IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ タイコ エレクトロニクス サブシー コミュニケーションズ エルエルシーの特許一覧

特開2023-107236複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告
<>
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図1
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図2
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図3A
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図3B
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図4A
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図4B
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図5
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図6
  • 特開-複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107236
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/07 20130101AFI20230726BHJP
【FI】
H04B10/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023007360
(22)【出願日】2023-01-20
(31)【優先権主張番号】17/581,111
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】502101180
【氏名又は名称】サブコム,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユンル シュ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード クラム
(72)【発明者】
【氏名】ユリー ツァルツカン
(72)【発明者】
【氏名】ララ デニス ガレット
(72)【発明者】
【氏名】ステイシー テスト
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AA43
5K102AB06
5K102LA02
5K102LA11
5K102LA21
5K102LA33
5K102PH11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の切り替え可能な分岐を有する高ファイバ数の海底光ファイバ伝送システム用の拡張回線監視およびパラメータ報告を開示する海底光通信伝送システムの性能評価装置及び設定管理システムを提供する。
【解決手段】方法は、海底光通信伝送システムにおける分岐ユニットによって実行される切り替えで再設定された光通信経路を形成するときに、報告可能なパラメータテーブルのデータベースを更新し、第1端点から第2端点までの再設定された光通信経路の多くのセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性を取得し、再設定された光通信経路の第1端点から第2端点までの多くのセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性を評価し、評価したシステム属性に基づき、再設定された光通信経路の第1端点から第2端点までのシステムの動作および構造パラメータのリストを含む報告可能なパラメータテーブルを生成する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底光通信伝送システムの動作性能を確定するように動作可能であり、前記海底光通信伝送システムを形成する端末ステーションに位置決められる複数の回線監視機器(LME)装置と、
前記海底光通信伝送システムに関する情報を記憶するように動作可能なデータ記憶装置と、
前記複数のLME装置に結合され、且つ、前記海底光通信伝送システムの性能を監視可能なプログラムコードを実行するように動作可能なプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、更に、
前記海底光通信伝送システムにおける第1端点および第2端点を有する光通信経路が再設定されたことを確定し、前記再設定された光通信経路が、前記海底光通信伝送システムの複数のセグメントを結合して光通信信号伝送を可能にすることによって形成され、
前記データ記憶装置から、前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性を取得し、
前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントの前記システム属性を評価し、
評価したシステム属性に基づき、前記再設定された光通信経路の動作パラメータのリストを含む報告可能なパラメータテーブルを生成するように動作可能である、
海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記光通信経路が再設定されたことを確定した場合、
前記再設定された光通信経路を提供するように、分岐ユニットの光スイッチを切り替えることを指示し、前記再設定された光通信経路を形成するように、結合された前記海底光通信伝送システムのセグメントを認識する切替指示信号を受信するように動作可能である、
請求項1に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記データ記憶装置から、前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントの前記システム属性を取得するときに、
前記データ記憶装置において、前記再設定された光通信経路を形成すると認識された各セグメントのライフ開始データにアクセスするように動作可能であり、前記ライフ開始データは、前記再設定された光通信経路を形成すると認識された各対応するセグメントにおける前記海底光通信伝送システムの各コンポーネントのシステム属性を含む、
請求項2に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントの前記システム属性を評価するときに、更に、
前記ライフ開始データを用いて前記再設定された光通信経路を形成すると認識された各セグメントのベースライン情報を計算し、
計算したベースライン情報に対して前記再設定された光通信経路の動作性能を評価し、前記評価が前記動作パラメータを生成し、
前記再設定された光通信経路の前記動作性能を評価している間に生成された前記動作パラメータを用いて前記報告可能なパラメータテーブルを更新するように動作可能である、
請求項3に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、計算したベースライン情報に対して前記再設定された光通信経路の動作性能を評価するときに、更に、
前記再設定された光通信経路に沿って位置決められた複数の高損失ループバックデータソースに結合された回線監視機器から受信した動作性能信号を、前記複数の回線監視機器における個別の回線監視機器から受信し、
受信した動作性能信号に基づき、前記報告可能なパラメータテーブルの更新用の前記動作パラメータを生成するように動作可能である、
請求項4に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、更に、
前記再設定された光通信経路の取得されたシステム属性に基づき、前記複数の回線監視機器の1つまたは複数のLME装置の動作パラメータを提供し、
前記再設定された光通信経路に基づいて提供された動作パラメータを有する前記1つまたは複数のLME装置のリストを用い、回線監視システムデータベースを更新し、
更新された監視スケジュールを前記再設定された光通信経路の影響を受けた全ての前記LME装置に出力するように動作可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記光通信経路の再設定が再設定されたことを確定した場合、
分岐ユニットの光スイッチから、前記第1端点から前記第2端点までのセグメント間の接続を指示する更新されたルーティングテーブルを受信するように動作可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、更に、
前記再設定された光通信経路に関連する故障情報を含む報告可能なパラメータテーブルのデータベースを評価し、
前記評価の結果に基づき、自動故障特徴分析アルゴリズムのリストから1つまたは複数の自動故障特徴分析アルゴリズムを選択して前記再設定された光通信経路の対応するセグメントに適用し、前記評価の結果は、前記再設定された光通信経路の各対応するセグメントに適用される前記1つまたは複数の自動故障特徴分析アルゴリズムを指示し、
選択した自動故障特徴分析アルゴリズムを前記対応する回線監視機器に割り当てることにより、前記再設定された光通信経路の各対応するセグメントを監視する対応する回線監視機器を提供するように動作可能である、
請求項1から5のいずれか一項に記載の海底光通信伝送システムの性能評価装置。
【請求項9】
回線監視機器、分岐ユニットおよび着陸地点を備え、複数の光通信経路に沿って光通信信号を伝送するように動作可能な海底光通信伝送システムと、
前記回線監視機器に結合されて前記回線監視機器からシステム属性を受信するように動作可能な回線監視システムマネージャと、回線監視システムスケジューラとを備える回線監視システムと、
前記分岐ユニットおよび前記着陸地点に結合され、前記分岐ユニットのそれぞれからトポロジ情報を受信し、受信したトポロジ情報を光通信経路データベースに記憶するように動作可能なネットワークトポロジマネージャと、
前記回線監視システムおよび前記ネットワークトポロジマネージャに結合され、前記ネットワークトポロジマネージャからトポロジ情報を取得し、前記回線監視システムマネージャからシステム属性を取得するように動作可能な設定管理プロセッサと、
前記複数の光通信経路ごとに、前記設定管理プロセッサによって受信された前記システム属性を用いて計算された複数のパラメータを含む報告可能なパラメータテーブルのデータベースと、を備える、
設定管理システム。
【請求項10】
前記複数の光通信経路の一部は、光通信信号を前記着陸地点のうちの第1着陸地点から前記着陸地点のうちの第2着陸地点に伝送する、
請求項9に記載の設定管理システム。
【請求項11】
前記回線監視機器は、
複数の高損失ループバックシグナリング装置を備え、前記高損失ループバックシグナリング装置のそれぞれが、回線監視機器から回線監視信号を受信し、前記システム属性を検索するように、前記回線監視信号を前記回線監視システムマネージャに伝送するように動作可能である、
請求項9または10に記載の設定管理システム。
【請求項12】
前記設定管理プロセッサは、更に、
前記システム属性を用いて個別の光通信経路の複数のパラメータを計算し、
前記計算された複数のパラメータを、前記個別の光通信経路と関連付けて前記報告可能なパラメータテーブルのデータベースに記憶するように動作可能である、
請求項9または10に記載の設定管理システム。
【請求項13】
前記分岐ユニットは、一部の第1光通信経路で光通信データを伝送することから一部の第2光通信経路で光通信データを伝送することに切り替えることにより、再設定された光通信経路を生成するように動作可能であり、前記回線監視システムスケジューラは、前記再設定された光通信経路で前記回線監視機器を提供するように動作可能である、
請求項9または10に記載の設定管理システム。
【請求項14】
前記設定管理プロセッサは、更に、
再設定された光通信経路に関連する故障情報を含む前記報告可能なパラメータテーブルのデータベースを評価し、
前記評価の結果に基づき、自動故障特徴アルゴリズムのリストから1つまたは複数の自動故障特徴アルゴリズムを選択して前記再設定された光通信経路の対応するセグメントに適用し、前記評価の結果は、前記再設定された光通信経路の各対応するセグメントに適用される前記1つまたは複数の自動故障特徴アルゴリズムを指示し、
前記再設定された光通信経路の各対応するセグメントを監視する対応する回線監視機器を提供することで、選択した自動故障特徴アルゴリズムによって使用されるデータを収集するように動作可能である、
