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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108074
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】建築物の開口部の枠体の取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 19/08 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
E04F19/08 101B
E04F19/08 101D
E04F19/08 103A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009023
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】319011502
【氏名又は名称】YPC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】溝田 豊彦
(57)【要約】
【課題】取付部当接部材が空洞部内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されていることに起因する建築物の開口部に対する枠体の取付強度の低下をなくし、取付強度を向上することができるようにした建築物の開口部の枠体の取付構造を提供すること。
【解決手段】枠体1を、建築物F側の取付部Jに対向する外周側に開口する空洞部21を備え、空洞部21の内周側を、反開口側向きの傾斜面からなる後面22a及びビス挿通孔22bを備えたビス挿通部22を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにするとともに、空洞部内の幅方向の両側にガイド部28を形成した枠体本体2と、空洞部21に装着され、ビス挿通部22の後面22aに当接する開口側向きの傾斜面からなる前面31を備え、枠体本体2に形成したガイド部28に嵌挿する被ガイド部38を幅方向の両側に形成した、建築物F側の取付部Jに後面32が当接される取付部当接部材3とで構成する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の開口部に配設する枠体を、建築物側の取付部に対してビスによって取り付けるようにした建築物の開口部の枠体の取付構造において、
前記枠体を、
前記建築物側の取付部に対向する外周側に開口する空洞部を備え、該空洞部の内周側を、反開口側向きの傾斜面からなる後面及びビス挿通孔を備えたビス挿通部を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにするとともに、空洞部内の幅方向の両側にガイド部を形成した枠体本体と、
前記空洞部に装着され、ビス挿通部の後面に当接する開口側向きの傾斜面からなる前面を備え、枠体本体に形成したガイド部に嵌挿する被ガイド部を幅方向の両側に形成した、建築物側の取付部に後面が当接される取付部当接部材と
で構成してなることを特徴とする建築物の開口部の枠体の取付構造。
【請求項2】
前記取付部当接部材の後面を、幅方向の中心が凹んだ湾曲面に形成し、該後面が建築物側の取付部に当接させることで、被ガイド部の間隔が狭くなるように変形するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の建築物の開口部の枠体の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の開口部の枠体の取付構造に関し、床下収納庫、点検口、床ガラリ、天井点検口、壁点検口等のために形成された建築物の開口部の枠体の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、床下収納庫、点検口、床ガラリ等のために形成された床の開口部には、当該開口部を開閉可能に塞ぐ蓋体やガラリを、安定して支持、設置することができるように、枠体を取り付けるようにしている。
【0003】
ところで、蓋体が設置された状態で室内と室外との通気があると冷暖房効率が低下することになるため、枠体には、床との間で高い気密性や荷重に耐え得る十分な強度が要求されるほか、床の表面との段差を小さくして躓きを防止するとともに、施工時の作業性、取扱性を向上させる必要がある。
【0004】
これらの要請に応えるため、枠体は、床や床を支持する根太に取り付けるようにされている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0005】
ところで、床の開口部の枠体を、床や床を支持する根太に取り付けるようにした、従来の床の開口部の枠体の取付構造の場合、施工現場で個別の部品を取り付ける必要があったり、施工不良が見つかったときや床材の敷設作業に伴う枠体を一旦固定した後の枠体の取付位置の調整が行いにくかったりするため、施工に手数を要するという問題があった。
【0006】
この問題点に対処するため、本件出願人は先に、上記従来の床の開口部の枠体の取付構造の有する問題点に鑑み、施工現場で個別の部品を取り付ける必要がなく、枠体を高い寸法精度で設置可能であり、建築物との間で高い気密性や荷重に耐え得る十分な強度を得ることができ、かつ、建築物の表面との段差を小さくして、例えば、躓きを防止するとともに、施工時の作業性、取扱性を向上することができ、さらに、枠体を一旦固定した後でも枠体の取付位置の調整を簡易に行うことができる建築物の開口部の枠体の取付構造を提案した(特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-213923号公報
