IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スピンシェル株式会社の特許一覧

特開2023-107999レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム
<>
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図1
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図2
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図3
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図4
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図5
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図6
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図7
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図8
  • 特開-レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023107999
(43)【公開日】2023-08-03
(54)【発明の名称】レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 15/00 20180101AFI20230727BHJP
【FI】
G16H15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098644
(22)【出願日】2023-06-15
(62)【分割の表示】P 2021535416の分割
【原出願日】2020-07-30
(31)【優先権主張番号】62/880,659
(32)【優先日】2019-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】516218786
【氏名又は名称】スピンシェル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】金田 宏
(57)【要約】
【課題】ユーザが精子の状態をより容易に把握することが可能なレポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステムを提供する。
【解決手段】ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信する動画受信部と、前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させる動画処理部と、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、を備える、レポーティング装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信する動画受信部と、
前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させる動画処理部と、
前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、
前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、
を備える、レポーティング装置。
【請求項2】
前記動画受信部は、前記ユーザの1つの識別情報に関して少なくとも1つの前記動画を前記ユーザ端末から受信し、
前記動画処理部は、前記動画受信部が受信する少なくとも1つの前記動画を前記培養士端末に表示させ、
前記レポート情報受信部は、前記動画処理部によって前記培養士端末に表示された前記動画の数に応じた前記レポート情報を前記培養士端末から受信する、
請求項1に記載のレポーティング装置。
【請求項3】
前記レポート情報は、前記ユーザの精子の状態を示すパラメータ情報と、前記パラメータ情報に基づく前記培養士の所見とを含み、
前記動画処理部によって複数の前記動画が前記培養士端末に表示された場合、
前記レポート情報受信部は、前記動画ごとの前記パラメータ情報と、複数の前記動画に対する前記培養士の所見とを含む前記レポート情報を受信する、
請求項1又は請求項2に記載のレポーティング装置。
【請求項4】
前記培養士の所見は、複数の前記動画に基づく全体所見と、WHO(World Health Organization)の基準値に基づく所見とを含む、
請求項3に記載のレポーティング装置。
【請求項5】
動画受信部が、ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信することと、
動画処理部が、前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させることと、
レポート情報受信部が、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信することと、
レポート情報処理部が、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させることと、
を含む、レポーティング方法。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信する動画受信部と、
前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させる動画処理部と、
前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、
前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、
として機能させる、レポーティングプログラム。
【請求項7】
レポーティング装置と、ユーザ端末と、培養士端末とを備える、レポーティングシステムであって、
