(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107754
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】無線電力伝送装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/60 20160101AFI20230727BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20230727BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20230727BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/80
H02J50/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023008004
(22)【出願日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0009798
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】509256045
【氏名又は名称】ヒタチ-エルジー データ ストレージ コリア,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 実
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【弁理士】
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】チン チョル
(57)【要約】
【課題】異物があるか否かを判断する方法を提供する。
【解決手段】本明細書においては無線電力伝送方法及び装置に関する。本明細書の一実施形態に係る無線電力伝送方法は、受信装置に電力を無線で伝送し、電力を伝送する間受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信し、Q周波数とQ値を2軸とするQ平面において、第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得ることができる。電力伝送する間に伝送装置に含まれた共振回路のQ周波数とQ値を第2Qファクタで検出し、Q平面における第2Qファクタに対応する第2Qポイントと第2異物境界線の比較に基づいて電力伝送動作を継続したり、電力伝送動作を停止することができる。第1異物境界線から第1Qポイントまでの距離が第1Q距離となるように、第1異物境界線を第2異物境界線に変更することができる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置に電力を無線で伝送するステップと、
電力伝送する間に、受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを前記受信装置から受信するステップと、
Q周波数とQ値を2軸とするQ平面において、前記第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得るステップと、を含む、無線電力伝送方法。
【請求項2】
前記電力伝送する間に伝送装置に含まれた共振回路のQ周波数とQ値を第2Qファクタで検出するステップと、
前記Q平面において、前記第2Qファクタに対応する第2Qポイントと前記第2異物境界線との比較に基づいて電力伝送動作を継続するか、電力伝送動作を停止するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項3】
前記継続または停止するステップは、前記Q平面において、前記第2Qポイントが、前記第2異物境界線に基づいて異物がある第1領域にあるのか、異物がない第2領域にあるかを確認することを特徴とする、請求項2に記載の無線電力伝送方法。
【請求項4】
前記第1領域は、前記Q平面での前記第2異物境界線に基づいて前記Q周波数がさらに低く前記Q値がさらに高い領域に形成され、前記第2領域は前記Q平面で前記第2異物境界線に基づいて前記Q周波数がさらに高く、前記Q値がさらに低い領域に形成されることを特徴とする、請求項3に記載の無線電力伝送方法。
【請求項5】
前記継続または停止するステップは、
前記第2Qポイントが前記第1領域に属するとき、前記第2Qポイントと第2異物境界線との間のQ距離を計算するステップと、
前記Q距離に基づいて異物判断基準を調整するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の無線電力伝送方法。
【請求項6】
前記継続または停止するステップは、前記Q距離が第1値より大きいとき、前記電力伝送動作を停止し、前記Q距離が第1値より小さいとき、前記電力伝送動作を継続することを特徴とする、請求項5に記載の無線電力伝送方法。
【請求項7】
前記継続または停止するステップは、前記第2Qポイントが前記第2領域に属するときに前記電力伝送動作を継続することを特徴とする、請求項3に記載の無線電力伝送方法。
【請求項8】
前記得るステップは、前記第1異物境界線から前記第1Qポイントまでの距離が第1Q距離となるように、前記第1異物境界線を第2異物境界線に変更することを特徴とする、請求項2に記載の無線電力伝送方法。
【請求項9】
前記第1異物境界線と前記第1Q距離は、前記伝送装置の出荷時に前記伝送装置のメモリに貯蔵されていることを特徴とする、請求項8に記載の無線電力伝送方法。
【請求項10】
前記受信装置は、バージョンがQi1.3以上であることを特徴とする、請求項1に記載の無線電力伝送方法。
【請求項11】
直流電源を交流に変換するためのインバータと、
受信装置の二次コイルとの磁気誘導結合によって電力を伝送するための一次コイルを含む共振回路を含む電力変換部と、
電力を伝送する間前記共振回路のQ周波数とQ値をQファクタで検出するためのQファクタ検出部と、
前記受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信するための通信部と、
前記電力変換部を制御して前記受信装置に電力を無線で伝送し、Q周波数とQ値を2軸とするQ平面で前記通信部が受信する第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて、第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得る制御部と、を含む、無線電力伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、無線で電力を伝送する装置と方法に関し、さらに具体的には、受信装置に付着した異物を効果的に検出する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信及び情報処理技術が発達することにつれて、スマートフォン等はスマート端末の使用が徐々に増加しているが、現在スマート端末に多く適用されている充電方式は、電源に接続されたアダプタをスマート端末に直接接続して、外部電源の供給を受け取って充電するか、またはホストのUSB端子を介してスマート端末に接続してホストのUSB電源の供給を受け取って充電する方式である。
【0003】
最近には、接続線を介してアダプタ(adaptor)にまたはホストにスマート端末を直接接続しなければならない不便を減らすために、電気的接触なしで磁気結合を用いてバッテリを無線で充電する無線充電方式が徐々にスマート端末に適用されている。
【0004】
