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特開2023-107242植物性食品用ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品及び植物性チーズ様食品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107242
(43)【公開日】2023-08-02
(54)【発明の名称】植物性食品用ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品及び植物性チーズ様食品
(51)【国際特許分類】
   A23C 20/02 20210101AFI20230726BHJP
   A21D 2/18 20060101ALI20230726BHJP
   A21D 10/02 20060101ALI20230726BHJP
   A21D 13/80 20170101ALI20230726BHJP
【FI】
A23C20/02
A21D2/18
A21D10/02
A21D13/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023017176
(22)【出願日】2023-01-21
(31)【優先権主張番号】P 2022008319
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】522032062
【氏名又は名称】タカラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183564
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 伸也
(72)【発明者】
【氏名】鈍寳 敬之
【テーマコード(参考)】
4B001
4B032
【Fターム(参考)】
4B001AC03
4B001AC15
4B001AC32
4B001AC43
4B001AC99
4B001BC01
4B001EC05
4B001EC99
4B032DB05
4B032DG08
4B032DK12
4B032DK15
4B032DK18
4B032DK31
4B032DK41
4B032DK47
(57)【要約】
【課題】ヴィーガンと呼ばれる菜食主義者や乳などの食物アレルギーを持つ者が食すことができるように、所定の歯ごたえを呈する硬度をもつ下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉を提供する。
【解決手段】水分を混合して所定の歯ごたえを得るための硬度を呈し、且つ、所定の味又は風味が付されるべき下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉であって、前記硬度が5~20Nであり、加工でん粉と、油脂と、でん粉又は米粉とを含有するものである、植物性食品用ミックス粉。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分を混合して所定の歯ごたえを得るための硬度を呈し、且つ、所定の味又は風味が付されるべき下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉であって、
前記硬度が5~20Nであり、
加工でん粉と、油脂と、でん粉又は米粉とを含有するものである、植物性食品用ミックス粉。
【請求項2】
前記加工でん粉100質量部に対して、前記でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部の割合で含む、請求項1記載の植物性食品用ミックス粉。
【請求項3】
前記加工でん粉100質量部に対して、前記水分を100~400質量部の割合で含む、請求項1記載の植物性食品用ミックス粉。
【請求項4】
前記硬度は、所定の条件で冷蔵固化された状態の硬度である、請求項1記載の植物性食品用ミックス粉。
【請求項5】
前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されている、請求項1、2、3若しくは4のいずれかに記載の植物性食品用ミックス粉。
【請求項6】
加工でん粉100質量部に対して、でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部、酵母分解物を0.1~20質量部の割合で含む、植物性チーズ様ミックス粉。
【請求項7】
前記でん粉又は米粉のうち、前記でん粉を用いている、請求項6記載の植物性チーズ様ミックス粉。
【請求項8】
前記でん粉が米粉由来のでん粉である、請求項7記載の植物性チーズ様ミックス粉。
【請求項9】
前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されている、請求項6、7若しくは8のいずれかに記載の植物性チーズ様ミックス粉。
【請求項10】
請求項6、7若しくは8のいずれかに記載の植物性チーズ様ミックス粉と、
