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特開2023-108303ゲート情報管理システム、該システムのサーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108303
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ゲート情報管理システム、該システムのサーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230728BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
E05B49/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009356
(22)【出願日】2022-01-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】390037028
【氏名又は名称】美和ロック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】稲垣翔平
(72)【発明者】
【氏名】大久保知征
(72)【発明者】
【氏名】森重寿弘
(72)【発明者】
【氏名】松居宏樹
(72)【発明者】
【氏名】海野寛之
(72)【発明者】
【氏名】岩田圭司
(72)【発明者】
【氏名】田島義明
(72)【発明者】
【氏名】船守進一
【テーマコード(参考)】
2E250
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA05
2E250BB08
2E250DD02
2E250FF36
2E250GG06
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】設定者如何を問わず、スマートロックに対して迅速に鍵情報を設定できること。
【解決手段】建物に設置されたスマートロックと、少なくともスマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するサーバとから成るゲート情報管理システムであって、端末は、スマートロックに対して、鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、サーバは、端末からネットワークを介して、少なくともスマートロックの識別情報又は物件情報のいずれか一方に基づく鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた鍵情報を端末に送信する、ゲート情報管理システム。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設置されたスマートロックと、少なくとも前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有する前記サーバとから成るゲート情報管理システムであって、
前記端末は、前記スマートロックに対して、前記鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワークを介して、少なくとも前記スマートロックの識別情報又は前記物件情報のいずれか一方に基づく前記鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する、ゲート情報管理システム。
【請求項2】
請求項1のゲート情報管理システム於いて、前記鍵情報は集合住宅における専有部の鍵情報であり、前記サーバは、前記専有部の鍵情報に紐付けた共用部の鍵情報を生成し、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれかに、前記ネットワークを介して、前記共用部の鍵情報を与えることを特徴とするゲート情報管理システム。
【請求項3】
建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムの前記サーバであって、
前記端末は、前記スマートロックに対して、前記鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワークを介して、少なくとも前記スマートロックの識別情報又は前記物件情報のいずれか一方に基づく前記鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する送信手段を備えるゲート情報管理システムのサーバ。
【請求項4】
建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムのプログラムであって、
コンピュータに、前記ユーザー端末又は設定業者端末のいずれかの端末からネットワークを介して、前記識別情報に基づいて前記鍵情報の取得要求を受付ける受付機能と、前記取得要求の識別情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する通信機能を実行させるゲート情報管理システムのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲート情報管理システム、該システムのサーバ及びプログラムに関し、特に、集合住宅等の入口に設けけられた認証機能を有する専有部のスマートロック又は/及び共用部の扉制御装置に対応する鍵情報を設定(新規登録、書き換え登録など)する際、権原を有する設定業者端末又はユーザー端末のいずれかに、ネットワークを介して、ゲート解錠用の鍵情報を迅速に与え、これらの端末を介して、前記扉制御装置に鍵情報を設定することができる建物のゲート情報管理システム、該建物のゲート情報管理システムのサーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宿泊施設、居住用の集合住宅、介護施設等の入口を利用するユーザー(宿泊者、居住者、各種施設の職員、会社の従業者等)は、普通一般に、通信端末の典型例であるスマートフォンを所持している。そして、例えば共用部の入口にゲート制御装置(扉制御装置、自動ドア制御装置、電気錠システム、扉解錠システム、ゲート制御装置等と称されている認証式の扉制御装置)が設けられている場合、前記スマートフォンを専有部のみならず、共用部の入口の鍵情報としても使用できるようにしている。
さて、例えば建物の一例である居住用集合住宅の共用部の入口、例えばエントランスやエレベーターは、普段、当該集合住宅に住んでいる特定かつ多数の人が利用し、一方、建物の各区分所有者の各専有部の入口は、もっぱら当該専有部を利用する権原を有する人(ユーザー)のみが利用する。
【0003】
したがって、防犯上、どうしてもエントランスの共用扉制御装置と専有部の専用扉制御装置(以下、「スマートロック」ともいう)の認証用の鍵情報をそれぞれ異なるもにせざるを得ないので、共用部の扉制御装置及び専有部のスマートロックに対する登録作業が面倒であるとう問題がある。
【0004】
それ故に、ユーザー端末又は設定業者端末のいずれかの端末を問わず、また鍵情報の設定時期如何を問わず、迅速に、前記扉制御装置及びスマートロックに対して鍵情報を設定できることが望まれる。特に、建物の新築時における入居の場合(新築における複数個の識別情報の紐付登録時)、権原を有する業者が設定業者端末を利用してスマートロックに鍵情報を設定する場合には、専有部に住んでいる居住者(ユーザー)が所持しているスマートフォン(通信機能を有する端末)を入居前に自由に借りることができないのが実情なので、設定業者端末が建物の玄関扉に設置されたスマートロックに対して、当該専有部や共用部の認証用の鍵情報を登録することが容易にできないという問題がある。
【0005】
一方、建物の新築後、最初の居住者が引っ越し、その後、次の居住者が空いた専有部に入居するような場合(既設の鍵情報登録時)にも、二番目以降の居住者が所持しているユーザー端末を利用して、居住対象のスマートロックに対して鍵情報を迅速に登録できることが望まれる。その場合、前記ユーザー端末を専有部のみならず、共用部の鍵情報を容易に設定できるならば、システム上の利便性が向上する。
