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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108084
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/00 20220101AFI20230728BHJP
【FI】
F24H9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009043
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 直紀
(72)【発明者】
【氏名】寺口 徹
【テーマコード(参考)】
3L036
【Fターム(参考)】
3L036AA04
3L036AA07
3L036AA14
3L036AC00
3L036AD38
(57)【要約】
【課題】筐体内に微細気泡発生器を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる給湯器を提供する。
【解決手段】給湯器1は、筐体8、燃焼装置31、32、熱交換器41A~42B、給水管P1、給湯管P2、給水接続部材10、給湯接続部材20及び水量制御部50を備える。給湯器1は、筐体8内で給水管P1及び給湯管P2の一方である特定管P2の途中に接続し、軸心X9方向の長さが外幅よりも大きい略筒状をなし、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる微細気泡発生器9をさらに備える。微細気泡発生器9は、軸心X9方向の一方に位置し、特定管P2の上流側P2Uから湯水が流入する流入口91Hと、軸心X9方向の他方に位置し、微細気泡を含んだ湯水を特定管P2の下流側P2Dに流出させる流出口92Hと、を有する。微細気泡発生器9は、バーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に位置する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面を開放する筐体開口を有し、後方に向かって凹む略箱状の筐体本体と、前記筐体開口を覆う前板と、を有する筐体と、
前記筐体内に収容され、燃焼室と、炎口が前記燃焼室内に位置するバーナと、を有し、高温ガスを生成する燃焼装置と、
前記筐体内における前記燃焼室よりも上方に収容され、内部を通過する水を前記高温ガスにより加熱して湯に変換する熱交換器と、
前記筐体内に収容され、前後方向及び上下方向に直交する幅方向において前記熱交換器の一方の側方である第1側方に位置して前記上下方向に延び、前記熱交換器に接続する給水管と、
前記筐体内に収容され、前記幅方向において前記熱交換器の前記第1側方に位置して前記上下方向に延び、前記熱交換器に接続する給湯管と、
前記筐体本体の下面に位置し、前記給水管と前記筐体の外部にある給水路とを接続するための給水接続部材と、
前記筐体本体の前記下面に位置し、前記給湯管と前記筐体の外部にある給湯路とを接続するための給湯接続部材と、
前記給水接続部材と前記給水管との間に設けられ、前記給水管を流れる水の流量を制御する水量制御部と、
を備えた給湯器において、
前記筐体内で前記給水管及び前記給湯管の一方である特定管の途中に接続し、軸心方向の長さが外幅よりも大きい略筒状をなし、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる微細気泡発生器をさらに備え、
前記微細気泡発生器は、前記軸心方向の一方に位置し、前記特定管の上流側から前記湯水が流入する流入口と、
前記軸心方向の他方に位置し、前記微細気泡を含んだ前記湯水を前記特定管の下流側に流出させる流出口と、を有し、
前記微細気泡発生器は、前記炎口よりも下方に位置していることを特徴とする給湯器。
【請求項2】
前記微細気泡発生器は、前記幅方向において前記熱交換器の前記第1側方に位置している請求項1記載の給湯器。
【請求項3】
前記特定管は、前記給湯管であり、
前記流入口は、前記流出口よりも上方に位置し、
前記流出口は、前記給湯管における前記流出口に接続する部分から前記給湯接続部材までの下流側給湯流路以上の高さに位置している請求項1又は2記載の給湯器。
【請求項4】
前記微細気泡発生器は、前記水量制御部よりも上方に位置している請求項3記載の給湯器。
【請求項5】
前記特定管は、前記給湯管であり、
前記微細気泡発生器を前記幅方向に沿って見た場合に、前記軸心方向は、前記流入口が前記流出口よりも上方に位置するように傾斜している請求項1乃至4のいずれか1記載の給湯器。
【請求項6】
前記流入口及び前記流出口の一方は、前記流入口及び前記流出口の他方よりも後方に位置して鉛直方向に開口している請求項5記載の給湯器。
【請求項7】
前記流出口は、前記流入口よりも前方に位置している請求項5又は6記載の給湯器。
【請求項8】
前記特定管は、前記給水管であり、
前記流出口は、前記流入口よりも上方に位置し、
前記流入口は、前記給水接続部材から前記給水管における前記流入口に接続する部分までの上流側給水流路以上の高さに位置している請求項1又は2記載の給水器。
【請求項9】
前記微細気泡発生器は、前記水量制御部よりも上方に位置している請求項8記載の給湯器。
【請求項10】
前記特定管は、前記給水管であり、
前記微細気泡発生器を前記幅方向に沿って見た場合に、前記軸心方向は、前記流出口が前記流入口よりも上方に位置するように傾斜している請求項1、2、8及び9のいずれか1記載の給湯器。
【請求項11】
前記流入口及び前記流出口の一方は、前記流入口及び前記流出口の他方よりも後方に位置して鉛直方向に開口している請求項10記載の給湯器。
【請求項12】
前記流入口は、前記流出口よりも前方に位置している請求項10又は11記載の給湯器。
【請求項13】
前記微細気泡発生器は、前記流入口が形成され、前記特定管の前記上流側に接続する流入部と、
前記流出口が形成され、前記特定管の前記下流側に接続する流出部と、
前記軸心方向の前記一方において前記流入部に接続し、かつ前記軸心方向の前記他方において前記流出部に接続し、内部を流れる前記湯水に前記微細気泡を発生させる本体部と、を有し、
前記流入部、前記流出部及び前記本体部はそれぞれ、別部品で構成されている請求項1乃至12のいずれか1項記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の給湯器の一例が開示されている。この給湯器は、筐体、燃焼装置及び熱交換器を備えている。
【0003】
筐体は、筐体本体を有している。筐体本体は、前面を開放する筐体開口を有し、後方に向かって凹む略箱状である。特許文献1には図示されていないが、筐体は、筐体開口を覆う前板を有している。燃焼装置は、筐体内に収容されている。燃焼装置は、燃焼室と、炎口が燃焼室内に位置するバーナと、を有し、高温ガスを生成する。熱交換器は、筐体内における燃焼室よりも上方に収容されている。熱交換器は、内部を通過する水を高温ガスにより加熱して湯に変換する。
【0004】
特許文献1の図1等に図示されているように、給湯器は、給水管、給湯管、給水接続部材及び給湯接続部材を備えている。
【0005】
給水管及び給湯管は筐体内に収容され、熱交換器にそれぞれ接続している。給水接続部材及び給湯接続部材は、筐体本体の下面に位置している。給水接続部材は、給水管と筐体の外部にある給水路とを接続するためのものである。給湯接続部材は、給湯管と筐体の外部にある給湯路とを接続するためのものである。なお、給水接続部材と給水管との間には、給水管を流れる水の流量を制御する水量制御部が設けられる。
【0006】
特許文献2には、従来の微細気泡発生器の一例が開示されている。この微細気泡発生器は、例えばシャワー装置や、水栓のカランへの配管の途中に配置される。この微細気泡発生器は、軸心方向の長さが外幅よりも大きい略筒状をなしている。この微細気泡発生器は、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる。なお、この微細気泡発生器は、軸心方向の長さを外径よりも大きくすればするほど、湯水に発生させる微細気泡を微細化し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-55929号公報
