(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107782
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】関節動作可能な遠位部分を持つツールを制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/35 20160101AFI20230727BHJP
【FI】
A61B34/35
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023081426
(22)【出願日】2023-05-17
(62)【分割の表示】P 2019546793の分割
【原出願日】2018-03-07
(31)【優先権主張番号】62/468,097
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イトコウィッツ,ブランドン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,デービッド ダブリュ.
(57)【要約】
【課題】関節動作可能な遠位部分を持つツールを制御するためのシステムを提供する。
【解決手段】システムは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、シャフトの遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用ツールを有する。システムはまた、1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットを有する。処理ユニットは、医療環境内のターゲットを決定するように構成される。処理ユニットはまた、シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定し、決定された動きに応答して、関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージング装置と、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用ツールと;
1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットであって:
医療環境内の第1のターゲットを決定し、前記関節動作可能な遠位部分が前記第1のターゲットの方へ向けられ;
前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定し;
前記の決定された第1の動きに応答して、前記関節動作可能な遠位部分が前記第1のターゲットに向けられたままであるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御し;
異なるビュー方向への移行の要求に応答して、前記関節動作可能な遠位部分を前記医療環境内の第2のターゲットの方へ向けるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御する;
ように構成され、
前記移行の間に前記イメージング装置によって取り込まれる画像の向きは基準に基づいて維持され;
前記画像における特徴の左から右の順序は、前記基準の左から右の基準方向と整合する、
処理ユニットと;
を有する、
システム。
【請求項2】
前記医療用ツールに結合されるとともにシャフト動作の制御のために構成された遠隔操作マニピュレータ、をさらに有し、
前記処理ユニットは:
前記遠隔操作マニピュレータのセンサシステムを使用して又は前記遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行されたコマンドに基づいて、前記シャフトの前記少なくとも一部の前記第1の動きを決定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記イメージング装置によって取り込まれた前記第1のターゲットの画像を表示するようにさらに構成され;前記第1のターゲットの表示される前記画像は、前記基準に基づいて向きを決められる、
請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のターゲットの表示される前記画像は、前記基準の基準面に対して同じ高さにあり、前記基準面は水平面であるか又は前記医療環境の手術台のテーブル上面に基づく、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記基準は基準方向を含み、前記第1のターゲットの前記画像は、前記基準方向に対して直立している、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記処理ユニットは:
オペレータによって選択された前記第1のターゲットの第1の画像に基づいて前記基準を決定するようにさらに構成される、
請求項3乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御することは、前記基準の基準面に対する前記第1のターゲットのロール向きを維持することを含む、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
オペレータの身体の少なくとも一部を追跡するように構成された追跡システムをさらに有し、
前記処理ユニットは:
前記オペレータの身体の少なくとも一部の第2の動きを検出し;
前記オペレータの身体の少なくとも一部の検出された前記第2の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御する;ようにさらに構成される、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記シャフトの前記遠位端部に結合されるとともに前記処理ユニットと通信するセンサシステムであって、前記イメージング装置を含む、センサシステムをさらに有する、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記医療用ツールは、シャフト動作の手動制御のために構成された近位ハウジングを含む、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記処理ユニットは、前記第1のターゲットの前記画像を処理して前記第1のターゲットの位置を決定するようにさらに構成される、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理ユニットは:
前記関節動作可能な遠位部分が動作限度に達したことを決定し、
前記近位端部に位置する近位ハウジングを使用して、前記動作限度に対応する方向に前記近位ハウジングを動かすことについてオペレータに指示を提供する、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
医療用ツールを有する医療用装置の作動方法であって:
前記医療用装置の1つ又は複数のプロセッサが、医療環境内の第1のターゲットを決定するステップであって、前記医療環境には、医療用ツールが含まれ、前記医療用ツールは、イメージング装置と、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含み、前記関節動作可能な遠位部分は前記第1のターゲットに向けられる、ステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定するステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記の決定された第1の動きに応答して、前記関節動作可能な遠位部分が前記第1のターゲットに向けられたままであるように前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するステップと;
異なるビュー方向への移行の要求に応答して、前記1つ又は複数のプロセッサが、前記関節動作可能な遠位部分を前記医療環境内の第2のターゲットの方へ向けるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップであって、前記移行の間に前記イメージング装置によって取り込まれる画像の向きは基準に基づいて維持される、ステップと;を含み、
前記画像における特徴の左から右の順序は、前記基準の左から右の基準方向と整合する、
作動方法。
【請求項14】
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記医療用ツールに結合された遠隔操作マニピュレータを使用してシャフト動作を制御するステップ;
をさらに含む、
請求項13に記載の作動方法。
【請求項15】
前記イメージング装置が、前記第1のターゲットの画像を取り込むステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記基準の基準面を決定するステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記第1のターゲットの前記画像が前記基準面に対して同じ高さにあるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
請求項13又は14に記載の作動方法。
【請求項16】
前記イメージング装置が、前記第1のターゲットの画像を取り込むステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、基準方向を決定するステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記第1のターゲットの前記画像が前記基準方向に対して直立しているように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
請求項13又は14に記載の作動方法。
【請求項17】
前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップは、前記基準の基準面に対する前記第1のターゲットのロール向きを維持するステップを含む、
請求項13乃至16のいずれか1項に記載の作動方法。
【請求項18】
前記1つ又は複数のプロセッサが、オペレータの身体の少なくとも一部の第2の動きを検出するステップと;
前記1つ又は複数のプロセッサが、前記オペレータの身体の少なくとも一部の検出された前記第2の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
請求項13乃至17のいずれか1項に記載の作動方法。
【請求項19】
1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに方法を実行させるように構成された、複数の機械可読命令を含む非一時的な機械可読媒体であって、前記方法は:
医療環境内の第1のターゲットを決定するステップであって、前記医療環境は、前記1つ又は複数のプロセッサに関連付けられた医療用ツールを有し、前記医療用ツールは、イメージング装置と、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含み、前記関節動作可能な遠位部分は前記第1のターゲットに向けられる、ステップと;
前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定するステップと;
前記の決定された第1の動きに応答して、前記関節動作可能な遠位部分が前記第1のターゲットに向けられたままであるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するステップと;
異なるビュー方向への移行の要求に応答して、前記関節動作可能な遠位部分を前記医療環境内の第2のターゲットの方へ向けるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップであって、前記移行の間に前記イメージング装置によって取り込まれる画像の向きは基準に基づいて維持される、ステップと;を含み、
前記画像における特徴の左から右の順序は、前記基準の左から右の基準方向と整合する、
非一時的な機械可読媒体。
【請求項20】
前記医療用ツールに結合された遠隔操作マニピュレータを使用してシャフト動作を制御するステップと;
前記遠隔操作マニピュレータのセンサシステムを使用して、複数の画像において前記第1のターゲットを抽出することによって、又は前記遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行されたコマンドに基づいて、前記第1の動きを決定するステップと;
をさらに含む、
請求項19に記載の非一時的な機械可読媒体。
【請求項21】
前記イメージング装置を使用して前記第1のターゲットの画像を取り込むステップと;
前記基準を決定するステップと;
前記第1のターゲットの前記画像が前記基準に対して向きを決められるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
請求項19又は20に記載の非一時的な機械可読媒体。
【請求項22】
前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップは、前記基準の基準面に対する前記第1のターゲットのロール向きを維持するステップを含む、
請求項19乃至21のいずれか1項に記載の非一時的な機械可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その全体が参照により組み込まれる、”SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING MEDICAL TOOL WITH ARTICULATABLE DISTAL PORTION”と題する2017年3月7日に出願された米国仮特許出願第62/468,097号の出願日に対する優先権及びその利益を主張する。
【0002】
本開示は、処置を実行するためのシステム及び方法、より詳細には、関節動作可能(articulatable)な遠位部分を持つツールを制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関節動作可能な遠位部分を持つツールが、作業空間内でタスクを操作し実行するために使用されることができる。このようなツールは、ロボットマニピュレータアセンブリによって手動で、又は手動若しくはロボットマニピュレータアセンブリの両方によって、支持及び操作されるように構成されることがある。例えば、幾つかのツールは、指で操作される制御部を持つハンドヘルドデバイスを有する。別の例として、いくつかのツールは、マニピュレータアセンブリのトランスミッション又はアクチュエータへのインタフェースを有する。さらなる例として、いくつかのツールは、手動制御部及びロボットマニピュレータアセンブリへのインタフェースの両方を有し、両方と同時に又は異なる時間に相互作用することができる。
【0004】
関節動作可能な遠位部分を持つツールは、非医学的及び医学的処置を実行するために使用することができる。特定の例として、医療用ツールは、低侵襲医療処置を実行するために使用することができる。別の具体的な例として、工業用ツールは、製造又は試験に使用することができる。さらに他の例として、ツールは、娯楽、探索、及び種々の他の目的のための手法で使用することができる。