【0006】
ところで、特許文献1の発明の課題は、住宅の専有部のゲート(いわゆる玄関ドア)と共用部のゲート(いわゆるエントランスの自動扉)に対する施解錠キーの登録・抹消作業を簡便化することで、その解決手段は、専有部に配設された錠制御装置を特定するシリアル番号と施解錠キー(携帯端末も含まれる)10の登録状況を示すシーケンス情報とを錠前の施解錠に必要な「施解錠用情報」として予め記憶しており、錠前の施解錠に必要な情報が書き込まれていない前記施解錠キー10の登録時に、記憶された前記施解錠用情報を施解錠キー10に書き込む専有部側電気錠装置20と、前記施解錠キー10から読み取った施解錠用情報を専有部側電気錠装置20が配設される部屋番号と関連付けして記憶する共用部側電気錠装置30とを備える。
【0007】
上記構成に於いて、特許文献1でも、施解錠キーには携帯端末も含まれると共に、ハンディタイプの情報登録装置40を加味し、該情報登録装置40に専有部側電気錠装置20側の施解錠情報(第1鍵情報)を登録し、該情報登録装置40を用いて共用部側電気錠装置20の施解錠情報(第2鍵情報)に紐付けする構成を記載されている(第2実施例、図3)。なお、符号は特許文献1のものである。
【0008】
この特許文献1は、前述した如く、集合住宅等に於いて、専有部と共用部の鍵情報が相違するため、管理者(特に、錠制御装置に対する鍵情報の設定業者)が、集合住宅等における鍵情報の設定、書き換え等が非常に面倒であるという視点から生れた発明である。なお、特許文献1は出荷時にスマートロックに予め錠自体の識別情報を付与している。
【0009】
ところで、近年、市場に色々な機能を有するスマートロックが出現し、ユーザーは、自己の希望するスマートロックを建物の入口(ゲートや壁も含む)に設置する傾向にある。
【0010】
そこで、特許文献1の如く、スマートロックの出荷時に、予め、その制御部に含まれるファィル装置にスマートロック自体の識別情報を記録させいても良いが、例えばスマートロックのファィル装置に何もデータがない場合(近年、そのようなスマートロックが多い)、或いは物件の立ち上げ時(新築時の鍵情報登録時)、或いは又何らかの理由でスマートロックのファィル装置を初期化した場合には、特許文献1は、全くネットワークを利用しないことから、通信端末を用いて手軽に、かつ迅速にスマートロックに「専有部の鍵情報」及び「該専有部の鍵情報に紐付けられた共有部の鍵情報」を容易に設定することができないという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009-221670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
発明の主たる課題は、新築又は既設か否かの設定時期如何を問わず、権原を有する設定端末(設定業者端末又はユーザー端末)からスマートロックに対して、通信端末を用いて迅速に、少なくとも専有部の鍵情報を与えることができることである。すなわち、スマートロックのファィル装置が「空っぽ」の状態である場合に、例えばスマートロック自体を特定する識別情報(例えばSerialNo)や物件情報(例えば建物自体を特定する識別情報+部屋を特定する識別情報)等を紐付けることが可能な単数又は複数の識別情報が存在しない場合に於いて、ネットワーク(=好ましくはクラウド)を利用して「空っぽ」の状態のスマートロックに対して、専有部側の何らかの識別情報(例えばスマートロックを特定する識別情報)を与え、サーバ又は該スマートロック側から前記専有部側の識別情報を取得した端末が、ネットワークを利用してサーバにアップロードしてきた場合に、前記アップロード(保存)した鍵情報取得要求(スマートロックの識別情報)に新たな情報を関連付けた認証用の鍵情報(スマート鍵情報)を前記端末に迅速に送信することができることである。なお、発明の二次的な課題は、普通一般に、エントランスを有する集合住宅、ホテル、各種の施設等の場合に於いて、前記エントランスと専有部の各ゲートを解錠する扉錠制御装置の鍵情報が異なるという事情に鑑み、ユーザー端末が前記スマート鍵情報をサーバから貰った場合には、さらに、前記スマート鍵情報に共用部の鍵情報を関連付け、その結果、ユーザーが所持するユーザー端末を共用部と専有部の両方のゲートに対して使用することができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
まず、本発明のゲート情報管理システムは、建物に設置されたスマートロックと、少なくとも前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有する前記サーバとから成るゲート情報管理システムであって、前記端末は、前記スマートロックに対して、前記鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワークを介して、少なくとも前記スマートロックの識別情報又は前記物件情報のいずれか一方に基づく前記鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信することを特徴とする。
【0014】
上記構成に於いて、前記鍵情報は集合住宅における専有部の鍵情報であり、前記サーバは、前記専有部の鍵情報に紐付けた共用部の鍵情報を生成し、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれかに、前記ネットワークを介して、前記共用部の鍵情報を与えることを特徴とする。付言すると、サーバにアップロードしてきた端末がユーザー端末である場合、サーバが該ユーザー端末に与える前記鍵情報は、少なくとも前記建物の専有部の鍵情報である。またサーバにアップロードしてきた端末が設定業者端末である場合、サーバが該設定業者端末に与える新たな鍵情報は、少なくとも前記建物の共用部の鍵情報である。
【0015】
またサーバは、前記スマートロックを特定するための識別情報を保有し、前記識別情報は、例えばスマートロックのSerialNo又は物件情報(SerialNoとは別の識別ID)のいずれか一方を含み、前記サーバは、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれか一方から前記鍵情報の取得要求を受付ける前に、予め前記設定業者端末又はユーザー端末或いは又は前記スマートロックのいずれかに対して、前記ネットワークを介して前記識別情報を与えるのが好ましい。
【0016】
次に、本発明のゲート情報管理システムのサーバは、建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムの前記サーバであって、前記端末は、前記スマートロックに対して、前記鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワークを介して前記スマートロックの識別情報又は前記物件情報のいずれか一方に基づく前記鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0017】
上記構成に於いて、前記鍵情報は集合住宅における専有部の鍵情報であり、前記サーバは、前記専有部の鍵情報に紐付けた共用部の鍵情報を生成し、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれかに、前記ネットワークを介して、前記共用部の鍵情報を与えるのが好ましい。
【0018】
