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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108298
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】可搬型手洗い器
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/04 20060101AFI20230728BHJP
   A47K 1/02 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A47K1/04 Z
A47K1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009349
(22)【出願日】2022-01-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (イ) 貸出開始日:令和3年6月11日 貸出先 :大東建託株式会社 世田谷工事部(東京都世田谷区用賀4-30-10) (ロ) 公開日 :令和3年7月16日 公開先 :ベクセス株式会社 (静岡県浜松市中区鍛冶町140番地) (ハ) 公開開始日:令和3年8月4日 公開先 :旭化成ホームズ株式会社 RC管理部 安全グループ (東京都千代田区神田神保町1-105) 株式会社スウェーデンハウス 品質・安全管理部 (東京都世田谷区太子堂4-1-1) 古河林業株式会社 東京支店 (東京都北区中里1-10-6) 大和ハウス工業株式会社 技術本部 安全管理部(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-6-1) 川崎支店(神奈川県川崎市幸区新川崎7-7) (ニ) 公開開始日:令和3年10月21日 公開先 :ベクセス株式会社(静岡県浜松市中区鍛冶町140番地) グランド産業株式会社(埼玉県越谷市新富町1-11-4) グランド産業株式会社(神奈川県横浜市旭区下川井町2321-1) (ホ) 展示日 :令和3年11月17日~令和3年11月19日 展示会名 :トイレ産業展2021 主催者名 :一般社団法人日本能率協会 (ヘ) ウェブサイト掲載日 :令和4年1月11日 ウェブサイトアドレス:https://www.hamanetsu.co.jp/news/products/2022/00152/ (ト) ウェブサイト掲載日 :令和4年1月12日 ウェブサイトアドレス:https://www.atpress.ne.jp/news/293259
(71)【出願人】
【識別番号】513049480
【氏名又は名称】株式会社ハマネツ
(74)【代理人】
【識別番号】100136674
【弁理士】
【氏名又は名称】居藤 洋之
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 孝紀
(57)【要約】
【課題】給水タンクを不要にしたり、給水タンクを容量が異なる他のものに交換したりすることのできる、可搬型手洗い器を提供する。
【解決手段】可搬型手洗い器10は、蛇口34と、蛇口34を支持するフレーム30と、可撓性を有する給水管40と、可撓性を有する排水管42とを備える。蛇口34は、取水口84、吐水口86および吐水口86を開閉する開閉操作部88を有する。給水管40の一方端部40aは蛇口34の取水口84に接続され、給水管40の他方端部40bは開放される。排水管42の一方端部42aはシンク36の排水口94に接続され、排水管42の他方端部42bは開放される。可搬型手洗い器10の使用時には、給水管40の他方端部40bが、上水管や給水タンクに接続されるとともに、排水管42の他方端部42bが、排水路や排水タンクに接続される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水口、吐水口および前記吐水口を開閉する開閉操作部を有する蛇口と、
前記蛇口を支持するフレームと、
可撓性を有し、一方端部が前記取水口に接続され、他方端部が開放された給水管とを備える、可搬型手洗い器。
【請求項2】
前記給水管は、上水管に対して着脱自在に接続される接続部を有する、請求項1に記載の可搬型手洗い器。
【請求項3】
排水口を有し、前記吐水口から吐出された水を受けるシンクと、
可撓性を有し、一方端部が前記排水口に接続され、他方端部が開放された排水管とを備える、請求項1または2に記載の可搬型手洗い器。
【請求項4】
前記給水管および前記排水管は、一方の管の内径が他方の管の外径よりも大きく定められて前記一方の管内に前記他方の管が挿し込み可能である、請求項3に記載の可搬型手洗い器。
【請求項5】
前記蛇口は、前記シンクの上面に設けられ、
前記フレームは、前記シンクを介して前記蛇口を支持する、請求項3または4に記載の可搬型手洗い器。
【請求項6】
前記フレームに対して着脱自在に取り付けられ、前記シンクを支持するシンクホルダーを備える、請求項3ないし5のいずれか1項に記載の可搬型手洗い器。
【請求項7】
前記給水管の前記他方端部は、平面視で前記シンクが位置するシンク領域の外側に配置される、請求項3ないし6のいずれか1項に記載の可搬型手洗い器。
【請求項8】
前記フレームは、
鉛直方向に延びて互いに平行に設けられた棒状の第1支柱および第2支柱と、
