地域を選定し、前記関心地域と前記類似地域を推薦地域として提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムで実行される地域個人化推薦方法であって、
前記コンピュータシステムは、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、
前記地域個人化推薦方法は、
共通する特徴に基づいて範囲が決定される地域を推薦するものであって、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記地域のうちからユーザの行動データに基づいて前記ユーザの関心地域を抽出する段階、および
前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記関心地域に基づいて類似地域を選定し、前記類似地域を推薦地域として提供する段階
を含む、地域個人化推薦方法。
【請求項2】
前記地域に関して、
行政区域で細分化された範囲および複数のユーザの共通する行動パターンが発見された範囲のうちの少なくとも1つが決定されること
を特徴とする、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項3】
前記地域に関して、
場所に対するコンテキストに基づいて前記コンテキストが類似する場所を利用して前記範囲が決定されること
を特徴とする、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項4】
前記地域に関して、
複数のユーザによる行動パターンに基づいて共通する行動パターンの場所を利用して前記範囲が決定されること
を特徴とする、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項5】
前記地域に関して、
場所と地域間の連結性(co-occurrence)による埋め込みに基づいて前記範囲が決定されること
を特徴とする、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項6】
前記地域に関して、
場所と当該場所と関連するキーワード間の関係基盤のグラフ埋め込み(graph embedding)に基づいて前記範囲が決定されること
を特徴とする、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項7】
前記抽出する段階は、
前記ユーザの行動ログが存在する場所を把握した後、当該場所が属する地域を前記関心地域として選定する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項8】
前記抽出する段階は、
前記行動データに基づいて、前記ユーザが頻繁に検索した地域、ここ最近に検索した地域、頻繁に訪問した地域、訪問予定地域のうちの少なくとも1つの地域集合から前記関心地域を選定する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項9】
前記提供する段階は、
前記範囲が決定された地域をベクトルに埋め込んで学習したモデルを利用し、前記関心地域との類似度に基づいて前記類似地域を抽出する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項10】
前記提供する段階は、
前記関心地域と同じ行政区域または一定の半径内に位置する地域のうちから地域人気度に基づいて前記類似地域を抽出する段階
をさらに含む、請求項9に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項11】
前記提供する段階は、
前記関心地域を推薦するが、前記関心地域それぞれに対して、当該関心地域との類似度に基づいて選定された前記類似地域をともに推薦する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項12】
前記提供する段階は、
前記関心地域と前記類似地域のランキングを算定する段階
を含み、
前記算定する段階は、
前記関心地域が属する地域集合によって前記関心地域のランキングを算定する段階、および
前記関心地域との類似度によって前記類似地域のランキングを算定する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項13】
前記提供する段階は、
前記関心地域ごとに、当該関心地域が属する地域集合に対するラベルを表示する段階、および
前記類似地域ごとに、当該類似地域の選定基準となる関心地域に対するラベルを表記する段階
を含む、請求項1に記載の地域個人化推薦方法。
【請求項14】
請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の地域個人化推薦方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータシステムであって、
メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
共通する特徴に基づいて範囲が決定される地域を推薦するものであって、
前記地域のうちからユーザの行動データに基づいて前記ユーザの関心地域を抽出する過程、および
前記関心地域に基づいて類似地域を選定し、前記類似地域を推薦地域として提供する過程
を処理する、コンピュータシステム。
【請求項16】
前記地域に関して、
行政区域で細分化された範囲および複数のユーザの共通する行動パターンが発見された範囲のうちの少なくとも1つが決定されること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項17】