前記植物性チーズ様ミックス粉に混合される所定量の水又は混ぜるべき食材とからなる、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品。
【請求項11】
前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されている、請求項10記載の植物性チーズ様ミックス粉を含む食品。
【請求項12】
請求項6、7若しくは8のいずれかに記載の植物性チーズ様ミックス粉と、
前記加工でん粉100質量部に対して、100~400質量部の割合の水分とからなる、植物性チーズ様食品。
【請求項13】
前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されている、請求項12記載の植物性チーズ様食品粉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物性食品用ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品及び植物性チーズ様食品に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳由来の原料を用いて製造されるチーズは、牛乳アレルギーを有する者は、食することができない。そこで、牛乳アレルギーを有する者が牛乳由来のチーズの風味を楽しむことができるように、種々のチーズ様食品が提案されている。
【0003】
チーズ様食品に関する先行技術としては、例えば、特許文献1に、豆乳又は豆乳類原料に凝乳酵素を作用させて得たペースト状の食品素材を用いて、植物性チーズを製造することが開示されている。
また特許文献2に、豆乳を乳酸菌で発酵させて得たクリームチーズ様素材に魚肉やでん粉、植物性油脂、乳化剤と調味料を混合して擂潰し、更に蒸し工程と蒸し工程で得られた製品を凍結して得られるチーズ様食品の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2-57145号公報
【特許文献2】特許第6397077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし従来のチーズ様製品はチーズの風味を有するものの、チーズと同様の食感やくちどけを持つものではなかった。また食物アレルギーを持つ者やヴィーガンと呼ばれる菜食主義者の者が安心して食べることはできなかった。
【0006】
本発明は、チーズと遜色のない植物性チーズ様ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品及び植物性チーズ様食品を提供することを第1の課題とする。
【0007】
さらに本発明は、所定の歯ごたえを呈する硬度をもつ下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉を提供することを第2の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
(1)本発明の植物性食品用ミックス粉は、水分を混合して所定の歯ごたえを得るための硬度を呈し、且つ、所定の味又は風味が付されるべき下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉であって、前記硬度が5~20Nであり、加工でん粉と、油脂と、でん粉又は米粉とを含有するものであることを特徴としている。
【0010】
(2)このような植物性食品用ミックスは、前記加工でん粉100質量部に対して、前記でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部の割合で含むのが好ましい。
【0011】
(3)また前記植物性食品用ミックス粉100質量部に対して、前記水分を75~150質量部の割合で含むのが好ましい。
【0012】
(4)また前記硬度は、所定の条件で冷蔵固化された状態の硬度であるのが好ましい。
【0013】
(5)前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理された加工でん粉であるのが好ましい。
【0014】
(6)本発明の第2の態様である植物性チーズ様ミックス粉は、加工でん粉100質量部に対して、でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部、酵母分解物を0.1~20質量部の割合で含むことを特徴としている。
【0015】
(7)このような植物性チーズ様ミックス粉は、前記でん粉又は米粉のうち、前記でん粉を用いているのが好ましい。
【0016】
(8)また前記でん粉が米粉由来のでん粉であるのが好ましい。
【0017】
(9)前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されているのが好ましい。
【0018】
(10)本発明の第3の態様である植物性チーズ様ミックス粉を含む食品は、上述の植物性チーズ様ミックス粉と、前記植物性チーズ様ミックス粉に混合される所定量の水又は混ぜるべき食材とからなることを特徴としている。
