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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107317
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】重量検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 11/00 20060101AFI20230727BHJP
【FI】
G01G11/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008448
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180851
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼口 誠
(72)【発明者】
【氏名】水野 絵美
(72)【発明者】
【氏名】松下 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】中島 雅喜
(72)【発明者】
【氏名】樽本 祥憲
(72)【発明者】
【氏名】須田 昇嗣
(57)【要約】
【課題】傾斜搬送面に被検査物を搬送させながら被検査物の重量を計量する場合に、被検査物の計量精度を高めることができる、重量検査装置を提供する。
【解決手段】重量検査装置100は、被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する。重量検査装置100は、被検査物Pの荷重を検出するロードセル31が、被検査物Pの搬送面に平行に設けられた搬送計量部20と、搬送計量部20を支持するベース部材58と、ベース部材58を支持する架台50と、を備える。ベース部材58は、搬送計量部20の搬送面が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で架台50に取り付けられている。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物を搬送しながら前記被検査物の重量を計量する重量検査装置であって、
前記被検査物の荷重を検出する検出部が、前記被検査物の搬送面に平行に設けられた搬送計量部と、
前記搬送計量部を支持するベース部材と、
前記ベース部材を支持する架台と、を備え、
前記ベース部材は、前記搬送計量部の前記搬送面が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で前記架台に取り付けられている、重量検査装置。
【請求項2】
前記架台は、前記重量検査装置の設置面に立設する少なくとも四つの支柱部を有し、
各前記支柱部は、鉛直方向に対して屈曲する屈曲部を有している、請求項1記載の重量検査装置。
【請求項3】
前記支柱部は、前記被検査物の搬送方向の上流側に位置する上流側支柱部と、前記上流側支柱部よりも前記被検査物の搬送方向の下流側に位置する下流側支柱部と、を有しており、
前記上流側支柱部における前記屈曲部は、前記下流側支柱部における屈曲部よりも低い位置に形成されている、請求項2記載の重量検査装置。
【請求項4】
前記ベース部材は、前記上流側支柱部及び前記下流側支柱部の前記屈曲部よりも上側部分に取り付けられている、請求項3記載の重量検査装置。
【請求項5】
前記支柱部は、前記被検査物の搬送方向に沿う方向に屈曲している、請求項2~4の何れか一項記載の重量検査装置。
【請求項6】
前記検出部は、ロードセルであり、
前記ロードセルは、前記ロードセルの自由端の変位方向が、前記搬送面に直交する方向に沿うように配置される、請求項1~5の何れか一項記載の重量検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、重量検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品(被検査物)を重量に応じて選別する工程を有する生産ラインには、商品の重量が所定の範囲内にあるか否かを検査する傾斜搬送部が設置される。このような生産ラインでは、低い位置から高い位置又は低い位置から高い位置に商品を搬送するために、搬送方向に沿って傾斜する傾斜搬送部が設けられることがある。上述した重量検査装置は、搬送面が一般的には水平であるので、このような傾斜搬送部を有する生産ラインに重量検査装置を設ける徒生産ラインが相対的に長くなってしまう。