(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107730
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】フュージングバスバー製造方法
(51)【国際特許分類】
H01H 69/02 20060101AFI20230727BHJP
B23K 20/04 20060101ALI20230727BHJP
B32B 15/01 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H01H69/02
B23K20/04 A
B32B15/01 G
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022181340
(22)【出願日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2022-0009844
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519302372
【氏名又は名称】エイエフダブリュー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ギ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヨン ミン
【テーマコード(参考)】
4E167
4F100
5G502
【Fターム(参考)】
4E167AA06
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4F100GB41
5G502AA01
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5G502JJ01
5G502JJ02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】フュージングバスバー製造方法であって、フュージング機能を有しつつ重量を減らし、製造コストを下げる方法を提供する。
【解決手段】コイル状に巻き取られた第1導体100の両側の上下部に第1導体100とは異なる素材からなるコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する第1配置ステップと、第1導体100と第2導体200をそれぞれ繰出しながら圧延機に連続供給し、中央より両側が厚く第1導体100の上下面の両側に所定の間隔で第2導体200を既設定の厚さで連続圧接する第1圧延ステップと、第1導体100と第2導体200が圧延された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する第1成形ステップと、を含む。本発明によると、互いに異なる素材である第1導体と第2導体を圧接してバスバーを製造する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル状に巻き取られた第1導体100の両側の上下部に第1導体100とは異なる素材からなるコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する第1配置ステップS10と、
前記第1導体100と第2導体200をそれぞれ繰出しながら圧延機に連続供給し、中央より両側が厚く第1導体100の上下面の両側に所定の間隔で第2導体200を既設定の厚さで連続圧接する第1圧延ステップS20と、
前記第1導体100と第2導体200が圧延された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する第1成形ステップS30と、を含むフュージングバスバー製造方法。
【請求項2】
前記圧延された接合板材の長さ方向に沿って第2導体200の内側端部を所定の幅で切削する第1切削ステップS40をさらに含む請求項1に記載のフュージングバスバー製造方法。
【請求項3】
コイル状に巻き取られた第1導体100の上下側に第1導体100とは異なる素材からなるコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する第2配置ステップS60と、
前記第1導体100と第2導体200を繰出しながら圧延機に連続供給し、第1導体100の上下面に第2導体200を圧接する第2圧延ステップS70と、
前記圧延された接合板材の第1導体100が部分的に露出するように、上下部に位置する第2導体200を所定の幅で切削する第2切削ステップS80と、
前記切削された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する第2成形ステップS90と、を含むフュージングバスバー製造方法。
【請求項4】
前記第1導体100は、アルミニウム板であり、第2導体200は、銅板である請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のフュージングバスバー製造方法。
【請求項5】
