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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107538
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20230727BHJP
   F01N 1/08 20060101ALI20230727BHJP
   F16K 15/03 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
F01N13/08 B
F01N1/08 A
F16K15/03 D
F16K15/03 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008790
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 俊輔
【テーマコード(参考)】
3G004
3H058
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004DA01
3G004DA24
3G004EA03
3G004FA04
3G004GA01
3H058AA07
3H058BB22
3H058BB29
3H058CA01
3H058CC07
3H058CD05
3H058DD01
3H058EE05
3H058EE15
(57)【要約】
【課題】容易に組み付けることができる弁装置を提供する。
【解決手段】流体の流路の開度を調整するよう構成された弁装置は、軸部と、弁体と、伸縮部材と、を備える。伸縮部材は、一端が軸部に連結され、他端が弁体に連結され、一端と他端との間で伸縮可能な部材である。弁体は、軸部の長さ方向と交差する方向に軸部を挿入可能な穴部を備える。伸縮部材は、一端と他端との間隔が特定の長さとなるまで縮むように構成され、穴部の開口から穴部の所定の位置に向かう荷重を軸部に加える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流路の開度を調整するよう構成された弁装置であって、
軸部と、
前記軸部を中心に回転可能な部位であって、前記開度を低減させる閉方向に回転すると共に、前記流路を流下する前記流体により前記開度を増加させる開方向に回転するよう構成された弁体と、
一端が前記軸部に連結され、他端が前記弁体に連結され、前記一端と前記他端との間で伸縮可能な部材である伸縮部材と、
を備え、
前記弁体は、前記軸部の長さ方向と交差する方向に前記軸部を挿入可能な穴部を備え、
前記伸縮部材は、前記一端と前記他端との間隔が特定の長さとなるまで縮むように構成され、前記穴部の開口から前記穴部の所定の位置に向かう荷重を前記軸部に加える、弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置であって、
前記穴部は、前記伸縮部材の縮む方向に向かって延びている、弁装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の弁装置であって、
前記伸縮部材は、前記閉方向に回転するように前記弁体を付勢する、弁装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の弁装置であって、
前記穴部の前記開口に設けられ、前記軸部が前記開口から抜けることを抑制する押さえ部材を更に備える、弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体の流路に設けられる弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両のエンジンからの排ガスが流下する排気管を開閉する弁装置が知られている。一例として、特許文献1に開示された作動弁は、排気管を開閉する弁フラップが、排気管を貫通するように設けられる心棒の周りを回転するように構成されている。心棒から突出するレバーアームと、排気管上のアンカ点とは、ばねによって接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-521615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された作動弁では、レバーアームとアンカ点との間でばねを伸ばしながら、作動弁を排気管に固定することは難しい。よって、作動弁を排気管に組み付ける際に、作業負荷が大きくなっていた。
