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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108312
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】巻取補強具およびプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/06 20060101AFI20230728BHJP
   B65H 18/10 20060101ALI20230728BHJP
   B65H 19/30 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
B65H18/06
B65H18/10
B65H19/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009368
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】野中 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩徳
【テーマコード(参考)】
3F055
3F064
【Fターム(参考)】
3F055AA01
3F055CA12
3F055CA17
3F064AA01
3F064EB08
(57)【要約】
【課題】ロール状のメディアを巻き取る紙管を適切に回転させる。
【解決手段】巻取補強具100は、ロール状のメディア5aを巻き取る筒状の紙管60の端部に挿入される円筒部81を有し、円筒部81の中心軸A1を中心にして回転可能な巻取支持部材70を備えたプリンタ10において、巻取支持部材70に装着される巻取補強具である。巻取補強具100は、円筒部81と紙管60との間に介設される板状部材に設けられ、紙管60の内周面に食い込む食い込み部111、112と、巻取支持部材70の回転時のトルクを食い込み部111、112に伝達させる伝達手段と、を備えている。
【選択図】図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状のメディアを巻き取る筒状の紙管の端部に挿入される円筒部を有し、前記円筒部の中心軸を中心にして回転可能な巻取支持部材を備えたプリンタにおいて、前記巻取支持部材に装着される巻取補強具であって、
前記円筒部と前記紙管との間に介設される板状部材に設けられ、前記紙管の内周面に食い込む食い込み部と、
前記巻取支持部材の回転時のトルクを前記食い込み部に伝達させる伝達手段と、
を備えた、巻取補強具。
【請求項2】
前記巻取支持部材の前記円筒部の外周面に沿って前記円筒部の前記中心軸の方向に延設され、板状部材で構成される板状部と、
前記板状部に貫通形成された伝達孔と、
を備え、
前記巻取支持部材は、前記円筒部の外周面から径方向に突出し、前記伝達孔に挿入される突起を備え、
前記伝達手段は、前記突起が挿入される前記伝達孔である、請求項1に記載された巻取補強具。
【請求項3】
前記食い込み部は、前記板状部における前記円筒部の周方向の両端部に位置する辺であり、
前記板状部は、前記巻取支持部材の軸線方向の端に向かうにしたがって両端における幅が大きくなるように構成された、請求項2に記載された巻取補強具。
【請求項4】
前記食い込み部は、前記巻取支持部材の前記円筒部の前記中心軸を挟んで一対設けられている、請求項1から3までの何れか1つに記載された巻取補強具。
【請求項5】
前記巻取支持部材は、前記円筒部の外周面から径方向に突出したフランジを備え、
前記巻取支持部材の前記フランジに当て付けられる当て付け部を備えた、請求項1から4までの何れか1つに記載された巻取補強具。
【請求項6】
前記巻取支持部材の前記円筒部は、回転軸に挿入され、かつ、前記回転軸を中心に回転するように構成され、
前記回転軸に挿入される挿入孔が形成された接続板部を備えた、請求項1から5までの何れか1つに記載された巻取補強具。
【請求項7】
前記紙管の一端部を支持する駆動巻取支持部材と、
前記紙管の他端部を支持する従動巻取支持部材と、
前記駆動巻取支持部材を、中心軸を中心に回転させる巻取モータと、
請求項1から6までの何れか1つに記載された巻取補強具と、
を備え、
前記巻取補強具は、前記駆動巻取支持部材と前記紙管との間に介設されている、プリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取補強具およびプリンタに関する。詳しくは、本発明は、ロール状のメディアを巻き取る筒状の紙管の端部を支持し、かつ、中心軸を中心にして回転可能な巻取支持部材を備えたプリンタにおいて、巻取支持部材に装着される巻取補強具、および、巻取補強具を備えたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、印刷されたロール状のメディアを巻き取る巻取装置を備えた印刷機が開示されている。この巻取装置は、紙製の紙管と、紙管の両端部を保持する軸端保持具とを備えている。軸端保持具は、略円柱状の形状を有しており、紙管の端部に嵌め込まれる。軸端保持具は、中心軸を中心に回転可能に構成されている。
【0003】