それぞれ配置された第1導体100と第2導体200を繰出しながらそれぞれ加熱炉の内部に投入してそれぞれ異なる温度で加熱する加熱ステップS100をさらに含む請求項4に記載のフュージングバスバー製造方法 。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フュージングバスバー(Fusing Busbar)の製造方法に関するものであって、より具体的には、互いに異なる素材である第1導体と第2導体を圧接してバスバーに製造することによって、フュージング機能を有しつつ重量を減らし、製造コストを下げることができるフュージングバスバー製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気を使用する電装部品は、バッテリーや発電機などから電気の供給を受けて機能を行うことになるが、電気が供給される回路上に過電流が流れると、電装部品が損傷して使用できなくなる問題点が発生する。
【0003】
これを防止するために、電気が供給される電源供給部と、電気の供給を受ける電装部品との間に設置され、過度な電気供給が行われると、電装部品より先に溶けて切れることによって、過電流が電装部品に供給されないようにするヒューズ(Fuse)を使用することになる。
【0004】
すなわち、ヒューズは、電気回路の過電流から機械装置を保護するために電子工学および電気工学で一般的に使用される部品である。
【0005】
基本的にヒューズは、細い金属ワイヤ(Metal Wire)であって、過電流が流れると溶けて電流の流れを遮断することになるが、遮断可能な容量に応じて平たく長い板状のバスバー(Busbar)タイプとして製造することもある。しかし、最近、電気自動車の商用化が加速化し、電気自動車用の高容量バッテリーの使用が大幅に増加するにつれて、電気自動車において電気的安全性を高めるためにフュージングバスバー(Fusing Busbar)の使用が大幅に増加している。
【0006】
一方、電気自動車に主に使用される従来のフュージングバスバーは、電気供給の効率性を高めるために価格対比電気伝導度に優れた銅を主材料として使用することになるが、高容量の電気供給が安定的に行われるように所定の厚さのバー形として形成されるが、過度な電気供給時に破断して電流を遮断できるように、中央に位置する溶断部のみを細く形成することが一般的である。
【0007】
したがって、従来のフュージングバスバーは、価格対比電気伝導度に優れた銅を使用することになるが、銅価格が高いため製造コストが高いという短所があり、また、銅は、重量が重いため電気自動車のように軽量化が必須の輸送手段において、軽量化を困難にする短所として作用することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
(特許文献0001)韓国登録特許公報第10-2019069号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のような従来の短所を解決するために、本発明は、互いに異なる素材である第1導体と第2導体を圧接してバスバーに製造することによって、フュージング機能を有しつつ重量を低減し、製造コストを下げることができるフュージングバスバー製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、圧接した接合板材を切削し、露出した第1導体がフュージング機能を行う溶断部として使用するフュージングバスバー製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述のような目的を達成するために、本発明によるフュージングバスバー製造方法の一実施形態は、コイル状に巻き取られた第1導体100の両側の上下部に第1導体100とは異なる素材のコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する第1配置ステップS10と、前記第1導体100と第2導体200をそれぞれ繰出しながら圧延機に連続供給し、中央より両側が厚く第1導体100の上下面の両側に所定の間隔で第2導体200を既設定の厚さで連続圧接する第1圧延ステップS20と、前記第1導体100と第2導体200が圧延された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する第1成形ステップS30と、を含む。
【0012】
一実施形態において、前記第1導体100は、アルミニウム板であることを特徴とする。
【0013】
一実施形態において、前記第2導体200は、銅板であることを特徴とする。
【0014】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、前記圧延された接合板材の長さ方向に沿って第2導体200の内側端部を所定の幅で切削する第1切削ステップS40をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、前記圧延された接合板材を巻き取る第1巻き取りステップS50をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明のフュージングバスバー製造方法のまた他の実施形態は、コイル状に巻き取られた第1導体100の上下側に第1導体100とは異なる素材のコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する第2配置ステップS60と、前記第1導体100と第2導体200を繰出しながら圧延機に連続供給し、第1導体100の上下面に第2導体200を圧接する第2圧延ステップS70と、前記圧延された接合板材の第1導体100が部分的に露出するように、上下部に位置する第2導体200を所定の幅で切削する第2切削ステップS80と、前記切削された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する第2成形ステップS90と、を含む。