【0005】
本開示の一局面は、容易に組み付けることができる弁装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、流体の流路の開度を調整するよう構成された弁装置であって、弁装置は、軸部と、弁体と、伸縮部材と、を備える。弁体は、軸部を中心に回転可能な部位であって、開度を低減させる閉方向に回転すると共に、流路を流下する流体により開度を増加させる開方向に回転するよう構成されている。伸縮部材は、一端が軸部に連結され、他端が弁体に連結され、一端と他端との間で伸縮可能な部材である。弁体は、軸部の長さ方向と交差する方向に軸部を挿入可能な穴部を備える。伸縮部材は、一端と他端との間隔が特定の長さとなるまで縮むように構成され、穴部の開口から穴部の所定の位置に向かう荷重を軸部に加える。このような構成によれば、弁体に軸部を接触させながら軸部を移動させ、穴部に軸部を嵌め込むことができる。そして、穴部に嵌め込まれた軸部は、穴部から脱落するのを抑制される。よって、軸部と弁体との固定を伸縮部材の力を利用して実現できるので、弁装置を容易に組み付けることができる。
【0007】
本開示の一態様では、穴部は、伸縮部材の縮む方向に向かって延びていてもよい。このような構成によれば、弁体が軸部から脱落するのをより抑制することができる。
本開示の一態様では、伸縮部材は、閉方向に回転するように弁体を付勢してもよい。このような構成によれば、伸縮部材は、保持部の開口から保持部の所定の位置に向かう荷重を軸部に加えると共に、閉方向に回転するように弁体を付勢する。よって、1つの伸縮部材で2つの役割を果たせるため、より簡易な構成で弁装置を構成することができる。
【0008】
本開示の一態様は、穴部の開口に設けられ、軸部が開口から抜けることを抑制する押さえ部材を更に備えてもよい。このような構成によれば、弁体が軸部から脱落するのをより抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】マフラの長さ方向における断面側面図である。
図2】第2筐体を組み付ける前の弁装置の斜視図である。
図3】第2筐体を組み付ける前の弁装置の正面図である。
図4】弁体が開位置にあるときの弁装置の側面図である。
図5図5Aは、軸部を弁体に組み付ける途中の状態を説明する図であり、図5Bは、軸部を弁体に組み付けた状態を説明する図である。
図6図6Aは第2実施形態の弁装置の側面図であり、図6BはVIB-VIB断面図である。
図7】変形例の弁装置の側面図である。
図8】変形例の弁装置の側面図である。
図9図9Aは変形例の弁装置の側面図であり、図9BはIXB-IXB断面図である。
図10】第3実施形態の弁装置の斜視図である。
図11】第3実施形態の弁装置の側面図である。
図12】第3実施形態における、第2筐体を組み付ける前の弁装置の斜視図である。
図13】第3実施形態における、第2筐体を組み付ける前の弁装置の正面図である。
図14】第3実施形態における、第1筐体側の斜視図である。
図15】第3実施形態における、第1筐体側の斜視図であって、伸縮部材を取り付けたときの図である。
図16図13のXVI-XVI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す弁装置1は、例えば、車両のエンジンから排ガスが流れるマフラシェルやパイプ(換言すれば、排ガスの流路)に搭載される。一例として、本実施形態では、弁装置1は、車両の排ガスの流路に搭載されたマフラシェルの内側パイプ50に設けられる。内側パイプ50は、一例として、略直線状に延びる円筒状の部材である。弁装置1は、内側パイプ50内に流れる排ガスの流量を調整するように構成されている。なお、排ガスが流体の一例に相当する。
【0011】
図2図3に示すように、弁装置1は、軸部2と、弁体3と、伸縮部材4と、を備える。なお、図2図3では、弁装置1における後述する第2筐体32については図示省略している。
【0012】
軸部2は、第1棒部21と、第2棒部22と、中間部23と、を備える。これら第1棒部21、第2棒部22、中間部23によって、1つの長尺状の部材が構成される。