【0019】
(11)このような植物性チーズ様ミックス粉を含む食品は、前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理された加工でん粉であるのが好ましい。
【0020】
(12)本発明の第4の態様である植物性チーズ様食品は、上述の植物性チーズ様ミックス粉と、前記加工でん粉100質量部に対して、100~400質量部の割合の水分とを含むことを特徴としている。
【0021】
(13)このような植物性チーズ様食品は、前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理された加工でん粉であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の植物性チーズ様ミックス粉、植物性チーズ様ミックス粉を含む食品及び植物性チーズ様食品は、乳から作られるチーズと比較しても、食感や風味で遜色がほとんどない。
本発明に係る植物性食品用ミックス粉によれば、所定の歯ごたえのある植物性の下地を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[1.第1実施形態]
(植物性チーズ様食品)
本発明の植物性チーズ様食品は、加工でん粉、米粉、でん粉分解物、油脂、酵母分解物、水分を含む。
【0024】
前記植物性チーズ様食品に含まれる加工でん粉は、食感を付与するために用いられる。例えば、エーテル化処理されたヒドロキシプロピルリン酸架橋でん粉やエステル化処理されたオクテニルコハク酸でん粉ナトリウムなどが用いられる。なお他の処理方法を用いてもよい。また原料については、米、トウモロコシ、馬鈴薯、タピオカなどを用いることができる。なお他の原料を用いてもよい。
【0025】
前記米粉は、食感を付与するために用いられる。例えば、うるち米のほか、もち米を使用してもよい。米粉のでん粉質がアルファ化された米粉あるいはα化されていない米粉を使用してもよい。
【0026】
前記でん粉分解物は、甘味を調整し、くちどけや製造時の分散性を向上させるために用いる。例えば、でん粉をβアミラーゼやグルコアミラーゼ、プルラナーゼまたはトランスグルコシダーゼなどの酵素によって分解したものが用いられる。なお、市販のでん粉分解物やデキストリンを用いてもよい。
【0027】
前記油脂は、コク味を付与するとともに、クリーミィーな食感を付与するために用いられるが、原料や融点は特に限定されず、パーム油やナタネ油、ヤシ油など植物性油脂が用いられる。前記油脂は粉末状又は液体状のものを用いてもよい。
【0028】
前記酵母分解物はアミノ酸を豊富に含み、チーズ様の風味とコク味を付与するために用いられる。例えば、酵母エキスや酵母の分解物などが用いられる。なお、他の酵母分解物を用いてもよい。
【0029】
前記植物性チーズ様食品において、加工でん粉100質量部に対して、米粉は5~80質量部、好ましくは20~80質量部、さらに好ましくは20~60質量部の割合で含まれる。このような割合で米粉が含まれると、加工でん粉の持つ食感を餅や団子に代表される米粉の柔らかい食感で食感を調整し、様々な食感のチーズを作ることができる。
【0030】
前記米粉の配合比率が、加工でん粉100質量部に対して20質量部未満であると、加工でん粉の特徴が大きくなり、チーズのような粘りのある食感が低下する。さらに加工でん粉100質量部に対して5質量部未満であると、加工でん粉の特徴が主となり、チーズのような粘りのある食感を感じにくい傾向にある。また米粉の配合比率が加工でん粉100質量部に対して80質量部を超えると米粉由来の柔らかい食感が強くなり、チーズ様の食感を作る目的に適さない傾向にある。
【0031】
前記植物性チーズ様食品において、加工でん粉100質量部に対して、でん粉分解物は20~80質量部、好ましくは20~65質量部、さらに好ましくは20~50質量部の割合で含まれる。このような割合ででん粉分解物を配合すると、チーズが有する乳糖と同様の甘味を付与することができる。また、でん粉分解物を使用することにより、その溶解性により、くちどけを向上させることができる。
【0032】
前記でん粉分解物の配合比率が、加工でん粉100質量部に対して、でん粉分解物は20質量部未満であると、加工でん粉が均一に分散せず、局在化し、くちどけが悪くなる傾向にある。なお、でん粉分解物を加えずとも、加工でん粉を分散させることはできる。また、でん粉分解物の配合比率が加工でん粉100質量部に対して、でん粉分解物は80質量部を超えると、加工でん粉の力価が低下し、植物性チーズ様食品としての特徴を持たせられなくなる。すなわちチーズの代替品としての効果が発揮されない傾向になる。
【0033】
前記植物性チーズ様食品において、加工でん粉100質量部に対して、油脂は20~80質量部、好ましくは20~60質量部、さらに好ましくは20~40質量部の割合で含まれる。このような割合で油脂を配合すると、加工でん粉や米粉、でん粉分解物、酵母分解物が油脂に被覆されることで、食感やコク味を付与させることができる。
【0034】
