(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107688
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】縦型冷暖房装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/0007 20190101AFI20230727BHJP
F24F 1/0087 20190101ALI20230727BHJP
F24F 1/009 20190101ALI20230727BHJP
F24F 1/0067 20190101ALI20230727BHJP
F24F 6/02 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
F24F1/0007 331
F24F1/0087
F24F1/009
F24F1/0067
F24F6/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008993
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】509177717
【氏名又は名称】開運総業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520174126
【氏名又は名称】株式会社アクアイースター
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】大木 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】木村 太
【テーマコード(参考)】
3L050
3L051
3L055
【Fターム(参考)】
3L050AA08
3L050BB03
3L050BB09
3L051BE05
3L051BF01
3L055BA01
(57)【要約】
【課題】設置スペースを小さくすることの可能な冷暖房装置を提供する。
【解決手段】縦型冷暖房装置100は、表面に流れる水を利用して熱交換を行う熱交換器110と、熱交換器110の上方に配置され、熱交換器110に水を供給する給水管120と、給水管120の上方に配置され、内部に水が流通し空気と直接接触せず熱交換を行う非接触熱交換器130と、非接触熱交換器130の上方に配置されるファン140と、を備え、ファン140は、熱交換器110の下方から外気を吸引し、熱交換器110及び非接触熱交換器130の順に通過させることにより温度を変化させて、ファン140から放出することを特徴とする。かかる構成によれば、熱交換器110、給水管120、非接触熱交換器130及びファン140を上下方向に配置することにより、小さいスペースに設置することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に流れる水を利用して熱交換を行う熱交換器と、
前記熱交換器の上方に配置され、前記熱交換器に水を供給する給水管と、
前記給水管の上方に配置され、内部に水が流通し空気と直接接触せず熱交換を行う非接触熱交換器と、
前記非接触熱交換器の上方に配置されるファンと、
を備え、
前記ファンは、前記熱交換器の下方から外気を吸引し、前記熱交換器及び前記非接触熱交換器の順に通過させることにより温度を変化させて、前記ファンから放出することを特徴とする、縦型冷暖房装置。
【請求項2】
前記熱交換器又は前記非接触熱交換器の少なくともいずれかに利用される水は、地下水であることを特徴とする、請求項1に記載の縦型冷暖房装置。
【請求項3】
前記熱交換器、前記給水管、前記非接触熱交換器、及び前記ファンはダクト内に配置され、前記ダクトの下方から外気を吸引し、前記熱交換器及び前記非接触熱交換器の順に通過させることにより温度を変化させて、前記ファンから前記ダクトの外部に放出することを特徴とする、請求項1又は2に記載の縦型冷暖房装置。
【請求項4】
前記熱交換器は非吸水素材製であり、水は前記熱交換器の表面にかけ流しで滴下されることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【請求項5】
前記熱交換器は吸水素材製であり、水は前記熱交換器が保持できる水分量を超えて流れることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【請求項6】
前記非接触熱交換器は、内部に流す水に静止型混合器で加圧エアーを混和させて入り口において絞りノズルが減圧して噴き出すことによって温度が低下することを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【請求項7】
前記非接触熱交換器は、内部に空気よりも高温の温水が流通しており、表面を通過する空気を内部に流通する温水と熱交換させて温度を上昇させることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【請求項8】