【特許文献2】特開2020-171914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記従来の給湯器の筐体内に、上記従来の微細気泡発生器を収容することが検討されている。しかしながら、この場合、微細気泡発生器は、軸心方向に長い長尺であることにより嵩張り易く、設置場所の関係で大きさや形状に制約がある筐体内において燃焼装置及び熱交換器から影響を受け易い。このため、筐体内に微細気泡発生器を収容する給湯器は、燃焼装置及び熱交換器からの影響を抑制するための各種対策が必要になり易く、その結果、製造コストの高騰を招くおそれがある。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、筐体内に微細気泡発生器を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる給湯器を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の給湯器は、前面を開放する筐体開口を有し、後方に向かって凹む略箱状の筐体本体と、前記筐体開口を覆う前板と、を有する筐体と、
前記筐体内に収容され、燃焼室と、炎口が前記燃焼室内に位置するバーナと、を有し、高温ガスを生成する燃焼装置と、
前記筐体内における前記燃焼室よりも上方に収容され、内部を通過する水を前記高温ガスにより加熱して湯に変換する熱交換器と、
前記筐体内に収容され、前後方向及び上下方向に直交する幅方向において前記熱交換器の一方の側方である第1側方に位置して前記上下方向に延び、前記熱交換器に接続する給水管と、
前記筐体内に収容され、前記幅方向において前記熱交換器の前記第1側方に位置して前記上下方向に延び、前記熱交換器に接続する給湯管と、
前記筐体本体の下面に位置し、前記給水管と前記筐体の外部にある給水路とを接続するための給水接続部材と、
前記筐体本体の前記下面に位置し、前記給湯管と前記筐体の外部にある給湯路とを接続するための給湯接続部材と、
前記給水接続部材と前記給水管との間に設けられ、前記給水管を流れる水の流量を制御する水量制御部と、
を備えた給湯器において、
前記筐体内で前記給水管及び前記給湯管の一方である特定管の途中に接続し、軸心方向の長さが外幅よりも大きい略筒状をなし、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる微細気泡発生器をさらに備え、
前記微細気泡発生器は、前記軸心方向の一方に位置し、前記特定管の上流側から前記湯水が流入する流入口と、
前記軸心方向の他方に位置し、前記微細気泡を含んだ前記湯水を前記特定管の下流側に流出させる流出口と、を有し、
前記微細気泡発生器は、前記炎口よりも下方に位置していることを特徴とする。
【0011】
本発明の給湯器では、筐体内に収容された微細気泡発生器がバーナの炎口よりも下方に位置する構成により、燃焼装置及び熱交換器から微細気泡発生器に伝わる熱の影響を抑制するための各種対策、例えば、微細気泡発生器を耐熱性の高い樹脂や金属で構成する対策等、の必要性を低下させることができる。その結果、この給湯器は、微細気泡発生器について、材料コストや加工コストを抑制できる。
【0012】
したがって、本発明の給湯器は、筐体内に微細気泡発生器を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる。
【0013】
微細気泡発生器は、幅方向において熱交換器の第1側方に位置していることが望ましい。
【0014】
この構成によれば、微細気泡発生器が幅方向において特定管と同じ側に配置される。このため、この給湯器は、特定管と微細気泡発生器との間で配管が過度に長くなることを抑制できるので、筐体内のスペースを効率的に使用できる。
【0015】
特定管は、給湯管であることが望ましい。流入口は、流出口よりも上方に位置していることが望ましい。そして、流出口は、給湯管における流出口に接続する部分から給湯接続部材までの下流側給湯流路以上の高さに位置していることが望ましい。
【0016】
この構成によれば、上下方向の位置関係について、流入口>流出口≧下流側給湯流路、となる。このため、この給湯器は、微細気泡発生器の水抜きを行う際に、別途水抜き用の回路を設けることなく給湯接続部材から水抜きを行うことができる。
【0017】
上記の場合において、微細気泡発生器は、水量制御部よりも上方に位置していることが望ましい。
【0018】
この構成によれば、給湯管における微細気泡発生器よりも下流側に位置する部分を取り外すことで、水量制御部に触ったり、水量制御部を取り外したりすることを容易に実施可能となる。その結果、この給湯器は、メンテナンス性の向上を実現できる。
【0019】
特定管は、給湯管であることが望ましい。そして、微細気泡発生器を幅方向に沿って見た場合に、軸心方向は、流入口が流出口よりも上方に位置するように傾斜していることが望ましい。
【0020】
この構成によれば、軸心方向に長い長尺の微細気泡発生器をバーナの炎口よりも下方に配置することを適切に実現できる。また、微細気泡発生器は、流入口が流出口よりも上方に位置するように傾斜しているため、微細気泡発生器内の水抜きも容易に実施できる。その結果、この給湯器は、対凍結性能の向上を実現できる。
【0021】
上記の場合において、流入口及び流出口の一方は、流入口及び流出口の他方よりも後方に位置して鉛直方向に開口していることが望ましい。
【0022】
この構成によれば、流入口が流出口よりも後方に位置する場合、流入口が鉛直方向の上向きに開口する。このため、この給湯器は、給湯管の上流側と流入口との接続部を前方から視認し易くなるとともに、筐体開口からその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。また、流出口が流入口よりも後方に位置する場合、流出口が鉛直方向の下向きに開口する。このため、この給湯器は、給湯管の下流側と流出口との接続部を前方から視認し易くなるともに、筐体開口からその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。それらの結果、この給湯器は、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0023】
また、上記の場合において、流出口は、流入口よりも前方に位置していることが望ましい。
【0024】
給湯接続部材における給湯管が接続する給湯接続口は、組立作業性の観点から筐体の前面側に向けて開口することが多い。このため、流出口が流入口よりも前方に位置している構成により、流出口に接続する給湯管の下流側について、給湯接続部材の給湯接続口に至るまでの引き回しをスムーズにできる。その結果、この給湯器は、組立作業性や加工性の向上、及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0025】
特定管は、給水管であることが望ましい。流出口は、流入口よりも上方に位置していることが望ましい。そして、流入口は、給水接続部材から給水管における流入口に接続する部分までの上流側給水流路以上の高さに位置していることが望ましい。
【0026】
この構成によれば、上下方向の位置関係について、流出口>流入口≧上流側給水流路、となる。このため、この給湯器は、微細気泡発生器の水抜きを行う際に、別途水抜き用の回路を設けることなく給水接続部材から水抜きを行うことができる。
【0027】
上記の場合において、微細気泡発生器は、水量制御部よりも上方に位置していることが望ましい。
【0028】
この構成によれば、給水管における微細気泡発生器よりも上流側に位置する部分を取り外すことで、水量制御部に触ったり、水量制御部を取り外したりすることを容易に実施可能となる。その結果、この給湯器は、メンテナンス性の向上を実現できる。
【0029】
特定管は、給水管であることが望ましい。そして、微細気泡発生器を幅方向に沿って見た場合に、軸心方向は、流出口が流入口よりも上方に位置するように傾斜していることが望ましい。
