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特開2023-108264ロックボルト構造体及びその施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108264
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ロックボルト構造体及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 20/00 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
E21D20/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009286
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000129758
【氏名又は名称】株式会社ケー・エフ・シー
(71)【出願人】
【識別番号】397036217
【氏名又は名称】株式会社河戸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100109243
【弁理士】
【氏名又は名称】元井 成幸
(72)【発明者】
【氏名】戸部 恵介
(72)【発明者】
【氏名】菅原 崇秀
(72)【発明者】
【氏名】林 秀明
(57)【要約】
【課題】ロックボルトの連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルトを地山に打設できると共に、トンネル空間の高所で人力による連結作業を不要とし、施工の安全性を高めることができる。
【解決手段】先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3を連結するカプラ4を備え、後続ロックボルト3の先端部に柱状挿入部32が設けられ、柱状挿入部32に外周に沿って形成された取付溝33にC形リング34が係合されて取り付けられ、カプラ4の係止穴43の内周に沿って係合溝44が形成され、先頭ロックボルトの後端部に固定されたカプラ4の係止穴43に柱状挿入部32が挿入され、弾性復元したC形リング34が係合溝44に係合されて、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3とがカプラ4を介して連結されるロックボルト構造体1。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネル空間から地山の削孔の孔奥側に打設される第1のロックボルトと、
前記第1のロックボルトに連結されて前記削孔に打設される第2のロックボルトと、
前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトを連結するカプラとを備え、
前記第2のロックボルトの先端部若しくは前記第1のロックボルトの後端部に柱状挿入部が設けられ、
前記柱状挿入部に外周に沿って形成された取付溝にC形リングが係合されて取り付けられ、
前記カプラの係止穴の内周に沿って係合溝が形成されており、
前記第1のロックボルトの後端部若しくは前記第2のロックボルトの先端部に固定して取り付けられた前記カプラの前記係止穴に前記柱状挿入部が挿入され、
弾性復元した前記C形リングが前記係合溝に係合されて、前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトとが前記カプラを介して連結されることを特徴とするロックボルト構造体。
【請求項2】
トンネル空間から地山の削孔の孔奥側に打設される第1のロックボルトと、
前記第1のロックボルトに連結されて前記削孔に打設される第2のロックボルトと、
前記第2のロックボルトの先端部若しくは前記第1のロックボルトの後端部に柱状挿入部が設けられ、
前記柱状挿入部に外周に沿って形成された取付溝にC形リングが係合されて取り付けられ、
前記第1のロックボルトの後端部若しくは前記第2のロックボルトの先端部に係止穴が設けられ、
前記係止穴の内周に沿って係合溝が形成されており、
前記係止穴に前記柱状挿入部が挿入され、
弾性復元した前記C形リングが前記係合溝に係合されて、前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトとが連結されることを特徴とするロックボルト構造体。
【請求項3】
前記C形リングが前記柱状挿入部の挿入方向に並べられて複数設けられ、複数の前記C形リングが並置された状態で前記取付溝に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のロックボルト構造体。
【請求項4】
隣り合う前記C形リングの開口部の周方向の位置を異ならせて前記開口部が重ならないように前記C形リングが並置されていることを特徴とする請求項3記載のロックボルト構造体。
【請求項5】
前記柱状挿入部が先細りとなるテーパ柱状に形成され、
前記取付溝として、前記柱状挿入部の先端側に第1の取付溝と、ボルト本体部側に第2の取付溝とが形成され、