前記第1支柱の下端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第1脚部と、
前記第2支柱の下端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第2脚部と、
前記第1脚部および前記第2脚部の先端部どうしを繋ぐ棒状の第1繋ぎ部と、
前記第1脚部と前記第2脚部との間に設けられ、物品が載置される載置部とを有する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の可搬型手洗い器。
【請求項9】
前記第1支柱と前記第2支柱との間に張られた状態で、前記フレームに対して着脱自在に取り付けられるシートを備える、請求項8に記載の可搬型手洗い器。
【請求項10】
前記フレームは、
前記第1支柱の上端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第1屋根支持部と、
前記第2支柱の上端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第2屋根支持部と、
前記第1屋根支持部および前記第2屋根支持部の先端部どうしを繋ぐ棒状の第2繋ぎ部とを有し、
前記シートは、前記第1屋根支持部と前記第2屋根支持部との間に張られた状態で、これらによって支持される屋根部を有する、請求項9に記載の可搬型手洗い器。
【請求項11】
前記フレームは、上側フレームと下側フレームとに分割可能に構成され、
前記上側フレームは、前記第1屋根支持部、前記第2屋根支持部および前記第2繋ぎ部を有し、
前記下側フレームは、前記第1脚部、前記第2脚部および前記第1繋ぎ部を有する、請求項10に記載の可搬型手洗い器。
【請求項12】
使用者に対向するように前記フレームに対して着脱自在に取り付けられる板状のパネルを備える、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の可搬型手洗い器。
【請求項13】
前記フレームは、前記フレームを支持する支持部材の被引掛け部に引掛けられるフックを有する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の可搬型手洗い器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の建築現場などの屋外で使用される可搬型手洗い器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の可搬型手洗い器の一例が下記特許文献1に開示されている。この可搬型手洗い器は、枠体と、枠体の上部に設けられた給水タンクと、枠体の下部に設けられた排水受タンクと、枠体の上下方向中央部に設けられた水受器と、排水管とを備えている。給水タンクには、吐水口および給水コックが設けられており、水受器には、排水口が設けられている。給水コックを開くと、給水タンクの水が吐水口から水受器に向けて吐出される。水受器で受けられた水は、排水口および排水管を通して排水受タンクに排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-19381号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された可搬型手洗い器では、給水コックが給水タンクに設けられていたので、給水タンクを容量が異なる他のものに交換したり、給水コックを上水管に接続したりすることができなかった。そのため、可搬型手洗い器の使用頻度が高くなると、給水タンクに水を補給する回数が多くなり、その作業が面倒であるという問題があった。一方、大容量の給水タンクを使用すると、水の補給回数を少なくできるが、この場合には、給水タンクの設置スペースを確保することが難しくなるという問題があった。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記問題に対処するためになされたものであり、その目的は、給水タンクを不要にしたり、給水タンクを容量が異なる他のものに交換したりすることのできる、可搬型手洗い器を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る可搬型手洗い器の特徴は、取水口、吐水口および前記吐水口を開閉する開閉操作部を有する蛇口と、前記蛇口を支持するフレームと、可撓性を有し、一方端部が前記取水口に接続され、他方端部が開放された給水管とを備えることにある。
【0007】
この構成によれば、可撓性を有する給水管の他方端部が開放されているので、この他方端部を上水管または任意の給水タンクに接続して使用できる。つまり、給水タンクを不要にしたり、給水タンクを任意に選択して使用したりすることができる。例えば、給水タンクの置き場所を確保できない場合には、給水管の他方端部を上水管に接続して使用できる。また、可搬型手洗い器の使用頻度が低い場合には、給水管の他方端部を小容量の給水タンクに接続して使用でき、可搬型手洗い器の使用頻度が高い場合には、給水管の他方端部を大容量の給水タンクや上水管に接続して使用できる。
【0008】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記給水管は、上水管に対して着脱自在に接続される接続部を有することにある。