【0005】
関節動作可能な遠位部分を持つツールは、使用のために制御することが複雑になることがある。例えば、幾つかのツールは、遠隔操作されることがあり、さもなければコンピュータ支援されることがある。リモート器具コントローラを用いて遠隔操作処置を行うとき、ツールの近位端部は、種々の理由のために動かされることがある。例えば、ツールの近位端部は、遠隔操作処置において使用される他のツールとの外部衝突を回避するために、横方向に(side-to-side)動かされることがある。さらなる例として、ツールの近位端部は、ツールのオペレータの意図しない動きのためにぶつけられることがある。ツールの近位端部のこのような動きは、不安定さを生じ、オペレータが向きを維持したいと望んだツールの部分の向きに意図しない変化を生じさせることがある。オペレータが向きを維持したいと望む可能性が有るツール部分の例は、エンドエフェクタ、イメージャ又は他のセンサ、ツールの遠位先端部などを含んでもよい。ツールがイメージング器具を含む例では、ツールの近位端部を移動(例えば、引き込み、旋回、挿入)させて、種々の距離及び方向からの物体又は領域のビューを提供することができる。このような例では、ツールの近位端部の動きは、ビューに対する不安定さ及び視野の向きに対する意図しない変化を引き起こすことがある。
【0006】
低侵襲医療技術に使用されるツールの特定の例として、低侵襲医療技術は、侵襲医療処置中に損傷を受ける組織の量を減少させることを意図している。このような低侵襲技術は、患者の解剖学的構造における自然開口部を通して又は1つ若しくは複数の外科的切開部を通して行われることがある。これらの自然開口部又は切開部を通って、臨床医は、ターゲット組織の位置などのターゲット位置に到達するために、医療用ツールを挿入することができる。低侵襲医療用ツールには、治療器具、診断器具、及び手術器具などの器具が含まれる。低侵襲医療用ツールはまた、患者の解剖学的構造内の視野をユーザに提供する内視鏡器具などのイメージング器具を含むこともある。
【0007】
従って、これらのツールの、又はこれらのツールを支持し操作するマニピュレータアセンブリのより良い制御を提供するシステム及び方法が望まれる。これらのシステム及び方法は、医学的及び非医学的コンテキストにおいて、器具の安定化を提供するとともに、ツールの1つ又は複数の部分の向きを維持することができる。
【発明の概要】
【0008】
本発明の実施形態は、以下の特許請求の範囲によって要約される。
【0009】
例示的な一実施形態では、システムは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、シャフトの遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用ツールであることができるツールを有する。システムはまた、1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットを有する。処理ユニットは、関節動作可能な遠位部分がターゲットの方へ向けられる環境(医療環境など)内のターゲット(ターゲット物体など)を決定するように構成される。処理ユニットはまた、シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定し、決定された第1の動きに応答して、関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するように構成される。
【0010】
別の例示的な実施形態では、システムは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、シャフトの遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用イメージングツールであることができるイメージングツールを有する。システムはまた、1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットを有する。処理ユニットは、イメージングツールの視野内のターゲット(例えば、イメージングツールによって撮像されることになるターゲット物体又は他のビューイングターゲット(viewing target))を決定するように構成される。処理ユニットはまた、シャフトの第1の動きを決定し、決定されたシャフトの第1の動きに応答して、ターゲットがイメージングツールの視野内に留まるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するように構成される。
【0011】
別の例示的な実施形態では、方法は、環境(医療環境)内のターゲット(ターゲット物体など)を決定することを含む。環境には、ツールの関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられる医療用ツールを含まれる。ツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトを含む。関節動作可能な遠位部分は、シャフトの遠位端部に結合される。この方法はまた、シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定することと、決定された第1の動きに応答して、関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御することとを含む。
【0012】
別の例示的な実施形態では、方法は、医療用イメージングツールであり得るイメージングツールの視野内のターゲット(例えば、イメージングツールによって撮像されることになるターゲット物体又は他のビューイングターゲット)を決定することを含む。イメージングツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、シャフトの遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む。この方法はまた、シャフトの動きを決定することと、決定されたシャフトの動きに応答して、ターゲットがイメージングツールの視野内に留まるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御することとを含む。
【0013】
別の例示的な実施形態では、非一時的な機械可読媒体は、複数の機械可読命令を含み、これらの命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、1つ又は複数のプロセッサに方法を実行させるように構成される。本方法は、環境(医療環境など)内のターゲット(例えば、ターゲット物体)を決定することを含む。環境には、1つ又は複数のプロセッサに関連付けられた、医療用ツールであり得るツールが含まれる。ツールの関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられる。ツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトを含む。関節動作可能な遠位部分は、シャフトの遠位端部に結合される。この方法はまた、シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定することと、決定された第1の動きに応答して、関節動作可能な遠位部分がターゲットに向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御することとを含む。
【0014】
別の例示的な実施形態では、非一時的な機械可読媒体は、複数の機械可読命令を含み、これらの命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、1つ又は複数のプロセッサに方法を実行させるように構成される。本方法は、1つ又は複数のプロセッサに関連付けられた、医療用イメージングツールであり得るイメージングツールの視野内のターゲット(例えば、イメージングツールによって撮像されることになるターゲット物体又は他のビューイングターゲット)を決定することを含む。イメージングツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、シャフトの遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む。この方法はまた、シャフトの動きを決定することと、決定されたシャフトの動きに応答して、ターゲットがイメージングツールの視野内に留まるように、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御することとを含む。
【0015】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、本質的に例示的且つ説明的なものであり、本開示の範囲を限定することなく、本開示の理解を提供することが意図されていることが理解されるべきである。この点に関して、本開示のさらなる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示の態様は、添付の図面と共に読むとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行によれば、様々な特徴はスケールに合わせて描かれていないことが強調される。実際、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために任意に増加又は減少されることがある。加えて、本開示は、種々の実施例において参照番号及び/又は文字を繰り返すことがある。この繰り返しは、単純化及び明確化の目的のためであり、それ自体は、議論される様々な実施形態及び/又は構成の間の関係を決定するものではない。
【0017】
【
図1】遠隔操作医療システムが本開示の実施形態に従って動作する手術環境の図を提供する。
【
図2】本開示の一実施形態によるオペレータコントローラを示す。
【
図3】本開示の一実施形態による、関節動作可能な遠位部分を持つツールを示す。
【
図4A】本開示によるツールの関節動作可能な遠位部分の様々な実施形態を示す。
【
図4B】本開示によるツールの関節動作可能な遠位部分の様々な実施形態を示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、関節動作可能な遠位部分を持つツールを制御するための方法を提供するフローチャートである。
【
図6A】本開示の様々な実施形態によるターゲティング動作を実行するためのイメージングビューを示す。
【
図6B】本開示の様々な実施形態によるターゲティング動作を実行するためのイメージングビューを示す。
【
図6C】本開示の様々な実施形態によるターゲティング動作を実行するためのイメージングビューを示す。
【
図7】本開示の様々な実施形態によるターゲット追跡モードで動作するツールの説明図である。
【
図8A】本開示の一実施形態によるその近位端部が第1の位置に配置されたツールを示す。
【
図8B】本開示の一実施形態による、
図8Aのツールによって提供される対応するイメージングビューを示す。
【
図9A】本開示の一実施形態による、その近位端部が第2の位置に配置されたツールを示す。
【
図9B】本開示の一実施形態による、
図9Aのツールによって提供される対応するイメージングビューを示す。
【
図10A】本開示の一実施形態による、第1のターゲットに向けられた関節動作可能な遠位部分を含むツールを示す。
【
図10B】本開示の一実施形態による、
図10Aのツールによって提供される対応するイメージングビューを示す。
【
図11A】本開示の一実施形態による、第2のターゲットに向けられた関節動作可能な遠位部分を含むツールを示す。
【
図11B】本開示の一実施形態による、
図11Aのツールによって提供される対応するイメージングビューを示す。
【
図12】遠隔操作医療システムが動作する手術環境の上面図を示し、遠隔操作医療システムは、本開示の実施形態による追跡システムを含む。
【
図13】本開示の一実施形態による制御システムのブロック図を示す。
【
図14A】遠隔操作医療システムが、本開示の一実施形態による従来のイメージングツールを用いて動作する手術環境の上面図を示す。
【
図14B】本開示の一実施形態による、
図14Aの従来のイメージングツールの対応する遠位部分を示す。
【
図15A】遠隔操作医療システムが、本開示の一実施形態による関節動作可能な遠位部分を持つイメージングツールを用いて動作する手術環境の上面図を示す。
【
図15B】本開示の一実施形態による、
図15Aのイメージングツールの対応する関節動作可能な遠位部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態を参照し、特定の用語を用いてこれを記述する。それでもなお、本開示の範囲の限定が意図されないことが理解されるであろう。本発明の態様の以下の詳細な説明において、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本開示の実施形態が、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態の態様を不必要に不明瞭にしないように、良く知られた方法、手順、構成要素、及び回路は詳細に説明されていない。
【0019】
記載された装置、器具、方法、及び本開示の原理のさらなる適用に対するいかなる変更及びさらなる修正も、本開示が関係する分野の当業者に通常生じるように、完全に企図される。特に、一実施形態に関して記載された特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して記載された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わされ得ることが十分に考えられる。加えて、本明細書で提供される寸法は、特定の例のためのものであり、異なるサイズ、寸法、及び/又は比率が、本開示の概念を実施するために利用され得ることが企図される。不必要な記述的反復を回避するために、1つの例示的実施形態に従って記載された1つ又は複数の構成要素又は動作は、他の例示的実施形態から適用可能なように使用又は省略されることができる。簡潔さのために、これらの組み合わせの多数の繰り返しは、別個には記述しない。簡単のために、いくつかの例においては、同じ又は類似の部分を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0020】
以下の実施形態は、様々な器具及び器具の部分を、三次元空間におけるそれらの状態の観点から説明する。本明細書で使用される場合、用語「位置」は、三次元空間(例えば、デカルトX、Y、Z軸に沿ったようなデカルトX、Y、Z座標における変化を使用して説明することができる3つの並進自由度)における場所を指す。例えば、位置は、点、基準フレーム、物体、又は物体の一部のものであり得る。本明細書で使用される場合、用語「向き(配向)(orientation)」は、回転配置(例えば、ロール、ピッチ、及びヨーを使用して説明することができる3つの回転自由度)を指す。例えば、向きは、基準フレーム、物体、又は物体の一部のものであり得る。本明細書で使用される場合、用語「姿勢」は、位置及び向きを指す。例えば、基準フレーム、物体、又は物体の一部の姿勢は、そのような基準フレーム、物体、又は物体の一部の位置情報及び向き情報の両方を含む。三次元空間では、6つの数学的に独立した自由度で完全な姿勢を表現することができる。