前記非接触熱交換器は、加圧蒸気を絞りノズルで減圧させて内部に吹き込むことにより温度を上昇させることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【請求項9】
前記非接触熱交換器は、インラインミキサーで空気と100度以上に加熱、加圧した水との2流体を混和し、絞りノズルで減圧させて内部に吹き込むことにより水蒸気が凝縮し熱を生み温度を上昇させることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の縦型冷暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦型冷暖房装置にかかり、特に、自然エネルギーの活用も可能な縦型冷暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場などの大型施設で使用される冷暖房装置は、大型の冷暖房装置にダクトを取り付けて任意の位置で空調された空気を送風するものであった(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】インターネット<URL:http://iwata-group.com/6089>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の冷暖房装置は大型であるため、大きな設置スペースを必要とする。できる限り熱効率を上げるとともに、設置スペースは小さくしたい。この点が従来の冷暖房装置における課題であった。
【0005】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、設置スペースを小さくすることの可能な冷暖房装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、表面に流れる水を利用して熱交換を行う熱交換器と、前記熱交換器の上方に配置され、前記熱交換器に水を供給する給水管と、前記給水管の上方に配置され、内部に水が流通し空気と直接接触せず熱交換を行う非接触熱交換器と、前記非接触熱交換器の上方に配置されるファンと、を備え、前記ファンは、前記熱交換器の下方から外気を吸引し、前記熱交換器及び前記非接触熱交換器の順に通過させることにより温度を変化させて、前記ファンから放出することを特徴とする、縦型冷暖房装置が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、熱交換器、給水管、非接触熱交換器及びファンを上下方向に配置することにより、小さいスペースに設置することができる。
【0008】
また、熱交換器の表面にかけ流しで滴下した水に気液接触させるため、水の気化により空気の温度を低下させることができる。
【0009】
また、熱交換器は、表面に水がかけ流しされる構成であるため、簡単な構造で済み、コストを抑えることができる。
【0010】
また、非接触熱交換器は、空気と水とが直接接触せず、空気と非接触熱交換器の表面との接触により熱交換のみが行われ、気化が行われない。よって、湿度を上げることなく温度のみを変化させることができる。
【0011】
本発明は様々な応用が可能である。例えば前記熱交換器又は前記非接触熱交換器の少なくともいずれかに利用される水は、地下水であってもよい。熱交換器は地下水のかけ流しであるため、常に新鮮な地下水を用いることができる。また、豊富な地下水を利用できることで優れた効果を有する。特に、工業用などの冷暖房装置として、利用価値が高い。また、熱交換器及び非接触熱交換器の少なくともいずれかには常に新鮮な地下水を供給することができるため、熱交換器及び非接触熱交換器の少なくともいずれかは年中ほぼ一定の温度を保つことができる。
【0012】
また、前記熱交換器、前記給水管、前記非接触熱交換器、及び前記ファンはダクト内に配置され、前記ダクトの下方から外気を吸引し、前記熱交換器及び前記非接触熱交換器の順に通過させることにより温度を変化させて、前記ファンから前記ダクトの外部に放出するようにしてもよい。かかる構成により、縦型冷暖房装置を既存の設備に配置することができるので、ダクトを有効に利用することができる。また、設置するために新たなスペースを設ける必要がない。
【0013】
また、前記熱交換器は非吸水素材製であり、水は前記熱交換器の表面にかけ流しで滴下されるようにしてもよい。熱交換部が従来のような吸水する素材からなるものではないため、雑菌の繁殖を防止することができる。
【0014】
また、前記熱交換器は吸水素材製であり、水は前記熱交換器が保持できる水分量を超えて流れるようにしてもよい。かかる構成により、熱交換器には常に新鮮な水を給水することができる。
【0015】
また、前記非接触熱交換器は、内部に流す水に静止型混合器で加圧エアーを混和させて入り口において絞りノズルが減圧して噴き出すことによって温度が低下するようにしてもよい。かかる構成により、非接触熱交換器に噴き込む温度を低下させることができるため、非接触熱交換器に使用する水は、地下水、水道水、任意の液体などでもよくなり、使用する水の自由度が増す。