無線で電気エネルギーを供給するか又は供給を受けるための方法がいくつかあるが、代表的に、電磁誘導現象に基づく誘導結合(Inductive Coupling)方式と特定周波数の無線電力信号による電磁気的共振現象に基づく共振結合(Electromagnetic Resonance Coupling)方式がある。
【0005】
両方式とも無線充電装置とスマート端末のような電子機器との間に通信チャネルを形成してデータを送受信することで電力伝送の安定性を確保し、伝送効率を高めることができる。誘導結合方式は無線で電力を伝送する間電力受信装置が移動して伝送効率が低下するという問題があり、共振結合方式は通信チャネルにノイズが発生してパワー伝送が中断される現象が発生する問題がある。
【0006】
伝送装置と受信装置との間にコインのような金属異物があるとき、電力損失が発生し、金属異物に無線伝送電力が集中すると発熱の危険があるから、安定した電力伝送を妨げる。したがって、近年、誘導結合方式の無線充電規格を適用する製品に伝送装置に金属異物が置かれているか否かを探知できるFOD(Foreign Object Detection)機能の実現が必須とされている。
【0007】
伝送パワーと受信パワーとの差を検出してパワー差が所定値以上か否かを判断する技術や電力を伝送しながら測定する伝送コイルのQ(キュー)値と受信装置で伝送されるQ値を比較する技術が金属異物を検出するために使用されている。
【0008】
しかし、後者の場合、Q値を伝送しない受信装置には適用できない問題がある。さらに、クリップなどの金属物質のサイズが小さいか、または電力受電装置、例えばスマートフォンのケースに異物がある場合、無線充電器がこれを検出できない場合が発生し、このような場合充電効率が低下し、熱が発生することがある。
【0009】
最新規格(Qi1.3)では、受信装置がQ値だけでなくQ周波数も伝送装置に伝送する内容を含んでおり、このような規格を満たす受信装置が発売されている。しかし、まだ受信装置が提供するQ周波数を利用して異物を効率的に検出する方案が提示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本明細書はこのような状況に鑑みたものであり、本明細書の目的は、伝送装置が受信装置に付着した異物があるか否かを効果的に判断する方法を提供することにある。
【0011】
また、本明細書の他の目的は、受信装置が伝達するQ周波数を用いて異物があるか否かを効果的に判断する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を実現するための本明細書の一実施形態に係る無線電力伝送方法は、受信装置に電力を無線で伝送するステップと、電力を伝送する中に受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信するステップとQ周波数とQ値を2軸とするQ平面において、第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得るステップを含むことを特徴とする。
【0013】
本明細書の他の実施形態に係る無線電力伝送装置は、直流電源を交流に変換するためのインバータと、受信装置の二次コイルとの磁気誘導結合により電力を伝送するための一次コイルとを含む共振回路を含む電力変換部と電力を伝送中に共振回路のQ周波数とQ値をQファクタで検出するためのQファクタ検出部と、受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信するための通信部と、電力変換部を制御して受信装置に電力を無線で送信し、Q周波数とQ値を2軸とするQ平面で通信部が受信する第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得る制御部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
したがって、金属異物が伝送装置上や伝送装置と受信装置との間にあるか否かを効果的に判断することができ、無線電力伝送時に金属異物に出力が集中して発熱が激しくなり火災が発生する危険を事前に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】無線電力伝送装置から電子機器へ電力が無線で伝送されることを概念的に示したものである。
【
図2】電磁誘導方式で電力を無線で伝送するための伝送モジュールの電力変換部の回路構成を概念的に示したものである。
【
図3】無線電力伝送モジュールと受信モジュールが電力とメッセージを送受信するための構成を示す図である。
【
図4】無線電力伝送モジュールと受信モジュールとの間の電力伝送を制御するためのループをブロックで示したものである。
【
図5】入力電圧と出力電圧の比を用いてQ値とQ周波数を含むQファクタを検出するための回路と検出されるQファクタとのグラフを示すものである。
【
図6】信号の減衰を検出して異物の有無を判断する概念を示したものである。
【
図7】受信装置の位置及び異物の種類と位置を変更しながら測定したQ値とQ周波数に基づいて異物がある場合と充電可能な場合を区分するFODラインをQ値とQ周波数を2軸とするQ平面で設定する例を示したものである。
【
図8a】Q平面においてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合とを明確に区分できない例を示したものである。
【
図8b】Q平面においてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合とを明確に区分できない例を示したものである。
【
図8c】Q平面においてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合とを明確に区分できない例を示したものである。
【
図9】Q平面においてFODラインと受信装置が伝送するQ値とQ周波数で決定される座標との間の距離を計算する例を示したものである。
【
図10a】受信装置から伝送されるQ値とQ周波数でFODラインにオフセットを加えてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合を明確に区分するようになる例を示したものである。
【
図10b】受信装置から伝送されるQ値とQ周波数でFODラインにオフセットを加えてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合を明確に区分するようになる例を示したものである。
【
図10c】受信装置から伝送されるQ値とQ周波数でFODラインにオフセットを加えてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合を明確に区分するようになる例を示したものである。
【
図11】本明細書が適用される無線電力伝送装置の構成をブロックで示したものである。
【
図12】本明細書に従って異物を検出しながら無線で電力を伝送する方法の動作フローチャートを示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本明細書による無線電力伝送装置及び方法に対する実施例を添付する図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、無線電力伝送装置から電子機器へ電力が無線で電送られることを概念的に示したことである。
【0018】
無線電力伝送装置1は、電子機器2が必要とする電力を無線で伝達する電力伝達装置であるか、無線で電力を伝達することにより電子機器2のバッテリを充電するための無線充電装置で有り得、または接触していない状態で電源が必要な電子機器2に電力を伝達する様々な形態の装置で実現することができる。
【0019】