【0009】
この構成によれば、給水管の他方端部を上水管に接続できるので、上水管の内部圧力で蛇口に水を供給できる。したがって、蛇口よりも高い位置に設置される給水タンクが不要となり、可搬型手洗い器の安定性が向上する。また、給水タンクを支える支持構造が不要となり、可搬型手洗い器を小型化できるとともに軽量化できる。
【0010】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、排水口を有し、前記吐水口から吐出された水を受けるシンクと、可撓性を有し、一方端部が前記排水口に接続され、他方端部が開放された排水管とを備えることにある。
【0011】
この構成によれば、可撓性を有する排水管の他方端部が開放されているので、この他方端部を排水路または任意の排水タンクに接続して使用できる。
【0012】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記給水管および前記排水管は、一方の管の内径が他方の管の外径よりも大きく定められて前記一方の管内に前記他方の管が挿し込み可能であることにある。
【0013】
この構成によれば、給水管および排水管のうちの一方の管の端部を他方の管の端部の内部に挿し込んで収容できるので、可搬型手洗い器を搬送したり、保管したりする際には、給水管および排水管が動いて散らばることを防止できる。
【0014】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記蛇口は、前記シンクの上面に設けられ、前記フレームは、前記シンクを介して前記蛇口を支持することにある。
【0015】
この構成によれば、フレームでシンクを支持することによって蛇口も同時に支持でき、フレームからシンクを撤去することによって蛇口も同時に撤去できる。
【0016】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記フレームに対して着脱自在に取り付けられ、前記シンクを支持するシンクホルダーを備えることにある。
【0017】
この構成によれば、シンクホルダーを形状や大きさの異なる他のものに変更することによって、形状や大きさの異なる複数のシンクをフレームに対して選択的に取り付けることができる。
【0018】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記給水管の前記他方端部は、平面視で前記シンクが位置するシンク領域の外側に配置されることにある。
【0019】
この構成によれば、上水管および給水タンクなどの水源を平面視でシンク領域の外側に配置できるので、シンクの真下および真上に空間を確保でき、水源は、シンクを使用する使用者の邪魔にならない。
【0020】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記フレームは、鉛直方向に延びて互いに平行に設けられた棒状の第1支柱および第2支柱と、前記第1支柱の下端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第1脚部と、前記第2支柱の下端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第2脚部と、前記第1脚部および前記第2脚部の先端部どうしを繋ぐ棒状の第1繋ぎ部と、前記第1脚部と前記第2脚部との間に設けられ、物品が載置される載置部とを有することにある。
【0021】
この構成によれば、重しとなる物品を載置部に載置することによって、フレームを安定させることができる。また、使用者が第1繋ぎ部を踏むことによっても、フレームを安定させることができる。
【0022】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記第1支柱と前記第2支柱との間に張られた状態で、前記フレームに対して着脱自在に取り付けられるシートを備えることにある。
【0023】
この構成によれば、蛇口の吐水口から吐出された水が飛散することをシートで防止できる。また、近隣の人から使用者に向かう視線をシートで遮断できる。つまり、シートで目隠しできる。
【0024】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記フレームは、前記第1支柱の上端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第1屋根支持部と、前記第2支柱の上端部から使用者側へ延びて設けられた棒状の第2屋根支持部と、前記第1屋根支持部および前記第2屋根支持部の先端部どうしを繋ぐ棒状の第2繋ぎ部とを有し、前記シートは、前記第1屋根支持部と前記第2屋根支持部との間に張られた状態で、これらによって支持される屋根部を有することにある。
【0025】
この構成によれば、シートの屋根部で日差しや雨露を遮断できるので、日差しや雨露で蛇口が汚れることを防止できる。また、工事現場などにおいては、シートの屋根部で落下物を受け止めることができるので、安全性を高めることができる。
【0026】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記フレームは、上側フレームと下側フレームとに分割可能に構成され、前記上側フレームは、前記第1屋根支持部、前記第2屋根支持部および前記第2繋ぎ部を有し、前記下側フレームは、前記第1脚部、前記第2脚部および前記第1繋ぎ部を有することにある。
