(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107512
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】マッサージシステム、及び、制御装置
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20230727BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20230727BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
G16H20/00
A61H7/00 323S
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008752
(22)【出願日】2022-01-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 公開の事実1:2021年12月10日に株式会社大広 東京本社で開催された「ショルダープロ」メディア向け説明会にて発表 公開の事実2:2021年12月10日に発行された「ショルダープロ」メディア向け説明会・体験会」案内にて発表 公開の事実3:2021年12月7日に発行されたメディア向け案内書面「ファミリーイナダ(株)及び日本電産(株)からのマッサージチェア寄贈式」にて発表 公開の事実4:2021年12月13日に鳥取県庁で開催された寄贈式にて、鳥取県平井知事に「ショルダープロ」の説明を実施
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111567
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 寛
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
5L099
【Fターム(参考)】
4C100BA09
4C100CA03
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マッサージ装置を利用し、受講者に健康に関する情報を提供するマッサージシステム及び制御装置を提供する。
【解決手段】受講者に健康に関する情報を提供するマッサージシステム100において、マッサージ装置1と、マッサージ装置における、心身に関する講座用のコンテンツの出力を制御する制御装置50と、を備える。制御装置は、マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作に基づき、メモリに記憶されている講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツをマッサージ装置に出力させる、。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ装置と、
前記マッサージ装置における、心身に関する講座用のコンテンツの出力を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作に基づき、メモリに記憶されている前記講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、
前記ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、前記出力用コンテンツを前記マッサージ装置に出力させる、ように構成されている
マッサージシステム。
【請求項2】
前記タイミングは、前記動作期間に前記出力用コンテンツの出力期間の少なくとも一部が重複するタイミングである
請求項1に記載のマッサージシステム。
【請求項3】
前記タイミングは、すべての前記出力期間が前記動作期間に含まれるタイミングである
請求項2に記載のマッサージシステム。
【請求項4】
前記タイミングは、前記出力期間の始端が、前記動作期間の始端より遅いタイミングである
請求項3に記載のマッサージシステム。
【請求項5】
前記マッサージ動作は、1又は複数の単位動作によって構成されており、
前記タイミングは、前記マッサージ動作を構成する前記単位動作に基づいて設定されるタイミングである
請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージシステム。
【請求項6】
前記タイミングは、前記出力用コンテンツの出力開始時点が、前記マッサージ動作における前記単位動作の切り替わりと一致するタイミングである
請求項5に記載のマッサージシステム。
【請求項7】
前記タイミングは、前記マッサージ動作の開始からの経過時間に基づいて設定されるタイミングである
請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記動作期間において、前記出力用コンテンツの出力と、前記マッサージ動作に関連した情報の出力と、の両出力を行う、ように構成されている
請求項1~7のいずれか一項に記載のマッサージシステム。
【請求項9】
前記メモリに記憶されている前記講座用のコンテンツには、テーマが対応付けられており、
前記出力用コンテンツを選択することは、予め規定されている選択ルールに従って前記テーマを選択することを含み、
前記選択ルールは、前記テーマを選択する条件に前記マッサージ動作の内容に関する情報を含まないものである
請求項1~8のいずれか一項に記載のマッサージシステム。
【請求項10】
前記テーマには、それぞれ、対応する講座用のコンテンツの出力を許可する許可期間が設定されており、
前記選択ルールは、前記ユーザ操作を受け付けた時点が前記許可期間に属することを含む
請求項9に記載のマッサージシステム。
【請求項11】
前記メモリに記憶されている講座用のコンテンツは、同一のテーマに対応付けられた複数の講座用のコンテンツを含み、
前記出力用コンテンツを選択することは、選択された前記テーマが設定されている前記複数の講座用のコンテンツの中から1つの講座用のコンテンツを選択することを含む
請求項9又は10に記載のマッサージシステム。
【請求項12】
前記マッサージ装置に前記マッサージ動作を行わせるプログラムは、前記講座用のコンテンツとは異なるデータとして記憶されている
請求項1~11のいずれか一項に記載のマッサージシステム。
【請求項13】
マッサージ装置と通信可能な制御装置であって、
前記マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作を表す信号を前記マッサージ装置から受信し、