【0016】
また、前記非接触熱交換器は、内部に空気よりも高温の温水が流通しており、表面を通過する空気を内部に流通する温水と熱交換させて温度を上昇させるようにしてもよい。かかる構成により、空気は非接触熱交換器の表面に接触して熱交換のみが起き温度が上昇する。よって、温度が上昇した風を得ることができる。また、約60度の温水を大量に排水する工場があるが、非接触熱交換器の内部に流通させる温水にこのような排温水を利用することによって、経費を削減することができる。
【0017】
また、前記非接触熱交換器は、加圧蒸気を絞りノズルで減圧させて内部に吹き込むことにより温度を上昇させるようにしてもよい。かかる構成によれば、非接触熱交換器に供給する水の温度を上昇させることができるため、暖房に用いることができる。
【0018】
また、前記非接触熱交換器は、インラインミキサーで空気と100度以上に加熱、加圧した水との2流体を混和し、絞りノズルで減圧させて内部に吹き込むことにより水蒸気が凝縮し熱を生み温度を上昇させるようにしてもよい。かかる構成によれば、水蒸気が凝縮し熱を生むフェーンの現象が起きるため、非接触熱交換器に供給する水の温度を効率的に上昇させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の縦型冷暖房装置によれば、設置スペースを小さくすることが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態の縦型冷暖房装置100を示す斜視図である。
【
図2】縦型冷暖房装置100の構成を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【
図3】熱交換器110の構成を説明するための図であり、(a)は概念を示す斜視図であり、(b)は(a)のAの拡大図である。
【
図4】第2の実施形態の縦型冷暖房装置200を示す斜視図である。
【
図5】縦型冷暖房装置200の構成を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。
【
図6】第3の実施形態の縦型冷暖房装置300の構成を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る縦型冷暖房装置100の構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の縦型冷暖房装置100を示す斜視図である。
図2は、縦型冷暖房装置100の構成を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。本実施形態の縦型冷暖房装置100は冷房を目的とするものである。
【0023】
縦型冷暖房装置100は、
図1及び
図2に示したように、地下水を利用して熱交換を行う熱交換器110と、熱交換器110の上方に配置され、地下水を供給する給水管120と、給水管120の上方に配置され、内部に水が流通し空気と直接接触せず熱交換を行う非接触熱交換器130と、非接触熱交換器130の上方に配置されるファン140と、を備え、熱交換器110、給水管120、非接触熱交換器130、及びファン140はダクト150内に配置され、ダクト150の下方から供給される外気は、熱交換器110及び非接触熱交換器130の順に通過することにより温度が変化し、ファン140により外部に放出されるように構成される。以下、各部の構成について詳細に説明する。
【0024】
(熱交換器110)
熱交換器110は、空気の吸入側であるダクト150の最下段に配置されて空気を冷却するものである。熱交換器110は、
図1に示したように、ダクト150の方形部152の各面にそれぞれ設けられている。熱交換器110は、
図2に示したように、方形部152の幅方向全長にわたって設けられる。熱交換器110は、
図3に示したように、波状に成型したステンレス製の細長い薄板112が間隔を空けて左右方向に複数並べて多孔質状に構成されている。熱交換器110は、非吸水素材製である。
【0025】
(給水管120)
給水管120は、熱交換器110に地下水を供給するものである。給水管120は、
図2に示したように、ダクト150の方形部152において、熱交換器110の上部に配置されている。給水管120に供給された地下水は、上部から薄板112に滴下されて、薄板112を伝って熱交換器110の下方から排水される。地下水は、熱交換器110にかけ流しで供給される。地下水の温度は年間を通してほぼ一定の約17度である。
【0026】
給水管120から熱交換器110に地下水が滴下されると、地下水は、
図3(a)に示したように、薄板112を伝って熱交換器110の下方に流れ落ちる。薄板112に滴下された地下水と、薄板112の間を通過する空気と、が接触することによって空気を冷却する。地下水と空気の温度差が大きいと、結露による若干の除湿効果がある。
【0027】