請求項9または10に記載の設定管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基本的に海底光ファイバ通信ネットワークの分野に関し、より具体的に、光ファイバ通信ネットワークの回線監視システム用の設定管理に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ電気通信システムは、異なる地理的位置の間で世界中の大部分のデータを運送する。このようなシステムは、通常、1ペアまたは複数ペアの光ファイバを含むケーブルで構成され、例えば、現在の多くの電気通信システムケーブルが任意の数の光ファイバペアを含む。各光ファイバは、光ファイバの物理的または論理的な区分を表すことができる複数の通路でデータを運送することができる。例えば、1つの典型的な光ファイバは、120(220)個の通路に分けることができる。
【0003】
海底ケーブルにおける双方向光ファイバ伝送経路は、通常の回線監視を用いて性能の変化を検出し、早期段階で性能問題を検出して解決することにより、潜在的なサービス損失を最小化する。1つの監視技術として、試験信号をシステムの端点から双方向経路における1つの光ファイバ方向に伝送し、その後、高損失ループバックに基づく回線監視信号から返送されたデータを用いて返送の光ファイバ方向で光路に沿って光増幅器からの小さな返送信号を検出する。
【0004】
光路に沿って性能の変化がある場合、これらのループバック信号の振幅は故障位置周辺の増幅器で変化する。これらの変化にいくつかのパターンがあり、ここで、「故障特徴(fault signatures)」と呼ばれ、且つ、異なるパターンは、故障状況の大きさとタイプを指示する。これらの故障状況は、光ファイバのスパンロスの変化、光増幅器のポンプレーザの出力パワーの変化、および光ファイバ破断を含むが、これらに限定されない。拡張自動特徴分析(eASA)アルゴリズムを用いてこれらの特徴を認識して結果を報告することができる。eASA結果により、米国特許番号10637565に記載された拡張回線監視システム(eLMS)システムおよび現場で測定されたライフ開始(beginning of life)データを用いて報告可能なパラメータテーブルを計算することができる。報告可能なパラメータテーブルは、従来の命令/反応タイプシステムにより一致した指標を提供し、該システムは、入力パワー、出力パワー、ゲイン、各中継器のチルト、および中継器間の光ファイバ内のスパンロスの値を報告する。eLMSシステムおよびASAアルゴリズムの例は、それぞれ米国特許10637565、10404362および6134032で議論され、この3者の全ての内容は、引用により本開示に援用される。
【0005】
しかし、現代の海底光ファイバシステムは、空間分割多重信号変調を使用し、増幅器を備える中継器を用いて光通信信号を伝送する。増幅器は、光ファイバペア間でポンプレーザを共有し、単一のポンプレーザの欠陥による影響を低減するように構成される。欠陥がある単一のポンプレーザは、故障特徴を減少させる可能性があり、ASAアルゴリズムは、この点を見落としてしまう可能性がある。
【0006】
また、次世代の海底光ファイバ通信伝送システムは、最近、光学データ通信信号を伝送する光通信経路を変更するように動作可能な拡張分岐ユニット(eBU)と組み合わせるため、元の光通信経路を形成する光ファイバペアの端点は、切り替えの発生時に変化する可能性がある。このような1つまたは複数のeBUで行われるリアルタイムな光通信経路の再設定は、従来のeLMSシステムに新たなチャレンジをもたらし、これらのeLMSシステムは、現在、従来の静的回線監視システムに集積された動的光通信経路再設定を処理しなければならない。
【0007】
別の問題そのものが現れる可能性があり、システムがそのライフ開始時(例えば、最初にインストールするまたは最初に設定する時)に光通信経路Xで動作し、後のある時間に光通信経路Yに切り替わった場合、該システムは、光通信経路Xから光通信経路Yに切り替える前に発生したいくつかの故障の検出を見逃す可能性があり、これは、システム配備の開始に光通信経路Yを監視していないため、報告可能なパラメータテーブルの報告にエラーがある可能性があるためである。
【0008】
また、従来のシステムは、単一の故障検出アルゴリズムを用いて光学的故障を検出する。しかし、各異なるアルゴリズムは、設計の複雑性を増加する必要がある異なる振幅の故障を検出する点で、いずれも独自の優位性を有する可能性がある。
【0009】
光ファイバ電気通信システムの複雑性は急速に増加しつつあり、より多くの光ファイバペアがより多くのデータを運送するという事実により、これらの問題はより複雑になる。予想可能な将来で、これらのシステムがサポートするファイバ数および容量は増加し続け、正確な試験は、時間が更にかかる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様において、海底光通信伝送システムの性能評価装置を提供する。前記システム性能評価装置は、複数の回線監視機器(LME)装置、データ記憶装置およびプロセッサを備えてもよい。前記複数の回線監視機器(LME)装置は、海底光通信伝送システムの動作性能を確定するように動作可能である。前記複数のLME装置のそれぞれは、前記海底光通信システムを形成する端末ステーションに位置決められる。前記データ記憶装置は、前記海底光通信伝送システムに関する情報を記憶するように動作可能である。前記プロセッサは、前記複数のLME装置に結合可能であり、且つ、前記海底光通信システムの性能を監視可能なプログラムコードを実行するように動作可能である。前記プロセッサは、更に、前記海底光通信伝送システムにおける光通信経路が再設定されたことを確定するように動作可能である。前記再設定された光通信経路は、前記海底光通信伝送システムの複数のセグメントを結合して光通信信号伝送を可能にすることによって形成され、且つ、前記再設定された光通信経路は第1端点および第2端点を有する。前記プロセッサは、前記データ記憶装置から、前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性を取得してもよい。前記プロセッサは、更に、前記再設定された光通信経路の前記第1端点から前記第2端点までの前記複数のセグメントのうちの各対応するセグメントの前記システム属性を評価してもよい。評価したシステム属性に基づき、前記再設定された光通信経路を形成する前記第1端点から前記第2端点までのシステムの動作および構造パラメータのリストを含む報告可能なパラメータテーブルを生成してもよい。
【0011】
別の態様において、光路の切り替えに動的に反応する方法を提供する。該プロセスは、拡張分岐ユニットが海底光通信伝送システム内で少なくとも1つの光通信伝送経路を再設定する切り替えを実行したという指示をプロセッサで受信することを含む。前記再設定された光通信経路は、データを伝送するように動作可能であり、且つ多くの光通信システムのコンポーネントを備える。回線監視経路データベースで前記再設定された光通信経路の更新された光通信経路の名称を生成してもよい。前記再設定された光通信経路の更新された光通信経路の名称に関連する報告可能なパラメータテーブルのエントリを更新してもよい。再設定された光通信経路の各光通信システムのコンポーネントに関連する故障情報に基づいて前記再設定された光通信経路のシステム属性を再計算することにより、前記報告可能なパラメータテーブルのエントリを更新してもよい。前記海底光通信伝送システムに関連するトポロジ情報は、前記再設定された光通信経路を含むように修正してもよい。回線監視システムマネージャが受信した高損失ループバックデータセットに関連する時間を、ベースラインの高損失ループバックデータセットのデフォルトの時間閾値に対して評価してもよい。高損失ループバックデータセットに関連する時間への評価がベースラインの高損失ループバックデータセットのデフォルトの時間閾値に従えないことに反応し、受信した高損失ループバックデータを新たなベースラインの高損失ループバックデータセットとして採用してもよい。
【0012】
更なる態様において、設定管理システムを提供する。前記設定管理システムは、海底光通信伝送システムおよび回線監視システムを含んでもよい。前記海底光通信伝送システムは、回線監視機器、分岐ユニットおよび着陸地点を備えてもよい。前記海底光通信伝送システムは、複数の光通信経路に沿って光通信信号を伝送するように動作可能である。前記回線監視システムは、回線監視システムマネージャと回線監視システムスケジューラとを備えてもよい。前記回線監視システムマネージャは、前記回線監視機器に結合されて前記回線監視機器からシステム属性を受信するように動作可能である。前記分岐ユニットおよび前記着陸地点に結合されたネットワークトポロジマネージャを更に提供する。前記ネットワークトポロジマネージャは、前記分岐ユニットのそれぞれからトポロジ情報を受信し、受信したトポロジ情報を光通信経路データベースに記憶するように動作可能である。設定管理プロセッサは、前記回線監視システムおよび前記ネットワークトポロジマネージャに結合してもよい。前記設定管理プロセッサは、前記ネットワークトポロジマネージャからトポロジ情報を取得し、前記回線監視システムマネージャからシステム属性および報告可能なパラメータテーブルのデータベースを取得するように動作可能である。前記報告可能なパラメータテーブルのデータベースは、前記複数の光通信経路ごとに、前記設定管理プロセッサによって受信された前記システム属性を用いて計算された複数のパラメータを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】回線監視機器を備える海底光通信伝送システムの簡略化されたブロック図の一例を示す。
図2】本開示に記載された技術およびシステムの実現に適した分岐ユニットと組み合わせた双方向海底光通信伝送システムの例を示す。
図3A図2の例に示す分岐ユニットの切り替え設定の一例を示す。
図3B】分岐ユニットが再設定された光通信経路を作成することに反応して各設定管理データベースを更新する一例を示す。
図4A】1つの実施例による本主題の一態様を示す。
図4B】設定管理システムのコンポーネントが図3Aおよび3Bの例に記載された例示的なeBUスイッチによって生成された再設定された光通信経路に反応して行った修正の一例を示す。
図5】1つの実施例によるプロセス500を示す。
図6】本開示における例に一致した、回線監視および設定管理システムと組み合わせた例示的なシステムを示す。
図7】海底光通信伝送システムにおける回線監視経路のクロスファイバ検証プロセスの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の議論で、従来のシステムが直面している上記問題の有利な技術およびシステムについて説明する。
【0015】
HLLBに基づく回線監視の再設定と海底光切替との組み合わせは、1つの比較的新たな技術分野である。
【0016】
以下の議論で、1つのシステムについて説明し、ここで、大量のデータは処理され、システム属性への評価(例えば、光通信伝送システムの構成部分の電気的特性)に基づき、光通信伝送システムの複数のサブシステムの再設定の有効性の認識および指示を提供することができる。
【0017】
管理プロセスを手動で設定してみる場合、このようなシステムにおける再設定は、数千個の光通信伝送システム設定を記憶してアクセスする必要がある可能性があり、その結果、通常、性能が良くなく、再設定時間が許容できない。例えば、光通信伝送システムの各分岐ユニットが再設定で処理する必要がある可能な光通信経路の総数は2倍に増加する。n個の分岐ユニットを備えるシステムは、可能な経路の総数が少なくとも2であることで、このような光切替システムの手動的なシステム管理が困難となる。従って、海底光通信伝送システムの光通信経路の設定および再設定を保守して管理するコンピュータシステムが必要となる。
【0018】
光通信システムが数十または数百個の光ファイバケーブルセグメントを含んでもよく、各光ファイバケーブルセグメントが数十または数百個の光ファイバペアを含んでもよいため、光通信システムにおいて、設定および再設定できる光通信経路の可能な数は、非常に大きな数であり、この数は大きすぎるため、コンピュータを使用しない場合に設定の数を保守または管理することができない。議論および説明を簡単にするために、以下の例は、非常に多い光通信経路のうちの1つまたは複数の光通信経路を指すことができる再設定された光通信経路を指す。
【0019】
高いレベルで、海底光通信伝送システムの動作性能状態は回線監視システムによって監視される。回線監視システムは、複数の通路の光ファイバペアを表すために十分なレートで光ファイバペアの複数の通路を自動的に反復することができる試験を実行するように動作可能である。対応する光ファイバペアを有する複数の光通信通路で試験を行うように光ファイバ通信システムを自動的に設定することにより、ダウンタイムを減少することができ、且つ、ケーブルの各光ファイバペアにおける全てまたはほとんど全ての通路を試験することができる。これは、使用可能なスペクトル全体を試験することに関する可能性があるが、試験されるスペクトル中の小さな隙間は許容でき、試験されるスペクトル量が光ファイバペアの使用可能なスペクトル全体での性能を推定するために十分であれば良い。性能と試験されている光ファイバペアが根拠とする光通信伝送システム要求とを比較することができる。
【0020】
