(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108243
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】荷台用あおり板取付構造
(51)【国際特許分類】
B62D 33/033 20060101AFI20230728BHJP
B62D 33/027 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B62D33/033
B62D33/027 G
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009255
(22)【出願日】2022-01-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-02-13
(71)【出願人】
【識別番号】519084711
【氏名又は名称】加藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆
(57)【要約】
【課題】トラックの荷台において側方に設けられるサイド側あおり板をヒンジによって軸支した荷台用あおり板取付構造において、あおり板の着脱をヒンジを外すことなく楽に行えることができる。
【解決手段】荷台床枠に重畳する第2の床枠にサイド側あおり板をヒンジによって軸支し、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態で係止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台床枠に重畳する第2の床枠にサイド側あおり板をヒンジによって軸支し、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態で係止することを特徴とした荷台用あおり板取付構造。
【請求項2】
荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態での係止は、第2の床枠からフックを突設し、このフックを荷台床枠の窓穴に挿入して、エビ金で荷台に止める請求項1記載の荷台用あおり板取付構造。
【請求項3】
フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなる請求項2記載の荷台用あおり板取付構造。
【請求項4】
エビ金はその操作レバーにロック外れ止め安全ピンの挿入孔を取り付けた請求項2または請求項3記載の荷台用あおり板取付構造。
【請求項5】
荷台横根太の中にスライド用横根太を組み込み、このスライド用横根太に荷台床枠を設けて引き出し可能とした請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の荷台用あおり板取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台において側方に設けられるサイド側あおり板をヒンジによって軸支した荷台用あおり板取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台において側方に設けられるサイド側あおり板は、下記特許文献にも示されるように、ヒンジによって荷台に連結し、開閉するものである。
【特許文献1】実開昭61-98642号公報
【特許文献2】特許第5982670号公報
【0003】
図9にその一例を示すと、トラック荷台床1の床枠2においてあおり板8を取り付けるのにいられているヒンジ(蝶番、丁番)3は、突出するピン4aが一体的に形成された雄ヒンジ4と、この雄ヒンジ4のピン4aを受容する雌ヒンジ5によって構成されている。
【0004】
図10に示すように雄ヒンジ4のピン4aの軸方向にスライドさせることにより、雌ヒンジ5からピン4aが抜け出て雄ヒンジ4と雌ヒンジ5が離間し、あおり板8を荷台から着脱することができる。
【0005】
図中3′はロック用のヒンジ(蝶番、丁番)であり、雌ヒンジ5同士で構成し、雌ヒンジ5同士に先端にカムである首折れ片6aを有する首折れピンボルト6を差し入れる。
【0006】
なお、床枠2には棒角状のサイドロープフック7が適宜間隔で並列して設けられていて、荷掛け用のロープの掛止めに用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
あおり切走行と称せられる
図11に示すようなトラック荷台床1に対してあおり板8を垂下させて走行する場合があり、このあおり切走行では下記に示すような問題がある。
1.床枠のサイドロープフック7が使用できない。
2.走行時の他の物にあおり板か干渉するおそれがある。