前記レポーティング装置は、
ユーザの精子が撮像された動画を前記ユーザ端末から受信する動画受信部と、
前記動画受信部で受信された動画を前記培養士端末に表示させる動画処理部と、
前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、
前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、
を備え、
前記ユーザ端末は、
前記動画を取得する動画取得部と、
前記動画取得部によって取得された前記動画を前記レポーティング装置へ送信する動画送信部と、
前記レポート情報を表示する第1の表示部と、
を備え、
前記培養士端末は、
前記動画を表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示された動画に基づき前記培養士によって入力される前記レポート情報を取得するレポート情報取得部と、
前記レポート情報取得部によって取得された前記レポート情報を前記レポーティング装置へ送信するレポート情報送信部と、
を備える、
レポーティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステムに関する。
本願は、2019年7月31日に、米国に出願された米国仮出願62/880,659に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
近年、晩婚化、高齢出産化、生活習慣の変化等の要因によって、不妊に悩む男女が増加している。不妊の原因の1つとして、男性の精子に異常が生じていることが挙げられる。精子に異常があるか否かの検査は、専門の医療機関で行うことができる。精子の検査を行うためには、精子を採取して病院へ提出する必要がある。また、精子の検査には時間と費用もかかる。そのため、精子の検査を気軽に行えず、精子の異常の発見が遅れる場合があった。そこで、精子の検査を自宅等で気軽に行える技術が各種提案されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、精液の拡大像を撮影可能なツールを用いてスマートフォンのカメラで精子の動画を撮像し、当該動画をスマートフォンから外部サーバへ送信すると、外部サーバが当該動画に基づき検査を行い、検査結果がスマートフォンへ送信される技術が開示されている。当該技術では、検査の結果として、例えば精子の濃度、運動率等の数値が算出される 。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6045738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術にて算出される数値から、専門家ではないユーザが自身の精子に異常があるか否かを判定し、精子の状態を把握することは困難である。そこで、数値で示される結果だけでなく、当該数値に対する専門家の所見も提供されることで、ユーザが精子の状態をより容易に把握できることが望まれる。
【0006】
上述の課題を鑑み、本開示の目的は、ユーザが精子の状態をより容易に把握することが可能なレポーティング装置、レポーティング方法、レポーティングプログラム、及びレポーティングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係るレポーティング装置は、ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信する動画受信部と、前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させる動画処理部と、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様に係るレポーティング方法は、動画受信部が、ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信することと、動画処理部が、前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させることと、レポート情報受信部が、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信することと、レポート情報処理部が、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させることと、を含む。
【0009】
本開示の一態様に係るレポーティングプログラムは、コンピュータを、ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末から受信する動画受信部と、前記動画受信部で受信された動画を培養士端末に表示させる動画処理部と、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、として機能させる。
【0010】
本開示の一態様に係るレポーティングシステムは、レポーティング装置と、ユーザ端末と、培養士端末とを備える、レポーティングシステムであって、前記レポーティング装置は、ユーザの精子が撮像された動画を前記ユーザ端末から受信する動画受信部と、前記動画受信部で受信された動画を前記培養士端末に表示させる動画処理部と、前記培養士端末に表示された前記動画に基づき、前記ユーザの精子が培養士によって分析された結果を示すレポート情報を前記培養士端末から受信するレポート情報受信部と、前記レポート情報受信部で受信された前記レポート情報を前記ユーザ端末に表示させるレポート情報処理部と、を備え、前記ユーザ端末は、前記動画を取得する動画取得部と、前記動画取得部によって取得された前記動画を前記レポーティング装置へ送信する動画送信部と、前記レポート情報を表示する第1の表示部と、を備え、前記培養士端末は、前記動画を表示する第2の表示部と、前記第2の表示部に表示された動画に基づき前記培養士によって入力される前記レポート情報を取得するレポート情報取得部と、前記レポート情報取得部によって取得された前記レポート情報を前記レポーティング装置へ送信するレポート情報送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、ユーザが精子の状態をより容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】レポーティングシステムの構成の一例を示す図である。