そこで、傾斜搬送部に、特許文献1に示されるような重量検査装置を配置することで、生産ラインをコンパクトにすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-330501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の重量検査装置は、ロードセルが鉛直方向の荷重を検知するようにロードセルを水平に固定したまま、搬送面を傾斜させる構成であるため、ロードセルは、傾斜搬送面に直交する方向の分力と傾斜搬送面に平行な方向の分力とを合成した力を検出する。このため、ロードセルが設けられた傾斜搬送部に上流側から商品を搬入するときの微小な速度差によって商品に慣性力が発生し、このとき発生する傾斜搬送部に水平方向の力が、重量検査装置の計量精度に悪影響を与える。
【0005】
そこで、本発明の一側面の目的は、傾斜搬送面に被検査物を搬送させながら被検査物の重量を計量する場合に、被検査物の計量精度を高めることができる、重量検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る重量検査装置は、被検査物を搬送しながら前記被検査物の重量を計量する重量検査装置であって、被検査物の荷重を検出する検出部が、被検査物の搬送面に平行に設けられた搬送計量部と、搬送計量部を支持するベース部材と、前記ベース部材を支持する架台と、を備え、ベース部材は、搬送計量部の搬送面が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で架台に取り付けられている。
【0007】
この構成では、搬送計量部の搬送面が水平方向に傾斜するように設けられると共に、被検査物の荷重を検出する検出部が被検査物の搬送面に平行となるように設けられている。これにより、検知部によって検出された荷重をそのまま利用して被検査物の重量を計量することができるので、傾斜搬送面に直交する方向の分力と傾斜搬送面に平行な方向の分力とを合成した荷重を検出する従来の構成と比べて、搬送計量部に上流側から被検査物が搬入されるときの速度差によって被検査物に発生する慣性力の影響を低減できる。この結果、傾斜搬送面に被検査物を搬送させながら被検査物の重量を計量する場合に、被検査物の計量精度を高めることができる。
【0008】
本発明の一側面に係る重量検査装置では、架台は、重量検査装置の設置面に立設する少なくとも四つの支柱部を有し、各支柱部は、鉛直方向に対して屈曲する屈曲部を有していてもよい。この構成では、ベース部材を水平方向に傾斜した状態で容易に架台に取り付けることができる。
【0009】
本発明の一側面に係る重量検査装置では、支柱部は、被検査物の搬送方向の上流側に位置する上流側支柱部と、上流側支柱部よりも被検査物の搬送方向の下流側に位置する下流側支柱部と、を有しており、上流側支柱部における屈曲部は、下流側支柱部における屈曲部よりも低い位置に形成されていてもよい。この構成では、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0010】
本発明の一側面に係る重量検査装置では、ベース部材は、上流側支柱部及び下流側支柱部の屈曲部よりも上側部分に取り付けられていてもよい。この構成では、上流側支柱部及び下流側支柱部の屈曲部よりも上側部分に取り付けることで、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0011】
本発明の一側面に係る重量検査装置では、支柱部は、被検査物の搬送方向に沿う方向に屈曲していてもよい。この構成では、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0012】
本発明の一側面に係る重量検査装置では、検出部は、ロードセルであり、ロードセルは、ロードセルの自由端の変位方向が、搬送面に直交する方向に沿うように配置されてもよい。この構成では、簡易な構成で、搬送面に直交する方向の荷重を検出することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、傾斜搬送面に被検査物を搬送させながら被検査物の重量を計量する場合に、被検査物の計量精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態に係る重量検査装置の斜視図である。
図2図1の重量検査装置における風防部を透明化して示した斜視図である。
図3図1の重量検査装置の正面図である。
図4図1の重量検査装置の背面図である。
図5図1の重量検査装置の右側面図である。
図6図1の重量検査装置に含まれる架台の斜視図である。