3.サイドウィンカー9、リフレクター11、マーカーランプ10等の灯火器があおり板8の陰になり見え難くなる。
4.あおり板8にタイヤ13が擦れ、タイヤ跡が付く。
5.排気マフラー12からの排気があおり板8に直接吹き付けられ、あおり板8が変色する。
【0008】
このような問題に対処するため、あおり板8を取り外して走行する場合があり、また、あおり板8の破損修理、清掃などや、新しいあおり板8に交換する場合などがあり、その際、前記のようにあおり板8を荷台から着脱する。
【0009】
あおり板8の脱着は
図11に示すように、首折れピンボルト6を抜き取り、あおり板8の全体を水平に倒した状態で、あおり板8を前後にスライドさせて、着脱を行う。
【0010】
しかしこの作業はヒンジ(蝶番)3のピン4aが入りづらいため、作業負担が大きい。全数のヒンジ(蝶番)3の位置が合わないと取り付けが出来ない。
【0011】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、あおり板の着脱をヒンジを外すことなく楽に行えることができる荷台用あおり板取付構造を提供することにある。
【0012】
前記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は荷台床枠に重畳する第2の床枠にサイド側あおり板をヒンジによって軸支し、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態で係止することを要旨とするものである。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、サイド側あおり板は荷台床枠に重畳する第2の床枠にヒンジによって軸支するもので、このあおり板を軸支した第2の床枠を荷台床枠に重畳して係止すればよく、ヒンジを外すことなくあおり板の着脱を行うことができる。
【0014】
請求項2記載の本発明は、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態での係止は、第2の床枠からフックを突設し、このフックを荷台床枠の窓穴に挿入して、エビバネで荷台に止めることを要旨とするものである。
【0015】
請求項2記載の本発明によれば、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態での係止を行うのに、第2の床枠からフックを突設し、このフックを荷台床枠の窓穴に挿入して、エビ金で荷台に止めることで簡単かつ迅速に行うことができる。
【0016】
請求項3記載の本発明は、フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなることを要旨とするものである。
【0017】
請求項3記載の本発明によれば、フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなるので、堅牢で耐久性があり、破損し難いものであり、エビ金との組み合わせで、しっかりと第2の床枠を荷台床枠に重畳して係止することができる。
【0018】
請求項4記載の本発明は、エビ金はその操作レバーにロック外れ止め安全ピンの挿入孔を取り付けたことを要旨とするものである。
【0019】
請求項4記載の本発明によれば、ロック外れ止め安全ピンをエビ金の操作レバーの挿入孔に差知れることで、エビ金が外れてしまわないようにロックすることができ、安全性を高めることができる。
【0020】
請求項5記載の本発明は、荷台横根太の中にスライド用横根太を組み込み、このスライド用横根太に荷台床枠を設けて引き出し可能としたことを要旨とするものである。
【0021】
請求項5記載の本発明によれば、荷台床枠を設けて引き出し可能なので、サイド側あおり板を交換のために着脱するのに、サイド側あおり板を設けた第2の床枠を引き出した荷台床枠に重ねた状態で係止することができ、トラック床下の作業でなく、周囲にスペースのある作業空間で楽に作業が行うことができる。
【0022】
また、2022年5月に施行予定の道路交通法の関係政令の改正では車幅に関しては積載量10トンクラスの大型トラック(2.5メートル)では左右の合計50cmのはみ出しまで制限外積載許可が不要になる。このような事情に対応してトラック荷台の荷台床の拡幅が可能になる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように本発明の荷台用あおり板取付構造は、あおり板の着脱をヒンジを外すことなく楽に行えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を取り付けた状態の斜視図である。
【