前記C形リングとして、前記第1の取付溝に係合して取り付けられる第1のC形リングと、前記第2の取付溝に係合して取り付けられる第2のC形リングとが設けられ、
前記係合溝として、テーパ状の前記係止穴の奥側に第1の係合溝と、口元側に第2の係合溝とが形成され、
弾性復元した前記第1のC形リングが前記第1の係合溝に係合されると共に、弾性復元した前記第2のC形リングが前記第2の係合溝に係合されることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載にロックボルト構造体。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のロックボルト構造体が、トンネルの地山に放射状に複数打設されていると共に、トンネル軸方向に間隔を開けて打設されていることを特徴とする地山補強構造。
【請求項7】
請求項1~5の何れかに記載のロックボルト構造体の施工方法であって、
地山に打設されている前記第1のロックボルトに対して前記第2のロックボルトをドリルジャンボのガイドセルに設けられた打設装置で押し込むことにより、前記係止穴に前記柱状挿入部を相対的に挿入し、弾性復元した前記C形リングを前記係合溝に係合する工程を備えることを特徴とするロックボルト構造体の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネルを支保するためにトンネルの地山に打設されるロックボルト構造体及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネル空間から周辺の地山にロックボルトを打設して地山を安定化することが行われている。そして、近年、トンネル構築における機械化、省力化が求められており、ロックボルト打設についても特許文献1のようなロックボルト打設装置が提案されている。このロックボルト打設装置は、ドリルジャンボで切羽掘削を行った後に特殊なロックボルト打設専用機を用いることを不要とするために、ドリルジャンボのガイドシェルに装着するだけでロックボルトの打設作業を可能にするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5090326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トンネル支保工材としてのロックボルトは、トンネル断面の大きさと地山等級に応じて標準的な長さが設定されている。しかし、地山状況によっては、トンネル断面の大きさよりも長いロックボルトを打設しなければ、地山を安定して支保することが難しい場合がある。
【0005】
このような場合、トンネル断面に対応した標準的な長さのロックボルトをカプラで連結して、所望の長さを有する長尺のロックボルト構造体を打設することが考えられる。しかしながら、ロックボルト同士をカプラで連結する連結作業は人力の作業となってしまうため、特許文献1のようなロックボルト打設装置を使用してロックボルトの打設作業自体を省力化しても、人手を要する作業が必要となる。特にトンネルのアーチ部におけるロックボルトの連結作業は高所での人力作業となるため、危険で作業性に劣る作業となる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、ロックボルトの連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルトを地山に打設することができると共に、トンネル空間の高所で人力によるロックボルトの連結作業を行うことを不要とし、施工の安全性を高めることができるロックボルト構造体、このロックボルト構造体が用いられる地山補強構造、及びこのロックボルト構造体を施工するロックボルト構造体の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロックボルト構造体は、トンネル空間から地山の削孔の孔奥側に打設される第1のロックボルトと、前記第1のロックボルトに連結されて前記削孔に打設される第2のロックボルトと、前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトを連結するカプラとを備え、前記第2のロックボルトの先端部若しくは前記第1のロックボルトの後端部に柱状挿入部が設けられ、前記柱状挿入部に外周に沿って形成された取付溝にC形リングが係合されて取り付けられ、前記カプラの係止穴の内周に沿って係合溝が形成されており、前記第1のロックボルトの後端部若しくは前記第2のロックボルトの先端部に固定して取り付けられた前記カプラの前記係止穴に前記柱状挿入部が挿入され、弾性復元した前記C形リングが前記係合溝に係合されて、前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトとが前記カプラを介して連結されることを特徴とする。