背景技術で述べた問題に加え、分岐ユニットを備えるこれらの大型光通信伝送システムの他の問題は、回線監視システムがデータ伝送でどの光通信経路(即ち、どの光通信経路が「アクティブな」光通信経路であるか)を使用しているかを知ることを確保しにくいことである。
【0021】
開示された技術、装置およびシステムの利点および利益は、拡張回線監視システム(eLMS)を提供することを含み、該システムは、分岐ユニットの光切替が発生すると、ライフ開始データを自動的に再設定し、光路の変化および関連する回線監視機器(LME)のハードウェア動作供給パラメータに反応し、回線監視システム(LMS)の経路データベースを自動的に再設定し、負荷変化の影響を回避するために、光切替後に新経路(即ち、再設定された光通信経路)のLMSベースラインを自動的にリセットし、以前にスケジュールしたLMS測定を自動的に再スケジュールするように動作可能である。
【0022】
また、記述されたシステムは、配列内の1つを手動で作成することでライフ開始(BOL)データを作成し、他の(例えば、後の)配列用のライフ開始データを動的に計算し、データベースで検出された故障を保守することで検出された故障への監視を保守し、手動で作成されたBOLと動的に作成されたBOLとの間の違いを示す報告可能なパラメータテーブルのデータベースを作成するように動作可能である。
【0023】
記述されたシステムは、システムがどのように故障を検出するかを設定することもできる。1つまたは複数の例を参照してより詳細に説明したように、該システムは、クロスファイバ検証(cross fiber validation)を提供することができ、該クロスファイバ検証は、より正確な分析を提供し、各故障を互いに関連付けることができる。従来のシステムは、クロスファイバ検証を提供せず、且つ、各故障が互いに関連しない。開示されたシステムおよび技術の別の利点は、故障特徴が重なる同じ位置および近くの位置での複数の故障を検出することができる。従来の回線監視システムは手動で設定されるものである。開示された例は、光通信経路の1つの配列(光通信伝送システムのトポロジを充填するために、手動で設定する必要がある)に対応するライフ開始データを最大1セット使用し、光路の全ての配列を手動で設定するために必要な大量の時間および費用を節約する。以下の例を参照して記述する回線監視システムは自動的に設定されるものである。また、現在開示された技術およびシステムにより、測定スケジュールは、光切替によって変化する各関連するLMP経路で自動的に再設定され得る。
【0024】
また、新たに設定された光通信経路が異なるケーブルステーション端末(例えば、着陸地点)で終了しても、光ファイバペア間の共有ポンプのために一致した報告を提供するという投票アルゴリズムを更に記述する。記述された技術、装置およびシステムは、更に複数の光通信経路の変化が同時に発生するとともに複数の光ファイバペアの光再設定を行うことをサポートする。
【0025】
現在、図面を参照し、ここで、同じ符号は本明細書で同じコンポーネントを指す。以下の記述において、説明するために、多くの具体的な詳細内容は、その完全な理解を提供するために述べられる。しかし、新たな例は、これらの具体的な詳細内容がない場合に実施することができる。他の実例において、周知の構造および装置は、記述を容易にするようにブロック図の形で示される。保護が要求される主題に一致した全ての修正、同等物および代替案を含むことを目的とする。
【0026】
図1は、回線監視機器を備える海底光通信伝送システムの簡略化されたブロック図の一例を示す。光ファイバ通信伝送システムを配備するときに、通常、期待どおりに実行することを確保するために、試験を行う。試験結果は、ライフ開始データ(これにより、システムベースラインを設計することもできる)として保守を行うことができる。
【0027】
一般的には、本開示に一致したシステムおよび方法は、自動化された回線監視システム(LMS)のベースライン設定機能を提供し、該機能は、高損失ループバック(HLLB)データを用いた各中継器、関連する海底コンポーネント等によって特定された動作パラメータを収集して更新することを可能にする。その後、収集した動作パラメータを用いて命令-反応(CR)の方式で特定の海底コンポーネントに対するクエリを満たすことができる。従って、オンボードCR回路システムにより海底コンポーネントを配備することに関連するコスト、複雑性および使用寿命の問題を増加せずに、命令-反応の機能性を実現することができる。本明細書で一般的に指すように、動作パラメータは、HLLBデータから直接または間接的に導出できる任意のパラメータを含む。いくつかの例において、動作パラメータの非限定的な例は、スパンゲイン損失、入力パワー、出力パワー、ゲイン、およびゲインチルトを含む。
【0028】
図1は、本開示に一致した光通信伝送システム100の1つの例示的な実施例の簡略化されたブロック図である。一般的には、光通信伝送システム100は、双方向伝送経路102の両端から送信されたLMS信号により、各中継器/増幅器に関連するループゲイン値を計算するように構成され得る。当業者は、説明を容易にするために、システム100が非常に簡略化されたポイントツーポイントシステムの形式と記述されたことを認識する。本開示に一致したシステムおよび方法は、様々なネットワークコンポーネントおよび設定に組み込むことができることが理解されるべきである。本開示に示す例は、説明するために提供されるものに過ぎず、制限するためのものではない。
【0029】
図に示すように、光通信伝送システム100は、双方向光学伝送経路102を共同で形成する2つの一方向光路110を介して結合された第1端末T1および第2端末T2を備えてもよい。第1端末T1は伝送経路102の第1端に結合され、第2端末T2は伝送経路102の第2端に結合される。
【0030】
光路110は、端末T1における送信機112から端末T2における受信機214への1つの方向における複数の通路(または波長)で光学データを運送することができる。光路120は、経路110に関連する方向と反対となる、端末T2における送信機124から端末T1における受信機122への方向における複数の通路(または波長)で光学データを運送することができる。端末T1に対し、光路110はアウトバウンド経路であってもよく、光路120はインバウンド経路であってもよい。端末T2に対し、光路120はアウトバウンド経路であってもよく、光路110はインバウンド経路であってもよい。光路110は、光ファイバ116-1~116-nと、光増幅器118-1~118-nとの交互の直列接続を含んでもよく、且つ、光路120は、光ファイバ126-1~126-nと光増幅器128-1~128-nとの交互の直列接続を含んでもよい。
【0031】
光路ペア(例えば、光路110、120)は、関連する中継器R1……Rnのハウジング131-1~131-n内に配置され、光ファイバペア116-1~116-nおよび126-1~126-nを介して接続された複数セットの増幅器ペア118-1~118-nおよび128-1~128-nを備えてもよい。光ファイバペア116-1~116-nおよび126-1~126-nは、他の経路ペアをサポートする光ファイバと共に光ファイバケーブルに含まれてもよい。各中継器R1……Rnは、サポートされた経路ペアごとに、1ペアの増幅器118-1……118-nおよび128-1……128-nを含んでもよい。光増幅器118-1……118-Nおよび128-1……128-nは、簡略化された形式で示され、例えば、1つまたは複数のエルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)、または他の希土類添加光ファイバ増幅器、ラマン増幅器または半導体光増幅器を含んでもよい。LLB経路132-1~132-nは、光路110、120の間に結合可能であり、例えば、中継器R1……Rnのハウジング131-1~131-nの1つまたは複数に結合可能であり、且つ、例えば、1つまたは複数の受動光結合コンポーネントを含んでもよい。
【0032】
回線監視機器(LME)140、142は、光路110、120の経路ペアのHLLB監視を提供するために、2つの端末T1、T2に位置してもよい。LME 140は、1つまたは複数のLME試験信号を、例えば、異なる波長および/または異なる周波数で1つの光路110(例えば、端末T1からのアウトバウンド光路)に送信することができる。HLLB経路132-1~132-nのそれぞれは、光路110で伝播するLME試験信号サンプルを別の光路120の順方向伝播方向(例えば、端末T1へのインバウンド光路)に結合してもよい。その後、LME 140は、サンプルを受信して測定することで、ループゲインの変化を検出してシステムにおける故障の指示とすることができる。LME試験信号に反応してHLLB経路132-1~132-nを介して受信されたLME試験信号の受信サンプルは、ここでHLLBループバックデータと呼ばれるか、またはループバックデータと略称される。
【0033】
LME 142は、1つまたは複数のLME試験信号を、例えば、異なる波長および/または異なる周波数で1つの光路120(例えば、端末T2からのアウトバウンド光路)に送信することができる。HLLB経路132-1~132-nは、光路120で伝播するLME試験信号サンプルを別の光路110の順方向伝播方向(例えば、端末T1へのインバウンド光路)に結合してもよい。その後、LME 142は、サンプル(即ち、ループバックデータ)を受信して測定することで、ループゲインの変化を検出してシステムにおける故障の指示とすることができる。LME試験信号を送信し、ループバックデータを受信して測定するためのLME 140、142の各送信機および受信機の設定は知られている。
【0034】
本開示に一致したシステムにおける有用な様々なHLLB経路設定は知られている。また、各中継器R1……Rnが関連するHLLB経路132-1~132-nを有するように示されたが、HLLB経路は他の位置に位置してもよいし、および/またはそれぞれの中継器R1……Rnに位置しなくてもよい。いくつかの実施例において、HLLB経路132-1~132-nは、動作で対称であってもよく、即ち、HLLB経路132-1を介して光路110から光路120に伝達された各波長における光パワーの割合を記述する関数は、HLLB経路132-1を介して光路120から光路110に伝達された各波長における光パワーの割合を記述する関数と同じである。代わりに、1つまたは複数のHLLB経路は対称でなくてもよく、異なるHLLB経路は異なる伝達関数を有してもよい。
【0035】
図2は、双方向海底光ファイバ電気通信システムの一例を示し、該システムは、高帯域光ファイバを用いて大量のデータを長距離にわたって伝送し、これらのデータは、本開示に記載された技術およびシステムを用いて監視することができる。
【0036】
海底光ファイバケーブルは、地上ベースの端末間の海底または海洋底に敷設され、長い海と海洋で光信号を運送する。該設定は、特に、設定の管理時に、多くの独特したチャレンジをもたらし、これは、このようなシステムにおける多くのコンポーネントがいずれも陸地から数マイル離れた海洋底に位置し、且つ、簡単にアクセスして設定または評価できないためである。光ファイバケーブルは、通常、複数の光ファイバペア、および補強部材、電源コンタクター、電気絶縁部材および保護カバーのような他のコンポーネントを備える。光ファイバは、シングルコア/モードファイバまたはマルチモード/コアファイバであってもよい。光ファイバペアの第1光ファイバは、システムに結合されてケーブルにおいて第1方向(例えば、アウトバウンド)で信号を伝達することに使用でき、且つ、光ファイバペアの第2光ファイバは、双方向通信をサポートするためにケーブルにおいて第1方向と反対の第2方向(例えば、インバウンド)で信号を伝達することに用いられるように構成され得る。
【0037】
分岐海底光通信システムにおいて、幹線ケーブルは、第1地上ベース幹線端末と第2地上ベース幹線端末との間で延びることができる。幹線ケーブルは、光信号を増幅するための光増幅器間に結合された多くの幹線ケーブルセグメントを備えてもよく、且つ、それに結合された1つまたは複数の分岐ノードを有してもよい。各分岐ユニットは、地上ベースの分岐端末における送信および/または受信を終了する分岐ケーブルに接続することができる。分岐ケーブルは、光信号を増幅するための光増幅器間に結合された多くの分岐ケーブルセグメントを備えてもよい。
【0038】
ケーブル内で光ファイバ経路ペアを構築し、各光ファイバペアの複数の通路によって変調された光学データ信号を伝送することで、双方向データ伝送を実現することができる。光通信伝送システム200は、例えば、以上で図1を参照して記述したようなコンポーネントまたはコンポーネントを備える双方向光ファイバ通信伝送システムであってもよい。
【0039】
図2の例に示すように、光通信伝送システム200は、3つの着陸ステーション(または、着陸地点)(即ち、PLUM 202、LUCY 226およびTUPI 228)と、1つの拡張分岐ユニット(eBU)(即ち、eBU 218)とを備える。幹線ケーブルは、ケーブルまたはケーブルの複数のセグメントであり、第1着陸地点(例えば、PLUM 202)から第2着陸地点(例えば、LUCY 226)まで延在することができ、対応する光ファイバ204、208、212、216、220、224、中継器206、210、214、222、および拡張分岐ユニット(eBU)218のような海底光通信伝送システムの多くのセグメントで構成できる。