上記巻取装置によれば、紙管の両端に軸端保持具が嵌め込まれた状態で、軸端保持具が回転する。軸端保持具の回転に伴い、紙管が回転し、紙管の周面に印刷されたメディアが巻き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62-167159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記巻取装置では、紙製の紙管であるため、紙管が複数回使用されることで、紙管の内周面にうちの軸端保持具に嵌め込まれた部分が変形することがあった。このように紙管の端部の内周面が変形すると、軸端保持具の回転時のトルクが、紙管に適切に伝達されず、軸端保持具と共に紙管が回転し難いことがあった。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロール状のメディアを巻き取る筒状の紙管の端部を支持し、かつ、中心軸を中心にして回転可能な巻取支持部材を備えたプリンタにおいて、紙管を適切に回転させることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る巻取補強具は、ロール状のメディアを巻き取る筒状の紙管の端部に挿入される円筒部を有し、前記円筒部の中心軸を中心にして回転可能な巻取支持部材を備えたプリンタにおいて、前記巻取支持部材に装着される巻取補強具である。前記巻取補強具は、前記円筒部と前記紙管との間に介設される板状部材に設けられ、前記紙管の内周面に食い込む食い込み部と、前記巻取支持部材の回転時のトルクを前記食い込み部に伝達させる伝達手段と、を備えている。
【0008】
上記巻取補強具によれば、例えば紙管を複数回使用したことで、紙管の内周面が変形した場合であっても、巻取補強具が装着された巻取支持部材を紙管に挿入することで、食い込み部を紙管の内周面に食い込ませることができる。よって、巻取補強具を介して、巻取支持部材に紙管を固定することができる。したがって、巻取支持部材が回転したときのトルクが、巻取補強具を介して紙管に適切に伝達することができる。その結果、巻取支持部材の回転に伴い、紙管を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るプリンタの斜視図である。
図2】実施形態に係るプリンタの右側面図である。
図3】プリンタの背面側から見たときのプリンタの斜視図である。
図4】巻取装置の巻取支持部材が紙管を支持している状態を模式的に示す正面図である。
図5A】巻取支持部材の斜視図である。
図5B】巻取支持部材を第2円筒部側から見た図である。
図5C】巻取支持部材の正面図である。
図6】実施形態に係る巻取補強具の斜視図である。
図7】右巻取支持部材に巻取補強具が装着された状態を示す図4相当図である。
図8A】巻取補強具が装着された巻取支持部材の斜視図である。
図8B】巻取補強具が装着された巻取支持部材を第2円筒部側から見た図である。
図8C】巻取補強具が装着された巻取支持部材の正面図である。
図8D】巻取補強具が装着された巻取支持部材の平面図である。
図9】回転軸が巻取支持部材および巻取補強具に挿入された状態を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る一実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0011】
図1は、実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」ともいう。)10の斜視図である。図2は、プリンタ10の右側面図である。図3は、プリンタ10の背面側から見たときのプリンタ10の斜視図である。図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を示している。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものではない。
【0012】
本実施形態に係るプリンタ10は、図2に示すように、ロール状に巻回されたメディア5aを繰り出しながら前後方向に移動させるとともに、左右方向に移動するキャリッジ15に搭載されたプリントヘッド16からインクを吐出することによって、メディア5a上に画像などを印刷する。
【0013】
本実施形態では、プリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。ここで、「インクジェット方式」とは、二値偏向方式または連続偏向方式などの各種の連続方式、および、サーマル方式または圧電素子方式などの各種のオンデマンド方式を含む従来公知の各種の手法によるインクジェット方式のことをいう。
【0014】
メディア5aは、画像などが印刷される対象物である。メディア5aは、シート状の媒体である。メディア5aの材料は特に限定されない。メディア5aは、例えば普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、樹脂製などの透明なシートであってもよい。メディア5aは、金属製やゴム製等のシートであってもよいし、布帛であってもよい。以下では、印刷の対象物としてのメディア5aが巻回されたものをロール5と呼ぶこととする。
【0015】
図2に示すように、プリンタ10は、プラテン11と、プリントヘッド16と、搬送装置20と、メディア供給装置30と、巻取装置40と、を備えている。メディア供給装置30には、印刷前のメディア5aのロール5が装着される。メディア供給装置30は、前後方向に回転可能にロール5を支持している。搬送装置20は、ロール5からメディア5aを繰り出し、繰り出したメディア5aを前後方向に搬送する。プリントヘッド16は、メディア供給装置30から供給されたメディア5aに画像などを印刷する。巻取装置40は、印刷された後のメディア5aを巻き取る。プリンタ10は、その他に、キャリッジ15を左右方向に移動させる、図示しないキャリッジ移動装置などを備えている。