【特許文献2】特開2008-208561号公報
【特許文献3】特許第6910093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記特許文献3に開示された建築物の開口部の枠体の取付構造は、従来の床の開口部の枠体の取付構造の有する問題点を解消し、多くの利点を有するものであるが、枠体本体に備えた建築物側の取付部に対向する外周側に開口する空洞部に装着する取付部当接部材の装着性や操作性を考慮して、取付部当接部材が空洞部内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されているため、その分、建築物の開口部に対する枠体の取付強度が低下するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記特許文献3に開示された建築物の開口部の枠体の取付構造が有する建築
物の開口部に対する枠体の取付強度が低下するという問題点に鑑み、取付部当接部材が空洞部内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されていることに起因する建築物の開口部に対する枠体の取付強度の低下をなくし、取付強度を向上することができるようにした建築物の開口部の枠体の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造は、
建築物の開口部に配設する枠体を、建築物側の取付部に対してビスによって取り付けるようにした建築物の開口部の枠体の取付構造において、
前記枠体を、
前記建築物側の取付部に対向する外周側に開口する空洞部を備え、該空洞部の内周側を、反開口側向きの傾斜面からなる後面及びビス挿通孔を備えたビス挿通部を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにするとともに、空洞部内の幅方向の両側にガイド部を形成した枠体本体と、
前記空洞部に装着され、ビス挿通部の後面に当接する開口側向きの傾斜面からなる前面を備え、枠体本体に形成したガイド部に嵌挿する被ガイド部を幅方向の両側に形成した、建築物側の取付部に後面が当接される取付部当接部材と
で構成してなることを特徴とする。
【0011】
この場合において、前記取付部当接部材の後面を、幅方向の中心が凹んだ湾曲面に形成し、該後面が建築物側の取付部に当接させることで、被ガイド部の間隔が狭くなるように変形するようにすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造によれば、建築物の開口部に配設する枠体を、建築物側の取付部に対してビスによって取り付けるようにした建築物の開口部の枠体の取付構造において、前記枠体を、前記建築物側の取付部に対向する外周側に開口する空洞部を備え、該空洞部の内周側を、反開口側向きの傾斜面からなる後面及びビス挿通孔を備えたビス挿通部を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにした、枠体本体と、前記空洞部に装着され、ビス挿通部の後面に当接する開口側向きの傾斜面からなる前面を備えた、建築物側の取付部に後面が当接される取付部当接部材とで構成してなることから、施工現場で個別の部品を取り付ける必要がなく、これによって、枠体を高い寸法精度で設置可能であり、建築物との間で高い気密性や荷重に耐え得る十分な強度を得ることができるとともに、建築物の表面との段差を小さくして、例えば、躓きを防止するとともに、施工時の作業性、取扱性を向上することができる。
さらに、枠体本体に備えた空洞部内の幅方向の両側にガイド部を形成するとともに、取付部当接部材の幅方向の両側に枠体本体に形成したガイド部に嵌挿する被ガイド部を形成することにより、枠体本体と取付部当接部材の一体性を高め、取付部当接部材が空洞部内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されていることに起因する建築物の開口部に対する枠体の取付強度の低下をなくして、取付強度を向上することができる。
【0013】
また、前記取付部当接部材の後面を、幅方向の中心が凹んだ湾曲面に形成し、該後面が建築物側の取付部に当接させる(押し付ける)ことで、被ガイド部の間隔が狭くなるように変形するようにするようにし、これにより、枠体本体に備えた空洞部内に形成したガイド部と、取付部当接部材に形成した被ガイド部との接触抵抗力を増大させ、枠体本体と取付部当接部材の一体性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】従来の建築物の開口部の枠体の取付構造を床の開口部に適用した一例を示す枠体本体の平面図である。
図2】同枠体本体の底面図である。
図3】同枠体本体の正面図である。
図4】同枠体本体の図1のA-A断面図(図2のB-B断面図)である。
図5】同枠体本体の外周側から見た要部の拡大図である。
図6】同枠体本体の図5のC-C断面図である。
図7】同枠体本体の図5のD-D断面図である。
図8】同枠体本体の底面側から見た要部の拡大図である。
図9】同枠体本体の内周側から見た要部の拡大図である。
図10】同枠体本体を示し、(a)は外周側から見た要部の拡大斜視図、(b)は内周側から見た要部の拡大斜視図である。
図11】同取付部当接部材の正面図である。
図12】同取付部当接部材を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は底面図である。
図13】同取付部当接部材を示し、(a)は左側面図、(b)は図12(b)のE-E断面図である。