前記地域に関して、
場所に対するコンテキストに基づいて前記コンテキストが類似する場所を利用して前記範囲が決定されるか、
複数のユーザによる行動パターンに基づいて共通する行動パターンの場所を利用して前記範囲が決定されるか、または
場所と当該場所と関連するキーワード間の関係基盤のグラフイムベディングに基づいて前記範囲が決定されること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザの行動ログが存在する場所を把握した後、当該場所が属する地域を前記関心地域として選定するものであって、
前記ユーザが頻繁に検索した地域、ここ最近に検索した地域、頻繁に訪問した地域、訪問予定地域のうちの少なくとも1つの地域集合から前記関心地域を選定すること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記範囲が決定された地域をベクトルに埋め込んで学習したモデルを利用し、前記関心地域との類似度に基づいて前記類似地域を抽出し、
前記関心地域と同じ行政区域または一定の半径内に位置する地域のうちから地域人気度に基づいて前記類似地域を抽出すること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記関心地域それぞれに対して当該関心地域と類似する地域を推薦するものであって、
前記関心地域が属する地域集合によって前記関心地域のランキングを算定し、
前記関心地域との類似度によって前記類似地域のランキングを算定すること
を特徴とする、請求項15に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、地域を個人化して推薦する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイルやユビキタスのインフラが拡散にともない、各種サービスが個人向けのカスタマイズ型に進化している。
【0003】
カスタマイズサービスの1つとして、ユーザの位置情報や選好情報などに基づいて周辺の場所情報を提供するものがある。
【0004】
場所推薦技術の一例として、特許文献1(2014年5月26日)には、飲食店や売場などの場所をテーマによって分類して推薦する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2014-0062684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ユーザの関心地域を見つけ出し、ユーザの関心地域に基づいて推薦地域を提供することができる。
【0007】
ユーザの多様な行動データを利用してユーザの関心地域を特定することができる。
【0008】
場所(POI)単位ではなく場所よりも広い範囲である地域を単位として個人化推薦を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
コンピュータシステムで実行される地域個人化推薦方法であって、前記コンピュータシステムは、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記地域個人化推薦方法は、共通する特徴に基づいて範囲が決定される地域を推薦するものであって、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記地域のうちからユーザの行動データに基づいて前記ユーザの関心地域を抽出する段階、および前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記関心地域に基づいて類似地域を選定し、前記関心地域と前記類似地域を推薦地域として提供する段階を含む、地域個人化推薦方法を提供する。
【0010】
一側面によると、前記地域に関して、行政区域で細分化された範囲および複数のユーザの共通する行動パターンが発見された範囲のうちの少なくとも1つが決定されてよい。
【0011】
他の側面によると、前記地域に関して、場所に対するコンテキストに基づいて前記コンテキストが類似する場所を利用して前記範囲が決定されてよい。
【0012】
また他の側面によると、前記地域に関して、複数のユーザによる行動パターンに基づいて共通する行動パターンの場所を利用して前記範囲が決定されてよい。
【0013】
また他の側面によると、前記地域に関して、場所と地域間の連結性(co-occurrence)による埋め込みに基づいて前記範囲が決定されてよい。
【0014】
また他の側面によると、前記地域に関して、場所と当該場所と関連するキーワード間の関係基盤のグラフ埋め込み(graph embedding)に基づいて前記範囲が決定されてよい。
【0015】
また他の側面によると、前記抽出する段階は、前記ユーザの行動ログが存在する場所を把握した後、当該場所が属する地域を前記関心地域として選定する段階を含んでよい。
【0016】
また他の側面によると、前記抽出する段階は、前記行動データに基づいて、前記ユーザが頻繁に検索した地域、ここ最近に検索した地域、頻繁に訪問した地域、訪問予定地域のうちの少なくとも1つの地域集合から前記関心地域を選定する段階を含んでよい。
【0017】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記範囲が決定された地域をベクトルに埋め込んで学習したモデルを利用し、前記関心地域との類似度に基づいて前記類似地域を抽出する段階を含んでよい。