【0027】
この構成によれば、フレームを上側フレームと下側フレームとに分割できるので、搬送時の全体サイズを小さくでき、搬送性を高めることができる。
【0028】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、使用者に対向するように前記フレームに対して着脱自在に取り付けられる板状のパネルを備えることにある。
【0029】
この構成によれば、板状のパネルに対して鏡や小物入れを取り付けることができる。この場合、パネルは、鉄板などの磁性体のほか、樹脂製または木製で構成することができる。また、パネルは、多数の孔が形成された所謂パンチングパネルで構成することができる。
【0030】
本発明に係る可搬型手洗い器の他の特徴は、前記フレームは、前記フレームを支持する支持部材の被引掛け部に引掛けられるフックを有することにある。
【0031】
この構成によれば、支持部材(工事現場を囲うフェンスなど)の被引掛け部にフックを引掛けることによって、フレームを安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】実施形態に係る可搬型手洗い器の構成を示す斜視図である。
図2】実施形態に係る可搬型手洗い器の使用状態を示す正面図である。
図3】実施形態に係る可搬型手洗い器の使用状態を示す部分拡大右側面図である。
図4】(A)はシートの構成を示す斜視図、(B)はフレームの構成を示す斜視図である。
図5】シンクおよびシンクホルダーの構成を示す斜視図である。
図6】パネルの構成を示す斜視図である。
図7】実施形態に係る可搬型手洗い器の構成を示す正面図である。
図8】実施形態に係る可搬型手洗い器の構成を示す背面図である。
図9】実施形態に係る可搬型手洗い器の構成を示す図であり、(A)は左側面図、(B)は右側面図である。
図10】実施形態に係る可搬型手洗い器の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は底面図である。
図11図7におけるXI-XI線断面図である。
図12】給水管の他方端部を給水タンクに接続し、排水管の他方端部を排水タンクに挿し込んだ状態を示す部分拡大右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る可搬型手洗い器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、実施形態に係る可搬型手洗い器10の構成を示す斜視図である。図2は、可搬型手洗い器10の使用状態を示す正面図である。図3は、可搬型手洗い器10の使用状態を示す部分拡大右側面図である。なお、以下の説明で用いる「上・下・左・右・前・後」の各方向は、図面において矢印で示す各方向と一致する。使用者(図示省略)は、可搬型手洗い器10の前方に立って可搬型手洗い器10を使用する。
【0035】
図1に示す可搬型手洗い器10は、住宅の建築現場などの屋外で使用される簡易な手洗い器であり、トラックの荷台などに載せて現場に搬入される。図2に示すように、現場の周囲には、複数のフェンス12が設けられており、使用時には、これらのフェンス12が可搬型手洗い器10を支持する「支持部材」となる。図3に示すように、現場における可搬型手洗い器10の近傍には、上水管14および排水路16が設けられており、「水源」としての上水管14の水が可搬型手洗い器10に供給され、可搬型手洗い器10の排水が排水路16に排出される。
【0036】
図3に示す上水管14は、本管18と、本管18の端部に設けられた蛇口20とを有している。蛇口20は、地面Gに立設された支柱22の上部に取り付けられており、本管18の一部は、支柱22の内部に収容されている。図3に示す排水路16は、地面Gに埋設された排水管24と、排水管24の途中に設けられた排水桝26とを有している。なお、蛇口20は、建物の壁面(図示省略)などに設けられてもよいし、排水路16は、地面Gに開かれた開口を有する溝状に構成されてもよい。
【0037】
(可搬型手洗い器の構成)
図4図6は、可搬型手洗い器10の各部分の構成を示す図であり、図4(A)は、シート32の構成を示す斜視図、図4(B)は、フレーム30の構成を示す斜視図である。図5は、シンク36およびシンクホルダー38の構成を示す斜視図であり、図6は、パネル44の構成を示す斜視図である。図7図10は、可搬型手洗い器10の構成を示す図(6面図)であり、図7は正面図、図8は背面図、図9(A)は左側面図、図9(B)は右側面図、図10(A)は平面図、図10(B)は底面図である。図11は、図7におけるXI-XI線断面図である。以下の説明では、主に図1図6を参照するが、各部分の正確な形状を把握するために、上記6面図およびXI-XI線断面図を適宜参照されたい。ただし、上記6面図では、給水管40を省略している。
【0038】
図1に示すように、可搬型手洗い器10は、フレーム30、シート32、蛇口34、シンク36、シンクホルダー38、給水管40、排水管42およびパネル44を備えている。
【0039】
図1に示すフレーム30は、シンク36およびシンクホルダー38を介して蛇口34を支持する部材であり、鉛直方向へ延びる棒状の第1支柱46および第2支柱48を有している。第1支柱46と第2支柱48との間隔は、シンク36の幅とほぼ同じに定められている。