図2】本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を外した状態の斜視図である。
【
図6】荷台床枠を引き出し可能とする場合の斜視図である。
【
図7】荷台床枠を引き出し可能とする場合のあおり板の固定を示す斜視図である。
【
図10】従来例でのあおり板の着脱を示す説明図である。
【
図11】トラックのあおり切走行を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を取り付けた状態の斜視図、
図2は同上あおり板を外した状態の斜視図で、前記従来例を示す
図9~
図11と同一構成要素には同一参照符合を付したものである。
【0026】
図中1はトラックの荷台床であり、その周囲に床枠2が設けられているが、本発明はこの床枠2に重畳する第2の床枠14にサイド側あおり板8をヒンジ3,3′によって軸支した。
【0027】
床枠2はアングル材によりなるが、特にこれに限定されるものではなく、角形管材その他のものでもよい。
【0028】
第2の床枠14も床枠2に重畳できるものであれば特にその形状を問わない。図示は床枠2と同様にアングル材によるものとしたが、平板のものでもよく、床枠2と同様にアングル材による場合は床枠2と第2の床枠14の重畳は、断面L字形の角部を合わせるようにして重ね合わせることができる。
【0029】
第2の床枠14とあおり板8をヒンジ3,3′によって軸支は従来と同じくでよく、ヒンジ3は、ピン4aが形成された雄ヒンジ4と、ピン4aを受容する雌ヒンジ5によって構成され、ヒンジ3′はロック用のヒンジであり、雌ヒンジ5同士に首折れピンボルト6を差し入れる。
【0030】
荷台床枠2と第2の床枠14とを重ねた状態での係止方法はボルト・ナット止めその他種々考えられるが、本実施形態では第2の床枠14からフック15を突設し、このフック15を荷台床枠2に形成したの窓穴18に挿入して、エビ金19で荷台に止めるようにした。
【0031】
フック15は安全性の観点から堅牢なものが求められ、本実施形態では
図3に示すように、テーパー式ベース台16の頂部にツメ金具17を設けてなる。該ツメ金具17は横向きでテーパー式ベース台16から突出する。
【0032】
前記窓穴18は縁取りをした矩形状の孔である。
【0033】
エビ金19はエビカン、エビバネ、バネカンとも称せられる締結部材で、
図5にその1例を示すように、本体20と、この本体20の回動支持部材21に回動自在に支持された操作レバー22と、この操作レバー22に回動自在に支持された係止部材(例えば、フック)23と、本体20の回動支持部材21に設けられ、係止部材23の係止状態を保持する方向に付勢する付勢部材(例えば、コイルバネ)24を備える。
【0034】
エビ金19はその操作レバー22にロック外れ止め安全ピン26の挿入孔25を取り付けた。挿入孔25は管体であり、ロック外れ止め安全ピン26は係止のための索条26aを有する。
【0035】
次に使用法について説明すると、サイド側あおり板8をトラック荷台床1の床枠2に取付けるには、あおり板8には第2の床枠14が設けられているので、そのフック15を窓穴18に挿入し、荷台床枠2と第2の床枠14とを重ねた状態で、フック15をエビ金19で荷台に止めればよい。
【0036】
この状態であおり板8はトラック荷台床1の床枠2に固定され、立て使用することができる。
【0037】
一方、あおり板8の脱着を行うには、エビ金19の締結を解除し、フック15を抜くようにして第2の床枠14ごと荷台床枠2からあおり板8を外すことができる。
【0038】
図8にこのあおり板8の取付、脱着の手順を示すと、フック15が間隔を存して3個並ぶとして、トラック荷台の前方の鳥居27に対して、取付の場合は1→A、2→B、3→Cとなり、着脱もA→1B→2、C→3と行う。
【0039】
図6、
図7は本発明の第2実施形態を示すもので、トラック荷台床1の床枠2を引き出し可能とした。
【0040】
トラック荷台床1を載置する荷台横根太28の中にスライド用横根太29を中子的に組み込み、このスライド用横根太29の端に荷台床枠2を設けた。図示の例では荷台床枠2は角形管材で構成している。
【0041】
図示は省略するが、荷台横根太28とスライド用横根太29には固定用の孔を設け、この孔同士が合ったところでバネロックピンによる巾固定金具33を刺し込めるようにする。
【0042】
エビ金19は床枠2の長手方向に取付て巾方向の出っ張りを少なくして荷台側に残る床枠に干渉しない様にした。
【0043】
また、鳥居27側柱の外側に鳥居用側柱30を設けるが、この鳥居用側柱30は床枠2と一緒に外側にスライド移動できるように鳥居27に鞘管31を設け、この鞘管31に中子としてのスライド角パイプ32を嵌合して、バネロックピンによる巾固定金具33で固定できるようにする。