【0018】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記関心地域と同じ行政区域または一定の半径内に位置する地域のうちから地域人気度に基づいて前記類似地域を抽出する段階をさらに含んでよい。
【0019】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記関心地域を推薦するが、前記関心地域それぞれに対して、当該関心地域との類似度に基づいて選定された前記類似地域をともに推薦する段階を含んでよい。
【0020】
また他の側面によると、前記提供する段階は、前記関心地域と前記類似地域のランキングを算定する段階を含み、前記算定する段階は、前記関心地域が属する地域集合によって前記関心地域のランキングを算定する段階、および前記関心地域との類似度によって前記類似地域のランキングを算定する段階を含んでよい。
【0021】
さらに他の側面によると、前記提供する段階は、前記関心地域ごとに当該関心地域が属する地域集合に対するラベルを表示する段階、および前記類似地域ごとに当該類似地域の選定基準となる関心地域に対するラベルを表記する段階を含んでよい。
【0022】
前記地域個人化推薦方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるコンピュータプログラムを提供する。
【0023】
コンピュータシステムであって、メモリに含まれるコンピュータ読み取り可能な命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、共通する特徴に基づいて範囲が決定される地域を推薦するものであって、前記地域のうちからユーザの行動データに基づいて前記ユーザの関心地域を抽出する過程、および前記関心地域に基づいて類似地域を選定し、前記関心地域と前記類似地域を推薦地域として提供する過程を処理するコンピュータシステムを提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の実施形態によると、ユーザの関心地域を見つけ出し、ユーザの関心地域に基づいて推薦地域を提供することができる。
【0025】
本発明の実施形態によると、ユーザの多様な行動データを利用してユーザの関心地域を特定することができる。
【0026】
本発明の実施形態によると、場所(POI)単位ではなく場所よりも広い範囲である地域を単位として個人化推薦を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの例を示したブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことができる構成要素の例を示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することができる方法の一例を示したフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態における、地域単位を設定する過程の一例を示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態における、ユーザの関心地域を抽出する過程の一例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態における、関心地域として理解される地域集合の一例を示した図である。
【
図8】本発明の一実施形態における、推薦地域を提供する過程の一例を示した図である。
【
図9】本発明の一実施形態における、推薦地域を選定する過程の一例を示した図である。
【
図10】本発明の一実施形態における、地域個人化推薦画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0029】
本発明の実施形態は、地域に対する個人化推薦を提供する技術に関する。
【0030】
本明細書で具体的に開示される事項を含む実施形態は、場所(POI)単位ではなく場所よりも広い範囲である地域を単位に、ユーザが関心をもつと思われる地域を個人化して推薦することができる。
【0031】
本発明の実施形態に係る地域個人化推薦システムは、少なくとも1つのコンピュータシステムによって実現されてよく、本発明の実施形態に係る地域個人化推薦方法は、地域個人化推薦システムに含まれる少なくとも1つのコンピュータシステムによって実行されてよい。このとき、コンピュータシステムにおいては、本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラムがインストールされて実行されてよく、コンピュータシステムは、実行されたコンピュータプログラムの制御にしたがって本発明の実施形態に係る地域個人化推薦方法を実行してよい。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータシステムと結合して地域個人化推薦方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
図1のネットワーク環境は、複数の電子機器110、120、130、140、複数のサーバ150、160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような
図1は、発明の説明のための一例に過ぎず、電子機器の数やサーバの数が
図1のように限定されることはない。また、
図1のネットワーク環境は、本実施形態に適用可能な環境のうちの一例を説明したものに過ぎず、本実施形態に適用可能な環境が
図1のネットワーク環境に限定されることはない。
【0033】
