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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107689
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】ヒートシール紙及び包装材
(51)【国際特許分類】
   D21H 19/20 20060101AFI20230727BHJP
   D21H 27/10 20060101ALI20230727BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
D21H19/20 A
D21H27/10
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022008995
(22)【出願日】2022-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
(74)【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
(74)【代理人】
【識別番号】100159581
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 勝誠
(74)【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
(74)【代理人】
【識別番号】100139354
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 昌子
(72)【発明者】
【氏名】田中 基晴
(72)【発明者】
【氏名】中島 一
【テーマコード(参考)】
3E086
4L055
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086BA04
3E086BA14
3E086BA15
3E086BB02
3E086BB71
3E086DA08
4L055AA02
4L055AC06
4L055AG08
4L055AG59
4L055AG71
4L055AH09
4L055AH11
4L055AH18
4L055BE08
4L055CD09
4L055CH02
4L055EA04
4L055EA07
4L055EA10
4L055EA12
4L055EA14
4L055FA11
4L055FA19
4L055GA05
4L055GA50
(57)【要約】
【課題】環境にやさしく、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れるヒートシール紙を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係るヒートシール紙は、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1,000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であり、ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であり、上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であり、上記ヒートシール層の塗工量が1.5g/m以上10.0g/m以下である。上記紙基材の全パルプにおける上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量としては、95質量%以上であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材と、
上記紙基材の片面に積層されるヒートシール層と
を備えており、
上記紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1,000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であり、
ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であり、
上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であり、
上記ヒートシール層の塗工量が1.5g/m以上10.0g/m以下であるヒートシール紙。
【請求項2】
上記紙基材の全パルプにおける上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が95質量%以上である請求項1に記載のヒートシール紙。
【請求項3】
emtec electoric社製「表面サイズテスターEST12.2」を用いて測定される上記ヒートシール層塗工面の動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値が85.0%以上97.0%以下である請求項1又は請求項2に記載のヒートシール紙。
【請求項4】
上記ヒートシール層の表面のベック平滑度が20秒以上250秒以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のヒートシール紙。
【請求項5】