図2】精子の動画の撮像方法の一例を示す図である。
図3】レポートの一例を示す図である。
図4】ユーザ端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5】サーバの機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】培養士端末の機能構成の一例を示すブロック図である。
図7】精子の動画がサーバに登録されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】精子の動画の登録後からレポート情報がサーバに登録されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9】レポート情報の登録後からレポートがユーザ端末に表示されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、培養士がユーザの精子の状態を分析し、分析結果を示すレポートをユーザに提供するレポーティングシステムに関する。培養士は、不妊治療の現場で体外受精などの生殖補助医療を担う医療従事者である。培養士は、精子の定量的・定性的な分析の専門家でもある。本実施形態のレポーティングシステムでは、ユーザが自身の精子の様子を撮影した動画をシステムにアップロードする。培養士は、ユーザがアップロードした動画からユーザの精子の状態を分析する。培養士は、分析結果に基づき、レポートに表示されるレポート情報を作成し、作成したレポート情報をシステムにアップロードする。そして、ユーザは、システムにアップロードされたレポート情報に基づき出力されるレポートを確認することで、自身の精子の状態を把握することができる。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態について詳しく説明する。
【0014】
図1は、本開示の実施形態に係るレポーティングシステムの構成の一例を示す図である。本実施形態のレポーティングシステム1は、図1に示すユーザ端末10、サーバ20、及び培養士端末30を備える。
【0015】
ユーザ端末10は、ユーザが操作する端末である。ユーザ端末10は、例えば、スマートフォンによって実現される。ユーザ端末10は、ネットワークNWを介して、サーバ20と通信可能に接続されている。なお、ユーザ端末10を実現する端末は、精子の動画を撮像可能なカメラを備える端末であれば、スマートフォンに限定されない。例えば、ユーザ端末10は、タブレット端末、PC(Personal Computer)等の端末によって実現されてもよい。なお、カメラは、各端末に内蔵されていてもよいし、各端末に外部接続されていてもよい。また、ユーザ端末10に搭載されるOS(Operating System)は、ユーザ端末10の種類に応じて、例えば、Android(登録商標)、iOS(登録商標)、Windows(登録商標)、MacOS(登録商標)等のいずれのOSであってもよい。なお、OSの種類は、かかる例に限定されない。
【0016】
ユーザは、ユーザ端末10を操作して、ユーザの精子の動画を撮像する。例えば、ユーザは、自身の精子の状態を培養士に分析してもらうためのキットとユーザ端末10のフロントカメラ12を用いて、精子の動画の撮像を行う。
当該キットには、例えば、観察ルーペ、レポート申込用のシリアルコード 、目盛り付き計量管、採取カップ、採取スティック、及び両面シールが含まれている。観察ルーペは、ユーザの精子を拡大して撮像するためのものである。レポート申込用のシリアルコードは、ユーザを識別するための情報(ユーザの識別情報の一例)である。目盛り付き計量管は、ユーザの精液の量を計量するためのものである。採取カップは、ユーザが採取した精液を入れる容器である。採取スティックは、ユーザが採取した精液を観察ルーペに付着させるためのものである。両面シールは、観察ルーペをユーザ端末10のフロントカメラ12に固定するためのものである。
【0017】
ここで、図2を参照して、本開示の実施形態に係る精子の動画の撮影方法の一例について説明する。図2は、本開示の実施形態に係る精子の動画の撮影方法の一例を示す図である。図2には、キットを用いて精子の動画を撮影する方法が示されている。
まず、ユーザは、採取カップに精液を採取する。採取後、ユーザは、採取した精液が液状化するまで10~20分ほど精液を置いておく。ユーザは、両面シールを用いて、図2に示すようにユーザ端末10のフロントカメラ12上に観察ルーペ40を固定する。採取した精液が液状化したら、採取スティック42を用いて、観察ルーペ40のレンズ41に精液を付着させる。この状態でフロントカメラ12を起動すると、フロントカメラ12は、観察ルーペによって拡大された精子を撮像することができる。また、ユーザ端末10のタッチスクリーン14には、フロントカメラ12に撮像された精子の様子が表示される。これにより、ユーザは、自身の精子の様子を観察することができる。また、ユーザは、ユーザ端末10を操作して精子の動画の撮影を開始することで、精子の動画を撮影することができる。
【0018】
ユーザは、撮影した精子の動画をサーバ20にアップロード(登録)する。例えば、ユーザは、Webアプリケーションを介して、撮影した精子の動画をサーバ20にアップロードする。具体的に、ユーザは、ユーザ端末10上でWebブラウザを起動し、WebアプリケーションのURL(Uniform Resource Locator)を指定することで、Webアプリケーションにアクセスする。そして、ユーザは、予め登録したログイン情報を用いてWebアプリケーションにログインする。ログイン後、ユーザは、精子の動画をサーバ20へアップロードするための操作を入力する。ユーザ端末10は、ユーザから精子の動画のアップロード操作を入力されると、ネットワークNWを介して、精子の動画をサーバ20へ送信する。
【0019】