複数の電子機器110、120、130、140は、コンピュータ装置によって実現される固定端末や移動端末であってよい。複数の電子機器110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、PC(personal computer)、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレット、ゲームコンソール(game console)、ウェアラブルデバイス(wearable device)、IoT(internet of things)デバイス、VR(virtula reality)デバイス、AR(augmented reality)デバイスなどがある。一例として、
図1では、電子機器110の例としてスマートフォンを示しているが、本発明の実施形態において、電子機器110は、実質的に無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク170を介して他の電子機器120、130、140および/またはサーバ150、160と通信することができる多様な物理的なコンピュータシステムのうちの1つを意味してよい。
【0034】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0035】
サーバ150、160それぞれは、複数の電子機器110、120、130、140とネットワーク170を介して通信して命令、コード、ファイル、コンテンツ、サービスなどを提供する1つ以上のコンピュータ装置によって実現されてよい。例えば、サーバ150は、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140に第1サービスを提供するシステムであってよく、サーバ160も、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140に第2サービスを提供するシステムであってよい。より具体的な例として、サーバ150は、複数の電子機器110、120、130、140においてインストールされて実行されるコンピュータプログラムであるアプリケーションを通じて、アプリケーションが目的とするサービス(一例として、地域情報推薦サービスなど)を第1サービスとして複数の電子機器110、120、130、140に提供してよい。他の例として、サーバ160は、上述したアプリケーションをインストールして実行するためのファイルを複数の電子機器110、120、130、140に配布するサービスを第2サービスとして提供してよい。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムの例を示したブロック図である。上述した複数の電子機器110、120、130、140それぞれやサーバ150、160それぞれは、
図2に示したコンピュータシステム200によって実現されてよい。
【0037】
このようなコンピュータシステム200は、
図2に示すように、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。
【0038】
メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータシステム200に含まれてもよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク170を介して受信されるファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータシステム200のメモリ210にロードされてよい。
【0039】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ220に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0040】
通信インタフェース230は、ネットワーク170を介してコンピュータシステム200が他の装置(一例として、上述した記録装置)と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータシステム200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御にしたがってネットワーク170を介して他の装置に伝達されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データ、ファイルなどが、ネットワーク170を経てコンピュータシステム200の通信インタフェース230を通じてコンピュータシステム200に受信されてよい。通信インタフェース230を通じて受信された信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝達されてよく、ファイルなどは、コンピュータシステム200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0041】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を、出力装置は、ディスプレイ、スピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータシステム200と1つの装置で構成されてもよい。
【0042】
また、他の実施形態において、コンピュータシステム200は、
図2の構成要素よりも少ないか多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータ装置200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバ、データベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0043】