前記信号に基づき、メモリに記憶されている、心身に関する講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、
前記ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、前記出力用コンテンツを前記マッサージ装置に出力させるための信号を前記マッサージ装置に出力する、ように構成されている
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージシステム、及び、制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
健康に関する情報を広く知らせ、健康に関する教育を行いたい場合、健康講座といった、体系的に整理したコンテンツとして提供する方法が考えられる。従来、こういった教育は、授業、テレビ、ネット配信などの方法によって行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、通常の方法では、講座が開講されるタイミングは提供者側にて設定されている。そのため、受講者側はそのタイミングに合わせて講座を受ける必要があり、スケジュールを合わせるのが手間であったり、受け忘れたりしてしまう場合がある。
【0005】
特開2017-217085号公報(以下、特許文献1)は、マッサージ機から得た被施療者の身体情報に対する評価・アドバイスなどの診断を他の装置から受信し、出力するマッサージ機を開示している。ユーザは、このようなマッサージ機を用いて、自身の希望するタイミングでマッサージを行わせる。本開示では、このようなマッサージ装置を利用し、受講者がわざわざ受講のためのスケジュールを調整したり、作業を行ったりする手間を必要とせずに、受講者に健康に関する情報を提供することができるマッサージシステム、及び、制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
ある実施の形態に従うと、マッサージシステムは、マッサージ装置と、マッサージ装置における、心身に関する講座用のコンテンツの出力を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作に基づき、メモリに記憶されている講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツをマッサージ装置に出力させる、ように構成されている。
【0007】
ある実施の形態に従うと、制御装置は、マッサージ装置と通信可能な制御装置であって、マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作を表す信号をマッサージ装置から受信し、信号に基づき、メモリに記憶されている、心身に関する講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツをマッサージ装置に出力させるための信号をマッサージ装置に出力する、ように構成されている。
【0008】
更なる詳細は、後述の実施形態として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係るマッサージシステムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、マッサージシステムにおいて提供される健康講座の概念を表した図である。
【
図3】
図3は、マッサージシステムに含まれるマッサージ装置の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、マッサージシステムに含まれる制御装置の機能ブロック図である。
【
図5】
図5は、マッサージシステムに含まれるサーバに記憶されている、健康講座のコンテンツを説明するための図である。
【
図6】
図6は、マッサージシステムでの、健康講座のコンテンツの出力方法の流れを表した図である。
【
図7】
図7は、マッサージ装置の制御装置によって行われる制御の流れを表したフローチャートである。
【
図8】
図8は、健康講座のコンテンツを出力するタイミングを説明するための図である。
【
図9】
図9は、
図7のステップS107の一例を表したフローチャートであって、
図8の第1のパターンの場合の処理の一例を表したフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図7のステップS107の一例を表したフローチャートであって、
図8の第2のパターンの場合の処理の一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<1.マッサージシステム、及び、制御装置の概要>
【0011】
(1)実施の形態に係るマッサージシステムは、マッサージ装置と、マッサージ装置における、心身に関する講座用のコンテンツの出力を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作に基づき、メモリに記憶されている講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツをマッサージ装置に出力させる、ように構成されている。
【0012】
心身に関する講座用のコンテンツは、心身に関する講座を内容とするコンテンツを指し、例えば、音声、画像、映像、それらの組み合わせなどを用いて心身に関する学習をユーザに行わせるためのコンテンツを指す。心身に関する講座用のコンテンツは、心に関するコンテンツ、及び、体に関するコンテンツのいずれか一方でもよいし、両方でもよい。
【0013】
制御装置がかかる制御を行うことによって、ユーザがマッサージ装置に対してマッサージ動作の開始に関するユーザ操作を行うことにより、その操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、講座用のコンテンツがマッサージ装置から出力される。その結果、ユーザは、わざわざ受講のためのスケジュールを調整したり、作業を行ったりする手間を必要とせずに心身に関する講座を受講することができる。すなわち、本マッサージシステムは、受講者がわざわざ受講のためのスケジュールを調整したり、作業を行ったりする手間を必要とせずに、受講者に健康に関する情報を提供することができる。
【0014】