さらに、本発明のゲート情報管理システムのプログラムは、建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムのプログラムであって、コンピュータに、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれか一方から前記鍵情報の取得要求を受付ける前に、予め前記設定業者端末又はユーザー端末或いは又は前記スマートロックのいずれかに対して、前記ネットワークを介して前記スマートロックを特定するための識別情報を送信する第1の通信機能と、ユーザー端末又は設定業者端末のいずれかの端末からネットワークを介して、前記識別情報に基づいて前記鍵情報の取得要求を受付ける受付機能と、前記取得要求の識別情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する第2の通信機能を実行させることを特徴とする。
【0019】
ここで、「サーバ」とは、建物の専有部の入口に設置されたスマートロックに対して、ネットワークを利用して、少なくとも前記建物の専有部を特定する物件情報を送信することができる情報処理装置をいい、好ましくは、端末又はスマートロックに対して、スマートロックを特定することができる識別情報を、ネットワークを利用して付与することができる。サーバは単数又は複数を問わないし、また設置場所も特に問わない。ここで「スマートロック」の用語は、共用部の扉制御装置と区別するため概念であるから、一戸建て又は集合住宅等を問わず、建物の専有部の入口に設置された認証機能を有する錠制御装置をいい、筐体が単数又は複数を問わない。筐体が単数の場合には、例えば入力と送信機能を有する通信部、各種の情報の制御する制御部、施・解錠情報を含む複数の識別情報を記憶する記憶部、端末からの鍵情報を認証する認証部等が概ね一つのケースに設けられ、一方、複数の場合には、例えば一方の筐体には前記通信部や認証部等を設け、他方の筐体には前記制御部、記憶部、施・解錠機構等を設けることができる。
【0020】
ここで、「鍵情報取得要求の識別情報に関連付けられる認証用の鍵情報」は、実施形態によって変わる。例えば鍵情報取得要求が錠前自体の識別情報である「SerialNo(シリアルNo)」である場合には、まず、建物の専有部の鍵情報(ここでは「スマート鍵情報」ともいう)が紐づけられる。また鍵情報取得要求が、サーバが端末やスマートロックに対して予め与えたスマート鍵情報である場合には、次に、当該建物の共用部の鍵情報が前記スマート鍵情報に紐付けられる。したがって、「鍵情報」とは、建物の入口を利用する権原を有するユーザー端末に登録されている情報を有効に認証できるスマート鍵情報又は共用部の鍵情報のいずれかのデータをいう。
【0021】
なお、錠前自体の識別情報は、通称「SerialNo(シリアルNo)」というものがあり、該シリアルNoは、当業者には、製品(錠前)に1個、1個に割り振られる固有の番号のことと理解されている。付言すると、その製品に使用した部品、ファームウェアのバージョン、製造年月日、製品型式や受注No.などの製品情報と対応付けることで、その製品に不具合が発生時したときに製品特定を容易にするなどに利用され、シリアルNo.はQRコード(登録商標)等に印字して、例えば製品の表面に張り付けなどすることで、端末を含む情報処理装置から容易に読み取ることができる。
【発明の効果】
【0022】
スマートロックのファィル装置に何もデータがない「空っぽ」の状態の場合、或いは設定当初から鍵情報のデータに対する初期化をした場合(新築時)、又何らかの理由(二度目の新しい入居者の存在、居住中におけるユーザー端末の紛失等)でスマートロックのファィル装置を初期化した場合に於いて、端末を介して、スマートロック等に対して、迅速に、少なくとも専有部の鍵情報を与えることができる。好ましい実施形態では、専有部の鍵情報に関連付けた共用部の鍵情報も端末に与えることができる。であるから、端末およびスマートロックの両方が、ネットワークを介して専有部の鍵情報や該専有部の鍵情報に関連付けられた共有部の鍵情報を迅速に取得することができる。
【0023】
すなわち、スマートロックのファィル装置が「空っぽ」の状態である場合に、例えばスマートロックを特定する識別情報(例えばSerialNo)、建物の専有部を特定する識別情報(例えば建物自体を特定する識別情報+部屋を特定する識別情報)、共用部の鍵情報を紐付けることが可能な専有部側の何らかの識別情報が存在しない場合に於いて、ネットワークを利用して、通信機能を有する端末や「空っぽ」の状態のスマートロックに対して、専有部側の識別情報を与え、前記専有部側の何らかの識別情報を取得した端末(設定業者端末又はユーザー端末)がネットワークを利用してサーバにアップロードしてきた場合には、前記アップロード(保存)の鍵情報取得要求(専有部側の識別情報)に新たな鍵情報(専有部の鍵情報や共用部の鍵情報)を関連付けた認証用の鍵情報を前記端末に迅速に送信することができる。なお、実施化レベルでは、ユーザー端末が認証用の鍵情報をサーバから貰った場合には、集合住宅の共用部と専有部の両方のゲートに対して使用することができる。この場合、前記共用部のゲートには、集合住宅のエントランスのみならず、有効時間、顔認証等の条件を適宜に設けてエレベーターのゲートも含めるのが好ましい。また設定業者端末に専有部の鍵情報を付与した場合には、工事終了後に専有部の鍵情報を直ちに消去させるシステムが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1乃至図12は、本発明の好ましい実施形態を示す各説明図。なお、図2及び図3は、本発明の技術的思考を簡略化して示す各概略説明図である。
図1】第1実施形態(例えば建物のスマートロックに専有部の鍵情報を設定する場合)の全体構成を示すブロック図。
図2】建物のスマートロックに専有部の鍵情報を設定する場合の技術的思考を簡略化して示す概略説明図。
図3】建物の共用部の扉錠制御装置に鍵情報を設定する場合の技術的思考を簡略化して示す概略説明図。
図4】設定業者端末とサーバとスマートロックの関連性を示す概略説明図。
図5】スマートロック1のブロック図。
図6】ユーザー端末5のブロック図。
図7】第1サーバ2のブロック図。
図8】第2サーバ3のブロック図。
図9】第1実施形態の建物のスマートロックに専有部の鍵情報を設定する場合の具体例を示す概略説明図(共用部の鍵情報を設定する実施形態も含む)。
図10】第1実施形態の変形例の具体例を示す概略説明図(共用部の鍵情報を設定する実施形態も含む)。
図11】第1サーバ2の管理対象である物件情報の一例を示すデータ構造図。
図12】第1サーバ2が第2サーバに与える物件情報の一例を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
まず、図1を参照にして第1実施形態の全体構成を説明し、次に図2及び図3を参照にして本発明の技術的思考を簡単に説明し、次に図4図5図6等を参照にして、スマートロック1、ユーザー端末5、第1サーバ2、第2サーバ3、物件情報のデータ構造図等を図面の順序にしたがって説明する。
【0026】
<総論>
図1は本発明の第1実施形態の説明図である。なお、この第1実施形態は、特に、設定業者端末がスマートロックに対して新築時の紐付の際(例えば権原を有するSD店が工事をする場合)に適合するものであるが、ユーザー端末が幾つかの手順を経た後、設定業者端末と同様にスマートロックに対して専有部の鍵情報を付与しても良い。
この図1のゲート情報管理システムXに於いて、1はスマートロック、2、3はサーバ、 4は設定業者端末、5はユーザー端末である。
好ましい実施形態では、前記スマートロック1、単数又は複数のサーバ(例えば図4で示す第1サーバ2及び第2サーバ3)、設定業者端末4及びユーザー端末5はネットワークNにそれぞれ接続している。
【0027】
6は管理対象物としての物件、すなわち建物(例えば一戸建て、集合住宅、ホテル、ビルディング、各種の施設等)である。7は認証を受けたユーザー端末5が出入りすることができる前記建物6の専有部のゲート(扉)である。
【0028】
本発明のゲート情報管理システムは、建物6の専有部側に設置されたスマートロック1と、前記スマートロック1又はサーバ(2、3)のいずれか一方から該スマートロック1を特定するための識別情報を取得する権原を有する端末(設定業者端末4、ユーザー端末5)と、前記端末とネットワークNを介して相互に通信可能であり、前記建物6のゲート7を特定する物件情報を保有する前記サーバとを含む。