前記油脂の配合比率が加工でん粉100質量部に対して、20質量部未満であると油脂が被覆するには不十分となり、食感やコク味を発現させることができない傾向にある。また油脂の配合比率が80質量部を超えると、べたつきや結着などが発生し、形状を保持することが出来なくなり、植物性チーズ様食品としての特徴を持たせられなくなる傾向にある。
【0035】
前記植物性チーズ様食品において、加工でん粉100質量部に対して、酵母分解物は0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部、さらに好ましくは0.5~5質量部の割合で含まれる。このような割合で酵母分解物を配合すると風味とコク味を付与させることができる。
【0036】
前記酵母分解物の配合比率が加工でん粉100質量部に対して、0.5質量部未満であると風味やコク味が弱くなり、また酵母分解物の配合比率が10質量部を超えると酵母の風味が強くなりすぎる傾向にある。
さらに前記酵母分解物の配合比率が加工でん粉100質量部に対して、0.1質量部未満であると風味やコク味が不十分となり、また酵母分解物の配合比率が20質量部を超えると酵母の風味が強くなりすぎて食するには適さなくなる傾向にある。
なお、コク味には明確な定義はないが、例えば、甘味・うま味・苦味・塩味・酸味の総和に、さらに香りや食感などが加わり、バランスが取れていることである。
【0037】
前記植物性チーズ様食品には、加工でん粉100質量部に対して水分100質量部から400質量部が含まれる。このような割合で水分を配合すると、他の水溶性成分が溶解し、チーズ様の食感やくちどけを発現することができる。様々な食感やくちどけの調整のために100質量部から400質量部の間で水分は調整される。
【0038】
前記植物性チーズ様食品にはチーズ風味を付与するため、動物性原料やアレルゲンを含まないチーズ風味香料、食塩などのミネラル類、着色料を用いる。また、前記植物性チーズ様食品には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、糖質、増粘剤、乳化剤、酸味料などの食品素材を添加してもよい。
【0039】
前記植物性チーズ様食品の使用方法は特に限定されない。例えば、前記植物性チーズ様食品に液状物、例えば水飴を添加して混錬し、混錬物を所望の形状に成型して使用する方法などが挙げられる。
【0040】
[2.実施形態1の変形例]
一実施形態に係る植物性チーズ様食品は、例えば、加工でん粉、米粉、でん粉分解物、油脂、酵母分解物および水を特定の割合で混合し、必要に応じて、上記の他の添加剤を添加して得られる。このようにして得られた一実施形態に係る植物性チーズ様食品は、食品を製造する際に、チーズの代わりに使用される。したがって、一実施形態に係る植物性チーズ様食品は、本来であればピザなどのチーズを含み得る食品に採用される。その他、チーズを含み得る食品としては、例えば、ケーキやパン、クッキー、ビスケット、アイスクリーム、ヨーグルト、スムージー、乳飲料などが挙げられる。
【0041】
(他の変形例)
次に植物性チーズ様食品の他の変形例を説明する。他の変形例の植物性チーズ様食品は、前述した植物性チーズ様食品と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
他の変形例に係る植物性チーズ様食品では、米粉の代わりにでん粉を用いている。その際は、加工でん粉100質量部に対して、でん粉を5~80質量部の割合で含む。
【0042】
すなわち、前記植物性チーズ様食品において、加工でん粉100質量部に対して、でん粉は5~80質量部、好ましくは20~80質量部の割合で含まれる。このような割合ででん粉が含まれると、加工でん粉の持つ食感をでん粉の柔らかい食感で食感を調整し、様々な食感のチーズを作ることができる。
【0043】
前記でん粉は、食感を付与するために用いられる。でん粉の原料としてトウモロコシ、馬鈴薯、米、もち米などを用いることができる。なお、他の原料を用いても良い。またでん粉がアルファ化されたでん粉あるいはα化されていないでん粉を使用してもよい。
【0044】
前記でん粉の配合比率が、加工でん粉100質量部に対して20質量部未満であると、加工でん粉の特徴が大きくなり、チーズのような粘りのある食感が低下する。さらに加工でん粉100質量部に対して5質量部未満であると、加工でん粉の特徴が主となり、チーズのような粘りのある食感を感じにくい傾向にある。またでん粉の配合比率が加工でん粉100質量部に対して80質量部を超えるとでん粉由来の柔らかい食感が強くなり、チーズ様の食感を作る目的に適さない傾向にある。
【0045】
[3.第2実施形態]
(植物性チーズ様ミックス粉)
次に植物性チーズ様ミックス粉を説明する。植物性チーズ様ミックス粉は、前述した植物性チーズ様食品と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0046】
前記植物性チーズ様ミックス粉は、加工でん粉100質量部に対して、米粉を5~80質量部、好ましくは20~80質量部、油脂を20~80質量部、酵母分解物を0.1~20質量部、好ましくは0.5~10質量部の割合で含むことを特徴している。
