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特開2023-107287情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107287
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20230727BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20230727BHJP
   H04Q 3/58 20060101ALI20230727BHJP
   H04W 12/61 20210101ALI20230727BHJP
   H04W 12/63 20210101ALI20230727BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G06F21/62 318
H04Q3/58 101
H04W12/61
H04W12/63
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008390
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 洋介
【テーマコード(参考)】
5K049
5K067
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB04
5K049BB16
5K049EE01
5K049FF01
5K049FF32
5K049FF36
5K049FF46
5K049GG15
5K049KK02
5K049KK12
5K067AA21
5K067BB44
5K067DD20
5K067DD30
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K201AA05
5K201AA09
5K201BA06
5K201BC23
5K201BC27
5K201CA10
5K201CB02
5K201CB05
5K201CC01
5K201CC04
5K201DC03
5K201EC06
5K201ED05
(57)【要約】
【課題】スマホ等の通信端末を用いた内線番号検索等の情報処理において場所や時間を制限することが容易な情報処理システムを提供する。
【解決手段】情報処理システムは、通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が予め登録された情報登録部と、通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得部と、アクセス日時における通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、許可位置情報が示す位置領域及び許可日時情報が示す日時期間と端末位置情報が示す位置及びアクセス日時との比較に基づいて、処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に処理結果を通信端末に提供する処理結果提供部と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末からアクセスされる情報処理システムであって、
前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が予め登録された情報登録部と、
前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得部と、
前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供部と、
を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記通信端末からの前記処理要求が内線番号検索要求であり、前記処理結果が検索結果の内線番号であり、
前記処理結果提供部は、前記許可位置情報が示す位置領域内に前記端末位置情報が示す位置が含まれることを照合する位置情報認証部と、前記許可日時情報が示す日時期間内に前記アクセス日時が含まれることを照合する内線番号検索部と、を含み、
前記位置情報認証部の照合と前記内線番号検索部の照合とが達成された場合に、前記内線番号検索部が前記検索結果の内線番号を前記通信端末に提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
通信端末からアクセスされる情報処理システムの情報処理方法であって、
前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が登録される情報登録ステップと、
前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得ステップと、
前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供ステップと、