(2)好ましくは、タイミングは、動作期間に出力用コンテンツの出力期間の少なくとも一部が重複するタイミングである。これにより動作期間に出力用コンテンツの少なくとも一部が出力される。その結果、ユーザは、マッサージ装置でのマッサージを受けている間に、講座用のコンテンツの少なくとも一部を受講することができる。そのため、ユーザは、受講のために設ける時間を抑えることができるとともに、心身に関する講座の受講の機会を多く得ることができる。
【0015】
(3)好ましくは、タイミングは、すべての出力期間が動作期間に含まれるタイミングである。これにより、動作期間に出力用コンテンツがすべて出力される。その結果、ユーザは、マッサージ装置でのマッサージを受けている間に、講座用のコンテンツのうちの選択された1つの出力用コンテンツをすべて受講することができる。
【0016】
(4)好ましくは、タイミングは、出力期間の始端が、動作期間の始端より遅いタイミングである。これにより、出力用コンテンツの出力の終了が動作期間の終端に近くなる。その結果、マッサージ装置のユーザは、マッサージをある程度受けた状態で講座用のコンテンツのうちの選択された1つの出力用コンテンツを受講するため、リラックスした状態で受講でき、効果的になる。
【0017】
(5)好ましくは、マッサージ動作は、1又は複数の単位動作によって構成されており、タイミングは、マッサージ動作を構成する単位動作に基づいて設定されるタイミングである。単位動作は、例えば、肩や背中などの特定の部位に対するマッサージ動作であってもよいし、叩きや揉みなどの特定の動作であってもよい。マッサージ動作の単位動作に基づいて出力するタイミングが設定されることによって、出力用コンテンツを出力するタイミングを検出するためにマッサージ動作の開始からの計時が不要となる。そのため、出力用コンテンツの出力制御が容易になる。
【0018】
(6)好ましくは、タイミングは、出力用コンテンツの出力開始時点が、マッサージ動作における単位動作の切り替わりと一致するタイミングである。これにより、マッサージ動作の単位動作が切り替わるタイミングで出力用コンテンツの出力が開始する。そのため、マッサージ装置のユーザは講座用のコンテンツを受講しやすくなる。
【0019】
(7)好ましくは、タイミングは、マッサージ動作の開始からの経過時間に基づいて設定されるタイミングである。これにより、出力するタイミングをマッサージ動作に対して厳密に設定することができる。
【0020】
(8)好ましくは、制御装置は、動作期間において、出力用コンテンツの出力と、マッサージ動作に関連した情報の出力と、の両出力を行う、ように構成されている。これにより、マッサージ装置のユーザは、講座用のコンテンツの受講と、マッサージ動作に関連した情報の取得との両方が可能になる。
【0021】
(9)好ましくは、メモリに記憶されている講座用のコンテンツには、テーマが対応付けられており、出力用コンテンツを選択することは、予め規定されている選択ルールに従ってテーマを選択することを含み、選択ルールは、テーマを選択する条件にマッサージ動作の内容に関する情報を含まないものである。テーマは、一例として健康についてのテーマである。例えば、健康増進法に基づき策定された「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成15年厚生労働省告示第195号)」が改訂された、いわゆる「健康日本21(第2次)」によって掲げられた身体及びこころの健康を保つための三要素であってよい。これにより、マッサージ動作に内容に関わらず、テーマに沿った講座用のコンテンツの出力が可能になる。
【0022】
(10)好ましくは、テーマには、それぞれ、対応する講座用のコンテンツの出力を許可する許可期間が設定されており、選択ルールは、ユーザ操作を受け付けた時点が許可期間に属することを含む。これにより、期間ごとにテーマを変えて講座用のコンテンツが出力されるようになる。その結果、ユーザは、複数のテーマを、マッサージを受けるタイミングに応じてまんべんなく受講できるようになる。
【0023】
(11)好ましくは、メモリに記憶されている講座用のコンテンツは、同一のテーマに対応付けられた複数のコンテンツを含み、出力用コンテンツを選択することは、選択されたテーマが設定されている複数の講座用のコンテンツの中から1つの講座用のコンテンツを選択することを含む。これにより、マッサージ装置のユーザに、同一のテーマに対応付けられた講座用のコンテンツを多く受講させることができる。
【0024】
(12)好ましくは、マッサージ装置にマッサージ動作を行わせるプログラムは、講座用のコンテンツとは異なるデータとして記憶されている。これにより、マッサージ動作を行わせるプログラムとは独立して講座用のコンテンツを変更したり更新したりすることができる。すなわち、マッサージ動作を行わせるプログラムを変更することなく出力可能な講座用のコンテンツを容易に変更したり更新したりすることができる。
【0025】
(13)実施の形態に係る制御装置は、マッサージ装置と通信可能な制御装置であって、マッサージ装置に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作を表す信号をマッサージ装置から受信し、信号に基づき、メモリに記憶されている、心身に関する講座用のコンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択し、ユーザ操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツをマッサージ装置に出力させるための信号をマッサージ装置に出力する、ように構成されている。これにより、マッサージ装置に、ユーザがマッサージ装置に対してマッサージ動作の開始に関するユーザ操作を行うことにより、その操作に従って実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、講座用のコンテンツを出力させることができる。
【0026】
<2.マッサージシステム、及び、制御装置の例>
【0027】
図1は、本実施の形態に係るマッサージシステム100の概略構成図である。
図1を参照して、マッサージシステム100は、マッサージ装置1を備える。マッサージ装置1の、ユーザの身体を支持する身体支持部として機能する各部の各所には、ユーザの身体に対するマッサージ動作を実行するための動作機構であるマッサージ用ユニット7が設けられている。マッサージ装置1は、マッサージ用ユニット7を動作させてユーザの身体に刺激を与えることによってマッサージを提供する装置であって、一例として、ユーザが着座して用いるチェア型、つまり、マッサージチェアであってよい。マッサージ装置1は、他の例として、フットマッサージ機や肩マッサージ機などであってもよい。以降の例では、マッサージ装置1はマッサージチェアとする。