【0021】
また、本明細書に記載される実施例のいくつかは、手術処置若しくはツール、又は医療処置及び医療用ツールに言及するが、開示される技術は、非医療処置及び非医療用ツールに適用される。例えば、本明細書に記載のツール、システム、及び方法は、工業的用途、一般的ロボット用途、及び非組織ワークピースの感知又は操作を含む非医療目的に使用することができる。他の例示の用途としては、美容上の改善、ヒト又は動物の解剖学的構造のイメージング、ヒト又は動物の解剖学的構造からのデータの収集、システムのセットアップ又は取り外し、及び医療従事者又は非医療従事者の訓練を含む。追加の例示の用途としては、(ヒト又は動物の解剖学的構造に戻らない)ヒト又は動物の解剖学的構造から取り出された組織に対する処置のための使用、及びヒト又は動物の死体に対する処置を実施するための使用を含む。さらに、これらの技術はまた、外科的及び非外科的、医療処置又は診断処置にも用いることができる。
【0022】
図面の
図1を参照すると、例示的なシステムを伴う例示的な医療環境が示されている。具体的には、
図1は、例えば、診断、治療、又は外科処置などの医学的処置で使用するための遠隔操作医療システム12を含む手術環境10を示す。手術環境10は、手術座標空間を用いて説明することができ、したがって、手術座標空間を画定すると言える。遠隔操作医療システム12は、概して、患者Pが位置決めされた手術台Oに取り付けられた、又はその近くに取り付けられた遠隔操作アセンブリ13を含む。遠隔操作アセンブリ13は、1つ又は複数のモジュール式又は一体型マニピュレータアームを含み得る。医療器具システム14又は内視鏡イメージングシステム15が、遠隔操作アセンブリ13の遠隔操作マニピュレータ(例えば、アーム)に動作可能に結合され得る。オペレータ入力システム16は、外科医(又は他のタイプの臨床医又はオペレータ)Sが医療器具システム14及び/又は内視鏡イメージングシステムの動作を制御することを可能にする。1人又は複数の助手、麻酔科医、又はサポート人員Aもまた、手術環境に存在し得る。
【0023】
説明を簡単にするために、この出願の多くは人Sを外科医、人Aを助手と呼んでいる。しかし、専門的な外科技能又は補助技能が必要とされない場合、人Sは、外科医、他の臨床医、他の医療従事者、非医療オペレータ、又は他の者であり得ることが理解されるべきである。同様に、人Aは、助手、他の臨床医、他の医療従事者、非医療オペレータ、又は他の者であり得る。また、実施された処置が患者に対するものでない場合(例えば、産業用途、訓練用、死体若しくは患者から取り外して患者に戻されない解剖学的構造に対する作業用など)、人S及びAは、医学的訓練又は知識をほとんど又は全く有していなくてもよい。
【0024】
ディスプレイシステム26は、内視鏡イメージングシステム15によって取り込まれた画像、手術ナビゲーション及びガイダンス画像、及び/又は英数字又は記号情報を提示して、手術処置を人員が支援することができる。遠隔操作医療システム12はまた、後述するように、オペレータ入力システム16、遠隔操作アセンブリ13及びディスプレイシステム26と通信する制御システム28を含む。
【0025】
この実施形態では、オペレータ入力システム16は、1つ又は複数の医療器具システム14又は内視鏡イメージングシステム15を制御するための1つのオペレータハンドコントローラ18(
図2)の又はそのセットを含む。入力システムはまた、オプションで、ペダル制御装置24を含む。オペレータハンドコントローラ18及びペダル制御装置24は、患者Pの側面に配置され得る。種々の代替例において、オペレータハンドコントローラ18は、電力及び/又は信号伝送ケーブルによって繋がれてもよく、或いは、繋がれていない/無線であってもよい。他の代替的な実施形態では、オペレータハンドコントローラ18は、手術台Oと同じ部屋に位置し得る外科医のコンソールなどのオペレータのコンソールに配置され得る。
図2に示すように、オペレータハンドコントローラ18は、グリップ入力部20及びトリガスイッチ22などの任意の数の様々な入力デバイスのうちの1つ又は複数を含み得る。入力装置は、例えば、把持ジョーエンドエフェクタを閉じる、電極に電位を印加する、医薬治療を送達する等のために使用され得る。種々の代替において、オペレータ入力システム16は、ジョイスティック装置、トラックボール、データグローブ、トリガガン、手動コントローラ、音声認識装置、タッチスクリーン、身体運動又は存在センサ等を追加的に又は代替的に含み得る。いくつかの実施形態では、オペレータハンドコントローラ18は、外科医又は他の操作者にテレプレゼンス、外科医又は他のオペレータSが、手術部位に存在するかのように、器具を直接制御する強い感覚を有するように、制御装置(複数可)が器具と一体化しているという認識を提供するために、遠隔操作アセンブリの医療器具と同じ自由度を備える。他の実施形態では、オペレータハンドコントローラ18は、関連する医療器具よりも多い又は少ない自由度を有するが、依然として外科医又は他のオペレータにテレプレゼンスを提供し得る。ハンドコントローラ18はここでは、医療システム用に説明されているが、ハンドコントローラ18、又はハンドコントローラ18に類似の他の入力装置は、非医療システムにおいても同様に使用することができる。
【0026】
遠隔操作アセンブリ13は、外科医又は他のオペレータSが患者側又は手術環境内の他の場所から処置を行う間、医療器具システム14を支持及び操作する。患者内の手術部位の画像は、内視鏡イメージングシステム15を向き合わせする(orient)ように遠隔操作アセンブリ13によって操作されることができる、立体内視鏡イメージングシステムなどの内視鏡イメージングシステム15によって得ることができる。一度に使用される医療器具システム14の数は、一般に、他の要因の中でも、診断又は手術処置及び手術室内の空間的制約に依存する。遠隔操作アセンブリ13の各アームは、1つ又は複数のサーボ又は非サーボ制御リンクの運動学的構造を含み得る。遠隔操作アセンブリ13は、医療器具システム14への入力を駆動する複数のモータを含む。これらのモータは、制御システム28からのコマンドに応答して動く。モータは、駆動システムを含み、この駆動システムは、医療器具システム14に結合されるとき、医療器具システム14を自然又は外科的に作られた解剖学的開口に前進させることができる。他のモータ駆動システムは、3自由度の直線運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸に沿った直線運動)及び3自由度の回転運動(例えば、X、Y、Zデカルト軸の周りの回転)を含み得る複数の自由度で、医療器具システム14の遠位端部を動かし得る。加えて、モータは、生検装置等のジョー部で組織を把持するために医療器具システム14の関節動作可能なエンドエフェクタを作動させるために使用することができる。医療器具システム14は、メス、ブラントブレード、針、イメージングセンサ、光ファイバ、電極等のような単一の作業部材を有するエンドエフェクタを含み得る。他のエンドエフェクタは、複数の作業部材を含んでもよく、例としては、鉗子、把持器、はさみ、ハサミ、クリップアプライヤ、ステープラ、双極電気焼灼器などを含む。
【0027】
制御システム28は、医療器具システム14、内視鏡イメージングシステム15、オペレータ入力システム16、ディスプレイシステム26、及び、例えば、ハンドヘルド医療機器システム、追加のイメージングシステム、オーディオシステム、流体送達システム、ディスプレイシステム、照明システム、ステアリング制御システム、洗浄(irrigation)システム、及び/又は吸引システムを含み得る他の補助システムの間の制御を行うために、少なくとも1つのメモリ及び少なくとも1つのプロセッサ、及び典型的には複数のプロセッサを含む。制御システム28はまた、本明細書に開示された態様に従って記載された方法の一部又は全部を実施するためのプログラムされた命令(例えば、命令を記憶するコンピュータ可読媒体)を含む。制御システム28は、
図1の簡略化された概略図において単一のブロックとして示されているが、制御システム28は、処理のある部分がオプションで遠隔操作アセンブリ13において又はそれに隣接して実行され、処理の別の部分がオペレータ入力システム16で実行されるなどの、2つ以上のデータ処理回路を含み得る。様々な実施形態では、制御システム28は、ディスプレイシステム26又は他の周辺機器が取り付けられた電子カート30内に収容され得る。制御システム28は、広範な種類の集中型又は分散型データ処理アーキテクチャのいずれかを用い得る。同様に、プログラムされた命令は、多数の別個のプログラム又はサブルーチンとして実装されてもよく、又は、それらは、本明細書に記載される遠隔操作医療システムの多数の他の態様に統合されてもよい。一実施形態では、制御システム28は、Bluetooth(登録商標)、IrDA、HomeRF、IEEE 802.11、DECT、及び無線テレメトリなどの無線通信プロトコルをサポートする。
【0028】
いくつかの実施形態において、制御システム28は、医療器具システム14からの力及び/又はトルクのフィードバックを受ける1つ又は複数のコントローラを含み得る。フィードバックに応答して、コントローラは、オペレータ入力システム16に信号を送信する。コントローラ(複数可)はまた、体内の開口部を経由して患者の体内の内部手術部位内に延びる医療器具システム14及び/又は内視鏡イメージングシステム15を動かすように遠隔操作アセンブリ13に指示する信号を送信し得る。任意の適切な従来の又は専用のコントローラが使用され得る。コントローラは、遠隔操作アセンブリ13から分離されていてもよく、又は、遠隔操作アセンブリ13と一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ及び遠隔操作アセンブリ13は、患者の身体に隣接して位置決めされる遠隔操作アームの一部として提供される。
【0029】
制御システム28は、内視鏡イメージングシステム15と結合されることができ、ディスプレイシステム26への、外科医のコンソールへの、ローカルに及び/又はリモートに配置された別の適切なディスプレイへの、外科医又は他の人員に対するなどの、後の表示のために取り込まれた画像を処理するためのプロセッサを含むことができる。例えば、立体内視鏡イメージングシステムが使用される場合、制御システム28は、外科医又は他の人員に手術部位の協調立体画像を提示するために、取り込まれた画像を処理することができる。このような協調は、対向する画像間のアライメントを含むことができ、立体内視鏡の立体作動距離を調整することを含むことができる。
【0030】
代替実施形態では、遠隔操作医療システム12は、複数の遠隔操作アセンブリ13及び/又は複数のオペレータ入力システム16を含み得る。遠隔操作アセンブリの正確な数は、とりわけ、手術処置及び手術室内の空間的制約に依存する。オペレータ入力システムは、併置されてもよく、別個の位置に配置されてもよい。複数のオペレータ入力システムは、複数のオペレータが1つ又は複数のマニピュレータアセンブリを種々の組み合わせで制御することを可能にする。
【0031】
図3を参照すると、関節動作可能な遠位部分を持つツールが示されている。示された特定の例では、ツールは医療用ツールであり、したがって、この用途では医療用ツール400と呼ばれる。しかし、上述のように、これらの技術はまた、種々の非医療用途にも適用される。例えば、
図3に示すツールは、工業用ツール、娯楽ツール、ティーチングツール、又は他の非医療用ツールなどの、関節動作可能な遠位部分を持つ非医療用ツールであり得る。いくつかの実施態様において、医療用ツール400は、ハンドヘルド装置である。いくつかの実施態様において、医療用ツール400は、手動で又は取付具(fixture)上若しくは取付具に隣接して配置された入力装置を用いて調節することができる取付具に取り付けられるように設計される。いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、遠隔操作医療システム(例えば、
図1の遠隔操作医療システム12、又は外科医もしくは他のオペレータが外科医のコンソールなどのコンソールを使用して遠隔操作マニピュレータを制御する遠隔操作医療システム)の遠隔操作マニピュレータに動作可能に結合される。
【0032】
図3に示すように、医療用ツール400は、近位端部404及び遠位端部406を有する細長いシャフト402を含む。関節動作可能な遠位部分408は、シャフト402の遠位端部406に配置される。近位ハウジング410が、シャフト402の近位端部404に配置される。医療用ツール400はまた、関節動作可能な遠位部分408の動きを駆動するための作動アセンブリ424を含む。センサシステム422が、シャフト402の動きを感知するために使用され得る。いくつかの実施形態では、センサシステム422は、医療用ツール400に含まれる。例えば、センサシステム422及び作動アセンブリ424は、近位ハウジング410内に配置され得る。さらなる例について、
図3に示すように、センサシステム422及び作動アセンブリ424は、近位ハウジング410の隣のシャフト402上に配置されてもよい。代替的には、いくつかの実施形態では、センサシステム422は、医療用ツール400に含まれない。様々な実施形態では、センサシステム422、作動アセンブリ424、及び近位ハウジング410は、制御システム(例えば、
図1の制御システム28)と通信する。
【0033】
いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、ハンドヘルド装置であり、オペレータは、近位ハウジング410に対して1つ又は複数の自由度でシャフト402の動きを制御するために、その手を使用して近位ハウジング410を動かし得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、遠隔操作医療システム(例えば、
図1の遠隔操作医療システム12、又は外科医もしくは他のオペレータが外科医のコンソールなどのコンソールを使用して遠隔操作マニピュレータを制御する遠隔操作医療システム)の遠隔操作マニピュレータに動作可能に結合される。近位ハウジング410は、医療用ツール400を遠隔操作医療システムの遠隔操作マニピュレータ(例えば、
図1の遠隔操作アセンブリ13に含まれる遠隔操作マニピュレータ)に解放可能に取り付け、インタフェース接続する(interfacing)ために、遠隔操作医療システムに取り外し可能に接続可能であり得る。近位ハウジング410は、近位ハウジング410に対して少なくとも1自由度でシャフト402を動かすために、遠隔操作医療システムからの駆動信号及び/又は動作入力を送信し得る。
【0035】
図3の図示された例では、シャフト402は、医療用ツール400の支点枢動ポイント(fulcrum pivot point)412(