【0029】
そして、前記端末は、前記スマートロック1に対して、前記建物6のゲート7の鍵情報を登録する設定業者端末4又はユーザー端末5のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワーク(望ましくはインターネット)Nを介して、少なくとも前記スマートロック1の識別情報又は前記物件情報のいずれか一方を含む前記ゲート用の鍵情報の取得要求を受付けると、前記取得要求の識別情報又は物件情報に関連付けた新たな鍵情報(例えば専有部の鍵情報、実施形態によっては共用部のゲートの鍵情報)を前記端末に送信する。
【0030】
そこで、まず、スマートロック1、サーバ2、3及び端末4、5の構成を説明する前に、図2及び図3を参照にして本発明の技術的思想を簡単に説明する。
【0031】
まず図2は、建物6のスマートロック1に専有部の鍵情報を設定する場合の説明図である。この図2に於いて、Step1は、端末(設定業者端末4又は/及びユーザー端末5)がネットワークNを介してサーバ(2は又3)にスマートロック1の識別情報の取得を要求する。前記サーバ(実施形態ではサーバ3)は、後述するようにスマートロック1の識別情報、専有部を特定する物件情報等をその記憶部に記憶している。
【0032】
Step2は、端末がネットワークNを介してサーバ3からスマートロック1の識別情報を貰ったことを示す(識別情報の送信・受信)。なお、このStep2に於いて、端末が識別情報の取得する場合には、サーバ3からではなく、スマートロック(筐体や包装体も含む)1側から通信手段(例えば読み取り)によって直接取得しても良い。
端末がスマートロック1の通信手段から直接的に識別情報を受信(例えば読み取り)するような実施形態では、サーバは、予め適宜時期に、スマートロック1に対してネットワークNを介して前記識別情報を送信する。
【0033】
Step3は、端末4、5がネットワークNを介してサーバ3に前記識別情報に基づき専有部の鍵情報(スマート鍵情報)を要求する。Step4は、サーバが前記専有部の鍵情報要求を受付けた後、該要求の識別情報に関連付けられた専有部の鍵情報(スマート鍵情報)を、ネットワークNを介して端末に付与する(スマート鍵情報の送信・受信)。
しかして、Step5は、端末が通信手段(近距離通信)を用いてスマートロック1に専有部の鍵情報を付与する(専有部の鍵情報の設定完了)。
【0034】
特に図示しないが、その後、サーバ3に対して登録済のユーザー端末5は、サーバに専有部の鍵情報に基づき、共用部の鍵情報も要求することができる。そして、サーバは、該ユーザー端末5がシステム上の権原を有するものと認証した場合には、さらに専有部の鍵情報に関連付けた共有部の鍵情報を付与することができ、これにより、本発明の二次的な課題を達成することができる。
【0035】
次に、図3は建物の共用部電気装置(ここではスマートロックと区別して「扉錠制御装置」ともいう)25に鍵情報を設定する場合の説明図である。この図3の技術的思想は、特に、集合住宅の共用部の入口に設けられた共用部電気装置25に対して、端末(設定業者端末4又は/及びユーザー端末5)が取得した専有部の鍵情報に基づき、共用部の扉錠制御装置25に鍵情報を設定する点が前記図2の実施形態と異なる。
【0036】
図3に於いて、まずStep1は、端末(例えば設定業者端末4)が、例えばスマートロック1から専有部の鍵情報を貰う(例えば読み取る)。その後、端末はネットワークNを介してサーバ(2は又は3)に前記スマートロック1の鍵情報に基づき、共用部の鍵情報の取得を要求する。Step2は、端末4がネットワークNを介してサーバ3から前記スマートロック1の専有部の鍵情報に紐付した共用部の鍵情報を貰ったことを示す(共用部の鍵情報の送信・受信)。
【0037】
しかして、Step3は、端末4は通信手段を用いて共用部電気装置(扉錠制御装置)25に共用部の鍵情報を付与する(共用部の鍵情報の設定完了)。なお、この実施形態の場合も、第1実施形態の場合と同様に、設定業者端末に共用部の鍵情報を付与した場合には、所定時間経過後、共用部の鍵情報を消去させるシステムが望ましい。また、この実施形態でも、端末にユーザー端末5が含まれる。
【0038】
〈各論〉
周知の如く、前記ユーザー端末5は、建物6の入口(ゲート7も含む)に設置されたスマートロック(扉制御装置等とも言われている)1と電気通信な可能状態なものであり、普通一般に、ユーザーが所持するスマートフォン、タブレット等の通信端末と理解されている。
【0039】
図1で示すように、ゲート情報管理システムXは、一戸建て住宅又は集合住宅などの建物や敷地等の管理対象物6の単数又は複数のゲート7に設置された単数又は複数のスマートロック1と、前記ゲート7に設けられ、かつ前記スマートロック1によって施・解錠状態(施錠と解錠)が制御される単数又は複数の施・解錠装置を有する。
【0040】
前記管理対象物6には、例えば第1サーバ2が設置され、この第1サーバ2はネットワークNを介して第2サーバ3に対して該第1サーバ2が保有している物件情報、共有部の鍵情報等を付与することができる。
【0041】
一方、第2サーバ3は、スマートロックの建物6の専有部側の物件情報を含む識別情報、スマート鍵情報、システムに必要なアプリケーション等を保有する。第2サーバ3は、前記物件情報を含む共用部の鍵情報を、前記第1サーバ2からを貰うことができる。それ故に、第2サーバ3はインターネット=クラウド的な存在であり、第1サーバ2よりも多くの情報を一括的に集中管理するとこができる。したがって、例えばユーザー端末5は、インターネットNを介して自己の専有部のゲート7に設置された単数又は複数のスマートロック1の識別情報を、認証成立を条件として第2サーバ3から貰うことができる。
【0042】
図4は設定業者端末とサーバとスマートロックの関連性を示す。この図2で示すゲート情報管理システムXは、物件しての建物6に設置され、かつ前記建物の入口7を利用するユーザー端末5から送信される鍵情報と自己の記憶部に登録されている鍵情報とに基づき認証を実行し、前記認証が成功した場合に、ゲート7用の解錠指令を指示するスマートロック1、及び該スマートロックと通信可能なサーバ(例えば第2サーバ3)を示している。
【0043】
好ましい実施形態では、前記鍵情報は、設定業者端末4又はユーザー端末5から貰った建物及び部屋を特定する物件情報(物件UUID+部屋ID)aを保有するスマートロック1を示している。
【0044】
さらに図4を参照にして説明すると、まずサーバを構成する第1サーバ2は、図示しない制御部及び入力部を有し、さらにデータ入力機能、アプリケーション等を有する物件情報生成部2aと、第1記憶部2bと、送信部2cとを備えている。
【0045】
前記物件情報生成部2aは、好ましくは、少なくとも物件UUIDと、部屋ID、所番地等の識別情報に基づき物件情報aを生成する。また前記第1記憶部2bは、例えば前記物件情報a、共用部の鍵情報等を記録する。そして、前記送信部2cはネットワークNを介して、サーバを構成する第2サーバ3に前記物件情報a、共用部の鍵情報等を送信する。
【0046】
次に第2サーバ3は、図示しない制御部の他、受信部3aと、第2記憶部3bと、送信手段3cとを備えている。前記受信部3aはネットワークNを介して第1サーバ2から前記物件情報a、共用部の鍵情報等を貰う(受信する)。また前記第2記憶部3bは前記物件情報a、共用部の鍵情報等を記録(保有)する。
【0047】
そして、好ましい実施形態では、前記送信手段3cはネットワークNを介して、少なくとも自己が保有しているスマートロック1を特定する識別情報b、専有部や共用部の鍵情報(c、d)を、端末4、5に送信する。
【0048】
前述したように、図2で示す実施形態では、サーバ3は、端末4、5やスマートロック1にスマートロック1を特定する識別情報(Step1)及び識別情報に関連付けた専有部の鍵情報を与えることができる(Step4)。また図3で示す実施形態では、サーバ3は端末4、5に専有部の鍵情報に関連付けた共用部の鍵情報を与えることもできる(Step2)。