【0028】
一例として、マッサージ装置1は、複数ユーザからなるグループで使用可能な場所に設置され、当該複数ユーザによって使用されることが想定されているものとする。複数ユーザが使用可能な場所は、例えば、オフィスや学校や家庭などである。この場合、複数ユーザは、オフィスの勤務者や学生や家族などである。
【0029】
マッサージシステム100は、制御装置50を備える。制御装置50は、マッサージ装置1における心身に関する講座用のコンテンツの出力を制御する。心身に関する講座用のコンテンツは、心身に関する講座を内容とするコンテンツを指し、例えば、音声、画像、映像、それらの組み合わせなどを用いて心身に関する学習をユーザに行わせるためのコンテンツを指す。心身に関する講座用のコンテンツは、心に関するコンテンツ、及び、体に関するコンテンツのいずれか一方でもよいし、両方でもよい。以降、心身に関する講座用のコンテンツを、「講座用コンテンツ」又は「健康講座」とも称する。
【0030】
図2は、健康講座の概念を表した図である。健康講座は、心身に関する複数のテーマそれぞれに用意された講座用コンテンツを有している。心身に関するテーマは、一例として健康についてのテーマである。例えば、健康増進法に基づき策定された「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(平成15年厚生労働省告示第195号)」が改訂された、いわゆる「健康日本21(第2次)」によって掲げられた身体及びこころの健康を保つための三要素であってよい。
【0031】
図2を参照して、健康講座は、一例として、「食事」「運動」「休養(メンタル面)」、及び、「休養(肉体面)」の4つのテーマそれぞれに用意された講座用コンテンツを含む。好ましくは、健康講座は、1つのテーマに複数の講座用コンテンツが含まれる。
図2の例では、「食事」について4つの講座用コンテンツA1~A4、「運動」について4つの講座用コンテンツB1~B4、「休養(メンタル面)」について4つのコンテンツC1~C4、及び、「休養(肉体面)」について4つの講座用コンテンツD1~D4が用意されている。
【0032】
このような健康講座は、健康増進法などにも見られるように、広く多くのユーザに受講されることが望ましい。例えば、オフィスの使用者や学校のスタッフなどの管理者が、オフィスの勤務者や学生などに対してこのような健康講座の受講を希望する場合が想定される。
【0033】
マッサージシステム100では、マッサージ装置1に対するマッサージ動作の開始に関するユーザ操作に基づき、複数の講座用コンテンツの中から出力用コンテンツが選択され、ユーザ操作に従ってマッサージ装置1において実行されるマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツがマッサージ装置1から出力される。これにより、管理者は、オフィスや学校等にマッサージ装置1を設置することによって、マッサージ装置1のユーザとなる複数ユーザに健康講座を容易に受講させることができる。
【0034】
健康講座は、講座用コンテンツごとに配信のタイミングが規定されている。一例として、テーマごとに配信期間が規定されており、
図2の例では、「食事」についての講座用コンテンツA1~A4を1月~3月に、「運動」についての講座用コンテンツB1~B4を4月~6月に、「休養(メンタル面)」についての講座用コンテンツC1~C4を7月~9月に、「休養(肉体面)」についての講座用コンテンツD1~D4を10月~12月に配信することが規定されている。これにより、各ユーザに様々なテーマの健康講座を受講させることができる。なお、配信期間は一例であり、この限りではない。また、配信期間を任意に設定したり変更したりできるように構成されてもよい。
【0035】
マッサージシステム100において、マッサージ装置1と制御装置50とは相互に通信を行う。好ましくは、通信は、無線通信である。通信は、一例として、インターネットなどの通信網20を介したものである。これにより、マッサージ装置1に対する通信線の接続をなくすることができ、配置が容易になる。
【0036】
マッサージシステム100は、
図2に示された講座用コンテンツA1~D4を記憶するメモリとして機能するサーバ40を備える。サーバ40は、制御装置50がアクセス可能な装置であって、制御装置50とは異なる装置であってもよいし、制御装置50に含まれるメモリであってもよい。
【0037】
図3は、マッサージ装置1の機能ブロック図である。
図3を参照して、マッサージ装置1は制御装置10を含む。制御装置10は、プロセッサ11とメモリ12とを有するコンピュータで構成される。プロセッサ11は各部に接続され、各部を制御する。プロセッサ11は、一部の機能が、後述するタブレット2に搭載されたプロセッサ(図示せず)によって実現されてもよい。
【0038】
メモリ12は、マッサージ用プログラム121を記憶している。マッサージ用プログラム121は、プロセッサ11にマッサージ装置1のマッサージ動作の制御を実行させるためのプログラムである。プロセッサ11は、後述するタブレット2からの操作信号に従ってマッサージ用プログラム121を実行する。これにより、プロセッサ11は、マッサージ動作制御処理111を実行する。
【0039】
メモリ12は、講座出力用プログラム122を記憶している。講座出力用プログラム122は、プロセッサ11にマッサージ装置1における講座用コンテンツの出力のための制御を行わせるプログラムである。プロセッサ11は、後述するタブレット2からの操作信号に従って講座出力用プログラム122を実行する。これにより、プロセッサ11は、講座出力制御処理112を実行する。
【0040】
メモリ12において、講座用コンテンツは、マッサージ用プログラム121とは異なるデータとして記憶されている。異なるデータとして記憶する一例として、メモリ12は、講座用コンテンツを記憶する領域としてのコンテンツ記憶部123を有する。これにより、マッサージ用プログラム121とは独立して講座用コンテンツを変更したり更新したりすることができる。すなわち、マッサージ用プログラム121を変更することなく出力可能な講座用コンテンツを容易に変更したり更新したりすることができる。なお、変更や更新の際は、サーバ40を介して行われることが好ましい。また、メモリ12自体を交換することにより、変更や更新をしてもよい。
【0041】