【0016】
図2に示すように、プリントヘッド16は、メディア供給装置30よりもメディア5aの搬送方向下流、ここでは前方側に設けられている。プリントヘッド16は、キャリッジ15に搭載され、プラテン11の上方に配置されている。プリントヘッド16は、プラテン11上のメディア5aに向かってインクを吐出するように構成されている。プリントヘッド16は、図示しない上記キャリッジ移動装置によってキャリッジ15が左右方向に移動されることにより、左右方向に移動する。プリントヘッド16は、左右方向に移動しながらインクを吐出することによりメディア5aに画像などを印刷する。
【0017】
プラテン11は、メディア5aを支持する支持台である。プラテン11は、前後方向および左右方向に広がっている。プラテン11上のメディア5aは、搬送装置20によって前後方向に移動される。図2に示すように、搬送装置20は、ピンチローラ21と、グリットローラ22と、図示しないフィードモータとを備えている。ピンチローラ21はプラテン11の上方に設けられ、メディア5aを上から押下する。グリットローラ22は、上部を露出するようにプラテン11に埋設されている。グリットローラ22は、ピンチローラ21と対向する位置に設けられている。グリットローラ22は、フィードモータに連結されている。ピンチローラ21とグリットローラ22との間にメディア5aが挟まれた状態でフィードモータが駆動すると、グリットローラ22が回転する。グリットローラ22が回転すると、メディア5aは前後方向に搬送される。
【0018】
図3に示すように、メディア供給装置30は、プリンタ10の背面側に設けられている。メディア供給装置30において、ロール5は、メディア5aが搬送装置20に引っ張られることにより従動的に回転する。メディア供給装置30は、ロール5を回転可能に支持する左右一対の供給フィーダー31、32と、左右一対の供給フィーダー31、32を左右方向に摺動可能に支持する2本の供給ガイドパイプ35、36とを備えている。
【0019】
2本の供給ガイドパイプ35、36は、左右方向に延びており、プリンタ10の本体に支持されている。ここでは、供給ガイドパイプ35、36は、前後方向に並んで配置されている。供給ガイドパイプ35は、供給ガイドパイプ36よりも前方に設けられている。2本の供給ガイドパイプ35、36は、同じ高さに設けられている。
【0020】
左右一対の供給フィーダー31、32は、ロール5の両端を支持する部材である。供給フィーダー31、32は、左右方向に摺動可能に2本の供給ガイドパイプ35、36に係合している。供給フィーダー31、32は、供給ガイドパイプ35、36に対して固定可能である。ここでは、左側の供給フィーダー31は、プリンタ10の製作時に位置を調整された後は、供給ガイドパイプ35、36に固定されている。右側の供給フィーダー32は、メディア5aの左右方向の幅に合わせて、左右方向の位置を調整される。右側の供給フィーダー32は、供給ガイドパイプ35、36に沿って左右方向の位置を調整された後、固定される。
【0021】
本実施形態では、供給フィーダー31、32のそれぞれには、円柱状のロール支持部材33が設けられている。図3では、左側の供給フィーダー31のロール支持部材33が図示され、右側の供給フィーダー32のロール支持部材33の図示は省略されている。2つのロール支持部材33は、互いが向かい合うように、供給フィーダー31、32の内側に設けられている。ここでは、左側の供給フィーダー31の右側にロール支持部材33が設けられ、右側の供給フィーダー32の左側にロール支持部材33が設けられている。
【0022】
一対の供給フィーダー31、32に設けられたロール支持部材33が、ロール5の両端に嵌め込まれることで、一対の供給フィーダー31、32がロール5を支持することができる。本実施形態では、ロール支持部材33は、回転可能に供給フィーダー31、32に支持されている。そのため、メディア5aが搬送装置20に引っ張られるとき、ロール5と共にロール支持部材33が従動的に回転する。
【0023】
図1に示すように、巻取装置40は、プリンタ10の前面側に設けられている。巻取装置40は、プラテン11上で印刷されたメディア5aを巻き取る装置である。巻取装置40は、左右一対のフィーダー41、42と、第1ガイドパイプ51と、第2ガイドパイプ52と、巻取モータ45と、紙管60と、テンションバー65とを備えている。
【0024】
第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52は、左右方向に延びており、プリンタ10の本体に支持されている。第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52は、前後方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1ガイドパイプ51は、第2ガイドパイプ52よりも前方側に配置されている。ここでは、第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52は、同じ高さに設けられている。
【0025】