以下では、関心地域に対する個人化推薦のための方法およびシステムの具体的な実施形態について説明する。
【0044】
図3は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムのプロセッサが含むことができる構成要素の例を示したブロック図であり、
図4は、本発明の一実施形態における、コンピュータシステムが実行することができる地域個人化推薦方法の一例を示したフローチャートである。
【0045】
本実施形態に係るコンピュータシステム200は、クライアントを対象に、クライアント上にインストールされた専用アプリケーションやコンピュータシステム200と関連するウェブ/モバイルサイトへの接続によって地域情報推薦サービスを提供してよい。
【0046】
コンピュータシステム200のプロセッサ220は、以下で説明する地域個人化推薦方法を実行するための構成要素として、
図3に示すように、地域設定部310、関心地域抽出部320、および推薦地域提供部330を含んでよい。実施形態によって、プロセッサ220の構成要素は、選択的にプロセッサ220に含まれても除外されてもよい。また、実施形態によって、プロセッサ220の構成要素は、プロセッサ220の機能の表現のために分離されても併合されてもよい。
【0047】
このようなプロセッサ220およびプロセッサ220の構成要素は、以下で説明する地域個人化推薦方法に含まれる段階を実行するようにコンピュータシステム200を制御してよい。例えば、プロセッサ220およびプロセッサ220の構成要素は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる命令(instruction)を実行するように実現されてよい。
【0048】
ここで、プロセッサ220の構成要素は、コンピュータシステム200に記録されたプログラムコードが提供する命令にしたがってプロセッサ220によって実行される、互いに異なる機能(different functions)の表現であってよ。例えば、コンピュータシステム200が推薦対象を地域単位で設定するように上述した命令にしたがってコンピュータシステム200を制御するプロセッサ220の機能的表現として地域設定部310が利用されてよい。
【0049】
プロセッサ220は、コンピュータシステム200の制御と関連する命令がロードされたメモリ210から必要な命令を読み取ってよい。この場合、前記読み取られた命令は、プロセッサ220が以下で説明する地域個人化推薦方法を実行するように制御するための命令を含んでよい。
【0050】
以下で説明する地域個人化推薦方法に含まれる段階は、図に示したものとは異なる順序で実行されてもよいし、段階のうちの一部が省略されたり追加の過程がさらに含まれたりしてもよい。
【0051】
図4を参照すると、段階410で、地域設定部310は、推薦対象となる地域を設定してよい。本明細書において、推薦対象とは、場所(POI)単位ではなく場所よりも広い単位の推薦概念として、地域(area)やスポット(spot)を包括する地域単位を意味してよい。地域設定部310は、行政区域を細分化して推薦対象地域を設定してもよいし、ユーザの共通する行動パターンが発見された地域を推薦対象として追加設定してもよい。地域設定部310は、推薦対象となる地域単位を設定するにあたり、行政区域はもちろん、共通する特徴を有する場所を基準にして地域の範囲を設定してよい。
【0052】
段階420で、関心地域抽出部320は、推薦対象に設定された地域のうちからユーザの関心地域を抽出してよい。関心地域抽出部320は、サーバ150から収集可能なユーザの行動データに基づいてユーザの関心地域を把握してよい。このとき、行動データとは、場所に対する関心を表現するユーザの行動データであって、場所に対する検索ログ(クリックログを含む)、場所に対する「いいね」または推薦リアクションを入力するユーザフィードバック、場所をお気に入りに保存するユーザフィードバック、場所に対する訪問を予約するユーザフィードバック、レシートなどによって場所に対する訪問を認証するユーザフィードバックなどが含まれてよい。関心地域抽出部320は、ユーザの行動ログが存在する場所を把握した後、当該場所が属する地域をユーザの関心地域と判断してよい。関心地域抽出部320は、ユーザの行動ログに基づき、頻繁に訪問した地域集合、頻繁に検索した地域集合、ここ最近に検索した地域集合、訪問予定地域集合をユーザの関心地域として抽出してよい。
【0053】
段階430で、推薦地域提供部330は、ユーザの関心地域を利用し、関心地域と類似する地域をユーザの推薦地域として提供してよい。推薦地域提供部330は、機械学習技法を利用してユーザの関心地域と類似する地域を推薦してよい。推薦地域提供部330は、地域をベクトルに埋め込み、特徴が類似する地域が互いに近い距離に分布されるように学習されたモデルを利用して、ユーザの関心地域と類似度が高い地域を推薦してよい。このとき、推薦地域提供部330は、ユーザの関心地域と推薦地域を予め設定された基準にしたがってランキングして提供してよい。推薦地域提供部330は、推薦地域の多様性のために、ユーザの関心地域に既に含まれている地域は推薦地域から除外してよく、または地域間の位置を考慮して、関心地域と距離があまり離れていない地域が推薦されるように調整してよい。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態における、地域単位を設定する過程の一例を示した図である。
【0055】