電子機器2は無線電力伝送装置1から無線で電力を受信して動作可能な機器で、無線で受信される電力を用いてバッテリを充電することもできる。無線で電力を受信する電子機器は、携帯可能な電子機器、例えば、スマートフォンやスマート端末、タブレットコンピュータ、マルチメディア端末、キーボード、マウス、映像または音声の補助装置などの入出力装置、補助バッテリなどを含むことができる。
【0020】
無線電力伝送装置1の無線電力信号による電磁誘導現象に基づく誘導結合方式、すなわち無線電力伝送装置1から伝送する無線電力信号によって電子機器2で共振が発生し、共振現象によって無線電力伝送装置1から電子機器2に接触することなく無線で電力を伝達することができるが、電磁誘導現象により1次コイルで交流電流により磁場を変化させて2次コイル側に電流を誘導することにより電力を伝達する。
【0021】
無線電力伝送装置1の1次コイルに流れる電流の強度が変化すると、その電流により1次コイルまたは伝送コイル(primary coil, TX coil)を通過する磁場が変化し、変化した磁場は電子機器2内の2次コイルまたは受信コイル(secondary coil, RX coil)側に誘導起電力を発生させる。
【0022】
無線電力伝送装置1側の1次コイルと電子機器2側の2次コイルが近づくように無線電力伝送装置1及び電子機器2を配置し、無線電力伝送装置1が1次コイルの電流が変化するように制御すると、電子機器2は2次コイルに誘導された起電力を用いてバッテリのような負荷に電源を供給する。
【0023】
誘導結合方式による無線電力伝達の効率は、無線電力伝送装置1と電子機器2との間の配置と距離の影響を受けるようになるので、無線電力伝送装置1は、平らなインターフェース表面を含むように構成され、インターフェース表面の下部には1次コイルが取り付けられ、インターフェース表面の上部に1つ以上の電子機器が置かれることができる。インターフェース表面下部に取り付けられた1次コイルとインターフェース表面上部に位置した2次コイル間の空間を十分に小さくすることで誘導結合方式による無線電力伝達の効率を上げることができる。
【0024】
インターフェース表面上部には電子機器が置かれる位置を指示するマークが表示されることができるが、インターフェース表面下部に取り付けられた1次コイルと2次コイルとの間の配列が適切に行われるようにする電子機器の位置を指示することができる。電磁機器の位置を案内するための突出形状の構造物がインターフェース表面上部に形成されることもでき、インターフェース表面下部に磁石のような磁性体を形成して電子機器内部に設けられた他極の磁性体との引力により1次コイルと2次コイルがよく配列されるように案内することもできる。
【0025】
図2は電磁誘導方式で電力を無線で伝送するための伝送モジュールの電力変換部の回路構成を概念的に示すことである。
【0026】
無線電力伝送モジュールは大きく電源及びインバータと共振回路で構成される電力変換部を含んで構成され得るが、電源は電圧源または電流源になることができ、電力変換部は、電源から供給される電力を無線電力信号に変換し、無線電力受信モジュールに伝達する。無線電力信号は共振特性を有する磁場または電磁場の形で形成され、共振回路は無線電力信号を発生させるコイルを含む。
【0027】
インバータは、スイッチング素子と制御回路を介して直流入力を所望する電圧と周波数の交流波形に変換するが、
図2においてはフルブリッジ(Full-bridge)インバータを示したものであり、ハーフブリッジインバータなど他の種類のインバータも可能である。
【0028】
共振回路は、磁気誘導方式で電力を伝送する1次コイル(Lp)とキャパシタ(Cp)を含んで構成されるが、コイルとキャパシタがパワー伝送の基本共振周波数を決める。1次コイルは、電流の変化に応じて無線電力信号に該当する磁場を形成し、平板形態またはソレノイド形態で実現することができる。
【0029】
インバータによって変換された交流電流が共振回路を駆動することにより1次コイルに磁場が形成されるが、インバータを含まれたスイッチのオン/オフタイミングを制御して共振回路の共振周波数に近い周波数の交流を生成して伝送モジュールの伝送効率を高めることができ、インバータを制御することで伝送モジュールの伝送効率を変更することができる。
【0030】
図3は、無線電力伝送モジュールと受信モジュールが電力とメッセージを送受信するための構成を示すことである。
【0031】
電力変換部は、受信モジュールの受信状態にかかわらず一方的に電力を伝送するだけなので、受信モジュールの状態に合うように電力を伝送するためには、受信モジュールから受信状態に関連するフィードバックを受けるための構成が無線電力伝送モジュールに必要である。
【0032】
無線電力伝送モジュール100は、電力変換部110、通信部120、制御部130及び電源部140を含んで構成することができ、無線電力受信モジュール200は、電力受信部210、通信部220及び制御部230を含んで構成され得、受信される電力が供給される負荷(または電源部)240をさらに含んで構成され得る。負荷240は、電力受信部210から供給される電力で内部バッテリを充電するための充電部を含むことができる。
【0033】
電力変換部110は、
図2のインバータと共振回路で構成され、無線電力信号を形成するために使用される周波数、電圧、電流などの特性を調整できる回路をさらに含むように構成することができる。
【0034】
通信部120は、電力変換部110に接続され、伝送モジュール100から磁気誘導に従って無線で電力を受信する受信モジュール200によって変調される無線電力信号を復調して電力制御メッセージを検出することができる。
【0035】
制御部130は、通信部120が検出するメッセージに基づいて、電力変換部110の動作周波数、電圧、電流の内、1つ以上の特性を決定し、電力変換部110を制御して電力変換部110がメッセージに適合した無線電力信号を生成するようにすることができる。通信部120と制御部130は1つのモジュールで構成することができる。
【0036】
電力受信部210は、電力変換部110の1次コイルで発生する磁場の変化に応じて誘導起電力が発生する2次コイルとキャパシタからなるマッチング回路を含み、2次コイルに流れる交流電流を整流して直流電流を出力する整流回路を含むことができる。
【0037】
受信モジュールの通信部220は、電力受信部210に接続され、DCでの抵抗負荷及び/またはACでの容量性負荷を調整する方式で電力受電部の負荷を調整することにより、伝送モジュールと受信モジュールの間の無線電力信号を変化させ、電力制御メッセージを伝送モジュールに伝送することができる。
【0038】
受信モジュールの制御部230は、受信モジュールに含まれた各構成要素を制御するが、電力受電部210の出力を電流または電圧の形で測定し、これに基づいて通信部220を制御して無線電力伝送モジュール100に電力制御メッセージを伝達することができる。メッセージは、無線電力伝送モジュール100に無線電力信号の伝達を開始するかまたは終了するように指示することができ、また無線電力信号の特性を調整するようにすることができる。
【0039】
伝送モジュールの電力変換部110によって形成された無線電力信号は、電力受信部210によって受信され、受信モジュールの制御部230は無線電力信号を変調するように通信部220を制御するが、制御部230は通信部220のリアクタンス(reactance)を変更することにより、無線電力信号から受信する電力量が変化するようにする変調過程を行うことができる。無線電力信号から受信される電力量が変わると無線電力信号を形成させる電力変換部110の電流及び/または電圧も変わり、無線電力伝送モジュール100の通信部120は、電力変換部110の電流及び/または電圧の変更を感知して復調過程を行うことができる。
【0040】