図14】同取付部当接部材を示し、(a)は正面側から見た要部の拡大斜視図、(b)は背面側から見た要部の拡大斜視図である。
図15-1】同枠体を床側の取付部に対してビスによって取り付ける場合の動作説明図である。
図15-2】同枠体を床側の取付部に対してビスによって取り付ける場合の動作説明図である。
図15-3】同枠体を床側の取付部に対してビスによって取り付ける場合の動作説明図である。
図16】本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造を床の開口部に適用した一例を示す要部の分解説明図である。
図17】同枠体の取付構造を示し、(a)は取付部当接部材を装着する前の枠体本体の要部の説明図、(b)は取付部当接部材を装着した枠体本体の要部の説明図である。
図18】同取付部当接部材を示し、(a)は平面図、(b)は背面図、(c)は底面図、(d)は正面図、(e)は側面図、(f)は正面側から見た斜視図、(g)は背面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1図15-3に、特許文献3に開示された建築物の開口部の枠体の取付構造を床の開口部に適用した一例を示す。
この床の開口部の枠体の取付構造は、床Fの開口部に配設する枠体1を、床F側の取付部J、本例においては、根太に対してビスSによって取り付けるようにしたもので、枠体1を、床F側の取付部Jに対向する外周側に開口する空洞部21を備え、空洞部21の内周側を、反開口側向き(下向き)の傾斜面からなる後面22a及びビス挿通孔22bを備えたビス挿通部22を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにした、枠体本体2と、空洞部21に装着され、ビス挿通部22の後面22aに当接する開口側向き(上向き)の傾斜面からなる前面31を備えた、床F側の取付部Jに後面32が当接される取付部当接部材3とで構成してなるようにしている。
ここで、枠体本体2の左右方向をX軸として、Y軸を上下方向、Z軸を前後方向(枠体本体2の内周側を前方向、外周側を後方向)という。
【0017】
この場合において、空洞部21の内周側を閉鎖するビス挿通部22は、ビス挿通部22の側部を支持部23を介して枠体本体2に接続すること、具体的には、ビス挿通部22の
側部に接続した支持部23を、それぞれ上下方向に湾曲させ、さらに、左右方向に延設することで枠体本体2に接続することによって、上下方向及び前後方向に可動になる(左右方向にはほとんど移動しない)ようにしている。
【0018】
空洞部21には、空洞部21内に装着した取付部当接部材3を案内する案内片24及び案内溝25を、取付部当接部材3には、案内片24及び案内溝25に対応する位置に、被案内溝33及び被案内片34を、それぞれ形成し、取付部当接部材3が、空洞部21内で前後方向に可動になる(左右方向及び上下方向にはほとんど移動しない)ようにするとともに、案内溝25によって被案内片34の移動範囲を規制することで、一旦装着した取付部当接部材3が、空洞部21内から抜け出ないようにしている。
【0019】
取付部当接部材3の開口側向き(上向き)の傾斜面からなる前面31の中央部には、孔35を形成し、床F側の取付部JにビスSをねじ込む際にビスSが干渉しないようにし、前面31の背面側は、床F側の取付部Jに当接する後面32より後退した凹部36に形成し、床F側の取付部JにビスSをねじ込んだ際に生じる取付部Jの膨らみを吸収するようにしている。
【0020】
取付部当接部材3の開口側向き(上向き)の傾斜面からなる前面31の周囲には、ビス挿通部22の位置を制御する位置制御片37を形成するようにしている。
この位置制御片37は、上部を上方が閉じる方向に形成されたばね片で構成し、上方向に移動したビス挿通部22が、位置制御片37のばね片に当接し、ビス挿通部22に対して、反開口側向き(下向き)の力が付与されるようにするものである。
【0021】
次に、この床の開口部の枠体の取付構造を適用した枠体を床側の取付部に対してビスによって取り付ける場合の動作について、図15-1~図15-3を用いて説明する。
床Fの開口部に、枠体本体2の空洞部21に取付部当接部材3を装着した枠体1を配置し、ビス挿通部22のビス挿通孔22bを通して、床F側の取付部JにビスSを水平方向にねじ込むようにする。
そして、ビスSのねじ込みが進み、ビスSの頭部がビス挿通部22に当接し、ビス挿通部22にビスSの軸方向の力が付与されると、上下方向及び前後方向に可動にされているビス挿通部22が後方向に移動しながら、ビス挿通部22の反開口側向き(下向き)の傾斜面からなる後面22aに当接する開口側向き(上向き)の傾斜面からなる前面31を備えた取付部当接部材3に反開口側向き(下向き)の力が作用し、取付部当接部材3と共に、枠体本体2が下方向に移動することで、枠体本体2のフランジ部26を、床Fの表面に密着させ、枠体1を高い寸法精度で設置可能であり、床Fとの間で高い気密性や荷重に耐え得る十分な強度を得ることができるとともに、床Fの表面との段差を小さくして躓きを防止するようにすることができる。
【0022】
この場合、図15-1に示すように、床Fの開口部が狭い場合、図15-2に示すように、標準的な床Fの開口部の場合、図15-3に示すように、床Fの開口部が広い場合のいずれの場合でも、取付部当接部材3の後面32が、床F側の取付部Jに当接されるまでビスSをねじ込むようにすることで、枠体1を床Fの開口部に正確かつ確実に取り付けることができる。
【0023】