図5を参照すると、段階501で、地域設定部310は、場所単位ではなく地域単位で推薦対象を決定してよい。一例として、地域設定部310は、行政区域それぞれに識別可能な地域コードを付与することによって地域単位を設定してよい。例えば、地域を村/町単位で細分化してよく、このとき、地域の住所コードを地域コードとして活用してよい。行政区域の他にも、山、駅、公園などの生活情報を基盤とした区域を基に、特定の区域に対して地域コードを指定してもよい。多数の市/郡/区を跨ぐ地域の場合には、住所コードと別途の地域コードを1つのキーとして管理してよい。他の例として、地域設定部310は、サーバ150から収集可能なユーザの行動データに基づいて新たな地域を推薦対象に追加したり、既存の地域を細分化したりして推薦対象として設定してよい。例えば、検索環境で「カロスキル、経理団キル、松理団キル」のように位置と関連のあるキーワードが頻繁に登場する場合、当該キーワードに該当する地域を推薦対象に追加し、当該地域に対して識別コードを指定してよい。
【0056】
段階502で、地域設定部310は、推薦対象となる地域単位に対して当該地域の範囲を決定してよい。一例として、地域設定部310は、推薦対象として設定された地域に対して中心点となる場所を決めた後、中心点から一定の半径を当該地域の範囲として決定してよい。このとき、中心点は、該当となる地域のランドマークとなる場所などが適用されてよく、地域範囲を決定するための半径は、地域のタイプや特性などによって異なるように適用されてよい。他の例として、地域設定部310は、場所に対するコンテキストに基づいて当該地域の範囲を決定してよい。例えば、一定の領域内で場所のタイプや訪問目的を含むレビューデータなどのコンテキストが類似する場所を1つの地域単位として束ね、当該場所を包括する範囲を当該地域の範囲として決定してよい。また他の例として、地域設定部310は、ユーザの行動パターンに基づいて地域の範囲を決定してよい。例えば、ユーザが「カロスキル」を検索した後にクリックした場所を包括する範囲として「カロスキル」という地域の範囲を決定してよい。また他の例として、地域設定部310は、物理的な範囲で地域を定義するのではなく、エントロピに基づいた埋め込み(embedding)値で地域の範囲を定義してよい。このとき、場所と地域間の連結性(co-occurrence)で埋め込みを行って地域の範囲を決定してよい。この他にも、地域設定部310は、一定の領域内に位置する場所の主要キーワードとの関係を表現したグラフ埋め込み(graph embedding)によって地域の範囲を決定してよい。人工知能言語モデルを利用して場所と関連する文書(例えば、ブログ、レビューなど)に基づいて当該場所の特徴を代表する主要キーワードを抽出した後、場所と主要キーワード間の関係を表現したグラフ基盤のディープラーニングモデルによって類似する特徴を有する場所を包括する範囲で地域の範囲を決定してよい。エントロピ基盤の接近方式はもちろん、統計的技法を活用して、共通する特徴を有する場所を1つの地域単位で定義してもよい。
【0057】
段階503で、地域設定部310は、地域と地域内に属する場所をマッチングした辞書(以下、「地域-場所マッチング辞書」とする)を構築してよい。地域設定部310は、地域単位で地域の範囲が決定されれば、地域範囲内に位置する場所を当該地域に付与された地域コードで管理してよい。地域-場所マッチング辞書を構築することにより、特定の場所がどの地域に属するかを確認することができ、当該地域コードに変えて活用することができる。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態における、ユーザの関心地域を抽出する過程の一例を示した図である。
【0059】
地域内に位置する場所に対する検索や訪問は、当該地域に対する関心の表現であると言える。ユーザの検索ログや訪問ログなどの活動データを活用することで、ユーザの関心地域を抽出することができる。
【0060】
場所に対する関心は、当該場所が属する地域に対する関心として見なすことができるが、場所を地域に変更するためには、当該場所の住所情報を利用して地域内に含まれるかどうかを確認するか、事前に構築された地域-場所マッチング辞書を利用してよい。例えば、地域-場所マッチング辞書を利用してユーザが検索した場所を地域コードに変えて、当該地域を検索したものとして処理してよい。
【0061】
図6を参照すると、段階601で、関心地域抽出部320は、ユーザの行動データに基づいて、ユーザが頻繁に検索した地域とここ最近に検索した地域を関心地域として抽出してよい。関心地域抽出部320は、ここ最近の一定の期間内の検索ログを基準にして頻繁に検索した地域を選定してよい。例えば、180日間内で検索した日が多い順に上位一定の個数(例えば、3つ)の地域を関心地域として抽出してよい。このとき、関心地域抽出部320は、2日以上検索した地域を対象に関心地域を抽出してよい。関心地域抽出部320は、ここ最近の一定期間内の検索ログを基準にしてここ最近に検索した地域を選定してよい。例えば、2週間内に検索した地域のうちから、2日以上検索したか2週間内に4回以上検索した地域を関心地域として抽出してよい。
【0062】