これによれば、地山に打設された第1のロックボルトに第2のロックボルトをロックボルトの打設装置等で機械的に押し込むだけで、カプラの係止穴に柱状挿入部を相対的に挿入し、弾性復元したC形リングが係合溝に係合してロックボルトの連結を行うことができる。従って、ロックボルトの連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルトを地山に打設することができる。また、トンネル空間の高所で人力によるロックボルトの連結作業を行うことが不要となるから、長尺のロックボルト構造体を地山に打設する施工の安全性を高めることができる。なお、第1のロックボルトは、連結されることなく単体で用いられる一般的なロックボルトを用いることが出来、本発明の為に特別な加工は不要である。
【0008】
本発明のロックボルト構造体は、トンネル空間から地山の削孔の孔奥側に打設される第1のロックボルトと、前記第1のロックボルトに連結されて前記削孔に打設される第2のロックボルトと、前記第2のロックボルトの先端部若しくは前記第1のロックボルトの後端部に柱状挿入部が設けられ、前記柱状挿入部に外周に沿って形成された取付溝にC形リングが係合されて取り付けられ、前記第1のロックボルトの後端部若しくは前記第2のロックボルトの先端部に係止穴が設けられ、前記係止穴の内周に沿って係合溝が形成されており、前記係止穴に前記柱状挿入部が挿入され、弾性復元した前記C形リングが前記係合溝に係合されて、前記第1のロックボルトと前記第2のロックボルトとが連結されることを特徴とする。
これによれば、地山に打設された第1のロックボルトに第2のロックボルトをロックボルトの打設装置等で機械的に押し込むだけで、係止穴に柱状挿入部を相対的に挿入し、弾性復元したC形リングが係合溝に係合してロックボルトの連結を行うことができる。従って、ロックボルトの連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルトを地山に打設することができる。また、トンネル空間の高所で人力によるロックボルトの連結作業を行うことが不要となるから、長尺のロックボルト構造体を地山に打設する施工の安全性を高めることができる。また、このようにすれば、カプラを用いる方式に比べ、カプラを第1又は第2のロックボルトに連結する作業も省略することができる為、よりロックボルト連結作業の省人化となる。
【0009】
本発明のロックボルト構造体は、前記C形リングが前記柱状挿入部の挿入方向に並べられて複数設けられ、複数の前記C形リングが並置された状態で前記取付溝に取り付けられていることを特徴とする。
これによれば、係止穴に柱状挿入部を相対的に挿入する際に、幅の大きい1個のC形リングだけを設けている場合には、C形リングが所望の状態に縮径されずに、スムーズな挿入が困難となる場合が考えられるが、複数のC形リングを並置することにより、挿入時に複数並置されたC形リングが順次縮径されていくこととなり、C形リングが設けられた柱状挿入部を係止穴に円滑に挿入することができる。また、複数並置されたC形リングは弾性復元で順次拡径して係合溝に係合されることになり、複数並置されたC形リングをスムーズに係合溝に係合することができる。
【0010】
本発明のロックボルト構造体は、隣り合う前記C形リングの開口部の周方向の位置を異ならせて前記開口部が重ならないように前記C形リングが並置されていることを特徴とする。
これによれば、ロックボルト構造体の周方向に局所的に大きな断面欠損箇所が発生することを抑制することができ、ロックボルト構造体に引張力が加わった場合にC形リングの係合溝への係合状態を確実に維持し、引張力に対して所要の抵抗力を発揮することができる。
【0011】
本発明のロックボルト構造体は、前記柱状挿入部が先細りとなるテーパ柱状に形成され、前記取付溝として、前記柱状挿入部の先端側に第1の取付溝と、ボルト本体部側に第2の取付溝とが形成され、前記C形リングとして、前記第1の取付溝に係合して取り付けられる第1のC形リングと、前記第2の取付溝に係合して取り付けられる第2のC形リングとが設けられ、前記係合溝として、テーパ状の前記係止穴の奥側に第1の係合溝と、口元側に第2の係合溝とが形成され、弾性復元した前記第1のC形リングが前記第1の係合溝に係合されると共に、弾性復元した前記第2のC形リングが前記第2の係合溝に係合されることを特徴とする。
これによれば、例えばトンネルのアーチ部で斜め上方に向けてロックボルトを連結して打設するような場合にはロックボルトの軸心が分かりにくくなるが、柱状挿入部を先細りとなるテーパ柱状で形成し、係止穴をテーパ状とすることにより、第1のロックボルトと第2のロックボルトの軸心を自然に一致させ、第1のロックボルトに対して第2のロックボルトをより円滑に押し込むことが可能となる。また、第1のC形リングの第1の係合溝への係合状態と、第2のC形リングの第2の係合溝への係合状態の双方の係合状態により、ロックボルト構造体の引張力に対する抵抗力をより高めることができる。
【0012】
本発明の地山補強構造は、本発明のロックボルト構造体が、トンネルの地山に放射状に複数打設されていると共に、トンネル軸方向に間隔を開けて打設されていることを特徴とする。
これによれば、トンネルの地山に長尺のロックボルトを打設する作業の施工効率を大幅に向上することができる。また、トンネルの地山状況が良くない場合にも地山を安定して支保することができる。
【0013】