図7図1の本体部を架台に取り付ける取付部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して一実施形態に係る重量検査装置100について説明する。図面の説明において、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、「上」及び「下」の語は、図1に示されるように、鉛直方向の上下方向に対応し、「上流」及び「下流」の語は、被検査物Pの搬送方向における上流及び下流を意味する。また、以後の説明の便宜のため、図1において、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」方向を設定した。
【0016】
なお、図1においては、風防部80を透明化して表示している。図3では、上ビーム部53及び風防部80の記載を省略している。
【0017】
重量検査装置100は、上流側から供給される被検査物Pを下流側へ搬送しつつ、当該被検査物Pの重量が、許容範囲内であるか否かの検査を行う装置である。図1に示されるように、重量検査装置100は、主に、取込部10と、搬送計量部20と、本体部40と、架台50と、風防部80と、を備える。図1においては、風防部80は、透明化して表示されている。
【0018】
図1図5に示されるように、取込部10は、上流側から被検査物Pを受け入れて搬送し、下流側にある計量部30へ被検査物Pを受け渡す。取込部10は、取込コンベア11と、駆動部15と、ガイド部材19と、を備えている。
【0019】
取込コンベア11は、コンベアフレーム12と、駆動ローラ13A及び従動ローラ13Bと、搬送ベルト14と、を有している。コンベアフレーム12は、取込コンベア11の前側及び後側に配置された一対の支持部材61,61によって支持されている。駆動ローラ13A及び従動ローラ13Bは、コンベアフレーム12の搬送方向TDの上流側及び下流側に、それぞれ回転可能に取り付けられている。搬送ベルト14は、駆動ローラ13A及び従動ローラ13Bに巻き掛けられた、無端状のベルトである。
【0020】
駆動部15は、取込コンベア11を駆動させる。駆動部15は、駆動モータ16と、モータボックス17、とを有している。駆動モータ16は、駆動ローラ13Aを回転させる。モータボックス17は、駆動モータ16を収容している。モータボックス17は、支持部材61を介して後述するベース部材58に固定又はベース部材58に直接固定されている。駆動モータ16は、タイミングベルト18を介して駆動力を駆動ローラ13Aに伝達し、駆動ローラ13Aを回転させる。これにより、駆動ローラ13Aと従動ローラ13Bとの間で搬送ベルト14が回動し、搬送ベルト14上の被検査物Pが搬送計量部20へ搬送される。
【0021】
ガイド部材19は、取込コンベア11の前後に設けられており、被検査物Pの搬送をガイドする。
【0022】
搬送計量部20は、取込部10から受け渡された被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する。搬送計量部20は、搬送部20Aと、計量部20Bと、を備えている。搬送部20Aは、被検査物Pを搬送する。搬送部20Aは、搬送コンベア21と、駆動部25と、ベース部材58と、を備えている。
【0023】
搬送コンベア21は、コンベアフレーム22と、駆動ローラ23A及び従動ローラ23Bと、搬送ベルト24と、を有している。コンベアフレーム22は、搬送計量部20の前側及び後側に配置された、一対の支持部材62,62の一端に支持されている。一対の支持部材62,62の他端は、後述するロードセル(検出部)31に接続されている。コンベアフレーム22は、一対の支持部材62,62を介してロードセル31に支持されている。駆動ローラ23A及び従動ローラ23Bは、コンベアフレーム22の搬送方向TDの上流側及び下流側に、それぞれ回転可能に取り付けられている。搬送ベルト24は、駆動ローラ23A及び従動ローラ23Bに巻き掛けられた、無端状のベルトである。
【0024】
駆動部25は、搬送コンベア21を駆動させる。駆動部25は、駆動モータ26と、収容ボックス32と、を有している。駆動モータ26は、駆動ローラ23Aを回転させる。収容ボックス32は、駆動モータ26と後述するロードセル31と、を収容している。収容ボックス32は、支持部材62を介して後述するベース部材58に固定又はベース部材58に直接固定されている。駆動モータ26は、タイミングベルト28を介して駆動力を駆動ローラ23Aに伝達し、駆動ローラ23Aを回転させる。これにより、駆動ローラ23Aと従動ローラ23Bとの間で搬送ベルト24が回動し、搬送ベルト24上の被検査物Pが下流側に搬送される。
【0025】