【0017】
一実施形態において、前記第2切削ステップS80は、前記圧延された接合板材の第2導体200の中央部を長さ方向に連続切削し、第1導体100の中央を連続的に露出させることを特徴とする。
【0018】
一実施形態において、前記第2切削ステップS80は、前記圧延された接合板材の第2導体200の長さ方向と直角方向に切削するが、前記切削部が所定の間隔で繰り返し形成されることを特徴とする。
【0019】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、前記切削された接合板材を巻き取る第2巻き取りステップS110をさらに含むことを特徴とする。
【0020】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、それぞれ配置された第1導体100と第2導体200を繰出しながらそれぞれ加熱炉の内部に投入してそれぞれ異なる温度で加熱する加熱ステップS100をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
一実施形態において、前記加熱ステップS100は、前記第1導体100を加熱炉の内部に投入して350~450℃で加熱する第1加熱過程S101と、前記第2導体200を加熱炉の内部に投入して750~850℃で加熱する第2加熱過程S102と、前記第2加熱過程S102において第2導体200の表面に生成された酸化層を除去する還元過程S103を含むことを特徴とする。
【0022】
一実施形態において、前記還元過程S103は、第2導体200の表面の酸化銅層に炭素を反応させて酸化銅層を除去することを特徴とする。
【0023】
一実施形態において、前記還元過程S103は、酸化した第2導体200の表面にレーザー光を照射して酸化銅層を除去することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によると、銅とアルミニウム素材を圧接してフュージングバスバーを製造することによって、従来の銅のみからなるフュージングバスバー対比製造コストが大幅に削減されて経済性が向上するだけでなく、重量が軽くなり、電気自動車用バッテリーなどに使用される場合にバッテリー軽量化に役立つ効果がある。
【0025】
また、銅とアルミニウム素材を圧接してフュージングバスバーを連続製造することによって、生産性が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のフュージングバスバー製造方法の好ましい実施形態によって製造されたフュージングバスバーを示す例示図である。
【0027】
【
図2】本発明のフュージングバスバー製造方法の第1実施形態によるフローチャートである。
【0028】
【
図3】本発明のフュージングバスバー製造方法の第1実施形態による第1圧延ステップを示す例示図である。
【0029】
【
図4】本発明のフュージングバスバー製造方法の第2実施形態によるフローチャートである。
【0030】
【
図5】本発明のフュージングバスバー製造方法の第2実施形態による第1切削ステップを示す例示図である。
【0031】
【
図6】本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態によるフローチャートである。
【0032】
【
図7】本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態による第2圧延ステップを示す例示図である。
【0033】
【
図8】本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態による第2切削ステップを示す例示図である。
【0034】
【
図9】本発明のフュージングバスバー製造方法の第4実施形態によるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
【0036】
本発明に関する説明は、構造的または機能的説明のための実施形態に過ぎないため、本発明の権利の範囲は、本明細書に記載された実施形態によって制限されるものと解釈されるべきではない。
【0037】
すなわち、実施形態は、様々な変更が可能であり、様々な形態を有し得るため、本発明の権利の範囲は、技術的思想を実現できる均等物を含むものと理解するべきである。
【0038】
また、本発明で提示される目的または効果は、特定の実施形態がこれらをすべて含む、またはそのような効果のみを含むという意味ではないため、本発明の権利の範囲は、これによって限定されるものと理解されてはならない。
【0039】
本発明に関する説明で使用されるすべての用語は、別の方法で定義されない限り、本発明が属する分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0040】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連技術の文脈上の意味と一致するものと解釈されるべきであり、本発明で明確に定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味を有するものと解釈されることはできない。