を有することを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
通信端末からアクセスされる情報処理装置に搭載されるコンピュータに、
前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が登録される情報登録ステップと、
前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得ステップと、
前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報を用いた検索システム等の情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理システムの一例としての企業向け訪問者受付窓口システムにおいては、事業所の訪問者用無人受付窓口に、内線電話機とこれ以外の内線電話番号(以下、内線番号ともいう)を検索する内線番号検索用端末が設置されていることが多い。訪問者は受付で訪問先担当者へ内線電話機を使って連絡するが、まず訪問先担当者の内線番号を知るために備え付けの内線番号検索用端末を操作し所属部署等から担当者を検索するのが一般的である。この検索端末には従来デスクトップ型PC(Personal computer)が用いられ無人受付窓口に設置されることが多かったが、近年はタッチパネル等の操作性が認知されタブレットPCが使われることが増えてきている。
【0003】
訪問者用の無人受付窓口における内線番号検索用端末としてタブレットPCを使用するにあたり、設置場所が不特定多数の人物が出入りできる無人エリアであるため盗難によるリスクが懸念されている。対策としてワイヤーロックや施錠・固定可能なタブレットPC用スタンドが考えられるが、ワイヤーロックは盗難防止の印象が強く企業イメージを損なう可能性がある。また、タブレットPC用スタンドに関しては家電量販店等で一般販売されているものではなく特注品であることが多く、もともとタブレットPC本体が高額であることも加え、導入コストが大きくなるという問題がある。
【0004】
近年、スマートフォン(以下、スマホともいう)が広く普及したが、訪問者が所持するスマホを用いてインターネットを利用した社外向けサイトから内線番号を検索させることも考えられるが、場所や時間を制限することが難しく、不特定多数のアクセスを可能とするものであり情報管理の観点からも好ましいものではない。
【0005】
特許文献1には、訪問者の携帯電話、スマートフォン、タブレット、パソコン等の端末において、位置情報サービスのブラウザを設定することにより、地域を限定した商品の購入が可能な、商品の通信販売システムの情報処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-076219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示の従来技術を訪問者用無人受付窓口システムに適用させても、訪問者の無線通信端末(以下、単に、通信端末という)の位置情報のみを用いて訪問者を認証し、入場アクセスを許可する場合には、セキュリティ上万全でなく、容易に入場できてしまう問題点がある。
【0008】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、情報処理の内線番号検索において場所や時間を制限することが容易な情報管理ができる情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の情報処理システムは、通信端末からアクセスされる情報処理システムであって、前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が予め登録された情報登録部と、前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得部と、前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の情報処理方法は、通信端末からアクセスされる情報処理システムの情報処理方法であって、前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が登録される情報登録ステップと、前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得ステップと、前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供ステップと、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、通信端末からアクセスされる情報処理装置に搭載されるコンピュータに、前記通信端末からの処理要求を許可できる許可位置情報及び処理結果を前記通信端末へ提供することを許可できる許可日時情報が登録される情報登録ステップと、前記通信端末からアクセスされたアクセス日時を取得する日時情報取得ステップと、前記アクセス日時における前記通信端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を前記通信端末に提供する処理結果提供ステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の情報処理システムによれば、情報処理の内線番号検索において場所や時間を制限することが容易な情報管理ができると共に、具体的に、これを適用した受付窓口に訪問者が来訪した際、所持しているスマホ等の通信端末に限定して、内線番号を検索でき、通信端末の位置情報と予め管理している住所情報を照合し、合致した場合にのみアクセスを許容することが可能となる。