計量部20Bは、搬送部20A上の被検査物Pの重量を計量する。計量部20Bは、ロードセル31と、上述の収容ボックス32と、を備えている。収容ボックス32は、ロードセル31を支持した状態で収容する。言い換えれば、ロードセル31は、収容ボックス32を介してベース部材58に取り付けられる。なお、ロードセル31を支持する部材は、収容ボックス32とは別の部材であってもよい。ロードセル31は、搬送部20Aに被検査物Pが載置されることで生じる歪みの変化を検出して、搬送部20Aに載置された被検査物Pの重量を計量する。
【0026】
ロードセル31は、起歪体及び受感部を有する。起歪体は、矩形ブロック状に形成されている。起歪体は、いわゆるロバーバル機構を有する。起歪体は、アルミ合金又はステンレス鋼等の金属ブロックに貫通孔が形成されて成り、対称構造を有する。起歪体は、自由端側ブロック(自由端)と、固定端側ブロック(固定端)と、自由端側ブロックの上端と固定端側ブロックの上端とを接続する上側ビーム部と、自由端側ブロックの下端と固定端側ブロックの下端とを接続する下側ビーム部と、を含む。起歪体は、自由端側ブロックに与えられた荷重に応じて、略平行四辺形状に歪曲する特性を有する。自由端側ブロックには、上述した一対の支持部材62,62が接続される。固定端側ブロックは、収容ボックス32を介してベース部材58に固定されている。搬送計量部20は、被検査物Pの荷重を検出するロードセル31が、被検査物Pの搬送面に平行に設けられている。すなわち、ロードセル31は、上側ビーム部及び下側ビーム部が被検査物Pの搬送面に平行となるように配置され、自由端側ブロック及び固定端側ブロックが搬送面に直交するように配置される。
【0027】
ベース部材58は、例えば、下方に向けて開放された断面C字状の金属製部材からなる。ベース部材58は、平坦な設置面58aを有している。ベース部材58の設置面58a上には、モータボックス17及び収容ボックス32が、適宜の締結部材(ボルト及びナット、又はビス等)を用いて固定されている。
【0028】
上述したように、搬送計量部20は、取込部10を含めて、被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する一つのユニットとして構成されている。このように搬送計量部20を含むユニットは、後段にて詳述する架台50に、搬送計量部20の搬送面が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で取り付けられる。言い換えれば、ベース部材58は、搬送計量部20の搬送面が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で架台50に取り付けられている。なお、ベース部材58の架台への取り付け方法は後段にて詳述する。
【0029】
本体部40は、計量部30の後方に配置されている。本体部40は、筐体部41と、制御部42と、表示操作部43と、電源スイッチ44と、を有している。
【0030】
筐体部41は、上下方向に延びる縦長の筐体である。制御部42は、筐体部41の内部に収容されている。制御部42は、重量検査装置100の各部の動作を制御する。制御部42は、例えば、CPU、ROM及びRAM等から構成されている。制御部42は、ロードセル31から出力された計量信号を受信し、計量信号により示される計量値が所定の許容範囲内にあるかどうかを判定する。
【0031】
表示操作部43は、筐体部41の上部に設けられている。表示操作部43の画面43aには、計量部30が行う計量に関する内容が表示される。例えば、表示操作部43の画面43aには、制御部42における判定の結果等が表示される。電源スイッチ44は、重量検査装置100の電源のオンオフを行う。
【0032】
図6に示されるように、架台50は、取込部10、搬送計量部20及び本体部40を支持する。架台50は、重量検査装置100の設置面上に立設された四つの支柱部51,52を有する。より詳細には、架台50は、上流側に配置された一対の左支柱部(上流側支柱部)51と、下流側に配置された一対の右支柱部(下流側支柱部)52と、を有する。一対の左支柱部51は、搬送方向に直交する幅方向(前後方向)に所定の間隔をおいて離間するように配置されている。一対の右支柱部52は、搬送方向に直交する幅方向(前後方向)に所定の間隔をおいて離間するように配置されている。一対の左支柱部51間の間隔と一対の右支柱部52間の間隔とは、例えば等しく、この前後方向の間隔の範囲内に取込部10及び搬送計量部20が収まっている。すなわち、四つの支柱部51,52は、平面視において取込部10及び搬送計量部20と重ならない位置に配置されている。支柱部51,52のそれぞれは、例えば、金属製の円形管状部材からなる。
【0033】