【0040】
光通信伝送システム200におけるeBU 218からの分岐は、海底光通信伝送システムのセグメントに結合可能であり、例えば、幹線(例えば、光ファイバケーブルまたは光ファイバケーブルのセグメント)におけるeBU 218から着陸地点TUPI 228まで延在する対応する光ファイバ230、232および238に結合できる。既に言及された光ファイバケーブルに類似し、各対応する光ファイバ230、232および238は、多くの光ファイバケーブルペア(光ファイバケーブルペアは、双方向通信に用いるように構成される(一方の光ファイバは、第1方向におけるデータ伝送に用いられ、他方の光ファイバは、第1方向と異なる第2方向におけるデータ伝送に用いられる))を含んでもよい。eBU 218は、光ファイバペアに結合された複数のポートを更に備えてもよく、且つ、各対応する光ファイバケーブルペアは、指定されたポートに結合される。eBU 218の各ポートの指定は、eBU 218のプロセッサが内部接続テーブルで保守することができる。後の例でポートの指定の一例について記述する。
【0041】
一例において、着陸地点PLUM 202、LUCY 226およびTUPI 228は、図1の端末T1またはT2に類似するように構成できる。対応する中継器206、210、214、218、222、234および236は、中継器131-1~131-nに類似するように構成できる。HLLB経路(例えば、132-1~132-n)が対応する中継器206、210、214、218、222、234および236に存在するか、またはそれらに結合するが、説明の便宜上、図2においてHLLB経路が示されていない。また、図2に具体的に示されていないが、光ファイバ204、208、212、216、220、224、238、232および230のそれぞれは、第1着陸地点と第2着陸地点との間(例えば、PLUMからLUCYまで、LUCYからTUPIまで、TUPIからPLUMまで、それらの組み合わせ等)で双方向通信を提供するように動作可能な少なくとも1ペアの光ファイバを含んでもよい。各対応する光ファイバ204~230における光ファイバペアの数が12、24または32個のデータ伝送用の光ファイバを含んでもよいことが想定され得る。光ファイバペアの各光ファイバは、異なるスペクトル波長で分離された多くの個別の通信通路を更に備えてもよい。
【0042】
説明を容易にするために、非常に簡略化された形式で光通信伝送システム200について記述した。実際の実施形態において、光通信伝送システム200は、長距離光通信システムとして構成でき、例えば、少なくとも2つの着陸地点間で、約600キロメートルを超え、且つ海洋または他の水体を跨る長さを持つ。
【0043】
このような実際の実施形態において、中継器206、210、214、218、222、234および236は増幅器を備えてもよく、一例において、増幅器は、単一のレーザポンプを用いて対応する中継器に入力された光通信信号を増幅するように構成できる。
【0044】
一例において、光通信経路は、光通信データを能動的にPLUM 202からLUCY 226に伝送することができる。eBU 218は、1つまたは複数の着陸地点PLUM 202、LUCY 226またはTUPI 228に結合された遠隔制御システムまたはクライアントデバイス(後の例で示す)からの制御信号を受信するように動作可能であり、該信号により、eBU 218における1つまたは複数の光スイッチ(該例で示されていない)は、光ファイバ216または光ファイバ220のうちの1つまたは複数の光ファイバを切り替えて再設定された光通信経路を生成する。該例において、eBU 218は、遠隔制御システムからの制御信号を受信することができ、該信号により、eBU 218における光スイッチは、PLUM 202からLUCY 226までの光通信経路を、例えば、PLUM 202からTUPI 228までの光通信経路に再設定する。再設定された光通信経路は、PLUMからTUPIまでの光通信経路と呼ばれてもよい。なお、光ファイバ230もeBU 218に結合される。
【0045】
設定管理システムは、例えば、再設定されたPLUMからTUPIまでの光通信経路に関する情報を用いて異なるシステムおよびデータベースを更新することにより、再設定された光通信経路の作成に反応することができる。再設定された光通信経路の作成は、eBU 218が、光スイッチを作動して再設定された光通信経路を作成し、再設定された光通信経路を作成させる制御信号を受信し、または要求された切り替えが実行された確認信号を生成し、あるいは制御信号を受信することに反応することで指示することができる。
【0046】
設定管理システムが行う設定管理動作の例は、図3Aおよび図3Bの例を参照して記述することができ、ここで、eBU 218は、再設定された光通信経路を作成するために光切替を実行する。
【0047】
図3Aは、図2の例に示す分岐ユニットの切り替え設定の例を示す。切り替え前のeBU(例えば、eBU 218)の状態および光通信経路を示す。図3Aは、動的経路切り替えをどのように動作するかを示す。切り替え前に、eBU 1は全幹線モードにあり、ここで、着陸地点PLUMは、着陸地点LUCYと、TUPIから始めてeBU 1で終了する2本の回線監視経路LMP 13およびLMP 14に直接接続される。着陸地点PLUMから着陸地点LUCYまでの幹線には、回線監視経路指定LMP 1が割り当てられる。また、回線監視システムデータベースおよび/またはトポロジデータベースは、光通信経路の名称(例えば、PLUM.S1.FP1-LUCY_OSPS.Cable1.FP1)を用いて回線監視経路LMP 1を引用することもできる。対応するデータベース内の引用は、各対応する着陸地点PLUMおよびLUCYに結合された海底光通信伝送システムの各セグメントに関連する異なる情報を指示することができる。eBU1で光ファイバの切り替えを行った後、着陸地点PLUMと着陸地点LUCYとの間の光ファイバ接続は変化し、例えば、着陸地点PULMからの光ファイバケーブルまたは光ファイバケーブル内の光ファイバは、着陸地点TUPIに接続でき、且つ着陸地点TUPIからの光ファイバケーブルまたは光ファイバケーブル内の光ファイバは、着陸地点LUCYに接続される。
【0048】
図3Bは、分岐ユニットによって作成されて再設定された光通信経路に反応して様々な設定管理データベースを更新する一例を示す。切り替え後のeBU(例えば、eBU 218)の状態および光通信経路を示す。図2のコンポーネントを参照する例において、eBU 218の切り替え後の光ファイバは、接続されて1ペアの再設定された光通信経路を形成し、ここで、着陸地点PLUM 202は着陸地点TUPI 228に接続され、着陸地点TUPI 228は着陸地点LUCY 226に接続される。該再設定された光通信経路ペアの各再設定された光通信経路ごとに、回線監視経路指定名および/または光通信経路の名称が設定される。
【0049】
後の例を参照して議論したように、新たな光学設定(即ち、再設定された光通信経路)を自動的に検出することができる。例えば、内部回線監視システム再設定指示をトリガすることができ、これにより、LMSスケジュールを再設定して自動化測定を行い、且つ、回線監視経路を再設定することで、拡張自動特徴分析機を介して対応する回線監視経路(LMP)で共有される複数のポンプレーザを分析することができる。
【0050】
図4Aは、eBU1の内部ルーティングテーブルの一例を表す機能図を示し、切り替え前の図2図3Aおよび図3Bの例を代表する。eBU 1の切り替え前の内部ルーティングテーブルは、図3Aにも示されたように、着陸地点PLUMが着陸地点LUCYに接続され、且つ着陸地点TUPIがeBU1で終了することを指示することができる。eBU1において、eBU1で保守されたトポロジテーブルは、PLUM着陸地点から着陸地点LUCYまでの光通信経路の回線監視システム指定が回線監視経路LMP1であることを示す。着陸地点TUPIからeBU1までの光通信経路の回線監視システム指定は、第1光ファイバペア(光ファイバペア1(PF1))に対して回線監視経路13(LMP13)として示され、第2光ファイバペア(光ファイバペア2(PF2))に対して回線監視経路14(LMP14)として示される。eBU1で切り替えを行うと、eBU1の内部ルーティングテーブルは動的に自動更新してもよい。例えば、遠隔制御ユニット(図示せず)、クライアントデバイス(例えば、別の例に示された)等から受信した命令信号を受信すると、内部ルーティングテーブルの動的更新を行う。
【0051】
図4Bは、設定管理システムのコンポーネントが、図3Aおよび3Bの例に記載された例示的なeBUスイッチで生成された再設定された光通信経路に反応して行った修正の一例を示す。
【0052】
切り替え前のeBUの内部ルーティングテーブルは、図3Aに示されるように、着陸地点PLUMが着陸地点LUCYに接続され、且つ着陸地点TUPIがeBU(即ち、eBU 1)で終了することを指示することができる。
【0053】
図4Aおよび図3Bにおいて、古いLMP 13は、海底光通信伝送システムの各セグメントのうち、切り替え前に着陸地点TUPIからeBU1に延在する該セグメントの光通信経路の名称である。再設定された光通信経路を生成するeBU 1で切り替えを行った後、再設定された光通信経路の光通信経路の名称がPLUM-EBU1-TUPIであるため、設定の変化によって、ゲインおよびゲインチルト等のようなインバウンドおよびアウトバウンドパラメータを交換する必要がある。
【0054】
トポロジテーブルを更新することに加え、eBU1で設定管理プロセッサおよび回線監視システム(LMS)マネージャに更新されたポート指定を知らせることができる。例えば、eBU1における設定管理プロセッサ、LMSマネージャまたはプロセッサのうちの1つまたは全部は、再設定された光通信経路の生成による影響を受けたeBU1のポートのために更新されたポート名称を生成するように動作可能である。図4Bに示す例において、新たなPLUM-EBU1-TUPIを起動するために、更新された名称を付ける必要がある。例えば、ポートを再計算するための例示的なプロセスは、「LMP*シフト係数+バンド」を使用することができ、ここで、シフト係数=10で、バンド=0(Cバンド)または1(Lバンド)である。基本的に、シフト係数は、図4Bにおける例に示されるように、更新されたLMPポート番号を生成することに用いられる。例えば、PLUMをTUPIに接続するLMPがLMP 15として指定されたため、対応する光ファイバペア内のPLUMおよびTUPIに結合された各ポート指定は、ポート15*10+0(Cバンド)=150でeBU1に結合される。同様に、TUPIからLUCYまでの光通信経路のLMPに光通信経路の名称16が付けられたため、対応する光ファイバペア内のeBU1でTUPIおよびLUCYに結合された各ポート指定は、ポート指定ポート16*10+0(Cバンド)=160であってもよい。
【0055】
新たなルーティングテーブルを生成した後、LMSは、上記プロセスを実行して他の例で記述された付加的な機能を参照することができる。例えば、図5は、設定管理プロセッサによって実現された、開示された機能を実行するプロセスを示す。
【0056】
図5は、再設定された光通信経路の生成に反応して発生する設定管理プロセスの一例を示す。例えば、再設定された光通信経路の生成に反応し、プロセッサは、プロセス500の一部としての以下の機能を実行するように動作可能である。
【0057】
ブロック502において、プロセス500のプロセッサを実行すると、拡張分岐ユニットが、海底光通信伝送システム内で少なくとも1つの光通信伝送経路を再設定する切り替えを実行したという指示を受信することができる。例えば、受信した指示は、前記少なくとも1つの分岐ユニットから取得された、前記少なくとも1つの分岐ユニットの光切替状態の変化を指示する光ファイバ接続テーブルであってもよい。該例において、光ファイバ接続テーブルは、前記少なくとも1つの分岐ユニットが光ファイバケーブルセグメントと前記少なくとも1つの分岐ユニットに結合された光ファイバケーブルセグメントの各対応するセグメント内の光ファイバペアとの間で行った接続を認識する。
【0058】
再設定された光通信経路は、光通信信号を介してデータを伝送するように動作可能であり、且つ多くの光通信システムのコンポーネントを備える。例えば、光通信システムのコンポーネントの数は、更新された着陸地点、更新された光ファイバケーブルセグメント、別の拡張分岐ユニットまたは光ファイバケーブル内の更新された光ファイバペアのうちの少なくとも1つまたは複数、あるいはその組み合わせを含んでもよい。拡張分岐ユニットから送信された受信された指示は、光ファイバ接続テーブルの変化の指示であってもよい。例えば、光ファイバ接続テーブルは、拡張分岐ユニットと並置または結合されたプロセッサによって保守することができる。
【0059】
これらの機能は、トポロジテーブルを参照してLMPにおける経路の名称を更新することを含んでもよい。ブロック504において、プロセス500は、回線監視経路データベース内の再設定された光通信経路のために更新された光通信経路の名称を生成することである。