【0040】
図4(B)に示すように、第1支柱46の左側(外側)の側面には、「支持部材」としてのフェンス12(図2)に設けられた筒状の被引掛け部50に上方から引掛けられる複数(本実施形態では2個)のフック52aが、上下方向へ間隔を隔てて設けられている。第1支柱46の右側(内側)の側面には、後述するシンクホルダー38(図5)に設けられた左側の引掛け部54aが上方から引掛けられる筒状の被引掛け部56aが設けられている。
【0041】
第2支柱48の右側(外側)の側面には、「支持部材」としてのフェンス12(図2)に設けられた筒状の被引掛け部50に上方から引掛けられる複数(本実施形態では2個)のフック52bが、上下方向へ間隔を隔てて設けられている。第2支柱48の左側(内側)の側面には、後述するシンクホルダー38(図5)に設けられた右側の引掛け部54bが上方から引掛けられる筒状の被引掛け部56bが設けられている。
【0042】
図3に示すように、本実施形態では、可搬型手洗い器10の左右両側に「支持部材」としてのフェンス12(図2)が配置されるため、フック52aは、第1支柱46から左方へ突出するように設けられており、フック52bは、第2支柱48から右方へ突出するように設けられている。
【0043】
図4(B)に示すように、フレーム30は、さらに、第1支柱46の下端部46aから使用者側(前方)へ水平に延びて設けられた棒状の第1脚部58と、第2支柱48の下端部48aから使用者側(前方)へ水平に延びて設けられた棒状の第2脚部60と、第1脚部58および第2脚部60の先端部58a,60aどうしを繋ぐ棒状の第1繋ぎ部62と、載置部64とを有している。載置部64は、重しなどの物品(図示省略)が載置される部分であり、第1脚部58と第2脚部60との間に設けられている。本実施形態の載置部64は、金属によって網状に形成されており、第1脚部58および第2脚部60に対して溶接などで接合されている。
【0044】
図4(B)に示すように、フレーム30は、さらに、第1支柱46の上端部46bから使用者側(前方)へ延びて設けられた棒状の第1屋根支持部66と、第2支柱48の上端部48bから使用者側(前方)へ延びて設けられた棒状の第2屋根支持部68と、第1屋根支持部66および第2屋根支持部68の先端部66a,68aどうしを繋ぐ棒状の第2繋ぎ部70とを有している。本実施形態の第1屋根支持部66および第2屋根支持部68は、後端から前端へ向けて徐々に高くなるように傾斜しており、その傾斜角度は、約30度に定められている。また、第1屋根支持部66および第2屋根支持部68の長さは、第1脚部58および第2脚部60の長さとほぼ同じに定められている。
【0045】
図4(B)に示すように、上記のフレーム30は、上側フレーム30aと下側フレーム30bとに分割可能に構成されている。上側フレーム30aは、第1支柱46の上端部46bを構成する上側支柱片72aと、第2支柱48の上端部48bを構成する上側支柱片74aと、第1屋根支持部66と、第2屋根支持部68と、第2繋ぎ部70とを有している。一方、下側フレーム30bは、第1支柱46の上端部46bを除いた部分を構成する下側支柱片72bと、第2支柱48の上端部48bを除いた部分を構成する下側支柱片74bと、第1脚部58と、第2脚部60と、第1繋ぎ部62と、載置部64とを有している。そして、上側フレーム30aを構成する上側支柱片72aと上側支柱片74aとの間には、棒状の連結部材75aが架け渡されており、下側フレーム30bを構成する下側支柱片72bと下側支柱片74bとの間には、棒状の連結部材75bが架け渡されている。
【0046】
本実施形態の第1支柱46および第2支柱48は、管状に形成されており、上側支柱片72a,74aの下端部の内部空間は、下方へ向けて開かれている。下側支柱片72b,74bの上端部は、その外径が上側支柱片72a,74aの下端部の内径よりも僅かに小さくなるように形成されている。そして、上側支柱片72a,74aの下端部に下側支柱片72b,74bの上端部が挿し込まれることによって、上側フレーム30aと下側フレーム30bとが分割可能に繋がれている。
【0047】
図1に示すシート32は、第1支柱46と第2支柱48との間に張られた状態で、フレーム30に対して着脱自在に取り付けられる部材であり、図4(A)に示すように、本体部76と、屋根部78とを有している。本体部76は、図4(B)に示す第1支柱46と第2支柱48との間隔とほぼ同じ幅を有し、かつ、第1支柱46および第2支柱48の長さとほぼ同じ長さを有する四角形に形成されている。一方、屋根部78は、図4(B)に示す第1屋根支持部66と第2屋根支持部68との間隔とほぼ同じ幅を有し、かつ、第1屋根支持部66および第2屋根支持部68の長さとほぼ同じ長さを有する四角形に形成されている。
【0048】
図4(A)に示すように、シート32の全体は、本体部76と屋根部78とが切れ目なく繋がった長方形に形成されている。そして、シート32の左側部には、複数(本実施形態では7個)のハトメ80aが上下方向へ間隔を隔てて設けられており、シート32の右側部には、複数(本実施形態では7個)のハトメ80bが上下方向へ間隔を隔てて設けられている。シート32の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ポリエチレンなどの合成樹脂で形成された市販のブルーシートが用いられている。