左右一対のフィーダー41、42は、紙管60の両端を支持する部材である。左右一対のフィーダー41、42は、左右方向に摺動可能に第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52に係合している。本実施形態では、フィーダー41、42は、それぞれ第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52に支持され、紙管60の軸線方向の長さに応じて、左右方向の所定の位置に固定されている。
【0026】
紙管60は、搬送装置20によって前方に向かって搬送されたメディア5aを巻き取る管である。紙管60は、左右方向に延びており、第1ガイドパイプ51および第2ガイドパイプ52と平行になるように配置される。紙管60は、例えば紙よって形成されたものである。ここでは、複数の紙を重ねて固着させることで、紙管60が作製されている。そのため、紙管60は、少なくともメディア5aよりも高い剛性を有している。紙管60は、取り換え可能なものである。なお、各図面において、紙管60は、二点鎖線で示されており、二点鎖線は紙管60の内周面を示している。
【0027】
本実施形態では、巻取モータ45は、右側のフィーダー42に接続されている。巻取モータ45が駆動することで、紙管60が回転する。そして、紙管60が回転することで、メディア5aが紙管60の周面に巻き取られる。なお、巻取モータ45は、左側のフィーダー41に接続されてもよい。
【0028】
テンションバー65は、紙管60よりも前方に設けられている。テンションバー65は、巻取装置40でメディア5aを巻き取るときに、メディア5aにテンションを付与するものである。メディア5aにテンションがかけられることで、メディア5aにヨレなどが付き難くなるため、メディア5aを適切に巻き取ることができる。本実施形態では、テンションバー65は、上下方向に揺動するように構成されている。ここでは、プラテン11から前方に向かって搬送されたメディア5aは、巻取モータ45が駆動して紙管60が回転することで、テンションバー65を介して紙管60の周面に巻き取られる。このとき、メディア5aは、テンションバー65に巻き掛けられた状態になり、メディア5aのテンションに応じてテンションバー65が上下方向に揺動することで、メディア5aのテンションが所定の大きさに維持される。
【0029】
次に、左右一対のフィーダー41、42が紙管60の両端を支持する構成について説明する。本実施形態では、図1に示すように、フィーダー41、42には、それぞれ巻取支持部材70が設けられている。図4は、巻取支持部材70が紙管60を支持している状態を模式的に示す正面図である。図4に示すように、2つの巻取支持部材70は、紙管60の両端に嵌め込まれることで、紙管60を支持する。図1に示すように、2つの巻取支持部材70は、互いが向かい合うように、フィーダー41、42の内側に設けられている。
【0030】
以下、左側のフィーダー41に設けられる巻取支持部材70を左巻取支持部材71ともいい、右側のフィーダー42に設けれる巻取支持部材70を右巻取支持部材72ともいう。本実施形態では、左巻取支持部材71は、左側のフィーダー41の右側に設けられている。右巻取支持部材72は、右側のフィーダー42の左側に設けられている。
【0031】
ここでは、巻取支持部材70は、フィーダー41、42に対して回転可能に構成されている。図4に示すように、右巻取支持部材72には、巻取モータ45が接続されている。巻取モータ45が駆動することで、右巻取支持部材72が回転し、紙管60が回転する。本実施形態では、巻取モータ45が接続された右巻取支持部材72が、本発明の駆動巻取支持部材に対応する。巻取モータ45が接続されていない左巻取支持部材71が、本発明の従動巻取支持部材に対応する。
【0032】
巻取支持部材70は、左右方向に延びており、段付きの円柱状に構成されている。図5Aは、巻取支持部材70の斜視図である。図5Bは、巻取支持部材70を第2円筒部82側から見た図である。図5Cは、巻取支持部材70の正面図である。図5A図5Cでは、巻取支持部材70のうちの右巻取支持部材72が図示されているが、左巻取支持部材71も右巻取支持部材72と同様の構成を有している。図5A図5Cに示すように、巻取支持部材70は、第1円筒部81と、第2円筒部82と、フランジ83と、第1突起84と、第2突起85とを備えている。
【0033】
第1円筒部81は、本発明の円筒部に対応している。第1円筒部81は、紙管60の端部に挿入される外周面を有している。第1円筒部81は、外周面の形状が円柱状に形成されている。図5Bに示すように、第1円筒部81の外周面には、複数の第1突起84が設けられている。第1突起84は、本発明の突起に対応している。この第1突起84は、第1円筒部81の外周面から径方向の外方に突出している。図5Cに示すように、第1突起84は、左右方向に延びた突起である。図5Bに示すように、第1突起84は、第1円筒部81の周方向に等間隔に複数設けられている。
【0034】
なお、第1突起84の数は特に限定されない。ここでは、第1突起84の数は6つである。以下、6つの第1突起84について、それぞれ符号84a~84fを適宜付している。本実施形態では、第1突起84aと第1突起84dとが第1円筒部81の中心軸A1を挟んで対向している。第1突起84bと第1突起84eとが第1円筒部81の中心軸A1を挟んで対向している。第1突起84cと第1突起84fとが第1円筒部81の中心軸A1を挟んで対向している。複数の第1突起84は、第1円筒部81に挿入された紙管60が滑り難くするものである。
【0035】