【0060】
プロセッサは、更に、SDMグループのトポロジを再計算してトポロジ情報をアップロードするように動作可能である。いくつかの例において、プロセッサは、再設定された光通信経路を確立する前に、回線監視システム内の各光通信経路のために個別の高損失ループバックデータベースラインを計算するように動作可能である。例えば、新たな高損失ループバックデータセットをLMSに送信して分析する場合、LMSは、例えば、ベースラインの高損失ループバック(HLLB)データの日付および/またはタイムスタンプを検査するように動作可能であり、日付および/またはタイムスタンプが設定されておらず、またはデフォルトの時間閾値よりも前に設定された場合、プロセッサは新たなHLLBデータを新たなベースラインとして採用してもよい。
【0061】
ブロック506において、プロセス500は、再設定された光通信経路の更新後の光通信経路の名称に関連する報告可能なパラメータテーブルのエントリを更新する。報告可能なパラメータテーブルのエントリは、再設定された光通信経路のシステム属性を含み、これらのシステム属性は、再設定された光通信経路の各光通信システムのコンポーネントに関連する故障情報に基づいて再計算される。
【0062】
例えば、再設定された光通信経路PLUM-eBU1-TUPIのいくつかのコンポーネントは、他の光通信経路でいくつかのコンポーネントを使用する際に収集して記憶した故障情報を有する可能性がある。また、例えば、切り替えおよび生成された再設定された光通信経路の影響を受けた空間分割多重(SDM)光通信信号に対し、報告可能なパラメータテーブルのデータベースに記憶された報告可能なパラメータテーブル(RPT)を再計算することができる。
【0063】
例えば、プロセッサは、複数の中継器のそれぞれ、複数のスパンにおける各光ファイバスパンに関連する故障情報、前記少なくとも1つの分岐ユニットおよび複数の回線監視機器のそれぞれに関連するシステム属性情報を検索するように動作可能である。故障情報は、スパンロスおよびポンプ劣化のうちの少なくとも1つを含み、且つ、システム属性情報は、距離、信号損失、入力パワー、ゲイン、出力パワーまたはゲインチルトのうちの少なくとも1つまたは組み合わせを含む。なお、スパンロスは、2つの中継器間の光ファイバスパンの信号損失と定義できる。スパンロスとスパンロス故障との異なりは、スパンロス故障がスパンロスの変化またはライフ開始スパンロスに追加された付加的なスパンロスであることである。
【0064】
海底光通信伝送システムの各コンポーネントはいずれも測定を受け、対応するコンポーネントを表すシステム属性を取得する。これらのシステム属性は、ライフ開始(BOL)データと呼ばれてもよい。ライフ開始データは、システム設計を表す測定データと記述することができ、且つ、入力パワー、出力パワー、ゲイン、スパンゲイン損失、スペクトルチルト、距離等のようなパラメータを含んでもよい。一例において、eBU 218のような第1拡張分岐ユニットにおけるパワーは知られており、且つ、ライフ開始データと考えられる。いくつかの例において、距離は、中継器および/または非バインディングネットワーク要素(UNE)間の距離を記述するためのライフ開始データとして見なされてもよい。
【0065】
図6を参照して議論したように、回線監視システムは、回線監視経路のデータベースを保守することができる。回線監視経路のデータベースは、各対応する回線監視経路の回線監視機器(LME)の測定結果を保守するデータ構造であってもよい。回線監視経路データは、対応する中継器間の距離、回線監視経路における対応する回線監視機器の特性データを含んでもよい(LMEハードウェア(光信号のペイロードチャネル以外のマルチトーン信号)は、光路の切り替えによって導入された回線監視機器と通信するように再設定する(例えば、PLUM/LUCYから図2におけるPLUM/TUPIまたはLUCY/TUPIに変更する)必要がある可能性があるためである)。
【0066】
一例において、システム属性の再計算は、再設定された光通信経路のライフ開始(BOL)データを再計算することにより行うことができる。一例において、LMSは、以前にRPTがインストールされているかどうかを確認するために、データベースを検査するように動作可能である。BOLデータがインストールされた場合、RPTを新たな内部引用として挿入することができ、そうでなければ、BOLデータを新たな内部引用と共にインストールし、監視されたシステムのコンポーネントの故障情報を保留することができる。従って、再設定された光通信経路の作成に反応して新たなLMPを生成するときに、システム設定の正確な記述を保持するように、以前のLMP内のシステムのコンポーネントに関連する故障データを保守する。
【0067】
海底光通信伝送システムにおけるコンポーネントの例は、中継器、ステッチング素子、増幅器、光ファイバおよび/または光ファイバケーブルカプラ、光スイッチ、および光ファイバ内にあるまたは光ファイバを分岐ユニットまたは他のコンポーネントに結合するために使用可能な他のコンポーネントを含んでもよい。光通信システムを計画している間に、光通信伝送システムまたはその一部を構成するコンポーネント(例えば、中継器、ステッチング素子、分岐ユニット等)を認識することができる。例えば、光通信システムまたは光通信システムの一部を構築するためのコンポーネントの動作性能特徴の測定、例えば、特定の中継器、ケーブルセグメント、拡張分岐ユニット等における信号損失値の測定を行うことができる。
【0068】
海底光通信伝送システムの各コンポーネント(例えば、200)は、データベースでそれに関連するシステム属性を有することができる(後のシステム例を参照してより詳細に記述する)。システム属性は、回線監視システムのコンポーネントがHLLBデータに反応して生成されてもよいし、および/または光通信伝送システムに対応するコンポーネントをインストールする前に行われた測定結果に基づいてもよい。製造後に受信したHLLBデータおよび/またはインストール前に行われた測定結果は、ライフ開始(BOL)データと呼ばれてもよい。BOLデータは、光通信伝送システムの動作性能に関連するシステムコンポーネントを表すことができる異なるタイプのデータを含んでもよい。
【0069】
eBUの切り替えを実行するときに、トポロジに記憶された情報を用いてRPTテーブル内のエントリおよびBOLデータを動的に再計算することができる。また、各装置のRPTテーブルで(即ち、装置またはコンポーネントに基づく)スパンロスおよびポンプ劣化のような故障情報を保守したため、分岐ユニットが光切替を実行する場合、初期配備と、影響を受けた回線監視経路の分岐ユニットによって実行された切り替えとの間の時間ギャップ内に、故障情報が保留される。
【0070】
ブロック508において、プロセス500は、再設定された光通信経路を含むように、海底光通信伝送システムに関連するトポロジ情報を修正する。例えば、図3A図3Bを参照し、光切替状態の変化を追跡するために、eBUノード(即ち、eBU1)は、図4Aに示すように、切り替え前の光ファイバ接続テーブルを保守する。eBU 1で切り替えを行うときに、内部光ファイバ接続テーブル(トポロジデータベースとも呼ばれる)を図3Aに変更するように、切り替え情報はLMSに伝達される。
【0071】
ブロック510において、プロセス500は、ベースラインの高損失ループバックデータセットのデフォルトの時間閾値に対して、回線監視システムマネージャが受信した高損失ループバックデータセットに関連する時間(例えば、日付またはタイムスタンプ)を評価する。
【0072】
ブロック512において、プロセス500は、高損失ループバックデータセットに関連する日付またはタイムスタンプの評価に反応し、ベースラインの高損失ループバックデータセットのデフォルトの時間閾値に従わず、受信された高損失ループバックデータを新たなベースラインの高損失ループバックデータセットとして採用する。
【0073】
また、プロセッサは、再設定された光通信経路が生成されたことを回線監視システムマネージャに警告または通知することができる。警告または通知は、再設定された光通信経路に関する情報を含んでもよい。回線監視システムマネージャは、警告または通知に反応し、以前の光通信経路におけるスケジュールの運転を再設定された光通信経路を含む現在のスケジュールの運転に自動的に置き換えるように回線監視システムスケジューラに命令することで、更新された回線監視スケジュールを生成するように動作可能である。例えば、プロセッサによって生成された更新された回線監視スケジュールは、再設定された光通信経路を監視するための命令、および海底光通信伝送システムにおけるデータを伝送しなくなった任意のセグメントに対する監視をキャンセルするための命令を含む。海底光通信伝送システムにおけるデータを伝送しなくなったセグメントは、非アクティブ経路と呼ばれ、データを伝送するセグメントはアクティブ経路と呼ばれる。非アクティブ経路またはそのセグメントは、再設定された光通信経路またはその一部となるように切り替えられ得る。同様に、再設定された光通信経路となるように切り替えられたアクティブ経路またはそのセグメントは、後で再設定された光通信経路の一部でなくなるように切り替えられてもよい。
【0074】
プロセッサは、回線監視プログラムに対して付加的な機能を実行することもできる。別の例において、再設定された光通信経路に関連する故障情報を含む報告可能なパラメータテーブルのデータベースを評価してもよい。評価結果に基づき、自動故障特徴アルゴリズムのリストから1つまたは複数の自動故障特徴アルゴリズムを選択して再設定された光通信経路の対応するセグメントに適用することができる。評価結果は、再設定された光通信経路の各対応するセグメントに適用された特定の自動故障特徴アルゴリズムを指示する。選択された自動故障特徴アルゴリズムを対応する回線監視機器に割り当てることにより、提供された対応する回線監視機器の結果を用いて再設定された光通信経路の各対応するセグメントを監視する。
【0075】
図6は、本開示における例に一致した、回線監視および設定管理と組み合わせた例示的なシステムを示す。
【0076】
設定管理システム600は、例えば、図1および図2に示すように、複数のシステムと組み合わせることにより、大型光通信伝送システムを管理することができる。制限ではなく明確にするために、非常に簡略化された方式で設定管理システム600を示す。設定管理システム600は、ハードウェア(例えば、回路システム)、ソフトウェアまたはその組み合わせで実現できる。1つの実施例において、設定管理システム600は、少なくとも部分的に複数の命令として実現でき、これらの命令は、図5のプロセス500のようなLMSプロセスおよび設定管理プロセスを実行するために、コントローラ/プロセッサ/サーバ(図示せず)によって実行できる。本開示で一般的に示されるように、コントローラ/プロセッサ/サーバまたはプロセスは、プロセッサ(例えば、x86プロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)または任意の他の適当な処理装置/回路システムとして実現できる。
【0077】
一態様において、設定管理システム600は、設定マネージャ602、海底光通信伝送システム608、光通信経路データベース618、回線監視システム604、ネットワークトポロジマネージャ606およびネットワーク630を備えてもよい。設定マネージャ602は、CMプロセッサ620および報告可能なパラメータテーブルDB 624を備えてもよい。
【0078】
ネットワーク630は、例えば、図1および図2に示すように、光通信伝送システムの設定および性能に関する情報を効率的に交換できるように、全く異なるが互換性のあるシステムとマネージャとを結合するように動作可能である。対応するシステムおよびマネージャは、知られているネットワークプロトコルに基づき、ネットワークを介して通信することができる。
【0079】
海底光通信伝送システム608は、回線監視機器914、分岐ユニット612、および光ファイバケーブル(例えば、図1および図2のような他の例に示すように、中継器および他の装置を更に備える)に結合された着陸地点610を備える。議論を容易にするために、該例において、光通信経路を形成する中継器、光ファイバケーブルおよび他の装置が示されていない。海底光通信伝送システム608は、多くの光通信経路に沿って光通信信号を伝送するように動作可能である。回線監視システム604は、拡張回線監視システム(eLMS)と呼ばれてもよく、且つ、回線監視システムマネージャ622、eASAプロセッサ628および回線監視システムスケジューラ616を備えてもよい。回線監視システムマネージャ622は、回線監視機器614からシステム属性を受信することができる。
【0080】
1つの動作例において、設定管理(CM)プロセッサ620は、eASAプロセッサ628の出力を受信することができ、且つ、eASAプロセッサ628の出力を、光伝送システムの1つまたは複数の関連する中継器/コンポーネントに対応する動作パラメータにマッピングすることができる。CMプロセッサ620は、ベースラインRPT値とeASAプロセッサ628から出力された値とを比較して異なる時間に行われた測定結果間の差を確定するように動作可能であり、これは、更に動作パラメータの変化の計算にも使用できる。報告可能なパラメータテーブルDB 624に含まれた動作パラメータの計算用の詳細内容は、米国特許10382123に記述され、その全ての内容が引用により本開示に援用される。