本発明のロックボルト構造体の施工方法は、本発明のロックボルト構造体を施工する方法であって、地山に打設されている前記第1のロックボルトに対して前記第2のロックボルトをドリルジャンボのガイドセルに設けられた打設装置で押し込むことにより、前記係止穴に前記柱状挿入部を相対的に挿入し、弾性復元した前記C形リングを前記係合溝に係合する工程を備えることを特徴とする。
これによれば、第1のロックボルトに対して第2のロックボルトをドリルジャンボのガイドセルに設けられた打設装置で機械的に押し込んで連結作業を行うことができ、ロックボルトの連結作業を省人化することができる。また、特殊なロックボルト打設専用機を用いずに施工することができることから、施工コストの低減、施工効率の一層の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ロックボルトの連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルトを地山に打設することができると共に、トンネル空間の高所で人力によるロックボルトの連結作業を行うことを不要とし、施工の安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は本発明による第1実施形態のロックボルト構造体の正面図、(b)は第1実施形態のロックボルト構造体の分解説明図。
図2】(a)は第1実施形態のロックボルト構造体の先頭ロックボルトの後端部周辺の正面図、(b)はそのカプラーの縦断面図、(c)はその後続ロックボルトの先端部周辺の正面図。
図3】(a)は第1実施形態のロックボルト構造体における後続ロックボルトの先端部からC形リングを外した状態の先端部周辺の正面図、(b)はC形リングの側面図。
図4】(a)~(d)は第1実施形態のロックボルト構造体における先頭ロックボルトに固定して取り付けられたカプラーへの後続ロックボルトの押し込み動作を説明する説明図。
図5】(a)は図4(c)のA-A拡大断面図、(b)は図4(d)のB-B拡大断面図。
図6】(a)はカプラーへの後続ロックボルトの押し込み動作におけるC形リングの縮径を説明する模式説明図、(b)は隣り合うC形リングの開口部の位置が重ならないようにして並置されたC形リングの斜視図。
図7】(a)~(f)は第1実施形態のロックボルト構造体を打設する工程を示す工程説明図。
図8】ロックボルト構造体の打設に用いられるロックボルト打設装置の一例を示す斜視説明図。
図9】第1実施形態のロックボルト構造体が放射状に打設されたトンネルの地山を示す模式図。
図10】(a)は第2実施形態のロックボルト構造体の先頭ロックボルトの後端部周辺の正面図、(b)はそのカプラーの縦断面図、(c)はその後続ロックボルトの先端部周辺の正面図。
図11】(a)は第2実施形態のロックボルト構造体における後続ロックボルトの先端部からC形リングを外した状態の先端部周辺の正面図、(b)は第1のC形リングの側面図、(c)は第2のC形リングの側面図。
図12】(a)~(d)は第2実施形態のロックボルト構造体における先頭ロックボルトに固定して取り付けられたカプラーへの後続ロックボルトの押し込み動作を説明する説明図。
図13】(a)は図12(d)のC-C拡大断面図、(b)は図12(d)のD-D拡大断面図。
図14】(a)は第1実施形態のロックボルト構造体の変形例における先頭ロックボルトの後端部周辺の正面図、(b)はそのカプラーの縦断面図、(c)はその後続ロックボルトの先端部周辺の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
〔第1実施形態のロックボルト構造体〕
本発明による第1実施形態のロックボルト構造体1は、図1図3に示すように、トンネル空間Tから地山100の削孔101の孔奥側に打設される第1のロックボルトに相当する先頭ロックボルト2と、第1のロックボルトに連結されて削孔101に打設される第2のロックボルトに相当する後続ロックボルト3と、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3を連結するカプラ4とから構成される。図示例の後続ロックボルト3は、削孔101の口元に後端部が配置される端末ロックボルトになっているが、後続ロックボルト3の後側にカプラ4を介して更なる後続ロックボルト3を連結する等、複数の後続ロックボルト3を複数のカプラ4を用いて連結し、ロックボルト構造体1を構成してもよい。
【0017】
先頭ロックボルト2は、図示例ではツイストボルトになっており、本体部21は略円柱状の高張力異形棒鋼でツイスト加工を行うことにより所定のフシ形状が形成された形状になっている。先頭ロックボルト2の先端部は剣先加工が施された剣先部22になっており、先頭ロックボルト2の後端部は雄ねじ部23になっている。即ち、本例において先頭ロックボルト2は、連結されることなく単体で用いられる一般的なロックボルトを用いることが出来、本発明の為に特別な加工が不要である。
【0018】