受信モジュールの制御部230は、無線電力伝送モジュール100に伝達するようとするメッセージを含むパケットを生成し、生成されるパケットを含むように無線電力信号を変調し、伝送モジュールの制御部130は、通信部120を介して抽出したパケットをデコードして電力制御メッセージを獲得することができるが、受信モジュールの制御部230は、受信されるパワーを調整するために電力受信部210を介して受信される電力量に基づいて無線電力信号の特性を変更するように要請するメッセージを伝送することができる。
【0041】
図4は無線電力伝送モジュールと受信モジュールとの間のパワー伝送を制御するためのループをブロックで示したものである。
【0042】
伝送モジュール100の電力変換部110で発生する磁場の変化に従って、受信モジュール200の電力受信部210で電流が誘導され、電力が伝送され、受信モジュールの制御部230は、所望する制御点、すなわち所望する出力電流及び/または電圧を選択し、電力受信部210を介して受信される電力の実際の制御点を決定する。
【0043】
受信モジュール100の制御部230は、電力が伝送される間に所望する制御点と実際の制御点を用いて制御エラー値を計算するが、たとえば、2つの出力電圧または電流の差を制御エラー値とすることができる。所望の制御点に到達するために少ない電力が要求されると、例えばマイナス値となり、所望の制御点に達するためにさらに多くの電力が必要な場合は、正の値になるように制御エラー値を決定することができる。受信モジュール200の制御部230は、通信部220を介して電力受信部210のリアクタンスを経時的に変更する方式で計算された制御エラー値を含むパケットを生成して伝送モジュール100に伝送することができる。
【0044】
伝送モジュールの通信部120は、受信モジュール200によって変調される無線電力信号に含まれるパケットを復調してメッセージを検出するが、制御エラー値を含む制御エラーパケットを復調することができる。
【0045】
伝送モジュールの制御部130は、通信部120を介して抽出した制御エラーパケットをデコードして制御エラー値を獲得し、電力変換部110に実際に流れる実際電流値と制御エラー値を用いて受信モジュールが所望の電力を伝送するための新しい電流値を決定できる。
【0046】
伝送モジュールの制御部130は、受信モジュールから制御エラーパケットを受信する過程からシステムが安定化すると、1次コイルに流れる実際の電流値が新しい電流値になるように新しい動作点、すなわち1次コイルに印加されるAC電圧の大きさ、周波数、デューティ比などが新たな値になるように電力変換部110を制御し、受信モジュールがさらに制御情報やまたは状態情報を通信できるように、新しい動作点を継続するようにする。
【0047】
無線電力伝送モジュール100と無線電力受信モジュール200との間の相互作用は選択(selection)、ピング(ping)、識別/構成(identification & configuration)及びパワー伝送(power transfer)を含んで4つの段階からなることができる。選択ステップは、伝送モジュールがインターフェース表面上に置いた対象物を発見するためのステップであり、ピングステップは、対象物が受信モジュールを含むかどうかを確認するステップであり、識別/構成段階は、受信モジュールに電力を送るための準備段階で、受信モジュールから適切する情報を受信し、それに基づいて受信モジュールとパワー伝送契約(Power Transfer Contract)を締結し、パワー伝送段階は伝送モジュールと受信モジュールの相互作用として実際に電力を無線で受信モジュールに伝送するステップである。
【0048】
ピング段階では、受信モジュール200が1次コイルと受信コイルの磁束結合程度を指す信号強度パケット(Signal Strength Packet、SSP)を共振波形の変調を介して伝送モジュール100に伝送するが、信号強度パケット(SSP)は受信モジュールにおいて整流された電圧をモニタリングして生成するメッセージとして、伝送モジュール100はそれを受信モジュール200から受信して電力伝送のための初期駆動周波数を選定することに活用することができる。
【0049】
識別/構成段階においては、受信モジュール200のバージョン、メーカーコード、装置識別情報等を含む識別パケット(Identification Packet)、受信モジュール200の最大パワー、パワー伝送方法などの情報を含む構成パケット(Configuration Packet)等を受信モジュール200が伝送モジュール100に伝送する。
【0050】
パワー伝送段階においては、受信モジュール200が電力信号を受信する動作点とパワー伝送契約で定めた動作点との差を指す制御エラーパケット(Control Error Packet、CEP)、受信モジュール200がインターフェース表面を介して受信するパワーの平均値を指す受信パワーパケット(Received Power Packet、RPP)などを受信モジュール200が伝送モジュール100に伝送する。
【0051】
受信パワーパケット(RPP)は、受信モジュールの電力受信部210の整流電圧、負荷電流、オフセット電力などを考慮した受信電力量データで、受信モジュール200により電力を受信中に伝送モジュール100に伝送され続け、伝送モジュール100はこれを受信して、電力制御のための演算因子として使用する。
【0052】
伝送モジュールの通信部120は、それぞれ共振波形の変化からパケットを追出し、制御部130は、抽出したパケットをデコードしてメッセージを獲得し、それに基づいて電力変換部110を制御して受信モジュール200が要請するようにパワー伝送特性を変えながら電力を無線で伝送することができる。
【0053】
一方、誘導結合により電力を無線で伝達方式でその効率は周波数特性による影響は少ないが、伝送モジュール100と受信モジュール200との間の配列と距離の影響を受けることになる。
【0054】
無線電力信号が到達できる領域を2つに区分できるが伝送モジュール100が受信モジュール200に無線で電力を伝達するとき、高効率の磁場が通過できる、インターフェース表面の部分を活動領域と呼ぶことができ、伝送モジュール100が受信モジュール200の存在を感知できる領域を感知領域とすることができる。
【0055】
伝送モジュールの制御部130は、受信モジュール200が活動領域又は感知領域に配置されるかまたは除去されたかどうかを感知することができるが、電力変換部110で形成される無線電力信号を用いたり、別途備えられたセンサにより受信モジュール200が活動領域または感知領域に配置されたかどうかを検出することができる。
【0056】
例えば、伝送モジュールの制御部130は、感知領域に存在する受信モジュール200により無線電力信号が影響を受け、電力変換部110の無線電力信号を形成するための電力の特性が変化するかどうかをモニタリングすることによって受信モジュール200の存在を検出することができる。伝送モジュールの制御部130は受信モジュール200の存在を検出した結果に基づいて受信モジュール200を識別する過程を実行するか、または無線電力伝送を開始するかどうかなどを決定することができる。
【0057】
伝送モジュールの電力変換部110は位置決め部をさらに含むことができるが、位置決め部は誘導結合方式による無線電力伝達の効率を高めるために1次コイルを移動または回転させることができ、特に受信モジュール200が伝送モジュール100の活動領域内に存在しない場合に使用され得る。
【0058】
位置決定部は、伝送モジュール100の1次コイルと受信モジュール200の2次コイルの中心間距離が一定範囲内になるように1次コイルを移動させたり、1次コイルと受信コイルの中心が重畳されるように1次コイルを移動させる駆動部を含むように構成されることができる。このために、伝送モジュール100は受信モジュール200の位置を感知するためのセンサや感知部をさらに備えることができ、伝送モジュールの制御部130は感知部のセンサから受信する受信モジュール200の位置情報に基づいて位置決定部を制御することができる。