(非接触熱交換器130)
非接触熱交換器130は、内部に水が流通し空気と直接接触せず熱交換を行うものである。非接触熱交換器130は、
図2に示したように、ダクト150の方形部152において熱交換器110の上方に配置される。非接触熱交換器130は、フィンコイル式、プレートフィン式、ラジエータ式などの熱交換器を使用可能である。本実施形態では、非接触熱交換器130は、内部に地下水が流通しており、表面を通過する空気を内部に流通する地下水と熱交換させて温度を低下させるように構成されている。
【0028】
非接触熱交換器130は、風が表面を通過する際に、非接触熱交換器130の内部を流通する地下水によって冷却された表面に接触して、熱交換し冷却される。空気が非接触熱交換器130を通過する際に水に接触せず、熱交換のみが行われ、気化が起きないので、空気の冷却に加えて除湿も行われる。
【0029】
(ファン140)
ファン140は、熱交換器110及び非接触熱交換器130に風を供給するものである。ファン140は、
図1に示したように、ダクト150のフード部154に設けられている。ファン140は、
図2の矢印aに示したように、ダクト150の下部から外気を吸引し、熱交換器110及び非接触熱交換器130を通過させて、矢印bに示したように、ファン140から外部に排出する。ダクト150の下部から吸引された外気は、熱交換器110及び非接触熱交換器130を通過する際に冷却されて、ファン140から排出される際には冷風となっている。
【0030】
(ダクト150)
ダクト150は、
図1に示したように、方形部152と方形部152の上部に配置されるフード部154とが配置される。方形部152内には、
図2に示したように、熱交換器110、給水管120及び非接触熱交換器130が配置される。また、フード部154内にはファン140が配置される。方形部152の底部には、熱交換器110を流れ落ちる地下水を排水するための排水ソケット156が設けられている。フード部154のファン140の前方にはルーバー158が設けられており、風の向きを変更可能である。ダクト150は、架台160によって立設される。なお、ダクト150は、既存のダクトを流用してもよい。
【0031】
以上、縦型冷暖房装置100の構成について説明した。次に縦型冷暖房装置100の作用について、
図2及び
図3を再び参照しながら説明する。
【0032】
縦型冷暖房装置100を使用する際には、給水管120に地下水を給水して、
図3(a)の矢印cに示したように、熱交換器110に地下水をかけ流しで滴下するとともに、非接触熱交換器130内に地下水を流通させる。
【0033】
また、ファン140によって、
図2(a)の矢印aに示したように、外気をダクト150の下部から吸引する。ダクト150の内に吸引された外気は、ダクト150内を上昇するが、この際、外気は、熱交換器110を通過する際に、地下水と気液接触して冷却される。例えば、熱交換器110を通過する前の外気が21度の場合、熱交換器110を通過後には温度がさらに下がる。また、気化が起きないので除湿がされる。
【0034】
熱交換器110を通過した外気は、非接触熱交換器130を通過する際に、非接触熱交換器130の内部を流通する地下水によって冷却された表面に接触して、熱交換し冷却される。空気が非接触熱交換器130を通過する際に水に接触せず、熱交換のみが行われ、気化が起きないので、空気の冷却に加えて除湿も行われる。
【0035】
このように、熱交換器110及び非接触熱交換器130により冷却された冷気が、
図2(a)に示したように、ファン140から外部に排出される。
【0036】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、熱交換器110、給水管120、非接触熱交換器130及びファン140を上下方向に配置することにより、小さいスペースに設置することができる。
【0037】
また、ダクト150内に配置することができるため、既存の設備に配置することができるので、ダクトを有効に利用することができる。また、設置するために新たなスペースを設ける必要がない。
【0038】
また、熱交換器110の表面にかけ流しで滴下した地下水に気液接触させるため、地下水の気化により空気の温度を低下させることができる。よって、自然エネルギーを用いて温度や湿度をコントロールすることができる。
【0039】
また、熱交換器110は地下水のかけ流しであるため、常に新鮮な地下水を用いるため、雑菌の繁殖を防止することができる。
【0040】
また、熱交換器110は、表面に地下水がかけ流しされる構成であるため、簡単な構造で済み、コストを抑えることができる。
【0041】
また、非接触熱交換器130は、空気と地下水とが直接接触せず、空気と非接触熱交換器130の表面との接触により熱交換のみが行われ、気化が行われない。よって、湿度を上げることなく温度のみを変化させることができる。
【0042】