【0030】
この構成によれば、軸心方向に長い長尺の微細気泡発生器をバーナの炎口よりも下方に配置することを適切に実現できる。また、微細気泡発生器は、流出口が流入口よりも上方に位置するように傾斜しているため、微細気泡発生器内の水抜きも容易に実施できる。その結果、この給湯器は、対凍結性能の向上を実現できる。
【0031】
上記の場合において、流入口及び流出口の一方は、流入口及び流出口の他方よりも後方に位置して鉛直方向に開口していることが望ましい。
【0032】
この構成によれば、流入口が流出口よりも後方に位置する場合、流入口が鉛直方向の下向きに開口する。このため、この給湯器は、給水管の上流側と流入口との接続部を前方から視認し易くなるとともに、筐体開口からその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。また、流出口が流入口よりも後方に位置する場合、流出口が鉛直方向の上向きに開口する。このため、この給湯器は、給水管の下流側と流出口との接続部を前方から視認し易くなるともに、筐体開口からその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。それらの結果、この給湯器は、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0033】
また、上記の場合において、流入口は、流出口よりも前方に位置していることが望ましい。
【0034】
水量制御部における給水管が接続する給水接続口は、組立作業性の観点から筐体の前面側に向けて開口することが多い。このため、流入口が流出口よりも前方に位置している構成により、流入口に接続する給水管の上流側について、水量制御部の給水接続口に至るまでの引き回しをスムーズにできる。その結果、この給湯器は、組立作業性や加工性の向上、及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0035】
微細気泡発生器は、流入口が形成され、特定管の上流側に接続する流入部と、流出口が形成され、特定管の下流側に接続する流出部と、軸心方向の一方において流入部に接続し、かつ軸心方向の他方において流出部に接続し、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる本体部と、を有していることが望ましい。そして、流入部、流出部及び本体部はそれぞれ、別部品で構成されていることが望ましい。
【0036】
この構成によれば、形状の異なる複数種類の流入部及び流出部を予め用意しておき、それらの中から適宜選択した流入部及び流出部を使用することで、様々な接続・取付形態、例えば鉛直取付や、斜め取付で鉛直方向に流入・流出等に、容易に対応できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の給湯器によれば、筐体内に微細気泡発生器を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、実施例1の給湯器の斜視図である。
図2図2は、実施例1の給湯器に係り、前板を除いた状態を示す斜視図である。
図3図3は、実施例1の給湯器の概略構成図である。
図4図4は、実施例1の給湯器に係り、燃焼室、バーナの炎口、微細気泡発生器等を示す部分斜視図である。
図5図5は、実施例1の給湯器に係り、図2から筐体本体、燃焼ファン、第1燃焼装置、第2燃焼装置、第1主熱交換器、第1副熱交換器、第2主熱交換器、第2副熱交換器等を除いた状態を示す斜視図である。
図6図6は、実施例1の給湯器に係り、給湯管、微細気泡発生器、給湯接続部材、湯張り水制御部、給水接続部材、水量制御部、バイパス管等を示す分解斜視図である。
図7図7は、実施例1の給湯器に係り、給湯管、バイパス管、微細気泡発生器、給水接続部材、給湯接続部材、水量制御部、湯張り水制御部等を示す側面図である。
図8図8は、実施例1の給湯器に係り、微細気泡発生器の分解斜視図である。
図9図9は、実施例2の給湯器の概略構成図である。
図10図10は、実施例2の給湯器に係り、給水管、微細気泡発生器、給水接続部材、給湯接続部材、水量制御部、湯張り水制御部等を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。
【0040】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の給湯器1は、本発明の給湯器の具体的態様の一例である。以下の説明では、給湯器1の筐体8の前板8B側、すなわち図1の紙面手前側を給湯器1の前方と規定し、図1の紙面左側を給湯器1の左方と規定し、図1の紙面上側を給湯器1の上方と規定する。そして、図2以降の各図に示す前後、左右及び上下の各方向は、全て図1に対応させて表示する。以下、給湯器1の構成要素について説明する。
【0041】
<筐体>
図1に示すように、給湯器1は、筐体8を備えている。筐体8は、筐体本体8A及び前板8Bを有している。
【0042】
図2に示すように、筐体本体8Aは、前面を開放する筐体開口8Hを有し、後方に向かって凹む略箱状である。図1に示すように、前板8Bは、略矩形平板形状であり、筐体開口8Hを覆っている。筐体本体8A及び前板8Bは、略直方体形状の内部空間を区画している。
【0043】
筐体8の幅方向は、前後方向及び上下方向に直交する方向であり、本実施例では左右方向と一致している。給湯器1は、マンションのパイプシャフトに設置される場合が多い。このため、筐体8は、そのようなパイプシャフトに収まるように、上下方向、前後方向及び幅方向の大きさや形状が制約される。
【0044】
前板8Bの上端側には、後述する排気口49を露出させる排気開口8B1が貫設されている。前板8Bの下端側には、外気を筐体8内に導入するための外気導入開口8B2が貫設されている。
【0045】
<燃焼ファン、第1燃焼装置及び第2燃焼装置>
図2及び図3に示すように、給湯器1は、燃焼ファン30F、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32を備えている。第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32は、本発明の「燃焼装置」の一例である。
【0046】
燃焼ファン30Fは、筐体8内の下部に収容されている。燃焼ファン30Fは、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32に燃焼用空気を供給する。
【0047】
第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32は、筐体8内における上下方向の中間部に収容されている。図3及び図4に示すように、第2燃焼装置32は、第1燃焼装置31の左方に位置し、第1燃焼装置31よりも小型である。
【0048】
第1燃焼装置31は、燃焼室31C及びバーナ31Bを有している。第2燃焼装置32は、燃焼室32C及びバーナ32Bを有している。燃焼室31C及びバーナ31Bと、燃焼室32C及びバーナ32Bとは、図3に示す仕切板33Aによって仕切られている。
【0049】
図4では、仕切板33Aの図示を省略している。第1燃焼装置31において、バーナ31Bの炎口31Fは、燃焼室31C内に位置し、前後方向及び左右方向に複数並んで配置されている。第2燃焼装置32において、バーナ32Bの炎口32Fは、燃焼室32C内に位置し、前後方向及び左右方向に複数並んで配置されている。
【0050】
バーナ31Bの炎口31Fの高さとバーナ32Bの炎口32Fの高さとは、同じである。図7において、バーナ31B、32Bの炎口31F、32Fの高さを高さH1で示す。
【0051】
図3に示すように、第1燃焼装置31において、バーナ31Bには、筐体8の外部にある図示しないガス供給源からガス供給管30G、元ガス電磁弁30V、ガス比例弁30P、分岐管31P及び第1ガス電磁弁31Vを経由して、都市ガスやプロパンガス等の燃料ガスが供給される。バーナ31Bは、その燃料ガスを炎口31Fから吐出して燃焼させる。これにより、第1燃焼装置31は、燃焼排ガスである高温ガスを生成する。