透湿度が300g/m・24hr以上1,200g/m・24hr以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のヒートシール紙。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のヒートシール紙を有する包装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシール紙及び包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、菓子類、医薬品、衛生用品等の包装で広く使用されているピロー包装には、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂を基紙上に押し出し成型したラミネート紙やプラスチックフィルムが使用される。このようなラミネート紙やプラスチックフィルムを使用した場合、強度や耐水性、防湿性には優れるが、分解できないプラスチックフィルムが残るため古紙として利用できない点や、使用後の廃棄物処理がされずにマイクロプラスチックとして海洋汚染の原因になりやすく、環境負荷に繋がるおそれがある。
【0003】
このため、従来技術においては、紙基材にアイオノマーを含むヒートシール層を備えることでヒートシール強度を向上させ、プラスチックの使用量を低減させた包装用紙が提案されている(特許文献1参照)。また、スチレン-ブタジエン共重合体ラテックスを含有する熱接着層を設け、熱接着面の平滑度を特定の範囲にすることで、リサイクルが可能なヒートシールシートが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6580291号公報
【特許文献2】特開2018-53400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなヒートシール紙は、製袋機で内容物を封入しやすくするために治具で口を開いて製袋する際に、ヒートシール層が積層された領域に折り目が付くことがある。ヒートシール紙に折り目が付いた場合、折り目から亀裂が生じるおそれがある。しかしながら、上記従来の包装用紙やヒートシールシートにおいては、ヒートシール層が積層された領域の耐折強度については十分ではなく、検討の余地があった。また、ヒートシール紙の耐水性についてもさらなる向上が求められている。
【0006】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まず、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れるヒートシール紙を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るヒートシール紙は、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1,000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であり、ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であり、上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であり、上記ヒートシール層の塗工量が1.5g/m以上10.0g/m以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まず、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れるヒートシール紙を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るヒートシール紙は、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材と、上記紙基材の片面に積層されるヒートシール層とを備えており、上記紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1,000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であり、ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であり、上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であり、上記ヒートシール層の塗工量が1.5g/m以上10.0g/m以下である。
【0010】
ヒートシール紙は製袋機で内容物を封入しやすくするために治具で口を開いて製袋する際に折り目が付き、この折り目から亀裂が生じるおそれがある。当該ヒートシール紙は、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材を備えることで、ヒートシール剤が紙基材の内部に適度に含浸し、紙基材自体の強度を向上させる。これは、漂白されていない針葉樹未晒クラフトパルプは、繊維長及び繊維幅が長く、かつ太いため、紙基材の表層に空隙が多く存在し、ヒートシール剤が紙基材の表面に留まりにくい。そのため、紙基材の表層から生じる亀裂が抑制されると考えられる。また、上記紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であることで、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果を向上するとともに、製袋工程における破れやシワの抑制効果に優れる。紙基材のヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であることで、ヒートシール強度及び耐水性の両立を図ることができる。さらに、当該ヒートシール紙は上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であり、上記ヒートシール層の塗工量(固形分換算)が1.5g/m以上10.0g/m以下である。上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であることで、ヒートシール強度及び耐水性が良好である。また、上記ヒートシール層の塗工量が上記範囲であることで、ヒートシール強度及び耐水性をより向上できる。従って、当該ヒートシール紙は、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れる。また、当該ヒートシール紙は、リサイクルができず、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境に優しい。なお、本発明において、「ヒートシール層」とは熱融着工程が行われる塗工層をいう。「主成分」とは、構成する物質のうち最も含有率が高いものをいい、好ましくは含有率が50質量%以上であるものをいう。「流れ方向」とは、抄紙方向(MD:Machine Direction)を意味し、「幅方向」とは、上記流れ方向に垂直な方向(CD:Cross Direction)を意味する。