また、空気の上流側の熱交換器110によって温度低下した空気を、さらに空気の下流側の非接触熱交換器130に接触させると、気化が起きず熱交換だけが起きる。よって、温度が低下するとともに除湿も行われるため、温度と湿度が低下した風を得ることができる。
【0043】
また、熱交換器110は、非吸水素材製の金属であるため地下水が吸収されて外気で温度上昇することがない。よって、熱交換器110を流れる地下水が温度上昇しないため、空気を効率的に冷却することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、熱交換器110を非吸水素材製としたが、吸水素材製としてもよい。熱交換器にかけ流しされる地下水は熱交換器が保持できる水分量を超えて流されるようにしてもよい。このように、熱交換器は常に新鮮な地下水を給水することができるため、年中ほぼ一定の温度を保つことができる。
【0045】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る縦型冷暖房装置200の構成について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態の縦型冷暖房装置200を示す斜視図である。
図5は、縦型冷暖房装置200の構成を説明するための図であり、(a)は側面図であり、(b)は正面図である。本実施形態の縦型冷暖房装置200は、主にダクト250の構成が第1の実施形態と相違するものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。よって、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0046】
本実施形態のダクト250は、
図4に示したように、フード部254が四角錘台形であり、各側面にパンカー258が設けられている。パンカー258の球面を回転させることにより吹き出し方向を変えて、局所空調などを行うことができる。
【0047】
ダクト250の方形部252は、
図5に示したように、第1の実施形態の方形部152よりもさらに上方に延びており、方形部152の非接触熱交換器130の上方にファン140が配置される。ファン140の空気の排出側端部がフード部254の下端に取り付けられている。方形部252の下端の側部に熱交換器110を流れ落ちる地下水を排水するための排水ソケット256が設けられている。
【0048】
給水管220は、
図2(b)に示したように、非接触熱交換器130の排水側にソケット222によって連結されている。よって、給水管220には、非接触熱交換器130の排水が吸水される。給水管220のその他の構成は第1の実施形態の給水管120と同様である。
【0049】
以上、縦型冷暖房装置200の構成について説明した、次に、縦型冷暖房装置200の作用について説明する。
【0050】
縦型冷暖房装置200を使用する際には、
図5に示したように、非接触熱交換器130に地下水を供給し、非接触熱交換器130から排出される地下水をソケット222を介して給水管220に供給する。そして、ファン140によってダクト250内に外気を吸引すると、第1の実施形態の熱交換器110及び非接触熱交換器130と同様に、外気が冷却されてフード部254内に排出される。フード部254内に排出された冷気は、パンカー258から吹き出される。
【0051】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、パンカー258の吹き出し方向を変えて、局所空調などを行うことができる。
【0052】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る縦型冷暖房装置300の構成について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、第3の実施形態の縦型冷暖房装置300の構成を概略的に示す斜視図である。本実施形態の縦型冷暖房装置300は、非接触熱交換器330の構成が第1の実施形態の非接触熱交換器130と相違するものであり、その他の点は第1の実施形態と同様である。よって、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0053】
本実施形態の非接触熱交換器330は、
図6に示したように、第1の実施形態の非接触熱交換器130とほぼ同様の構成とすることができる。非接触熱交換器330は、非接触熱交換器330に流す水に静止型混合器340で大量の加圧エアーを混和させて、非接触熱交換器330の入り口において絞りノズル350で瞬時減圧させて温度を低下させるように構成されている。
【0054】
非接触熱交換器330の入り口には、絞りノズル350が接続されている。絞りノズル350には静止型混合器340が連結されている。静止型混合器340は、非接触熱交換器330に供給する水を生成するものである。静止型混合器340では、地下水などの水に大量の加圧エアーを混和させた水を生成する。絞りノズル350は、静止型混合器340で生成された水を瞬時減圧させて温度を低下させて非接触熱交換器330に供給する。