【0052】
第2燃焼装置32において、バーナ32Bには、筐体8の外部にある図示しないガス供給源からガス供給管30G、元ガス電磁弁30V、ガス比例弁30P、分岐管32P及び第2ガス電磁弁32Vを経由して、燃料ガスが供給される。バーナ32Bは、その燃料ガスを炎口32Fから吐出して燃焼させる。これにより、第2燃焼装置32は、燃焼排ガスである高温ガスを生成する。
【0053】
<第1主熱交換器、第1副熱交換器、第2主熱交換器及び第2副熱交換器>
図2及び図3に示すように、給湯器1は、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bを備えている。
【0054】
第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bは、本発明の「熱交換器」の一例である。
【0055】
図3に示すように、上述した第2燃焼装置32と、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bとは、浴室に設置された浴槽4の追い焚き等を実行するためのものである。つまり、給湯器1は風呂給湯器である。
【0056】
第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bは、筐体8内の上部に収容されている。
【0057】
第1主熱交換器41Aは、第1燃焼装置31の燃焼室31Cよりも上方に位置している。第2主熱交換器42Aは、第2燃焼装置32の燃焼室32Cよりも上方に位置している。
【0058】
第1主熱交換器41Aと第2主熱交換器42Aとは、図2に示す外箱40Bを共用し、図3に示す仕切板33Bによって仕切られている。
【0059】
第1副熱交換器41Bは、第1主熱交換器41Aよりも上方に位置している。第2副熱交換器42Bは、第2主熱交換器42Aよりも上方に位置している。
【0060】
第1副熱交換器41Bと第2副熱交換器42Bとは、図2に示す缶体40Cを共用し、図3に示す仕切板33Cによって仕切られている。
【0061】
図2に示すように、缶体40Cは、排気口49を有している。排気口49は、缶体40Cの前面から前向きに突出している。図1に示すように、排気口49は、前板8Bの排気開口8B1を通過して、筐体8の外部に露出している。
【0062】
第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32が生成した高温ガスは、外箱40B及び缶体40C内を上昇し、排気口49から筐体8の外部に排出される。
【0063】
図3に示すように、第1主熱交換器41Aは、伝熱管41A1を有している。図3では伝熱管41A1を簡略して図示しているが、伝熱管41A1は、複数の直線部分と、円弧状に折り返して各直線部分を連通させる複数の折り返し部分とを含んで蛇行している。伝熱管41A1の各直線部分は、複数の伝熱フィンを有している。
【0064】
第1主熱交換器41Aは、伝熱管41A1内を流通する水と、第1燃焼装置31が生成した高温ガスとの間で熱交換を行い、その高温ガスの顕熱を吸収する。
【0065】
第1副熱交換器41Bは、伝熱管41B1を有している。図3では伝熱管41B1を簡略して図示しているが、伝熱管41B1は、複数の直線部分と、円弧状に折り返して各直線部分を連通させる複数の折り返し部分とを含んで蛇行するコルゲート管である。
【0066】
第1副熱交換器41Bは、伝熱管41B1内を流通する水と、第1燃焼装置31が生成した高温ガスとの間で熱交換を行い、その高温ガスの潜熱を吸収する。
【0067】
第2主熱交換器42Aは、伝熱管41A1と同様の構成である伝熱管42A1を有している。第2主熱交換器42Aは、伝熱管42A1内を流通する水と、第2燃焼装置32が生成した高温ガスとの間で熱交換を行い、その高温ガスの顕熱を吸収する。
【0068】
第2副熱交換器42Bは、伝熱管41B1と同様の構成である伝熱管42B1を有している。第2副熱交換器42Bは、伝熱管42B1内を流通する水と、第2燃焼装置32が生成した高温ガスとの間で熱交換を行い、その高温ガスの潜熱を吸収する。
【0069】
こうして、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bはそれぞれ、内部を通過する水を高温ガスにより加熱して湯に変換する。
【0070】
図2及び図3に示すように、缶体40Cの底壁には、ドレン管48Pの上端が接続している。ドレン管48Pの下端は、中和器48に接続している。缶体40C内で凝縮生成されたドレンは、ドレン管48Pによって中和器48に導かれる。中和器48は、そのドレンを中和剤により中和した後、筐体8の外部に排出する。
【0071】
<給水管、中間給水管、給湯管及びバイパス管>
図2図5に示すように、給湯器1は、給水管P1、中間給水管P11、給湯管P2及びバイパス管P21を備えている。給湯管P2は、本発明の「特定管」の一例である。
【0072】
給水管P1、中間給水管P11、給湯管P2及びバイパス管P21は、筐体8内に収容されている。給水管P1、中間給水管P11、給湯管P2及びバイパス管P21は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの一方の側方である第1側方、すなわち右方に位置している。
【0073】
また、給水管P1、中間給水管P11、給湯管P2及びバイパス管P21は、幅方向において、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32の右方に位置している。
【0074】
図3及び図5に示すように、給水管P1の上流端は、後述する水量制御部50の給水接続口50H1に接続している。給水管P1の下流端は、給水管P1の上流端よりも上方に位置している。給水管P1の下流端は、第1副熱交換器41Bの伝熱管41B1の入口に接続している。給水管P1は、上流端と下流端との間で複数回折れ曲がりながら上下方向に延びている。
【0075】
中間給水管P11の上流端は、第1副熱交換器41Bの伝熱管41B1の出口に接続している。中間給水管P11の下流端は、中間給水管P11の上流端よりも下方に位置している。中間給水管P11の下流端は、第1主熱交換器41Aの伝熱管41A1の入口に接続している。
【0076】
給水管P1の中間部と中間給水管P11の中間部とは、細い連通管P12を介して連通している。
【0077】
給湯管P2の上流端は、第1主熱交換器41Aの伝熱管41A1の出口に接続している。給湯管P2の下流端は、給湯管P2の上流端よりも下方に位置している。給湯管P2の下流端は、後述する給湯接続部材20の給湯接続口20H1に接続している。給湯管P2は、上流端と下流端との間で複数回折れ曲がりながら上下方向に延びている。給湯管P2の途中には、後述する微細気泡発生器9が接続している。
【0078】
バイパス管P21の上流端は、後述する水量制御部50のバイパス接続口50H2に接続している。バイパス管P21の下流端は、バイパス管P21の上流端よりも上方に位置している。バイパス管P21の下流端は、給湯管P2の上流端の近傍に接続している。
【0079】
<給水接続部材、給湯接続部材、水量制御部及び湯張り水制御部>
図2図3及び図5に示すように、給湯器1は、給水接続部材10、給湯接続部材20、水量制御部50及び湯張り水制御部60を備えている。
【0080】
給水接続部材10は、筐体本体8Aの下面の右部分に位置している。図3に示すように、給水接続部材10における筐体本体8Aの下面よりも下方に突出する部分は、給水管P1と筐体8の外部にある給水路10Sとを接続する接続部と、水フィルタ兼水抜き栓とを有している。
【0081】
給水接続部材10における筐体本体8Aの下面よりも上方に突出する部分は、水量制御部50に接続している。
【0082】
図5に示すように、水量制御部50は、給水管P1の上流端が接続する給水接続口50H1を有している。つまり、水量制御部50は、給水接続部材10と給水管P1との間に設けられている。また、水量制御部50は、バイパス管P21の上流端が接続するバイパス接続口50H2を有している。
【0083】
