(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108193
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】着信制御装置、着信制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/54 20060101AFI20230728BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H04M3/54
H04Q3/58 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009177
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 淳悦
(72)【発明者】
【氏名】益子 卓也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 太郎
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049AA05
5K049BB04
5K049BB16
5K049EE02
5K049FF01
5K049FF47
5K049GG07
5K049GG16
5K201AA03
5K201BC08
5K201BD04
5K201CC07
5K201CC10
5K201EC03
5K201EC06
5K201EC08
5K201ED05
5K201FA03
(57)【要約】
【課題】消費電力の削減に貢献する着信制御装置を提供する。
【解決手段】着信制御装置2は、入退館管理システム1から使用者の入退館情報を取得する入退館情報取得部と、使用者の入退館情報に基づいて、在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御部と、在席監視センサの在席情報の有無により、使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定部と、無線端末Ap,Bp,Cp,Dpが基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を構内交換機3から取得する基地局情報取得部と、在席判定部の判定結果と基地局の接続情報とに基づいて、構内交換機3の無線端末への着信処理を制御する着信制御部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置であって、
前記入退館管理システムから前記使用者の入退館情報を取得する入退館情報取得部と、
前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御部と、
前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定部と、
前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得部と、
前記在席判定部の前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御部と、
を有することを特徴とする着信制御装置。
【請求項2】
前記在席監視センサ制御部は、前記使用者の入退館情報において前記使用者が入館していない場合、入館していない前記使用者の席に対応する前記在席監視センサを停止させ、
前記着信制御部は、入館していない前記使用者に対応する前記無線端末に対して呼制御させないことを特徴とする請求項1に記載の着信制御装置。
【請求項3】
前記在席監視センサ制御部は、前記使用者の入退館情報において前記使用者が入館している場合、前記使用者の席に対応する前記在席監視センサを起動させ、
前記着信制御部は、前記在席判定部の前記判定結果において前記使用者が在席していない場合、前記使用者に対応する席に対応する前記基地局の前記接続情報があっても、在席していない前記使用者に対応する前記無線端末に対して呼制御させないことを特徴とする請求項1に記載の着信制御装置。
【請求項4】
前記在席監視センサ制御部は、前記使用者の入退館情報において前記使用者が入館している場合、前記使用者の席に対応する前記在席監視センサを起動させ、
前記着信制御部は、前記在席判定部の前記判定結果において前記使用者が在席している場合、前記使用者に対応する席に対応する前記基地局の前記接続情報がない際には、在席している前記使用者に対応する前記無線端末に対して呼制御させないことを特徴とする請求項1に記載の着信制御装置。
【請求項5】
無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置における着信制御方法であって、
前記入退館管理システムから前記使用者の入退館情報を取得する入退館情報取得ステップと、
前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御ステップと、