また米粉の代わりにでん粉を用いても良い。その際は、加工でん粉100質量部に対して、でん粉を5~80質量部の割合で含む。でん粉を用いる際には、加工でん粉100質量部に対して、でん粉を20~80質量部の割合で含んでもよい。
また前記加工でん粉は、エステル化あるいはエーテル化処理された加工でん粉を用いるのがよい。なお他の加工でん粉を用いてもよい。
【0047】
前記植物性チーズ様ミックス粉にはチーズ風味を付与するため、動物性原料やアレルゲンを含まないチーズ風味香料、食塩などのミネラル類、着色料を用いる。また、前記植物性チーズ様食品には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、糖質、増粘剤、乳化剤、酸味料などの食品素材を添加してもよい。
また、前記植物性チーズ様ミックス粉は、加工でん粉100質量部に対して、でん粉分解物を20~80質量部の割合で含んでもよい。
【0048】
植物性チーズ様ミックス粉は、水分の含有率が10%以下と低いため、保存性がよい。冷蔵庫に入れることなく冷暗所で6か月以上保管でき、電力を消費する冷蔵庫によらずとも保管ができる。
【0049】
[4.第3実施形態]
(植物性チーズ様ミックス粉を含む食品)
次に植物性チーズ様ミックス粉を含む食品を説明する。物性チーズミックス粉を含む食品は、前述した植物性チーズ様食品と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
【0050】
前記植物性チーズ様ミックス粉を含む食品は、前述の植物性チーズ様ミックス粉と、前記植物性チーズ様ミックス粉に混合される所定量の水又は混ぜるべき食材とからなるからなる。混合される水及び混ぜるべき食材の量は、得られる食品により異なる。
【0051】
例えば、チーズのような食感を得るなら、前記植物性チーズ様ミックス粉中の加工でん粉100質量部に対して、水を100質量部から400質量部、望ましくは200質量部から300質量部にするのがよい。
【0052】
例えば、チーズ風味を加えるなら、植物性チーズ様ミックス粉を加えるのがよい。植物性チーズ様ミックス粉を調味料として、料理中の食材(混ぜるべき食材)に混ぜることにより、完成した料理にチーズの風味を足すことができる。さらになお、植物性チーズ様ミックス粉を調味料として、完成した料理(混ぜるべき食材)にふりかけて用いてもよい。
【0053】
本発明によって得られる植物性チーズ様ミックス粉を使用して、クリームチーズ、チーズケーキ、ピザ、デザート、アイスクリーム、スナック菓子などを作ることができる。動物性食品を避けるヴィーガンと呼ばれる菜食主義者や乳アレルギーのため、チーズを用いたケーキやピザ、デザートなどを食することのできなかった人々にも、広く食の機会を提供できるという点でも社会と産業の発展に貢献すると考える。
【0054】
[5.実施例]
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0055】
<植物性チーズ様食品の実施例>
【実施例1】
植物性チーズ様食品の実施例を説明する。
植物性チーズ様食品は、例えば、加工でん粉としてタピオカ由来のエーテル架橋でん粉50質量部、馬鈴薯由来の酢酸でん粉50質量部、うるち米アルファ化米粉25質量部、もち米粉25質量部、でん粉分解物としてイソマルトデキストリン60質量部、酵母分解物4質量部、精製塩8質量部、水溶性βカロテン末0.05質量部、増粘多糖類としてキサンタンガムを0.6質量部、酸味料として乳酸50%溶液2質量部を計量したのち、ミキサーにてよく混合し、水を200質量部加えて20分間常温にて混合し、さらに40度にて完全に溶解した精製パーム油40質量部を加えて、クリーム状になるまで、15分間ホイッパーと呼ばれる撹拌子にて撹拌して、得た。
【0056】
得られた植物性チーズ様食品のペーストをプラスチック製の容器(150mm×50mm×60mm)に流し入れ、弾力を有する200グラムのブロック状の植物性チーズ様食品のブロックを得た。
この植物性チーズ様食品のブロックを厚さ8mmにスライスし、チーズとの比較を行うサンプルに供した。
【0057】
(比較例1)
市販のチェダーチーズを比較として用意した。
次いで、20代女性15名および20代男性15名の合計30名のパネラーに、実施例1で得られた植物性チーズ様食品および比較例で購入したチェダーチーズを食してもらった。植物性チーズ様食品と市販チェダーチーズは色調についてほとんど差がなく、見た目で区別はつかなかった。食してもらった後、(1)チーズ感、(2)口溶け、(3)食感、(4)旨味、および(5)チーズとしての総合評価について、30名のパネラーに評価してもらった。
【0058】
評価基準は、いずれの項目も0点(普通)を基準に2点(良好)から-2点(悪い)の5段階で評価してもらった。先に試食した風味の影響および順序の影響を排除するために、15名のパネラーには、実施例で得られた植物性チーズ様食品を先に食してもらい、残りの15名のパネラーには、比較例で用意したチェダーチーズを先に食してもらった。実施例および比較例の先入観を排除するため、パネラーには、実施例および比較例であることを隠して渡した。(1)~(5)の各項目について、30名のパネラーの平均点を表に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