【0049】
図8に示すように、本体部76の左側部は、少なくとも1つのハトメ80aに挿通された紐状の締結部材82を用いて第1支柱46に着脱自在に取り付けられており、本体部76の右側部は、少なくとも1つのハトメ80bに挿通された紐状の締結部材82を用いて第2支柱48に着脱自在に取り付けられている。
【0050】
また、屋根部78の左側部は、少なくとも1つのハトメ80aに挿通された紐状の締結部材82を用いて第1屋根支持部66に着脱自在に取り付けられており、屋根部78の右側部は、少なくとも1つのハトメ80bに挿通された紐状の締結部材82を用いて第2屋根支持部68に着脱自在に取り付けられている。つまり、屋根部78は、第1屋根支持部66と第2屋根支持部68との間に張られた状態で、これらと締結部材82とによって支持されている。なお、締結部材82の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ナイロンなどの合成樹脂で形成された結束バンドが用いられている。
【0051】
図1に示す蛇口34は、「水源」としての上水管14(図3)および給水タンク124(図12)などから供給される水を必要に応じて使用者に与えるための部材であり、シンク36およびシンクホルダー38を介してフレーム30に取り付けられている。図5に示すように、蛇口34は、取水口84と、吐水口86と、吐水口86を開閉する開閉操作部88とを有している。なお、蛇口34の種類は、特に限定されるものではなく、本実施形態では、市販の蛇口34がそのまま用いられている。
【0052】
図1に示すシンク36は、蛇口34の吐水口86から吐出された水を受ける部材であり、図5に示すように、水を貯める空間Sを構成する平面視で四角形のシンク本体90と、シンクホルダー38に対して上方から引掛けられる平面視で四角形の環状の引掛け部92とを有している。シンク本体90は、その底部に排水口94を有しており、シンク本体90の上記空間Sは、上方へ向けて開放されている。引掛け部92は、シンク本体90の開口部の周囲に鍔状に形成されている。引掛け部92の後部の右側の角部92aには、蛇口34を取り付けるための貫通孔(図示省略)が形成されている。
【0053】
図5に示す蛇口34は、上記貫通孔(図示省略)を用いて、シンク36の上面すなわち引掛け部92の上面に設けられている。つまり、蛇口34の取水口84が、上記貫通孔(図示省略)に上方から挿通されて、ナット96(図3)を用いて引掛け部92に固定されている。
【0054】
図1に示すシンクホルダー38は、シンク36を支持する部材であり、図5に示すように、シンク36の引掛け部92を下方から受ける平面視で四角形の枠体98と、シンク本体90を下方から受ける側面視でU字状の2つの支持体100とを有している。2つの支持体100は、左右方向に間隔を隔てて配置されており、シンク36の下面に対向する2本の棒状の連結部材102を介して互いに連結されている。そして、2つの支持体100のそれぞれの両端部が枠体98に対して溶接などで接合されている。
【0055】
図5に示すように、枠体98は、棒状の前部98a、棒状の後部98b、棒状の左部98cおよび棒状の右部98dを有しており、後部98bの両端部には、図4(B)に示す第1支柱46および第2支柱48に当たる棒状の当たり部104a,104bが、上下方向へ延びて設けられている。また、後部98bの両端部における当たり部104a,104bよりも内側には、下方へ向けて突出する突起状の引掛け部54a,54bが設けられている。シンクホルダー38は、引掛け部54a,54bがフレーム30の被引掛け部56a,56bに上方から引掛けられることによって、フレーム30に対して着脱自在に取り付けられている。
【0056】
図1に示す給水管40は、シンク36に設けられた蛇口34に水を供給する部材であり、合成樹脂などによって可撓性を有する管状に形成されている。図3に示すように、給水管40の一方端部40aは、第1継手106を介して蛇口34の取水口84に着脱自在に接続されている。この場合、第1継手106は、給水管40の一方端部40aを挿し込むだけで連結することができる所謂ワンタッチ継手構成してもよいし、給水管40の一方端部40aを挿し込んだ後にホースバンドで固定するタイプの継手であってもよい。図1に示すように、給水管40の他方端部40bは、自由に使えるように開放されている。また、給水管40の他方端部40bには、上水管14を構成する蛇口20の吐水口20a(図3)に着脱自在に接続される第2継手108が設けられている。つまり、給水管40は、上水管14(図3)に対して着脱自在に接続される「接続部」としての第2継手108を有している。
【0057】
図11に示すように、平面視でシンク36が位置する領域をシンク領域Qとしたとき、図3に示すように、給水管40の他方端部40bは、平面視でシンク領域Qの外側に配置される。したがって、給水管40に水を供給する「水源」としての上水管14は、平面視でシンク領域Qの外側に配置されることになる。
【0058】