【0044】
荷台床枠2を設けて引き出し可能なので、サイド側あおり板8を交換のために着脱するのに、サイド側あおり板8を設けた第2の床枠14を引き出した荷台床枠2に重ねた状態で係止することができる。
【0045】
また、鳥居用側柱30も床枠2と共に引き出し
図7に示すようにサイド側あおり板8を立て固定すれば、トラック荷台の荷台床の拡幅が可能になるものである。
【符号の説明】
【0046】
1…荷台床 2…床枠
3、3′…ヒンジ 4…雄ヒンジ
4a…ピン 5…雌ヒンジ
6…首折れピンボルト 6a…首折れ片
7…サイドロープフック
8…あおり板 9…サイドウィンカー
10…マーカーランプ 11…リフレクター
12…排気マフラー 13…タイヤ
14…第2の床枠 15…フック
16…テーパー式ベース台 17…ツメ金具
18…窓穴 19…エビ金
20…本体 21…回動支持部材
22…操作レバー 23…係止部材
24…付勢部材 25…挿入孔
26…ロック外れ止め安全ピン 26a…索条
27…鳥居 28…荷台横根太
29…スライド用横根太 30…鳥居用側柱
31…鞘管 32…スライド角パイプ
33…巾固定金具
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台において側方に設けられるサイド側あおり板をヒンジによって軸支した荷台用あおり板取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷台において側方に設けられるサイド側あおり板は、下記特許文献にも示されるように、ヒンジによって荷台に連結し、開閉するものである。
【特許文献1】実開昭61-98642号公報
【特許文献2】特許第5982670号公報
【0003】
図9にその一例を示すと、トラック荷台床1の床枠2においてあおり板8を取り付けるのにいられているヒンジ(蝶番、丁番)3は、突出するピン4aが一体的に形成された雄ヒンジ4と、この雄ヒンジ4のピン4aを受容する雌ヒンジ5によって構成されている。
【0004】
図10に示すように雄ヒンジ4のピン4aの軸方向にスライドさせることにより、雌ヒンジ5からピン4aが抜け出て雄ヒンジ4と雌ヒンジ5が離間し、あおり板8を荷台から着脱することができる。
【0005】
図中3′はロック用のヒンジ(蝶番、丁番)であり、雌ヒンジ5同士で構成し、雌ヒンジ5同士に先端にカムである首折れ片6aを有する首折れピンボルト6を差し入れる。
【0006】
なお、床枠2には棒角状のサイドロープフック7が適宜間隔で並列して設けられていて、荷掛け用のロープの掛止めに用いる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
あおり切走行と称せられる
図11に示すようなトラック荷台床1に対してあおり板8を垂下させて走行する場合があり、このあおり切走行では下記に示すような問題がある。
1.床枠のサイドロープフック7が使用できない。
2.走行時の他の物にあおり板か干渉するおそれがある。
3.サイドウィンカー9、リフレクター11、マーカーランプ10等の灯火器があおり板8の陰になり見え難くなる。
4.あおり板8にタイヤ13が擦れ、タイヤ跡が付く。
5.排気マフラー12からの排気があおり板8に直接吹き付けられ、あおり板8が変色する。
【0008】
このような問題に対処するため、あおり板8を取り外して走行する場合があり、また、あおり板8の破損修理、清掃などや、新しいあおり板8に交換する場合などがあり、その際、前記のようにあおり板8を荷台から着脱する。
【0009】
あおり板8の脱着は
図11に示すように、首折れピンボルト6を抜き取り、あおり板8の全体を水平に倒した状態で、あおり板8を前後にスライドさせて、着脱を行う。
【0010】
しかしこの作業はヒンジ(蝶番)3のピン4aが入りづらいため、作業負担が大きい。全数のヒンジ(蝶番)3の位置が合わないと取り付けが出来ない。
【0011】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、あおり板の着脱をヒンジを外すことなく楽に行えることができる荷台用あおり板取付構造を提供することにある。
【0012】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、荷台床枠に重畳する第2の床枠にサイド側あおり板をヒンジによって軸支し、第2の床枠から突設するフックを前記荷台床枠の窓穴に挿入して、エビ金で荷台に止めることで、前記荷台床枠と前記第2の床枠とを重ねた状態で着脱自在に係止することを要旨とするものである。
【0013】