【0011】
上記紙基材の全パルプにおける上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が95質量%以上であることが好ましい。上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が95質量%以上であることで、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果をより高めることができる。
【0012】
emtec electoric社製「表面サイズテスターEST12.2」を用いて測定される上記ヒートシール層塗工面の動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値が85.0%以上97.0%以下であることが好ましい。上記ヒートシール層塗工面の動的吸水試験値が85.0%以上97.0%以下であることで、当該ヒートシール紙のヒートシール層塗工面の耐水性が充分に向上し、耐水性能が発揮できる。上記動的吸水試験値においては、水中に設置された超音波発信素子と受信素子の間に試験試料をおき、超音波の透過強度の変化から紙中への水の浸透量(動的吸水試験値)を求めるものである。当該ヒートシール紙においては、実際の使用条件に近い状態で品質管理をする必要があり、瞬間的な(すなわち実際に包装材として使用されている状態の動的な)ヒートシール紙の吸水度の管理が必要となる。このような状況のもとに、当該ヒートシール紙に対してもより高品質なものが求められていることに鑑み、本実施形態においては、動的吸水試験値を測定している。
【0013】
動的吸水試験値の測定は、emtec electoric社製「表面サイズテスターEST12.2」を用いて行う。まず、測定用の試料片(75mm×50mm)を両面テープでフォルダーに固定し、溶媒(水350ml)を満たした試験容器に沈める。ここで、フォルダーは、試験容器内に設けられた、超音波の発信素子と受信素子との間に沈める。試料片と溶媒とが接触してから0.025秒後に測定を開始する。超音波の透過強度は溶媒が試料片中へ浸透するのに伴って変化するので、動的吸水試験値(%)と経過時間(秒)とのグラフがサイズテスターのモニターに表示される。そして、このグラフを読みとることによって動的吸水試験値を求めることができる。なお、測定用の超音波周波数は2MHzである。
【0014】
上記ヒートシール層の表面のベック平滑度が20秒以上250秒以下であることが好ましい。上記ヒートシール層の表面のベック平滑度が上記範囲であることで、当該ヒートシール紙は、ヒートシール強度及び熱融着面のブロッキングの抑制性をより向上できる。
上記ベック平滑度は、空気の流通量(エアーリーク)から平滑性を評価するものである。JIS-P8119(1998)に規定されるベック平滑度は、被測定物であるシートを光学的平面仕上げのガラス製試料台とゴム製押え板間に100kPaの圧力で挟み、10mlの空気が比較的広い10cmのガラス製標準面との間を通り、水銀柱約370mmlに減圧保持された器内に流入するのに要する時間で表され、いわゆる被測定物の面における平滑性を示す。ベック平滑度は、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性を評価する。当該ヒートシール紙においては、ベック平滑度により表面のうねり性を評価できる。従って、ベック平滑度にて当該ヒートシール紙のヒートシール層の表面をより適切に評価できる。
【0015】
当該ヒートシール紙の透湿度が300g/m・24hr以上1,200g/m・24hr以下であることが好ましい。当該ヒートシール紙の透湿度が上記範囲であることで、包装する内容物の湿気が水滴になりにくく、適度に湿度を保つため、内容物の品質を良好に保持できる。ここで、「ヒートシール紙の透湿度」は、JIS-Z0208(1976)に準拠して測定される値である。
【0016】
本発明の他の実施形態に係る包装材は、当該ヒートシール紙を有する。当該包装材は、当該ヒートシール紙を有するので、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れる。また、当該包装材は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
【0017】
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係るヒートシール紙について詳説する。なお、以下で説明する紙基材に配合する各材料の配合量(絶乾内添量)は、特に記載がない場合は、紙基材のパルプの絶乾質量に対する質量割合を指す。また、ヒートシール層形成用組成物に配合する各材料の含有率は、特に記載がない場合は、ヒートシール層全体の質量に対する各材料の絶乾質量割合を指す。
【0018】
<ヒートシール紙>
当該ヒートシール紙は、紙基材一方の面にヒートシール層を備える。上記ヒートシール層は、単層又は多層構造のいずれであってもよい。
【0019】
[紙基材]
紙基材は、原料パルプを含有するスラリーを抄紙して得られる。紙基材は、単層又は多層のいずれであってもよい。
【0020】
(原料パルプ)