表に示すように、実施例1で得られた植物性チーズ様食品は、官能評価および色調において、比較例1で用意したチーズと有意差がないようである。したがって、チーズの代わりに、本開示の植物性チーズ様食品を使用しても、チェダーチーズと食感や口溶けなどに遜色のない植物性チーズ様食品が得られると推測される。
【0061】
<植物性チーズ様ミックス粉の実施例>
【実施例2】
(植物性クリームチーズ様食品のための植物性チーズ様ミックス粉)
次いで植物性チーズ様ミックス粉の実施例を説明する。
例えば、植物性クリームチーズ様食品のための植物性チーズ様ミックス粉について説明する。前記植物性チーズ様ミックス粉は、例えば、加工でん粉としてサゴヤシ由来の酸化でん粉60質量部、トウモロコシ由来のオクテニルコハク酸でん粉ナトリウム50質量部、うるち米アルファ化米粉20質量部、もち米粉20質量部、でん粉分解物としてイソマルトデキストリン60質量部、酵母分解物4質量部、精製塩8質量部、水溶性βカロテン末0.05質量部、増粘多糖類としてタマリンドガムを0.3質量部、ローカストビーンガムを0.2質量部、酸味料として乳酸60%粉末3質量部を計量したのち、ミキサーにてよく混合し、さらに乳などのアレルゲンを含まないチーズ香料8質量部を吸着させた粉末油脂21質量部を加えて、得た。
なお前記植物性チーズ様ミックス粉を植物性クリームチーズ様食品以外の用途に用いてもよい。
【0062】
実施例2で得られた植物性チーズ様ミックス粉は、水分が10%以下と低いため、保存性がよい。冷蔵庫に入れることなく冷暗所で6か月以上保管でき、電力を消費する冷蔵庫によらずとも保管ができる。必要な時にミックス粉100部に対して水を100部加えることで、いつでも容易にクリームチーズが得られる。
【実施例0063】
(植物性チーズケーキ様食品のための植物性チーズ様ミックス粉)
例えば、植物性チーズケーキ様食品のための植物性チーズ様ミックス粉について説明する。前記植物性チーズ様ミックス粉は、例えば、乳などのアレルゲンを含まないチーズ香料8質量部を溶解後、粉末化させた油脂21質量部を100メッシュの篩に通して均質化したのち、加工でん粉としてタピオカ由来のリン酸架橋でん粉60質量部、馬鈴薯由来のヒドロキシプロピルリン酸架橋でん粉40質量部、うるち米アルファ化米粉25質量部、もち米粉25質量部、でん粉分解物としてイソマルトデキストリン60質量部、酵母分解物4質量部、精製塩8質量部、水溶性βカロテン末0.05質量部、増粘多糖類としてキサンタンガムを0.6質量部、酸味料として発酵乳酸パウダー3質量部を計量したのち、ミキサーにてよく混合して、得た。
なお前記植物性チーズ様ミックス粉を植物性チーズケーキ様食品以外の用途に用いてもよい。
【0064】
<植物性チーズ様ミックス粉を含む食品>
(実施例4:植物性クリームチーズ様食品)
植物性クリームチーズ様食品について説明する。
植物性クリームチーズ様食品は、例えば、実施例2で得た植物性チーズ様ミックス粉100質量部に対して水を100質量部加えて、得た。このようにして得られたペースト状の植物性クリームチーズを容器に取り、従来のクリームチーズとの比較を行うサンプルとした。
【0065】
(比較例2)
市販のクリームチーズを比較例として用意した。
【0066】
次いで、20代女性15名および20代男性15名の合計30名のパネラーに、実施例2で得られた植物性クリームチーズ様食品および比較例で購入したクリームチーズを食してもらった。植物性クリームチーズ様食品と市販クリームチーズは色調についてほとんど差がなく、見た目で区別はつかなかった。食してもらった後、(1)チーズ感、(2)口溶け、(3)食感、(4)旨味、および(5)チーズとしての総合評価について、30名のパネラーに評価してもらった。ここでチーズ感とは、例えば、チーズの風味の強さを示すものである。
【0067】
評価基準は、いずれの項目も0点(普通)を基準に2点(良好)から-2点(悪い)の5段階で評価してもらった。先に試食した風味の影響および順序の影響を排除するために、15名のパネラーには、実施例で得られた植物性クリームチーズ様食品を先に食してもらい、残りの15名のパネラーには、比較例で用意したクリームチーズを先に食してもらった。実施例および比較例の先入観を排除するため、パネラーには、実施例および比較例であることを隠して渡した。(1)~(5)の各項目について、30名のパネラーの平均点を表に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
表に示すように、実施例4で得られた植物性クリームチーズ様食品は、官能評価および色調において、比較例2で用意したクリームチーズと有意差がないようである。したがって、クリームチーズの代わりに、本開示の植物性クリームチーズ様食品を使用しても、クリームチーズと食感や口溶けなどに遜色のない植物性クリームチーズ様食品が得られると推測される。