すなわち、通信端末の位置情報から特定される現在の端末所在位置とシステムが管理する位置情報とを照合し、例えば受付窓口に訪問者が所在することが確認され、更に予め登録したアクセス許容日時に限定して内線番号検索を許容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例の情報処理システムの構成例の一例を説明する概略説明図である。
図2】本発明の実施例の情報処理システムにおいて一時的に内線番号検索システムの一部として利用される通信端末のスマートフォンの一例の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施例の情報処理装置による内線番号検索システムの動作手順を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例の情報処理装置の情報登録部における事前登録情報テーブル及び現在取得情報テーブルを説明するイメージ図である。
図5】本発明の第1の実施例の情報処理システムとしての無人受付窓口システムの動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施形態に係る情報処理システムについて説明する。なお、以下の実施形態及び実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
図1は、本実施形態の情報処理システム100の構成例の一例を示す概略ブロック図である。情報処理システムのシステム構成は、Webサーバ装置等の情報処理装置10とこれに通信可能なスマホ等の通信端末101とで構成される。
【0016】
通信端末101及び情報処理装置10はネットワークNWを介してインターネットで通信可能に接続されている。
【0017】
[ネットワーク]
ネットワークNWは、携帯電話網(LTE(Long Term Evolution)若しくは4G(第4世代のモバイル通信規格)又は5G(第5世代のモバイル通信規格))、IP(Internet Protocol)回線網、公衆交換電話網の他、例えば、衛星通信網等の公衆回線網や、各種のWAN(Wide Area Network)、VoPN(Voice over Packet Network)のような専用回線網や、個別のLAN(Local Area Network)を含むものであってもよい。
【0018】
ネットワークNWと通信端末101とは、アクセスポイントACを介してWi-Fi(登録商標)規格の通信によって接続されてもよい。
【0019】
情報処理装置10と通信端末101は無線LANの通信、例えば、Wi-Fi(登録商標)規格の無線通信によって接続されても、Bluetooth(登録商標)規格のBLE(Bluetooth Low Energy)通信等の互いに近接したときに通信可能になる近距離通信によって接続されても、良い。
【0020】
[通信端末]
図2は、情報処理装置10により一時的に内線番号検索システムとして利用される通信端末101のスマートフォンの一例の構成を示すブロック図である。一般的に、スマートフォンは、音声通話やデータ通信に用いられ基地局との通信信号を送受信する通信部101a(上記のネットワークNWの様々な通信規格の機能モジュールを含む)、訪問者とのインターフェイスのための操作部兼表示部であるタッチパネル101b、時計101c、マイク101d、スピーカ101e、振動子101f、カメラ101g、位置検出用のGPS(Global Positioning System全地球測位システム)センサ101h、傾き検出用のジャイロセンサ101i、磁気検出用の地磁気センサ101j、距離検出用の近接センサ101k、明るさ検出用の照度センサ101l及び慣性検出用の加速度センサ101m、の作動装置・センサ、並びに、これらセンサからの信号を受け且つこれら作動装置を制御する制御部101nを含んでいる。
【0021】
制御部101nはMPU(Micro-Processing Unit)とフラシュメモリ等のROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)の記憶部を含み、記憶部にインストールされた種々のソフトウェアプログラムに従うMPUによって当該端末の全体動作を制御するコンピュータ装置である。なお、ソフトウェアプログラムに含まれる、カメラ101gと協働してQRコード(登録商標)を読み取るスキャナソフトは情報処理装置10のWebページへの接続手段として機能する。QRコード(登録商標)を用いる場合は予め受付内線電話機の近くに受付用の当該コードを掲示しておく。