後続ロックボルト3も、図示例ではツイストボルトになっており、本体部31は略円柱状の高張力異形棒鋼に所定のフシ形状が形成された形状になっている。後続ロックボルト3の先端部には柱状挿入部32が設けられ、その後端部は雄ねじ部36になっている。第1実施形態における柱状挿入部32は、本体部31の外径よりやや小径の円柱状に形成されており、その中間部には取付溝33が柱状挿入部32の外周に沿って形成されている。取付溝33にはC形リング34が係合されて取り付けられている。
【0019】
C形リング34は、開口部35を有するC字形に形成されており、開口部35を拡げて取付溝33の外周に配置すると、開口部35を狭めるように弾性復元することで取付溝33に係合される。C形リング34の開口部35を除く外側の円弧長La1は後述するカプラ4の導入内周面45の周長より短く形成されている。また、C形リング34の無負荷状態における外径Da1はカプラ4の導入内周面45の内径より長く形成されており、C形リング34の無負荷状態における無負荷状態の内径Da2は取付溝33の外径とほぼ同じか極僅かに短く形成されている。
【0020】
第1実施形態におけるC形リング34は、幅狭に形成されており、複数のC形リング34が柱状挿入部32の挿入方向に並べられて設けられ、複数のC形リング34が並置された状態で取付溝33に係合されて取り付けられている。図示例では幅狭のC形リング34が5個重ねるようにして並設されている。尚、1個のC形リング34を取付溝33に係合して取り付ける構成とすることも可能である。
【0021】
複数のC形リング34を並置する場合、各C形リング34の開口部35の周方向における位置を揃える構成とすることも可能であるが、隣り合うC形リング34・34の開口部35・35の周方向の位置を異ならせて開口部35・35が重ならないようにC形リング34を並置すると好適であり、全てのC形リング34の開口部35の周方向の位置を異ならせて全ての開口部35が重ならないようにC形リング34を並置するとより好適である(図6(b)参照)。これにより、C形リング34の設置箇所における断面欠損の集中を避け、ロックボルト構造体1に引張力が加わった際の抵抗力を増すことができる。
【0022】
カプラ4は、略筒状であり、軸方向の中間位置に隔壁41が形成され、隔壁41の前側に雌ねじ部42が設けられている。第1実施形態では、雌ねじ部42が先頭ロックボルト2の後端部の雄ねじ部23に螺着されて先頭ロックボルト2の後端部にカプラ4が固定されて取り付けられる。
【0023】
カプラ4の隔壁41の後側には、隔壁41を底部とする係止穴43が設けられており、係止穴43には後続ロックボルト3の柱状挿入部32が挿入される。係止穴43の軸方向中央付近には、係止穴43の内周に沿って係合溝44が形成されており、係止穴43の係合溝44の後側は導入内周面45になっている。係止穴43の後端部には、柱状挿入部32の挿入の円滑性を高めるため、後端縁に向かって漸次拡径する案内テーパ部46が内周面に形成されている。
【0024】
カプラ4の係止穴43に後続ロックボルト3の柱状挿入部32を挿入してロックボルト構造体1を構成する際には、先頭ロックボルト2の後端部に固定して取り付けられたカプラ4の係止穴43に、後続ロックボルト3の柱状挿入部32を挿入する。柱状挿入部32の挿入時には、複数並置されたC形リング34が係止穴43の案内テーパ部46で順次縮径されていき、導入内周面45に導入されていく(図4(a)~(c)、図5(a)、図6(a)参照)。
【0025】
更に、柱状挿入部32の挿入動作によって係止穴43の係合溝44に到達した並置状態のC形リング34は弾性復元で順次拡径して係合溝44に係合されていき、並置状態の全てのC型リング34が係合溝44に係合されて、後続ロックボルト3がカプラ4に取り付けられる(図4(d)、図5(b)参照)。即ち、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3とがカプラ4を介して連結され、第1実施形態のロックボルト構造体1が構築される。
【0026】
第1実施形態のロックボルト構造体1をトンネル空間Tから地山100に打設する施工例としては、図7(a)に示すように、地山100に予め削孔101を形成して、削孔101の内部に図示省略するモルタルを注入しておく。そして、後端部にカプラ4が螺着して取り付けられた先頭ロックボルト2をロックボルト供給装置201からドリルジャンボのガイドセル202に供給し、ガイドセル202に進退自在に設けられた打設装置203に取り付け、打設装置203をガイドセル202上で前進して先頭ロックボルト2の後端部の位置まで或いはカプラ4の位置まで先頭ロックボルト2を削孔101に挿入する(図7(b)、図8参照)。
【0027】
打設装置203を先頭ロックボルト2の後端部或いはカプラ4から外して、ガイドセル202上で打設装置203を後退させた後、ロックボルト供給装置201から後続ロックボルト3をガイドセル202に供給し、後続ロックボルト3を打設装置203に取り付け、打設装置203をガイドセル202上で前進して後続ロックボルト3の先端部の柱状挿入部32をカプラ4の係止穴43に押し込んで挿入する(図7(c)~(e)、図8参照)。柱状挿入部32の係止穴43への挿入により、弾性復元したC形リング34が係合溝44に係合されて後続ロックボルト3はカプラ4に連結される。
【0028】