前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定ステップと、
前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得ステップと、
前記在席判定ステップの前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御ステップと、
を有することを特徴とする着信制御方法。
【請求項6】
無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置に搭載されるコンピュータに、
前記使用者の入退館情報を前記入退館管理システムから取得する入退館情報取得ステップと、
前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御ステップと、
前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定ステップと、
前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得ステップと、
前記在席判定ステップの前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内電話システムにおける着信制御装置、着信制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
構内電話システムの一例として、不在者の席の電話に着信があった場合、電話を取る人がいないと、リンガーが鳴りっぱなしとなり、消費電力を無駄に消費してしまう。特許文献1には、センサを用いて、在席又は不在を監視することにより、構内交換機やボタン電話装置への人為的な不在設定を行うことを不要とする不在転送システムが記載されている。当該構内電話システムにおいて、在席又は不在の状態をセンサで監視し、不在時に電話機端末に着信があった場合、当該送受信エリアにある最も近い送受信エリアの電話機端末あるいは、在席状態にある送受信エリアのうちいずれかの電話機端末に転送している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の不在転送システムでは、在席又は不在の変化を常に監視する必要があるため、監視用の回路が常に動作するので、消費電力を無駄に消費してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、以上の従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、消費電力の削減に貢献できる着信制御装置、着信制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の着信制御装置は、無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置であって、前記入退館管理システムから前記使用者の入退館情報を取得する入退館情報取得部と、前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御部と、前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定部と、前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得部と、前記在席判定部の前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の着信制御方法は、無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置における着信制御方法であって、前記入退館管理システムから前記使用者の入退館情報を取得する入退館情報取得ステップと、前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御ステップと、前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定ステップと、前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得ステップと、前記在席判定ステップの前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御ステップと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の着信制御プログラムは、無線端末に対応する使用者の入退館を示す入退館情報を出力する入退館管理システムと、前記使用者に対応する席に前記使用者が在席していることを示す在席情報を出力する在席監視センサと、前記使用者に対応する席に対応する基地局及び対応しない基地局を収容する構内交換機とに接続され、前記構内交換機を介して前記無線端末への着信を制御する着信制御装置に搭載されるコンピュータに着信制御を実行させるためのプログラムであって、前記使用者の入退館情