マッサージ装置1は、通信部3を有する。通信部3は、プロセッサ11からの制御信号に従って通信網20を介して制御装置50などの他の装置と通信する。通信部3は、プロセッサ11からの制御信号に従う信号を通信網20を介して他の装置に送信する。また、通信部3は、通信網20を介して他の装置から信号を取得し、プロセッサ11に入力する。これにより、プロセッサ11は、他の装置から信号を取得したり、他の装置に対して信号を与えたりすることができる。
【0042】
マッサージ装置1は、マッサージ用ユニット7を有する。マッサージ用ユニット7は、ユーザの身体部位を押圧するための押圧部材の一例としてのエアセル72Aを含む。エアセル72Aは、エアの給排気により膨張収縮する空気袋である。マッサージ用ユニット7がエアセル72Aを有することによって、エアを給排気することでユーザの身体部位を押圧することができる。
【0043】
マッサージ用ユニット7は、駆動回路72を含む。駆動回路72は、エアセル72Aに後述するポンプユニット9からのエアを給排気するための電磁弁を駆動させる。駆動回路72及び電磁弁は、マッサージ用ユニット7にマッサージ動作を行わせるアクチュエータの一例である。駆動回路72は、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、エアセル72Aへの給排気が制御される。
【0044】
マッサージ装置1は、複数のマッサージ用ユニット7を有する。複数のマッサージ用ユニット7が、それぞれ駆動回路72を含んで、プロセッサ11からの制御信号に従って電磁弁の開閉を制御する。これにより、複数のマッサージ用ユニット7では、独立してそれぞれのエアセル72Aへの給排気が制御される。このため、マッサージ装置1は、ユーザの複数の身体部位を押圧することが可能になるとともに、様々なマッサージ動作を行うことができる。なお、マッサージユニットは、機械式のものであってもよい。
【0045】
マッサージ装置1は、ポンプユニット9を有する。ポンプユニット9は、ポンプ93、及び、ポンプ93の駆動を制御する駆動回路91を含む。ポンプユニット9は、マッサージ用ユニット7に含まれるエアセル72Aに対してエアを給排気する。ポンプ93は、ポンプユニット9を動作させるアクチュエータの一例である。駆動回路91は、プロセッサ11からの制御信号に従ってポンプ93の駆動を制御して、エアセル72Aに対するエアの給排気を制御する。
【0046】
マッサージ装置1は、センサユニット4を有する。センサユニット4は、マッサージ動作の程度や、ユーザの状態を検出するための、図示しないセンサを有する。具体的に、センサは、アクチュエータの動作量を検出したり、エアセルの内圧を検出したりする。センサはマッサージ用ユニット7に配置されていてもよい。センサユニット4でのセンシング結果を示す信号は、プロセッサ11に入力される。
【0047】
マッサージ装置1は、リクライニングユニット5を有する。リクライニングユニット5は、マッサージ動作に従って背凭れの角度を変化させるユニットであり、角度を変化させるための、図示しないアクチュエータと、その駆動回路とを含む。駆動回路は、プロセッサ11からの制御信号に従ってアクチュエータの駆動を制御する。
【0048】
マッサージ装置1は、ユーザ操作を受け付ける操作部の一例としてのタブレット2を有する。タブレット2は、マッサージ装置1と一体の装置であってもよいし、マッサージ装置1から独立した別の装置であってもよい。タブレット2は、ユーザの操作入力を受け付けて、操作を表す操作信号をプロセッサ11に入力する。
【0049】
タブレット2は、コンテンツの出力装置の一例として機能する。タブレット2は、プロセッサ11からの制御信号に従って講座用コンテンツを出力する。講座用コンテンツの出力は、ディスプレイ(図示せず)への画像や映像の表示であってもよいし、スピーカ(図示せず)からの音声出力であってもよいし、それらの両方であってもよい。
【0050】
図4は、制御装置50の機能ブロック図である。
図4を参照して、制御装置50は、プロセッサ51とメモリ52とを有するコンピュータで構成される。プロセッサ51は各部に接続され、各部を制御する。
【0051】
制御装置50は、通信部53を有する。通信部53は、プロセッサ51からの制御信号に従って通信網20を介してマッサージ装置1などの他の装置と通信する。通信部53は、プロセッサ51からの制御信号に従う信号を通信網20を介して他の装置に送信する。また、通信部53は、通信網20を介して他の装置から信号を取得し、プロセッサ51に入力する。これにより、プロセッサ51は、他の装置から信号を取得したり、他の装置に対して信号を与えたりすることができる。
【0052】
メモリ52は、プログラム521を記憶している。プログラム521は、プロセッサ51にマッサージ装置1のマッサージ動作の制御を実行させるためのプログラムである。また、プロセッサ11にマッサージ装置1での講座用コンテンツの出力を制御するための処理を行わせるプログラムである。プロセッサ51は、マッサージ装置1からの信号をトリガとしてプログラム521を実行する。これにより、制御装置50は、マッサージ装置1からの信号をトリガとしてマッサージ装置1に講座用コンテンツの出力を行わせることができる。
【0053】
具体的に、プロセッサ51がプログラム521に従って実行する処理は、選択処理511を含む。選択処理511は、サーバ40に記憶されている講座用コンテンツの中から1つの出力用コンテンツを選択することを含む。
【0054】
プロセッサ51がプログラム521に従って実行する処理は、出力処理512を含む。出力処理512は、出力用コンテンツを通信部53に渡し、マッサージ装置1に出力用コンテンツを送信させることを含む。これにより、マッサージ装置1は出力用コンテンツとして講座用コンテンツを得て、講座用コンテンツの出力を行うことができる。
【0055】
図5は、サーバ40に記憶されている講座用コンテンツを説明するための図である。
図5の例では、
図2に表された講座用コンテンツA1~D1がサーバ40に記憶されているものとしている。
図5を参照して、サーバ40に記憶されている講座用コンテンツA1~D1には、それぞれ、テーマが対応付けられている。具体的には、講座用コンテンツA1~A4には「食事」、講座用コンテンツB1~B4には「運動」、講座用コンテンツC1~C4には「休養(メンタル面)」、及び、講座用コンテンツD1~D4には「休養(肉体面)」のテーマを示すデータが対応付けられている。
【0056】