図3のリング412によって示される)を通過し、関節動作可能な遠位部分408は、特徴416、418、及び420に向けられたイメージング装置を含む。リングは、患者の体壁の切開部と同じ位置にある自然の支点枢動ポイントを表す。この支点ポイントは、低侵襲の「キーホール」手術に共通であり、挿入されたハンドヘルド器具の近位端部の動きが器具の先端部及びイメージング装置の反転した遠位端部の動きを生じるため、視点及びビューイング方向(viewing direction)を制御するための多くの課題の発生源である。特徴416、418、及び420は、患者の解剖学的構造内の自然な特徴であり得る。イメージング装置は、視野414を有する。
図3の図示された例では、視野414は三次元のピラミッド状の錐台形を有し、以下の説明ではビューイング錐台(viewing frustum)414と呼ばれる。いくつかの実施形態では、イメージング装置は、2つのイメージング装置を持つ立体イメージング器具であり、イメージング装置のビューイング錐台414は、イメージング装置の各イメージング装置についての三次元ピラミッド状錐台の合計容積である。代替実施形態では、イメージング装置の視野は、円錐台形状、パイのスライス(slice-of-pie)形状、又は他の幾つかの形状を提供することによってなど、視覚化の別の領域を提供し得る。
【0036】
図4A及び4Bは、関節動作可能な遠位部分408の例を示す。
図4Aを参照すると、関節動作可能な遠位部分408は、作動アセンブリ424によって駆動される手首アセンブリ452に結合された装置454を含む部分408aであり得る。手首アセンブリ452は、装置454の遠位先端部468が上又は下及び右又は左に、並びにそれらの組み合わせに向けられるように、ピッチ及びヨー角運動能力を有する。手首アセンブリ452から先端部468への方向470は、関節動作可能な遠位部分408aの遠位方向470と称され得る。手首アセンブリ452の遠位ピッチ/ヨー角は、装置454の向きを制御するためにシャフト402のロールと協調され得る。装置454がイメージング装置である例では、遠位方向470に対して、シャフト402は、イメージング装置454の撮像面の向きを調整するために、その遠位方向470の周りをロールし得る(may roll)。いくつかの実施形態では、装置454は、例えば、光学イメージャ、超音波イメージャ、蛍光透視イメージャ等の電磁イメージャ、熱イメージャ、熱音響イメージャ、及び任意の他の適切なイメージャを含むイメージング装置である。代替的には、いくつかの実施形態では、装置454は、例えば、メス、ブラントブレード、光ファイバ、又は電極などの単一の作業部材を有するエンドエフェクタを含む、エンドエフェクタである。他のエンドエフェクタとしては、例えば、鉗子、把持器、ハサミ、クリップアプライヤを含み得る。
【0037】
図4Bを参照すると、いくつかの実施態様では、関節動作可能な遠位部分408は、手首アセンブリ452及び装置454を含む部分408bを含み、装置454は、ジョー部456及び458を持つエンドエフェクタである。遠位方向470は、ジョー部456及び458が閉じられるときの手首アセンブリ452から遠位先端部468への方向として規定され得る。関節動作可能な遠位部分408はさらに、ジョイントアセンブリ(「ジョイント」とも呼ばれる)460及び462、並びにリンク464及び466を含む。手首アセンブリ452はリンク466に結合される。ジョイントアセンブリ460は、シャフト402とリンク464とを結合し、ジョイントアセンブリ462は、リンク464とリンク466とを結合し、その結果、リンク464は、シャフト402とリンク466が互いに平行である間、ピッチとヨーでジョイントアセンブリ460の周りに旋回し得る。リンク464がピッチ及び/又はヨーでジョイント460の周りを旋回するとき、リンク466は、シャフト402及びリンク466が常に互いに平行に保たれるよう、相補的にジョイント462の周りを旋回するように、ジョイント460及び462は協働して動作する。ジョイントアセンブリ460及び462は、関節動作可能な遠位部分408に少量の並進移動制御を提供し得る。いくつかの実施形態では、ジョイントアセンブリ460及び462は、作動アセンブリ424によって駆動され、制御システム28による装置454への機械的並進安定化を提供するために使用され得る。
【0038】
外科的低侵襲遠隔操作処置の間、外科医(又は他のオペレータ)Sは、内視鏡イメージングシステム15及び/又は他のイメージングシステムによって取り込まれた画像を介して、ディスプレイシステム26上で患者の体内の手術部位を見ることができる。イメージングシステムは、外科医S及び助手Aが自然で最適化されたビューイング体験を達成することを妨げる可能性のある種々の課題を提起する。例えば、助手(又は他の職員)Aによって操作されるハンドヘルドイメージングシステムが、外科医に手術部位の画像を提供するために使用され得る。
図14A及び14Bに関して以下で詳細に説明するように、従来、外科医Sの視野に合わせた画像を提供するために、助手Aは、ハンドヘルドイメージングシステムを外科医Sからの方向で手術部位に向けるために、外科医Sの作業スペースを占有することがある(例えば、外科医Sの腕の下又は外科医Sの胴の周囲に手を置くことによって)。この共通のワークスペースの共有は、不便且つ不快である場合があり、ハンドヘルドイメージングシステムと外科医との間又はハンドヘルドイメージングシステムと他のツールとの間の衝突の可能性を増大させ可能性がある。さらに、このような例では、外科医Sがビューの変更を要求するときに、外科医Sと助手Aとの間の口頭コミュニケーションが必要である。
【0039】
別の課題は、イメージングシステムの近位端部の動きが、イメージングシステムによって提供される視野の破壊、不安定性、及び見当識障害を引き起こす場合があることである。イメージングシステムの近位端部は、様々な理由で動くことがある。例えば、イメージングシステムの近位端部は、外科医(又は他のオペレータ)Sの他の医療器具との外部衝突を回避するために横方向に(例えば、左右に)動かされることがある。近位端部は、人間工学的な理由から(例えば、助手(又は他の人員)Aの手で)ロールされることがある。近位端部は、助手Aの意図しない動きのために、押されることがある。いくつかの例では、近位端部は、外科医Sが様々な距離及び方向から領域又は物体を観察できるように、動かされることがある(例えば、引っ込められ、旋回され、挿入される)。このような近位端部の動きは、熟練した助手Aが良好に協調した方法で操作を行うことを必要とし得る。たとえそうであっても、(例えば、上方、下方、又は側方から/側方を見る)異なる視野方向間の移行の体験は、方向をわからなくさせ、混乱を起こさせる可能性がある。ある外科医は、視野の不安定性及びそのような立体内視鏡イメージングシステムに関連付けられる向きを維持することの困難さのために、立体内視鏡イメージングシステムによって与えられる深さ知覚の強化の利点をなしで済ませる。さらに別の課題は、外科医が、これらのイメージングシステムを使用して、患者の手術部位の角の周囲を見ることが困難であることである。
【0040】
図5は、これらの課題に対処する関節動作可能な遠位部分を持つツール(例えば、医療用ツール400)を制御するための方法500を示す。方法500は、医療用ツール400に関連するこの用途の一部において説明されている。しかし、方法500によって例示された技術は、他の医療用ツール又は非医療用ツールと関連して使用することもできる。方法500は、動作又はプロセス502乃至512のセットとして
図5に示されている。図示されたプロセス502乃至512の全てが、方法500の全ての実施形態で実施されるわけではない。加えて、
図5に明示的に示されていない1つ又は複数のプロセスが、プロセス502乃至512の前、後、間、又はその一部として含まれてもよい。いくつかの実施形態において、プロセスの1つ又は複数は、少なくとも部分的に、1つ又は複数のプロセッサ(例えば、制御システムのプロセッサ)によって実行されるとき、1つ又は複数のプロセッサにプロセスの1つ又は複数を実行させ得る、非一時的、有形、機械可読媒体に記憶された実行可能コードの形態で実装され得る。
【0041】
方法500に示されるように、医療用ツール400は、例えば、プロセス502、504、506、及び512によって提供されるターゲット追跡モード、プロセス508及び512によって提供される手動制御モード、並びにプロセス510及び512によって提供されるオペレータ操縦モードを含む異なるモードで実行することができる。1より多いモード(例えば、ターゲット追跡モード及びオペレータ操縦モード)は、医療用ツール400において同時に使用可能にされ得る。
【0042】
様々な実施形態では、オペレータは、オペレータ入力システム16を使用して(例えば、特定のボタンを押すことによって)、特定のモードを有効又は無効にすることができる。例えば、オペレータは、オペレータ入力システム16を使用してターゲット追跡モードを無効にすることができる。このような例では、制御システム28は、シャフトの動きに応答してターゲット(例えば、ターゲット組織、他のターゲット物体、又は他のターゲット領域)に向けられる関節動作可能な遠位部分408の向きを維持するために、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御しない。内視鏡の関節動作可能な遠位部分を制御することによって、様々な実施形態の様々な利点が達成され得る。いくつかの実施形態の1つの利点は、関節動作可能な遠位部分はターゲットに向けられたままであることができることである。いくつかの実施形態の別の利点は、1つ又は複数のターゲットが視野内に保持されることである。いくつかの実施形態のさらに別の利点は、ワールド内のイメージング装置の遠位ロール向きが保存され得ることである。いくつかの実施形態のさらに別の利点は、イメージング装置の位置又は向きにおける一時的な外乱が除かれることである。
【0043】
プロセス502、504、506、及び512を参照すると、ターゲット追跡モードで動作する場合、医療用ツール400の近位ハウジング410が動かされると、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408がターゲットに向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分408を制御する。一例では、近位ハウジング410の動きを連続的にモニタし、関節動作可能な遠位部分408の向き及び/又は位置をそれに応じて制御することによって、この操作は、異なる距離及び方向からターゲット(例えば、ターゲット組織、他のターゲット物体、又は他のターゲット領域)を安定して、連続的に、且つ正確に向けられた指向を提供する。具体的な例として、関節動作可能な遠位部分408がイメージャを含む場合、この技術は、異なる距離及び方向からのビューイングターゲットをイメージングするために、安定化され、連続し、正確に向きを決められたビューを提供する。
【0044】
プロセス502において、制御システム28は、医療用ツール400のための患者の解剖学的構造におけるターゲット(例えば、ターゲット組織、ターゲット物体、ターゲット領域など)を決定する。いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、イメージング装置を含み、ターゲットは、医療用ツール400のそのイメージング装置によって取り込まれた画像に基づいて選択され得る。代替的には、いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、イメージング装置を含まず、ターゲットは、別の医療用ツールによって取り込まれた画像に基づいて選択され得る。
【0045】
プロセス502の間、オペレータは、手術部位内のターゲットを決定するためにターゲティング機能を実行し得る。近位ハウジング410は、シャフト402の動き及びそしてそれによってイメージング装置によって取り込まれてオペレータに提供されるビューを制御するために(例えば、オペレータの手によって又は遠隔操作マニピュレータによって)動かされ得る。
【0046】
図6A及び6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、ツール(例えば、医療用ツール400)の関節動作可能な遠位部分408の装置454は、イメージング装置であり、オペレータは、イメージング装置のビューイングフレーム内のターゲットをそのイメージング装置によって取り込まれる画像データセットから選択し得る。
図6A乃至6Cは、医療用ツール400に関連して、本出願の一部で説明される。しかし、これらの図によって例示された技術は、他の医療用ツールに関連して又は非医療用ツールに関連して使用することもできる。
【0047】
図6Aは、関節動作可能な遠位部分408に含まれるイメージング装置によって提供され、ディスプレイシステム26に表示される患者の解剖学的構造におけるビュー602を示す。ビュー602は、特徴416、418、及び420を含み、特徴420は、ビュー602の中心領域604に位置する。オペレータは、特徴420がビュー602の中心領域604に現れるときに、ターゲティング機能(例えば、
図1のオペレータ入力システム16上のボタンを押すことによって)を実行し、それによって、特徴420をターゲットとして選択することができる。
図6Bを参照すると、いくつかの例において、オペレータは、ターゲットとしてビューの中心領域に位置しない特徴を選択してもよい。
図6Bに示されるのは、関節動作可能な遠位部分408に含まれるイメージング装置によって取り込まれ、ディスプレイシステム26に表示される患者の解剖学的構造のビュー606である。ビュー606は、特徴416、418、及び420を含む。
図6Bの図示された例では、オペレータはターゲット領域608を描き(例えば、オペレータ入力システム16を使用することによって)、ターゲティング機能のためにターゲット領域608を提示する(submits)。次いで、制御システム28は、ターゲット領域608に基づいて、特徴420をターゲット(次いで、ターゲット420と称され得る)として決定し得る。
【0048】
図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408は、イメージング装置に含まれなくてもよい。そのような実施形態では、オペレータは、別の医療用ツール(例えば、
図1の内視鏡イメージングシステム15、蛍光透視イメージャによって提供されるリアルタイム蛍光透視画像、超音波イメージャによって提供されるリアルタイム画像など)によって提供されるビューに基づいてターゲットを選択し得る。
図6Cは、イメージング装置(例えば、内視鏡イメージングシステム15)によって取り込まれ、例えば、ディスプレイシステム26上に表示された患者の解剖学的構造内のビュー610を提供する。ビュー610は、特徴416、418、及び420と、医療用ツール400の遠位端部406と、遠位端部406に結合された関節動作可能な遠位部分408aとを含む。ビュー610に基づいて、オペレータは、装置454が特徴420に向けられていることを決定することができる(例えば、特徴420は、関節動作可能な遠位部分408aの遠位方向470に沿う)。次いで、オペレータは、ターゲティング機能(例えば、オペレータ入力システム16を使用して)を実行することができ、これは、特徴420をターゲットとして選択する。
【0049】
いくつかの態様において、ターゲティング機能は、患者の解剖学的構造における特徴(例えば、腫瘍、血管など)に対する装置454のターゲット方向(target orientation)を選択するために実行され得る。このような実施形態では、制御システム28は、装置454が特徴に対してターゲット方向を維持するように、近位端部の動きに応答して関節動作可能な遠位部分408を制御し得る。