報を前記入退館管理システムから取得する入退館情報取得ステップと、前記使用者の入退館情報に基づいて、前記在席監視センサの起動及び停止を制御する在席監視センサ制御ステップと、前記在席監視センサの前記在席情報の有無により、前記使用者が在席しているか否かを判定し判定結果を出力する在席判定ステップと、前記無線端末が前記基地局のいずれかに接続されていることを示す接続情報を前記構内交換機から取得する基地局情報取得ステップと、前記在席判定ステップの前記判定結果と前記基地局の前記接続情報とに基づいて、前記構内交換機の前記無線端末への着信処理を制御する着信制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の着信制御装置、着信制御方法及びプログラムによれば、入退館管理システムと連動させることにより不在者席への電話着信をさせないで、在席者へ転送することができ、あらかじめ個別に端末の使用者が不在とわかっていれば、監視用の回路等を動作させないようにして消費電力の削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態の一例である着信制御装置を含む構内電話システムを概念的に示すシステム構成図である。
【
図2】
図1の着信制御装置を含む構内電話システムの一態様を概念的に示すシステム構成図である。
【
図3】
図1の着信制御装置を含む構内電話システムの他の一態様を概念的に示すシステム構成図である。
【
図4】
図1の着信制御装置を含む構内電話システムの更なる他の一態様を概念的に示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の着信制御装置を含む構内電話システムについて説明する。
【0012】
(構成の説明)
図1は、本発明の実施形態の一例である着信制御装置を含む構内電話システム100を概念的に示すシステム構成図である。
【0013】
構内電話システム100は、人物の入退館管理を実行する入退館管理システム1と、着信制御装置2と、構内交換機(PBX :Private Branch Exchange)3と、該構内交換機に収容される無線端末基地局(単に基地局もという)4及び5並びに当該基地局に接続される無線端末Ap,Bp,Cp,Dpと、着信制御装置2に接続される在席監視センサ10,11,12,13と、で構成されている。なお、基地局及び無線端末と在席監視センサの図示するそれぞれの数は例示であり図示する数に限定されず、構内交換機3の仕様に応じた複数の基地局と無線端末が収容され、無線端末数に対応して在席監視センサを設けることができる。
【0014】
入退館管理システム1、構内交換機3及び在席監視センサ10,11,12,13は着信制御装置2とイーサネット等で通信可能に接続されている。
【0015】
[入退館管理システム]
着信制御装置2に接続されている入退館管理システム1は、無線端末Ap,Bp,Cp,Dpに対応する使用者A,B,C,Dの入退館を示す入退館情報を着信制御装置2へ出力する。ここで、入退館管理とは、事業所等の建物や施設に入退館するすべての人の入退館を管理し、関係者以外の人々の立ち入り防ぎ、どのような人物が建物や施設のどこへどのような日時に立ち入ったかを管理することを意味する。それら人物の管理をする入退館管理システム1は、電子機器を利用して、例えば使用者A,B,C,Dが社員であれば、携帯するICカードや人物の生体認証(顔や指紋等)、あるいは社員によるIDコードの入力等を規格化することによって一元管理する電子機器人物管理システムである。
【0016】
[構内交換機システム]
構内交換機3は、公衆網NWと収容する内線電話や、内線電話同士の接続を行う電子デジタル交換機であり、特にIP化されたIP-PBXも含まれる。構内交換機3は、一般的に、図示しないが、ソフトウェアプログラムに従い装置全体を制御するCPUの他、内線電話機ごとに用意される内線回路、加入電話回線や専用線等を接続する回路、ダイヤルパルスやプッシュ信号を送出するセンダ、通話路を接続するスイッチ回路等がそれぞれパッケージ化され、1つ以上のラックに収容されている。
【0017】
内線電話のうち無線端末Ap,Bp,Cp,Dpは、例えば、事業所用コードレスとして利用可能なPHS(Personal Handy-phone System)端末であり、構内交換機3に構内PHS基地局(基地局4及び5)を介して接続される。自営標準に対応したPHS端末は内線電話として使用できる。
図1に示すように、基地局4の送受信エリア4Eには、無線端末Apと無線端末Bpがあり、基地局5の送受信エリア5Eには、無線端末Cpと無線端末Dpがある。
【0018】
公衆網NWは、携帯電話網(LTE(Long Term Evolution)若しくは4G(第4世代のモバイル通信規格)又は5G(第5世代のモバイル通信規格))、IP(Internet Protocol)回線網、公衆交換電話網の他、例えば、衛星通信網等の公衆回線網や、各種のWAN(Wide Area Network)、VoPN(Voice over Packet Network)のような専用回線網であってもよい。