【0022】
GPSセンサ101hはGPS信号を受信し、MPUにより、GPS信号に基づいて通信端末101の現在位置を検出する。現在時刻を計時する時計はGPSセンサによる測位の計算にMPUにより利用される。
【0023】
スマホ等の通信端末101にインストールされている機能としては、以下の(1)~(2):
(1)情報処理装置10から現在位置情報を要求され、「現在位置情報」を情報処理装置10へ送信する際に、情報処理装置10から受信した「現在位置情報要求」に対し、認証に必要なGPSセンサ101h等を利用した通信端末101の現在位置情報を取得して、認証に必要な現在位置情報を返信する返信機能、及び
(2)上記(1)の返信に際して、現在位置情報の利用が予め制限されている場合に当該利用を許可(制限解除)する画像をタッチパネル101bに表示して当該返信を促す機能、等を備える。
【0024】
なお、通信端末101としては、スマートフォンの他、スマートフォンと同等の機能を有した、無線通信モジュールとSIM(Subscriber Identity Module)を搭載したタブレット端末やノートPC等の電子機器が挙げられる。
【0025】
通信端末101から情報処理装置10の受付用のWebページへの接続手段にはブラウザソフトウェアプロラムが必要であり、上記のスキャナソフト以外に、予め訪問者にWebページのURL(Uniform Resource Locator)又は接続アプリケーションを電子メール等の手段で情報処理装置10に保存してもらう。
【0026】
訪問者は、例えば、通信端末101のスキャナソフトを起動してカメラで受付窓口にて掲示されている受付用のQRコード(登録商標)を読みとらせると、通信端末101は、LTE通信でインターネットにより、又はWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線LANの通信により自動的に、情報処理装置10が展開する受付Webページに接続される。
【0027】
訪問者は、事前に取得してある受付WebページのURLで該受付Webページへアクセスしてもよい。
【0028】
[情報処理装置]
情報処理装置10は、図1に示すように、Webサーバとして機能するコンピュータ装置であり、内部バス(図示せず)で互いに接続された、CPU(Central Processing Unit)11と、記憶装置12と、訪問者からの処理要求や情報の入力及び処理結果を訪問者に返答するためのインターフェイスである入力部13及び出力部14と、通信部15と、を有する。入力部13や通信部15を介して、入力情報等が情報処理装置10に取得される。
【0029】
記憶装置12としては、たとえば、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、やフラッシュメモリ等があり、これらは各種プログラムやデータを記憶するとともにCPU11の作業エリアとなる。入力部13としては、訪問先担当者等が面談予約データを入力するためのキーボード、マウス、タッチパネル、テンキー等がある。出力部14としては、データを入力する訪問先担当者等への状態表示のためのディスプレイ、タッチパネル等がある。通信部15は、ネットワークNWと通信し、データを送受信する。入力部13及び出力部14としては外部装置、例えば記録媒体を接続するためのUSB(Universal Serial Bus)も含まれる。
【0030】
記憶装置12にインストールされたオペレーティングシステム(OS)ソフトウェアのプログラムに従うCPU11によって情報処理装置10の全体動作を制御する。CPU11は記憶装置12に保持される各種アプリケーションソフトウェアにしたがって、例えば、情報処理用のアプリケーションソフトウェア(以下、情報処理アプリという)にしたがって、情報処理を実行する。
【0031】
インストールされた情報処理アプリは、記憶装置12に展開されて、CPU11が以下の機能部、
(1)情報登録部PKPと、
(2)日時情報取得部FCTと、
(3)位置情報取得部FJPと、
(4)処理結果提供部DCTと、として機能する。
【0032】
[情報処理装置の動作]
情報処理装置10は通信端末101からアクセスされる場合、上記機能部により図3に示すようなフローで以下の内線番号検索動作を実行する。
【0033】
当該アクセスがなされる前、情報登録部PKPから初期設定条件が読込まれる(ステップS1)。情報登録部PKPにおいては、通信端末101からの処理要求を許可できる許可条件を含む事前登録情報テーブルTB1(図4、参照)が予め登録されている。
【0034】
図4は、情報処理装置10の情報登録部PKPに記憶された、訪問許可位置(事前登録位置領域)及び訪問許可日時(事前登録日時期間)を含む事前登録情報テーブルTB1の一例を示したものである。