紙基材は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)を主成分とする。当該ヒートシール紙は、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材を備えることで、ヒートシール剤が紙基材の内部に適度に含浸し、紙基材自体の強度を向上させる。これは、漂白されていない針葉樹未晒クラフトパルプは、繊維長及び繊維幅が長く、かつ太いため、紙基材の表層に空隙が多く存在し、ヒートシール剤が紙基材の表面に留まりにくい。そのため、ヒートシール紙の耐折強度が、紙基材の耐折強度よりも向上するため、表層から生じる亀裂が抑制されると考えられる。
【0021】
上記紙基材の全パルプにおける上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が95質量%以上であることが好ましい。上記針葉樹未晒クラフトパルプの含有量が95質量%以上であることで、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果をより高めることができる。
【0022】
紙基材を構成する原料パルプとしては、針葉樹未晒クラフトパルプ以外のその他の原料パルプも使用することができる。その他の原料パルプとしては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ以外のバージンパルプ、古紙パルプ、これらのパルプを組み合わせたもの等を使用することができる。
【0023】
針葉樹未晒クラフトパルプ以外のバージンパルプとしては、例えば、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹亜硫酸パルプ、針葉樹亜硫酸パルプ等の化学パルプ;ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(TGP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ(MP)から、化学的に又は機械的に製造されたパルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0024】
古紙パルプとしては、例えば、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ(DIP)、離解・脱墨・漂白古紙パルプ等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0025】
(その他の添加剤)
紙基材には、必要によりその他の添加剤を内添することができる。添加剤としては、例えば、填料、顔料、サイズ剤、凝結剤、耐油剤、蛍光増白剤、硫酸バンド、歩留り向上剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0026】
(紙基材の坪量)
ヒートシール紙の坪量としては、40.0g/m以上100.0g/m以下が好ましい。紙基材の坪量が40.0g/m未満の場合は袋としての強度不足となる可能性がある。紙基材の坪量が100.0g/m超える場合、剛性が高く製袋工程で折り不良が生じる可能性がある。紙基材の坪量が上記範囲であることで、当該ヒートシール紙の低坪量及び軽量化が図れるとともに剛性を担保できる。
【0027】
(紙基材の厚さ)
当該ヒートシール紙の紙基材の厚さは、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。紙基材の厚さの下限としては50μmが好ましく、60μmがより好ましい。上記紙基材の厚さの上限としては、150μmが好ましく、120μmがより好ましい。当該ヒートシール紙の紙基材の厚さが上記範囲であることで、当該ヒートシール紙を用いて包装材を製造する場合の作業性及び加工適性を向上できる。
【0028】
(紙基材の密度)
当該ヒートシール紙の紙基材の密度としては、0.65g/cm以上0.80g/cm以下が好ましい。上記紙基材の密度が上記範囲であることで、低坪量及び軽量化を可能にしつつ、耐折強度を維持できるので、当該ヒートシール紙は加工適性に優れる。
【0029】
(流れ方向の耐折強度)
流れ方向の耐折強度は、抄紙方向の耐折強度であり、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準拠して測定される。抄紙方向の耐折強度の下限としては、500回であり、600回が好ましい。上記抄紙方向の耐折強度の上限としては、1,000回であり、900回がより好ましい。抄紙方向の耐折強度が上記下限未満であることで、製袋工程での進行方向の張力に耐えられずに破れるおそれがある。一方抄紙方向の耐折強度が上記上限を超えると、剛性が高くなり製袋工程で折り曲げられずにシワが入るおそれがある。
【0030】
(幅方向の耐折強度)
幅方向の耐折強度は、幅方向(上記流れ方向に垂直な方向)の耐折強度である。幅方向の耐折強度の下限としては、80回であり、90回が好ましい。上記幅方向の耐折強度の上限としては、200回であり、140回が好ましい。幅方向の耐折強度が上記下限未満であることで、製袋工程で治具が接触する箇所で破れるおそれがある。一方幅方向の耐折強度が上記上限を超えると、剛性が高くなり製袋工程で折り曲げられずにシワが入るおそれがある。
【0031】
[ヒートシール層]
ヒートシール層は、上記紙基材の片面に積層される。上記ヒートシール層は、紙基材の片面にヒートシール層形成用組成物を塗工することで形成される。
【0032】
上記ヒートシール層は、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物を主成分とする。上記ヒートシール層の主成分がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物であることで、耐水性及びヒートシール強度が良好である。上記エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物としては、エチレン(メタ)アクリル酸共重合樹脂の水性分散液を水中で、加熱攪拌下、樹脂中のアクリル酸のカルボキシル基をアンモニアで中和することにより行われるものである。中和剤が揮散し易いアンモニアであることで、乾燥樹脂皮膜中にアルカリが残留しないため、十分な耐水性が発現できるものと推定される。