図1に示す排水管42は、シンク36から水を排出する部材であり、合成樹脂などによって可撓性を有する管状に形成されている。図2に示すように、本実施形態の排水管42は、U字トラップ110と蛇腹管112とを有しており、主に蛇腹管112が可撓性を有している。そして、排水管42の一方端部42aは、シンク36の排水口94に接続されており、排水管42の他方端部42bは、自由に使えるように開放されている。図3に示すように、本実施形態における可搬型手洗い器10の使用時には、排水管42の他方端部42bが排水路16を構成する排水桝26に挿し込まれる。
【0059】
図3に示す給水管40および排水管42の一方の内径は、他方の外径よりも大きく定められている。本実施形態では、排水管42の内径が、給水管40の外径よりも大きく定められている。したがって、搬送時や保管時には、給水管40を排水管42の内部に挿し込んで収容することができる。
【0060】
図1に示すパネル44は、使用者(図示省略)に対向するようにフレーム30に対して着脱自在に取り付けられる板状の部材である。図6に示すように、本実施形態のパネル44は、合成樹脂、木材または金属などによって四角形の板状に形成されており、パネル44の4つの角部には、貫通孔114が形成されている。図1に示すように、パネル44は、各貫通孔114(図6)に挿通された紐状の締結部材116を用いてフレーム30に対して着脱自在に取り付けられている。なお、締結部材116の種類は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、ナイロンなどの合成樹脂で形成された結束バンドが用いられている。
【0061】
図6に示すように、パネル44には、正面視で四角形の板状の鏡118が、粘着テープ(図示省略)を用いて取り付けられており、また、小物入れ120が、ボルト・ナット122を用いて取り付けられている。なお、鏡118および小物入れ120の取り付け方法は、本実施形態に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0062】
(可搬型手洗い器の作動)
図2に示すように、可搬型手洗い器10を使用する際には、可搬型手洗い器10が「支持部材」としての2つのフェンス12の間に配置され、フレーム30に設けられたフック52a,52bがフェンス12に設けられた被引掛け部50に引掛けられる。また、図3に示すように、給水管40の他方端部40bが、上水管14を構成する蛇口20の吐水口20aに第2継手108を介して接続される。そして、排水管42の他方端部42bが、排水路16を構成する排水桝26に挿し込まれる。
【0063】
使用者が上水管14の蛇口20を開くと、本管18の水が、給水管40を通して可搬型手洗い器10の蛇口34に供給される。使用者が蛇口34を開くと、吐水口86(図5)からシンク36に向けて水が吐出され、この水が排水口94および排水管42を通して排水路16に排出される。
【0064】
(可搬型手洗い器の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図1に示すように、可撓性を有する給水管40の他方端部40bが開放されているので、この他方端部40bを上水管14または任意の給水タンクに接続して使用できる。つまり、給水タンクを不要にしたり、給水タンクを任意に選択して使用したりすることができる。例えば、給水タンクの置き場所を確保できない場合には、給水管40の他方端部40bを上水管14に接続して使用できる。また、可搬型手洗い器10の使用頻度が低い場合には、給水管40の他方端部40bを小容量の給水タンクに接続して使用でき、可搬型手洗い器10の使用頻度が高い場合には、給水管40の他方端部40bを大容量の給水タンクや上水管14に接続して使用できる。
【0065】
図3に示すように、給水管40の他方端部40bを上水管14に接続できるので、上水管14の内部圧力で蛇口34に水を供給できる。したがって、蛇口34よりも高い位置に設置される給水タンクが不要となり、可搬型手洗い器10の安定性が向上する。また、給水タンクを支える支持構造が不要となり、可搬型手洗い器10を小型化できるとともに軽量化できる。
【0066】
図3に示すように、「水源」としての上水管14を平面視でシンク領域Qの外側に配置できるので、シンク36の真下および真上に空間を確保でき、上水管14は、蛇口34およびシンク36を使用する使用者の邪魔にならない。
【0067】
図1に示すように、可撓性を有する排水管42の他方端部42bが開放されているので、この他方端部42bを排水路16または任意の排水タンクに接続して使用できる。
【0068】
可搬型手洗い器10の搬送時や保管時には、図3に示す給水管40を排水管42の内部に挿し込んで収容できるので、給水管40および排水管42が動いて散らばることを防止できる。
【0069】
図5に示すように、シンク36の上面に蛇口34が設けられているので、フレーム30でシンク36を支持することによって蛇口34も同時に支持でき、フレーム30からシンク36を撤去することによって蛇口34も同時に撤去できる。
【0070】
図1に示すように、シンク36を支持するシンクホルダー38がフレーム30に対して着脱自在に取り付けられるので、シンクホルダー38を形状や大きさの異なる他のものに変更することによって、形状や大きさの異なる複数のシンク36をフレーム30に対して選択的に取り付けることができる。
【0071】
図4(B)に示すように、フレーム30が第1繋ぎ部62および載置部64を有しているので、重しとなる物品(図示省略)を載置部64に載置することによって、フレーム30を安定させることができる。また、使用者が第1繋ぎ部62を踏むことによっても、フレーム30を安定させることができる。