図3に示すように、水量制御部50は、バイパスサーボ51及び水量サーボ52を有している。
【0084】
バイパスサーボ51は、水量制御部50に供給される水を給水管P1のみに案内するバイパス閉状態と、水量制御部50に供給される水を給水管P1だけでなくバイパス管P21にも案内するバイパス開状態と、に切り替わる。
【0085】
水量サーボ52は、バイパスサーボ51がバイパス閉状態にある場合、給水管P1を流れる水の流量を制御する。その一方、水量サーボ52は、バイパスサーボ51がバイパス開状態にある場合、給水管P1及びバイパス管P21を流れる水の流量を制御する。
【0086】
図2図3及び図5に示すように、給湯接続部材20は、筐体本体8Aの下面の右部分であって、給水接続部材10よりも右方かつ後方に位置している。図3に示すように、給湯接続部材20における筐体本体8Aの下面よりも下方に突出する部分は、給湯管P2と筐体8の外部にある給湯路20Sとを接続するための接続部と、水撃緩衝弁と、加圧安全弁兼水抜き栓とを有している。
【0087】
図5に示すように、給湯接続部材20における筐体本体8Aの下面よりも上方に突出する部分はT字状に分岐している。給湯接続部材20は、その分岐から前向きに突出する部分の前端に、給湯管P2の下流端が接続する給湯接続口20H1を有している。
【0088】
給湯接続部材20におけるその分岐から上向きに突出する部分は、湯張り水制御部60に接続している。
【0089】
図3に示すように、湯張り水制御部60は、湯張り電磁弁61、逆止弁62A、62B及び大気開放弁63を有している。
【0090】
図5及び図6に示すように、湯張り水制御部60の湯張り接続口60H1には、湯張り供給管P6の一端が接続している。図3及び図5に示すように、湯張り供給管P6の他端は、後述する風呂戻り配管P3におけるポンプ69よりも上流側に接続している。
【0091】
湯張り電磁弁61は、湯張り水制御部60に供給される水を湯張り供給管P6に供給する湯張り開状態と、湯張り水制御部60に供給される水を湯張り供給管P6に供給しない湯張り閉状態と、に切り替わる。
【0092】
湯張り水制御部60の大気開放弁63と、水量制御部50における水量サーボ52よりも上流側とは、細い連通管P7を介して連通している。また、大気開放弁63と、中和器48の排水側とは、連通管P8を介して連通している。
【0093】
<風呂往き配管、風呂戻り配管及びポンプ>
図3及び図5に示すように、給湯器1は、風呂戻り配管P3、中間配管P31、風呂往き配管P4及びポンプ69を備えている。
【0094】
風呂戻り配管P3、中間配管P31、風呂往き配管P4及びポンプ69は、筐体8内に収容されている。風呂戻り配管P3、中間配管P31、風呂往き配管P4及びポンプ69は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの他方の側方である第2側方、すなわち左方に位置している。
【0095】
風呂戻り配管P3の上流端は、筐体本体8Aの下面の左部分に位置する風呂戻り接続部材73に接続している。風呂戻り接続部材73は、外部配管73Aを経由して浴槽4の吸入口に接続している。
【0096】
風呂戻り配管P3の下流端は、風呂戻り配管P3の上流端よりも上方に位置している。風呂戻り配管P3の下流端は、第2副熱交換器42Bの伝熱管42B1の入口に接続している。
【0097】
風呂戻り配管P3の途中にはポンプ69が接続し、そのポンプ69よりも上流側には湯張り供給管P6の他端が接続している。
【0098】
中間配管P31の上流端は、第2副熱交換器42Bの伝熱管42B1の出口に接続している。中間配管P31の下流端は、中間配管P31の上流端よりも下方に位置している。中間配管P31の下流端は、第2主熱交換器42Aの伝熱管42A1の入口に接続している。
【0099】
風呂戻り配管P3の中間部と中間配管P31の中間部とは、細い連通管P32を介して連通している。
【0100】
風呂往き配管P4の上流端は、第2主熱交換器42Aの伝熱管42A1の出口に接続している。風呂往き配管P4の下流端は、風呂往き配管P4の上流端よりも下方に位置している。風呂往き配管P4の下流端は、筐体本体8Aの下面の左部分に位置する風呂往き接続部材74に接続している。風呂往き接続部材74は、外部配管74Aを経由して浴槽4の出湯口に接続している。
【0101】
<微細気泡発生器>
図2図7に示すように、給湯器1は、微細気泡発生器9をさらに備えている。微細気泡発生器9は、筐体8内で給湯管P2の途中に接続している。微細気泡発生器9は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの第1側方、すなわち右方に位置している。
【0102】
また、微細気泡発生器9は、幅方向において、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32の右方に位置している。
【0103】
微細気泡発生器9は、内部を流れる湯水に微細気泡を発生させる装置である。その微細気泡は、湯水に既に溶解している空気等に由来するものであり、外部からの気体の供給は不要である。
【0104】
本実施例では、微細気泡発生器9は、所謂「マイクロファインバブル発生器」であり、内部を流れる湯水に直径1μm未満の気泡を含む微細気泡を発生させる。このため、微細気泡発生器9は、以下に説明する構成を有している。
【0105】
図8に示すように、微細気泡発生器9は、本体部90、流入部91及び流出部92を有している。本体部90、流入部91及び流出部92はそれぞれ、別部品で構成されている。本実施例では、本体部90、流入部91及び流出部92はそれぞれ、高温の湯に対する耐熱性を有する樹脂製である。
【0106】
本体部90は、軸心X9を中心とする略円筒である。本体部90は、軸心X9方向の一方において流入部91に接続し、かつ軸心X9方向の他方において流出部92に接続している。
【0107】
流入部91は、本体部90と嵌合する嵌合部91Aを有し、複数のネジ91Bによって、本体部90に締結されている。流入部91は、嵌合部91Aから上向きに折れ曲がっている。流入部91における嵌合部91Aとは反対側の端部には、軸心X9と交差する軸心を中心とする流入口91Hが形成されている。
【0108】
流出部92は、本体部90と嵌合する嵌合部92Aを有し、複数のネジ92Bによって、本体部90に締結されている。流出部92における嵌合部92Aとは反対側の端部には、軸心X9を中心とする流出口92Hが形成されている。
【0109】
本体部90は、ベンチュリ部材93及び複数の攪拌部材94を内蔵している。ベンチュリ部材93及び各攪拌部材94も、高温の湯に対する耐熱性を有する樹脂製である。ベンチュリ部材93は流入部91側に位置し、各攪拌部材94は、流出部92側に位置している。
【0110】
ベンチュリ部材93には、複数のベンチュリ流路93Aが形成されている。1つのベンチュリ流路93Aは、軸心X9を中心としている。残りのベンチュリ流路93Aは、軸心X9の周方向において等間隔で並び、かつ軸心X9と平行に延びている。各ベンチュリ流路93Aは、その途中において絞られた絞り部分と、流入部91側からその絞り部分に向かって縮径する縮径流路と、その絞り部分から流出部92側に向かって拡径する拡径流路と、を有している。
【0111】
各攪拌部材94には、複数の羽根94Aが形成されている。各羽根94Aは、軸心X9の周方向において等間隔で並び、それぞれ軸心X9に対して傾斜している。
【0112】
本体部90は、このようなベンチュリ部材93及び各攪拌部材94によって、内部を流れる湯水に直径1μm未満の気泡を含む微細気泡を発生させる。特に、攪拌部材94が直列に並ぶ数を増やすことにより、直径1μm未満の気泡を発生させ易くなり、それに応じて、本体部90の軸心X9方向の長さL90が大きくなる。
【0113】
本体部90の軸心X9方向の長さL90は、本体部90の外径D90よりも大きい。つまり、微細気泡発生器9は、軸心X9方向の長さが外幅(外径)よりも大きい略筒状(略円筒状)をなしている。本実施例では、長さL90は外径D90の2倍以上である。
【0114】