第1棒部21及び第2棒部22は、内側パイプ50を貫通するように設けられる棒状の部位である。第1棒部21及び第2棒部22は、内側パイプ50に固定されており、内側パイプ50に対する回転が不可能となっている。第1棒部21及び第2棒部22は、内側パイプ50における排ガスの流れ方向に略直交する方向に延び、かつ、同一直線上に配置される。第1棒部21及び第2棒部22は、内側パイプ50の中心付近において間隔を空けて配置されている。なお、内側パイプ50の中心付近とは、内側パイプ50における排ガスの流れ方向に直交する断面の略中心のことである。例えば、第1棒部21及び第2棒部22は、内側パイプ50における排ガスの流れ方向に直交する断面の中心に対し、対称の同形状であり、かつ、対称の位置に設けられることが好ましいが、この限りでない。
【0013】
中間部23は、第1棒部21と第2棒部22とを連結する。中間部23は、第1棒部21及び第2棒部22に固定されており、第1棒部21及び第2棒部22に対する回転が不可能となっている。中間部23は、連結部231と、係止部232と、を備える。連結部231は、第1棒部21及び第2棒部22と同心円状に形成された円筒状の形状を、円筒の長さ方向に広がる平面で分割した、半円筒型の形状である。係止部232は、伸縮部材4の一端を引っ掛けるための部分である。係止部232は、連結部231における長さ方向(軸部2の長さ方向)に並ぶ2つの貫通孔の間の部分であって、器状に形成される連結部231の内側に凹んだ形状である。連結部231は上述した半円筒型であって内部が中空であるため、第1棒部21と第2棒部22の間には空間があり、中間部23および伸縮部材4以外は配置されない。
【0014】
第1棒部21は、第1円柱部210と、第1側部211と、第1支持部212と、第1延出部213と、を備える。第1円柱部210と、第1側部211と、第1支持部212と、第1延出部213とは、中間部23に近い順に、この順番に配置される。第1円柱部210は、円柱状に構成される。第1側部211は、第1円柱部210と同心円状に形成された円柱状の部位であり、第1円柱部210よりも径が大きい。第1支持部212は、第1円柱部210と同心円状に形成された円柱状の部位であり、第1側部211よりも径が大きい。第1延出部213は、扁平な棒状の部位である。第1延出部213の一部は、内側パイプ50の外側に突出する。
【0015】
第2棒部22は、第2円柱部220と、第2側部221と、第2支持部222と、第2延出部223と、を備える。第2円柱部220と、第2側部221と、第2支持部222と、第2延出部223とは、中間部23に近い順に、この順番に配置される。第2円柱部220は、円柱状に構成される。第2側部221は、第2円柱部220と同心円状に形成された円柱状の部位であり、第2円柱部220よりも径が大きい。第2支持部222は、第2円柱部220と同心円状に形成された円柱状の部位であり、第2側部221よりも径が大きい。第2延出部223は、扁平な棒状の部位である。第2延出部223の一部は、内側パイプ50の外側に突出する。
【0016】
第1支持部212と、第2支持部222は、軸受として機能し、例えばクッション性またはシール性の少なくとも一方の機能を有し、例えばワイヤメッシュからなる。第1支持部212と、第2支持部222は、軸部2における弁体3の軸方向の移動を抑制している。すなわち、第1支持部212の直径および第2支持部222の直径は、後述する穴部33の幅方向の長さよりも大きい。
【0017】
第1支持部212と第2支持部222との間に弁体3が配置される。
弁体3は、正面視すると略円形の扁平な中空の部位である。弁体3は、軸部2を中心に回転可能に設けられる。以下、内側パイプ50の開度を低減させる弁体3の回転方向を閉方向とし、内側パイプ50の開度を増加させる弁体3の回転方向を開方向とする。また、内側パイプ50内に流れる排ガスの流量が最も多くなるときの弁体3の位置を、開位置とする。図4に示すように、開位置に位置する弁体3は、排ガスの流れ方向に沿って配置された状態となる。より詳しくは、後述する閉位置において排ガスが当たる面(つまり、後述する第2筐体32)が、排ガスの流れ方向に沿って配置された状態となる。一方、内側パイプ50内のうち弁体3の下流側で流れる排ガスの流量が最も少なくなるときの弁体3の位置を、閉位置とする。図1に示すように、閉位置に位置する弁体3は、内側パイプ50における排ガスの流れ方向に直交する平面に沿った方向に配置された状態となる。より詳しくは、第2筐体32が、排ガスの流れ方向に直交する平面に沿った方向に配置された状態となる。
【0018】