更に、打設装置203で後続ロックボルト3を削孔101に押し込んでいき、カプラ4を介して連結された状態の先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3を削孔101に挿入し、第1実施形態のロックボルト構造体1の地山100への打設が完了する(図7(e)、(f)参照)。
【0029】
このようなロックボルト構造体1は、図9に示すように、トンネル空間Tからトンネルの地山100に放射状に複数打設されていると共に、トンネル掘進に伴ってトンネル軸方向に間隔を開けて複数打設されていき、第1実施形態のロックボルト構造体1が複数打設された地山補強構造が構築される。図9の符号102は、打設されたロックボルト構造体1で支保された地山100の支保領域である。
【0030】
第1実施形態によれば、地山100に打設された先頭ロックボルト2に後続ロックボルト3をロックボルトの打設装置203等で機械的に押し込むだけで、カプラ4の係止穴43に柱状挿入部32を相対的に挿入し、弾性復元したC形リング34が係合溝44に係合してロックボルト2、3の連結を行うことができる。従って、ロックボルト2、3の連結作業を省人化し、高い施工効率で長尺の連結されたロックボルト2、3を地山100に打設することができる。また、トンネル空間Tの高所で人力によるロックボルト2、3の連結作業を行うことが不要となるから、長尺のロックボルト構造体1を地山100に打設する施工の安全性を高めることができる。
【0031】
また、係止穴43に柱状挿入部32を相対的に挿入する際に、幅の大きい1個のC形リングだけを設けている場合には、C形リングが所望の状態に縮径されずに、スムーズな挿入が困難となる場合が考えられるが、複数のC形リング34を並置することにより、挿入時に複数並置されたC形リング34が順次縮径されていくこととなり、C形リング34が設けられた柱状挿入部32を係止穴43に円滑に挿入することができる。また、複数並置されたC形リング34は弾性復元で順次拡径して係合溝44に係合されることになり、複数並置されたC形リング34をスムーズに係合溝44に係合することができる。
【0032】
また、隣り合うC形リング34・34の開口部35・35の周方向の位置を異ならせて開口部35・35が重ならないようにC形リング34を並置する構成、或いはより好適には、全てのC形リング34の開口部35の周方向の位置を異ならせて全ての開口部35が重ならないようにC形リング34を並置する構成とすることにより、ロックボルト構造体1の周方向に局所的に大きな断面欠損箇所が発生することを抑制することができ、ロックボルト構造体1に引張力が加わった場合にC形リング34の係合溝44への係合状態を確実に維持し、引張力に対して所要の抵抗力を発揮することができる。
【0033】
また、ロックボルト構造体1がトンネルの地山100に放射状に複数打設されると共に、トンネル軸方向に間隔を開けて打設される地山補強構造とすることにより、トンネルの地山100に長尺のロックボルト2、3を打設する作業の施工効率を大幅に向上することができる。また、トンネルの地山状況が良くない場合にも地山100を安定して支保することができる。
【0034】
また、地山100に打設されている先頭ロックボルト2に対して後続ロックボルト3をドリルジャンボのガイドセル202に設けられた打設装置203で押し込むことにより、係止穴43に柱状挿入部32を相対的に挿入し、弾性復元したC形リング34を係合溝44に係合する施工方法により、先頭ロックボルト2に対して後続ロックボルト3を打設装置203で機械的に押し込んで連結作業を行うことができ、ロックボルト2、3の連結作業を省人化することができる。また、特殊なロックボルト打設専用機を用いずに施工することができることから、施工コストの低減、施工効率の一層の向上を図ることができる。
【0035】
〔第2実施形態のロックボルト構造体〕
本発明による第2実施形態のロックボルト構造体1aは、図10図11に示すように、第1実施形態と同一構成の第1のロックボルトに相当する先頭ロックボルト2と、第1のロックボルトに連結されて削孔101に打設される第2のロックボルトに相当する後続ロックボルト3aと、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3aを連結するカプラ4aとから構成される。後続ロックボルト3aは、端末ロックボルトとする他、後続ロックボルト3aの後側にカプラ4aを介して更なる後続ロックボルト3aを連結する等、複数の後続ロックボルト3aを複数のカプラ4aを用いて連結し、ロックボルト構造体1aを構成してもよい。
【0036】
後続ロックボルト3aは、図示例ではツイストボルトになっており、本体部31aは略円柱状の高張力異形棒鋼に所定のフシ形状が形成された形状になっている。後続ロックボルト3aの先端部には柱状挿入部32aが設けられ、その後端部は雄ねじ部になっている。柱状挿入部32aは、本体部31aと隣接する本体部31aの外径と略同一の部分から先端に向かって先細りとなるテーパ柱状に形成されている。柱状挿入部32aの先端側には第1の取付溝331aが柱状挿入部32aの外周に沿って形成され、本体部31a側には第2の取付溝332aが柱状挿入部32aの外周に沿って形成されている。第1の取付溝331aには第1のC形リング341aが係合して取り付けられ、第2の取付溝332aには第2のC形リング342aが係合して取り付けられている。