【0081】
開示されたシステムにおいて、ネットワークトポロジマネージャ606は、光通信経路データベース618内のトポロジを能動的に管理するように動作可能である。該トポロジは、全ての装置(例えば、中継器、着陸地点、分岐ユニット612)および装置を接続する光ファイバスパン(例えば、図2の光ファイバ204およびその他)を含んでもよい。各装置または光ファイバスパンは、いずれもRPTテーブルパラメータを計算するために使用できる重要な情報を有する。また、eBUのトポロジは、セグメント間の接続性を明確に記録したルーティングテーブルを含む。eBUトポロジノードは、eBUがeBUに結合された各光ファイバをどのようにルーティングするかを説明するルーティングテーブルを含む。高いレベルで、eBUは、ルーティング器に類似したものと見なすことができ、信号トラフィックが期待された宛先に到達できるように、1つの光ファイバにおける信号トラフィックを別の光ファイバにルーティングする。
【0082】
光ファイバの切り替えの実行時に、関連するeBU内のルーティングテーブルを自動的に再設定することができ、且つ、ライフ開始データを自動的に再計算することができる。新たに生成された経路に含まれた装置に関連する故障が発生した場合、ライフ開始RPTを計算できるだけでなく、現在のRPTを計算することもでき、これにより、新たに生成された光路が光ファイバの切り替え前に監視されたことがなくても、検出された故障情報を保留することができる。
【0083】
CMプロセッサ620は、該プロセッサが設定マネージャ602のトポロジ管理を実行可能であるようにするプログラムコードを実行するように動作可能である。
【0084】
共有ポンプレーザポンプの光ファイバペア間で分析結果を一律に報告可能にすることにより、光通信伝送システムのトポロジは作成され、且つ、設定マネージャ602によって回線監視システム604およびネットワークトポロジマネージャ606からの入力に基づいて能動的に管理される。光通信伝送システムのトポロジは、海底光通信伝送システムのコンポーネントおよび構造についての重要な情報(例えば、RPT BOLデータ、ASA故障履歴等)を保守する。例えば、光通信経路データベース618または報告可能なパラメータテーブルDB 624は、ゲイン(インバウンド、アウトバウンド)、チルト(インバウンド、アウトバウンド)、個別のポンプ劣化という光通信伝送システムにおける各中継器に関する情報と、ゲイン(インバウンド、アウトバウンド)、チルト(インバウンド、アウトバウンド)、ポンプ劣化(インバウンド、アウトバウンド)および出力パワーという各着陸地点(またはステーション)に関する情報と、中継器、ステーションおよび海底ネットワークコンポーネントのうちの2つの間の各光ファイバに関する情報と、スパンロス(インバウンド、アウトバウンド)、スパン長、屈折率と、各分岐ユニットについての関する情報と、光ファイバ接続とを記憶するように動作可能である。
【0085】
起動時に、光通信伝送システムを配備する際、例えば、設定されたeBUスイッチ状態の配列のうちの1つのスイッチ状態を用いて該トポロジを充填することができる。光通信伝送システムが動作し、故障が発生し、および分岐ユニット612が光路を切り替えて再設定された光通信経路を生成することにつれ、回線監視システム604は設定マネージャ602を更新してもよい。
【0086】
クライアント626は、対応するデータベース、システムおよびコンポーネントを審査し、制御信号を入力し、分岐ユニット612のような分岐ユニットを制御するために、設定マネージャ602に結合してもよい。例えば、クライアント626は、更に、遠隔制御信号を海底光通信伝送システム608内の装置に伝送するように動作可能である。例えば、クライアント626は、対応する回線監視システム604またはマネージャ602および606に信号を送信するように動作可能であり、これにより、例えば、回線監視機器614を提供および/または再提供することができ、分岐ユニット612のうちの1つが切り替えを行って再設定された光通信経路を生成したり、他の機能および動作を実行したりする。
【0087】
高いレベルで、設定管理システム600は、海底光通信システムの性能の監視を可能にするプログラムコードを実行するように動作可能である。例えば、CMプロセッサ620、eASAプロセッサ628および/またはLMSマネージャ622は、該プログラムコードを実行するように動作可能であり、且つ、海底光通信伝送システムにおける光通信経路が再設定されたことを個別にまたは組み合わせて確定するように動作可能である。例えば、分岐ユニット612のうちの1つの分岐ユニットが海底光通信伝送システムの複数のセグメントを結合することで再設定された光通信経路を形成し、これにより、再設定された光通信経路を介して光通信信号の伝送を行うことができる。前の例において、再設定された光通信経路は第1端点および第2端点を有する。
【0088】
また、プロセッサは、データ記憶システムから、再設定された光通信経路の第1端点から第2端点までの複数のセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性を取得してもよい。いくつかの例において、取得したシステム属性内のシステム属性は、スパンロス、装置の信号損失、実際のゲイン等を含んでもよい。いくつかの例において、再設定された光通信経路を形成すると標識された各対応するセグメントにおける光通信伝送システムの各コンポーネントのシステム属性は、各コンポーネントのライフ開始データを含む。再設定された光通信経路の第1端点から第2端点までの複数のセグメントのうちの各対応するセグメントのシステム属性は、プロセッサによって評価され得る。取得したシステム属性に基づき、報告可能なパラメータテーブルまたは報告可能なパラメータテーブル内の複数のエントリを生成してもよい。例えば、報告可能なパラメータテーブルは、再設定された光通信経路を形成する第1端点から第2端点までのシステムの動作および構造パラメータのリストを含んでもよい。報告可能なパラメータテーブルおよびその対応するエントリは、報告可能なパラメータテーブルDB 624に記憶できる。
【0089】
報告可能なパラメータテーブルDB 624および光通信経路データベース618は、揮発性または不揮発性メモリ領域で実現できる。いくつかの例において、回線監視システム604のコンポーネントは、物理的に同じシステムに位置しなくてもよく、異なるシステム(例えば、602、604または608)に分布してもよい。例えば、報告可能なパラメータテーブルDB 624と光通信経路データベース618は、それぞれ図1の着陸地点T1とT2に位置してもよい。従って、回線監視システム604のコンポーネント(例えば、回線監視機器614、eASAプロセッサ628、回線監視システムスケジューラ616およびLMSマネージャ622)は、互いに通信してデータおよび/または処理機能を共有するように動作可能である。
【0090】
ネットワークで伝播する(複数の)LME試験信号に反応し、回線監視機器614は、光通信伝送経路から1つまたは複数の高損失ループバック(HLLB)データセットの形式でループバックデータを受信するように動作可能である。光通信伝送経路におけるシステムのコンポーネントを表すために光時間領域反射計(OTDR)信号を使用してもよいが、OTDRで光通信経路のシステムを表すために、経路が非アクティブ状態にあることが要求される可能性がある。ループバックデータは、HLLBデータセットと呼ばれてもよいし、HLLBデータと略称されてもよい。HLLBデータは、光通信経路データベース618等のようなHLLB記憶を提供するメモリに記憶できる。一例において、eASAプロセッサ628は、複数のシステム端点(端末ステーションと呼ばれてもよいし、ステーションと略称されてもよい)および複数の測定サンプルからの差分HLLBデータセットを動作することで、単一のループバックデータセットを動作するASA方法よりも高い正確度を持つ結果を提供することができる。eASAプロセッサ628は、更に、名称の特徴が不完全である可能性があっても、端末ステーション/着陸地点付近の変化を検出するように動作可能である。
【0091】
HLLBベースラインデータは、光通信経路データベース618に記憶された現在のHLLBベースラインデータ(「LMEベースラインデータ」と呼ばれてもよい)を含んでもよい。回線監視システム604がHLLBデータを受信するたびに、HLLBデータは、LMSマネージャ622によって検証されて光通信経路データベース618に記憶され、良好なデータとして最も新たなLME測定により取得された任意のHLLBデータと比較することができる。
【0092】
一例において、LMSマネージャ622またはネットワークトポロジマネージャ606は、光通信経路データベース618からHLLBベースラインを取得し、eASAプロセッサ628にHLLBベースラインデータを提供するように構成できる。動作中に、LMSマネージャ622は、修正せずに現在のHLLBベースラインデータを保守してもよいし、検出された第1所定の閾値を超えた故障/状況に基づいてベースラインデータをローカルに修正してもよいし、HLLBベースラインデータセット全体を置き換えてもよい。最も新たなHLLBデータおよび記憶されたHLLBベースラインデータを用い、報告可能なパラメータテーブルDB 624内の全ての値は、CMプロセッサ620によって導出できる。
【0093】
回線監視システムスケジューラ616は、回線監視機器614のためにスケジュールを設定し、信号を生成し、アクティブ光路ごとにHLLB測定を自動的に行い、ここで、「アクティブ」は、光路が光信号を伝送している(例えば、光通信信号を介してストリーミングでデータを能動的に伝送する)ことを意味する。例えば、図3BにおけるPLUMからLUCYまで、そのうち、TUPIまでの光通信経路は「非アクティブ」である。「非アクティブ」光通信経路が「アクティブ」になるたびに、回線監視スケジュールを更新する必要があり、その逆も同様である。スケジュールされた監視イベントは、回線監視システムスケジューラ616によって設定でき、回線監視機器614の対応する回線監視機器に、光通信経路(再設定された光通信経路を含む)を形成する光ファイバケーブル内の光ファイバのほとんど全部または代表的な部分を、毎日、36時間ごと、3日ごと、毎週等に1回測定させる。あるいはまたは加えて、スケジュールされた監視イベントは、クライアント626を介してユーザによって設定されてもよい。
【0094】
LMSマネージャ622またはネットワークトポロジマネージャ606は、光通信経路データベース618に記憶されたベースラインデータを提供/更新するように構成できる。動作中に、LMSマネージャ622またはネットワークトポロジマネージャ606は、修正せずに現在のRPTベースラインデータを保守することができ、且つ可、検出された第1所定の閾値を超えた故障/状況に基づいてRPTベースラインデータをローカルに修正したり、RPTベースラインデータセット全体を置き換えたりするように動作可能である。
【0095】
CMプロセッサ620は、RPT更新モデル等を利用して報告可能なパラメータテーブルのデータベースを更新するようなRPT更新器機能を実現するように動作可能である。CMプロセッサ620は、eASAプロセッサ628からの出力を受信することができ、且つ、eASAプロセッサ628の出力を、海底光通信伝送システム608の1つまたは複数の関連する中継器/コンポーネントに対応する動作パラメータにマッピングすることができる。CMプロセッサ620は、ベースラインRPT値とeASAプロセッサ628から出力された値とを比較することで変化したRPT更新器機能を確定するように動作可能であることを実現するプログラムコードを実行する。CMプロセッサ620は、比較の結果(例えば、確定された変化)を用いて再設定された光通信経路用の動作パラメータを計算し、再設定された光通信経路の生成の影響を受けた光通信経路の動作パラメータの変化を計算することができる。従って、CMプロセッサ620は、報告可能なパラメータテーブルDB 624にアクセスすることで、eASAプロセッサ628の出力に基づいて動作パラメータおよび任意の更新されたRPTベースライン値を記憶することができる。報告可能なパラメータテーブルDB 624のうちのRPTテーブル(またはRPTルックアップテーブル)に記憶および更新できる光通信経路の各コンポーネントのRPTデータの例は、スパンロス、電源入力、電源出力、ゲインおよびゲインチルトを含んでもよい。報告可能なパラメータテーブルDB 624の最も新たなRPTデータは、現在のベースラインRPTデータと呼ばれてもよい。RPTデータは、そのRPTデータが計算された光通信経路の名称と関連付けて記憶することができる。
【0096】