【0050】
様々な実施形態において、ターゲティング機能は、立体内視鏡イメージング装置又はモノスコピック内視鏡イメージング装置を用いて実施され得る。立体内視鏡イメージング装置が使用される例では、制御システム28は、較正されたカメラモデルとのステレオ相関を使用することによって、ターゲットの三次元(3D)位置を決定し得る。いくつかの実施形態では、制御システム28は、イメージング装置によって提供される画像を処理して(例えば、スケール不変特徴変換(SIFT)アルゴリズムを使用して)、画像内の局所的特徴(例えば、特徴416、418、420)を検出し得る。このような局所的特徴は、フレーム間で連続的に追跡され得る。加えて、画像における局所的特徴の使用は、(例えば、外科医又は他のオペレータによって操作される医療器具システムによって)組織及び臓器が操作されるとき、医療用ツール400が、ビュー内で、組織及び臓器を追跡することを可能にする。
【0051】
図5に戻って参照すると、方法500は、制御システム28が医療用ツール400のシャフト402の動きを決定するプロセス504に進み得る。いくつかの実施形態において、制御システム28は、センサシステム422によって提供される情報に基づいて、シャフト402の動きを決定し得る。センサシステム422は、例えば、慣性測定ユニット(IMU)、電磁センサ、光学追跡システム、画像追跡システム、ハイブリッドセンサシステム、他の適切なセンサシステム、及びそれらの組み合わせを含む1つ又は複数のセンサを含み得る。いくつかの実施態様において、医療用ツール400は、遠隔操作医療システムの遠隔操作マニピュレータに結合される。そのような実施形態では、センサシステムは、医療用ツール400に結合された遠隔操作マニピュレータのエンコーダを含み得る。
【0052】
様々な実施形態では、センサシステム422の異なるタイプのセンサが、シャフト402及びターゲット420に対して異なる位置に配置され得る。
図3を参照すると、一例では、IMUが、シャフト402の近位端部404に配置される。IMUは、ターゲット420に対するシャフト402の近位ハウジング410の動き(例えば、直線運動、角運動)を追跡するように構成される。
【0053】
別の例では、センサシステム422は、画像追跡システムを含み、画像追跡システムは、関節動作可能な遠位部分408の装置454を含み、装置454は、イメージング装置である。制御システム28は、画像追跡システムから複数の画像を受信し、複数の画像におけるターゲットの特徴抽出及び分析を実行し得る。一例では、複数の特徴(例えば、特徴416、418、及び420)が、画像から抽出され、複数の画像内のターゲットの分析は、画像内の他の抽出された特徴に対してターゲットを追跡し得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、画像追跡システムは、ターゲットに対する遠位端部406の姿勢に関する情報を提供することができ、これは、ターゲットに対する手術座標空間内の関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御するために制御システム28によって使用され得る。このような実施形態では、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408がターゲットに向けられたままであるように関節動作可能な遠位部分408を制御することができ、シャフト402は、剛性(rigid)シャフト、実質的に剛性シャフト、又は可撓性シャフトであり得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、制御システム28は、センサシステムを使用せずに、シャフト402の動きを決定する。このような実施態様では、医療用ツール400は、遠隔操作医療システムの遠隔操作マニピュレータに結合され、遠隔操作マニピュレータは、シャフトの動きの制御のために構成される。制御システム28は、遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行される1つ又は複数のコマンドに基づいて、シャフト402の動きを決定し得る。代替的には、いくつかの実施形態では、制御システム28は、センサシステム及び医療用ツール400に結合された遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行された1つ又は複数のコマンドの両方に基づいて、シャフト402の動きを決定する。
【0056】
図5に戻って参照すると、オプションで、方法500は、プロセス506に進み得る。プロセス506において、制御システム28は、センサシステム422によって提供される情報を使用して、デジタル画像安定化、機械的画像安定化、又はそれらの組み合わせによって、医療用ツール400によって取り込まれる画像を安定させることができる。いくつかの例では、医療用ツール400は、立体内視鏡イメージングシステムである。このような例では、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御することによって機械的画像安定化を実行し得る。一例では、制御システム28は、並進機械的安定化(translational mechanical stabilization)を提供するために、
図4Bのジョイントアセンブリ460及び462を制御し得る。一例では、制御システム28は、回転機械的安定化を提供するために、
図4A及び4Bの手首アセンブリ452を制御し得る。
【0057】
いくつかの例では、医療用ツール400は、モノスコピック内視鏡イメージングシステムである。そのような例では、上述した立体内視鏡イメージングシステムで実行されるものと実質的に類似した機械的画像安定化に加えて、制御システム28は、センサシステム422によって提供される情報に基づいて、デジタル画像安定化を実行し得る。一例では、IMUは振動に敏感であり、制御システム28は、IMUによって提供される感知情報に基づいてデジタル画像安定化を実行し得る。
【0058】
再び
図5を参照すると、方法500は、プロセス512に進むことができ、そこでは、シャフト402の動き情報を含む信号に応答して、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408がターゲット420に向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御する。いくつかの例では、関節動作可能な遠位部分408は、ターゲット420の方に向けられたままであり、ターゲットはビューイング錐台414の向き802に関連付けられるビューイング方向に沿って留まる。いくつかの例では、関節動作可能な遠位部分408は、ターゲット420の方へ向けられたままであり、ビューイング錐台414は、ターゲット420又はターゲット420の中心を囲むように留まる。このような例では、ターゲット420は常にビューの中心領域にあるとは限らない。いくつかの例では、関節動作可能な遠位部分408は、ターゲット420に向けられたままであり、ターゲットは、関節動作可能な遠位部分408の遠位方向470に沿うように留まる。
【0059】
図7は、位置702-1、702-2、702-3、及び702-4を通って移動する近位端部の動き700に応答してターゲット追跡モードで動作するツール(例えば、医療用ツール400)の例を示す。位置702-1及び702-4は、それぞれ近位端部の開始位置及び終了位置であり、位置702-2及び702-3は、近位端部の2つの中間位置である。制御システム28は、シャフト402の動きを連続的にモニタする。シャフト402の動きの決定に応答して、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408がターゲット420の方に向けられたままであるように、関節動作可能な遠位部分408を連続的に制御する。制御システム28は、これらのコマンドに従って(例えば、
図4A及び4Bの手首アセンブリ452、
図4Bのジョイントアセンブリ460及び462を駆動することによって)関節動作可能な遠位部分408の動きを駆動する作動アセンブリ424にコマンドを送信し得る。
【0060】
図7の例は、制御システム28によるそのような連続的なモニタリング及び制御を示す。医療用ツール400の近位端部は、位置702-1から始まり、そこでは、関節動作可能な遠位部分408aはターゲット420に向けられたビューイング錐台414-1を有する。次いで、医療用ツール400の近位端部は、位置702-2に移動する。制御システム28は、(例えば、センサシステム422、医療用ツール400に結合された遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行されたコマンド、又はそれらの組み合わせに基づいて)そのような動きによって引き起こされるシャフト402の動きを決定し、作動アセンブリ424を使用して、関節動作可能な遠位部分408の動き(例えば、ピッチ及び/又はヨー)を駆動し、その結果、関節動作可能な遠位部分408は、ターゲット420に向けられたビューイング錐台414-2を有するようになる。同様に、医療用ツール400の近位端部が位置702-3に動くことを決定した後、関節動作可能な遠位部分408は、それがターゲット420に向けられたビューイング錐台414-3を有するように制御される。同様に、医療用ツール400の近位端部が位置702-4に移動することを決定した後、関節動作可能な遠位部分408は、それがターゲット420に向けられるビューイング錐台414-4を有するように制御される。いくつかの実施態様において、ターゲット420は、ビューイング錐台414-1、414-2、414-3及び414-4の各々の中心にある。
図7に示されるように、近位端部の動き700の間、関節動作可能な遠位部分408のビューイング錐台は、ターゲット420に向けられたままである。
【0061】
センサシステム422が画像追跡システムを含む例では、制御システム28は、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408のイメージング装置から画像フィードバックを受信し、関節動作可能な遠位部分408の動きを制御するように画像ベースのビジュアルサーボ(visual servoing)を実行するビジュアルコントローラを含む。任意の他の適切な従来型又は専用のコントローラが使用され得る。
【0062】
様々な実施形態では、関節動作可能な遠位部分408の遠位自由度は、所定の基準面に対するビューのロール向きを維持しながら、関節動作可能な遠位部分408をターゲット420に向けられた状態に保つように制御される。このようなとき、医療用ツール400によって提供されるビューは、基準面と同じ高さである(to be level with the reference plane)ことを保つ。いくつかの実施形態では、基準面は水平面であるか、又は手術環境における手術台Oのテーブル上面に基づいて決定される。代替的には、いくつかの実施形態では、基準面は、(例えば、オペレータ入力システム16を使用する)オペレータからの入力に基づいて決定される。例えば、オペレータは、ディスプレイシステム26に表示された特定の画像に基づいて、(例えば、オペレータ入力システム16を使用する)基準面選択機能を実行することができ、その特定の画像は、所望の基準面と同じ高さである。この例では、制御システム28は、その特定の画像に基づいて基準面を決定し得る。別の例では、オペレータは、ターゲティング機能を実行して、ディスプレイシステム26上に表示された特定の画像に基づいてターゲットを選択することができ、制御システム28は、ターゲットを選択するために使用された特定の画像に基づいて基準面を決定することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ターゲット追跡モード及び同じ高さに維持されるビューを提供することは、助手(又は他の人員)Aが、外科医Sの作業空間の外側の(例えば、外科医(又は他の人員)Sと手術台Oを挟んで向かい合う)位置でハンドヘルド医療用ツール400を操作することを可能にする。しかし、これらの実施形態では、シャフト402及び関節動作可能な遠位部分408は、外科医の作業方向と反対の方向(医療用ツール400の接近方向とも呼ばれる)から患者の解剖学的構造に近づき得る。いくつかの例では、外科医の作業方向は、(例えば、外科医が患者Pの脇に位置する手術環境において)手術部位に対する外科医の胴体の向きと整合する(aligns with)。いくつかの例において、外科医の作業方向は、(例えば、外科医が手術部位のビューを表示するヘッドマウントディスプレイシステムを装着する外科環境において)表示システムに対する外科医の頭部及び/又は眼の方向と整合する。医療用ツール400は、たとえシャフト402及び関節動作可能な遠位部分408が外科医の作業方向とは異なる方向から患者の解剖学的構造に近づいたとしても、画像が(上下反転の代わりに)直立である(upright)こと、同じ高さにされる(leveled)こと、及び外科医の視点からのものと一致する左から右の順序を有することを確実にするように、(例えば、制御システム28及び/又は助手Aによって)制御され得る。一例では、助手A(例えば、
図12の助手A1)は、外科医Sに対向して立っており、シャフト402及び関節動作可能な遠位部分408は、外科医の作業方向とは反対の方向から患者の解剖学的構造に近づく。この例では、医療用ツール400は、医療用ツール400によって提供される画像において、特徴の左から右の順序が(左右反転の代わりに)外科医Sの視点と一致することを確実にするように(例えば、制御システム28又は助手Aによって)制御される。いくつかの例において、直立し、同じ高さにされ、左右反転ではない特徴を含むそのようなビューは、近位ハウジング410を制御(例えば、引き込め、挿入、回転、旋回)することにより達成され得る。いくつかの例において、このようなビューは、
図12に関して以下に詳細に説明する、制御システム28によって、向き802に関連付けられるビューイング方向を外科医の作業方向と整合させることによって達成され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、医療用ツール400は、医療用ツール400のイメージング装置によって取り込まれる画像が、医療用ツール400の接近方向に関係なく、同じ高さで、直立し、そして所望の左から右の順序を有するように、種々の基準面(例えば、高さ(level)基準面)及び基準方向(例えば、直立(upright)基準方向、左から右への基準方向)に基づいて、(例えば、制御システム28を使用して、向き802に関連付けられるビュー方向を制御することによって)制御される。例えば、医療用ツール400は、画像が高さ基準面(例えば、水平面、手術環境内の手術台Oのテーブル上面、オペレータによって選択された面)と同じ高さになるように制御される。さらなる例に関して、医療用ツール400は、画像が直立基準方向(例えば、高さ基準平面に直立な方向、オペレータによって選択された方向)に対して直立(例えば、上下に整合)するように制御される。さらなる例に関して、医療用ツール400は、画像の左から右への順序が左から右への基準方向(例えば、高さ基準面に平行な方向、オペレータによって選択された方向)と整合するように制御される。いくつかの実施形態では、基準面及び方向は、外科医(又は他の人員)Sの作業方向に基づいて決定される。代替的には、いくつかの実施形態では、基準面及び方向は、(例えば、オペレータ入力システム16を使用する)オペレータからの入力に基づいて決定される。例えば、オペレータは、特定の画像がディスプレイシステム26に表示されるとき、基準選択機能(例えば、オペレータ入力システム16を使用する)を実行し得る。次いで、制御システム28は、その特定の画像に基づいて基準面及び方向を決定し得る。