弁体3は、第1筐体31と、第2筐体32と、を備える。第1筐体31は、肉薄の器状の部分であって、側面視すると、円弧状に湾曲する部分を有する。本実施形態の第1筐体31は、排ガスの流れ方向の下流側に向かって膨らんでおり、内部に空間が形成されている。第2筐体32は、第1筐体31を蓋するように配置される部分であって、側面視すると、中央部分が外側にやや膨らんだ、板状の部位である。弁体3は、第1筐体31及び第2筐体32を対面させて接合することで形成される。第1筐体31と第2筐体32とによって、内部空間30が形成されている。この内部空間30に、軸部2の第1円柱部210、第2円柱部220、中間部23、伸縮部材4の大半が収容される。一方、弁体3において内部空間30の縁に、第1側部211、第2側部221、伸縮部材4の他端のフックが位置する。弁体3が閉位置に位置するとき、第1筐体31は下流側に位置し、第2筐体32は上流側に位置する。
【0019】
図2図3に戻り、弁体3は、穴部33を備える。穴部33は、軸部2を挿入可能な溝であって、軸部2の長さ方向と交差する方向に軸部2が移動可能な溝である。穴部33は、弁体3が閉位置に位置するとき、排ガスの流れ方向に対して下方に傾斜して設けられる。なお、下方とは、弁体3が閉位置から開位置に移動したときに、下流側に移動する弁体3の端部が、閉位置にあるときに位置する方向をいう。
【0020】
伸縮部材4は、伸縮可能な部材であり、一例として引張コイルバネである。伸縮部材4の一端は、軸部2に連結される。より詳しくは、伸縮部材4の一端は、フック状をなし、係止部232に引っ掛けられる。伸縮部材4の他端は、フック状をなし、弁体3に連結される。より詳しくは、第1筐体31の下方であって、第1筐体31の内部空間30側に切り曲げられて形成された2つの貫通孔61に、伸縮部材4の端部のフックが引っ掛けられる。伸縮部材4は、閉方向に回転するように弁体3を付勢する。また、伸縮部材4は、自然長よりも引っ張られた状態で内部空間30に設けられており、伸縮部材4を縮小させる復元力を生じている。伸縮部材4は、一端と他端との間が縮もうとする復元力により、穴部33の開口から穴部33の所定の位置に向かう荷重を軸部2に加える。穴部33の所定の位置とは、穴部33における、穴部33の開口から最も遠い位置33aである。言い換えると、位置33aは、穴部33の底の部分である。また、位置33aと貫通孔61との距離は、弁体3が閉位置にある場合において、伸縮部材4の自然長と同一、または伸縮部材4の自然長よりも長い。
【0021】
[1-2.弁体に軸部を組み付ける方法]
軸部2と弁体3とが分離している状態から、弁体3に軸部2を組み付ける方法を説明する。
【0022】
まず、作業者は、伸縮部材4の一端を軸部2に引っ掛ける。そして、作業者は、伸縮部材4の他端を弁体3に引っ掛ける。このとき、伸縮部材4にほとんどまたは全く付勢力を発生させることなく、作業者は、伸縮部材4を軸部2及び弁体3に引っ掛けることができる。よって、伸縮部材4を軸部2及び弁体3に引っ掛けるときに、大きな作業負荷は発生しない。
【0023】
続いて、図5Aに示すように、作業者は、軸部2を第1筐体31の縁に沿わせながら矢印44の方に移動させ、穴部33に導く。より詳しくは、作業者は、第1側部211及び第2側部221を第1筐体31の縁に沿わせながら矢印44の方に引っ張りあげ、図5Bに示すように、穴部33に第1側部211及び第2側部221を嵌め込む。なお、第1筐体31の縁とは、第1筐体31における、第2筐体32と接合する箇所である。このとき、図5Aに示すように、軸部2が第1筐体31の縁に接していることから、伸縮部材4が引く力41の水平方向の分力43は、弁体3が受けることになる。よって、作業者が軸部2を引っ張りあげるときには、伸縮部材4が引く力41の鉛直方向の分力42よりも大きく、伸縮部材4が引く力41よりも小さい力が必要になる。この力は、伸縮部材4が引く力41の鉛直方向の分力42と反対側にかける必要がある。この場合、作業者は、伸縮部材4が引く力41よりも小さい力で軸部2を引っ張り上げることができるため、作業負荷を小さくすることができる。
続いて、作業者は、第1筐体31と第2筐体32とを接合する。
続いて、作業者は、軸部2を内側パイプ50に組み付ける。
【0024】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
【0025】