請求項1記載の本発明によれば、サイド側あおり板は荷台床枠に重畳する第2の床枠にヒンジによって軸支するもので、このあおり板を軸支した第2の床枠を荷台床枠に重畳して係止すればよく、ヒンジを外すことなくあおり板の着脱を行うことができる。
【0014】
また、荷台床枠と第2の床枠とを重ねた状態での係止を行うのに、第2の床枠からフックを突設し、このフックを荷台床枠の窓穴に挿入して、エビ金で荷台に止めることで簡単かつ迅速に行うことができる。
【0015】
請求項2記載の本発明は、フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなることを要旨とするものである。
【0016】
請求項2記載の本発明によれば、フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなるので、堅牢で耐久性があり、破損し難いものであり、エビ金との組み合わせで、しっかりと第2の床枠を荷台床枠に重畳して係止することができる。
【0017】
請求項3記載の本発明は、エビ金はその操作レバーにロック外れ止め安全ピンの挿入孔を取り付けたことを要旨とするものである。
【0018】
請求項3記載の本発明によれば、ロック外れ止め安全ピンをエビ金の操作レバーの挿入孔に差知れることで、エビ金が外れてしまわないようにロックすることができ、安全性を高めることができる。
【0019】
請求項4記載の本発明は、荷台横根太の中にスライド用横根太を組み込み、このスライド用横根太に荷台床枠を設けて引き出し可能としたことを要旨とするものである。
【0020】
請求項4記載の本発明によれば、荷台床枠を設けて引き出し可能なので、サイド側あおり板を交換のために着脱するのに、サイド側あおり板を設けた第2の床枠を引き出した荷台床枠に重ねた状態で係止することができ、トラック床下の作業でなく、周囲にスペースのある作業空間で楽に作業が行うことができる。
【0021】
また、2022年5月に施行予定の道路交通法の関係政令の改正では車幅に関しては積載量10トンクラスの大型トラック(2.5メートル)では左右の合計50cmのはみ出しまで制限外積載許可が不要になる。このような事情に対応してトラック荷台の荷台床の拡幅が可能になる。
【発明の効果】
【0022】
以上述べたように本発明の荷台用あおり板取付構造は、あおり板の着脱をヒンジを外すことなく楽に行えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を取り付けた状態の斜視図である。
【
図2】本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を外した状態の斜視図である。
【
図6】荷台床枠を引き出し可能とする場合の斜視図である。
【
図7】荷台床枠を引き出し可能とする場合のあおり板の固定を示す斜視図である。
【
図10】従来例でのあおり板の着脱を示す説明図である。
【
図11】トラックのあおり切走行を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の荷台用あおり板取付構造の1実施形態を示すあおり板を取り付けた状態の斜視図、
図2は同上あおり板を外した状態の斜視図で、前記従来例を示す
図9~
図11と同一構成要素には同一参照符合を付したものである。
【0025】
図中1はトラックの荷台床であり、その周囲に床枠2が設けられているが、本発明はこの床枠2に重畳する第2の床枠14にサイド側あおり板8をヒンジ3,3′によって軸支した。
【0026】
床枠2はアングル材によりなるが、特にこれに限定されるものではなく、角形管材その他のものでもよい。
【0027】
第2の床枠14も床枠2に重畳できるものであれば特にその形状を問わない。図示は床枠2と同様にアングル材によるものとしたが、平板のものでもよく、床枠2と同様にアングル材による場合は床枠2と第2の床枠14の重畳は、断面L字形の角部を合わせるようにして重ね合わせることができる。
【0028】
第2の床枠14とあおり板8をヒンジ3,3′によって軸支は従来と同じくでよく、ヒンジ3は、ピン4aが形成された雄ヒンジ4と、ピン4aを受容する雌ヒンジ5によって構成され、ヒンジ3′はロック用のヒンジであり、雌ヒンジ5同士に首折れピンボルト6を差し入れる。
【0029】
荷台床枠2と第2の床枠14とを重ねた状態での係止方法はボルト・ナット止めその他種々考えられるが、本実施形態では第2の床枠14からフック15を突設し、このフック15を荷台床枠2に形成したの窓穴18に挿入して、エビ金19で荷台に止めるようにした。
【0030】
フック15は安全性の観点から堅牢なものが求められ、本実施形態では
図3に示すように、テーパー式ベース台16の頂部にツメ金具17を設けてなる。該ツメ金具17は横向きでテーパー式ベース台16から突出する。