図4図7に示すように、微細気泡発生器9は、軸心X9方向が傾斜する状態で、給湯管P2の途中に接続している。微細気泡発生器9を幅方向に沿って見た場合に、軸心X9方向は、流入口91Hが流出口92Hよりも上方に位置するように傾斜している。本実施例では、軸心X9方向は、前後方向及び上下方向と略平行に延びている。
【0115】
この状態で、軸心X9方向の一方は後方であり、軸心X9方向の他方は前方である。流出口92Hは、流入口91Hよりも前方に位置している。流入口91Hは、流出口92Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口している。
【0116】
流入口91Hは、軸心X9方向の一方、すなわち本体部90よりも後方に位置し、給湯管P2の上流側P2Uに接続している。流入口91Hには、給湯管P2の上流側P2Uから湯水が流入する。
【0117】
流出口92Hは、軸心X9方向の他方、すなわち本体部90よりも前方に位置し、給湯管P2の下流側P2Dに接続している。流出口92Hは、微細気泡を含んだ湯水を給湯管P2の下流側P2Dに流出させる。
【0118】
図4に示すように、給湯管P2の上流側P2Uと流入部91とは、金属製のクリップ91Cによってワンアクションで固定されている。同様に、給湯管P2の下流側P2Dと流出部92とは、金属製のクリップ92Cによってワンアクションで固定されている。
【0119】
図4に炎口31F、32Fを図示し、図7において炎口31F、32Fの高さを高さH1で示すように、微細気泡発生器9は、バーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に位置している。
【0120】
図7において、給湯管P2の下流側P2Dにおける流出口92Hに接続する部分から給湯接続部材20までの下流側給湯流路の高さを高さH2で示す。流出口92Hは、下流側給湯流路の高さH2以上の高さに位置している。
【0121】
図7において、水量制御部50の内部流路の高さを高さH3で示す。微細気泡発生器9は、水量制御部50よりも上方、より詳しくは水量制御部50の内部流路の高さH3よりも上方に位置している。
【0122】
<給湯動作>
ユーザが給湯のための操作、例えば、台所に設置された混合栓や、浴室に設置された混合栓及びシャワー等である給湯端末の出湯栓の開操作を行った場合、バイパスサーボ51が通常バイパス閉状態にあり、第1燃焼装置31が燃焼を開始して高温ガスを生成する。なお、第1主熱交換器41Aからの出湯温度を高温に維持する等の特殊な目的のため、バイパスサーボ51をバイパス開状態にすることもある。
【0123】
図示しない給水源から供給される水は、給水路10S、給水接続部材10、水量制御部50、給水管P1、第1副熱交換器41Bの伝熱管41B1、中間給水管P11、第1主熱交換器41Aの伝熱管41A1を通過する。この際、その水は、第1副熱交換器41B及び第1主熱交換器41Aにより加熱されて湯となる。そして、その湯は、給湯管P2を通過し、その途中で微細気泡発生器9によって直径1μm未満の気泡を含む微細気泡が発生する。
【0124】
さらに、その湯は、給湯接続部材20、給湯路20Sを通過し、微細気泡を含む状態で給湯端末の出湯栓から流出する。
【0125】
<湯張り動作>
ユーザが湯張りのための操作、例えば、台所や浴室等に設置された給湯リモコンの湯張りボタンを押す操作を行った場合、第1燃焼装置31が燃焼を開始して高温ガスを生成する。バイパスサーボ51は、状況に応じてバイパス開状態に切り替わる。湯張り電磁弁61は、湯張り開状態に切り替わる。ポンプ69は、停止している。
【0126】
図示しない給水源から供給される水は、給水管P1を経由することにより、給湯動作と同様にして湯となり、給湯管P2に流入する。また、バイパスサーボ51がバイパス開状態にある場合、図示しない給水源から供給される水の一部がバイパス管P21を経由して給湯管P2に流入する。
【0127】
そして、その湯は、給湯管P2を通過し、その途中で微細気泡発生器9によって直径1μm未満の気泡を含む微細気泡が発生する。
【0128】
さらに、その湯は、給湯接続部材20、湯張り水制御部60、湯張り供給管P6を通過し、風呂戻り配管P3におけるポンプ69よりも上流側に流入する。そして、その湯の一部は、ポンプ69、第2副熱交換器42Bの伝熱管42B1、中間配管P31、第2主熱交換器42Aの伝熱管42A1、風呂往き配管P4、風呂往き接続部材74、外部配管74Aを通過して浴槽4に至る。また、その湯の他部は、風呂戻り配管P3、風呂戻り接続部材73、外部配管73Aを通過して浴槽4に至る。こうして、2つの経路を通過した湯は、微細気泡を含む状態で浴槽4内に貯留される。
【0129】
<追い焚き動作>
ユーザが追い焚きのための操作、例えば、台所や浴室等に設置された給湯リモコンの追い焚きボタンを押す操作を行った場合、第2燃焼装置32が燃焼を開始して高温ガスを生成する。湯張り電磁弁61は、湯張り閉状態にある。
【0130】
ポンプ69は作動して、浴槽4に貯留された湯を外部配管73A、風呂戻り接続部材73、風呂戻り配管P3、第2副熱交換器42Bの伝熱管42B1、中間配管P31、第2主熱交換器42Aの伝熱管42A1、風呂往き配管P4、風呂往き接続部材74、外部配管74Aの順に循環させる。その結果、循環する湯は、第2副熱交換器42B及び第2主熱交換器42Aにより追い焚きされる。
【0131】
<作用効果>
実施例1の給湯器1では、図4及び図7に示すように、筐体8内に収容された微細気泡発生器9がバーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に位置する構成により、第1燃焼装置31、第2燃焼装置32、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bから微細気泡発生器9に伝わる熱の影響を抑制するための各種対策、例えば、微細気泡発生器9を耐熱性の高い樹脂や金属で構成する対策等、の必要性を低下させることができる。その結果、この給湯器1は、微細気泡発生器9について、材料コストや加工コストを抑制できる。
【0132】
したがって、実施例1の給湯器1は、筐体8内に微細気泡発生器9を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる。
【0133】
また、この給湯器1において、図2図4に示すように、微細気泡発生器9は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの第1側方、すなわち右方に位置している。この構成により、微細気泡発生器9が幅方向において給湯管P2と同じ側に配置される。このため、この給湯器1は、給湯管P2と微細気泡発生器9との間で配管が過度に長くなることを抑制できるので、筐体8内のスペースを効率的に使用できる。
【0134】
さらに、この給湯器1において、図7に示すように、流入口91Hは、流出口92Hよりも上方に位置している。そして、流出口92Hは、給湯管P2の下流側P2Dにおける流出口92Hに接続する部分から給湯接続部材20までの下流側給湯流路の高さH2以上の高さに位置している。この構成により、上下方向の位置関係について、流入口91H>流出口92H≧下流側給湯流路の高さH2、となる。このため、この給湯器1は、微細気泡発生器9の水抜きを行う際に、別途水抜き用の回路を設けることなく給湯接続部材20から水抜きを行うことができる。
【0135】
また、この給湯器1において、微細気泡発生器9は、水量制御部50よりも上方、より詳しくは水量制御部50の内部流路の高さH3よりも上方に位置している。この構成により、給湯管P2における微細気泡発生器9よりも下流側に位置する部分、すなわち給湯管P2の下流側P2Dを取り外すことで、水量制御部50に触ったり、水量制御部50を取り外したりすることを容易に実施可能となる。その結果、この給湯器1は、メンテナンス性の向上を実現できる。
【0136】