さらに、テーマには、それぞれ、対応する講座用コンテンツの出力を許可する許可期間が設定されている。具体的には、「食事」には1月~3月の期間、「運動」には4月~6月の期間、「休養(メンタル面)」には7月~9月の期間、及び、「休養(肉体面)」には10月~12月の期間が、それぞれ、許可期間として設定されている。
図5の例では、コンテンツA1~D1に、それぞれ、テーマを示すデータと、そのテーマに設定された許可期間を示すデータとが対応付けられている。これにより、制御装置50は、選択処理511において、テーマや許可期間を用いて出力用コンテンツを選択することができる。なお、テーマ及び許可期間は一例であり、これら以外のテーマが含まれていてもよいし、許可期間を自由に設定できるようにしてもよい。
【0057】
図6は、マッサージシステム100での、講座用コンテンツの出力方法の流れを表した図である。
図6を参照して、マッサージ装置1は、始めに、マッサージ動作の開始に関するユーザ操作を受け付ける(ステップS1)。一例として、オフィスに設置されているマッサージ装置1を、オフィスの従業員が仕事の合間に利用する、などの場面が想定される。
【0058】
マッサージ動作の開始に関するユーザ操作は、マッサージ動作を開始させることに関連したユーザ操作のいずれであってもよく、一例として、マッサージ動作の開始を指示するユーザ操作(例えば、コースボタンの選択)である。その他、開始させるマッサージ動作の種類を選択するユーザ操作(例えば、手動コースボタンの選択)などであってもよい。
【0059】
ステップS1のユーザ操作を受け付けると、マッサージ装置1から制御装置50に対して出力用コンテンツがリクエストされる(ステップS2)。これにより、制御装置50では選択処理511が実行されて、ステップS1のユーザ操作に基づいてサーバ40に記憶されている講座用コンテンツの中から出力用コンテンツが選択される(ステップS3)。
【0060】
ステップS3での出力用コンテンツを選択することは、予め規定されている選択ルールに従ってテーマを選択することを含む。制御装置50のプロセッサ51は、選択ルールを予め記憶している。選択ルールは、テーマを選択する条件にマッサージ動作の内容に関する情報を含まないものである。マッサージ動作の内容に関する情報は、例えば、マッサージ動作の種類を含む。これにより、ステップS3では、ユーザが開始を指示したマッサージ動作の内容に関わらずにテーマが選択される。
【0061】
選択ルールは、一例として、ステップS1のユーザ操作を受け付けた時点が、許可期間に属するテーマであることを含む。これにより、
図2に表された、テーマごとに設定された配信期間に応じたテーマが選択されるようになる。すなわち、ステップS3で制御装置50のプロセッサ51は、一例として、サーバ40に記憶されている各コンテンツに対応付けられたテーマの中から、ステップS2で送信されたコンテンツリクエストを受信したタイミングが属する許可期間が設定されているテーマを選択する。
【0062】
図5に表されたように、サーバ40には、同一のテーマに対応付けられた複数の講座用コンテンツが記憶されていてもよい。これは、
図2に表されたように、あるテーマについての複数の講座用コンテンツが用意されていることを意味している。この場合、ステップS3での出力用コンテンツを選択することは、選択されたテーマが設定されている複数の講座用コンテンツの中から1つの講座用コンテンツを出力用コンテンツとして選択することを含む。
【0063】
選択されたテーマが設定されている複数の講座用コンテンツの中から1つの講座用コンテンツを選択することは、一例として、複数の講座用コンテンツの中からランダムに1つ選択することであってよい。他の基準に従って1つ選択されてもよい。これにより、各ユーザに用意された健康講座を多く受講させることができる。
【0064】
制御装置50では、選択された出力用コンテンツがサーバ40から読み出され(ステップS4)、マッサージ装置1に送信される(ステップS5)。これにより、マッサージ装置1で出力用コンテンツを出力できるようになる。
【0065】
マッサージ装置1では、ステップS1のユーザ操作に従ってマッサージ動作が開始する(ステップS6)。ステップS6のマッサージ動作の開始は、ステップS5で送信された出力用コンテンツを受信する前であってもよい。マッサージ装置1は、ステップS5で送信された出力用コンテンツを受信するとプロセッサ11が講座出力制御処理112を実行して、ステップS6で開始されたマッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで、出力用コンテンツを出力する(ステップS7)。
【0066】
ステップS7では、マッサージ装置1においてプロセッサ11が出力用コンテンツを再生し、再生によって得られた音声や画像、映像を、出力装置の一例であるタブレット2から出力する。これによって、マッサージ装置1のユーザは、マッサージ装置1の付近で健康講座を受講することができる。一例として、マッサージ装置1のユーザは、マッサージを受けるときの体勢で健康講座を受講することができる。
【0067】
図7は、マッサージ装置1の制御装置10によって行われる制御の流れを表したフローチャートであって、制御装置10のプロセッサ11が講座出力用プログラム122に従って行う講座出力制御処理112の流れの一例を表している。
【0068】
図7を参照して、制御装置10のプロセッサ11は、
図6のステップS1のユーザ操作を受け付けると(ステップS101でYES)、通信部3に、講座出力用プログラム122によって規定された出力用コンテンツをリクエストする信号を、設定された制御装置50に対して送信させる(ステップS103)。また、プロセッサ11は、ユーザ操作に従って、マッサージ用プログラム121に従うマッサージ動作制御処理111を開始する。
【0069】
プロセッサ11は、制御装置50から健康講座のコンテンツの受信を待機する(ステップS105でNO)。このとき、プロセッサ11は、マッサージ動作制御処理111に従ってマッサージ用ユニット7に制御信号を出力し、マッサージ動作を開始してもよい。または、プロセッサ11は、制御装置50から講座用コンテンツの受信があった後にマッサージ動作を開始してもよい。
【0070】
プロセッサ11は、制御装置50から健康講座の出力用コンテンツとしての講座用コンテンツを受信すると(ステップS105でYES)、受信した講座用コンテンツの出力のタイミングを決定する(ステップS107)。決定されるタイミングは、マッサージ動作の動作期間に関連したタイミングである。出力のタイミングについては後述する。
【0071】