第2円筒部82は、第1円筒部81の左右方向の端部に設けられている。ここでは、図4に示すように、第2円筒部82は、第1円筒部81における紙管60の軸線方向の内方に設けられている。図5Aに示すように、第2円筒部82は、外周面の形状が円柱状に形成されている。第2円筒部82の外径は、第1円筒部81の外径よりも小さい。ここでは、図5Cに示すように、第2円筒部82の左右方向の長さは、第1円筒部81の左右方向の長さよりも短い。しかしながら、第2円筒部82の左右方向の長さは、第1円筒部81の左右方向の長さよりも長くてもよいし、第1円筒部81の左右方向の長さと同じであってもよい。
【0036】
第2円筒部82の外周面には、複数の第2突起85が設けられている。第2突起85は、第2円筒部82の外周面から径方向の外方に突出している。図5Cに示すように、第2突起85は、左右方向に延びた突起である。図5Bに示すように、第2突起85は、第2円筒部82の周方向に等間隔に複数設けられている。なお、第2突起85の数は特に限定されない。ここでは、第2突起85の数は3つである。第2突起85の数は、第1突起84の数よりも少ないが、多くてもよいし、第1突起84の数と同じであってもよい。複数の第2突起85は、第2円筒部82に挿入された紙管60が滑り難くするものである。
【0037】
フランジ83は、第1円筒部81の外周面に設けられている。本実施形態では、図4に示すように、フランジ83は、第1円筒部81における紙管60の軸線方向の外方側の外周面に設けられている。図5Aに示すように、フランジ83は、第1円筒部81の外周面から径方向に突出しており、第1突起84と同じ程度、突出している。フランジ83は、外径が第1円筒部81の外径よりも大きい、円盤状の形状を有している。
【0038】
本実施形態では、左右一対のフィーダー41、42には、それぞれ紙管60に軸線方向の内方に向かって延びた回転軸43が設けられている。回転軸43は、左右方向に延びている。巻取支持部材70は、回転軸43に挿入されており、回転軸43に支持されている。巻取支持部材70は、回転軸43を中心にして回転可能に構成されている。ここでは、回転軸43がフィーダー41、42に対して回転することで、巻取支持部材70が回転するように構成されてもよい。または、回転軸43に対して巻取支持部材70が回転可能に構成されていてもよい。本実施形態では、右側のフィーダー42の回転軸43に、巻取モータ45が接続されている。そのため、巻取モータ45が駆動することで、回転軸43を中心に右巻取支持部材72が回転する。
【0039】
本実施形態では、巻取支持部材70は、樹脂製である。しかしながら、巻取支持部材70を形成する材料は、特に限定されない。
【0040】
本実施形態では、紙管60を左右一対のフィーダー41、42に取り付ける。このとき、紙管60の両端部を左右一対のフィーダー41、42で支持する。詳しくは、図4に示すように、紙管60の左端部には、左巻取支持部材71が嵌め込まれ、紙管60の右端部には、右巻取支持部材72が嵌め込まれる。ここでは、図5Bに示すように、紙管60の端部には、巻取支持部材70の第1円筒部81が嵌め込まれる。本実施形態では、紙管60は紙製であるため、紙管60の内周面には、巻取支持部材70の第1突起84が食い込まれる。このことで、巻取支持部材70に紙管60が固定される。このとき、巻取支持部材70に対する紙管60の回動が規制され、紙管60が巻取支持部材70に対して空転し難くなる。
【0041】
図1に示すように、紙管60を左右一対のフィーダー41、42に装着した後、メディア5aの巻き取りが行われる。ここでは、巻取モータ45が駆動することで、右巻取支持部材72が回転する。上記のように、右巻取支持部材72に対する紙管60の回動が規制されるため、右巻取支持部材72の回転時のトルクは、紙管60に伝達される。そのため、紙管60は、右巻取支持部材72と共に回転することになる。その結果、プラテン11から前方に向かって搬送されたメディア5aは、テンションバー65によってテンションがかけられた状態で、紙管60の周面に巻き取られる。
【0042】
ところで、紙管60は紙製であるため、複数回使用されることで、紙管60の内周面における第1突起84に食い込まれた部分が変形、例えば外側に広がることがあった。この場合、第1突起84による食い込みの度合いが小さくなり、右巻取支持部材72の回転と共に紙管60が適切に回転しないおそれがあった。すなわち、右巻取支持部材72の回転時のトルクが、紙管60に適切に伝達されず、紙管60が回転し難いことがあった。
【0043】
図6は、巻取補強具100の斜視図である。本実施形態では、紙管60の内周面が変形した場合であっても、右巻取支持部材72の回転と共に紙管60が適切に回転するように、図6に示す巻取補強具100を使用する。
【0044】
次に、巻取補強具100について説明する。図7は、右巻取支持部材72に巻取補強具100が装着された状態を示す図4相当図である。図8Aは、巻取補強具100が装着された巻取支持部材70の斜視図である。図8Bは、巻取補強具100が装着された巻取支持部材70を第2円筒部82側から見た図である。図8C図8Dは、それぞれ巻取補強具100が装着された巻取支持部材70の正面図、平面図である。
【0045】
巻取補強具100は、プリンタ10に備えられている。図8A図8Dに示すように、巻取補強具100は、巻取支持部材70の外周面に装着されるものである。ここでは、図8Bに示すように、巻取補強具100は、巻取支持部材70と紙管60との間に介設されるものである。本実施形態では、図7に示すように、巻取補強具100は、巻取支持部材70のうち、巻取モータ45が接続される駆動巻取支持部材である右巻取支持部材72に装着される。ただし、巻取補強具100は、左巻取支持部材71に装着されることも可能である。