左支柱部51は、設置面から鉛直方向上方に延在する第一直線部51aと、第一直線部51aから屈曲する第二直線部51bと、を有している。第二直線部51bは、重量検査装置100を前方から見たときに、搬送方向TDに沿って左側に屈曲している。第二直線部51bの鉛直方向に対する屈曲角度は、例えば10°~15°である。右支柱部52は、設置面から鉛直方向上方に延在する第一直線部52aと、第一直線部52aから屈曲する第二直線部52bと、を有している。第二直線部52bは、重量検査装置100を前方から見たときに、搬送方向TDに沿って左側に屈曲している。第二直線部52bの鉛直方向に対する屈曲角度は、例えば10°~15°である。左支柱部51の屈曲部51cは、右支柱部52の屈曲部52cよりも低い位置に設けられている。すなわち、第一直線部51aの延在方向におけるサイズは、第一直線部52aの延在方向におけるサイズよりも短い。第二直線部51bの延在方向におけるサイズと第二直線部52bの延在方向におけるサイズとは互いに等しくなるように形成されている。
【0034】
架台50は、搬送方向に並ぶ左支柱部51及び右支柱部52に接続される一対の上ビーム部53及び一対の下ビーム部55を有する。上ビーム部53は、例えば、左支柱部51の上端部及び右支柱部52の上端部に接続されている。下ビーム部55は、例えば、左支柱部51の下部及び右支柱部52の下部に接続されている。上ビーム部53は、左から右に向かって上方傾斜するように延在している。下ビーム部55は、左から右に向かって水平方向に延在している。上ビーム部53と下ビーム部55とのそれぞれは、例えば、金属製の角形管状部材からなる。上ビーム部53と下ビーム部55の両方又は何れか一方が、下方に向けて開放された断面C字状の部材であってもよい。
【0035】
架台50は、幅方向(前後方向)に並ぶ一対の左支柱部51に接続される一つの左水平ビーム部56と、幅方向(前後方向)に並ぶ一対の右支柱部52に接続される一つの右水平ビーム部57とを有する。左水平ビーム部56及び右水平ビーム部57は、何れも水平に延びており、上ビーム部53と下ビーム部55の間の高さに位置する。左水平ビーム部56の高さ位置は、右水平ビーム部57の高さ位置よりも低い。左水平ビーム部56及び右水平ビーム部57のそれぞれは、例えば、金属製の円形管状部材からなる。
【0036】
上ビーム部53、下ビーム部55、左水平ビーム部56及び右水平ビーム部57のそれぞれは、支柱部51,52に対して、例えば溶接によって接続されている。なお、これらの接続形態は、溶接に限られず、例えば接着等であってもよいし、固定金具等と締結部材とが適用されてもよい。
【0037】
このような構成の架台50に、ベース部材58は、搬送計量部20の搬送面(すなわち搬送ベルト24の搬送面)が水平方向に傾斜するように、水平方向に傾斜した状態で架台50に取り付けられる。具体的には、ベース部材58は、左支柱部51の屈曲部51c,51c同士を接続する左水平ビーム部56と、右支柱部52の屈曲部52c同士を接続する右水平ビーム部57とにまたがるように掛け渡される。ベース部材58は、左水平ビーム部56及び右水平ビーム部57に対して、例えば溶接によって接続されている。なお、これらの接続形態は、溶接に限られず、例えば接着等であってもよいし、固定金具等と締結部材とが適用されてもよい。
【0038】
これにより、ベース部材58は、左支柱部51及び右支柱部52のそれぞれの屈曲部51c,52cよりも上側部分に取り付けられることになる。また、この場合、搬送計量部20は、被検査物Pの荷重を検出するロードセル31が、水平方向に傾斜した被検査物Pの搬送面に平行になる。すなわち、ロードセル31は、上側ビーム部及び下側ビーム部が水平方向に傾斜した状態で配置され、自由端側ブロック及び固定端側ブロックが水平方向に傾斜した搬送面に直交するように配置される。
【0039】
筐体部41は、ブラケット47を介して架台50の後側の下ビーム部55に固定されると共に、ブラケット49A、49Bを介して架台50の後側の上ビーム部53に固定される。ブラケット47は、図7に示されるように、側面部47aと、固定部47bと、平面部47cと、を有している。ブラケット47は、折り曲げ加工等によって形成されている。ブラケット47は、取付部48によって下ビーム部55に固定される。取付部48は、コ字状(U字状)の本体部48aと固定部48b,48bと有している。ブラケット47の固定部47bと取付部48の固定部48bとをボルト等Bで連結することによって、取付部48と固定部47bとで下ビーム部55を挟み込み、ブラケット47を下ビーム部55に固定する。筐体部41は、上述のように下ビーム部55に固定されたブラケット47の平面部47cにボルト等で固定される。
【0040】