一例において、eASAプロセッサ628は、故障位置および故障振幅を報告することができ、HLLBデータと共に次の層に送信され、例えば、CMプロセッサ620に送信され、RPTデータを生成することに用いられる。RPTベースラインデータセットは、LMSベースラインを構成したデータから導出されたものであるため、LMSベースラインで使用されるデータと異なるデータを含んでもよい。例えば、回線監視システム604のeASAプロセッサ628は、システム故障があるという指示を生成してもよい。eASAプロセッサ628が自動特徴分析に適用される高損失ループバックデータは、中継器またはスパンに特定の振幅の故障があることを示す可能性がある。しかし、eASAプロセッサ628は、入力および出力パワーへの影響、ゲインおよびゲインチルトの大きさ、または1つの中継器から次の中継器へのスパンロス量のような、故障についての任意の付加的な情報を提供しない。CMプロセッサ620は、報告可能なパラメータテーブルDB 624のためにデータを生成するときに、回線監視システム604からの高損失ループバックデータおよびeASAプロセッサ628からの分析結果を取得し、光通信伝送システムの動作性能についてのより多くの情報を提供する値およびパラメータを生成する。
【0097】
一例において、CMプロセッサ620は、RPTベースラインデータを更新することで、例えば、RPTエントリ内の1つまたは複数の動作パラメータを置き換えるまたは他の方式で調整し、更新したRPTベースラインデータを回報告可能なパラメータテーブルDB 624に記憶する。いくつかのこのような例示的な動作パラメータは、各増幅器および隣接するスパンに対する入力パワー、出力パワー、ゲイン、スパンロス、スペクトルチルトおよび/またはスパン長を含み、それらは、回線監視機器614から受信された該1セットまたは複数セットのHLLBデータ内に示される。また、RPT内には、検出された故障の大きさ、および1つの中継器から次の中継器までのスパンロス量等のような、検出された故障によって特定された情報の動作パラメータが更に含まれてもよい。
【0098】
一例において、回線監視機器614は、監視およびデータ報告プロセスを周期的に実行する。各監視周期内に、回線監視システム604は、ステーションから新たなHLLBループバックデータセット(例えば、以上で図1を参照して議論したように、WDM伝送システム100に沿って伝播するLME試験信号に基づく)を受信し、eASAプロセッサ628を用いて受信したデータセットに対して拡張自動特徴分析を行うことができる。拡張自動特徴分析の結果に基づき、eASAプロセッサ628は、1つまたは複数の測定結果が所定の閾値を超えたことを確定し、故障状況が検出されたことを指示することができる。
【0099】
別の例において、クライアント626は、入力パワー、出力パワー、ゲイン、スパンロスおよびチルトのような結果を監視するために、命令-反応に類似する方式で設定マネージャ602および回線監視システム604をクエリすることができる。逆に、設定マネージャ602は、報告可能なパラメータテーブルDB 624に記憶されたRPTデータを用いてクライアント626からの要求を満たすことができる。
【0100】
ネットワークトポロジマネージャ606は、分岐ユニット612および着陸地点610に結合され、且つ、分岐ユニット612のそれぞれからトポロジ情報を受信し、受信したトポロジ情報を光通信経路データベース618に記憶することができる。設定管理プロセッサ620は、回線監視システム604およびネットワークトポロジマネージャ606に結合可能であり、且つ、ネットワークトポロジマネージャ606からトポロジ情報を取得し、また、LMSマネージャ622からシステム属性を取得するように動作可能である。CMプロセッサ620は、報告可能なパラメータテーブルのデータベース624から、システム属性を用いて複数の光通信経路のそれぞれに対して計算した動作パラメータのようなデータを取得することもできる。
【0101】
いくつかの例において、海底光通信伝送システム608の光通信経路数の一部は、光通信信号を着陸地点のうちの第1着陸地点から第2着陸地点に伝送するように動作可能である。伝送光通信信号の複数の光通信経路の一部は、アクティブ光通信経路と呼ばれてもよく、例えば、図3Aにおける着陸地点PLUMから着陸地点LUCYまで延在するLMP1である。
【0102】
回線監視機器614は、図1の132-1~132-nのような多くの高損失ループバックシグナリング装置を備える。前記複数の高損失ループバックシグナリング装置における各高損失ループバック装置は、回線監視デバイス装置から回線監視信号を受信するように動作可能である。回線監視信号は、LMSマネージャ622に伝送されてシステム属性を検索することに用いられる。
【0103】
CMプロセッサ620は、更に、システム属性を用いて個別の光通信経路の多くのパラメータを計算し、計算した複数のパラメータを該個別の光通信経路に関連付けて報告可能なパラメータテーブルDB 624に記憶するように動作可能である。
【0104】
分岐ユニット612のそれぞれは、第1光通信経路の一部で光通信データを伝送することから第2光通信経路の一部で伝送することに切り替えることで再設定された光通信経路を生成するように動作可能である。LMSマネージャ622は、再設定された光通信経路の各対応するセグメントに対して対応する回線監視機器を提供するように動作可能であり、該回線監視機器は、選択された自動故障特徴アルゴリズムに使用されるデータを収集するために、対応するセグメントを監視している。また、回線監視システム(LMS)のスケジューラ616は、再設定された光通信経路における回線監視機器614によって実行されるスケジュールの測定を変更するように動作可能である。
【0105】
従来、故障検出は、1タイプの故障検出アルゴリズムを光通信経路の故障に適用するだけを許可し、且つ、適用する故障検出アルゴリズムは、設定された経路または該経路の一部で1セットの既知の故障特徴を探すという方式で実行される。該経路が既知の故障特徴の1つを示していない場合、該経路にいかなる故障がないと考えられる。しかし、現在開示された技術例およびシステムの例は、特定のタイプの故障をより正確に検出するために、既存の状況(例えば、LMS等によって測定または指示されたもの)を用いて1つまたは複数のタイプの故障検出アルゴリズムを選択することで、eASAプロセッサ628に使用させるように動作可能である。
【0106】
eASAプロセッサ628は、拡張自動特徴分析アルゴリズムのリストから1つまたは複数の自動特徴アルゴリズム、即ち、eASAプロセッサ628に使用されるeASAアルゴリズムを選択し、再設定された光通信経路の対応するセグメントに適用することができる。例えば、評価結果は、再設定された光通信経路の異なるセグメントの特定タイプの故障または特定パターンのシステム属性を指示することができる。または、eASAプロセッサ628は、同じ対応するセグメントのために複数のeASAアルゴリズムを選択することができる。
【0107】
拡張自動特徴分析アルゴリズムを選択する仮説例において、eASAプロセッサ628は、例えば、中継器C9でHLLBデータに基づいて故障を評価するときに、中継器C9からの光ファイバペアの信号に+3dBの損失があることを検出する可能性があり、その結果、eASAプロセッサ628は、自動特徴アルゴリズムAを選択して中継器C9に適用することができる。同様に、eASAプロセッサ628が中継器ABに関連するHLLBデータを評価するときに、eASAプロセッサ628は、中継器ABの光ファイバペアの+6dBの損失があることを検出することができ、且つ、eASAプロセッサ628は自動特徴アルゴリズムBを選択することができる。
【0108】
別の動作例において、図2を参照し、PLUM 202からLUCY 226までの光通信経路の評価は、PLUM 202から中継器206まで、中継器206から中継器210まで、中継器210から中継器214まで、中継器214からeBU 218まで、eBU 218から中継器222まで、および中継器222からLUCY 226までのセグメントのような、多くのセグメントを含んでもよい。また、より少ないセグメントが存在するように対応するセグメントを組み合わせることができる。PLUM 202からLUCY 226までの同じ光通信経路は、PLUM 202から中継器210まで、中継器210からeBU 218まで、および218からLUCY 226までのセグメントを含んでもよい。各セグメントごとに認識された特定タイプの故障または特定パターンのシステム属性に基づき、eASAプロセッサ628は、1セットの特定の拡張自動故障特徴分析アルゴリズムを選択して再設定された光通信経路の各対応するセグメントに適用するように動作可能である。このようなeASAプロセッサ628の選択能力は、各中継器の故障検出をカスタマイズすることができるだけでなく、中継器内の各対応する光ファイバペアの故障検出をカスタマイズすることもできる。該自動特徴分析カスタマイズ能力は、より正確な故障検出(例えば、異なる故障振幅に適応できる自動特徴アルゴリズムを選択することにより)を実現し、回線監視システム604により良い反応能力を提供する。
【0109】
コンピュータソフトウェア、ハードウェアおよびネットワークは、スタンドアロン、ネットワーキング、リモートアクセス(リモートデスクトップとも呼ばれる)、仮想化、および/またはクラウドベースの環境等を含む様々な異なるシステム環境に用いられる。対応するコンポーネント(例えば、設定マネージャ、回線監視システム、およびネットワークトポロジマネージャ)が個別のコンポーネントとして示されるが、それらの機能は、単一のコンポーネントまたは装置に組み合わせることができ、且つ、図6に示す設定に限定されない。
【0110】
本開示で使用されたおよび図面に記述された「ネットワーク」という用語は、遠隔記憶装置が1つまたは複数の通信経路を介して結合したシステムを意味するだけではなく、更に、時々記憶能力を持つようなシステムに結合され独立装置も意味する。従って、「ネットワーク」という用語は、「物理ネットワーク」だけでなく、全ての物理ネットワークに在圏するデータ(単一のエンティティに起因する)から構成される「コンテンツネットワーク」も含む。
【0111】
図7は、海底光通信伝送システムにおける回線監視経路のクロスファイバ検証プロセスの一例を示す。海底光通信伝送システム700において、ステーションAからステーションBまで、ステーションAからステーションCまで、ステーションAからステーションDまで、およびステーションAからステーションEまでという4つの光通信経路も回線監視経路である。
【0112】
回線監視経路ごとに対応する中継器を個別に示すが、この4つの中継器のそれぞれは、共通ポンプレーザを共有するように、単一の装置(例えば、702)に組み合わせることができるが、説明の便宜上、個別に示す。この4つの回線監視経路の全ては、その最初の5つの中継器R1、R2、R3、R4およびR5でポンプレーザを共有する。ステーションAからステーションDまでおよびステーションAからステーションEまでの回線監視経路も中継器R6でのポンプレーザを共有する。その後、各光路は、自分の中継器系列(ハッチングで示された非共有ポンプ)を有し、他の光ファイバペアとポンプを共有しない。中継器R1、R2、R3、R4またはR5のいずれかの共有ポンプレーザのポンプ劣化を判断するために、4回の測定を毎回異なるLMPで行う必要がある。中継器R6のポンプレーザのポンプ劣化を判定するために、ステーションAからステーションEまでおよびステーションAからステーションDまでの回線監視経路で2回の測定を行うことができる。該例において、全てのR1中継器を共に分析し、且つ、投票アルゴリズムを用いて回線監視システムに提供するパラメータを確定することができる。
【0113】
高いファイバコア数の海底通信システムにおいて、ポンプレーザは、空間分割多重設定中の光ファイバペア間で共有される。このようなシステムにおいて、各ポンプレーザの光ゲインへの貢献は、レーザ総数に反比例する。従って、単一のポンプレーザの劣化は、小さい故障特徴を持つ。該小さい故障特徴により正確な結果を提供するために、設定可能な故障分析技術および投票技術を実施した。
【0114】
設定可能な故障分析技術において、例えば、図6におけるeASAプロセッサ628、LMSマネージャ622またはCMプロセッサ620のプロセッサは、例えば、現在の故障状況に基づき、データの測定に適用するための最も適当なeASAアルゴリズムを選択するように動作可能である。一例において、回線監視機器は、回線監視経路の異なるセグメントに沿って高損失ループバックデータを測定することができる。eASAプロセッサ628は、測定された高損失ループバックデータを用い、回線監視経路の対応する異なるセグメントの故障特徴を確定することができる。いくつかのタイプの故障特徴により、特定タイプの故障分析アルゴリズムおよび技術をより効果的かつより正確に評価することができる。例えば、回線監視経路の一部の故障特徴の形状は、負荷状況に応じて変化する傾向がある場合、ニューラルネットワーク分析機はより効果的になる。現在の実施形態によれば、eASAプロセッサ628は、ニューラルネットワーク分析機を選択して分析することができる。代わりに、故障特徴の形状がより静的である場合、ランダムフォレスト分析機を選択することができる。故障分析選択アルゴリズムは、ユーザが設定可能なものであってもよいし、更にシステムが設定可能なものであってもよく、現場のデータに基づいて選択された故障分析アルゴリズムが無効であると考えられる場合、適用された故障分析アルゴリズムを迅速に調整することができる。