【0035】
事前登録情報テーブルTB1には、訪問者予約システムの一部として、担当者名(訪問先担当者)と、例えば、会社の受付窓口の受付位置領域(例えば、GPS位置情報の範囲)と、例えば、訪問を許可する許可日時期間とが、担当者名毎に関係付けられて一意的にあらかじめ登録・格納される。
【0036】
なお、事前登録情報テーブルTB1には、担当者名に対応する既定情報の内線番号も格納されてもよい。このように、事前登録情報テーブルTB1に処理結果情報として内線番号が格納されていれば、内線番号検索システム(内線番号検索部)として好適に活用される。なお、情報処理装置10に内線番号検索部を搭載する他に、情報処理装置外部の内線番号検索システムに接続して内線番号検索を実行させることとしてもよい。
【0037】
事前登録情報テーブルTB1のうち受付位置領域(許可位置情報)は、通信端末101からの情報処理装置10へのアクセスの認証のための参照情報となり、許可位置情報と通信端末101の現在位置との一致、すなわち、受付位置領域内に現在位置が含まれることより該端末の認証がなされる。また、事前登録情報テーブルTB1のうち許可日時期間(許可日時情報)も、通信端末101からのアクセスの認証のための参照情報となり、許可日時情報と通信端末101のアクセス日時との一致、すなわち、許可日時期間に現在アクセス日時が含まれることより該端末の認証がなされる。
【0038】
通信端末101から情報処理装置10へのアクセスの認証のため、情報登録部PKPには、図4に示すような、通信端末101のアクセス時の後に現在取得情報テーブルTB2が記憶される。現在取得情報テーブルTB2のうち現在日時及び現在位置は、通信端末101から送信され日時情報取得部FCT及び位置情報取得部FJPが取得したアクセス日時及び通信端末101の現在GPS位置情報である。
【0039】
翻って、図3に示すフローに戻ると、情報処理装置10は、通信端末101からアクセスを待機する(ステップS2)。
【0040】
通信端末101からアクセスがある場合(ステップS2:Y)、日時情報取得部FCTは、通信端末101の現在日時情報(アクセス日時)を取得し、現在取得情報テーブルTB2(図4、参照)にアクセスされた現在日時を記憶する(ステップS3)。
【0041】
そして、位置情報取得部FJPは、通信端末101の現在位置情報を要求する(ステップS4)。位置情報取得部FJPは、通信端末101から現在位置情報を取得した後、現在取得情報テーブルTB2(図4、参照)にアクセスされた現在位置を記憶する。
【0042】
次に、処理結果提供部DCTは、取得した通信端末101の現在位置(現在取得情報テーブルTB2)と事前登録情報テーブルTB1の受付位置領域(許可位置情報)と照合する(ステップS5)。
【0043】
処理結果提供部DCTは、通信端末101の現在位置と事前登録された受付位置領域(許可位置情報)が照合されると(ステップS5:Y)、通信端末101において検索される訪問先担当者名が所定時間内に入力されたか否かを判別する(ステップS6)。
【0044】
次に、処理結果提供部DCTは、通信端末101において訪問先担当者名が入力されれば(ステップS6:Y)、取得した通信端末101の現在日時(現在取得情報テーブルTB2)と事前登録情報テーブルTB1の許可日時期間(許可日時情報)とで面会日時の照合をする(ステップS7)。
【0045】
そして、処理結果提供部DCTは、通信端末101の面会日時が照合されると(ステップS7:Y)、検索される訪問先担当者名(処理要求)に対する訪問先担当者の内線番号(処理結果)を通信端末101に提供する(ステップS8)。
【0046】
このように、処理結果提供部DCTは、前記許可位置情報が示す位置領域及び前記許可日時情報が示す日時期間と前記端末位置情報が示す位置及び前記アクセス日時との比較に基づいて、前記処理要求に対する処理結果を提供するか否かを判定し、提供すると判定された際に前記処理結果を通信端末101に提供する。
【0047】
例えば、訪問される側の訪問先担当者×▽◇□(図4の事前登録情報テーブルTB1、参照)がPCからアポイント面会日時を2022/01/22、13:00~15:00と登録すると、面会開始時間13:00の前後30分くらい、つまり、許可日時期間12:30~13:30において、訪問者が内線番号検索結果を得ることができる。
【0048】
そして、ステップS5からステップS7において、所定の位置外や所定の時間外、所定の入力がない場合は、処理結果提供部DCT、「訪問先担当者とのアポイントがございません」のようなメッセージを通信端末101に返し、終了する。
【0049】
[第1の実施例]
本実施例の無人受付窓口システムは、設置場所を問わない内線番号検索システムとしてWebサーバ装置(情報処理装置10)を含み、内線番号検索用のタブレットPC等の端末が設置されていない無人受付窓口に適用される。当該無人受付窓口には、内線電話機が設置される。当該無人受付窓口に訪問者が来訪した際に、訪問者が所持しているスマホのWebブラウザを使い、Webサーバ装置へアクセスし訪問先担当者の内線番号を検索する。ここで検索できる情報(社員個人名、所属、内線番号等)は広く一般公開することはできないため、アクセスできる時間帯や実際に訪問した人物に制限する等の考慮が必要である。本実施例では訪問者のスマホの位置情報と予め登録された面会日時情報を使いアクセス権を制限するものである。