さらに、この給湯器1において、微細気泡発生器9を幅方向に沿って見た場合に、軸心X9方向は、流入口91Hが流出口92Hよりも上方に位置するように傾斜している。この構成により、軸心X9方向に長い長尺の微細気泡発生器9をバーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に配置することを適切に実現できる。また、微細気泡発生器9は、流入口91Hが流出口92Hよりも上方に位置するように傾斜しているため、微細気泡発生器9内の水抜きも容易に実施できる。その結果、この給湯器1は、対凍結性能の向上を実現できる。
【0137】
また、この給湯器1において、流入口91Hは、流出口92Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口している。この構成により、この給湯器1は、給湯管P2の上流側P2Uと、流入口91Hが形成された流入部91と、の接続部を前方から視認し易くなるとともに、筐体開口8Hからその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。その結果、この給湯器1は、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0138】
さらに、この給湯器1において、流出口92Hは、流入口91Hよりも前方に位置している。給湯接続部材20における給湯管P2の下流端が接続する給湯接続口20H1は、組立作業性の観点から筐体8の前面側に向けて開口することが多く、本実施例でもそうなっている。このため、流出口92Hが流入口91Hよりも前方に位置している構成により、流出口92Hに接続する給湯管P2の下流側P2Dについて、給湯接続部材20の給湯接続口20H1に至るまでの引き回しをスムーズにできる。その結果、この給湯器1は、組立作業性や加工性の向上、及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0139】
また、この給湯器1において、図8に示すように、微細気泡発生器9は、それぞれ別部品で構成された流入部91、流出部92及び本体部90を有している。この構成により、形状の異なる複数種類の流入部91及び流出部92を予め用意しておき、それらの中から適宜選択した流入部91及び流出部92を使用することで、様々な接続・取付形態、例えば鉛直取付や、斜め取付で鉛直方向に流入・流出等に、容易に対応できる。
【0140】
(実施例2)
図9及び図10に示すように、実施例2の給湯器2は、実施例1の給湯器1に係る給水管P1、給湯管P2及び微細気泡発生器9の代わりに、給水管P201、給湯管P202及び微細気泡発生器209を採用している。給水管P201は、本発明の「特定管」の一例である。
【0141】
実施例2のその他の構成は、実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して、説明を省略又は簡略する。
【0142】
図9に示すように、実施例2において、微細気泡発生器209は、筐体8内で給水管P201の途中に接続している。微細気泡発生器209は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの第1側方、すなわち右方に位置している。
【0143】
また、微細気泡発生器209は、幅方向において、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32の右方に位置している。
【0144】
給水管P201が実施例1に係る給水管P1に対して有する相違点は、微細気泡発生器209が給水管P201の途中に接続している点だけである。給水管P201のその他の構成は、実施例1に係る給水管P1と同じである。
【0145】
給湯管202が実施例1に係る給湯管P2に対して有する相違点は、給湯管202が上流端から下流端まで途切れなく延びている点だけである。給湯管202のその他の構成は、実施例1に係る給湯管P2と同じである。
【0146】
図10に示すように、微細気泡発生器209は、それぞれ別部品で構成された本体部290、流入部291及び流出部292を有している。
【0147】
本体部290が実施例1に係る本体部90に対して有する相違点は、図示は省略するが、内蔵するベンチュリ部材93及び各攪拌部材94の向きが実施例1とは逆向きになっている点だけである。つまり、ベンチュリ部材93は、流入部291側に位置し、各攪拌部材94は、流出部292側に位置している。本体部290のその他の構成は、実施例1に係る本体部90と同じである。
【0148】
流入部291は、実施例1に係る流出部92と同じである。流入部291の流入口291Hは、実施例1に係る流出口92Hと同じである。
【0149】
流出部292は、実施例1に係る流入部91と同じである。流出部292の流出口292Hは、実施例1に係る流入口92Hと同じである。
【0150】
本体部290は、実施例1と同様に、軸心X9を中心としている。ただし、実施例2では、軸心X9方向の一方は前方に変更され、軸心X9方向の他方は後方に変更されている。
【0151】
本体部290は、軸心X9方向の一方において流入部291に接続し、かつ軸心X9方向の他方において流出部292に接続している。
【0152】
微細気泡発生器209は、軸心X9方向の長さが外幅(外径)よりも大きい略筒状(略円筒状)をなしている。微細気泡発生器209は、軸心X9方向が傾斜する状態で、給水管P201の途中に接続している。微細気泡発生器209を幅方向に沿って見た場合に、軸心X9方向は、流出口292Hが流入口291Hよりも上方に位置するように傾斜している。本実施例では、軸心X9方向は、前後方向及び上下方向と略平行に延びている。
【0153】
流入口291Hは、流出口292Hよりも前方に位置している。流出口292Hは、流入口291Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口している。
【0154】
流入口291Hは、軸心X9方向の一方、すなわち本体部290よりも前方に位置し、給水管P201の上流側P201Uに接続している。流入口291Hには、給水管P201の上流側P201Uから水が流入する。
【0155】
流出口292Hは、軸心X209方向の他方、すなわち本体部290よりも後方に位置し、給水管P201の下流側P201Dに接続している。流出口292Hは、微細気泡を含んだ水を給水管P201の下流側P201Dに流出させる。
【0156】
図10において、バーナ31B、32Bの炎口31F、32Fの高さを高さH1で示す。微細気泡発生器209は、バーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に位置している。
【0157】
図10において、給水接続部材10から給水管P201の上流側P201Uにおける流入口291Hに接続する部分までの上流側給水流路の高さを高さH4で示す。流入口291Hは、上流側給水流路の高さH4以上の高さに位置している。
【0158】
図10において、水量制御部50の内部流路の高さを高さH3で示す。微細気泡発生器209は、水量制御部50よりも上方、より詳しくは水量制御部50の内部流路の高さH3よりも上方に位置している。
【0159】
このような構成である実施例2の給湯器2は、実施例1の給湯器1と同様に、給湯動作及び湯張り動作等により、微細気泡を含む湯を出湯できる。
【0160】
<作用効果>
実施例2の給湯器2では、実施例1の給湯器1と同様に、筐体8内に収容された微細気泡発生器209がバーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に位置する構成により、第1燃焼装置31、第2燃焼装置32、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bから微細気泡発生器209に伝わる熱の影響を抑制するための各種対策の必要性を低下させることができる。その結果、この給湯器2は、微細気泡発生器209について、材料コストや加工コストを抑制できる。
【0161】
したがって、実施例2の給湯器2も、筐体8内に微細気泡発生器209を収容する構成において製造コストの高騰を抑制できる。
【0162】