(1a)弁体3は、穴部33を備える。穴部33は、軸部2を挿入可能な溝であって、軸部2の長さ方向と交差する方向に軸部2が移動可能な溝である。また、伸縮部材4は、一端と他端との間が縮もうとする復元力により、穴部33の開口から穴部33の所定の位置に向かう荷重を軸部2に加える。このような構成によれば、軸部2を第1筐体31の縁に沿わせながら移動させ、穴部33に軸部2を嵌め込むことができる。そして、穴部33に嵌め込まれた軸部2は、穴部33の開口の方に移動するのを抑制される。よって、軸部2と弁体3との固定をばねの力を利用して実現できるので、弁装置1を容易に組み付けることができる。
【0026】
(1b)伸縮部材4は、閉方向に回転するように弁体3を付勢する。このような構成によれば、伸縮部材4は、穴部33の開口から穴部33の所定の位置に向かう荷重を軸部2に加えると共に、閉方向に回転するように弁体3を付勢する。よって、1つの伸縮部材4で2つの役割を果たせるため、より簡易な構成で弁装置1を構成することができる。
【0027】
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0028】
図6A図6Bに示す第2実施形態の弁装置100は、軸部2が穴部33の開口から抜けるのを抑制する押さえ部材5を備える。押さえ部材5は、穴部33の開口に設けられる。押さえ部材5は、第2筐体32の両端部に設けられている。押さえ部材5は、第2筐体32の両端部から延び出し、内側に折り返されている。押さえ部材5は、第1側部211及び第2側部221に当接する。
【0029】
上述したように、弁装置100は、軸部2が穴部33の開口から抜けるのを抑制する押さえ部材5を備える。このような構成によれば、軸部2と第2筐体32との間の隙間を埋めることができる。よって、弁体3が軸部2から脱落するのを抑制することができる。
【0030】
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0031】
第1実施形態では、軸部2は、第1棒部21と、第2棒部22と、中間部23と、を備えており、第1棒部21と第2棒部22とは中間部23により連結されていた。一方、第3実施形態では、第1棒部21と第2棒部22と中間部23とは一体に形成されていてもよい。具体的には、図10図13に示されるように、軸部2aは、棒状部301と、第1支持部311と、第1側部312と、第1延出部213と、第2支持部321と、第2側部322と、第2延出部223と、を備える。棒状部301は、円柱の中央部を切り欠いた形状である。言い換えると、2つの円錐台の先端を柱状の部材で繋いだ形状である。第1支持部311及び第2支持部321は、円柱状の部位であり、棒状部301の端部及び第1側部312並びに第2側部322よりも径が大きい。第1側部312及び第2側部322は、第1支持部311及び第2支持部321と同心円状に形成された円柱状の部位である。
【0032】
第1支持部311及び第2支持部321は、軸部2aにおける弁体3の軸方向の移動を抑制している。すなわち、第1支持部311の直径および第2支持部321の直径は、穴部33の幅方向の長さよりも大きい。
【0033】
棒状部301の中央には、引っ掛け部302が形成されている。引っ掛け部302は、フック状の形状を有する。引っ掛け部302には、伸縮部材4の端部のフックが引っ掛けられる。
【0034】
また、第1実施形態では、伸縮部材4の他端のフックは、第1筐体31の下方であって、第1筐体31の内部空間30側に切り曲げられて形成された2つの貫通孔61に、引っ掛けられていた。一方、第3実施形態では、図14図16に示されるように、伸縮部材4の他端のフックは、第1筐体31の下方に設けられた溝400に引っ掛けられてもよい。伸縮部材4の他端のフックは、円弧状の形状を有している。また、溝400の底面は、軸部2aと直交する平面における断面において、伸縮部材4の他端のフックに合致する円弧状の形状を有する。つまり、伸縮部材4の他端のフックの内周面と、溝400の底面とは、引っかかりなくスライドする。その結果、弁体3が閉位置と開位置との間を移動するときに、伸縮部材4の他端のフックは、溝400に沿ってスライドするように回転する。
【0035】
上述したように、第1筐体31の下方には溝400が設けられる。このような構成によれば、溝400に伸縮部材4のフックを引っ掛けることができる。よって、簡易な構成で、伸縮部材4のフックを引っ掛けることができる。
【0036】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0037】