【0115】
図7の例に戻り、設定可能な故障分析技術を用いて各個別の光ファイバペアを分析した後、プロセッサは、アドバンストクロスファイバ検証を実行することができる。中継器R1におけるポンプレーザ上の故障を判断するために、回線監視システムは、ステーションAからステーションBまで、ステーションAからステーションCまで、ステーションAからステーションDまで、およびステーションAからステーションEまでの回線監視経路を測定し、この4つの光ファイバペアの全てのeASA(拡張自動特徴分析)結果を収集して比較することができる。半分以上のeASA結果が、中継器R1に故障があるまたは故障の確率が高いことを表す場合、プロセッサは中継器R1における故障を判断する。
【0116】
例えば、中継器R1における全ての光ファイバが単一のポンプレーザを共有するが、各光ファイバを個別に監視して出力間の相関性を評価する場合、クロスファイバ検証技術の一例を実現することができる。例えば、回線監視経路(LMP)に対してHLLB測定を行うときに、eLMSは標準的なeASA分析を実行し、ポンプ劣化または他の故障を検出した場合、故障情報を記憶する。プロセッサは、同じポンプレーザを共有する全ての他のLMPがいずれもHLLB測定を実行したか否かを検査することができる。実行していない場合、プロセッサは、他のLMPの測定の完了を待ち、そうでなければ、プロセッサは、該測定によって生成された結果と他のLMPの測定によって生成された結果とを比較する。比較プロセスは、例えば、そのうちの多くが設定可能に構成された投票アルゴリズムを用いる。いくつかの例において、半分以上の共有ポンプLMPが、共有経路にポンプレーザ故障があることを検出した場合、eLMSは、ポンプが劣化したと判断し、投票アルゴリズムによって確認された故障があるLMPのRPTを計算する。代わりに、他のシステムにおいて、投票は、「ソフト投票」を含んでもよく、例えば、30%が故障Aと判断し、40%が故障Bと判断し、且つ、30%が故障Cと判断した場合、故障がないと判断するのではなく、故障Bと判断することは合理的である。別の例において、通常、50%を超えたハード投票のシステムを使用する必要がある。この2タイプのシステムは、いずれもどちらかがより理想的になる適用状況がある。
【0117】
例えば、投票の正確な多数は、2票またはより多くと見なすことができる。
【0118】
プロセッサは、更に、同じ位置の複数の故障を監視するように動作可能である。例えば、LMPが一定の時間帯内(例えば、1min、10~20min等)にアクティブでない場合、eLMSは、該LMPが非アクティブにあると判断し、且つ分析するためにサービスを停止する。例えば、プロセッサが、ステーションAからステーションEまでのLMPを非アクティブと判断した場合、投票アルゴリズムは、ステーションAからステーションEまでのLMPからの光ファイバペアを考慮せず、他の3つのLMPからの測定結果を評価する。他の3つのLMPからの測定結果は、共有ポンプレーザが劣化したか否かを確定するための僅かの測定結果である可能性がある。ステーションAからステーションEまでのLMPがアクティブであると確定して回線監視を起動すると、測定は開始される。共有ポンプレーザがステーションAからステーションEまでのLMPで劣化したと確定すると、プロセッサは、故障をステーションAからステーションEまでのトポロジおよびHLLBベースラインに注入し、ステーションAからステーションEまでのLMPを他の3つのLMPと同期するように戻させるように動作可能である。このような方法の利点は、光ファイバペアのサービス停止時に複数の故障が発生した場合、動作を続けることである。例えば、ステーションAからステーションEまでのLMPがサービスを停止したときに、中継器R2と中継器R3との両者が劣化した場合、従来の方法で中継器R2と中継器R3の劣化に対応する組み合わせ故障特徴を検出することができない。しかし、中継器R2と中継器R3の劣化に対応する組み合わせ故障特徴は、開示された方法で検出でき、その原因は、故障が追跡され、且つ、光ファイバペアが再びアクティブになると確定されたときに、自動的に注入され、これらの全ては人手による介入を必要としないためである。
【0119】
1つまたは複数の態様は、1つまたは複数のコンピュータまたは本開示に記載された他の装置によって実行されるコンピュータ利用可能または可読データおよび/またはコンピュータ実行可能命令で実施でき、例えば、1つまたは複数のプログラムモジュールで実施できる。通常、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、対象、コンポーネント、データ構造等を含み、コンピュータまたは他の装置におけるプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データタイプを実現する。モジュールは、後でコンパイルされた実行用のソースコードプログラミング言語で記述されてもよいし、HTMLまたはXML等のような(これらに限定されない)スクリプト言語で記述されてもよい。コンピュータ実行可能命令は、例えば、不揮発性記憶装置のコンピュータ可読媒体に記憶できる。任意の適当なコンピュータ可読記憶媒体は、ハードディスク、CD-ROM、光記憶装置、磁気記憶装置および/またはその任意の組み合わせを含む。また、本開示に記載されたデータまたはイベントを表す様々な伝送(非記憶)媒体は、信号伝導媒体(例えば、金属線、光ファイバおよび/または無線伝送媒体(例えば、空気および/または空間))を介して伝播する電磁波の形式で、ソースと宛先との間で伝達することができる。ここで記述する各態様は、方法、データ処理システムまたはコンピュータプログラム製品として実施できる。従って、様々な機能は、全部または部分的にソフトウェア、ファームウェアおよび/またはハードウェア、または集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等のようなハードウェア等価物に実施できる。特定のデータ構造は、本開示に記載された1つまたは複数の態様をより効果的に実現することに使用でき、且つ、このようなデータ構造は、本開示に記載されたコンピュータ実行可能命令およびコンピュータ利用可能データの範囲内にあると考えられる。
【0120】
上記装置のコンポーネントおよび特徴は、ディスクリート回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理ゲートおよび/またはシングルチップアーキテクチャの任意の組み合わせで実現できる。また、適当な場合、マイクロコントローラ、プログラマブル論理アレイおよび/またはマイクロプロセッサ、あるいは前述した任意の組み合わせで装置の特徴を実現することができる。なお、ハードウェア、ファームウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネントは、ここで、まとめてまたは個別に「論理」または「回路」と呼ぶことができる。
【0121】
上記ブロック図に示す例示的な装置は、多くの潜在的な実施形態の1つの機能の説明例を表すことができることが理解できる。従って、図面で記述されたブロック機能の区分、省略または包含は、これらの機能を実現するためのハードウェアコンポーネント、回路、ソフトウェアおよび/またはコンポーネントが、必ず区分、省略または開示された例に包含されることを意味するものではない。
【0122】
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体は命令を含んでもよく、これらの命令が実行されると、システムは、本開示に記載されたいずれかのコンピュータによる実現の方法を実行する。
【0123】
いくつかの例は、「一例」または「例」およびその派生語という表現を用いて記述することができる。これらの用語は、例に関連して記述される特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。本明細書の各位置に現れる「一例において」というフレーズは、必ずしも同じ例を指すとは限らない。また、特に断りのない限り、上記機能は、任意に組み合わせて使用することができると考えられる。従って、個別に議論された任意の特徴は、互いに互換性がないことに気付かない限り、互いに組み合わせて使用することができる。
【0124】
一般的には、本開示で使用される記号および命名方法を参照し、本開示の詳細な記述は、コンピュータまたはコンピュータネットワークで実行されるプログラムプロセスとして表すことができる。当業者は、これらのプロセス記述および表示を用いて、他の当業者に彼らの仕事の本質を最も効果的に伝達する。
【0125】
ここで、または通常、プロセスは、期待される結果をもたらす自己無撞着動作系列と考えられる。これらの動作は、物理量を物理的に動作する必要がある動作である。これらの量は、通常、記憶、伝達、組み合わせ、比較および他の方式で動作できる電気の、磁気のまたは光信号の形式を取るが、必ず市も取る必要がない。これらの信号を位、値、要素、符号、字符、用語、数字等と呼ぶのが便利であることが証明されることがある(主に、よく見られる用法のため)。しかし、全てのこれらの用語および類似する用語は、いずれも適当な物理量に関連すべきであり、これらの量に適用される便利な記号に過ぎないことに注意すべきである。
【0126】
また、実行される動作は、通常、例えば、追加または比較という用語で表され、通常、人の動作員によって実行される頭脳動作に関連する。本開示に記載された1つまたは複数の実施例の一部を形成する任意の動作において、人の動作員のこのような能力は、必要ではなく、あるいは多くの場合、期待される。逆に、これらの動作は機械動作である。各実施例の動作を実行するための有用な機械は、汎用デジタルコンピュータまたは類似する装置を含む。
【0127】
いくつかの実施例は、「結合」および「接続」およびその派生語という表現で記述することができる。これらの用語は、必ずしも互いの同義語ではない。例えば、いくつかの実施例は、「接続」および/または「結合」という用語を用いて2つまたは複数のコンポーネントが互いに直接物理的または電気的に接触していることを指示して記述する。しかし、「結合」という用語は、2つまたは複数の要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働するまた互いに作用することを意味してもよい。
【0128】
様々な実施例は、更にこれらの動作を実行するためのデバイスまたはシステムに関する。該デバイスは、記述された目的のために特に構築されたものであってもよく、または、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブ化または再設定された汎用コンピュータを含んでもよい。本開示で説明されたプロセスは、本質的に特定のコンピュータまたは他のデバイスに関連するものではない。様々な汎用機械は、本開示における教示に基づいて記述されたプログラムと共に使用することができ、または、記述された方法のステップを実行するためのより専門的なデバイスを構築しやすくなることが証明できる。様々なこれらの機械の記述された構造は、与えられた記述から得られる。
【0129】
なお、本開示の要約は、読者が本技術に開示された本質を迅速に確定できるために提供される。提出時の理解として、特許請求の範囲または意味を解釈または制限することに使用しない。また、前の詳細な説明から見られるように、本開示を簡単にするために、様々な特徴が単一の実施例に組み合わせられる。このような開示方法は、保護が要求される例が各特許請求の範囲に明確に記載されたものよりも多くの特徴を必要とする可能性があるという1つの意図を反映すると解釈されるべきではない。逆に、添付の特許請求の範囲に反映されるように、新規な主題は、単一の開示された実施例の全ての特徴よりも少ないことである。従って、添付の特許請求の範囲が詳細な記述に組み込まれ、各特許請求の範囲は、個別の実施例として独立して存在する。添付の特許請求の範囲において、「含む」および「その中」という用語は、「含む」および「その中」という対応する用語の簡潔な英語同等物として用いられる。また、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、記号として用いられるものに過ぎず、その対象に数字の要求を課すものではない。
【0130】
上記内容は、開示されたアーキテクチャの例を含む。もちろん、コンポーネントおよび/または方法のそれぞれの想像可能な組み合わせを記述することは不可能であるが、当業者は、多くの更なる組み合わせおよび配列を認識することは可能である。従って、新規なアーキテクチャは、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に属する全てのこのような変更、修正および変化を含むことを目的とする。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
【外国語明細書】