段階602で、関心地域抽出部320は、ユーザの行動データに基づいて、ユーザが頻繁に訪問した地域と訪問予定地域を関心地域として抽出してよい。関心地域抽出部320は、ここ最近の一定期間内の訪問ログを基準にして頻繁に訪問した地域を選定してよい。例えば、180日間内に訪問した日が多い順に上位3つの地域を関心地域として抽出してよい。このとき、関心地域抽出部320は、2日以上訪問した地域を対象に関心地域を抽出してよい。関心地域抽出部320は、ユーザの行動パターンから一定期間内に訪問すると予測される地域を選定してよい。一例として、関心地域抽出部320は、場所に対するユーザの予約情報を利用して以後に訪問予定である地域を抽出してよい。他の例として、関心地域抽出部320は、複数のユーザの行動データを学習した予測モデルを利用してユーザの訪問予定地域を予測してよい。例えば、機械学習を利用してユーザの検索記録とチェックイン地域を学習させてよく、当該モデルを利用してユーザのここ最近の検索ログとマッチングする地域、すなわち、訪問予定地域を予測してよい。また他の例として、関心地域抽出部320は、ユーザの記念日情報を利用してユーザの訪問予定地域を予測してよい。例えば、母の日、クリスマス、誕生日、お盆などのような記念日情報を利用して該当となる記念日に人々が一般的に訪れる地域を予測したり、ユーザが記念日に頻繁に訪ずれる地域パターンに基づいてユーザの訪問予定地域を予測したりしてよい。また他の例として、関心地域抽出部320は、ユーザの過去の訪問地域と当該地域のコンテキストを活用してユーザの訪問予定地域を予測してよい。ユーザの地域訪問には当該地域のコンテキストが含まれているという仮定のもとにシーケンシャルモデル(Sequential Model)を適用し、これによって訪問予定地域を予測してよい。このとき、過去行動を基にした関心地域、当該地域のコンテキスト、ユーザと地域間の物理的距離、ユーザの特徴(例えば、車の利用状況)などを考慮した上で、訪問すると予測される地域を抽出してよい。
【0063】
段階603で、関心地域抽出部320は、ユーザの行動データに基づいてイベント性関心地域を抽出して最終関心地域から除外してよい。関心地域抽出部320は、地域に対するユーザの関心の目的を把握することによってイベント性関心地域を抽出してよい。例えば、ユーザの検索ログを利用してユーザが一時的に関心を示した地域を区分し、ユーザの最終関心地域から除外してよい。イベント性関心地域とは、旅行やデータなどのように、日常的なルーチンではなく特別な目的をもって一時的に関心を示した地域を意味するものである。ユーザが特定の地域に対してクリックアクションを示した日付や時間を統計的に分析して当該地域に対する関心度を把握してよい。クリックデータのカウントが統計的に抽出した閾値よりも高く、クリックデータの偏差(variation)が統計的に抽出した閾値よりも低い場合、言い換えれば、適正レベルの関心度が短期間に集中的に発生した場合はイベント性関心地域として見なしてよい。
【0064】
要するに、関心地域抽出部320は、
図7に示すように、ユーザが頻繁に検索した地域集合701、ここ最近に検索した地域集合702、頻繁に訪問した地域集合703、訪問予定地域集合704から最終関心地域700を抽出してよい。例えば、ユーザの行動データのうちから検索ログを利用してユーザが頻繁に検索した地域集合701とここ最近に検索した地域集合702を抽出してよく、ユーザの予約情報やレシートなどによる訪問認証情報を利用してユーザが頻繁に訪問した地域集合703を抽出してよく、ユーザの予約情報を利用して訪問予定地域集合704を抽出してよい。
【0065】
関心地域抽出部320は、頻繁に検索した地域集合701、ここ最近に検索した地域集合702、頻繁に訪問した地域集合703、訪問予定地域集合704で重複しないようにユーザの最終関心地域700を決定してよい。互いに異なる2つ以上の地域集合に同じ地域が含まれる場合、当該地域を優先順位が最も高い地域集合だけで維持して他の地域集合からは除外してよい。例えば、頻繁に訪問した地域集合703、頻繁に検索した地域集合701、訪問予定地域集合704、ここ最近に検索した地域集合702の順に優先順位が高いと仮定するときに、特定の場所POIが頻繁に訪問した地域集合703と頻繁に検索した地域集合701に含まれる場合、頻繁に訪問した地域集合703だけに残して頻繁に検索した地域集合701からは削除する。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態における、推薦地域を提供する過程の一例を示した図である。
【0067】
図8を参照すると、段階801で、推薦地域提供部330は、サービスを利用するユーザを対象に、各ユーザの検索ログを時間順に配列したシーケンスを学習データとして利用して地域ごとに埋め込みを学習してよい。word2vecモデル(一例として、skip-gramモデル)を利用して地域をベクトルに埋め込み、類似地域が近い距離に分布されるように学習してよい。場所はユーザの1つコンテキストが維持されるようにセッションを分けるが、地域は特定の期間に多様なコンテキストが連結されるようにシーケンスを構成する。これは、場所間の移動は枝葉的に起こる反面、地域間の移動は物理的に広い範囲でなされるため、検索時間の間隔が広く、同じコンテキストの推定が難しいためである。追後の検索で地域に対するコンテキストを抽出することができれば、これを利用したシーケンスを構成してよい。すなわち、場所基盤のword2vecモデルの目的があるユーザのあるコンテキスト内でともに検索された場所を埋め込むことであるとすれば、地域基盤のword2vecの目的は、ユーザが特定の地域とともに検索を行う地域を埋め込むことにある。ユーザが場所をクリックするときは当該場所が属する地域をクリックしたことと見なされ、これを利用して地域シーケンスを構成してよい。地域という集合の特性上、一日に同じ地域に複数回のクリックが累積するようになるが、これを1つのコンテキストと仮定し、その地域を一度検索したものとしてシーケンスを構成してよい。ユーザの一連の行動データに基づいて類似する地域を把握してよい。言い換えれば、あるユーザが同じような時間に検索した地域は類似地域として理解することができる。