【0049】
次にスマートロック1は、ネットワークNを介して、スマートロック1を特定する識別情報を貰う(受信)する第2通信部25と、前記第2通信部25が受信した前記識別情報を記録する自己の記憶部1b等を有する。
【0050】
なお、スマートロック1については後述する。実施形態では、設定業者端末4は前記第2サーバ3からネットワークNを介して直接的に専有部の鍵情報を貰う(受信)ことができない。実施形態如何によっては、第2サーバ3が所定の条件を満たした場合に設定業者端末4に専有部の鍵情報を付与しても良いが、その場合所定時間経過後に消去させるのが望ましい。
【0051】
しかしながら、設定業者端末4は第1サーバ2(物理的に別個な端末も含む)が保有している物件UUID等で生成した二次元コードを該第1サーバ2からネットワークNを介して貰う(受信)ことができる。
【0052】
したがって、設定業者端末4を所持する業者(例えばSD店)は、例えば建物のゲート付近で、スマートロック1の識別情報b、物件情報a等を現場で紐付するとこが可能となる。その際、設定業者端末4は、第2サーバ3又はゲート情報管理システムXの管理端末から貰った紐付用のアプリケーションを利用するのが望ましい。
【0053】
<スマートロック1>
図5はスマートロック(専有部の扉制御装置)1の一例を示す。普通一般的に、スマートロック1の概念は、既存の錠をなんらかの手法により、電気通信可能な状態とし、スマートフォン等と称される通信機器を用いて認証を行い、ゲートの開閉及び管理を行うことができるシステムの総称と言われているが、近年、スマートロックも、「鍵情報作成のデータが少ない」とか、「鍵情報作成のデータが空っぽ」であるというようなものが登場している。
【0054】
さて、図5で示すスマートロック1は、いわば認証システムということもできるが、ここでは単に「スマートロック」という。なお、図5に於いて、入力部を含む出力部側と監視判定部を含む受信部側を別個のハードウェアにしても良い。
【0055】
この図5に於いて、左側に、「機械的キーK」と、例えばスマホやタブレットと称される「ユーザー端末5」が描かれている。ユーザー端末5はスマホやタブレットに限定するものではなく、多機能であれば、いわゆるガラケーやスマートウオッチ、スマートグラスなどウェアラブルデバイスを含む。好ましくはスマホである。
【0056】
しかして、このスマートロック1は、一戸建て住宅又は集合住宅の専有部のゲート(例えば玄関扉)7に設置された第1入力部としての施解錠機構(施・解錠装置ともいう)11と、第2力部としての無線通信手段12とを有している。前記無線通信手段12は、ユーザー端末5の無線通信手段(後述の第2通信部37)とやりとりする近距離通信部であるから、その機能を実現することができるならば、ゲート7自体に設置しても良いし、ゲート付近の壁部、壁部付近のスタンド、敷地内等に設置しても良い。
【0057】
ここで、まず、ゲート7及び第1入力部(施・解錠装置)11について説明する。周知の如く、前記ゲート7の取付け基端部は、上下の蝶番を介して扉枠に取付けられている。一方、ゲート7の自由端部の中央部等には、第1入力部(施・解錠装置)11が設けられている。ここでの「第1入力部5」には、例えばシリンダー装置、ハンドル装置、サムターン装置、トリガー装置、ロッキング手段、受け具に設けた検知器、ゲート開閉装置等のいずれか一つ含まれる。なお、シリンダー装置、ハンドル装置、サムターン装置等の機械的構造は周知事項なので、詳細な説明及び図面は割愛する。また、ここでは第1入力部としての施・解錠装置5の一例として「電気錠」を取り上げる。もちろん、普通一般の「機械的錠前」に制御部、駆動モータ、検知器等を後付けし、電気錠の機能を有る錠前にしても良い。
【0058】
さて、施・解錠装置5は建物の用途や機能に対応して色々な装置が組み合わされて設置されているが、普通一般に一戸建て住宅や集合住宅の場合には、図5で示すように、専有部のゲート7の壁部7aの外壁面からは、シリンダー装置11aのシリンダーを構成する外筒と内筒の前面が見え、前記内筒には、機械的キーK(図面左)を差し込むことができる鍵穴が設けられている。
【0059】
また前記内筒に機械的キーKを差し込み、多数のタンブラーや可動障害子が解錠ラインに整列した場合には、該機械的キーKの操作によりデッドボルトを錠箱内に後退させることができ、又はロッキング手段のロックが解かれる錠前の場合には、ハンドル装置11bのハンドルを、例えば下方へと操作して仮施錠片としてのラッチボルトを錠箱内に後退させることができる。
【0060】
ところで、前記ゲート7には、単数又は複数個のスイッチ手段13が適宜に用いられている。スイッチ手段13は第1入力部としての施・解錠装置11の作動に連動するスイッチであり、例えば可動接片と固定接片を有するマイクロスイッチ、磁気感応型スイッチ等が適宜に用いられている。ここでは特に図示しないが、連動部材としてのスイッチ手段13は、シリンダー装置(例えば可動障害子)に連動する第1スイッチング手段、ハンドル装置(例えばハンドル)に連動する第2スイッチング手段、施錠片としてのデッドボルト又はラッチボルトに連動する第3スイッチング手段(例えば施錠片に位置を検出する検出器)等がある。
【0061】
前記施・解錠装置11の作動(例えば解錠に関する作用)に関連する単数又は複数個のスイッチ手段13の作動信号を、ここでは「第1解錠情報」といい、この第1解錠情報は、ユーザー端末5との無線通信以外から得た識別情報であり、いわば施・解錠装置11が、少なくとも解錠された情報である。付言すると、必ずしも第1解錠情報は施錠及び解錠の両方を含む識別情報ではない。この第1解錠情報Aは、有線又は無線方式により出力部15により、後述の認証側の受信部(通信部)16に送られる。
【0062】
次に第2入力部としての無線通信手段(近距離通信部)12を説明する。ユーザー端末5も無線通信手段(近距離通信部)を有している。近距離通信部の具体的構成(リーダ/ライタ等)は周知技術なので、ここでの詳細な説明は割愛する。ここでは、ユーザー端末5との無線方式によりスマートロック1の施・解錠装置11が解錠された信号を「第2解錠情報」という。
【0063】
したがって、施錠片を有する施・解錠装置11は、合計2個あるのではなく、第1入力部の施・解錠装置11と第2入力部12の施・解錠装置は共用である。付言すると、認証側の第1判定部18aと第2判定部18bを有する監視判定部18の判定の結果、錠制御部、駆動モータ、動力伝達手段等によってロック状態が解錠状態にされるもの(施・解錠装置)は、第1入力部11と同一である。なお、図5では複雑となるので、それを避け、錠制御部、駆動モータ、動力伝達手段、記憶部等による施・解錠装置5の解錠態様については便宜上省略している。
【0064】
次に、認証側の主要部を説明する。符号17は受信部16から、少なくとも「第1解錠情報」と「第2解錠情報」の両方の解錠情報を受け取る制御部である。もちろん、制御部17は、実施形態によっては、「第1施錠情報」と「第2施錠情報」の両方の施錠情報を受け取ることもできる。この制御部17は、前記両方の解錠情報を履歴情報として記憶部1bに記録する。その際、「第1解錠情報」と「第2解錠情報」は関連付けて格納される。また制御部17は、クラウド的なサーバ3とネットワークNを介して鍵情報dを第2通信部25で貰い(受信)、該鍵情報dを記憶部1bに記録する。さらに制御部17は、ユーザー端末5の識別情報(固有のID)を記憶部1bに記録する。
【0065】
ところで、制御部17の記憶部1bは、識別情報の適宜設定時期、管理者との契約で権原を付与された設定業者端末、スマートロック鍵情報を設定するためのアプリケーションソフト(以下、「アプリ」ともいう)を記録している。
【0066】