なお、本実施形態では、ユーザは、1つのシリアルコードに対して複数の動画(例えば3つまで)をアップロードすることができる。複数の動画がアップロードされている場合、培養士は、動画ごとの分析結果と、複数の動画に対する総合的な分析結果とを含むレポート情報を作成する。ユーザが動画を1つだけアップロードした場合に、当該動画が偶然にも状態の悪い精子の動画であると、培養士は、悪い結果を示すレポート情報を作成せざるを得ない。結果、ユーザは、悪い結果を示すレポートを得ることになる。一方、ユーザが複数の動画をアップロードした場合、培養士は、各動画を比較して総合的に判断したレポート情報を作成できる。例えば、ユーザが採取日の異なる動画を2つあるいは3つアップロードした場合に、その内の1つの動画が偶然にも状態の悪い精子の動画であったとしても、他の動画の精子の状態が良い場合、ユーザは、総合的によい結果を示すレポートを得られる場合もある。即ち、ユーザは、複数の動画をアップロードすることで、分析対象となるサンプル数が増えるため、自身の精子の状態をより正確に示すレポートを得ることができる。
【0020】
また、ユーザは、レポートをユーザ端末10に表示させる。例えば、ユーザは、Webアプリケーションを介して、レポートをユーザ端末10に表示させる。具体的に、ユーザは、Webアプリケーションにログインし、レポートを表示するための操作を入力する。ユーザ端末10は、ユーザからレポートの表示操作を入力されると、ネットワークNWを介して、レポートを出力させる要求をサーバ20へ送信する。当該要求を受信したサーバ20は、レポートを出力し、Webアプリケーションを介してレポートを培養士端末30 に表示させる。
レポートには、例えば、ユーザの精子の状態を示すパラメータ情報と、パラメータ情報に基づく培養士の所見とがレポート情報として表示される。パラメータ情報は、具体的に、精液量、精子濃度、精子運動率、総精子数、総運動精子数等の情報を含む。培養士の所見は、具体的に、複数の動画に基づく全体所見、WHO(World Health Organization)の基準値に基づく所見等の情報を含む。
【0021】
ここで、図3を参照して、本開示の実施形態に係るレポートの一例について説明する。図3は、本開示の実施形態に係るレポートの一例を示す図である。図3には、ユーザによって2つの動画がアップロードされた場合のレポートの例が示されている。
図3に示すようにレポート50の領域A1には、レポートのアップロード日とシリアルコードが表示されている。領域A2には、各動画に関するパラメータ情報が表示されている。領域A2-1には、1つ目の動画に関するパラメータ情報が表示されている。領域A2-2には、2つ目の動画に関するパラメータ情報が表示されている。領域A3には、全体所見が表示されている。領域A4には、WHOの基準値に基づく所見が表示されている。
【0022】
サーバ20は、レポーティングに関する管理を行う装置である。本実施形態に係るサーバ20は、レポーティング装置の一例である。サーバ20は、例えば、PCによって実現される。サーバ20は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10及び培養士端末30と通信可能に接続されている。例えば、サーバ20は、ネットワークNWを介して、ユーザ端末10から送信される精子の動画を受信する。サーバ20は、受信した精子の動画をユーザの識別情報と関連付けて記憶する。記憶後、サーバ20は、ネットワークNWを介して培養士端末30から受信する要求に応じて、記憶している精子の動画を再生し、培養士端末30に表示させる。また、サーバ20は、ネットワークNWを介して、培養士端末30から送信されるレポート情報を受信する。サーバ20は、受信したレポート情報をユーザの識別情報と関連付けて記憶する。記憶後、サーバ20は、ネットワークNWを介してユーザ端末10から受信する要求に応じて、記憶しているレポート情報をレポートとしてユーザ端末10に表示させる。
【0023】
培養士端末30は、培養士が操作する端末である。培養士端末30は、例えば、PCによって実現される。培養士端末30は、ネットワークNWを介して、サーバ20と通信可能に接続されている。なお、培養士端末30を実現する端末は、PCに限定されない。例えば、培養士端末30は、スマートフォン、タブレット端末等の端末によって実現されてもよい。
培養士は、培養士端末30を操作して、ユーザの精子の動画を培養士端末30に表示させる。例えば、培養士は、Webアプリケーションを介して、サーバ20に精子の動画を再生させ、再生された動画を培養士端末30に表示させる。具体的に、培養士は、培養士端末30上でWebブラウザを起動し、WebアプリケーションのURLを指定することで、Webアプリケーションにアクセスする。そして、培養士は、予め登録したログイン情報を用いてWebアプリケーションにログインする。ログイン後、培養士は、分析対象の動画を培養士端末30に表示するための操作を入力する。培養士端末30は、培養士から精子の動画の表示操作を入力されると、ネットワークNWを介して、分析対象の動画を再生させる要求をサーバ20へ送信する。当該要求を受信したサーバ20は、分析対象の動画を再生し、Webアプリケーションを介して再生中の動画を培養士端末30に表示させる。培養士は、培養士端末30に表示されている動画に基づき、ユーザの精子の状態を分析する。
分析後、培養士は、分析結果を示すレポート情報をサーバ20にアップロードする。例えば、培養士は、Webアプリケーションを介して、レポート情報をサーバ20にアップロードする。具体的に、培養士は、Webアプリケーションにログインし、レポート情報をサーバ20へアップロードするための操作を入力する。培養士端末30は、培養士からレポート情報のアップロード操作を入力されると、ネットワークNWを介して、レポート情報をサーバ20へ送信する。
【0024】
以上説明したように、ユーザは、スマートフォン等のユーザ端末10とキットを用いて自身の精子の動画を撮影し、当該動画をネットワーク経由でサーバ20へアップロードすることで、自宅にいながら精子の分析を受けることができる。これにより、ユーザが通院や郵送によって医療機関へ精子を提出する手間を省くことができる。また、キットの費用は、通院にかかる費用よりも安価な場合がある。この場合、ユーザは、当該キットを用いて精子の分析を受けることで、通院によって精子の分析を受ける場合よりも費用を抑えることができる。以上より、ユーザは、キットを用いることで精子の分析にかかる手間を減らすことができ、場合によっては費用を抑えることもできるため、精子の分析を気軽に受けることができるようになる。よって、精子の分析の早期受診につなげることができる。