【0070】
(実施例5:植物性チーズケーキ様食品)
植物性チーズケーキ様食品について説明する。
植物性チーズケーキ様食品は、例えば、実施例3の植物性チーズ様ミックス粉を100質量部、砂糖20質量部、水120質量部、レモン汁5質量部、米粉12質量部をミキサーへ投入し、全体が均一になるまで撹拌する。その後、円形の型に流し込んでオーブンにて170℃で50分焼いたのち、室温で冷まし、粗熱が取れたらラップに包んで冷蔵庫で1番寝かして、得た。
【0071】
(比較例3)
次いで比較例としてのチーズケーキを用意した。
前記チーズケーキは、例えば、市販のクリームチーズを100質量部、砂糖20質量部、生クリーム80質量部、卵60質量部、レモン汁5質量部、小麦粉12質量部を計量したのち、ミキサーへ投入し、全体が均一になるまで撹拌する。その後、円形の型に流し込んでオーブンにて170℃で50分焼いたのち、室温で冷まし、粗熱が取れたらラップに包んで冷蔵庫で1番寝かして、得た。
【0072】
実施例5で得られた植物性クリームチーズ様チーズケーキは、チーズ感、口溶け、食感、旨味、総合的な評価および色調において、比較例3で用意したクリームチーズケーキと有意差がなかった。クリームチーズケーキの代わりに、本植物性クリームチーズ様チーズケーキを使用しても、クリームチーズケーキと食感や口溶けなどに遜色のない植物性クリームチーズ様チーズケーキが得られた。
【0073】
[6.第4実施形態]
次に植物性食品用ミックス粉を説明する。植物性食品用ミックス粉は、前述した植物性チーズ様食品と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。
植物性食品用ミックス粉は、所定量の水分を混合して所定の歯ごたえを得るための硬度を呈する下地となる食材を形成する。その下地となる食材に、所定の味又は風味を添加することにより、様々な植物性の食品を作成することができる。前記硬度としては、5~20Nであるのがよい。
【0074】
前記味としては、調味料、甘味料、酸味料又は香辛料などを加えることができる。前記風味としては、香辛料抽出物、野菜エキス又は香料などを加えることができる。植物性のものを加えるのがよい。
【0075】
植物性食品用ミックス粉で形成され、前記硬度を有する植物性食品としては、例えば、チーズ、ソーセージ、蒲鉾、水産練り製品が挙げられる。
【0076】
植物性食品用ミックス粉は、加工でん粉と、油脂と、でん粉又は米粉とを含有するものである。
例えば、植物性食品用ミックス粉は、前記加工でん粉100質量部に対して、前記でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部の割合で含むものである。
前記水分は、加工でん粉100質量部に対し、100~400質量部、好ましくは200~300質量部である。
ここで、加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理されていてもよい。
【0077】
前記硬度としては、植物性食品用ミックス粉に水分を混合し、所定の条件で冷蔵固化した際の硬度である。本実施系形態では、植物性チーズ様ミックス粉100質量部に対して、水100質量部を加え、下地を形成し、その下地を10日間5℃にて冷蔵固化させた後に硬度を測定している。冷蔵固化の際には、水分の蒸発を防いでいる。
また冷蔵固化の期間を10日間としているが、下地の硬度の1日当たりの変化が10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下になる期間としてもよい。
【0078】
(硬度の測定のための機器及び条件)
本実施形態においては、硬度の測定の測定器として、山電製クリープメータRE2-33005Cを用いた。測定器のロードセルは20N測定用を使用した。測定器に直径6mmの棒状プランジャーをセットした。棒状プランジャーの下降速度は、1秒間に1mmに設定した。
【0079】
(硬度の測定のためのサンプルの調製)
次に硬度の測定のためのサンプルの調製を説明する。植物性チーズ様ミックス200質量部に対して、水200質量部を加え、KitchenAid製のフードミキサーを用いて20分間撹拌した。撹拌子にはフックを用いた。フードミキサーの回転目盛りは低速の2であった。
その後、100mlのゼリーカップ状の容器に撹拌した下地65gを充填し、上面開口部をフィルムにて密封した。ボール容器は、円柱状で、開口部が拡径している。
密封した容器を5℃の冷蔵庫にて10日間保管した。
容器上面のフィルムを剥離して固化した下地を、硬度の測定のためのサンプルとした。
サンプルは、上方に向けて次第に大径となる円柱状を呈している。サンプルの下面(ボール容器の底)の直径は55mmで、上面の直径は62mmで、高さは25mmである。サンプルの高さ方向の断面は上辺が下辺より長い台形である。
【0080】
(硬度の測定)