そして、この床の開口部の枠体の取付構造によれば、枠体1を一旦固定した後でも、ビスSを弛めることによって、取付部当接部材3に形成したビス挿通部22の位置を制御する位置制御片37による作用、すなわち、ビス挿通部22に対して反開口側向き(下向き)の力が付与されることによって、当初の状態に自動的に復帰させることができ、枠体1の取付位置の調整を簡易に行うことができるとともに、枠体1の出荷段階で枠体本体2の空洞部21に取付部当接部材3を装着しておくことで、施工現場で個別の部品を取り付け
る必要がなく、施工時の作業性、取扱性を向上することができる。
【0024】
ところで、この床の開口部の枠体の取付構造は、上記の多くの利点を有するものであるが、枠体本体2の空洞部21に装着する取付部当接部材3の装着性や操作性を考慮して、取付部当接部材3が空洞部21内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されているため、床Fの開口部に対する枠体1の取付強度が低下するという問題があった。
【0025】
本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造は、この問題に対処するためのもので、図16図18に、本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造を床の開口部に適用した一実施例を示す。
この床の開口部の枠体の取付構造は、図1図15-3に開示した例と同様、床Fの開口部に配設する枠体1を、床F側の取付部J、本実施例においては、根太に対してビスSによって取り付けるようにしたもので、枠体1を、床F側の取付部Jに対向する外周側に開口する空洞部21を備え、空洞部21の内周側を、反開口側向き(下向き)の傾斜面からなる後面22a及びビス挿通孔22bを備えたビス挿通部22を一体かつ可動に形成することで閉鎖するようにするとともに、空洞部21内の幅方向の両側にガイド部28を形成した、枠体本体2と、空洞部21に装着され、ビス挿通部22の後面22aに当接する開口側向き(上向き)の傾斜面からなる前面31を備え、枠体本体2に形成したガイド部28に嵌挿する被ガイド部38を幅方向の両側に形成した、床F側の取付部Jに後面32が当接される取付部当接部材3とで構成してなるようにしている。
【0026】
枠体本体2に備えた空洞部21内の幅方向の両側に形成したガイド部28は、空洞部21内の幅方向の両側に隔壁28aで区画した空間部28bを形成し、各隔壁28aに2個の鉤状(L字状)のガイド片28cを突設するようにしている。
取付部当接部材3の幅方向の両側に形成した枠体本体2に形成したガイド部28に嵌挿する被ガイド部38は、ガイド部28の空間部28bに嵌挿される嵌挿板部38aの両端に、ガイド片28cに嵌挿される鉤状(L字状)の被ガイド片38bを形成するようにしている。
これにより、取付部当接部材3を枠体本体2に備えた空洞部21に装着したとき、空洞部21内の幅方向の両側に形成したガイド部28に、取付部当接部材3の幅方向の両側に形成した被ガイド部38が嵌挿され、これにより、枠体本体2と取付部当接部材3の一体性を高め、取付部当接部材3が空洞部21内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されていることに起因する床Fの開口部に対する枠体1の取付強度の低下をなくして、取付強度を向上することができる。
【0027】
ここで、取付部当接部材3の後面32を、幅方向の中心が凹んだ湾曲面に形成し、この後面32が床F側の取付部Jに当接させる(押し付ける)ことで、被ガイド部38の嵌挿板部38aの間隔が狭くなるように変形するようにしている。
これにより、枠体本体2に備えた空洞部21内に形成したガイド部28と、取付部当接部材3に形成した被ガイド部38との接触抵抗力を増大させ、枠体本体2と取付部当接部材3の一体性を一層高めることができるようにしている。
【0028】
また、枠体本体2の底面部27に、空洞部と連通する開口29を設けるようにしている。
これにより、枠体1を一旦固定した後でも、ビスSを弛めることによって、取付部当接部材3の位置の調整を開口29を通して容易に行うことができ、枠体1の取付位置の調整を簡易に行うことができる。
【0029】
なお、本実施例のその他の構成及び作用は、図1図15-3に記載した例と同様である。
【0030】
以上、本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の建築物の開口部の枠体の取付構造は、取付部当接部材が空洞部内に微小なクリアランスを設けて可動に装着されていることに起因する建築物の開口部に対する枠体の取付強度の低下をなくし、取付強度を向上することができることから、床下収納庫、点検口、床ガラリのために形成された床の開口部の枠体の取付の用途に好適に用いることができるほか、天井点検口のために形成された天井の開口部や壁点検口のために形成された壁の開口部の枠体の取付の用途にも用いることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 枠体
2 枠体本体
21 空洞部
22 ビス挿通部
22a 後面
22b ビス挿通孔
23 支持部
24 案内片
25 案内溝
26 フランジ部
27 底面部
28 ガイド部
28a 隔壁
28b 空間部
28c ガイド片
29 開口
3 取付部当接部材
31 前面
32 後面
33 被案内溝
34 被案内片
35 孔
36 凹部
37 位置制御片
38 被ガイド部
38a 嵌挿板部
38b 被ガイド片
F 建築物(床)
J 取付部(根太)
S ビス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15-1】
図15-2】
図15-3】
図16
図17
図18