さらに、本実施形態のレポーティングシステムにより、ユーザは、培養士等の専門家による分析結果を示すレポート情報をレポートとして受け取ることができる。サーバ等によって機械的に作成されるレポート情報には、例えば、数値として算出されるデータのみが記載され、当該データからユーザが自身の精子の状態を把握することが困難であった。専門家によって作成されるレポート情報には、当該データに対する専門家の所感等を含むことができる。そのため、ユーザは、培養士等の専門家が作成したレポート情報を受け取ることで、専門家の所感を参考に自身の精子の状態を容易に把握することができる。
なお、従来のようにサーバによって機械的にレポート情報が作成されるシステムの場合、精子に対するピントがずれた動画がアップロードされると、ピントのずれによりサーバが動画を分析できず、エラーが出力されることが多々ある。動画を1回かつ1つしかアップロードできないシステムの場合にエラーが出力されると、ユーザは再度動画をアップロードすることができないため、レポートを受け取れず費用も無駄になってしまう。これに対し、本実施形態のレポーティングシステムでは、培養士(人)によって動画が分析される。培養士は、アップロードされた精子の動画のピントがずれていたとしても、ピントのずれによる曖昧さをある程度加味して動画を分析することができ得る。そのため、本実施形態のレポーティングシステムにおいて、ユーザは、アップロードした動画のピントがずれていたとしても、ピントのずれによる曖昧さがある程度加味されたレポートを受け取ることができ得る。よって、本実施形態のレポーティングシステムは、動画のピントのずれによりユーザがレポートを受け取れない頻度や、費用が無駄になってしまう頻度を低減することができる。
【0025】
図4は、本開示の実施形態に係るユーザ端末10の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態のユーザ端末10は、入力部100、撮像部110、記憶部120、表示部130(第1の表示部)、通信部140、及び制御部150を備える。
【0026】
入力部100は、ユーザによる操作の入力を受け付ける機能を有する。入力部100の機能は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるタッチスクリーン14によって実現される。なお、入力部100の機能は、キーボードやマウス等の入力装置によって実現されてもよい。入力部100は、例えば、精子の動画をの撮影操作、精子の動画のアップロード操作、レポートの表示操作等の入力を受け付ける。入力部100は、受け付けた入力を制御部150へ出力する。
【0027】
撮像部110は、ユーザの精子の動画を撮像する機能を有する。撮像部110の機能は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるカメラ(例えばフロントカメラ12)やユーザ端末10に外部接続されるカメラ等によって実現される。撮像部110は、撮像した精子の動画を制御部150へ出力する。
【0028】
記憶部120は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部120は、記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部120は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。例えば、記憶部120は、撮像部110によって撮像されたユーザの精子の動画を記憶する。
【0029】
表示部130は、精子の動画やレポートを表示する機能を有する。表示部130の機能は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるタッチスクリーンによって実現される。表示部130は、例えば、制御部150による制御に基づき、撮像部110によって撮像される精子の動画を表示したり、サーバ20に記憶されたレポート情報が含まれるレポートを表示したりする。
【0030】
通信部140は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部140の機能は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備える通信装置によって実現される。図4に示すように、通信部140は、動画送信部141を備える。動画送信部141は、ネットワークNWを介して、精子の動画をサーバ20へ送信する機能を有する。例えば、動画送信部141は、制御部150による制御に基づき、撮像部110によって撮像される精子の動画をサーバ20へ送信する。
動画送信部141は、少なくとも1つの動画をサーバ20へ送信する。即ち、動画送信部141は、複数の精子の動画をサーバ20へ送信し得る。本実施形態では、動画送信部141は、ユーザの1つの識別情報に関して最大で3つの動画をサーバ20へ送信する。
【0031】
制御部150は、ユーザ端末10の動作全般を制御する機能を有する。制御部150の機能は、例えば、ユーザ端末10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
図4に示すように、制御部150は、入力処理部151、動画取得部152、及び出力処理部153を備える。
【0032】
入力処理部151は、入力部100が受け付けた入力に基づき、制御を行う。例えば、入力部100が精子の動画の撮影操作を受け付けた場合、入力処理部151は、動画取得部152に精子の動画の取得処理を行わせる。また、入力部100が精子の動画のアップロード操作を受け付けた場合、入力処理部151は、動画送信部141に送信処理を行わせる。また、入力部100がレポートの表示操作を受け付けた場合、入力処理部151は、出力処理部153に出力処理を行わせる。例えば、入力処理部151は、当該操作に基づきレポートの出力処理を出力処理部153に行わせる。
【0033】