【0059】
あるいは、伝送モジュールの制御部130は、通信部120を介して受信モジュール200との配列または距離に関する制御情報を受信し、これに基づいて位置決め部を制御することもできる。
【0060】
また、伝送モジュール100は、2つ以上複数の1次コイルを含むように形成されて複数の1次コイルの内、受信モジュール200の受信コイルと適合に配列される一部のコイルを選択的に用いて伝送効率を向上させることができるが、この場合位置決め部は、複数の1次コイルの内、どれが電力伝達のために使用されるかを決定することができる。
【0061】
活動領域を通過する磁場を形成させる単一1次コイルまたは1つ以上の1次コイルの組み合わせを主要セル(primary cell)と称することができるが、伝送モジュールの制御部130は、受信モジュール200の位置を感知し、これに基づいて活動領域を決定し、活動領域に対応する主要セルを構成する伝送モジュールを接続し、該当伝送モジュールの1次コイルと受信モジュール200の2次コイルとが誘導結合できるように制御できる。
【0062】
一方、受信モジュール200は、スマートフォンまたはマルチメディア再生端末を含むスマートフォンやスマート機器のような電子機器内に内蔵され、電子機器が伝送モジュール100のインターフェース表面の上に垂直または水平方向に一定でない方向や位置に置かれるので、伝送モジュールは広い活動領域を必要とする。
【0063】
活動領域を広げるために複数個の場合の1次コイルを使用する場合、一時コイル数だけ駆動回路が必要であり、複数個の1次コイルの制御が複雑になるので、製品化するとき、伝送モジュールすなわち無線充電器のコストが増加する。さらに、活動領域を拡大するために伝送コイルの位置を変更する方式を適用する場合でも1次コイルの位置を移動するための移送メカニズムを備えなければならないので、体積と重量が大きくなって製作コストが多くなる問題がある。
【0064】
位置が固定された一つの1次コイルを有しても活動領域を拡張する方法があれば効果的であるが、単に1次コイルの大きさを大きくするなら1次コイルの単位面積当たりの磁束密度が低下し、送受信コイル間に磁気結合力が弱くなって期待するほど活動領域が増加することもなく、伝送効率も低下することになる。
【0065】
このように、活動領域の拡大と伝送効率の向上のために、一次コイルの適切な形状とサイズを決定することが重要である。複数の1次コイルを採用するマルチコイル方式が無線電力伝送モジュールの活動領域を拡大する方法として有効である。
【0066】
一方、受信装置と伝送装置との間に異物、特に金属異物が置かれているか否かを検出するための方法の内一つは、伝送装置または受信装置の共振に関連する値であるQファクタ、すなわちQ値とQ周波数が変わってあるか否かを判断することで、貯蔵されているQファクタと新たに検出したQファクタが異なると異物があると判断できる。
【0067】
図5は、入力電圧と出力電圧の比を用いてQ値とQ周波数を含むQファクタを検出するための回路と検出されるQファクタのグラフを示すものである。
【0068】
キャパシタ(C)とコイル(L)を含む共振回路に周波数を変えながら交流電圧を入力電圧(V1)で入力してコイル(L)の両端にかかる電圧を出力電圧(V2)で検出し、出力電圧V2と入力電圧V1の比を用いて共振特徴に関連するQファクタを計算することができるが、
図5の右グラフで100kHz周波数が共振周波数となり、共振周波数で最も高い出力電圧が発生することを見ることができる。
【0069】
図6は、信号の減衰を検出して異物の有無を判断する概念を示している。共振周波数または共振周波数に近い周波数の入力電圧を共振回路に供給する時、共振回路の出力信号は
で表され、ここで
であり、
である。
【0070】
共振回路の近くに異物がないと(NO FO)、出力信号は時間が進むにつれて回路を構成する抵抗成分による自然減衰が若干発生して徐々に信号が減少するが、共振回路の近くに異物がある時(With FO)、異物と共振回路との相互作用により、出力信号は急速に減衰するようになる。
【0071】
このように共振回路を共振周波数付近の周波数で駆動する際に出力信号の減衰度合いを検出して異物の近接が有るか無いかを判断することができる。
【0072】
無線充電器に
図5や
図6のように異物の近接が有るか無いかを判断するための手段を備えることもできるが、無線充電器は受信装置のQファクタや共振周波数を知らないため、異物が充電器と受信装置との間にあるか正確に判断するのは容易ではない。
【0073】
近年、無線充電が可能なスマートフォンが多く発売されており、多くのユーザはデバイス保護のために専用ケースに被せて使用し、さらに無線充電器に載せて置くが、ケース内部にNFCのようなRF機能を有するRFモジュールを含むクレジットカードを収納することもする。このようなクレジットカードのRFモジュールは、無線充電動作を妨げる異物役割をする。
【0074】
無線充電器の上にコインやクリップが置かれた状態で受信装置が無線充電器のインターフェース表面上に置かれて異物が充電を妨げる場合より、受信装置のケース内部にクレジットカードやクリップ等が挟まれた状態で受信装置が無線充電器の上に置かれて異物が充電を妨げる場合がさらに多く発生することになる。
【0075】
本明細書においては、異物のある状態と充電可能な状態と区分できるQファクタに関する基準を設けて貯蔵し、受信装置を充電する際に共振周波数(またはQ周波数)とQ値を含むQファクタを測定し、それを貯蔵された基準と比較して、現在の充電状況が異物のある状態であるか、それではないと充電が可能な状態であるかを判断することができる。
【0076】
さらに具体的には、無線電力伝送装置を出荷する際、異物のある様々な状況、例えば金属異物を所定間隔で移動しながら複数の第1Qファクタ(Q値とQ周波数の組み合わせ)を求め、また異物がなく充電が可能な様々な状況、例えば受信装置を所定の間隔で移動しながら複数の第2Qファクタ(Q値とQ周波数の組み合わせ)を求め、第1Qファクタと第2Qファクタを互いに区分できる基準を求め、その基準を貯蔵することができる。基準を貯蔵した無線電力伝送装置は、受信装置に電力を無線で伝送する際に、Qファクタを求め、それを貯蔵された基準と比較して異物の有無または充電が可能か否かを判断することができる。
【0077】
異物があるか充電が可能な様々な状況でQファクタを求め、求めたQファクタをQファクタを構成するQ周波数とQ値をX軸とY軸(またはY軸とX軸)とする平面に位置させて、異物がある状況の座標と充電が可能な状況の座標を区分する線を決定し、これを異物状況と充電可能状況を区分する基準として用いることができる。
【0078】
図7は、受信装置の位置及び異物の種類と位置を変更しながらQファクタを測定した値に基づいて異物がある場合と充電可能な場合とを区分するFODラインを設定する例を示したものである。
【0079】
無線電力伝送装置または無線充電器は、受信装置を充電することの前にQファクタ、すなわち共振周波数であるQ周波数とその時のQ値を測定する。
【0080】
以後、様々な状況を模擬してその時ごとのQファクタを測定するが、無線電力受信装置、例えばスマートフォンに様々な種類の金属異物、例えば各国の様々なサイズのコイン、クリップ、NFCのような同じRFモジュールなどを取り付けて、該当するスマートフォンを充電しながらQファクタを測定することができる。すなわち、金属異物を取り付けた状態でスマートフォンと伝送装置、すなわち無線充電器の中心で異物を所定の長さ間隔で平面で移動しながらQファクタを測定し、さらに異物を取り付けない状態でスマートフォンを平面で移動しながらQファクタを測定することができる。