【0031】
前記窓穴18は縁取りをした矩形状の孔である。
【0032】
エビ金19はエビカン、エビバネ、バネカンとも称せられる締結部材で、
図5にその1例を示すように、本体20と、この本体20の回動支持部材21に回動自在に支持された操作レバー22と、この操作レバー22に回動自在に支持された係止部材(例えば、フック)23と、本体20の回動支持部材21に設けられ、係止部材23の係止状態を保持する方向に付勢する付勢部材(例えば、コイルバネ)24を備える。
【0033】
エビ金19はその操作レバー22にロック外れ止め安全ピン26の挿入孔25を取り付けた。挿入孔25は管体であり、ロック外れ止め安全ピン26は係止のための索条26aを有する。
【0034】
次に使用法について説明すると、サイド側あおり板8をトラック荷台床1の床枠2に取付けるには、あおり板8には第2の床枠14が設けられているので、そのフック15を窓穴18に挿入し、荷台床枠2と第2の床枠14とを重ねた状態で、フック15をエビ金19で荷台に止めればよい。
【0035】
この状態であおり板8はトラック荷台床1の床枠2に固定され、立て使用することができる。
【0036】
一方、あおり板8の脱着を行うには、エビ金19の締結を解除し、フック15を抜くようにして第2の床枠14ごと荷台床枠2からあおり板8を外すことができる。
【0037】
図8にこのあおり板8の取付、脱着の手順を示すと、フック15が間隔を存して3個並ぶとして、トラック荷台の前方の鳥居27に対して、取付の場合は1→A、2→B、3→Cとなり、着脱もA→1B→2、C→3と行う。
【0038】
図6、
図7は本発明の第2実施形態を示すもので、トラック荷台床1の床枠2を引き出し可能とした。
【0039】
トラック荷台床1を載置する荷台横根太28の中にスライド用横根太29を中子的に組み込み、このスライド用横根太29の端に荷台床枠2を設けた。図示の例では荷台床枠2は角形管材で構成している。
【0040】
図示は省略するが、荷台横根太28とスライド用横根太29には固定用の孔を設け、この孔同士が合ったところでバネロックピンによる巾固定金具33を刺し込めるようにする。
【0041】
エビ金19は床枠2の長手方向に取付て巾方向の出っ張りを少なくして荷台側に残る床枠に干渉しない様にした。
【0042】
また、鳥居27側柱の外側に鳥居用側柱30を設けるが、この鳥居用側柱30は床枠2と一緒に外側にスライド移動できるように鳥居27に鞘管31を設け、この鞘管31に中子としてのスライド角パイプ32を嵌合して、バネロックピンによる巾固定金具33で固定できるようにする。
【0043】
荷台床枠2を設けて引き出し可能なので、サイド側あおり板8を交換のために着脱するのに、サイド側あおり板8を設けた第2の床枠14を引き出した荷台床枠2に重ねた状態で係止することができる。
【0044】
また、鳥居用側柱30も床枠2と共に引き出し
図7に示すようにサイド側あおり板8を立て固定すれば、トラック荷台の荷台床の拡幅が可能になるものである。
【符号の説明】
【0045】
1…荷台床 2…床枠
3、3′…ヒンジ 4…雄ヒンジ
4a…ピン 5…雌ヒンジ
6…首折れピンボルト 6a…首折れ片
7…サイドロープフック
8…あおり板 9…サイドウィンカー
10…マーカーランプ 11…リフレクター
12…排気マフラー 13…タイヤ
14…第2の床枠 15…フック
16…テーパー式ベース台 17…ツメ金具
18…窓穴 19…エビ金
20…本体 21…回動支持部材
22…操作レバー 23…係止部材
24…付勢部材 25…挿入孔
26…ロック外れ止め安全ピン 26a…索条
27…鳥居 28…荷台横根太
29…スライド用横根太 30…鳥居用側柱
31…鞘管 32…スライド角パイプ
33…巾固定金具
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台床枠に重畳する第2の床枠にサイド側あおり板をヒンジによって軸支し、第2の床枠から突設するフックを前記荷台床枠の窓穴に挿入して、エビ金で荷台に止めることで、前記荷台床枠と前記第2の床枠とを重ねた状態で着脱自在に係止することを特徴とした荷台用あおり板取付構造。
【請求項2】
フックはテーパー式ベース台の頂部にツメ金具を設けてなる請求項1記載の荷台用あおり板取付構造。
【請求項3】
エビ金はその操作レバーにロック外れ止め安全ピンの挿入孔を取り付けた請求項1または請求項2記載の荷台用あおり板取付構造。
【請求項4】
荷台横根太の中にスライド用横根太を組み込み、このスライド用横根太に荷台床枠を設けて引き出し可能とした請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の荷台用あおり板取付構造。