講座用コンテンツは、マッサージ動作の動作期間に関連したタイミングで出力される。マッサージ動作は、プロセッサ11がマッサージ動作制御処理111を実行することによって、ステップS101で受け付けたユーザ操作に関連して開始される。プロセッサ11は、マッサージ動作を監視する(ステップS109でNO)。そして、健康講座のコンテンツの出力のタイミングに到達したことが検出されると(ステップS109でYES)、プロセッサ11は、出力用コンテンツを再生し、出力する(ステップS111)。これにより、決定したタイミングで講座用コンテンツの出力が開始されるようになる。
【0072】
図8は、出力用コンテンツである講座用コンテンツCを出力するタイミングを説明するための図である。
図8においては、講座用コンテンツCを出力するタイミングの第1のパターンP1と第2のパターンP2とを例示している。
【0073】
詳しくは、
図8を参照して、マッサージ動作は、一例として、1又は複数の単位動作によって構成されている。単位動作は、例えば、肩や背中などの特定の部位に対するマッサージ動作であってもよいし、叩きや揉みなどの特定の動作であってもよい。複数の単位動作によって構成されるマッサージ動作は、例えば、肩、背中、太ももなどの複数の部位に対するマッサージ動作が一連の動作として連続的に行われるものであってもよい。複数の単位動作によって構成されるマッサージ動作は、他の例として、ある部位に対して叩き動作や揉み動作などの複数の種類の動作が一連の動作として連続的に行われるものであってもよい。
図8の例において、マッサージ動作Mは、第1の動作M1、第2の動作M2、第3の動作M3、第4の動作M4、及び、第5の動作M5の5つの単位動作が連続的に行われるものとしている。
【0074】
好ましくは、マッサージ動作は、1以上の動作説明を含む。
図8の例では、マッサージ動作Mは、動作説明M0を含む。これにより、マッサージ装置1はマッサージ動作の期間中に、講座用コンテンツCの出力と、マッサージ動作に関連した情報の出力と、の両出力を行う。
【0075】
マッサージ動作は、予め1又は複数用意されており、プロセッサ11は、マッサージ動作制御処理111を実行して、規定されたマッサージ動作、又は、ユーザ操作によって指定されたマッサージ動作をマッサージ装置1に行わせるためにマッサージ用ユニット7等を制御する。
図8の例の場合、マッサージ動作Mの動作期間Tは、スタート時であるタイミングt0からt1までの動作説明M0の期間、タイミングt1からt2までの第1の動作M1の期間、タイミングt2からt3までの第2の動作M2の期間、タイミングt3からt4までの第3の動作M3の期間、タイミングt4からt5までの第4の動作M4の期間、及び、タイミングt5からt6までの第5の動作M5の期間を含む。
【0076】
講座用コンテンツCは、出力するタイミングが第1のパターンP1である場合、タイミングu1に出力が開始され、タイミングu2までの出力期間Uで出力される。出力するタイミングが第2のパターンP2である場合、講座用コンテンツCは、タイミングu3に出力が開始され、タイミングu4までの出力期間Uで出力される。
【0077】
講座用コンテンツCを出力するタイミングは、マッサージ動作の動作期間Tに講座用コンテンツCの出力期間Uの少なくとも一部が重複するタイミングである。これにより、マッサージ装置1のユーザは、マッサージ動作を受けながら講座用コンテンツCの少なくとも一部の出力を得ることができる。
【0078】
好ましくは、講座用コンテンツCを出力するタイミングは、
図8の第1のパターンP1及び第2のパターンP2に示されるように、すべての出力期間Uが動作期間Tに含まれるタイミングである。これにより、マッサージ装置1のユーザは、マッサージ動作を受けながら講座用コンテンツCのすべての出力を得ることができる。すなわち、ユーザは、マッサージを受けないと健康講座を受講することはできず、マッサージ動作のついでに健康講座を受講することができる。その結果、管理者は、効果的に健康講座を受講させることができる。
【0079】
好ましくは、講座用コンテンツCを出力するタイミングは、すべての出力期間Uが動作期間Tに含まれるタイミングであり、かつ、
図8の第1のパターンP1及び第2のパターンP2に示されるように、講座用コンテンツCの出力開始のタイミングu1,u3が、マッサージ動作の開始のタイミングt0より遅い。これにより、講座用コンテンツCの出力終了が動作期間Tの終端であるタイミングt6に近くなる。その結果、マッサージ装置1のユーザは、マッサージをある程度受けた状態で健康講座を受講するため、リラックスした状態で受講でき、効果的になる。また、講座用コンテンツCの出力の開始前の期間が確保しやすくなり、講座用コンテンツCの出力を動作説明M0に重複させないようにするなど、有意義に用いることができる。
【0080】
好ましくは、講座用コンテンツCを出力するタイミングは、マッサージ動作Mの単位動作に基づいて設定される。この場合、プロセッサ11は、マッサージ動作の開始からの計時が不要となるため、講座用コンテンツCの出力制御が容易になる。
【0081】
講座用コンテンツCを出力するタイミングがマッサージ動作Mの単位動作に基づいて設定される一例として、
図8の第1のパターンP1では、講座用コンテンツCの出力を開始するタイミングu1が、マッサージ動作Mにおける単位動作の切り替わりと一致するタイミング、つまり、いずれかの単位動作の開始と一致するタイミングとする。
図8の例では、タイミングu1が、第3の動作M3の開始のタイミングt3と一致している。この場合、マッサージ動作が切り替わるタイミングで健康講座が開始するので、ユーザは健康講座を受講しやすくなる。また、後述するように、プロセッサ11において講座用コンテンツCの出力のタイミングの設定が容易になる。
【0082】
講座用コンテンツCを出力するタイミングがマッサージ動作Mの単位動作に基づいて設定される他の例として、単位動作の内容に応じて設定されてもよいし、単位動作の内容と開始のタイミングとの組み合せに応じて設定されてもよい。具体的には、単位動作ごとに、講座用コンテンツの出力の可否が予め設定されており、講座用コンテンツCの開始のタイミングが出力可の単位動作の開始に一致するようにしてもよい。これにより、ユーザは、動作内容が激しい単位動作や音声や画像や映像を伴う単位動作などを避けて健康講座を受講できるようになる。
【0083】
好ましくは、講座用コンテンツCを出力するタイミングは、マッサージ動作Mの開始のタイミングt0からの経過時間に基づいて設定される。この場合、プロセッサ11は、講座用コンテンツCの出力を開始するタイミングをマッサージ動作Mに対して厳密に設定することができる。一例として、