【0041】
また、「第1」、「第2」などの用語は、異なる構成要素であることを区分するために指すだけで、製造された順序にとらわれないものであり、これらの用語によって権利の範囲が限定されてはならない。
【0042】
図1は、本発明のフュージングバスバー製造方法の好ましい実施形態によって製造されたフュージングバスバーを示す例示図であり、
図2は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第1実施形態によるフローチャートであり、
図3は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第1実施形態による第1圧延ステップを示す例示図である。
【0043】
【0044】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、互いに異なる素材である第1導体100と第2導体200を圧接してフュージングバスバーを製造できるように、第1配置ステップS10、第1圧延ステップS20、第1成形ステップS30を含む。
【0045】
前記第1配置ステップS10は、コイル状に巻き取られた第1導体100の両側の上下部に第1導体100とは異なる素材であるコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する。
【0046】
前記第1導体100は、アルミニウム板を使用でき、アルミニウム板の厚さや幅は限定しない。
【0047】
前記第2導体200は、銅板を使用でき、銅板の厚さや幅は限定しないが、厚さは、第1導体100と同じ厚さを使用し、幅は、第1導体100幅の1/2を超えないようにすることが好ましい。
【0048】
前記第1圧延ステップS20は、第1導体100と第2導体200をそれぞれ繰出しながら圧延機に連続供給し、中央より両側が厚く接合されるように第1導体100の上下面の両側に所定の間隔で第2導体200を既設定の厚さで連続圧接する。
【0049】
前記圧延機は、圧延ロールR、調節ガイド、ガイド制御手段を含み得る。
【0050】
前記圧延ロールRは、制御ガイドの幅または長さの調節に応じて異種金属接合体を長さ方向または幅方向にロール圧延する。
【0051】
一方、圧延ロールRは、上下所定の間隔で配置されるが、圧延ロールRの中央には、第2導体200間の間隔を維持する間隔保持突部R1が備えられることが好ましい。
【0052】
前記調節ガイドは、圧延ロールRの両側にそれぞれ設けられ、ガイド制御手段の移動制御に応じて圧延ロールRの両側から圧延ロールRの間に密着移動し、圧接される接合板材の幅または長さを調節する。
【0053】
前記ガイド制御手段は、既設定した接合板材の規格に応じて調節ガイドが圧延ロールRの両側からそれぞれ圧延ロールRの中央に移動するように調節ガイドの移動を制御する。
【0054】
一実施形態において、ガイド制御手段は、油圧または空圧シリンダーを使用できる。
【0055】
前記第1成形ステップS30は、第1導体100と第2導体200が圧延された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200を配置し、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する。
【0056】
すなわち、第1成形ステップS30は、製造しようとするバスバーの形状によって接合板材をバスバーの外形に切断する切断過程と、バスバーを所定の曲率でバンディングするバンディング過程と、バスバーの一部分を除去するトリミング過程と、バスバーの端子部に通孔部を形成するパンチング過程をはじめバスバーの外形成形に必要な過程と、を含み得る。
【0057】
前記成形機は、プレスマシンを使用することが好ましいが、これに限定されるものではなく、バスバーの形状は、限定されないことを予め明らかにする。
【0058】
このような、本発明のフュージングバスバー製造方法によって製造されたフュージングバスバーは、長さ方向の両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出する形に製造されることによって、高い電気伝導度を有するとともに銅より融点が低いアルミニウム板となり、バスバーの中央から露出した第1導体100が溶断部の機能を行うことになる。
【0059】
すなわち、バスバーの中央から露出した第1導体100は、銅からなる第2導体200に比べて融点が低いアルミニウム板を使用するとともに、第2導体200が接合された両端部に比べて厚さが薄くて第2導体200が配置されたバスバーの両端部よりも表面積および断面積が小さいため、フュージングバスバーに過電流が供給される場合に中央に位置する第1導体100が溶断部の機能を行って溶けて切れるこれによって、過電流が電装部品に供給されないようにするヒューズ機能を安定的に行い得る。
【0060】
また、優れた電気伝導度とフュージング機能を有しながらも銅より軽くて安価なアルミニウムを第1導体100として使用し、長さ方向の両端部にのみ銅を第2導体200として使用して電極接続部になるようにすることによって、大量生産が容易で、価格が高くて重さが重い銅の使用を減らして製造コストを削減できるだけでなく、重量も減らすことができ、電気自動車用バッテリーなどに使用される場合にバッテリー軽量化に役立つ効果がある。