【0037】
第1のC形リング341aは、開口部351aを有するC字形に形成されており、開口部351aを拡げて第1の取付溝331aの外周に配置すると、開口部351aを狭めるように弾性復元することで第1の取付溝331aに係合される。第1のC形リング341aの開口部351aを除く外側の円弧長Lb1は後述するカプラ4aの導入内周面45aのうち第1の係合溝441aのすぐ手前の箇所の周長より短く形成されている。また、第1のC形リング341aの無負荷状態における外径Db1はカプラ4aの導入内周面45aのうち第1の係合溝441aのすぐ手前の箇所の内径より長く形成されており、第1のC形リング341aの無負荷状態における無負荷状態の内径Db2は第1の取付溝331aの外径とほぼ同じか極僅かに短く形成されている。
【0038】
第2のC形リング342aも、開口部352aを有するC字形に形成されており、開口部352aを拡げて第2の取付溝332aの外周に配置すると、開口部352aを狭めるように弾性復元することで第2の取付溝332aに係合される。第2のC形リング342aの開口部352aを除く外側の円弧長Lc1は後述するカプラ4aの導入内周面45aのうち第2の係合溝442aのすぐ手前の箇所の周長より短く形成されている。また、第2のC形リング342aの無負荷状態における外径Dc1はカプラ4aの導入内周面45aのうち第2の係合溝442aのすぐ手前の箇所の内径より長く形成されており、第2のC形リング342aの無負荷状態における無負荷状態の内径Dc2は第2の取付溝332aの外径とほぼ同じか極僅かに短く形成されている。
【0039】
第2実施形態におけるC形リング341a、342aも幅狭に形成されており、複数のC形リング341a、342aが柱状挿入部32aの挿入方向に並べられて設けられ、複数のC形リング341a、342aがそれぞれ並置された状態で取付溝331a、332aに係合されて取り付けられている。図示例では幅狭のC形リング341a、342aがそれおれ5個重ねるようにして並設されている。尚、1個のC形リング341a、342aをそれぞれ取付溝331a、332aに係合して取り付ける構成とすることも可能である。
【0040】
複数のC形リング341a、342aをそれぞれ並置する場合、各C形リング341aの開口部351aや各C形リング342aの開口部352aの周方向における位置を揃える構成とすることも可能であるが、第1実施形態のC形リング34と同様に、隣り合うC形リング341a・341aの開口部351a・351aや隣り合うC形リング342a・342aの開口部352a・352aの周方向の位置を異ならせて開口部351a・351aや開口部352a・352aが重ならないようにC形リング341a、342aを並置すると好適であり、全てのC形リング341aの開口部351aや全てのC形リング342aの開口部352aの周方向の位置を異ならせて全ての開口部351aや全ての開口部352aが重ならないようにC形リング341aやC形リング342aを並置するとより好適である。
【0041】
カプラ4aは、略筒状であり、前部に雌ねじ部42aが設けられている。第2実施形態でも、雌ねじ部42aが先頭ロックボルト2の後端部の雄ねじ部23に螺着されて先頭ロックボルト2の後端部にカプラ4aが固定されて取り付けられる。
【0042】
カプラ4aの後部には、前方に向かって漸次縮径するテーパ状の係止穴43aが雌ねじ部42aと連通するように設けられており、係止穴43aには後続ロックボルト3aの柱状挿入部32aが挿入される。係止穴43aの後端部にも、後端縁に向かって漸次拡径する案内テーパ部46aが内周面に形成されている。
【0043】
テーパ状の係止穴43aの径が小さい奥側には係止穴43aの内周に沿って第1の係合溝441aが形成され、径が大きい口元側には係止穴43aの内周に沿って第2の係合溝442aが形成されている。係止穴43aの第1の係合溝441aと第2の係合溝442aとの間及び第2の係合溝442aの手前の領域は導入内周面45aになっている。係止穴43aの後端部には、柱状挿入部32aの挿入の円滑性を高めるため、後端縁に向かって漸次拡径する案内テーパ部46aが内周面に形成されている。
【0044】
カプラ4aの係止穴43aに後続ロックボルト3aの柱状挿入部32aを挿入してロックボルト構造体1aを構成する際には、図12(a)、(b)に示すように、先頭ロックボルト2の後端部に固定して取り付けられたカプラ4aの係止穴43aに、後続ロックボルト3aの柱状挿入部32aを挿入する。柱状挿入部32aの挿入時には、柱状挿入部32aが案内テーパ部46aでガイドされて導入内周面45aに導入されていく。そして、導入内周面45aのうち第1の係合溝441aのすぐ手前の箇所のテーパ面で、複数並置された径が小さい第1のC形リング341aが順次縮径されて第1の係合溝441aに導入され、導入内周面45aのうち第2の係合溝442aのすぐ手前の箇所のテーパ面で、複数並置された径が大きい第2のC形リング342aが順次縮径されて第2の係合溝442aに導入されていく(図12(c)参照)。