【0065】
図8Aを参照すると、位置702-1に配置されたツール(例えば、医療用ツール400)が示されている。上述したように、関節動作可能な遠位部分408は、ビューイング錐台414-1がターゲット420に向けられた向き802を有するように制御される。いくつかの例では、向き802に関連付けられたビューイング方向は、遠位方向470と同じであり得る。
図8Bには、
図1のディスプレイシステム26に表示され得る、ビューイング錐台414-1の画像804が示されている。
図8Bに示すように、ターゲット420は、画像804の中心領域604内にあり、手術環境のグラウンドと同じ高さである。さらに、画像804では、ターゲット420並びにその隣接する特徴416及び418は直立しているように見える。
図8A及び8Bの例の実施において、オペレータは、外科医であるとともにシャフト402の近位端部404に位置し、8Bの画像内の特徴の左から右への順序は、オペレータの作業方向に対する特徴と同じである。代替的には、オペレータが外科医のために医療用ツール400を操作する助手である例では、近位ハウジング410が調節され、関節動作可能な遠位部分408の姿勢は、8Bの画像の特徴の左から右の順序が外科医の作業方向の視点から表示されるように、変えられる。
【0066】
図9A及び9Bを参照すると、シャフト402の近位ハウジング410が位置702-4に移動した後、関節動作可能な遠位部分408は、ビューイング錐台414-4がターゲット420に向けられた向き802を有するように制御される。
図9Bに示されるのは、
図1のディスプレイシステム26に表示され得る、ビューイング錐台414-4の画像902である。
図9Bに示すように、ターゲット420は、画像902の中心領域604内にあり、手術環境のグラウンドと同じ高さである。さらに、ターゲット420並びにその隣接する特徴416及び418は、画像902内で直立したままである。
図9A及び9Bの例の実施において、オペレータは、外科医であるとともにシャフト402の近位端部404に位置し、9Bの画像内の特徴の左から右の順序は、オペレータの作業方向に対する特徴の左から右の順序に整合される。代替的には、オペレータが外科医のために医療用ツール400を操作する助手である例では、近位ハウジング410は、9Bの画像内の特徴の左から右の順序が外科医の作業方向の視点から表示されるように調整される。
【0067】
イメージング装置を含む関節動作可能な遠位部分408が
図7、
図8A、
図8B、
図9A、及び
図9Bにおいて一例として使用されているが、関節動作可能な遠位部分408の装置454は、エンドエフェクタ又は任意の他の装置であり得ることに留意されたい。一例では、ターゲット追跡モードでは、制御システム28は、エンドエフェクタがターゲットに向けられたままであるように、近位端部の動きに応答して関節動作可能な遠位部分408を制御し得る。別の例では、オペレータは、制御システム28に、エンドエフェクタのための患者の解剖学的構造の特徴に対するターゲット方向を提供し得る。このような例では、制御システム28は、エンドエフェクタが特徴に対するターゲット方向(例えば、血管に対して垂直)を維持するように、近位端部の動きに応答して関節動作可能な遠位部分408を制御し得る。
【0068】
図7、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bは、医療用ツール400などの医療用ツールに関連して本出願の一部で説明されているが、これらの図に示されている技術は、他の医療用ツールに関連して、又は非医療用ツールに関連して使用され得ることもできることにも留意されたい。
【0069】
図5を再び参照すると、上述のように、プロセス508及び512において、医療用ツール400は、手動制御モードで動作し得る。プロセス508において、制御システム28は、オペレータが遠位向き調整要求(distal orientation adjustment request)を実行したか否かを決定する(例えば、患者Pの脇に又は外科医のコンソールなどのオペレータコンソールに配置されたオペレータ入力システム16を使用することによって)。プロセス512において、オペレータが遠位向き調整要求を実行したことの決定に応答して、制御システム28は、遠位向き調整要求に基づいて、関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御する。手動制御モードでは、制御システム28は画像の水平レベルを維持し、一方、ビュー方向(例えば、ビューイング錐台414の向き802)は、オペレータによって手動で変更され(例えば、オペレータ入力システム16を使用)、そのようなとき、異なるビュー方向間の移行中の画像は、直立したままである。
【0070】
様々な実施形態では、制御システム28は、オペレータ入力システム16を介してオペレータによって実行される遠位向き調整要求を受信し得る。遠位向き調整要求は、新しいビュー方向のための操縦入力(例えば、現在のビュー方向と比較した左/右方向の第1の距離、及び上/下方向の第2の距離を提供することによる)を含み得る。関節動作可能な遠位部分408のピッチ/ヨー自由度は、遠位向き調整要求に従って変えられることができるが、シャフト402は、ターゲット(複数可)が画像内で常に直立して見えるように、先端ロールを操縦する。ビュー方向のこのような変化は、ピッチ、ヨー、及びロールの自由度の協調運動を必要とする。制御システム28は、画像座標フレームを用いて画像中心方式(image-centric manner)で操縦入力をマッピングし、次いで、結果は、関節動作可能な遠位部分408の対応するピッチ/ヨージョイント運動に逆マッピングされる。制御システム28は、それらのピッチ/ヨージョイント運動に基づいて(例えば、作動アセンブリ424を使用することによって)、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御する。
【0071】
図10A、10B、11A、及び11Bを参照すると、ここに示されているのは、手動制御モードの下でビュー方向が変更される前後の医療用ツール400である。
図10A、10B、11A、及び11Bは、医療用ツール400のような医療用ツールに関連して本出願の一部で説明されているが、これらの図に示されている技術はまた、他の医療用ツールに関連して又は非医療用ツールに関連しても使用され得ることに留意されたい。
【0072】
図10Aは、本明細書に記載される差異以外は、
図9Aと実質的に同様である。
図10Aに示されるように、特徴416、420、及び418の隣に位置する追加の特徴1002、1004、及び1006がある。
図10Bは、特徴416、418、及び420を含む、ビューイング錐台414-4の画像1008を示す。ターゲット420から特徴1002に対応する位置にビュー方向を変更するための遠位向き調整要求を受信した後、制御システム28は、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御する。
【0073】
図11Aを参照すると、プロセス512が遠位向き調整要求に応答して実行された後の医療用ツール400が示されている。
図11Aの図示の例では、シャフト402の近位端部は、位置702-4にとどまり、一方、関節動作可能な遠位部分408は、そのビューイング錐台414-5が、特徴1002に向けられた向き802を有するように制御されている。
図11Bは、ビューイング錐台414-5の画像1102を示し、特徴1002、1004、1006は、画像1102内で直立して見える。このようなアプローチを用いることにより、異なるビュー方向間の移行中の画像は、常にワールド内で直立したままである。
【0074】
図5を再び参照すると、上述したように、医療用ツール400は、プロセス510及び512によって提供されるように、オペレータ操縦モード下で動作し得る。このようなオペレータ操縦モードは、外科医(又は他のオペレータ)に、ビューを制御する(例えば、胴体、頭部、又は目を動かすことによって)ハンズフリーの方法を提供し、医療用ツール400を操作している助手との言語コミュニケーションの中断又は必要なしに、より大きな空間を視覚的に探索する。
【0075】
プロセス510において、追跡システムは、外科医の作業方向を追跡するように構成される。いくつかの例では、追跡システムは、例えば、外科医の頭、眼(複数可)、及び胴体を含む外科医の身体の少なくとも一部を追跡するように構成される。代替実施形態では、追跡システムは、外科医によって操作されるツールの挿入方向(例えば、腹腔鏡器具のシャフト方向)を追跡するように構成される。追跡システムによって取り込まれる追跡情報は、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408を制御するために使用される外科医の作業方向(例えば、ビュー方向、胴体方向、ツール挿入方向)を決定するために使用され得る。様々な実施形態では、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408の先端が、外科医の作業方向と整合するように制御されることができ、これは、医療用ツール400のシャフト402が外科医によって操作されるツールと比べてターゲットに対する異なるアプローチ方向を有する場合に特に有用である。
【0076】
図12を参照すると、ここに示されているのは、以下に説明されている相違を除いて、
図1の環境10と実質的に同様の手術タイプの医療環境1200である。手術環境1200では、外科医(又は他の人員)Sに対向する助手(又は他の人員)A1が、医療用ツール400の近位ハウジング410を保持しており、ここで、医療用ツール400は内視鏡イメージングシステムである。ディスプレイシステム26は、医療用ツール400によって取り込まれた手術部位の画像を提示し得る。助手A1は、医療用ツール400によって取り込まれる画像を制御するために、医療用ツール400の近位ハウジング410を動かし得る。助手A1はまた、医療用ツール400の一次オペレータとも称され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、追跡システム1202は、外科医Sの身体の少なくとも一部を追跡するために使用され、追跡情報は、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408を制御するために、その後のプロセスにおいて使用され、それによって、医療用ツール400によって取り込まれ、ディスプレイシステム26に表示されるビューを制御する。このような追跡システム1202を使用することによって、外科医Sは、自分の身体を動かすことによって、医療用ツール400によって取り込まれるビューを制御し得る。外科医Sは、医療用ツール400の二次オペレータと称され得る。追跡システム1202を使用することによって、医療用ツール400は、一次オペレータA1及び二次オペレータSによって制御され得る。一実施形態では、一次オペレータA1が、医療用ツール400の近位ハウジング410を動かすことによって、医療用ツール400によって提供されるビューの粗い制御を実行し得る一方、二次オペレータSは、追跡システム1202を使用して、医療用ツール400によって提供されるビューの精密な制御を実行し得る。
【0078】
図12の例において、環境1200は、環境1200の空間容積1204内の物体又はマーカを検出する追跡システム1202を含む。この実施形態では、追跡システム1202は、光学追跡システムであり得るが、種々の代替実施形態では、音響、電磁、IMU、又はハイブリッド追跡システムなどの他の追跡システムが使用され得る。いくつかの実施形態において、光学追跡システムは、外科医Sの身体を追跡するほかに複数の用途を有し得る。例えば、追跡システム1202は、手の動きを追跡するため又は画像位置合わせのためにも使用され得る。別の例として、追跡システム1202はまた、医療用ツール400などの医療用ツールのシャフトの動きを追跡するために使用され得る。シャフトの動きは、例えば、シャフトの近位の医療用ツールの近位部分を追跡し、医療用ツールの近位部分の追跡データを、シャフトを近位部分に関連付ける他の情報と組み合わせることなどによって、間接的に追跡され得る。そのような他の情報の例は、形状センサ又は他のセンサデータ、及び運動学的情報及びモデルを含む。
【0079】
図12の実施形態では、追跡システム1202は、ディスプレイの前方の空間容積1204を追跡するためにディスプレイシステム26に取り付けられる。追跡システム1202は、空間容積1204内のマーカを追跡して、外科医Sの身体の方向を決定し得る。代替実施形態では、追跡システムは、手術環境1200のどこかに取り付けられることができ、ディスプレイシステム位置座標と追跡システムの座標との間の変換を使用して、ディスプレイシステム26に対するマーカ又は物体の位置及び向きを決定し得る。代替実施形態では、追跡システムは、ヘッドマウント式ウェアラブルデバイス、カメラ、又は外科医の頭部に結合された(例えば、外科医によって装着された)他のセンサを含むことができ、それは、外科医の頭部及び/又は眼の動きを、手術環境1200内の既知の位置を持つ静止マーカ又は可動マーカに対して追跡する。代替実施形態では、ディスプレイシステム26は、手術環境1200内に固定された又は既知の仮想投影面を有する仮想表示システムであり得る。
【0080】
図12は、追跡システム1202によって追跡され得る光学マーカ1206のセットを装着する外科医Sを示す。この実施形態では、マーカ1206は、外科医Sが着用した衣服に強固に取り付けられている。いくつかの実施形態では、追跡システム1202によって追跡されるマーカは、外科医Sの身体の自然の部分(例えば、外科医Sの眼の瞳又は輝点、外科医Sの鼻の外縁、外科医Sの口の外縁、外科医Sの顎の最下点など)に対応する自然のマーカを含む。いくつかの実施形態では、追跡システム1202によって追跡されるマーカは、外科医Sが着用するフェイスマスクに強固に取り付けられたマーカを含み、これは、外科医Sの頭の向きを追跡するために使用され得る。いくつかの実施形態では、マーカは、立体ディスプレイで使用されるパッシブ偏光眼鏡などの眼鏡に取り付けられた基準マーカを含む。外科医Sの顔、頭、及び胴体の輪郭などの他のマーカもまた、追跡システム1202によって追跡され得る。
【0081】
再び
図5の方法500を参照すると、プロセス510において、1つ又は複数のマーカ(自然のランドマーク又は人工マーカを含む)の追跡が、外科医(又は他のオペレータ)Sの胴体、頭、顔、眼、視線又は他の身体部分の位置及び向きを推定するために使用され得る。位置及び向きは、外科医Sの作業方向を計算するために使用され得る。外科医Sの作業方向は、例えば、胴体の向き、頭の向き、視線方向、又はそれらの組み合わせに基づいて計算され得る。