風防部80は、空調設備等から吹き出す風が重量検査に及ぼす影響を低減するために設けられる。風防部80は、上風防部80Aと、下風防部80Bと、を有する。上風防部80Aは、左側面部81A,81Aと、右側面部81B,81Bと、本体部82と、取付部83と、を有している。左側面部81A,81Aと、右側面部81B,81Bと、取付部83とは、例えば、ステンレス鋼等によって形成されている。本体部82は、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はPC(ポリカーボネート)等によって形成されている。本体部82は、上面82aと、上面82aに直交する前面82bと、上面82aに直交すると共に前面82bに対向する後面82cと、を有している。左側面部81A,81A及び右側面部81B,81Bは、本体部82の前面82b及び後面82cに取り付けられている。取付部83は、上風防部80Aを上ビーム部53に取り付ける。言い換えれば、上風防部80Aは、取付部83を介して上ビーム部53に取り付けられる。上風防部80Aは、上ビーム部53に取り付けられることによって、被検査物Pを上流側から下流側まで通過可能に、取込コンベア11及び搬送コンベア21の上方を覆う。
【0041】
下風防部80Bは、左側面部85Aと、右側面部85Bと、前面部85Cと、後面部85Dと、下面部85Eと、取付部86と、を有している。左側面部85Aと、右側面部85Bと、前面部85Cと、後面部85Dと、下面部85Eと、取付部86とは、例えば、ステンレス鋼等によって形成されている。左側面部85A、右側面部85B、前面部85C、後面部85D及び下面部85Eは、板状部材である。取付部86は、四つの支柱部51,52のそれぞれに取り付けられている。左側面部85A、右側面部85B、前面部85C及び後面部85Dのそれぞれは、ボルト等によって取付部86に固定されている。下面部85Eは、左側面部85A、右側面部85B、前面部85C及び後面部85Dの下端に取り付けられる。上風防部80Aは、取付部86を介して支柱部51,52に取り付けられることによって、モータボックス17に収容された駆動モータ16と、収容ボックス32に収容された駆動モータ26及びロードセル31と、を外部から遮蔽する。
【0042】
上記実施形態の重量検査装置100における作用効果について説明する。上記実施形態の重量検査装置100では、搬送計量部20の搬送面が水平方向に傾斜するように設けられると共に、被検査物Pの荷重を検出するロードセル31が被検査物Pの搬送面に平行となるように設けられている。これにより、ロードセル31によって検出された荷重をそのまま利用して被検査物Pの重量を計量することができるので、傾斜搬送面(搬送ベルト14)に直交する方向の分力と傾斜搬送面に平行な方向の分力とを合成した荷重を検出する従来の構成と比べて、搬送計量部20に上流側から被検査物Pが搬入されるときの速度差によって被検査物Pに発生する慣性力の影響を低減できる。この結果、傾斜搬送面に被検査物Pを搬送させながら被検査物Pの重量を計量する場合に、被検査物Pの計量精度を高めることができる。
【0043】
上記実施形態の重量検査装置100の各支柱部51,52は、鉛直方向に対して屈曲する屈曲部51c,52cを有している。これにより、ベース部材58を水平方向に傾斜した状態で容易に架台50に取り付けることができる。
【0044】
上記実施形態の重量検査装置100の左支柱部51における屈曲部51cは、右支柱部52における屈曲部52cよりも低い位置に形成されている。これにより、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0045】
上記実施形態の重量検査装置100のベース部材58は、左支柱部51及び右支柱部52の屈曲部51c,52cよりも上側部分に取り付けられている。これにより、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0046】
上記実施形態の重量検査装置100の支柱部51,52は、被検査物Pの搬送方向TDに沿う方向に屈曲している。これにより、上流側から下流側に向かって上方に傾斜する搬送面を容易に構成することができる。
【0047】
上記実施形態の重量検査装置100では、ロードセル31は、ロードセル31の自由端側ブロックの変位方向が、搬送面に直交する方向に沿うように配置されている。これにより、簡易な構成で、搬送面に直交する方向の荷重を検出することができる。
【0048】
上記実施形態の重量検査装置100では、左支柱部51及び右支柱部52を搬送方向に沿って屈曲させると共に、左支柱部51における屈曲部51cを、右支柱部52における屈曲部52cよりも低い位置に形成し、左支柱部51における屈曲部51c同士を接続する左水平ビーム部56と、右支柱部52の屈曲部52c同士を接続する右水平ビーム部57とにまたがるようにベース部材58を取り付けることによって下記の特有の効果を有する。