動画取得部152は、入力処理部151の制御に基づき、精子の動画を取得する機能を有する。例えば、動画取得部152は、入力処理部151から指示を受けた場合、撮像部110に精子の動画を撮像させ、撮像部110が撮像した精子の動画を取得する。なお、精子の動画の取得先は、撮像部110に限定されない。例えば、動画取得部152は、通信部140を介して、外部端末にて撮像された精子の動画を取得してもよい。動画取得部152は、取得した精子の動画を動画送信部141からサーバ20へ送信する。なお、動画取得部152は、取得した精子の動画を記憶部120に記憶させてもよい。
【0034】
出力処理部153は、入力処理部151の制御に基づき、レポートを表示部130に表示させる機能を有する。例えば、出力処理部153は、入力処理部151から指示を受けた場合、Webアプリケーションを介して、サーバ20が出力するレポートを表示部130に表示させる。
【0035】
図5は、本開示の実施形態に係るサーバ20の機能構成の一例を示すブロック図である。サーバ20は、通信部200、記憶部210、及び制御部220を備える。
【0036】
通信部200は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部200の機能は、例えば、サーバ20がハードウェアとして備える通信装置によって実現される。
図5に示すように、通信部200は、動画受信部201及びレポート情報受信部202を備える。
【0037】
動画受信部201は、ネットワークNWを介して、精子の動画をユーザ端末10から受信する機能を有する。動画受信部201はユーザ端末10から受信した精子の動画をユーザの識別情報(例えばシリアルコード)と関連付けて記憶部210に記憶させる。
動画受信部201は、ユーザの1つの識別情報に関して少なくとも1つの精子の動画をユーザ端末10から受信する。即ち、動画受信部201は、ユーザの1つの識別情報に関して複数の精子の動画をユーザ端末10から受信し得る。本実施形態では、動画受信部201は、ユーザの1つの識別情報に関して最大で3つの動画をユーザ端末10から受信する。複数の精子の動画を受信した場合、動画受信部201は、各動画を同一のユーザの識別情報と関連付けて記憶部210に記憶させる。
なお、ユーザの識別情報は、精子の動画と共にユーザ端末10から送信される。
【0038】
レポート情報受信部202は、ネットワークNWを介して、レポート情報を培養士端末30から受信する機能を有する。レポート情報受信部202は培養士端末30から受信したレポート情報をユーザの識別情報と関連付けて記憶部210に記憶させる。
レポート情報受信部202は、培養士端末30で表示された動画の数に応じた分析結果を含むレポート情報を培養士端末30から受信する。培養士端末30で1つの動画のみが表示された場合、レポート情報受信部202は、1つの動画に対するパラメータ情報と所見とを含むレポート情報を受信する。培養士端末30で複数の動画が表示された場合、レポート情報受信部202は、動画ごとのパラメータ情報と、複数の動画に対する培養士の所見とを含むレポート情報を受信する。
【0039】
記憶部210は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部210は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部210は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。記憶部210は、例えば、精子の動画とレポート情報をユーザの識別情報と関連付けて記憶する。
【0040】
制御部220は、サーバ20の動作全般を制御する機能を有する。制御部220の機能は、例えば、サーバ20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。図5に示すように、制御部220は、動画処理部221及びレポート処理部222を備える。
【0041】
動画処理部221は、培養士端末30に精子の動画を表示させる処理を制御する機能を有する。例えば、通信部200が培養士端末30から精子の動画の要求を受信した場合、動画処理部221は、記憶部210に記憶されている対象となる精子の動画を再生する。そして、動画処理部221は、Webアプリケーションを介して、再生している精子の動画を培養士端末30に表示させる。
【0042】
レポート処理部222は、ユーザ端末10にレポートを表示させる処理を制御する機能を有する。例えば、通信部200がユーザ端末10からレポートの要求を受信した場合、レポート処理部222は、Webアプリケーションを介して、記憶部210に記憶されている対象となるレポート情報を含むレポートをユーザ端末10に表示させる。一例として、レポート処理部222は、図3に示したレイアウトのレポートをユーザ端末10に表示させる。
レポート処理部222は、レポート情報受信部202が培養士端末30から受信したレポート情報が記憶部210に記憶(登録)された場合、レポートが登録されたことを通知するメールを通信部200からユーザ端末10(ユーザのメールアドレス)へ送信する。
【0043】
図6は、本開示の実施形態に係る培養士端末30の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態の培養士端末30は、入力部300、記憶部310、表示部320(第2の表示部)、通信部330、及び制御部340を備える。
【0044】
入力部300は、培養士による操作の入力を受け付ける機能を有する。入力部300の機能は、例えば、培養士端末30がハードウェアとして備えるキーボードやマウス等の入力装置によって実現される。入力部300は、例えば、精子の動画の表示操作、レポート情報の入力操作、レポート情報のアップロード操作等の入力を受け付ける。入力部300は、受け付けた入力を制御部340へ出力する。
【0045】
記憶部310は、各種情報を記憶する機能を有する。記憶部310は、記憶媒体、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ROM、またはこれらの記憶媒体の任意の組み合わせによって構成される。記憶部310は、例えば、不揮発性メモリを用いることができる。