【0033】
ヒートシール層の全固形分に対するエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物の含有率の下限としては50.0質量%であり、好ましくは90.0質量%である。上記エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物の含有率が50.0質量%未満であると、十分なヒートシール性が得られないおそれがある。一方、上記エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物の含有率の上限としては、100.0質量%であり、好ましくは95.0質量%である。
【0034】
上記ヒートシール層は、上記エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物以外の樹脂を含んでいてもよい。上記エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物以外の樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、カルボン酸変性ポリエチレン、スチレンアクリル酸、スチレンブタジエンラテックス及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。また、ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)ホモポリマー、ランダムポリプロピレン(ランダムPP)、ブロックポリプロピレン(ブロックPP)、塩素化ポリプロピレン、カルボン酸変性ポリプロピレン、及びこれらの誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらの中でもヒートシール強度の観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)が好ましい。
【0035】
上記ヒートシール層の塗工量(固形分換算)の下限としては、1.5g/mであり、2.0g/mが好ましい。一方、この塗工量の上限としては、10.0g/mであり、8.0g/mが好ましい。上記塗工量が上記下限を満たさないと、十分なヒートシール強度を有さず、袋にした際に十分な封函ができなくなるおそれがある。上記塗工量が上記上限を超えると、熱融着面のブロッキング抑制性が低下し、製袋工程で滑りにくくなって破れやすくなるおそれがある。また、上記ヒートシール層の塗工量が上記範囲であることで、ヒートシール強度及び耐水性をより向上できる。
【0036】
(その他の添加剤)
本発明のヒートシール層には、上記以外のその他の添加剤を配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、水溶性高分子、接着剤、無機顔料、有機顔料、サイズ剤、粘度調整剤、着色染料、着色顔料、耐水化剤、潤滑剤等を、単独で又は複数を組み合わせて使用することができる。
【0037】
[ヒートシール紙の物性]
(ベック平滑度)
上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の下限としては、3秒であり、5秒が好ましい。上記紙基材におけるヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の上限としては、230秒であり、180秒が好ましい。上記ベック平滑度が、上記下限以下の場合、ヒートシール紙の表面が粗くなることで接触面積が小さくなり、ヒートシール強度が低下するおそれがある。上記ベック平滑度が、上記上限を超えると、上記ヒートシール層の熱融着面のブロッキング抑制効果が低下するおそれがある。
【0038】
上記ヒートシール層の表面のベック平滑度の下限としては、20秒が好ましく、23秒がより好ましい。上記ヒートシール層の表面のベック平滑度の上限としては、250秒が好ましく、200秒がより好ましい。上記ヒートシール層の表面のベック平滑度が上記下限以下の場合、上記下限以下の場合、ヒートシール紙の表面が粗くなるため(接触面積が小さくなり)、ヒートシール強度が低下するおそれがある。上記ヒートシール層の表面のベック平滑度が、上記上限を超えると、上記ヒートシール層の熱融着面のブロッキング抑制効果が低下するおそれがある。
【0039】
(ヒートシール紙の幅方向の耐折強度)
ヒートシール紙の幅方向の耐折強度は、幅方向(上記流れ方向に垂直な方向)の耐折強度であり、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準拠して測定される。前記紙基材の幅方向の耐折強度と前記ヒートシール紙の幅方向の耐折強度の比率(以下、ヒートシール層形成前後の幅方向耐折強度向上率ともいう)は、300%以上が好ましく、550%以上がより好ましい。上記ヒートシール層形成前後の幅方向耐折強度向上率が300%未満の場合、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂が起こり、包装用途としては不適である。
【0040】
(ヒートシール層塗工面の動的吸水試験値)