実施形態では、例えば(a)サーバ側に含まれる単数又は複数の情報処理装置又は設定業者端末4によって設定された当該建物自体の物件UUID或いは棟のID及び部屋IDを含む物件情報a、(b)スマートロックを特定する識別情報b、共用部の識別情報c等の他、(c)設定業者端末の識別情報、(d)ユーザー端末5の識別情報、(e)部屋データの枝番データ、(f)サーバ3が記録しているアプリと同一のアプリ、サーバ同士の識別情報、(g)その他、好ましい制御装置ID或いはシステムにするための、管理者の識別データ、退出者識別データ、入居回数の枝番、退出回数の枝番、所定期間内の入退出情報の有無等のシーケンス情報を適宜に紐付して格納している。
【0067】
しかして、スマートロック1は、前出したように、第1判定部18aと第2判定部18bを有する監視判定部18を備え、前記監視判定部18は、前述した第1解錠情報、第2解錠情報、実施形態によっては第1施錠情報、第2施錠情報等を監視する。
この監視判定部18の監視について付言すると、前記第1判定部18aは機械的キーKの操作に基づき、施・解錠装置11が解錠されたか否かを判定し、一方、前記第2判定部18bは、ユーザー端末5から無線で受け取った鍵情報が記憶部1bに格納されている鍵情報と適合するか否か、設定業者端末が権原を有する情報処理装置であるか否か等を監視判定するものである。
【0068】
<ユーザー端末5>
図6はユーザー端末5の構成を示すブロック図である。ユーザー端末5は、セキュリティーゾーンのゲートを通過する人(例えば建物の入居者、入居者から鍵情報を付与された者など)が所持し、専有部のゲート用の施・解錠装置11を作動(解錠、施錠、開閉)させるために用いられるスマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの携帯情報処理端末である。
【0069】
したがって、ユーザー端末5は、端末制御部31、操作部及び表示部としてのタッチパネル32、少なくとも専有部のスマート鍵情報dを記録する記憶部33、スマート鍵情報dの新規登録・更新登録・変更登録・抹消登録をするためのモード切替え機能を有する登録部34、記憶部に記録されている鍵情報のコピーを抽出する鍵情報特定部35、鍵情報を受信・送信する第1通信部36及びユーザー端末5の識別情報を送信する第2通信部37、図示しない各種のスイッチ、カメラ機能などを有する。
【0070】
しかして、端末制御部31には、その記憶部33にゲート開閉用のスマート鍵情報dが記録されている。また第1通信部36は、実施形態ではネットワークNを介して第2サーバ3からスマート鍵情報dを取得し、かつ登録部34に該スマート鍵情報dを渡す鍵情報受信手段36aを備え、一方、第2通信部37は、鍵情報特定部35を介して、論理的に適宜に紐付けされた前述の各データを含むスマート鍵情報dを送信する鍵情報送信手段37aを備えている。
【0071】
したがって、ユーザー端末5は、複数の識別データが適宜に紐付けされた前記スマート鍵情報dを用いて、スマートロック1に対して施・解錠装置11の作動(例えば解錠)を要求することができる。
【0072】
なお、端末制御部31はプログラムに基づいてユーザー端末5の動作を制御し、またタッチパネル32は多数のアイコン等を表示し、各アイコンにタッチ操作すると、各種の画面が現れる。なお、前記第2通信部37の通信方式は、例えばブルートゥース、NFCなどの近距離通信部である。ユーザー端末5は、例えばファイブジー(5G)のような高性能・多機能のスマートフォンが望ましい。
【0073】
<第1サーバ2>
サーバは、例えば図7及び図8で示すように、例えば物件UUID、部屋ID等を利用して生成した物件情報aを第1記憶部2bに記録する共用部側の第1サーバ2と、この第1サーバとネットワークNを介して連携して前記物件情報aを取得する専用部側の第2サーバ3とから構成され、前記第2サーバ3が、例えばユーザー認証用の鍵情報(スマート鍵情報)dを端末4、5又はスマートロック1にインターネットを介して付与することができる。
【0074】
図7は、サーバを構成する第1サーバ2の一例を示すブロック図である。この第1サーバ2は、例えばユーザー端末5と無線方式により、通信可能な共用部側電気錠装置25と接続している。
【0075】
さて、図7に於いて、21はサーバ側に含まれる筐体が別体(複数)又は一体型(単数)の物件情報入力部で、この物件情報入力部21は、例えば神奈川県横浜市の某団地に合計10棟の低層・中層・高層の各マンションが存在する場合には、某団地の標識的な建物の名称又はその所在地(例えば横浜市00区0丁目1番)、某団地に属する10個の棟番或いは番地(0号)、各棟の共用部のゲート(位置情報)、各棟の専有部或いは部屋(101号、102号等の位置情報)等の初期的な物件情報を入力する。
【0076】
2aは物件情報生成部で、この物件情報生成部2aは、前記初期的な物件情報の中で、少なくとも物件UUID、部屋ID等に基づき、例えば1番の建物+1番の建物に含まれる1号棟+1号棟に含まれる101号の専有部、或いは某団地+1号棟+101号の部屋、何々区+某団地+1号棟+101号の部屋、何々市+何々区+某団地+1号棟+101号の部屋、何々県+何々市+何々区+某団地+1号棟+101号の部屋等の物件に関する複数個のIDが関連付けられた物件情報aを生成する(後述の図11をご参照)。
この物件情報生成部2aで生成された物件情報は、例えば何々市の某団地に関する第1テーブルT1、某団地の各棟番に関する第2テーブルT2、各号の専有部や部屋に関する第2テーブルT3、その他管理室等に関するnテーブルTnの如く管理されている。
【0077】
23は制御部で、 制御部23は、周知の如く、CPU(Central Processing Unit)が、メモリ、第1記憶部2b等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能を発揮する。この機能手段については周知技術なので、ここでは可能な限り簡単に説明する。
【0078】
前記第1記憶部2bは物件情報生成部2aで生成した物件情報aを記録する。24は物件情報出力部で、ネットワークを介して第2サーバ3に前記物件情報aを与える(送信)。この物件情報出力部24と前述した物件情報入力部21は、いわゆる通信装置を構成するものであるから、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置21、24は、前記第2サーバ3のみだけではなく、前述した設定業者端末4やユーザー端末5との間で各種情報又は各種データを送受信することもできる。
【0079】
ところで、実施形態では、第1記憶部2bは、主として共用部の施・解錠装置用のデータを保有するものなので、第2サーバ3の如く、専有部の鍵情報を保有していない。しかしながら、第2サーバ3との間で物件情報、共用部の鍵情報等の情報を互いに保有し、互いに連携させている。
【0080】
なお、第1記憶部2bは、ハードディスク等で構成され、制御部23における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報及び処理結果の情報を記憶する。また第1サーバ2は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。第1サーバ2は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、又は設置型の第1サーバと携帯型の第1サーバの組み合わせ等複数の情報処理装置により構成しても良い(実施形態ではノートパソコンが物件情報生成部である)。その他第1サーバ2は、当然、出力部としての表示出力部、音声出力部等を備えるもことができる。
【0081】
ここでは、特に図示しないが、特許文献1と同様に、第1サーバ2は共用部側電気錠装置25と有線又は無線で接続する。共用部側電気錠装置25は、公知技術であり、建物6のエントランス(例えばマンションの入口)などの共用部に配設され、情報読書部、記憶部、錠制御部、共用部のゲート用施・解錠装置、電源部等を備えている。前記各部の機能は周知技術なので、ここでは割愛する(特許文献1の段落0028、0029、0030等を参照)。
【0082】
<第2サーバ3>