【0081】
様々な状況で測定したQファクタを横軸(X軸)をQ周波数とし、縦軸(Y軸)をQ値とするQ平面に座標で表示するが、
図7に示すようにQ平面に撮られたQファクタに基づいて異物がある状態と異物がなく、充電が可能な状態を区分できる線を抽出することができる。
【0082】
図7のように、Q周波数が低くなりQ値が大きくなる方向に形成される第1領域が異物のある状況に対応し、Q周波数が大きくなりQ値が小さくなる方向に形成される第2領域が異物がなく、充電が可能な状況に対応できる。
【0083】
Q値とQ周波数を垂直な2つの軸とする平面(簡単にQ平面と称することができる)で異物のある第1領域と異物がなくて、充電が可能な第2領域を分ける異物境界線を決定することができるが、
図7に示すように、直線(FODライン)で表現することもでき、または必要に応じて二次曲線またはさらに高い次元の曲線で表現することもできる。その後、異物境界線をFODラインで表現する。
【0084】
無線充電器は、受信装置が検出されて無線充電を開始するとき、検出された受信装置についてQファクタを測定し、測定されたQファクタとFODラインを比較し、Qファクタの座標が異物のある第1領域にあるかそれではないと異物がない第2領域にあるかを確認し、第1領域にあれば充電を中止するか、これをユーザに知らせ、第2領域にあれば充電を直ちにまたは継続することができる。
【0085】
FODライン(または異物境界曲線)は、該当する無線充電器を出荷する過程で測定され、無線充電器の不揮発性メモリに貯蔵され得る。しかしながら、すべての無線充電器に対して出荷時にFODラインを測定して貯蔵することは、コストまたは時間の側面で好ましくない。
【0086】
したがって、複数の同じ製品についてFODラインを測定し、測定されたFODラインを平均して1つのFODラインを求め、各製品を出荷する際に不揮発性メモリに平均したFODラインを貯蔵することが有利である。
【0087】
しかし、製品ごとにばらつきがあり、メモリに貯蔵されたFODラインが当該製品の特性を正確に反映できないことがある。
【0088】
図8a~8cは、Q平面でFODラインが異物がある場合と充電可能な場合を明確に区分できない例を示したものであり、各無線充電器について、複数の位置に異物を置いて測定したQファクタ、異物なしで複数の位置に受信装置を置いて測定したQファクタ及びメモリに貯蔵されたFODラインをQ平面に示すものである。
【0089】
図8aの無線充電器の場合、メモリに貯蔵されているFODラインが異物に対して測定してQ平面に撮ったQファクタに近すぎる位置にあり、FODラインに近接したり、FODラインを超えた一部異物のQファクタについて異物がないことと誤って判断する可能性がある。
【0090】
図8bの無線充電器の場合、メモリに貯蔵されているFODラインが充電可能な受信装置に対して測定してQ平面に撮られたQファクタに近すぎる位置にあり、FODラインに近接したり、FODラインを超えた一部Qファクタの場合、異物があることと誤って判断される可能性がある。
【0091】
図8cの無線充電器の場合、メモリに貯蔵されているFODラインが異物に対して測定したQファクタ群集と充電可能な受信装置に対して測定したQファクタ群集からある程度距離が離隔されるため、貯蔵されたFODラインと測定されたQファクタに基づいて異物のある状態と異物がなく、受信装置のみある状態を比較的正確に区別することができる。
【0092】
このような状況を考慮すると、各無線充電器についてメモリに貯蔵されたFODラインを校正する必要がある。
【0093】
以前のバージョン、例えばQi1.2の受信装置は、電力を無線で伝送の受けるために伝送装置または無線充電器と誘導結合している状態でQ値を測定して伝送装置に伝送する。しかし、Q値だけではQプレーンに点を取ることができず、伝送装置または無線充電器は、受信装置が伝送するQ値を用いてFODラインを校正することはできない。
【0094】
一方、最新バージョンのQi1.3の受信装置は、Q値だけでなくQ周波数を測定して誘導結合している無線充電器に伝送することができる。
【0095】
無線充電器は、受信装置が伝送するQ値とQ周波数を用いてメモリに貯蔵されたFODラインを校正することができる。
【0096】
図9は、Qプレーンで受信装置が伝送するQ値とQ周波数で決定される座標とFODラインとの間の距離を計算する例を示すものである。
【0097】
例えば、x軸がQ周波数でありy軸がQ値であるQ平面において、メモリに貯蔵されているFODラインがax+by+c=0であり、受信装置が伝達するQ周波数とQ値に対応する点(Q点と呼ぶ)Aの座標が(x1、y1)のとき、FODラインとQ点間のQ距離dはd=|ax1+by1+c|/(a^2+b^2)^(1/2)で計算できる。
【0098】
同じFODラインを貯蔵する複数の無線充電器に対して、Qi1.3バージョンの受信装置を誘導結合させ、受信装置からQ周波数とQ値を受信し、受信したQ周波数とQ値に該当するQポイントとFODラインの間の距離を計算できる。
【0099】
図8a~
図8cの各無線充電器を同じQi1.3バージョンの受信装置に接続してQ周波数とQ値を受けて距離を計算した実験データは次の通りである。
【0100】
図8aのcase1の無線充電器については、受信したQ周波数とQ値がそれぞれ82.4Khzと34.1であり、当該QポイントからFODまでの距離は96.8を得ることができる。
【0101】
図8bのcase2の無線充電器については、受信したQ周波数とQ値がそれぞれ86.2Khzと27.4であり、当該QポイントからFODまでの距離は23.2を得ることができる。
【0102】
図8cのcase3の無線充電器については、受信したQ周波数とQ値がそれぞれ84.0Khzと28.1であり、当該QポイントからFODまでの距離は43.5を得ることができる。
【0103】
図8cのcase3の無線充電器の場合、メモリに貯蔵されたFODラインが異物がある場合に測定したQファクタ群集がある第1領域と異物がない場合に測定したQファクタ群集がある充電可能な第2領域を相対的に正確に分けているため、
図8cのcase3の無線充電器に対してQi1.3バージョンの受信装置で伝送されるQ値とQ周波数が形成するQポイントとFODラインとの間のQ距離である43.5を最適のQ距離で判断できる。
【0104】
無線充電器は、出荷される時に先に説明した方法で得られる最適なQ距離をメモリに貯蔵することができる。
【0105】
出荷された後、無線充電器は、Qi1.3バージョンの受信装置に接続されるときに受信装置からQ値とQ周波数、すなわちQファクタの伝達を受け、Q平面で受信装置から受けたQファクタに該当するQポイントとメモリに貯蔵されたFODライン間のQ距離を計算し、QポイントとFODラインとの間のQ距離がメモリに貯蔵された最適Q距離となるようにFODライン(正確にはFODラインにおける定数c値)を校正することができる。
【0106】
この後、無線充電器は、受信装置と誘導結合した状態でQファクタを測定し、Q平面で校正されたFODラインを用いて測定されたQファクタが異物のある第1領域に属するか異物なしで充電が可能な第2領域にあるか否かを判断して異物の有無をより正確に判断することができるようになる。
【0107】
図10a~
図10cは、受信装置から伝送されるQ値とQ周波数でFODラインにオフセットを加えてFODラインが異物がある場合と充電可能な場合を明確に区分するようになる例を示したものである。
【0108】
図10a~
図10cにおいて、実線は出荷時に無線充電器のメモリに貯蔵されたFODラインであり、点線は無線充電器をQi1.3バージョンの受信装置と接続した後に受信したQファクタを用いて校正したFODラインである。
【0109】