emtec electoric社製「表面サイズテスターEST12.2」を用いて測定される上記ヒートシール層塗工面の動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値の下限としては、85.0%であり、90.0%が好ましい。上記ヒートシール層塗工面の上記動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値の上限としては、97.0%であり、95.0%が好ましい。上記ヒートシール層塗工面の上記動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値が上記下限以下の場合、耐水性が低下するおそれがある。上記ヒートシール層塗工面の上記動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値が上記上限を超えると、ヒートシール剤の塗工量を多くする必要があるため、ブロッキングが発生するおそれがある。
なお、上記ヒートシール層塗工面の動的吸水試験値は、原料パルプ、特に広葉樹クラフトパルプの配合割合の調整、内添サイズ剤の種類やその配合量の調整、ヒートシール層に用いる樹脂の種類やその配合量、塗工量の調整等により達成することができる。
【0041】
(透湿度)
当該ヒートシール紙の透湿度は、JIS-Z0208[1976]防湿包装材料の透湿度試験方法[カップ法]に準拠して、条件Bに基づいて測定する。上記透湿度の下限としては、300g/m・24hrが好ましく、500g/m・24hがより好ましい。また、上記透湿度の上限としては、1,200g/m・24hが好ましく、(1,000g/m・24hがより好ましい。上記透湿度が上記範囲であることにより、包装された内容物の湿気が水滴になりにくく、適度に湿度を保つため内容物の品質を良好に保つことができる。
【0042】
当該ヒートシール紙によれば、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れる。また、当該ヒートシール紙は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
【0043】
[ヒートシール紙の製造方法]
当該ヒートシール紙の製造方法は、特に限定されないが、例えば紙基材の原料となるパルプスラリーを抄紙する工程と、ヒートシール層形成用組成物を生成する工程と、紙基材の少なくとも一方の面にヒートシール層形成用組成物を塗工する工程とを有する。
【0044】
抄紙工程では、上述した原料パルプ、耐油剤及びその他の添加剤を含む原料スラリーを公知の抄紙機を用いて行う。また、紙基材のヒートシール層積層面の表面のベック平滑度の調整は、マシンカレンダー又はソフトカレンダーを用いることで、容易に調整することができる。
【0045】
ヒートシール層形成用組成物生成工程では、主成分としてエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物を含有するヒートシール層形成用組成物を生成する。
【0046】
ヒートシール層形成用組成物の塗工方法は、公知の塗工方法を採用でき、例えば2ロールサイズプレスコーター、ゲートロールコーター、ブレードメタリングコーター、ロッドメタリングコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター等の公知の塗工機を用いることができる。
【0047】
塗工したヒートシール層形成組成物の乾燥には、公知の乾燥装置を採用でき、例えば赤外線乾燥装置、熱風乾燥装置、接触型ドライヤー乾燥装置等を用いることができる。
【0048】
このようにして得られたヒートシール紙は、各種公知の仕上げ装置、例えばスーパーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、マットカレンダーなどを利用でき、適宜製品仕上げを施すこともできる。
【0049】
<包装材>
本発明の他の実施形態に係る包装材は、当該ヒートシール紙を有する。当該包装材は、当該ヒートシール紙を有するので、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れる。また、当該包装材は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
【0050】
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【実施例0051】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において示す塗工量、含有量、質量%は、乾燥固形分あるいは実質成分の値を示す。
【0052】
[実施例1~実施例7及び比較例1~比較例2]
(紙基材の製造)
始めに、針葉樹未晒クラフトパルプ100質量%を調製して、パルプスラリーを得た。このパルプスラリーには、添加剤として、硫酸バンド、歩留剤、サイズ剤をそれぞれ内添した。得られたパルプスラリーは、オントップ型長網抄紙機にて抄紙した。次に、ソフトカレンダー1基により、圧力50kg/cm、温度100℃の処理を行い、ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度を調整した。そして、表1に記載の坪量、厚さ及び密度を有する実施例1~実施例7及び比較例1~比較例2の紙基材を得た。なお、ヒートシール層が積層される面のベック平滑度は、後述する方法で測定した。
【0053】
(ヒートシール層の積層)
次に、紙基材の片面にヒートシール層を形成し、ヒートシール紙を得た。ヒートシール層形成用組成物の組成及び塗工量については表1に示す通りとした。また、ヒートシール層形成用組成物のエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物としては、エチレンアクリル酸共重合体アンモニウム塩を用いた。全固形分に対するエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物の含有率は100.0質量%である。
【0054】
[比較例3]
ヒートシール層形成用組成物のエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物に変えて、エチレンアクリル酸共重合体の金属塩(アイオノマー)を用いた以外は実施例1と同様にしてヒートシール紙を作製した。