(4a)上記実施形態では、穴部33が、弁体3が閉位置に位置するとき、排ガスの流れ方向に対して下方に傾斜して設けられる構成を例示した。しかし、穴部33の角度はこれに限定されるものではない。穴部33は、軸部2が弁体3に組付けられた状態において、伸縮部材4の伸縮方向と軸部2の摺動方向とを考慮したときに、伸縮部材4の収縮によって軸部2が穴部33の開口に向かって移動しないように構成されていればよい。例えば、図7に示すように、穴部133は、弁体3が閉位置に位置するとき、排ガスの流れ方向に切り欠かれていてもよい。このとき、伸縮部材4が軸部2を引く力は、穴部133の奥に向く力を有する。つまり、伸縮部材4が引く力41の分力のうち、穴部133における軸部2の摺動面Sに沿った方向の分力45が穴部133の奥に向かっていれば、軸部2は開口に向かって移動しない。しかし、図7における、伸縮部材4が引く力41と摺動面Sの奥に向かう方向SDとのなす角度θが90°を超えると、軸部2が開口に向かって移動してしまう。すなわち、弁体の位置に関わらず角度θが90°以下となるように構成するとよい。また例えば、図8に示すように、穴部233は、伸縮部材4の伸縮方向と略同一の方向に切り欠かれた溝であってもよい。つまり、穴部233は、伸縮部材4の縮む方向に向かって延びていてもよい。このような構成によれば、弁体3が軸部2から脱落するのをより抑制することができる。
【0038】
(4b)上記第2実施形態では、第2筐体32の両端部が、内側に折り返されていることで押さえ部材5を形成する。構成を例示した。しかし、押さえ部材5の形状はこれに限定されるものではない。例えば、図9A図9Bに示すように、第2筐体32の両端部は、第1筐体31の方に突き出すが、折り返さない構成であってもよい。第1筐体31の方に突き出した第2筐体32の両端部は、第1側部211及び第2側部221に当接していてもよい。本変形例では、第1筐体31の方に突き出した第2筐体32の両端部が、押さえ部材105に相当する。
【0039】
(4c)上記実施形態では、伸縮部材4が、閉方向に回転するように弁体3を付勢する構成を例示した。しかし、伸縮部材4は、閉方向に回転するように弁体3を付勢しなくてもよい。この場合、閉方向に回転するように弁体3を付勢ための他の部品が、弁装置1に組付けられてもよい。
【0040】
(4d)上記実施形態では、穴部33は、第1筐体31に形成される構成を例示した。しかし、穴部は、第1筐体31以外に形成されていてもよく、弁体3のいずれの部分に形成されていてもよい。
【0041】
(4e)上記実施形態では、伸縮部材4が引張コイルバネである構成を例示した。しかし、伸縮部材は引張コイルバネ以外であってもよい。伸縮部材は、一端と他端との間隔が特定の長さとなるまで縮むように構成されており、それにより、穴部33の開口から穴部33の所定の位置に向かう荷重を軸部2に加える構成であればよい。例えば、伸縮部材は、ゴムにより構成されていてもよい。
【0042】
(4f)上記実施形態では、軸部2が、第1棒部21と、第2棒部22と、中間部23と、を備える構成を例示した。しかし、軸部の構成はこれに限定されるものではない。軸部は、1つの棒により構成されていてもよい。
【0043】
(4g)上記実施形態では、弁体3が、正面視すると略円形の扁平な中空の部位である構成を例示した。しかし、弁体の構成はこれに限定されるものではない。例えば、弁体は、正面視すると略楕円形の中空の部位であってもよい。
【0044】
(4h)上記実施形態における1つの構成要素が有する1又は複数の機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する1又は複数の機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,100…弁装置、2,2a…軸部、3…弁体、4…伸縮部材、5,105…押さえ部材、21…第1棒部、22…第2棒部、23…中間部、30…内部空間、31…第1筐体、32…第2筐体、33,133,233…穴部、33a…位置、41,45…力、42,43…分力、50…内側パイプ、61…貫通孔、210…第1円柱部、211,312…第1側部、212,311…第1支持部、213…第1延出部、220…第2円柱部、221,322…第2側部、222,321…第2支持部、223…第2延出部、231…連結部、232…係止部、301…棒状部、302…引っ掛け部、400…溝、S…摺動面。
図1
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