Qi1.3バージョンの受信装置(異物のない状態で接続されるものを仮定)が伝送するQファクタは、充電可能な第2領域にある可能性が高い。
【0110】
図10aのcase1の場合、メモリに貯蔵されたFODラインと第2領域との間の距離が遠いため、メモリに貯蔵されたFODラインを受信装置が伝送するQファクタを用いて補正すると、第2領域にさらに近づく方向に移動することになる。
【0111】
図10bのcase2の場合、メモリに貯蔵されたFODラインと第2領域との間の距離が近いため、メモリに貯蔵されたFODラインを受信装置が伝送するQファクタを用いて補正すると、第2領域でさらに離れる方向に移動することになる。
【0112】
図10cのcase3の場合、メモリに貯蔵されたFODラインが第1領域と第2領域の中間程度に位置するため、メモリに貯蔵されたFODラインを受信装置が伝送するQファクタを用いて補正してもほとんど位置が変わらない。
【0113】
無線充電器が出荷される時、メモリに貯蔵されたFODラインが該当製品の特性を正確に反映できず、異物のある第1領域と異物がなくて充電が可能な第2領域を比較的正確に区分できず、第1領域または第2領域に近い偏りでも、無線充電器がQi1.3バージョンの受信装置を充電しながら受信装置からQ値とQ周波数を受信すると、これを利用して(QポイントからFODラインまでの距離をメモリに貯蔵された値ができるように)FODラインを校正することができ、この後は校正されたFODラインを利用して異物の有無をより正確に判断できるようになる。
【0114】
図11は、本明細書が適用される無線電力伝送装置の構成をブロックで示したものである。
【0115】
図11の伝送装置は、
図3に示す伝送モジュールに加えてQファクタを検出するためのQファクタ検出部をさらに含むことができる。また、
図11の伝送装置は、FODラインに関する情報を貯蔵するための貯蔵手段と、異物の取り付けをユーザに知らせるための出力手段をさらに含むことができる。FODラインに関する情報は、FODラインデータ及び受信装置が伝送するQファクタに対応するQポイントとFODラインとの間に推奨されるQ距離を含むことができる。
【0116】
無線電力伝送装置100又は伝送モジュール100は、
図11に示すように、電力変換部110、通信部120、制御部130、電源部140及びQファクタ検出部150を含んで構成することができる。
【0117】
電力変換部110は、
図2のインバータと共振回路で構成され、無線電力信号を形成するために使用される周波数、電圧、電流などの特性を調節できる回路をさらに含むように構成され得る。
【0118】
通信部120は、電力変換部110に接続され、自己誘導に応じて無線で電力を受信する受信装置によって変調される無線電力信号を復調して電力制御メッセージを検出することができる。中電力以上の電力を伝送することができる伝送モジュールの通信部120は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))のような近距離通信手段を含んで受信モジュールと通信することもできる。
【0119】
通信部120は、Qi1.3バージョン以上の受信装置から無線を電力で受信する間の受信装置に含まれた共振回路のQファクタ、すなわち共振周波数(Q周波数)とそのときのQ値を含むメッセージを受信して、メッセージに含まれた受信装置のQ周波数とQ値を抽出することができる。
【0120】
制御部130は、通信部120が検出するメッセージに基づいて、電力変換部110の動作周波数、電圧、電流の内、1つ以上の特性を決定し、電力変換部110を制御して電力変換部110がメッセージに適合した無線電力信号を生成するようにすることができる。通信部120と制御部130は1つのモジュールで構成することができる。
【0121】
電源部140は、伝送装置の構成要素に電源を供給することができる。
【0122】
Qファクタ検出部150は、
図5を参照して説明した方法に従って、受信装置に電力を伝送しながら、一次コイルとキャパシタから構成される共振回路のQファクタ、すなわち共振周波数とそのときのQ値を検出することができ、共振回路の入力電圧と一次コイルにかかる出力電圧を検出するための電圧センサを含んで構成され得る。
【0123】
伝送モジュール100は、出力部(図示せず)をさらに含み異物があることをユーザに知らせることができるが、出力部は、画像や光を介してメッセージを出力するディスプレイ部、音を介してメッセージを伝達するサウンド部、振動を介してメッセージを伝達する振動部の内、少なくとも1つ以上を含んで構成され得る。
【0124】
伝送装置の各構成要素を制御する制御部130は、Qファクタ検出部150を介して共振回路のQファクタ、すなわち共振周波数(またはQ周波数)とそのときのQ値を測定し、メモリ(図示せず)に貯蔵されたFODラインと比較して、測定されたQファクタがQ周波数とQ値から形成される平面で属する領域、すなわち異物のある第1領域または異物のない第2領域にあることを確認し、Qファクタが第1領域にあれば異物があると判断し、Qファクタが第2領域にあると受信装置が異物が無くて充電が可能な領域にあると判断することができる。
【0125】
制御部130は、Qファクタ検出部150を介して測定したQファクタが第2領域にあれば異物がないと判断し、受信装置または受信モジュールに対する充電動作を継続することができる。
【0126】
一方、制御部130は、Qファクタが第1領域にあれば、異物があると判断し、充電動作に異物の影響がどの程度及ぶかを確認するためにQファクタとFODライン間の距離を計算し、距離が所定値より大きいと異物が充電に影響を与えると判断して充電を中断させか、距離が所定値以下であれば異物が充電に影響を少なく与えると判断して異物判断基準を緩やかに調整して充電動作を継続することができる。
【0127】
一方、制御部130は、通信部130を介して受信装置(Qi1.3バージョン以上の受信装置)からQファクタ(Q周波数とQ値)が伝送されると、受信されるQファクタに該当するQポイントとFODライン間のQ距離がメモリに貯蔵されたQ距離と同じになるようにFODラインを調整し、調整したFODラインをメモリに貯蔵し、この後調整されたFODラインを異物の有無の判断に用いることができる。
【0128】
図12は、本明細書に従って異物を検出しながら無線で電力を伝送する方法の動作フローチャートを示しており、
図12の動作は、伝送装置の制御部130が行うことができる。
【0129】
制御部130は、Qファクタ検出部150を介してQファクタ、すなわちQ周波数とQ値を測定する(S1200)。
【0130】
制御部130は、測定されたQファクタに対応するQポイントとメモリ(図示せず)に貯蔵されたFODラインとの間のQ距離を計算することができる(S1210)。
【0131】
また、制御部130は、QポイントとFODラインとを比較して、Qポイントが異物のある第1領域にあるのか、または異物がなくて充電可能な第2領域にあるかを確認する(S1220)。
【0132】
Qポイントが異物のある第1領域にあることと確認されると(S1220でYES)、制御部130は、異物があることを指すフラグ(FLAG)値を1に設定する(S1230)。Q距離を計算するS1210ステップは、Qポイントが異物のある第1領域にあることと確認された後に実行されることもできる。
【0133】
制御部130は、Q平面でQファクタに対応するQポイントとFODラインとの間の距離が所定値より大きいと異物が充電に影響を多く及ぼすことと判断して充電を中断させるか、距離が所定値以下であれば、異物が充電に影響を少なく与えることと判断し、異物判断基準を緩やかに調整して充電動作を継続することができる(S1240)。
【0134】
また、制御部130は、異物付着を知らせるアラームメッセージを出力部(図示せず)を介して出力してユーザにこれを知らせることができる(S1250)。