【0055】
[比較例4]
ポリプロピレンフィルムを含む1層のラミネート紙を作製した。
基紙の構成は、市販のクラフト紙(坪量65.0g/m)を用いた。
ポリプロピレンフィルムは、市販のポリプロピレン樹脂をペレッターにて押出ラミネートして、基紙上に20μmの厚みで片面のみに積層させた。
【0056】
以上のようにして得られたヒートシール紙の各種評価を行った。
【0057】
(ヒートシール層のベック平滑度)
JIS-P8119(1998)に準拠して紙基材におけるヒートシール層積層面、ヒートシール層非積層面及びヒートシール層の表面のベック平滑度を測定した。
【0058】
(動的吸水試験値)
emtec electoric社製「表面サイズテスターEST12.2」を用いてヒートシール層塗工面の動的吸水試験における100秒後の動的吸水試験値を求めた。初めに、試料片(75mm×50mm)を両面テープでフォルダーに固定し、このフォルダーを、水350mlを満たした試験容器内に設けられた、超音波の発信素子と受信素子との間に沈めた。試料片と水とが接触してから0.025秒後に測定を開始し、サイズテスターのモニターに表示された動的吸水試験値と経過時間とのグラフから、100秒後の動的吸水試験値を読みとった。なお、測定用の超音波周波数は2MHzであった。
【0059】
(ヒートシール紙の透湿度)
実施例及び比較例のヒートシール紙の透湿度については、JIS-Z0208(1976)防湿包装材料の透湿度試験方法[カップ法]に準拠して、条件Bに基づいて測定した。
【0060】
(流れ方向の耐折強度)
「流れ方向(縦方向)の耐折強度(回)」は、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準拠して抄紙方向である流れ方向の耐折強度を測定した。
【0061】
(幅方向の耐折強度)
「幅方向の耐折強度(回)」は、JIS-P8115(2001)に記載の「紙及び板紙-耐折強さ試験方法-MIT試験機法」に準拠して方向における幅方向(上記流れ方向に垂直な方向)の耐折強度を測定した。
そして、幅方向においてヒートシール層の形成前と形成後の耐折強度を測定し、ヒートシール層形成前の幅方向耐折強度に対するヒートシール層形成後の耐折強度の向上率[%]を算出した。
【0062】
(製袋時の折り目の評価)
各実施例及び比較例について、市販の自動製袋機を使用し、ヒートシール紙から個包袋を加工して、製袋時の折り目の評価を行った。評価結果を以下の3段階の基準で評価した。評価がA及びBの場合、製袋時の折り目形成に対する抑制効果が良好である。
A:個包装の底部・端部の折り目にシワ・破れがなく外観が良好である。
B:個包装の底部・端部の折り目にシワがあるが、使用上問題ないレベルである。
C:個包装の底部・端部の折り目にシワ・破れあり、使用上問題があるレベルである。
【0063】
(ヒートシール強度)
熱傾斜試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、シーラー圧2kgf/cm、シーラー時間2秒間、シール温度140℃の条件で加工後、ロードセル型引張試験機を用いてヒートシール部分の剥離強度を測定した。
【0064】
(耐水性)
得られたヒートシール紙をヒートシール層が塗工された面を内側にして角を折り畳み、蓋無しの箱型容器を作製した後に、中に着色した水を入れた。そして、24時間後の状態を確認し、耐水性を以下の3段階の基準で評価した。評価がA及びBの場合、耐水性が良好である。
A:水が容器の内部に浸透していない。
B:水が容器の内部に浸透しているが容器の外表面から漏れていない。
C:水が容器の外表面から漏れている。
【0065】
各実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示されるように、針葉樹未晒クラフトパルプを主成分とする紙基材を備え、紙基材における流れ方向の耐折強度が500回以上1,000回以下であり、幅方向の耐折強度が80回以上200回以下であり、ヒートシール層積層面の表面のベック平滑度が3秒以上230秒以下であり、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物を主成分とするヒートシール層の塗工量が1.5g/m以上10.0g/m以下である実施例1~実施例7は、流れ方向及び幅方向の耐折強度が高く、動的吸水試験値、ヒートシール強度及び耐水性が良好であった。また、ヒートシール層の形成により、幅方向の耐折強度が著しく向上することがわかる。その結果、製袋時の折り目の外観が良好であった。
一方、紙基材が針葉樹未晒クラフトパルプを含有しておらず、紙基材における流れ方向の耐折強度が500回未満であり、幅方向の耐折強度が80回未満である比較例1及び比較例2はヒートシール強度が劣っていた。さらに、製袋時の折り目の外観不良が目立った。
また、ヒートシール層がエチレン(メタ)アクリル酸共重合体アルカリ中和物を含有しておらず、エチレンアクリル酸共重合体の金属中和塩を主成分とする比較例3は耐水性が劣っていた。
比較例4は、ポリプロピレン(PP)ラミネート紙であるため、環境汚染の観点で望ましくない。また、ヒートシール紙の透湿度が低いため、包装材として使用した場合、内容物の鮮度が低下するおそれがあると考えられる。
【0068】
以上の結果、当該ヒートシール紙によれば、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れることが示された。また、当該ヒートシール紙は、環境負荷が高いラミネート紙やプラスチックフィルムを含まないことから、環境保全を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のヒートシール紙は、環境に優しく、ヒートシール強度を確保しつつ、ヒートシール層が積層された領域の折り目による亀裂の抑制効果及び耐水性に優れ、包装材に好適である。