【0050】
図5は、第1の実施例の情報処理システムとしての無人受付窓口システムの動作手順を示すフローチャートである。
【0051】
訪問者は無人受付窓口システムに来訪した際、訪問先担当者の内線電話機の内線番号を知るため、所持する通信端末101であるスマホのWebブラウザからインターネットを介しWebサーバである情報処理装置10にアクセスする(ステップS101)。このアクセス時にWebサーバ10(日時情報取得部FCT)は、スマホ101のアクセス日時を取得する(ステップS102)。
【0052】
そして、アクセスを受けたWebサーバ10はスマホ101へ位置情報を要求する(ステップS103)と共に、Webページの画像データ(「しばらくお待ちください」等の画像)を送信して、スマホ101に画像表示させる(ステップS104)。
【0053】
要求を受けたスマホ101はGPSセンサから現在位置情報を取得し、これを情報処理装置10Webサーバ10(位置情報取得部FJP)に送信する(ステップS105)。
【0054】
スマホ101から位置情報を受け取ったWebサーバ10(処理結果提供部DCTの位置情報認証部)は、予め登録されている自社の受付窓口位置情報(事前登録位置領域)とスマホ101の位置情報とを照合(ステップS106)し、当該スマホが受付窓口にあると判断された場合のみ認証すると共に、訪問先担当者名の入力用所定ブランクを含むWebページの画像データを送信して、スマホ101に画像表示させる(ステップS107)。
【0055】
訪問者は、表示されているWebページの所定ブランクに訪問先担当者名前情報を入力し(ステップS108)、内線番号を検索する(ステップS109)。
【0056】
検索要求を受けたWebサーバ10(処理結果提供部DCTの内線番号検索部)は、現在のアクセス日時と訪問先担当者が訪問者予約システムへ登録した面会日時に基づく許可日時期間(事前登録日時期間)とを照合する(ステップS110)。
【0057】
予約が入っている時刻近辺、つまり、登録した面会日時に基づく許可日時期間(事前登録日時期間)内であれば検索結果(内線番号)を訪問者へ返す。そうでなければ面会できない旨を検索結果として訪問者へ返す(ステップS111)。
【0058】
これにより訪問者に、実際に窓口エリアにいる場合で、かつ訪問先担当者が面会可能な時間帯のみ内線番号を検索してもらうことができる。内線番号を知った訪問者は、設置されている内線電話機を操作し(ステップS112)、訪問先担当者へ連絡する(ステップS113)。
【0059】
(効果の説明)
以上説明したように、本実施例及び実施形態によれば、内線電話機を設置していない受付窓口においても外部から来た来訪者が所持している通信端末を使用して、位置情報と予約日時情報を利用した認証行為を行うことで、実際に窓口エリアにいる訪問者に、訪問先担当者が訪問者との面会可能な日時のみに内線番号を検索してもらうことができる。また訪問者が所持している通信端末を検索端末として利用するため、企業は、無人受付窓口にタブレットPC等の内線番号検索用端末を設置する必要がなく、盗難リスクを排除でき、また導入コストを抑えることができる。また、無人受付エリアに設置される端末は不特定多数の人物が利用するため、衛生面への懸念もあるが、内線番号検索は訪問者が所持する通信端末での操作であるためリスクを抑えることができる。
【0060】
本実施例によれば、訪問者のスマートフォン等の通信端末の位置情報から特定される現在の所在とシステムが管理する住所情報とを照合し、受付窓口等の特定の場所に居ることが確認され、更に予め登録したアクセス許容日時に限定して内線番号検索等のアクセスを許容することができる。
【0061】
以上、スマートフォンの位置情報及び日時情報を用いた企業向けの無人受付窓口システムの実施例の動作を説明したが、本発明の適用にあたっては、企業の訪問者用に限定されない。例えばショッピングモールやイベントの来場者である。本発明を使った認証を用いれば、現地にいる人物に限定してキャンペーン情報を閲覧させることができ、更にアクセス時刻を限定することも可能となる。来場者に限定した特典等を準備することで店舗商品の拡販やイベント参加者数の増加等の効果が期待される。また、金融機関の一般窓口等訪問予約の形態をとらない店舗では来店者に限定して整理券を配布する場合があるが、位置情報を用いた認証を使うことで整理券を発券することなく同じ効果を得ることができ、更に予め日時を限定した整理券配布も可能である。
【符号の説明】
【0062】
10 情報処理装置(Webサーバ)
100 情報処理システム
101 通信端末(スマートフォン)
PKP 情報登録部
FCT 日時情報取得部
FJP 位置情報取得部
DCT 処理結果提供部

図1
図2
図3
図4
図5