【0135】
一方、制御部130は、異物が検出されない場合、すなわち測定したQファクタに対応するQポイントをFODラインと比較してQポイントが異物がなくて充電可能な第2領域にあることと判断されると(S1220でNO)、メモリ(図示せず)のフラグFLAG値を0にリセットし(S1260)、受信装置に対する無線充電動作を開始したりまたは進行中の充電動作を継続する(S1270)。
【0136】
制御部130は、受信装置に対する無線充電動作を進めている間、受信装置から受信装置が測定したQファクタ(Q周波数とQ値)が受信されるかを確認する(S1280)。
【0137】
制御部130は、受信装置からQファクタを受信すると(S1280でYES)、受信されたQファクタに対応するQポイントとメモリに貯蔵されているFODラインとの間のQ距離を計算し、計算された距離がメモリに貯蔵されているQ距離に等しくなるようにFODラインを調整し、調整されたFODラインをメモリに再貯蔵することができる(S1290)。
【0138】
メモリには、受信装置から受信されるQファクタを用いて調整されたFODラインが貯蔵され、この後制御部130は、S1210ステップとS1220ステップで異物の有無の判断には調整されたFODラインを用いることができる。
【0139】
一方、制御部130は、受信装置からQファクタが受信されなければ(S1280でNO)、S1200ステップに進む。
【0140】
制御部130は、タイマのカウント値に基づいて
図12の動作を周期的に実行して異物を検出することができる。
【0141】
また、制御部130は、異物付着可否を示すフラグを確認し、異物が無い場合に受信装置のバッテリが充電完了するまで電力を伝送する動作を行うこともできる。
【0142】
このように、受信装置が伝送するQファクタを用いて異物の有無を判断するための基準、例えばFODラインをより精巧に調整することにより、異物があるか否かをより正確かつ効率的に判断することができ、また、FODラインとQファクタに対応するQポイントとの間の距離に基づいて異物がある場合でも充電を中断する程度であるか、それではないと充電を継続できる程度であるかを判断することができるようになる。
【0143】
また、異物があるときに異物の有無を画像や音などを通じて知らせたり、電力伝送を中止させて異物により熱が過度に発生したり、火災が発生するのを防ぐことができ、また充電に影響をあまり及ばない異物により充電動作が間欠的に中断されるのを防ぎ、電子機器を迅速に充電できるようになる。
【0144】
本明細書に記載の無線電力伝送方法及び装置は、以下のように説明することができる。
【0145】
一実施形態に係る無線電力伝送方法は、受信装置に電力を無線で伝送するステップと電力を伝送する間受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信するステップと、Q周波数とQ値を2軸とするQ平面における第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得るステップをふくみからなることができる。
【0146】
一実施形態において、無線電力伝送方法は、電力を伝送する間に伝送装置に含まれた共振回路のQ周波数とQ値を第2Qファクタで検出するステップと、Q平面における第2Qファクタに対応する第2Qポイントと第2異物境界線との比較に基づいて電力伝送動作を継続するか、または電力伝送動作を中止するステップをさらに含むことができる。
【0147】
一実施形態において、継続するかまたは停止するステップは、Q平面で第2Qポイントが、第2異物境界線に基づいて異物のある第1領域にあるか、または異物のない第2領域にあるかを確認することができる。
【0148】
一実施形態において、第1領域は、Q平面で第2異物境界線に基づいてQ周波数がさらに低く、Q値がさらに高い領域に形成され、第2領域は、Q平面で第2異物境界線に基づいてQ周波数がさらに高く、Q値がさらに低い領域に形成することができる。
【0149】
一実施形態において、継続または停止するステップは、第2Qポイントが第1領域に属するとき、第2Qポイントと第2異物境界線の間のQ距離を計算するステップと、Q距離に基づいて異物判断基準を調整するステップをさらに含み得る。
【0150】
一実施形態において、継続するかまたは停止するステップは、Q距離が第1の値より大きい場合に電力伝送動作を停止し、Q距離が第1の値より小さい場合に電力伝送動作を継続することができる。
【0151】
一実施形態において、継続または停止するステップは、第2Qポイントが第2領域に属するときに電力伝送動作を継続することができる。
【0152】
一実施形態において、得るステップは、第1異物境界線から第1Qポイントまでの距離が第1Q距離となるように、第1異物境界線を第2異物境界線に変更することができる。
【0153】
一実施形態において第1異物境界線と第1Q距離は、伝送装置の出荷時に伝送装置のメモリに貯蔵されてあることがある。
【0154】
一実施形態において、受信装置は、バージョンがQi1.3以上であり得る。
【0155】
別の実施形態に係る無線電力伝送装置は、直流電源を交流に変換するためのインバータと、受信装置の二次コイルとの磁気誘導結合により電力を伝送するための一次コイルを含む共振回路を含む電力変換部と電力伝送中に共振回路のQ周波数とQ値をQファクタで検出するためのQファクタ検出部と受信装置が測定したQ周波数とQ値を含む第1Qファクタを受信装置から受信するための通信部と電力変換部を制御して受信装置に電力を無線で伝送し、Q周波数とQ値を2軸とするQ平面で通信部が受信する第1Qファクタに対応する第1Qポイントに基づいて第1異物境界線を調整して第2異物境界線を得る制御部を含むことができる。
【0156】
一実施形態において、制御部は、Q平面において、Qファクタ検出部が検出する第2Qファクタに対応する第2Qポイントと第2異物境界線との比較に基づいて電力伝送動作を継続したり、電力伝送動作を停止するように電力変換部を制御することができる。
【0157】
一実施形態において、制御部は、Q平面において、第2Qポイントが第2異物境界線にもとづいて異物のある第1領域にあるか、異物のない第2領域にあるかを確認し、第2Qポイントが第1領域にあるときに電力伝送を停止し、第2Qポイントが第2領域にあるときに電力伝送動作を継続することができる。
【0158】
一実施形態において、第1領域は、Q平面における第2異物境界線に基づいてQ周波数がさらに低くQ値がさらに高い領域に形成され、第2領域は、Q平面における第2異物境界線に基づいてQ周波数がさらに高く、Q値がさらに低い領域に形成することができる。
【0159】
一実施形態において、制御部は、第1異物境界線から第1Qポイントまでの距離が第1Q距離となるように、第1異物境界線を第2異物境界線に変更することができる。
【0160】
一実施形態において、無線電力伝送装置は、出荷時に第1異物境界線と第1Q距離を貯蔵しているメモリをさらに含むことができる。
【0161】
本発明は記載された実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々に修正及び変形できることは、この技術分野で通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正または変形例は、本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0162】
1:無線電力伝送装置
2:電子機器
100:無線電力伝送モジュール
110:電力変換部
120:通信部
130:制御部
140:電源部
150:Qファクタ検出部
200:無線電力受信モジュール
210:電力受信部
220:通信部
230:制御部
240:負荷