【0068】
段階802で、推薦地域提供部330は、地域ごとの埋め込みを利用して、ユーザの関心地域と類似度が高い地域をユーザに対する推薦地域として抽出してよい。
【0069】
図9を参照すると、推薦地域提供部330は、地域基盤のword2vecモデル910によって学習した各地域の埋め込みを利用して、ユーザの関心地域700とコサイン類似度(cosine similarity)が高い地域順に上位一定の個数(例えば、3つ)の地域(以下、「類似度基盤推薦地域」とする)を抽出してよい。また、推薦地域提供部330は、地域コレクションデータ920を利用して、関心地域700と同じ行政区域(例えば、市郡区)や一定の半径内に位置する地域のうちから、人気度点数(rating score)が高い順に上位一定の個数の地域(以下、「人気度基盤推薦地域」とする)を抽出してよい。推薦地域提供部330は、類似度基盤推薦地域と人気度基盤推薦地域によってユーザに対する最終推薦地域900を構成してよい。推薦地域900の多様性のために、類似度基盤推薦地域と人気度基盤推薦地域からユーザの関心地域700と重なる地域を除外してよい。
【0070】
再び
図8を参照すると、段階803で、推薦地域提供部330は、ユーザの関心地域700と推薦地域900のランキングを算定してよい。関心地域700に該当する、頻繁に訪問した地域703をFV、頻繁に検索した地域701をFC、訪問予定地域704をWV、ここ最近に検索した地域702をRCとするとき、FV>FVに対する推薦地域>FC>FCに対する推薦地域>WV>WVに対する推薦地域>RC>RCに対する推薦地域の順にランキングを算定してよい。
【0071】
推薦地域提供部330は、ユーザにリアルタイムで個人化推薦結果を提供してよく、このために、各ユーザに、関心地域と推薦地域に対するデータセットをキー(key)(ハッシュ処理されたユーザID)-値(value)(個人化推薦データセット)形態でサービングしてよい。
【0072】
図10は、本発明の一実施形態における、個人化推薦結果を提供するサービス画面の一例を示した図である。
【0073】
本実施形態は、地域基盤のコンテンツフィード(feed)を提供するために、ユーザが関心をもつと思われる地域を個人化して推薦する。
【0074】
図10は、地域個人化推薦画面1000の一例を示している。
【0075】
図10を参照すると、推薦地域提供部330は、地域個人化推薦画面1000を通じて、ユーザの行動データに基づいて抽出された関心地域700と、関心地域700それぞれに対して当該関心地域700との類似度に基づいて選定された推薦地域900を提供してよい。
【0076】
推薦地域提供部330は、関心地域700を、頻繁に訪問した地域集合703、頻繁に検索した地域集合701、訪問予定地域集合704、ここ最近に検索した地域集合702の順にランキングしてよい。
【0077】
関心地域700それぞれに対しては、該当となる地域が属する地域集合を示すラベル1001が含まれてよい。言い換えれば、関心地域700が、頻繁に検索した地域集合701、ここ最近に検索した地域集合702、頻繁に訪問した地域集合703、訪問予定地域集合704のうちのどの集合に属するかを表記してよい。
【0078】
また、推薦地域900それぞれに対しては、ユーザの関心地域700のうちのどの地域を基準にして選定されたのかを表記するためのラベル1002が含まれてよい。
【0079】
したがって、推薦地域提供部330は、ユーザの関心地域700とともに、関心地域700と類似する地域を推薦地域900として提供することができる。
【0080】
このように、本発明の実施形態によると、ユーザの多様な行動データを利用し、場所POI単位ではなく場所よりも広い範囲の地域単位に対して個人化推薦を提供することができる。
【0081】
上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、および/またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを記録、操作、処理、および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者であれば、処理装置が複数個の処理要素および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサのような、他の処理構成も可能である。
【0082】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供したりするために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、コンピュータ記録媒体または装置に具現化されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で記録されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0083】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。ここで、媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体が挙げられる。
【0084】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0085】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0086】
220:プロセッサ
310:地域設定部
320:関心地域抽出部
330:推薦地域提供部