【0049】
すなわち、重量検査装置100を前方から見たときに、左支柱部51の第二直線部51bと、右支柱部52の第二直線部52bと、上ビーム部53と、ベース部材58とによって囲まれる空間は、屈曲しない左支柱部及び右支柱部と上ビーム部とからなる架台にベース部材を取り付けたときに、左支柱部と右支柱部と上ビーム部とベース部材とに囲まれる空間と同じサイズとすることができる。このため、取込部10を含めて、被検査物Pを搬送しながら被検査物Pの重量を計量する一つのユニットとして構成される搬送計量部20を共通部品化することができる。すなわち、搬送面が上流側から下流側に向かって上方に傾斜するように支持する上述した架台50と、搬送面が上流側から下流側に向かって水平方向となるように支持する架台(標準架台)との間で、一つのユニットとして構成される搬送計量部20を共通部品化することができる。
【0050】
搬送面が上流側から下流側に向かって上方に傾斜するように搬送計量部20を支持する構成としては、ジャッキ等で傾斜させる方法、上記標準架台を用いて搬送計量部20のみを斜めに支持する方法等が考えられる。前者の場合には、ジャッキで架台の足元を支持するために安定性に欠け、計量精度が悪くなる可能性がある。また、下流側に支柱部が大きくはみ出すこととなるので、下流側に配置する例えば振分装置等の設置に制限が生じる可能性がある。また、本体部を載せる下ビーム部も一緒に傾斜してしまうので、本体部を垂直に取り付けることが困難となる。このため、角度ごとに本体部を架台に取り付けるための専用部品を設計する必要があるという問題がある。
【0051】
また、後者の場合には、搬送方向TDにおいて搬送計量部20よりも架台のサイズを大きくする必要が生じるので下流側に配置する例えば振分装置等の設置に制限が生じる可能性がある。架台のサイズを縮めた場合には、架台部から飛び出す搬送計量部20の部分が大きくなり、風防部等を適切に設置できなくなることから計量精度が悪化するおそれがある。また、搬送計量部20の搬送面が斜めしたときと水平にしたときとでは架台との位置関係が異なるので、上述したように搬送計量部20を共通部品化することができない。また、支柱部に対し垂直ではなく斜めにベース部材が交差するために、搬送計量部20を外部から遮蔽しようとすると矩形ではない専用の風防部を用意する必要があり、やはり共通部品化できないという問題がある。
【0052】
このようなことから、搬送面が上流側から下流側に向かって上方に傾斜するように搬送計量部20を支持する上記実施形態には、他の方法に比べて優位性がある。なお、上述した共通部品化のメリットは、被検査物Pの荷重を検出するロードセル31が被検査物Pの搬送面に平行となるように設けられていなくても享受できる。
【0053】
以上、一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られない。発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0054】
上記実施形態の重量検査装置100は、取込部10が設けられる構成を例に挙げて説明したが、取込部10は省略されて、架台50、すなわちベース部材58には、搬送計量部20のみが固定されてもよい。
【0055】
上記実施形態の重量検査装置100では、上流側から下流側に向かって上方傾斜している例を挙げて説明したが、上流側から下流側に向かって下方傾斜していてもよい。なお、上流側から下流側に向かって上方傾斜している場合の方が、上流側から商品を搬入するときの速度差が大きくなるので、商品に発生する慣性力による影響を小さくできる本願構成では、上流側から下流側に向かって上方傾斜している構成の方が大きな効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0056】
20…搬送計量部、20A…搬送部、20B…計量部、21…搬送コンベア、24…搬送ベルト、30…計量部、31…ロードセル(検出部)、32…収容ボックス、40…本体部、41…筐体部、42…制御部、43…表示操作部、50…架台、51…左支柱部(支柱部)、51a…第一直線部、51b…第二直線部、51c…屈曲部、52…右支柱部(支柱部)、52a…第一直線部、52b…第二直線部、52c…屈曲部、58…ベース部材、58a…設置面、80…風防部、80A…上風防部、80B…下風防部、100…重量検査装置、P…被検査物。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7