【0046】
図6に示すように、巻取補強具100は、第1板状部101と、第2板状部102と、接続板部103と、第1当て付け部105と、第2当て付け部106とを備えている。図8Cに示すように、第1板状部101および第2板状部102は、巻取支持部材70の第1円筒部81の外周面に配置される部位である。ここでは、第1板状部101および第2板状部102は、第1円筒部81の外周面に沿って、円筒部81の中心軸A1の方向に延設されている。ここでは、図8Bに示すように、第1板状部101および第2板状部102は、第1突起84の周囲の第1円筒部81の外周面の部分に沿って配置される。第1板状部101と第2板状部102は、第1円筒部81を挟んで対向するように配置される。
【0047】
本実施形態では、第1板状部101および第2板状部102は、板状部材で構成されている。第1板状部101および第2板状部102は、平らな面を有する板状のものであり、断面形状は角を有する形状である。ここでは、第1板状部101および第2板状部102の横断面の形状は、矩形状であり、4つの角から構成された形状である。本実施形態では、第1板状部101において、第1円筒部81の周方向の両端部のうち、第1筒状部81の中心軸A1の方向に延びた辺のことを、第1食い込み部111という。また、第2板状部102において、第1円筒部81の周方向の両端部のうち、第1筒状部81の中心軸A1の方向に延びた辺のことを、第2食い込み部112という。
【0048】
第1食い込み部111および第2食い込み部112は、第1円筒部81と紙管60との間に介設される。第1食い込み部111および第2食い込み部112は、紙管60の内周面に食い込まれる部位である。第1食い込み部111と第2食い込み部112とは、巻取支持部材70の第1円筒部81の中心軸A1を挟んで一対になっている。第1食い込み部111および第2食い込み部112は、紙管60の内周面に向かって尖った形状を有しており、当該尖った部分が第1筒状部81の中心軸A1の方向に延びている。第1食い込み部111は、第1板状部101のうち、第1円筒部81の外周面から、第1円筒部81の径方向と直交する直交方向D11(言い換えると、第1円筒部81の外周面における接線方向)に延びた部位のことである。第2食い込み部112は、第2板状部102のうち、第1円筒部81の外周面から直交方向D11(言い換えると、第1円筒部81の外周面における接線方向)に延びた部位のことである。
【0049】
本実施形態では、図8Dに示すように、第1板状部101は、テーパー状に形成されている。ここでは、第1板状部101は、巻取支持部材70の軸線方向の端(ここでは右方)に向かうにしたがって両端における幅が大きくなるように構成されている。詳しくは、第1板状部101は、巻取支持部材70のフランジ83に近づくにしたがって幅(ここでは巻取支持部材70の周方向の長さ)が大きくなるように構成されている。第1板状部101における周方向の両端は、フランジ83に近づくにしたがって、第1伝達孔115から離れる方向に傾斜している。
【0050】
本実施形態では、第2板状部102は、第1板状部101と同じ形状を有している。そのため、第2板状部102もテーパー状に形成されている。第2板状部102は、巻取支持部材70の軸線方向の端(ここでは右方)に向かうにしたがって両端における幅が大きくなるように構成されている。第2板状部102は、巻取支持部材70のフランジ83に近づくにしたがって幅が大きくなるように構成されている。第2板状部102における周方向の両端は、フランジ83に近づくにしたがって、第2伝達孔116から離れる方向に傾斜している。本実施形態では、第1板状部101および第2板状部102は、巻取支持部材70のフランジ83に近づくにしたがって幅(ここでは、巻取支持部材70の周方向の長さ)が大きくなるように構成されているため、第1食い込み部111および第2食い込み部112における紙管60の内周面に食い込む食い込み量は、フランジ83(ここでは、紙管60の軸線方向における端部)に近づくにしたがって多くなるように構成されている。
【0051】
本実施形態では、図6に示すように、第1板状部101には、第1伝達孔115が貫通形成されている。第2板状部102には、第2伝達孔116が貫通形成されている。第1伝達孔115および第2伝達孔116は、それぞれ左右方向に延びた孔である。図8Bに示すように、第1伝達孔115および第2伝達孔116には、複数の第1突起84のうちの何れか1つの第1突起84が挿入される。図8Bの一例では、第1伝達孔115には、第1突起84aが挿入され、第2伝達孔116には、第1突起84dが挿入されている。第1伝達孔115および第2伝達孔116は、第1突起84に対応した形状を有している。
【0052】
本実施形態では、第1突起84が、第1伝達孔115の縁、または、第2伝達孔116の縁に当接することで、巻取支持部材70に対する巻取補強具100の回転が規制される。このように、巻取支持部材70に対する巻取補強具100の回転が規制されることで、巻取支持部材70が回転することで、巻取補強具100も巻取支持部材70と共に回転することができる。すなわち、巻取支持部材70の回転時のトルクが巻取補強具100に伝達されることで、巻取補強具100(例えば第1食い込み部111および第2食い込み部112)が回転することができる。よって、本実施形態では、第1伝達孔115および第2伝達孔116は、巻取支持部材70の回転時のトルクを、第1食い込み部111および第2食い込み部112に伝達させる伝達手段として機能する。