図8は第2サーバ3のブロック図である。第2サーバ3も、第1サーバ2と同様の入力部3a及び識別情報等の送信手段3cを含む通信部、情報を処理する制御装置27、第2記憶部3b等のハードウェアを備えている。したがって、前記通信部、制御部の説明は第1サーバ2のそれらの説明を援用し、ここでは各部の構成を簡単に図示する。
【0083】
図8に於いて、3aは物件情報を受付ける物件情報受信部(入力部)で、この物件情報受信部(入力部)は、第1サーバ2側の第1情報入力装置(第1の情報処理装置)2bと同様に、その筐体が別体又は一体型のいずれであっても良い。この物件情報受信部3aは有線又は無線を介して、スマートロック1の識別情報bを受付ける。また、第1サーバ2からの物件情報a、共用部の識別情報cを受付ける。
【0084】
好ましい実施形態では、物件情報受信部(入力部)3aは、少なくとも物件UUIDと部屋IDを含む「物件情報」aと、共用部の鍵情報c(ここでは、便宜上、「論理ID」とも言う)を同時又は異時に受付ける。27は制御装置である。この制御装置27の機能は第1サーバ2の制御部23と同様である。
【0085】
3bは第2記憶部である。この第2記憶部3bは「物件情報a」、「スマートロック1を特定する識別情報b」、「論理IDc」、「認証に必要なスマート鍵情報(専有部の鍵情報)d」、その他第1サーバ2、ユーザー端末5、自己のサーバ識別情報等を有する。
【0086】
したがって、実施形態では、第2サーバ3はスマートロック1を特定する識別情報bを第2記憶部3bに記憶していることから、適宜時期に、識別情報b等の送信手段3c及びインターネットNを介してスマートロック1に対して前記識別情報bを付与することもできる。それ故に、実施形態では、端末4、5は、サーバのみならず、スマートロック1からも前記識別情報bを貰う(読み取る)ことができる。
【0087】
なお、前記認証に必要なスマート鍵情報dは、管理者が所持する携帯端末(例えばノートパソコン、スマートフォン等)28やサーバ側からネットワークNを介して貰うことができる。その他、特に図示しないが、前記各情報は、第1サーバ2と同様に、乱数や変数を用いてテーブル化され、かつ管理されている。
【0088】
29は認証手段で、この認証手段29は、例えばユーザー端末5から通信により「物件情報a」、「スマートロックの識別情報b」、「論理ID(共用部の鍵情報)c」、「スマート鍵情報(専有部の鍵情報)d」等の要求があった場合には、ユーザー端末5の端末情報と前述したユーザー端末5の登録済み識別情報とが適合するか否かを判定するものである。なお、実施形態では、前述した識別情報等の送信手段3cは、例えば建物6の新築時、設定業者端末4又はスマートロック1に対して、「識別情報b」、「専有部の鍵情報」、「共用部の鍵情報」を同時又は異時に送信することができる。
【0089】
ところで、工事現場で、「埋め込み方式」と称されている設置態様がある。この態様は、設定用スマホの表示画面から物件情報aや識別情報bを入力し、近距離無線通信(Bluetoothなど)によって、スマートロック1側の書き込み可能なメモリに書き込む。なお、実施形態如何によっては、第2サーバ3側で既に物件情報aに対して識別情報bを紐付し、それを適宜時期にスマートロック1に与えることもできるので、識別情報bに対して物件情報a、又は物件情報aに対して識別情報b等を紐付する時期、場所、権原を有する端末等は任意に選択可能である。
【0090】
また前記紐付をする際又は建物6の入口7にスマートロック1を設置した際、端末からの要求により、適宜時期にスマートロック1に識別情報b等を送信する。その他前記物件情報受信部(入力部)3aと識別情報等の送信手段3cは、第1サーバ2の通信装置の機能と同様である。
【0091】
<新築時の紐付>
図9は、第1実施形態の建物のスマートロックに専有部の鍵情報を設定する場合の具体例を示す概略説明図である。既に図2を参照にして各Stepを説明したので、ここでは簡単に説明する。
【0092】
図9図2もご参照)に於いて、図9では図面の下方にサーバ2、3を描いている。実施形態では、サーバは第1サーバ2と、この第1サーバとネットワークNを介して接続する第2サーバ3とから成る。好ましい実施形態では、事前に第1サーバ2と第2サーバ3とを互いに連携させ、第1サーバ2が保有する物件情報a、共用部の鍵情報(論理IDともいう)c等を第2サーバ3にも与え、互いに情報を共有する。第2サーバ3は、第2の情報処理装置に相当する物件情報受信部(入力部)3aによりスマートロック1を特定する識別情報bを保有する。
【0093】
既に図2で説明したように、Step1は、端末(設定業者端末4又はユーザー端末5)がネットワークNを介してサーバ3にスマートロック1の識別情報の取得を要求する。なお、サーバへのアクセス方法は、スマートロック1に関して包装体、商品等使用されているQRコード(登録商標)を、端末で読み取ることにより行うことができる。
【0094】
前記サーバ3は、少なくともスマートロック1の識別情報をその記憶部に記憶していることから、Step2では、端末(2は又は3)がネットワークNを介して第2サーバ3からスマートロック1の識別情報bを貰う(送信と受信)。Step3は、端末がネットワークNを介してサーバに前記識別情報bに基づき専有部の鍵情報を要求する。Step4は、サーバが前記専有部の鍵情報要求を受付けた後、該要求の識別情報bに関連付けられた専有部のスマート鍵情報dを、ネットワークNを介して端末に付与する(スマート鍵情報の送信・受信)。Step5は、端末は通信手段を用いてスマートロック1にスマート鍵情報dを付与する(専有部の鍵情報の設定)。その後、共用部の鍵情報を希望する場合には、Step6(共用部の鍵情報の要求)、Step7(共用部の鍵情報の付与)へと進む。
【0095】
次に、図10図3もご参照)は、第1実施形態の変形例の具体例を示す概略説明図である。図9と同一構成の部分の説明は、それを援用する。この変形例が前記第1実施形態と主に異なる点は、スマートロック1を識別する識別情報bの取得方法である。すなわち、既に図2で説明した如く、端末がスマートロック1の識別情報bを取得する場合には、スマートロック1から通信手段(例えば読み取り)によって直接取得することも可能であるが、このような実施形態の場合、すなわち、端末がスマートロック1から識別情報bを受信(例えば読み取り)するような実施形態では、サーバは、予め適宜時期に、スマートロック1に対してネットワークNを介して前記識別情報bを送信し(Step1)した後に、前記Step2でスマートロック1から識別情報bの取得する。
【0096】
そこで、Step3は、端末4、5がネットワークNを介してサーバ3に前記識別情報bに基づき専有部の鍵情報dを要求する。Step4は、サーバが専有部の鍵情報dの要求を受付けた後、該要求の識別情報bに関連付け専有部の鍵情報dを、ネットワークNを介して端末に付与する(専有部の鍵情報の送信・受信)。そこで、Step5は、端末が通信手段(近距離通信)を用いてスマートロック1に専有部の鍵情報を付与する(専有部の鍵情報の設定完了)。その後、共用部の鍵情報を希望する場合には、Step6(共用部の鍵情報の要求)、Step7(共用部の鍵情報の付与)へと進む。
【0097】
ところで、実務的な話ではあるが、新築時、つまり、物件の立ち上げ時は、インターネットを含むネットワークNの回線がないため、ローカル的な第1サーバ2を利用して物件作成を行う。第1サーバ2は、例えば出願人が製造した「VERSA……(商標)」を利用する。実施形態の第1サーバ2は、物理的に設置型第1サーバ2aと携帯型第1サーバ2bに区分けされている。前記携帯型第1サーバ2bは、例えばノートパソコンであり、建物に関する物件情報を入力する。前記物件情報aは、例えば適宜なソフトウェアを利用して生成される。生成された物件情報aは携帯型第1サーバ2bの表示部に、例えば二次元コードとして表示することができる。
【0098】