図8の第2のパターンP2では、講座用コンテンツCの出力が終了するタイミングu4が、マッサージ動作Mが終了するタイミングt6と一致する、つまり、講座用コンテンツCの出力がマッサージ動作Mと同時に終了するタイミングとする。この場合、マッサージ動作の開始から講座用コンテンツCの出力開始までの期間を最大とすることができるため、その期間を有効に用いることができる。
【0084】
図9は、
図7のステップS107の一例を表したフローチャートであって、
図8の第1のパターンP1の場合の処理の一例を表したフローチャートである。
図9を参照して、第1のパターンP1の場合、プロセッサ11は、マッサージ動作Mの動作期間Tを識別する(ステップS301)。ステップS301は、ステップS101のユーザ操作によって実行するマッサージ動作Mが決定されたタイミングで行われていてもよい。動作期間Tは、マッサージ用プログラム121に含まれるマッサージ動作Mを実行させるためのプログラムに予め含まれていてもよいし、動作内容から算出されるものであってもよい。
【0085】
プロセッサ11は、出力用コンテンツである講座用のコンテンツCの出力期間Uを識別する(ステップS303)。出力期間Uは、講座用コンテンツCに含まれていてもよいし、講座用コンテンツCを解析することで得るものであってもよい。
【0086】
プロセッサ11は、マッサージ動作Mの単位動作の切り替わるタイミングt0~t5を識別する(ステップS305)。ステップS305でプロセッサ11は、一例として、動作期間Tは、マッサージ用プログラム121に含まれるマッサージ動作Mを実行させるためのプログラムに基づき、各単位動作の開始のタイミングt0~t5を識別することによってマッサージ動作Mの単位動作の切り替わるタイミングt0~t5を識別してよい。
【0087】
プロセッサ11は、ステップS305で識別した各タイミングt0~t5について、講座用コンテンツCを開始したときの残り時間R0~R5を算出する(ステップS307)。残り時間R0~R5は、講座用コンテンツCの終了からマッサージ動作Mの終了までの期間を指す。残り時間R0~R5は、それぞれ、マッサージ動作Mの開始のタイミングt0から講座用コンテンツCの開始のタイミングt0~t5までの期間に出力期間Uを加えた時間を動作期間Tから減じることによって得られる。
【0088】
プロセッサ11は、各タイミングt0~t5のうちの、ステップS307で得られた残り時間R0~R5が正の値であって、最小となるタイミングを、講座用コンテンツCを開始するタイミングに決定する(ステップS309)。このように講座用コンテンツCの出力を開始するタイミングu1が決定されることによって、
図8の第1のパターンP1に表されたように、講座用コンテンツCの出力がマッサージ動作Mの終了より前に終了し、講座用コンテンツCの終了からマッサージ動作Mの終了までの期間が最も短くなるタイミングで講座用コンテンツCの出力を開始することができる。
【0089】
図10は、
図7のステップS107の一例を表したフローチャートであって、
図8の第2のパターンP2の場合の処理の一例を表したフローチャートである。
図10を参照して、第2のパターンP2の場合も
図9のステップS301と同様に、プロセッサ11は、マッサージ動作Mの動作期間Tを識別する(ステップS401)。また、
図9のステップS303と同様に、プロセッサ11は、出力用コンテンツである講座用コンテンツCの出力期間Uを識別する(ステップS403)。
【0090】
プロセッサ11は、動作期間Tから出力期間Uを減じて得られる時間T1を、マッサージ動作Mの開始のタイミングt0から講座用コンテンツCの開始までの経過時間として、時間経過T1を算出する(ステップS405)。このように講座用コンテンツCの出力を開始するタイミングu3が決定されることによって、
図8の第2のパターンP2に表されたように、プロセッサ11は、マッサージ動作Mの開始から計時して時間経過T1が検出されると、講座用コンテンツCの出力を開始する。これにより、マッサージ動作Mの終了と概ね同時に講座用コンテンツCの出力が終了するように講座用コンテンツCの出力を開始することができる。
【0091】
なお、以上の例では、
図1に表されたように、制御装置50がマッサージ装置1の外部の装置であるものとしているが、制御装置50はマッサージ装置1に搭載されているものであってもよい。すなわち、制御装置50の処理をマッサージ装置1の制御装置10がすべて行うものであってもよい。この場合、サーバ40もまた、マッサージ装置1の外部の装置であってもよいし、マッサージ装置1に搭載されているものであってもよい。すなわち、メモリ12がサーバ40として機能するものであってもよい。
【0092】
<3.付記>
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 :マッサージ装置
2 :タブレット
3 :通信部
4 :センサユニット
5 :リクライニングユニット
7 :マッサージ用ユニット
9 :ポンプユニット
10 :制御装置
11 :プロセッサ
12 :メモリ
20 :通信網
40 :サーバ
50 :制御装置
51 :プロセッサ
52 :メモリ
53 :通信部
72 :駆動回路
72A :エアセル
91 :駆動回路
93 :ポンプ
100 :マッサージシステム
111 :マッサージ動作制御処理
112 :講座出力制御処理
121 :マッサージ用プログラム
122 :講座出力用プログラム
123 :コンテンツ記憶部
511 :選択処理
512 :出力処理
521 :プログラム
A1 :講座用コンテンツ
A2 :講座用コンテンツ
A3 :講座用コンテンツ
A4 :講座用コンテンツ
B1 :講座用コンテンツ
B2 :講座用コンテンツ
B3 :講座用コンテンツ
B4 :講座用コンテンツ
C :講座用コンテンツ
C1 :講座用コンテンツ
C2 :講座用コンテンツ
C3 :講座用コンテンツ
C4 :講座用コンテンツ
D1 :講座用コンテンツ
D2 :講座用コンテンツ
D3 :講座用コンテンツ
D4 :講座用コンテンツ
M :マッサージ動作
M0 :動作説明
M1 :第1の動作
M2 :第2の動作
M3 :第3の動作
M4 :第4の動作
M5 :第5の動作
P1 :第1のパターン
P2 :第2のパターン
T :動作期間
T1 :時間経過
U :出力期間
t0 :タイミング
t1 :タイミング
t2 :タイミング
t3 :タイミング
t4 :タイミング
t5 :タイミング
t6 :タイミング
u1 :タイミング
u2 :タイミング
u3 :タイミング
u4 :タイミング