【0053】
図6に示すように、接続板部103は、第1板状部101と第2板状部102に接続されている。接続板部103は、第1板状部101を介して第1食い込み部111に間接的に接続されており、第2板状部102を介して第2食い込み部112に間接的に接続されている。ここでは、接続板部103は、第1板状部101と第2板状部102を連結させる部位である。接続板部103は、板状部の部位であり、第1板状部101および第2板状部102と同じ厚みを有している。本実施形態では、図8Cに示すように、接続板部103は、巻取支持部材70の第2円筒部82の先端部に配置されている。ここでは、接続板部103は、第1板状部101と直交するように第1板状部101に接続されている。接続板部103は、第2板状部102と直交するように第2板状部102に接続されている。
【0054】
本実施形態では、図8Bに示すように、接続板部103には、挿入孔121が形成されている。図9は、回転軸43が巻取支持部材70および巻取補強具100に挿入された状態を示す正面断面図である。図9に示すように、挿入孔121には、巻取支持部材70に挿入される回転軸43が挿入される。挿入孔121は、回転軸43の横断面形状に対応した形状を有しており、ここでは円形状である。
【0055】
図8Cに示すように、第1当て付け部105および第2当て付け部106は、巻取補強具100を巻取支持部材70に装着したときに、巻取支持部材70のフランジ83に当て付けられる部位である。第1当て付け部105は、第1板状部101に設けられており、ここでは第1板状部101における接続板部103側と反対側の端に設けられている。第1当て付け部105は、第1板状部101から、巻取支持部材70の径方向の外方に向かって延びている。
【0056】
第2当て付け部106は、第2板状部102に設けられており、ここでは第2板状部102における接続板部103側と反対側の端に設けられている。第2当て付け部106は、第2板状部102から、巻取支持部材70の径方向の外方に向かって延びている。第1当て付け部105および第2当て付け部106は、例えば板状の部位であるが、板状に限定されるわけではない。
【0057】
巻取補強具100を形成する材料は、特に限定されない。巻取補強具100は、紙管60よりも硬い材料で形成されており、かつ、巻取支持部材70よりも硬い材料で形成されている。本実施形態では、巻取補強具100は、金属によって形成されている。巻取補強具100は、板金を折り曲げ成形することで作製される。
【0058】
次に、巻取補強具100の使用方法について説明する。巻取補強具100を使用するとき、図7に示すように、巻取補強具100は、例えば巻取モータ45に接続された右巻取支持部材72に装着される。ここでは、図8Cに示すように、巻取補強具100の第1板状部101と第2板状部102との間に、右巻取支持部材72の第1円筒部81および第2円筒部82が配置されるように、巻取補強具100を右巻取支持部材72に向かって押し込む。このとき、図8Bに示すように、巻取補強具100の第1伝達孔115および第2伝達孔116に、右巻取支持部材72の複数の第1突起84のうちの何れかが挿入されるようにする。このような状態で、巻取補強具100を右巻取支持部材72に向かって更に押し込むと、図8Cに示すように、第1押し当て部105および第2押し当て部106が、右巻取支持部材72のフランジ83に当接する。このとき、図9に示すように、巻取補強具100の接続板部103に形成された挿入孔121には、回転軸43が挿入される。以上のようにして、巻取補強具100を右巻取支持部材72に装着することができる。
【0059】
ここでは、図8Bに示すように、巻取補強具100が装着された右巻取支持部材72を紙管60に挿入する。このとき、巻取補強具100の第1食い込み部111および第2食い込み部112は、右巻取支持部材72の第1突起84よりも径方向の外方に突出しているため、第1突起84よりも先に紙管60の内周面に接触する。そのため、紙管60は、第1食い込み部111および第2食い込み部112によって食い込まれた状態になり、右巻取支持部材72に強固に取り付けられることができる。
【0060】
以上、本実施形態では、巻取補強具100は、ロール状のメディア5aを巻き取る筒状の紙管60の端部に挿入される円筒部81を有し、円筒部81の中心軸A1を中心にして回転可能な巻取支持部材70を備えたプリンタ10において、巻取支持部材70に装着されるものである。図8Bに示すように、巻取補強具100は、第1円筒部81と紙管60との間に介設される板状部材(ここでは第1板状部101および第2板状部102)に設けられ、紙管60の内周面に食い込む第1食い込み部111および第2食い込み部112と、巻取支持部材70の回転時のトルクを第1、2食い込み部111、112に伝達させる伝達手段と、を備えている。このことによって、例えば紙管60を複数回使用したことで、紙管60の内周面が変形した場合であっても、巻取補強具100が装着された巻取支持部材70を紙管60に挿入することで、第1、2食い込み部111、112を紙管60の内周面に食い込ませることができる。よって、巻取補強具100を介して、巻取支持部材70に紙管60を固定することができる。したがって、巻取支持部材70が回転したときのトルクが、巻取補強具100を介して紙管60に適切に伝達することができる。その結果、巻取支持部材70の回転に伴い、紙管60を回転させることができる。
【0061】