次に硬度の測定を説明する。サンプルの下面を下にして、調整したサンプルを測定器に設置した。サンプルの上面にプランジャーを針入させ、プランジャーに加わる荷重を測定した。下降するプランジャーがサンプルに突き刺さり、内部に針入すると、プランジャーが下降するにしたがって、プランジャーに加わる荷重が増加する。サンプルが破壊又は破断されるまで、プランジャーを下降させると、荷重の増加が緩やかに又はほぼ一定となる。このときの荷重をサンプルの硬度としている。
本実施形態では、1個のサンプルに対して5回測定を行った。プランジャーを針入する位置は、サンプルの上面の中心を1カ所測定したのち、その周りを等間隔で4カ所同心円状に測定した。
本実施系では、5か所の測定位置共に、サンプルの高さ方向の40%の位置までプランジャーが突き刺さった位置の荷重値を硬度とした。硬度は10Nであった。
【0081】
(植物性食品用ミックス粉のその他)
前記水分は、下地となる食材100質量部に対し、100質量部より小さいと、植物性食品用ミックス粉を溶解できず、粉っぽくなる。一方で、水分が400質量部より大きいと、ペースト状となり、歯ごたえがない。また固化しない傾向にある。
【0082】
(硬度の比較例)
次に硬度の比較例を説明する。比較例の測定は、前述したサンプルの測定方法と共通する部分が多いので、異なる部分のみ説明し、同じ部分の説明は省略する。比較例で用いた市販品は、明治社製の商品名「まろやか6Pチーズ」の6個包装されたチーズである。2つのチーズを取出し、アルミの梱包を外して、縦に2つ重ねてサンプルの厚さを25mmとして比較例のサンプルとした。比較例のサンプルは、面積が大きい側を前記測定器に載置して硬度の測定をした。比較例の硬度は11.4Nであった。
【0083】
[7.まとめ]
(1)植物性食品用ミックス粉は、水分を混合して所定の歯ごたえを得るための硬度を呈し、且つ、所定の味又は風味が付されるべき下地となる食材を形成するための植物性食品用ミックス粉であって、前記硬度が5~20Nであり、加工でん粉と、油脂と、でん粉又は米粉とを含有するものであることを特徴としている。
このため、食物アレルギーを持つ者やヴィーガンと呼ばれる菜食主義者の者が安心して摂取することができる、チーズ、蒲鉾又はソーセージのような所定の歯ごたえを有する下地となる食材を得ることができる。
でん粉を用いる場合は、加工でん粉の持つ食感をでん粉の柔らかい食感で食感を調整できる。米粉を用いる場合は、加工でん粉の持つ食感を餅や団子に代表される米粉の柔らかい食感で食感を調整できる。
【0084】
(2)このような植物性食品用ミックスは、前記加工でん粉100質量部に対して、前記でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部の割合で含んでいるので、植物性の下地となる食材を得ることができる。
【0085】
(3)また前記加工でん粉100質量部に対して、前記水分を100~400質量部の割合で含むので、チーズ、蒲鉾又はソーセージのような所定の歯ごたえを有する下地となる食材を得ることができる。
【0086】
(4)また前記硬度は、所定の条件で冷蔵固化された状態の硬度であるので、所定の硬度の下地食材を得ることができる。
【0087】
(5、8、11)前記加工でん粉がエステル化あるいはエーテル化処理された加工でん粉であるので、硬度の調整が容易である。
【0088】
(6)植物性チーズ様ミックス粉は、加工でん粉100質量部に対して、でん粉又は米粉を5~80質量部、油脂を20~80質量部、酵母分解物を0.1~20質量部の割合で含むことを特徴としている。
このため、食物アレルギーを持つ者やヴィーガンと呼ばれる菜食主義者の者が安心して摂取することができる植物性チーズ様ミックス粉を提供することができる。
【0089】
(7)このような植物性チーズ様ミックス粉は、前記でん粉又は米粉のうち、前記でん粉を用いているので、加工でん粉の持つ食感をでん粉の柔らかい食感で食感を調整できる。
【0090】
(8)また前記でん粉が米粉由来のでん粉であるので、加工でん粉の持つ食感を餅や団子に代表される米粉の柔らかい食感で食感を調整できる。
【0091】
(10)植物性チーズ様ミックス粉を含む食品は、上述の植物性チーズ様ミックス粉と、前記植物性チーズ様ミックス粉に混合される所定量の水又は混ぜるべき食材とからなることを特徴としている。
このため、植物性チーズ様ミックス粉を調味料として、料理中の食材(混ぜるべき食材)に混ぜることにより、完成した料理にチーズの風味を足すことができる。さらになお、植物性チーズ様ミックス粉を調味料として、完成した料理(混ぜるべき食材)にふりかけて用いることができる。また水と混合して、液体状の調味料として用いることができる。
【0092】
(12)植物性チーズ様食品は、植物性チーズ様ミックス粉と、前記加工でん粉100質量部に対して、100~400質量部の割合の水分とを含むことを特徴としている。
このため、食物アレルギーを持つ者やヴィーガンと呼ばれる菜食主義者の者が安心して摂取することができる植物性チーズ様食品を提供することができる。でん粉を用いる場合は、加工でん粉の持つ食感をでん粉の柔らかい食感で食感を調整できる。米粉を用いる場合は、加工でん粉の持つ食感を餅や団子に代表される米粉の柔らかい食感で食感を調整できる。