【0072】
図2に示すように、フレーム30のフック52a,52bをフェンス12の被引掛け部50に引掛けるようにしているので、フレーム30を安定させることができる。
【0073】
図1に示すように、第1支柱46と第2支柱48との間にシート32が張られているので、蛇口34の吐水口86から吐出された水が飛散することをシート32で防止できる。また、近隣の人から使用者に向かう視線をシート32で遮断できる。つまり、シート32で目隠しできる。
【0074】
図1に示すシート32の屋根部78で日差しや雨露を遮断できるので、日差しや雨露で蛇口34が汚れることを防止できる。また、工事現場などにおいては、シート32の屋根部78で落下物を受け止めることができるので、安全性を高めることができる。
【0075】
図4(B)に示すように、フレーム30を上側フレーム30aと下側フレーム30bとに分割できるので、搬送時の全体サイズを小さくでき、搬送性を高めることができる。また、図1に示す板状のパネル44を備えているので、パネル44に対して鏡118や小物入れ120を取り付けることができる。
【0076】
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。すなわち、上記実施形態では、フレーム30のフック52a,52bが左右方向へ突出するように設けられているが、フック52a,52bの突出方向は、適宜変更されてもよい。例えば、可搬型手洗い器10の後方にフェンス12が配置される場合には、フック52a,52bは、第1支柱46および第2支柱48のそれぞれから後方へ突出するように設けられてもよい。また、フック52a,52bの大きさ、形状および数は、適宜変更されてもよい。
【0077】
上記実施形態では、載置部64が金属によって網状に形成されているが、載置部64は、金属、合成樹脂または木材によって板状に形成されてもよい。
【0078】
上記実施形態では、第1屋根支持部66および第2屋根支持部68の傾斜角度が、約30度に定められているが、これらの傾斜角度は適宜変更されてもよい。また、第1脚部58および第2脚部60の長さや、第1屋根支持部66および第2屋根支持部68の長さは、適宜変更されてもよい。
【0079】
上記実施形態では、上側支柱片72a,74aの下端部に下側支柱片72b,74bの上端部が挿し込まれているが、これとは逆に、下側支柱片72b,74bの上端部に上側支柱片72a,74aの下端部が挿し込まれてもよい。
【0080】
上記実施形態では、シート32として市販のブルーシートが用いられているが、これに代えて、織布や不織布が用いられてもよい。また、締結部材82,116として合成樹脂で形成された結束バンドが用いられているが、これに代えて、合成繊維または天然繊維からなる紐が用いられてもよい。
【0081】
図12は、給水管40の他方端部40bを「水源」としての給水タンク124に接続し、排水管42の他方端部42bを排水タンク128に挿し込んだ状態を示す部分拡大右側面図である。上記実施形態では、給水管40の他方端部40bが、上水管14を構成する蛇口20の吐水口20aに接続されているが、図12に示すように、給水管40の他方端部40bは、給水タンク124を構成する蛇口126の吐水口126aに接続されてもよい。この場合でも、「水源」としての給水タンク124を平面視でシンク領域Qの外側に配置できるので、シンク36の真下および真上に空間を確保でき、給水タンク124は、蛇口34およびシンク36を使用する使用者の邪魔にならない。
【0082】
上記実施形態では、排水管42の他方端部42bが、排水路16を構成する排水桝26に挿し込まれているが、図12に示すように、排水管42の他方端部42bは、排水タンク128に挿し込まれてもよい。この場合には、排水タンク128が、重しとして載置部64に載置されてもよい。
【0083】
上記実施形態においては、排水管42は、U字トラップ110と蛇腹管112とを有して構成した。しかし、排水管42は、U字トラップ110を省略して蛇腹管112のみで構成されていてもよい。また、排水管42は、蛇腹状ではなくストレートに延びる可撓性を有するホースまたは剛体からなるパイプで構成することもできる。
【0084】
上記実施形態においては、可搬型手洗い器10は、給水管40を備えて構成した。しかし、可搬型手洗い器10は、給水管40を省略して構成したとしても、給水管40を繋ぐための取水口84を有して構成されていれば実質的に本件発明に係る可搬型手洗い器10を構成することになる。すなわち、本件発明に係る可搬型手洗い器は、取水口84を有しつつ給水管を省略して構成することもできる。
【0085】
Q…シンク領域、10…可搬型手洗い器、12…フェンス(支持部材)、14…上水管、16…排水路、30…フレーム、32…シート、34…蛇口、36…シンク、38…シンクホルダー、40…給水管、42…排水管、44…パネル、46…第1支柱、48…第2支柱、52a,52b…フック、50…被引掛け部、54a,54b…引掛け部、56a,56b…被引掛け部、58…第1脚部、60…第2脚部、62…第1繋ぎ部、64…載置部、66…第1屋根支持部、68…第2屋根支持部、70…第2繋ぎ部、78…屋根部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12