【0082】
方法500は、プロセス512に進むことができ、その間、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408の姿勢は、追跡システム1202によって提供される外科医の検出された動きに応答して制御される。
【0083】
いくつかの実施形態において、制御システム28は、外科医の動きを決定することができ、これは、(例えば、ディスプレイシステム又は手術部位に対する)外科医Sの作業方向の変化を引き起こす。次に、制御システム28は、外科医の検出された動きに基づいて、関節動作可能な遠位部分408の姿勢を制御する。一例では、関節動作可能な遠位部分408の姿勢は、ビューイング錐台414の向きが外科医Sの作業方向に整合するように制御される。
【0084】
いくつかの実施態様において、関節動作可能な遠位部分408の手首アセンブリ452の遠位ピッチ/ヨージョイントが可動範囲限度に近づくにつれて、制御システム28は、医療用ツール400の近位ハウジング410を対応する方向に移動させるように、近位ハウジング410上で助手Aに指示を与える。いくつかの実施形態では、助手Aへのこのような指示は、近位ハウジング410上の光(例えば、発光ダイオード(LED)光)の配置を使用して提供され得る。代替的には、近位ハウジング410は、助手Aに対して方向の合図(directional cues)を触覚的に与え(haptically render)得る。助手Aは、次いで、指示に従って近位端部を移動させ得る。
【0085】
図13を参照すると、ここに示されているのは、制御システム1400(例えば、
図1、3、12の例又はそれらの一部のための制御システム28)の一例である。制御システム1400は、オペレータ(例えば、助手A)の(例えば、医療用ツール400の近位端部404の)動きによって命令されるように、医療用ツール400の関節動作可能な遠位部分408の移動を制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、制御システム1400は、(例えば、センサシステム422からの入力に基づいて)関節動作可能な遠位部分408のジョイントに関する実際の状態推定値(例えば、姿勢、速度)を生成する実際のジョイント状態推定器1402を含む。制御システム1400は、さらに、(例えば、オペレータによって提供されるターゲットに基づいて)関節動作可能な遠位部分408のジョイントに関する所望のジョイント状態を生成するための所望のジョイント状態発生器1404を含む。制御システム1400のジョイントコントローラ1406は、実際の状態推定値及びそれらのジョイントの所望のジョイント状態に基づいて、関節動作可能な遠位部分408のジョイントを制御し得る。近位出力ユニット1408は、関節動作可能な遠位部分408のジョイントが可動範囲限度に近づくことを検出し、医療用ツール400の近位ハウジング410を特定の方向に移動させるための指示をオペレータに(例えば、近位ハウジング410上で)提供し得る。
【0086】
図13に示すように、いくつかの実施形態では、実際のジョイント状態推定器1402は、順運動学及びセンサ融合ユニット1410並びにマニピュレータヤコビアンユニット1412を含む。順運動学及びセンサ融合ユニット1410は、医療用ツール400のセンサシステム(例えば、センサシステム422)から、近位端部情報(例えば、近位端部404の位置、向き、速度)を受信し得る。順運動学及びセンサ融合ユニット1410は、ジョイントコントローラ1406から、関節動作可能な遠位部分408のジョイント(例えば、
図4Aのジョイント452、
図4Bのジョイント452、460、及び462)のジョイント状態情報をさらに受信し得る。順運動学及びセンサ融合ユニット1410は、順運動学及びセンサ融合を用いて、近位端部情報及び/又はジョイント状態情報に基づいて、関節動作可能な遠位部分408のジョイントの実際のジョイント状態推定値を生成し得る。いくつかの例では、関節動作可能な遠位部分408のジョイントの実際のジョイント状態推定値は、マニピュレータヤコビアンユニット1412によって提供されるジョイント速度と先端速度との間のマニピュレータヤコビアンに基づいて決定される。
【0087】
いくつかの実施形態では、所望のジョイント状態発生器1404は、オペレータによって選択されたターゲット(例えば、ターゲット点、ターゲット方向平面)に関するターゲット情報を受信し、受信したターゲット情報を関節動作可能な遠位部分408の手首アセンブリ452の基準フレームに変換し、手首アセンブリ452の基準フレームでの変換されたターゲット情報を提供するように構成された変換ユニット1414を含む。所望の先端の向きユニット1416は、変換ユニット1414からの変換されたターゲット情報に基づいて、遠位先端468の所望の向きを決定する。所望のジョイント状態ユニット1418は、逆運動学を使用して、所望の先端の向きに基づいて所望のジョイント状態を決定し得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、ジョイントコントローラ1406は、実際のジョイント状態推定器1402から実際の結合状態推定値を受信し、所望のジョイント状態発生器1404から所望のジョイント状態を受信し、実際のジョイント状態推定値及び所望のジョイント状態に基づいて(例えば、比較器によって生成された実際のジョイント状態推定値と所望のジョイント状態との間の差に基づいて)、関節動作可能な遠位部分408のジョイントを制御し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、近位出力ユニット1408は、関節動作可能な遠位部分408のジョイントが可動範囲限度に近づいたことを検出した後に、医療用ツールの近位端部(例えば、近位ハウジング)上でオペレータに指示を提供し得る。
図13の例では、近位出力ユニット1408は、ジョイント動作限度検出器1420を含む。ジョイント動作限度検出器1420は、関節動作可能な遠位部分408のジョイントが、実際のジョイント状態推定器1402からの実際のジョイント状態推定値及び/又は所望のジョイント状態発生器1404からの所望のジョイント状態に基づいて、可動範囲限度に近づくことを検出し得る。遠位から近位への動作限度マッピングユニット1422が、ジョイント動作限度検出器1420から遠位ジョイント動作限度検出を受信し、遠位ジョイント動作限度(例えば、第1の方向の動作限度)を近位端部動作限度(例えば、第1の方向に対応する第2の方向の動作限度)にマッピングし得る。近位指示ユニット1424は、遠位から近位への動作限度マッピングユニット1422から近位端部動作限度を受信することができ、近位端部動作限度に基づいて医療用ツール400の近位ハウジング410を動かすように近位ハウジング410上で助手Aに指示を提供する。いくつかの実施形態では、助手Aへのこのような指示は、近位ハウジング410上の光(例えば、発光ダイオード(LED)光)の配置を使用して提供され得る。代替的には、近位ハウジング410は、助手Aに対して方向の合図を触覚的に与え得る。助手Aは、次いで、指示に従って近位端部を移動させ得る。
【0090】
図14A、14B、15A、及び15Bを参照すると、従来のイメージングツールと、関節動作可能な遠位部分を持つイメージングツール(例えば、ツール400)とを使用することの間の比較が図示されている。
図14A及び14Bは、助手によって操作される従来のイメージングツールと外科医によって操作されるツールとの間の干渉、及び助手が外科医の作業方向から外科医のために手術部位のビューを提供するためにイメージングツールを操作するときの助手と外科医との間の干渉を示す。
図15A及び15Bに示すように、関節動作可能な遠位部分を持つイメージングツール(例えば、ツール400)を使用することによって、このような干渉は、助手によって保持された撮像ツールが外科医の作業方向とは異なる方向から接近することを可能にする一方で、依然として外科医の作業方向からの手術部位のビューを提供することによって改善される。
【0091】
図14Aを参照すると、ここに示されているのは、以下に説明する相違を除いて、
図1の環境10と実質的に同様の手術タイプの医療環境1450である。手術環境1450では、外科医(又は他の職員)Sの脇に立っている助手(又は他の職員)A1が、医療用ツール1452の近位ハウジングを保持しており、ここで、医療用ツール1452は内視鏡イメージングシステムである。ディスプレイシステム26は、医療用ツール1452によって取り込まれた手術部位の画像を提示し得る。
図14Bに示すように、医療用ツール1452は、遠位端部1453を有するシャフト1454を含む。遠位端部1453におけるイメージング装置1455は、ビュー方向1460からの手術部位1462のビューを提供し得る。
【0092】
外科医Sの作業方向に整合した外科医Sのための手術部位のビューを提供するために、助手A1は、(例えば、外科医Sの前に手を伸ばし、外科医Sの腕/胸部の近く/下又は外科医Sの胴体の周囲に手を置くことによって)外科医Sの作業空間を占有してハンドヘルドイメージングシステムを外科医Sからの方向に向ける可能性が有る。この共通の作業空間の共有は、不便且つ不快である可能性があり、ハンドヘルドイメージングシステム1452と外科医との間又はハンドヘルドイメージングシステムと他のツール(例えば、ツール1456がシャフト1458を含む場合、外科医Sによって保持されるツール1456)との間の衝突の可能性を増大させる。さらに、このような例では、外科医Sがビューを変更することを要求するときに、外科医Sと助手A1との間の口頭コミュニケーションが必要である。
【0093】
図15A及び15Bを参照すると、関節動作可能な遠位部分を持つイメージングツール(例えば、ツール400)を使用することによって、助手A1は、外科医Sから離れて(例えば、外科医Sに対向して)立つことができ、助手A1によって保持されるイメージングツール400は、(例えば、ツール1456を保持する)外科医Sの作業方向とは異なる方向から接近することができる。
図15Bに示されるように、イメージングツール400の関節動作可能な遠位部分408の先端部468におけるイメージング装置454は、ビュー方向470からの手術部位1462のビューを提供し得る。イメージングツール400の関節動作可能な遠位部分408を制御することによって、ビュー方向470は、
図14Bのビュー方向1460と同じになるように調節されることができ、それによって、外科医Sの作業方向からの手術部位のビューを提供する。従って、関節動作可能な遠位部分を持つイメージングツール400を使用することによって、助手A1によって操作されるイメージングツール400が別の方向から手術部位に近づいている間に、外科医Sの作業方向からの手術部位のビューが提供され得る。
【0094】
本発明の実施形態における1つ又は複数の要素は、制御処理システムなどのコンピュータシステムのプロセッサ上で実行するためにソフトウェアで実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、本発明の実施形態の要素は、本質的に、必要なタスクを実行するためのコードセグメントである。プログラム又はコードセグメントは、伝送媒体又は通信リンクを介して搬送波に具現化されたコンピュータデータ信号によってダウンロードされ得るプロセッサ可読記憶媒体又はデバイスに記憶することができる。プロセッサ可読記憶デバイスは、光媒体、半導体媒体、及び磁気媒体を含む情報を記憶することができる任意の媒体を含み得る。プロセッサ可読記憶デバイスの例は、電子回路、半導体デバイス、半導体メモリデバイス、読取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、フロッピーディスケット、CD-ROM、光ディスク、ハードディスク、又は他の記憶デバイスを含む。コードセグメントは、インターネット、イントラネットなどのコンピュータネットワークを介してダウンロードされ得る。
【0095】
提示されるプロセス及びディスプレイは、本質的に特定のコンピュータ又は他の装置に関連しないことに留意されたい。種々の汎用システムを、本明細書の教示に従ったプログラムと共に使用することができ、又は、記載された動作を実行するためのより特殊化された装置を構築することが便利であることがわかるかもしれない。様々なこれらのシステムに必要な構造は、請求項の要素として現れる。加えて、本発明の実施形態は、特定のプログラミング言語を参照して記載されていない。本明細書に記述されるように、本発明の教示を実装するために、様々なプログラミング言語が使用され得ることが理解される。
【0096】
本発明の特定の例示的な実施形態が説明されるとともに添付の図面に示されているが、当業者には様々な他の変更が生じ得るので、このような実施形態は、広範な本発明を単に例示するものであり、限定するものではないこと、及び本発明の実施形態は、図示及び説明された特定の構成及び配置に限定されないことが理解されるべきである。
【0097】
次の付記を記す。
(付記1) 近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用ツールと;
1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットであって:
医療環境内のターゲットを決定し、前記関節動作可能な遠位部分が前記ターゲットの方へ向けられ;
前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定し;
前記の決定された第1の動きに応答して、前記関節動作可能な遠位部分が前記ターゲットに向けられたままであるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御する;
ように構成される、処理ユニットと;
を有する、
システム。
(付記2) 前記の決定された第1の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の動きを駆動するように、前記医療用ツールに結合される作動アセンブリをさらに有する、
付記1に記載のシステム。
(付記3) 前記作動アセンブリは、前記シャフトの前記近位端部に位置する、
付記2に記載のシステム。
(付記4) 前記医療用ツールに結合されるとともにシャフト動作の制御のために構成された遠隔操作マニピュレータと;
前記処理ユニットと通信するセンサシステムであって、前記第1の動きを決定するように構成され、前記遠隔操作マニピュレータに含まれたセンサを含む、センサシステムと;
をさらに有する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記5) 前記センサシステムは:
慣性測定ユニット;又は
電磁センサ;又は
光学追跡システム;又は
画像追跡システムであって、前記処理ユニットは、前記画像追跡システムから複数の画像を受信し、前記複数の画像において前記ターゲットの特徴抽出及び分析を実行するように、さらに構成される、画像追跡システム;
を含む、
付記4に記載のシステム。
(付記6) 前記医療用ツールに結合されるとともにシャフト動作の制御のために構成された遠隔操作マニピュレータ、をさらに有し、
前記処理ユニットは:
前記遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行されたコマンドに基づいて前記シャフトの前記少なくとも一部の前記第1の動きを決定するように構成される、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記7) 前記医療用ツールは、前記ターゲットの画像を取り込むためのイメージング装置を含み、前記処理ユニットは、前記イメージング装置によって取り込まれた前記ターゲットの前記画像を表示するようにさらに構成され、前記ターゲットの表示される前記画像は、基準面に対して同じ高さにある、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記8) 前記基準面は水平面である、
付記7に記載のシステム。
(付記9) 前記基準面は、前記医療環境の手術台のテーブル上面に基づく、
付記7に記載のシステム。
(付記10) 前記処理ユニットは:
オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づいて前記基準面を決定するようにさらに構成される、
付記7に記載のシステム。
(付記11) 前記医療用ツールは、前記ターゲットの画像を取り込むためのイメージング装置を含み、前記処理ユニットは、前記イメージング装置によって取り込まれた前記ターゲットの前記画像を表示するようにさらに構成され、前記ターゲットの前記画像は、基準方向に対して直立している、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記12) 前記処理ユニットは:
オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づいて前記基準方向を決定するようにさらに構成される、
付記11に記載のシステム。
(付記13) 前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御することは、基準面に対する前記ターゲットのロール向きを維持することを含む、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記14) 前記基準面は水平面である;又は
前記基準面は、前記医療環境の手術台のテーブル上面に基づく;又は
前記処理ユニットは:オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づいて前記基準面を決定するようにさらに構成される、
付記13に記載のシステム。
(付記15) オペレータの身体の少なくとも一部を追跡するように構成された追跡システムをさらに有し、
前記処理ユニットは:
前記オペレータの身体の前記少なくとも一部の第2の動きを検出し;
前記オペレータの身体の前記少なくとも一部の検出された前記第2の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御する;ようにさらに構成される、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記16) 前記オペレータの身体の少なくとも一部は、前記オペレータの身体の頭、1つ又は複数の眼、及び胴体からなるグループから選択された部分を含む、
付記15に記載のシステム。
(付記17) 前記処理ユニットは:
前記オペレータの身体の胴体の向きの変化を検出し;
前記胴体の前記向きの前記変化に応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御する;ようにさらに構成される、
付記15に記載のシステム。
(付記18) 前記追跡システムは:
光学追跡システム;又は
電磁追跡システム;又は
前記オペレータによって装着されるように構成されるヘッドマウント式ウェアラブルデバイス;
を有する、
付記15に記載のシステム。
(付記19) 前記処理ユニットは:オペレータが遠位向き調整要求を実行したか否かを決定するようにさらに構成され;
前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御することは、前記オペレータが前記遠位向き調整要求を実行したことの決定にさらに基づく、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記20) 前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御することは、前記関節動作可能な遠位部分の向きを制御することを含む、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記21) 前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御することは、前記関節動作可能な遠位部分の並進移動を制御することを含む、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記22) 前記シャフトは剛性シャフトである、
付記1に記載のシステム。
(付記23) 前記シャフトは可撓性シャフトである、
付記1に記載のシステム。
(付記24) 前記シャフトの前記遠位端部に結合されるとともに前記処理ユニットと通信するセンサシステムであって、前記ターゲットの画像を取り込むイメージング装置を含む、センサシステムをさらに有する、
付記22又は23に記載のシステム。
(付記25) 前記医療用ツールは、シャフト動作の手動制御のために構成された近位ハウジングを含む、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記26) 前記処理ユニットは、:
オペレータによって提供される入力に基づいて前記ターゲットを決定するようにさらに構成される、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記27) 前記医療用ツールは、前記ターゲットの画像を取り込むためのイメージング装置を含み、
前記処理ユニットは、前記画像を処理して前記ターゲットの位置を決定するようにさらに構成される、
付記1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
(付記28) 前記イメージング装置は、立体内視鏡イメージング装置を含み、前記処理ユニットは:
前記画像を処理して前記ターゲットの3次元位置を決定するようにさらに構成される、
付記27に記載のシステム。
(付記29) 前記処理ユニットは:
前記関節動作可能な遠位部分が動作限度に達したことを決定し、
前記近位端部に位置する近位ハウジングを使用して、前記動作限度に対応する方向に前記近位ハウジングを動かすことについてオペレータに指示を提供する、
付記1に記載のシステム。
(付記30) 近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、医療用イメージングツールと;
1つ又は複数のプロセッサを含む処理ユニットであって、前記処理ユニットは:
前記医療用イメージングツールの視野内のビューイングターゲットを決定し;
前記シャフトの動きを決定し、
前記の決定されたシャフトの動きに応答して、前記ビューイングターゲットが前記医療用イメージングツールの視野内に留まるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御する;
ように構成される、処理ユニットと;
を有する、
システム。
(付記31) 医療環境内のターゲットを決定するステップであって、前記医療環境には、医療用ツールが含まれ、前記医療用ツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含み、前記関節動作可能な遠位部分は前記ターゲットに向けられる、ステップと;
前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定するステップと;
前記の決定された第1の動きに応答して、1つ又は複数のプロセッサにより、前記関節動作可能な遠位部分が前記ターゲットに向けられたままであるように前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するステップと;を含む、
方法。
(付記32) 前記の決定された第1の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の動きを駆動するステップをさらに含む、
付記31に記載の方法。
(付記33) 前記医療用ツールに結合された遠隔操作マニピュレータを使用してシャフト動作を制御するステップと;
センサシステムを使用して前記第1の動きを決定するステップであって、
前記センサシステムは、前記遠隔操作マニピュレータに含まれたセンサを含む、ステップと;
をさらに含む、
付記31に記載の方法。
(付記34) 前記センサシステムに含まれる画像追跡システムから複数の画像を受信するステップ;をさらに含み、
前記第1の動きを決定するステップは:前記複数の画像において前記ターゲットの特徴抽出及び分析を実行するステップを含む、
付記33に記載の方法。
(付記35) 遠隔操作マニピュレータを駆動するために発行されたコマンドに基づいて前記第1の動きを決定するステップをさらに含み、前記遠隔操作マニピュレータは、前記医療用ツールに結合されるとともにシャフト動作の制御のために構成される、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記36) 前記医療用ツールに含まれるイメージング装置を使用して前記ターゲットの画像を取り込むステップと;
基準面を決定するステップと;
前記ターゲットの前記画像が前記基準面に対して同じ高さにあるように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記37) 前記基準面は、水平面である;又は
前記基準面は、前記医療環境の手術台のテーブル上面に基づく;又は
前記基準面は、オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づく、
付記36に記載の方法。
(付記38) 前記医療用ツールに含まれるイメージング装置を使用して前記ターゲットの画像を取り込むステップと;
基準方向を決定するステップと;
前記ターゲットの前記画像が前記基準方向に対して直立しているように前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記39) 前記基準方向は、オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づく、
付記38に記載の方法。
(付記40) 前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップは、基準面に対する前記ターゲットのロール向きを維持するステップを含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記41) 前記基準面は、水平面である;又は
前記基準面は、前記医療環境の手術台のテーブル上面に基づく;又は
前記基準面は、オペレータによって選択された前記ターゲットの第1の画像に基づく、
付記40に記載の方法。
(付記42) オペレータの身体の少なくとも一部の第2の動きを検出するステップと;
前記オペレータの身体の前記少なくとも一部の検出された前記第2の動きに応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記43) オペレータの身体の胴体の向きの変化を検出するステップと;
前記胴体の前記向きの前記変化に応答して前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記44) オペレータが遠位向き調整要求を実行したか否かを決定するステップと;
前記オペレータが前記遠位向き調整要求を実行したことの決定にさらに基づいて、前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記45) 前記関節動作可能な遠位部分の前記姿勢を制御するステップは:
前記関節動作可能な遠位部分の向き及び並進移動を制御するステップと;
前記関節動作可能な遠位部分の並進移動を制御するステップと;
を含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記46) 前記ターゲットの画像に基づいて前記第1の動きを決定するステップをさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記47) 前記医療用ツールに結合された遠隔操作マニピュレータを使用してシャフト動作を制御するステップをさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記48) 前記ターゲットの画像を取り込むことによって、オペレータによって提供される入力に基づいて前記ターゲットを決定するステップと;
前記ターゲットの位置を決定するために前記画像を処理するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記49) 前記関節動作可能な遠位部分が動作限度に達したことを決定するステップと;
前記近位端部に位置する近位ハウジングを使用して、前記動作限度に対応する方向に前記近位ハウジングを動かすことに対してオペレータに指示を提供するステップと;
をさらに含む、
付記31乃至34のいずれか1項に記載の方法。
(付記50) 医療用イメージングツールの視野内のビューイングターゲットを決定するステップであって、前記医療用イメージングツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含む、ステップと;
前記シャフトの動きを決定するステップと;
前記の決定された前記シャフトの動きに応答して、前記ビューイングターゲットが前記医療用イメージングツールの前記視野内に留まるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するステップと;を含む、
方法。
(付記51) 1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに方法を実行させるように構成された、複数の機械可読命令を含む非一時的な機械可読媒体であって、前記方法は:
医療環境内のターゲットを決定するステップであって、前記医療環境には、前記1つ又は複数のプロセッサに関連付けられた医療用ツールが含まれ、前記医療用ツールは、近位端部及び遠位端部を有するシャフトと、前記シャフトの前記遠位端部に結合された関節動作可能な遠位部分とを含み、前記関節動作可能な遠位部分は前記ターゲットに向けられる、ステップと;
前記シャフトの少なくとも一部の第1の動きを決定するステップと;
前記の決定された第1の動きに応答して、前記関節動作可能な遠位部分が前記ターゲットに向けられたままであるように、前記関節動作可能な遠位部分の姿勢を制御するステップと;を含む、
非一時的な機械可読媒体。
(付記52) 1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、前記1つ又は複数のプロセッサに付記31乃至50のいずれか1項に記載の方法を実行させるように構成された複数の機械可読命令を含む非一時的な機械可読媒体。
【外国語明細書】