【0019】
[着信制御装置]
図1に示す着信制御装置2は、コンピュータ装置であり、図示しないが内部バスにより互いに接続された、CPU(Central Processing Unit)、記憶装置、保守担当者からの処理要求や情報の入力及び処理結果を保守担当者に返答するためのインターフェイスである入力部及び出力部、並びに通信部等を有する。入力部や通信部を介して、入力情報等が着信制御装置2に取得される。
【0020】
記憶装置としては、たとえば、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、やフラッシュメモリ等があり、これらは各種プログラムやデータを記憶するとともにCPUの作業領域となる。入力部としては、保守担当者等がコマンドやデータを入力するためのキーボード、マウス等がある。出力部としては、データを入力する保守担当者等への状態表示のためのディスプレイ等がある。通信部は、入退館管理システム1及び構内交換機3と通信し、データを送受信する。
【0021】
記憶装置にインストールされたオペレーティングシステム(OS)ソフトウェアのプログラムに従うCPUによって着信制御装置2の全体動作を制御する。CPUは記憶装置に保持される各種アプリケーションソフトウェアにしたがって、例えば、着信制御用のアプリケーションソフトウェアにしたがって、着信制御を実行する。
【0022】
インストールされた着信制御用のアプリケーションソフトウェアは記憶装置に展開されて、これによりCPUが以下の機能部、
(1)入退館情報取得部PKPと、
(2)在席監視センサ制御部FCTと、
(3)在席判定部FJPと、
(4)基地局情報取得部DCPと、
(5)着信制御部CCTと、として機能する。
【0023】
入退館情報取得部PKPは、無線端末Ap,Bp,Cp,Dpそれぞれに対応する使用者A,B,C,Dの入退館情報を入退館管理システム1から取得する。
【0024】
在席監視センサ制御部FCTは、無線端末Ap,Bp,Cp,Dpの使用者A,B,C,Dの入退館情報に基づいて、在席監視センサ10,11,12,13の起動(入館時)及び停止(退館時)を制御する。これにより、消費電力を削減できる。各在席監視センサは使用者各人の例えば座席又はその近傍に配置されたカメラや赤外線センサ等の人感センサであり、人物の有無を感知すると人の在席又は不在の状態を示す信号を着信制御装置2へ発信する。
在席監視センサ10,11,12,13は、使用者A,B,C,Dの席に対応して配置されて使用者A,B,C,Dが在席していることを示す在席情報(例えば
図1に示す●に示す情報)を在席監視センサ制御部FCTへ出力し、在席判定部FJPへ送る。すなわち、着信制御装置2は人物の在席監視装置でもある。
【0025】
具体的に、在席監視センサ10は無線端末Apの使用者Aの在席又は不在を検知し、在席監視センサ11は無線端末Bpの使用者Bの在席又は不在を検知し、在席監視センサ12は無線端末Cpの使用者Cの在席又は不在を検知し、在席監視センサ13は無線端末Dpの使用者Dの在席又は不在を検知する。
【0026】
在席判定部FJPは、在席監視センサ10,11,12,13の在席情報の有無により、使用者A,B,C,Dが在席しているか否(不在)かを判定し判定結果を出力し、着信制御部CCTへ送る。
【0027】
基地局情報取得部DCPは、基地局4,5に無線端末Ap,Bp,Cp,Dpが接続されていることを示す接続情報を無線端末ごとに構内交換機3から取得し、着信制御部CCTへ送る。ここで、使用者A,Bに当初対応する席に対応するのは基地局4であり、当初対応しないのは基地局5である。また、使用者C,Dに当初対応する席に対応するのは基地局5であり、当初対応しないのは基地局4である。各無線端末は、移動に応じ基地局のいずれかに接続される。
【0028】
着信制御部CCTは、在席判定部FJPの判定結果と基地局情報取得部DCPからの基地局4,5の接続情報とに基づいて、構内交換機3を介して無線端末Ap,Bp,Cp,Dpへの着信処理を制御する。
【0029】
着信制御部CCTは、該判定結果と接続情報に基づく構内交換機3が着信処理のために参照するテーブル、
(1)各無線端末の使用者A,B,C,Dの社員証の社員IDと対応する在席監視センサ10,11,12,13のセンサIDと対応する無線端末Ap,Bp,Cp,Dpの端末IDを紐づけた使用者センサ端末テーブル、
(2)各無線端末の使用者の社員IDの入館又は出館の状態を管理する入退館テーブル、
(3)各在席監視センサの在席又は不在の状態を管理するセンサテーブル、及び
(4)各無線端末の基地局の接続状態を管理する基地局テーブルを備え、これらを変化に応じて更新して、管理している。
【0030】
着信制御装置2は、入退館管理システム1から各無線端末の使用者の社員IDを受け取ると、対応する在席監視センサを起動させ、在席監視センサにより各無線端末の使用者の在席又は不在を検知し、また構内交換機3から各無線端末の基地局の接続状態を受け取り、在席監視センサの在席又は不在の状態と、各無線端末の基地局の接続状態とに基づいて、構内交換機3により各無線端末への着信処理を制御する。