【0045】
更に、柱状挿入部32aの挿入動作によって、係止穴43aの第1の係合溝441aに到達した並置状態の第1のC形リング341aは弾性復元で順次拡径して第1の係合溝441aに係合され、係止穴43aの第2の係合溝442aに到達した並置状態の第2のC形リング342aは弾性復元で順次拡径して第2の係合溝442aに係合されて、後続ロックボルト3aがカプラ4aに取り付けられる(図12(d)、図13参照)。即ち、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3aとがカプラ4aを介して連結され、第2実施形態のロックボルト構造体1aが構築される。
【0046】
第2実施形態のロックボルト構造体1aのその他の構成は第1実施形態と同様であり、又、第2実施形態のロックボルト構造体1aも、第1実施形態と同様の施工例で施工することができ、同様の地山補強構造を構築することができる。
【0047】
第2実施形態によれば、例えばトンネルのアーチ部で斜め上方に向けてロックボルトを連結して打設するような場合にはロックボルトの軸心が分かりにくくなるが、柱状挿入部32aを先細りとなるテーパ柱状で形成し、係止穴43aをテーパ状とすることにより、先頭ロックボルト2と後続ロックボルト3aの軸心を自然に一致させ、先頭ロックボルト2に対して後続ロックボルト3aをより円滑に押し込むことが可能となる。また、第1のC形リング341aの第1の係合溝441aへの係合状態と、第2のC形リング342aの第2の係合溝442aへの係合状態の双方の係合状態により、ロックボルト構造体1aの引張力に対する抵抗力をより高めることができる。その他、第2実施形態は第1実施形態と対応する構成から対応する効果を発揮することができる。
【0048】
〔本明細書開示発明の包含範囲〕
本明細書開示の発明は、発明として列記した各発明、各実施形態、各例の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な内容を本明細書開示の他の内容に変更して特定したもの、或いはこれらの内容に本明細書開示の他の内容を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な内容を部分的な作用効果が得られる限度で削除して上位概念化して特定したものを包含する。そして、本明細書開示の発明には下記内容や下記の更なる変形例も含まれる。
【0049】
例えば第1のロックボルトに相当する先頭ロックボルト2の本体部21の形状や、第2のロックボルトに相当する後続ロックボルト3の本体部31の形状は適宜であり、例えば図14に示すような形状の本体部21t、31tを有する先頭ロックボルト2tや後続ロックボルト3tとしてもよい。
【0050】
また、第1、第2実施形態とは逆に、第1のロックボルトに相当する先頭ロックボルトの後端部に柱状挿入部を設け、第2のロックボルトに相当する後続ロックボルトの先端部にカプラを螺着で固定して取り付け、後続ロックボルトを押し込むことにより、カプラの係止穴に先頭ロックボルトの柱状挿入部を相対的に挿入し、柱状挿入部の弾性復元したC形リングをカプラの係合溝に係合して、本発明のロックボルト構造体を構成してもよい。
【0051】
また、別体のカプラ4、4aを用いずに、第1、第2実施形態のカプラ4、4aの係止穴43、43aに対応する構成を、第1のロックボルトに相当する先頭ロックボルトの後端部に、或いは第2のロックボルトに相当する後続ロックボルトの先端部に一体的に設け、後続ロックボルトの先端部或いは先頭ロックボルトの後端部に柱状挿入部を設け、係止穴に柱状挿入部を相対的に挿入し、弾性復元したC形リングを係止穴の係合溝に係合して、本発明のロックボルト構造体を構成してもよい。このようにすれば、カプラ4、4aを第1又は第2のロックボルトに連結する作業も省略することができ、よりロックボルト連結作業の省人化となる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、長尺のロックボルト構造体をトンネルの地山に打設してトンネルを支保する際に利用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1、1a…ロックボルト構造体 2、2t…先頭ロックボルト 21、21t…本体部 22…剣先部 23…雄ねじ部 3、3a、3t…後続ロックボルト 31、31a、31t…本体部 32、32a…柱状挿入部 33…取付溝 331a…第1の取付溝 332a…第2の取付溝 34…C形リング 341a…第1のC形リング 342a…第2のC形リング 35、351a、352a…開口部 36…雄ねじ部 4、4a…カプラ 41…隔壁 42、42a…雌ねじ部 43、43a…係止穴 44…係合溝 441a…第1の係合溝 442a…第2の係合溝 45、45a…導入内周面 46、46a…案内テーパ部 100…地山 101…削孔 102…支保領域 201…ロックボルト供給装置 202…ガイドセル 203…打設装置 T…トンネル空間
図1
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