【0061】
図4は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第2実施形態によるフローチャートであり、
図5は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第2実施形態による第1切削ステップを示す例示図である。
【0062】
図4~
図5を参照して説明するが、前述した実施形態と重複する構成および同一符号を有する構成についての詳細な説明は省略する。
【0063】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、圧延された接合板材を切削する第1切削ステップS40をさらに含み得る。
【0064】
前記第1切削ステップS40は、第1圧延ステップS20で圧延された接合板材の長さ方向に沿って第2導体200の内側端部を所定の幅で切削する。
【0065】
すなわち、第1圧延ステップS20において第1導体100の上下面の両側に所定の間隔で圧接した第2導体200の間に切削工具Tを投入して接合板材の長さ方向に沿って、第2導体200の内側端部を所定の幅で切削することによって、接合板材の中央に一定の幅と深さの溶断部を形成することになる。
【0066】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、圧延された接合板材を巻き取る第1巻き取りステップS50をさらに含み得る。
【0067】
したがって、圧延された接合板材を巻き取って、運搬、取り扱い、保管が容易になるだけでなく、接合板材を用いてバスバーを成形するとき、巻き取られた接合板材の供給速度調節によってバスバーの成形がより効率的に行われるようになる。
【0068】
図6は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態によるフローチャートであり、
図7は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態による第2圧延ステップを示す例示図であり、
図8は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第3実施形態による第2切削ステップを示す例示図である。
【0069】
図6~
図8を参照して説明するが、前述した実施形態と重複する構成および同一符号を有する構成についての詳細な説明は省略する。
【0070】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、互いに異なる素材である第1導体100と第2導体200を圧接してフュージングバスバーを製造できるように第2配置ステップS60と、第2圧延ステップS70と、第2切削ステップS80と、第2成形ステップS90と、を含む。
【0071】
前記第2配置ステップS60は、コイル状に巻き取られた第1導体100の上下側に第1導体100とは異なる素材からなるコイル状に巻き取られた第2導体200をそれぞれ配置する。
【0072】
前記第1導体100は、アルミニウム板を使用でき、アルミニウム板の厚さや幅は、限定されないことを予め明らかにする。
【0073】
前記第2導体200は、銅板を使用でき、銅板の厚さや幅は、限定されないが、第1導体100と同じ厚さおよび幅とすることが好ましい。
【0074】
前記第2圧延ステップS70は、第1導体100と第2導体200を繰出しながら圧延機に連続供給し、第1導体100の上下面に第2導体200を既設定の厚さで連続圧接する。
【0075】
前記第2切削ステップS80は、圧延された接合板材の第1導体100が部分的に露出するように、上下部に位置する第2導体200を所定の幅で切削する。
【0076】
一実施形態において、前記第2切削ステップS80は、圧延された接合板材の第2導体200の中央部分を切削工具Tを用いて長さ方向に連続切削して第1導体100の中央を連続的に露出させることができる。
【0077】
一実施形態において、前記第2切削ステップS80は、圧延された接合板材の第2導体200の長さ方向と直角方向、すなわち、幅方向に切削工具Tを投入して所定の幅で切削するが、その切削部を所定の間隔で繰り返し形成することによって、第1導体100が露出する部分が一定間隔で連続形成され得る。
【0078】
したがって、接合板材において、第2切削ステップS80を通じて第1導体100が露出した部分は、第1導体100が露出していない部分と比較して厚さが薄く形成される。
【0079】
一方、切削工具Tを用いて第1導体100が露出するように第2導体200を切削するとき、切削深さや切削幅は、限定されないことを予め明らかにする。
【0080】
前記第2成形ステップS90は、切削された接合板材を成形機に投入して両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出したバスバー状に圧着成形する。
【0081】
すなわち、第2成形ステップS90は、製造しようとするバスバーの形状によって接合板材をバスバーの外形に切断する切断過程、バスバーを所定の曲率でバンディングするバンディング過程、バスバーの一部分を除去するトリミング過程、バスバーの端子部に孔を形成するパンチング過程をはじめとする、バスバーの成形に必要な過程を含み得る。