【0055】
このように、非接触熱交換器330に供給する水を静止型混合器340と絞りノズル350で生成するため、例えば、地下水を使用する場合は、地下水の温度よりもさらに低下させた水を供給することができる。また、水道水などを使用する場合は、夏場で上昇した水の温度を低下させて供給することができる。さらに、非接触熱交換器330から排出された温度が上昇した水を静止型混合器340と絞りノズル350で生成して温度を低下させて再び非接触熱交換器330に供給するようにしてもよい。
【0056】
(第3の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、静止型混合器340と絞りノズル350で水の温度を低下させることができるため、非接触熱交換器330に使用する水は、地下水に限らず水道水、任意の液体などでもよくなり、使用する水の自由度が増す。
【0057】
(変形例1)
第3の実施形態の静止型混合器340を加圧蒸気生成器に変更することができる。加圧蒸気生成器は地下水などの水を加圧蒸気に生成する。絞りノズル350は、加圧蒸気生成器で生成された加圧蒸気を瞬時減圧で非接触熱交換器330の内部に吹き込むことにより、温度を上昇させた温水を供給する。
【0058】
このように、非接触熱交換器330に供給する水を加圧蒸気生成器と絞りノズル350で生成するため、例えば、地下水を使用する場合は、地下水の温度よりも温度を上昇させた温水を供給することができる。また、水道水などを使用する場合は、冬場で低下した水の温度を上昇させて供給することができる。さらに、非接触熱交換器330から排出された温度が低下した水を加圧蒸気生成器と絞りノズル350で温度を上昇させて再び非接触熱交換器330に供給するようにしてもよい。かかる構成によれば、非接触熱交換器330に供給する水の温度を上昇させることができるため、暖房に用いることができる。
【0059】
(変形例2)
第3の実施形態の静止型混合器340をインラインミキサーに変更することができる。インラインミキサーは、ミキサー通過のときに加圧と減圧が起きる構造で、キャビテーションが発生して、熱交換装置としても使えるものである。インラインミキサーに供給する水は、ミカ触媒のフィルタを通過させて表面張力を変え、気化を起きやすくしたものを用いるのが好適であるが、必ずしもミカ触媒のフィルタを用いなくてもよい。
【0060】
本変形例においては、インラインミキサーでは、ミカ触媒で処理した水を加圧して、大量の空気を混ぜ、普通のポンプで用いることが可能な1メガパスカル以下の水とする。かかる構成によれば、インラインミキサーと絞りノズル350を用いることで、非接触熱交換器330に供給する水の温度を効率的に上昇させることができる。また、水蒸気が凝縮し熱を生むフェーンの現象が起きるため、非接触熱交換器に供給する水の温度を効率的に上昇させることができる。
【0061】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0062】
例えば、上記第1の実施形態では、熱交換器110、給水管120、非接触熱交換器130及びファン140はダクト150内に配置されるが、本発明はこの例に限定されない。省スペースに設置することができれば任意に設計することができる。例えば、任意の筐体内に配置してもよい。他の実施形態も同様である。
【0063】
また、上記第1の実施形態では、熱交換器110は、金属製としたが、本発明はこの例に限定されない。熱交換器は任意の非吸水素材製とすることができる。例えば、任意のセラミック製としてもよい。また例えば、樹脂や任意の素材を樹脂コーティングしたもので構成してもよく、セラミック多孔質、ビーズを積層して多孔質状に構成し、その間に風を通過させる構成としてもよい。さらに、水を流すことによって水の膜を作り、この水の膜を空気が通過するだけの構成としてもよい。他の実施形態も同様である。
【0064】
また、上記実施形態では、地下水を利用したが、本発明はこの例に限定されない。熱交換器及び非接触熱交換器を通過する空気の温度を上昇又は下降させることができれば任意の水を用いることができる。また、熱交換器と非接触熱交換器に用いる水は同じものにする必要もない。
【0065】
また、上記実施形態では、架台160を用いたが、本発明はこの例に限定されない。縦型冷暖房装置が自立することができれば、任意に設計することができる。例えば、ダクトに脚を設けてもよい。
【0066】
上記実施形態、応用例、変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0067】
100、200 縦型冷暖房装置
110 熱交換器
112 薄板
120、220 給水管
130、330 非接触熱交換器
140 ファン
150、250 ダクト
152、252 方形部
154、254 フード部
156、256 排水ソケット
158 ルーバー
160 架台
222 ソケット
258 パンカー
340 静止型混合器
350 絞りノズル