【0031】
[着信制御装置の動作の例]
まず、誰も建物に入館していない状態と仮定し、着信制御装置2は無線端末Ap,Bp,Cp,Dpの使用者はすべて不在設定とする。着信制御装置無線端末Ap、Bp、Dpの使用者A、B、Dが入館したとする。入退館管理システム1が着信制御装置2に無線端末Ap、Bp、Dpの使用者A、B、Dが入館したことを知らせ、対応する在席監視センサ10,11,13を動作可能状態とする。
【0032】
動作可能となった在席監視センサ10、11、13は対応する無線端末使用者A、B、Dが自席に在席したら、在席監視センサ10,11,13を一旦在席状態としておく。
在席監視センサの在席又は不在の判断は以下(1)~(6)の通りとする。そして、それぞれの状態を着信制御装置2に知らせる。
(1)ある使用者の無線端末の接続が最初にいた基地局送受信エリアから変わらず、在席監視センサが在席を検知した場合は、在席状態とする。
(2)ある使用者の無線端末の接続が最初にいた基地局送受信エリアから変わらず、在席監視センサが不在を検知した場合は、不在状態とする。例えば、
図2に示すように、在席監視センサ制御部FCTは、入退館情報において使用者Cが入館している場合、使用者Cの席に対応する在席監視センサ12を起動させて、在席判定部FJPの判定結果において使用者Cが在席していない場合(白丸の不在情報)、着信制御部CCTは使用者Cに対応する席に対応する基地局5の接続情報があっても、構内交換機3に、在席していない使用者Cに対応する無線端末Cpに対して呼制御させない。
(3)ある使用者の無線端末の接続が基地局送受信エリア間で切り替わり、在席監視センサが不在状態となった場合は、無線端末を持ち歩いて他の場所に移動したとし、無線端末に出ることが可能なため、在席状態とする。
(4)ある使用者の無線端末の接続が最初にいた基地局送受信エリア以外に切り替わり戻って、在席監視センサが在席となった場合は、無線端末を持たずに自席に戻ったとして、電話に出られないため、不在状態とする。すなわち、
図3に示すように、在席監視センサ制御部FCTは、入退館情報において使用者Cが入館している場合、使用者Cの席に対応する在席監視センサ12を起動させて、在席判定部FJPの判定結果において使用者Cが在席している場合でも、着信制御部CCTは、使用者Cに対応する席に対応する基地局5の接続情報がない(圏外)際には、構内交換機3に、在席している使用者Cに対応する無線端末Cpに対して呼制御させない。
(5)ある使用者の無線端末の接続が最初にいた基地局送受信エリアに切り替わり、在席監視センサが在席となった場合は、無線端末を持って自席に戻ったとして、在席状態とする。
(6)ある使用者が入退館管理システム1により建物から屋外にでる退館の情報が出力されると在席監視センサの動作を停止し、不在状態とする。例えば、
図4に示すように、在席監視センサ制御部FCTは、入退館情報において使用者Cが入館していないので、使用者Cの席に対応する在席監視センサ12を停止させ、着信制御部CCTは、構内交換機3に、使用者Cに対応する無線端末Cpに対して呼制御させない。
【0033】
呼制御の一例としては、公衆網NWから使用者Aに電話着信があった場合、構内交換機3は着信制御装置2に、在席監視センサ10に対応する使用者Aの在席又は不在を問い合わせ、在席状態であることから、無線端末Apに対してリンガーを鳴らし、使用者Aは通話を行う。
【0034】
呼制御の他の例としては、公衆網NWから使用者Cに電話着信があった場合、構内交換機3は着信制御装置2に、在席監視センサ12に対応する使用者Cの在席又は不在を問い合わせる。使用者Cは不在のため、使用者Cにコールしても電話に出られないことが分かっているので、同じ基地局5の送受信エリア5Eに属する在席状態と確認のとれている使用者Dの無線端末Dpに対しコールを行う。これにより使用者Cの無線端末Cpのリンガーを鳴動することがなくなる。
【0035】
本実施例によれば、社内電話システムにおいて、連動する入退館管理システム1と在席又は不在を監視する在席監視センサとにより、構内交換機3があらかじめ電話着信先人物の在席又は不在の状態を知ることにより、出られない電話への着信を削減し、必ず出られる電話への着信に限定することができる。
【0036】
また、本実施例によれば、入退館管理システム1側で不在状態を把握することにより、不在がわかっている出られない電話への着信を削減し、必ず出られる電話への着信に限定することができる。
【0037】
電話システムが入退館管理システム1と連動することにより、構内交換機3が不在者の電話端末にコールせず、他の在席者の電話端末にコールすることができる。
【符号の説明】
【0038】
2 着信制御装置
3 構内交換機
4,5 基地局
10,11,12,13 在席監視センサ
100 構内電話システム
Ap,Bp,Cp,Dp 無線端末
PKP 入退館情報取得部
FCT 在席監視センサ制御部
FJP 在席判定部
DCP 基地局情報取得部
CCT 着信制御部