【0046】
表示部320は、精子の動画を表示する機能を有する。表示部320の機能は、例えば、培養士端末30がハードウェアとして備えるディスプレイ等の表示装置によって実現される。表示部320は、例えば、制御部340による制御に基づき、サーバ20が再生する精子の動画を表示する。培養士は、表示部320に表示された精子の動画を見ることで、ユーザの精子を分析することができる。
【0047】
通信部330は、各種情報を送受信する機能を有する。通信部330の機能は、例えば、培養士端末30がハードウェアとして備える通信装置によって実現される。
図6に示すように、通信部330は、レポート情報送信部331を備える。
【0048】
レポート情報送信部331は、ネットワークNWを介して、レポート情報をサーバ20へ送信する。例えば、レポート情報送信部331は、制御部340による制御に基づき、培養士によって入力されたレポート情報をサーバ20へ送信する。
【0049】
制御部340は、培養士端末30の動作全般を制御する機能を有する。制御部340の機能は、例えば、培養士端末30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
図6に示すように、制御部340は、入力処理部341、レポート情報取得部342、出力処理部343、及び警告処理部344を備える。
【0050】
入力処理部341は、入力部300が受け付けた入力に基づき、制御を行う。例えば、入力部300が精子の動画の表示操作を受け付けた場合、入力処理部341は、出力処理部343に出力処理を行わせる。また、入力部300がレポート情報の入力操作を受け付けた場合、入力処理部341は、レポート情報取得部342にレポート情報の取得処理を行わせる。また、入力部300がレポート情報のアップロード操作を受け付けた場合、入力処理部341は、レポート情報送信部331に送信処理を行わせる。
【0051】
レポート情報取得部342は、入力処理部341の制御に基づき、レポート情報を取得する機能を有する。例えば、レポート情報取得部342は、入力処理部341から指示を受けた場合、培養士が表示部320に表示された動画に基づき入力する レポート情報を取得する。レポート情報取得部342は、取得したレポート情報をレポート情報送信部331からサーバ20へ送信する。
【0052】
出力処理部343は、入力処理部341の制御に基づき、精子の動画を表示部320に表示させる機能を有する。例えば、出力処理部343は、入力処理部341から指示を受けた場合、Webアプリケーションを介して、サーバ20が再生している精子の動画を表示部320に表示させる。
【0053】
警告処理部344は、警告を通知する機能を有する。例えば、未対応案件として登録された精子の動画のステータスが「未対応」のまま所定の期間経過(例えば3日以上経過)した場合、警告処理部344は、未対応の状態が継続している旨の警告や分析の実施を促す旨の警告等を示すメールを通信部330から培養士のメールアドレスへ送信させる。なお、警告処理部344は、警告を表示部320に表示させてもよい。なお、「未対応」は、分析の担当者が決定していないことを意味する。
また、ユーザが精子の動画をサーバ20へアップロードして所定の期間内(例えば5日以内)に当該精子の動画の分析を培養士が完了できなかった場合、警告処理部344は、警告を示すメールを通信部330から培養士のメールアドレスへ送信させる。
【0054】
図7は、本開示の実施形態に係る精子の動画がサーバ20に登録されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図7に示すように、まず、ユーザは、キットを購入する(S100)。ユーザは、アカウントを登録するための操作をユーザ端末10に対して入力する(S102)。具体的に、ユーザは、キットの付属物に記載されているサインアップページのURLにアクセスし、メールアドレスと任意のパスワードを入力する。入力後、ユーザが確認メールのためのURLをクリックすると、確認メールが送信される。ユーザによるアカウントを登録するための操作が完了すると、ユーザ端末10は、サーバ20へアカウントの登録要求を送信する(S104)。アカウントの登録要求を受信したサーバ20は、ユーザのアカウントを登録する(S106)。
続いて、ユーザは、精子の動画を撮影するための操作をユーザ端末10に対して入力する(S108)。精子の動画を撮影するための操作を入力されたユーザ端末10は、精子の動画を撮像する(S110)。具体的にユーザは、図2を参照して説明した方法によって精子の動画を撮影する。
精子の動画の撮影後、ユーザは、Webアプリケーションにログインをするための操作をユーザ端末10に対して入力する(S112)。ログインをするための操作を入力されたユーザ端末10は、マイページを表示する(S114)。S114では、まず、ユーザ端末10がログイン情報をサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信したログイン情報に基づき認証を行う。認証成功後、サーバ20は、マイページ情報をユーザ端末10へ送信する。ユーザ端末10は、受信したマイページ情報に基づきマイページを表示する。
ユーザは、マイページにて、キットの付属物に記載されているレポート申込用のシリアルコードを入力する(S116)。シリアルコードを入力されたユーザ端末10は、アップロードページを表示する(S118)。S118では、まず、ユーザ端末10がシリアルコードをサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信したシリアルコードの正否判定を行う。シリアルコードが正しい場合、サーバ20は、アップロードページ情報をユーザ端末10へ送信する。ユーザ端末10は、受信したアップロードページ情報に基づきアップロードページを表示する。シリアルコードが正しくない場合、ユーザ端末10は、エラーメッセージを表示する。
アップロードページの表示後、ユーザは、精子の動画のアップロード操作を入力する(S120)。また、ユーザは、精液の採取日及び精液量をユーザ端末10へ入力する(S122)。入力後、ユーザが送信操作を入力すると(S124)、精子の動画、採取日、及び精液量がユーザ端末10からサーバ20へ送信される(S126)。サーバ20は、ユーザ端末10から受信した精子の動画を登録する(S128)。また、サーバ20は、受信した採取日及び精液量も登録する。