【0082】
前記成形機は、プレスマシンを使用することが好ましいが、これに限定されるものではなく、バスバーの形状は、限定されないことを予め明らかにする。
【0083】
このような、本発明のフュージングバスバー製造方法によって製造されたフュージングバスバーは、長さ方向の両端部に第2導体200が配置され、第2導体200の間に第1導体100が露出する形で製造されることによって、高い電気伝導度を有するとともに銅より融点が低いアルミニウム板となり、バスバーの中央から露出した第1導体100が溶断部の機能を行うことになる。
【0084】
図9は、本発明のフュージングバスバー製造方法の第4実施形態によるフローチャートである。
【0085】
図9を参照して説明するが、前述した実施形態と重複する構成および同一符号を有する構成についての詳細な説明は省略する。
【0086】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、切削された接合板材を巻き取る第2巻き取りステップS110をさらに含み得る。
【0087】
したがって、切削された接合板材を巻き取って運搬、取り扱い、保管が容易になるだけでなく、接合板材を用いてバスバーを成形するとき、巻き取られた接合板材の供給速度調節によってバスバーの成形がより効率的に行われるようになる。
【0088】
一実施形態において、本発明のフュージングバスバー製造方法は、それぞれ配置された第1導体100と第2導体200を繰出しながらそれぞれ加熱炉の内部に投入してそれぞれ異なる温度で加熱する加熱ステップS100をさらに含み得る。
【0089】
前記加熱ステップS100は、第1導体100と第2導体200をそれぞれ加熱するために第1加熱過程S101と、第2加熱過程S102と、還元過程S103と、を含む。
【0090】
前記第1加熱過程S101は、第1導体100を加熱炉の内部に投入して350~450℃で加熱する。
【0091】
したがって、第1加熱過程S101を通じてアルミニウム板からなる第1導体100の圧延率が高くなるにつれて圧延ステップで加工性が向上するとともに、第2導体200との圧接時の組織接合率が向上する。
【0092】
前記第2加熱過程S102は、第2導体200を加熱炉の内部に投入して750~850℃で加熱する。
【0093】
したがって、第2加熱過程S102を通じて銅板からなる第2導体200の圧延率が高くなるにつれて圧延ステップで加工性が向上するとともに、第1導体100との圧接時の組織接合率が向上する。
【0094】
一方、周知のように、2つ以上の金属が接合される場合、その接合部には、接合される金属とは異なる金属間化合物が形成されるが、この金属間化合物は、界面における電気伝導度を低下させるため、フュージングバスバーの性能や効率性を低下させる要因となる。
【0095】
また、金属間化合物層の厚みが厚いと内部で脆性破壊が発生しやすく、異種金属間接合強度が低下し、耐久性および寿命低下の要因となる。
【0096】
したがって、第1加熱過程S101と第2加熱過程S102を通じて第1導体100と第2導体200をそれぞれ異なる温度で加熱して圧延率と組織接合率を向上させることによって、圧延ステップにおいて第1導体100と第2導体200が圧接されるときに形成される金属間化合物が低減するにつれて、金属間化合物による電気伝導度の低下が防止され、金属間化合物層の厚さを最小化して内部における脆性破壊が防止され、第1導体100と第2導体200間の接合強度がさらに向上する効果がある。
【0097】
前記還元過程S103は、第2加熱過程S102において第2導体200の表面に生成された酸化層を除去する。
【0098】
一実施形態において、前記還元過程S103は、第2導体200の表面の酸化銅層に炭素を反応させて酸化銅層を除去できる。
【0099】
一実施形態において、前記還元過程S103は、酸化した第2導体200の表面にレーザー光を照射して酸化銅層を除去できる。
【0100】
このとき、レーザー光の波長は、1064~1070nmであり、レーザー光の出力は、50~500Wであることが好ましい。
【0101】
一方、周知のように、銅板を加熱する場合、銅板の表面には、酸化銅層が生成されるが、このように生成される酸化銅層は、質量増加の要因になるだけでなく、電気抵抗が増加して電気伝導度を低下させる要因となる。
【0102】
したがって、第2加熱過程S102において銅板からなる第2導体200の表面に酸化層が形成されると、還元過程S103を通じてその酸化層を除去することによって、酸化銅層による重量増加および電気伝導度の低下を防止できるようになる。
【0103】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利の範囲は、これに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0104】
A:フュージングバスバー
B:溶断部
C:通孔部
100:第1導体
200:第2導体
S10:第1配置ステップ
S20:第1圧延ステップ
S30:第1成形ステップ
S40:第1切削ステップ
S50:第1巻き取りステップ
S60:第2配置ステップ
S70:第2圧延ステップ
S80:第2切削ステップ
S90:第2成形ステップ
S100:加熱ステップ
S101:第1加熱過程
S102:第2加熱過程
S103:還元過程
S110:第2巻き取りステップ