また、この給湯器2において、微細気泡発生器209は、幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの第1側方、すなわち右方に位置している。この構成により、微細気泡発生器209が幅方向において給水管P201と同じ側に配置される。このため、この給湯器2は、給水管P201と微細気泡発生器209との間で配管が過度に長くなることを抑制できるので、筐体8内のスペースを効率的に使用できる。
【0163】
さらに、この給湯器2において、流出口292Hは、流入口291Hよりも上方に位置している。そして、流入口291Hは、給水接続部材10から給水管P201の上流側P201Uにおける流入口291Hに接続する部分までの上流側給水流路の高さH4以上の高さに位置している。この構成により、上下方向の位置関係について、流出口292H>流入口291H≧上流側給水流路の高さH4、となる。このため、この給湯器2は、微細気泡発生器209の水抜きを行う際に、別途水抜き用の回路を設けることなく給水接続部材10から水抜きを行うことができる。
【0164】
また、この給湯器2において、微細気泡発生器209は、水量制御部50よりも上方、より詳しくは水量制御部50の内部流路の高さH3よりも上方に位置している。この構成により、給水管P201における微細気泡発生器209よりも上流側に位置する部分、すなわち給水管P201の上流側P201Uを取り外すことで、水量制御部50に触ったり、水量制御部50を取り外したりすることを容易に実施可能となる。その結果、この給湯器2は、メンテナンス性の向上を実現できる。
【0165】
さらに、この給湯器2において、微細気泡発生器209を幅方向に沿って見た場合に、軸心X9方向は、流出口292Hが流入口291Hよりも上方に位置するように傾斜している。この構成により、軸心X9方向に長い長尺の微細気泡発生器209をバーナ31B、32Bの炎口31F、32Fよりも下方に配置することを適切に実現できる。また、微細気泡発生器209は、流出口292Hが流入口291Hよりも上方に位置するように傾斜しているため、微細気泡発生器209内の水抜きも容易に実施できる。その結果、この給湯器2は、対凍結性能の向上を実現できる。
【0166】
また、この給湯器2において、流出口292Hは、流入口291Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口している。この構成により、この給湯器2は、給水管P201の下流側P201Dと、流出口292Hが形成された流出部292と、の接続部を前方から視認し易くなるともに、筐体開口8Hからその接続部に手を伸ばして触ることが容易となる。それらの結果、この給湯器2は、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0167】
さらに、この給湯器2において、流入口291Hは、流出口292Hよりも前方に位置している。水量制御部50における給水管P201の上流端が接続する給水接続口50H1は、組立作業性の観点から筐体8の前面側に向けて開口することが多く、本実施例でもそうなっている。このため、流入口291Hが流出口292Hよりも前方に位置している構成により、流入口291Hに接続する給水管P201の上流側P201Uについて、水量制御部50の給水接続口50H1に至るまでの引き回しをスムーズにできる。その結果、この給湯器2は、組立作業性や加工性の向上、及び製造コストの低廉化を実現できる。
【0168】
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0169】
実施例1、2から風呂用の第2燃焼装置32、第2主熱交換器42A、第2副熱交換器42B、湯張り水制御部60、風呂戻り配管P3、中間配管P31、風呂往き配管P4、ポンプ69等を無くした構成、すなわち単機能給湯器も本発明に含まれる。
【0170】
実施例1、2では、微細気泡発生器9、209が幅方向において、第1主熱交換器41A、第1副熱交換器41B、第2主熱交換器42A及び第2副熱交換器42Bの第1側方、すなわち右方に位置しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、微細気泡発生器は、バーナの炎口よりも下方に位置していれば、熱交換器の他方の側方である第2側方、前方、後方又は下方に位置していてもよい。
【0171】
実施例1、2では、第1燃焼装置31及び第2燃焼装置32の燃料が都市ガスやプロパンガス等の燃料ガスであるが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、燃焼装置の燃料は、灯油等の液体でもよい。
【0172】
実施例1では、流入口91Hが流出口92Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例1の給湯器1に係る微細気泡発生器9の姿勢について、流出口92Hが流入口91Hよりも後方に位置して鉛直方向の下向きに開口するように変更した構成も本発明に含まれる。この場合の給湯器によれば、給湯管P2の下流側P2Dと流出口92Hとの接続部を前方から視認し易くなるともに、筐体開口8Hからその接続部に手を伸ばして触ることが容易となるので、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0173】
実施例2では、流出口292Hが流入口291Hよりも後方に位置して鉛直方向の上向きに開口しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例2の給湯器2に係る微細気泡発生器209の姿勢について、流入口291Hが流出口292Hよりも後方に位置して鉛直方向の下向きに開口するように変更した構成も本発明に含まれる。この場合の給湯器によれば、給水管P201の上流側P201Uと流入口291Hとの接続部を前方から視認し易くなるとともに、筐体開口8Hからその接続部に手を伸ばして触ることが容易となるので、メンテナンス性の向上を一層実現できる。
【0174】
実施例1、2では、水量制御部50がバイパスサーボ51及び水量サーボ52を有しているが、本発明はこの構成には限定されない。水量制御部は、給水管を流れる水の流量を制御することができればどのような構成でもよく、例えば、水量制御部がバイパスサーボ及び水量サーボの一方のみを有する構成も本発明に含まれる。
【0175】
実施例1、2では、微細気泡発生器9、209は軸心X9方向の長さが外径よりも大きい略円筒状をなしているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、微細気泡発生器は、軸心方向の長さが外幅よりも大きければ、四角筒状、多角筒状等の略筒形状をなしていてもよい。
【0176】
実施例1、2では、軸心X9方向が前後方向及び上下方向と略平行に延びているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、軸心方向は、前後方向及び上下方向に対して傾斜していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本発明は例えば、給湯機能のみを有する給湯器、給湯機能と風呂追焚機能とを有する給湯器、給湯機能と、暖房機器との間で湯水を循環させる機能とを有する給湯暖房機等に利用可能である。
【符号の説明】
【0178】
1、2…給湯器
8A…筐体本体
8H…筐体開口
8B…前板
8…筐体
31C、32C…燃焼室
31B、32B…バーナ
31F、32F…バーナの炎口
31、32…燃焼装置(31…第1燃焼装置、32…第2燃焼装置)
41A、41B、42A、42B…熱交換器(41A…第1主熱交換器、41B…第1副熱交換器、42A…第2主熱交換器、42B…第2副熱交換器)
P1、P201…給水管
P201U…給水管の上流側
P201D…給水管の下流側
P2、P202…給湯管
P2U…給湯管の上流側
P2D…給湯管の下流側
10S…給水路
10…給水接続部材
20S…給湯路
20…給湯接続部材
50…水量制御部
9、209…微細気泡発生器
X9…軸心
91H、291H…流入口
92H、292H…流出口
91、291…流入部
92、292…流出部
90、290…本体部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10