【0055】
図8は、本開示の実施形態に係る精子の動画の登録後からレポート情報がサーバ20に登録されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図8は、図7に示したシーケンス図の続きを示している。
図8に示すように、まず、サーバ20は、精子の動画が登録されると、培養士が分析を実施していない未対応案件 を更新する(S200)。
培養士は、培養士用コンソール(Webアプリケーション)にログインするための操作を培養士端末30に対して入力する(S202)。培養士端末30は、未対応案件一覧を表示する(S204)。S204では、まず、培養士端末30がログイン情報をサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信したログイン情報に基づき、当該ログイン情報と対応する未対応案件情報を培養士端末30へ送信する。培養士端末30は、受信した未対応案件情報に基づき未対応案件一覧を表示する。培養士は、未対応案件一覧の中から分析対象を選択するための操作を培養士端末30に対して入力する(S206)。
培養士端末30は、培養士が選択した分析対象のステータスを更新する(S208)。S208では、まず、培養士端末30は培養士によって選択された動画情報をサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信した動画情報に基づきステータスを更新する。例えば、サーバ20は、ステータスを「未対応」から「対応中」へ更新する。更新後、サーバ20は、更新後のステータス情報を培養士端末30へ送信する。培養士端末30は、受信したステータス情報に基づきステータスの表示を更新する。培養士端末30は、培養士によって選択された精子の動画を表示する(S210)。S210では、まず、培養士端末30が培養士によって選択された精子の動画の再生要求をサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信した要求と対応する精子の動画を再生する。次いで、培養士端末30は、Webアプリケーションを介して、サーバ20によって再生されている精子の動画を表示する。
培養士は、培養士端末30に表示された精子の動画に基づき精子の分析を行う(S212)。分析後、培養士は、培養士端末30に対してレポート情報の入力操作を行う(S214)。レポート情報の入力後、培養士が送信操作を入力すると(S216)、レポート情報が培養士端末30からサーバ20へ送信される(S218)。サーバ20は、培養士端末30から受信したレポート情報を登録する(S220)。
【0056】
図9は、本開示の実施形態に係るレポート情報の登録後からレポート情報がユーザ端末10に表示されるまでの処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図9は、図8に示したシーケンス図の続きを示している。
図9に示すように、まず、サーバ20は、レポート登録メールをユーザ端末10へ送信する(S300)。レポート登録メールを確認したユーザは、レポートを表示するための操作をユーザ端末10に対して入力する(S302)。ユーザ端末10は、レポートを表示する(S304)。S304では、まず、ユーザ端末10がユーザによって選択されたレポートの表示要求をサーバ20へ送信する。次いで、サーバ20は、受信した要求に対応するレポートを出力する。次いで、ユーザ端末10は、Webアプリケーションを介して、サーバ20によって出力されているレポートを表示する。ユーザは、ユーザ端末10に表示されたレポートを確認する(S306)。
【0057】
以上説明したように、本実施形態に係るレポーティング装置(サーバ20)は、ユーザの精子が撮像された動画をユーザ端末10から受信する。また、レポーティング装置は、受信した動画を培養士端末30に表示させる。また、レポーティング装置は、培養士端末30に表示された動画に基づき培養士が培養士端末30に入力する、ユーザの精子の状態を示すレポート情報を培養士端末30から受信する。また、レポーティング装置は、受信したレポート情報をユーザ端末に表示させる。
かかる構成により、本実施形態に係るレポーティング装置は、ユーザの精子の動画を培養士へ提供し、培養士が当該動画に基づきユーザの精子を分析して作成したレポートをユーザへ提供する。これにより、ユーザは、機械的に算出される数値のみが含まれる分析結果ではなく、専門家の所見も含まれる分析結果を確認することできる。そのため、ユーザは、専門家の所見を確認することで、数値のみからは把握が困難であった自身の精子の状態を容易に把握することができるようになる。
よって、本実施形態に係るレポーティング装置は、ユーザが精子の状態をより容易に把握することを可能とする。
【0058】
上述した実施形態におけるレポーティング装置をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0059】
以上、図面を参照して本開示の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…レポーティングシステム、10…ユーザ端末、12…フロントカメラ、14…タッチスクリーン、20…サーバ、30…培養士端末、40…観察ルーペ、41…レンズ、42…採取スティック、50…レポート、100…入力部、110…撮像部、120…記憶部、130…表示部、140…通信部、141…動画送信部、150…制御部、151…入力処理部、152…動画取得部、153…出力処理部、200…通信部、201…動画受信部、202…レポート情報受信部、210…記憶部、220…制御部、221…動画処理部、222…レポート処理部、300…入力部、310…記憶部、320…表示部、330…通信部、331…レポート情報送信部、340…制御部、341…入力処理部、342…レポート情報取得部、343…出力処理部、344…警告処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9