次に、設定業者端末4は、実施形態では前記携帯型第1サーバ2b(実施形態如何によっては携帯型第1サーバ2bからでも良い)から二次元コードを、ネットワークNを介して間接的に取得する。例えば設定業者端末4が携帯型第1サーバ2bの表示部から前記二次元コードを読み取ると、前記携帯型第1サーバ2bはWeb上の情報に瞬時にアクセスすることができる。それ故に、実施形態如何によっては、設定業者端末4は「シリアルNo」も製品や包装箱、包装用紙、カード等から読み取ることもできる。そこで、設定業者は所持している設定業者端末4を操作して携帯型の第1サーバ2b側の物件情報aを取り組むことができる。
【0099】
次に、物件情報等を取り組んだ設定業者端末4は、少なくとも物件情報aを、設定業者端末4の通信手段を利用してスマートロック1に対して前記物件情報aを与える。これにより、データが空っぽのスマートロック1は、記憶部1bに、少なくとも前記物件情報aに識別情報bに紐付して記録することができる。
【0100】
次に、携帯型第1サーバ2bから直接(例えば差込型の記憶媒体を利用)又は間接的(例えば通信を利用)に前記物件情報aを据え置き型の第1サーバ2aに対してアプロードする。換言すると、携帯型第1サーバ2bは、据え置き型の第1サーバ2aに前記物件情報aを与える。
【0101】
ところで、新築時の紐付は、例えば(イ)設定業者を含む設定業者端末4が紐付作業をする態様と、(ロ)クラウド的な第2サーバ3の制御装置27が第2記憶部3bの記憶情報に基づいてスマートロック1の識別情報bに物件情報aを紐付する態様がある。
【0102】
実務的には、設定業者(SD店)の取付け工事の際、前記(イ)又は前記(ロ)がいずれか一方が適宜に採用される。前者の態様の場合、設定業者だけで、例えば物件情報aとスマートロック1の識別情報b又は物件情報aとスマートロック1の識別情報b、鍵情報dと論理IDcの紐付が現場で可能となる。ところで、好ましい実施形態では、スマートロック1の初期化を行う。この初期化作業は、第2サーバ3とスマートロック1とを確実に連携させるためである。その理由は、色々な機種のスマートロック1が市場に存在するので、スマートロック1を購入したユーザー端末(顧客)との間で契約を種別にする必要性があるからである。
【0103】
最後に、建物6に入居する入居者、建物を管理する管理者等正当な権原を有するユーザー端末5に「鍵情報」を与える。付言すると、ユーザー端末5は、ネットワークNを介して第2サーバ3から自己の建物6の共用部の鍵情報を貰い、第2サーバ3は、前記ユーザー端末5がアクセスした場合、当該ユーザー端末5の識別情報とサーバに登録されている端末識別情報に基づき認証を実行し、前記認証が成功した場合に、前記ネットワークNを介して、前記ユーザー端末にスマートロック1の「鍵情報(専有部の鍵情報)のみならず、前記建物6の共用部の鍵情報(論理ID)も与えることができ、これにより、ユーザー端末5は共用部電気装置25とスマートロック1の両方に対して使用が可能になる。
【0104】
本実施形態では、建物の新築時の紐付話のみではなく、新築後の既設時の紐付の際の話にも言及しているが、既設時には、ユーザー端末5がスマートロック1に対して、物件情報を与えることができる。特に図示しないが、 ユーザー端末5は、認証装置に対して機械的な差込キーの認証をしてもらい、該認証が成立したならば「ID」を、認証装置から取得することもできる。そして、前記「ID」を保有するユーザー端末5は、ネットワークNを介して第1サーバ2に問い合わせ(物件UUID、物件情報等の要求)する。
【0105】
第1サーバ2又は第2サーバ3のいずれかは、前記「ID」の認証を実行し、認証が正当ならば、物件UUID、物件情報等をユーザー端末5に与える。然る後に、ユーザー端末5が保有している前記物件UUID、物件情報等をスマートロック1に対して与える。前述したように、スマートロック1は初期化されており、物件UUID、物件情報等を覚えていない「空っぽ」の装置である。「前記与える」は、第1実施形態と同様に、スマートロック1に対するユーザー端末5の通信手段を利用してスマートロック1に対して、少なくとも物件情報を与える。
【0106】
<付記1>
サーバの視点から本発明を把握した場合、建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムの前記サーバであって、前記端末は、前記スマートロックに対して、前記鍵情報を登録するユーザー端末又は設定業者端末のいずれかであり、前記サーバは、前記端末から前記ネットワークを介して、少なくとも前記スマートロックの識別情報又は前記物件情報のいずれか一方に基づく前記鍵情報の要求を受付けると、該サーバは前記要求情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する送信手段を備えるゲート情報管理システムのサーバことを特徴とする。そして、前記構成に於いて、前記鍵情報は集合住宅における専有部の鍵情報であり、前記サーバは、前記専有部の鍵情報に紐付けた共用部の鍵情報を生成し、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれかに、前記ネットワークを介して、前記共用部の鍵情報を与えることが好ましい。
【0107】
<付記2>
プログラムの視点から本発明を把握した場合、プログラムは、建物に設置されたスマートロックと、前記スマートロック側又はサーバのいずれか一方から該スマートロックを特定するための識別情報を取得する権原を有する端末と、前記端末とネットワークを介して相互に通信可能であり、前記建物のゲートを特定する物件情報を含む鍵情報を保有するゲート情報管理システムのプログラムであって、コンピュータに、前記設定業者端末又はユーザー端末のいずれか一方から前記鍵情報の取得要求を受付ける前に、予め前記設定業者端末又はユーザー端末或いは又は前記スマートロックのいずれかに対して、前記ネットワークを介して前記スマートロックを特定するための識別情報を送信する第1の通信機能と、ユーザー端末又は設定業者端末のいずれかの端末からネットワークを介して、前記識別情報に基づいて前記鍵情報の取得要求を受付ける受付機能と、前記取得要求の識別情報に関連付けた前記鍵情報を前記端末に送信する第2の通信機能を実行させるゲート情報管理システムのプログラムである。
【0108】
<付記3>
スマートロック1に対する初期化作業時は、(イ)サーバ又はユーザー端末で鍵情報を生成してスマートロックに付与するパターンと、(ロ)錠毎にユニークなIDを割り振り工場出荷時に錠に登録させて、サーバにも同一のIDを記録させて、初期化作業時にユーザー端末を介してスマートロックとサーバとの連携をとるパターンがある。
【0109】
<付記4>
好ましい実施形態では、設定業者端末4またはユーザー端末5は、スマートロック1に付与された物件情報aを読み取り、サーバに保存されている物件情報と照合して対応する論理ID(共用部鍵情報)をスマートロック1及びユーザー端末5に付与する。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、スマートロックを設置する建具の分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
X…ゲート情報管理システム、
1…スマートロック、
1b…スマートロックの記憶部、
17…スマートロックの制御部、
2…第1サーバ、
2a…物件情報生成部、
2b…物件情報の第1記憶部、
3…第2サーバ、
3a…物件情報受信部、
3b…物件情報の第2記憶部、
3c…第2サーバの識別情報等の送信手段、
6…建物、
7…入口(ゲート)、
21…第1サーバの物件情報入力部
23…第1サーバの制御部、
24…第1サーバの物件情報出力部、
25…共用部電気装置(共用部の扉錠制御装置)、
27…第2サーバの制御装置、
29…第2サーバの認証手段、
4…設定業者端末、
5…ユーザー端末、
32…ユーザー端末の記憶部、
N…ネットワーク、
a…物件情報、
b…スマートロックの識別情報、
c…論理ID(共用部の鍵情報)、
d…専有部の鍵情報(スマート鍵情報)。
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