本実施形態では、図8Bに示すように、巻取補強具100は、巻取支持部材70の第1円筒部81の外周面に沿って第1円筒部81の中心軸A1の方向に延設され、板状部材で構成される第1板状部101および第2板状部102と、第1板状部101に貫通形成された第1伝達孔115と、第2板状部102に貫通形成された第2伝達孔116とを備えている。巻取支持部材70は、第1円筒部81の外周面から径方向に突出し、第1伝達孔115、第2伝達孔116に挿入される第1突起84を備えている。上記の伝達手段は、複数の第1突起84のうちの何れかが挿入される第1伝達孔115であり、複数の第1突起84のうちの他の何れかが挿入される第2伝達孔116である。このことによって、巻取支持部材70に対して巻取補強具100が回転しようとするとき、第1伝達孔115に挿入された第1突起84が第1伝達孔115の縁に当接し、かつ、第2伝達孔116に挿入された第1突起84が第2伝達孔116の縁に当接することで、巻取支持部材70に対する巻取補強具100の回転が規制される。よって、巻取支持部材70に対して巻取補強具100が回転し難くなり、巻取支持部材70が回転したときのトルクが、巻取補強具100に伝達し易くなる。
【0062】
本実施形態では、第1食い込み部111は、第1板状部101における第1円筒部81の周方向の両端部に位置する辺である。第2食い込み部112は、第2板状部102における第1円筒部81の周方向の両端部に位置する辺である。第1板状部101および第2板状部102は、図8Dに示すように、それぞれ巻取支持部材70の軸線方向の端(ここではフランジ83)に向かうにしたがって両端における幅が大きくなるように構成されている。すなわち、第1板状部101および第2板状部102は、テーパー状に形成されている。このことで、第1板状部101および第2板状部102における巻取支持部材70の軸線方向に沿った位置に応じて、適切に嵌め込まれる紙管60の内径の大きさを異ならせることができる。例えば幅が小さい第1板状部101および第2板状部102の部分では、内径が小さい紙管60に対して、第1食い込み部111および第2食い込み部112を食い込ませて、紙管60に巻取支持部材70を適切に嵌め込ませることができる。一方、幅が大きい第1板状部101および第2板状部102の部分では、内径が大きい紙管60に対して、第1食い込み部111および第2食い込み部112を食い込ませて、紙管60に巻取支持部材70を適切に嵌め込ませることができる。よって、内径が異なる紙管60であっても、紙管60の内周面に、第1食い込み部111および第2食い込み部112を適切に食い込ませることができる。
【0063】
本実施形態では、図8Bに示すように、第1食い込み部111と第2食い込み部112は、巻取支持部材70の第1円筒部81の中心軸A1を挟んで一対になっている。このことによって、紙管60の径方向の両端の内周面の部分で、第1食い込み部111および第2食い込み部112によって食い込ませることができる。よって、紙管60を巻取支持部材70に対して安定して固定することができる。
【0064】
本実施形態では、図8Aに示すように、巻取支持部材70は、第1円筒部81の外周面から径方向に突出したフランジ83を備えている。図8Cに示すように、巻取補強具100は、巻取支持部材70のフランジ83に当て付けられる第1当て付け部105および第2当て付け部106を備えている。このことによって、第1当て付け部105および第2当て付け部106がフランジ83に当て付けられるまで、巻取補強具100を押し込むことで、巻取支持部材70に対する巻取補強具100の位置合わせを容易に行うことができる。
【0065】
本実施形態では、図9に示すように、巻取支持部材70の第1円筒部81は、回転軸43に挿入され、かつ、回転軸43を中心に回転するように構成されている。巻取補強具100は、回転軸43に挿入される挿入孔121が形成された接続板部103を備えている。このことによって、挿入孔121に回転軸43を挿入するという簡単な方法で、巻取補強具100を回転させる軸を、巻取支持部材70を回転させる軸である回転軸43に合わせることができる。
【0066】
本実施形態では、プリンタ10は、図7に示すように、紙管60の一端部を支持する右巻取支持部材72と、紙管60の他端部を支持する左巻取支持部材71と、右巻取支持部材72を、中心軸A1を中心に回転させる巻取モータ45とを備えている。巻取補強具100は、右巻取支持部材72と紙管60に介設されている。本実施形態では、巻取モータ45が接続された右巻取支持部材72が駆動側となり、右巻取支持部材72が回転することで、紙管60を回転させることができる。そのため、右巻取支持部材72に支持される紙管60の端部の内周面が変形し易い。そこで、ここでは、巻取補強具100を、右巻取支持部材72と紙管60との間に介設させることで、紙管60の内周面が変形した場合であっても、右巻取支持部材72に対して紙管60を固定させることができる。
【0067】
本実施形態では、本発明の板状部は、第1板状部101と第2板状部102の2つであった。しかしながら、板状部の数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。板状部の数に応じて、本発明の食い込み部の数も多くなってもよい。
【符号の説明】
【0068】
5a メディア
10 プリンタ
43 回転軸
45 巻取モータ
60 紙管
70 巻取支持部材
71 左巻取支持部材(従動巻取支持部材)
72 右巻取支持部材(駆動巻取支持部材)
81 第1円筒部(円筒部)
83 フランジ
84 第1突起(突起)
100 巻取補強具
101 第1板状部(板状部)
102 第2板状部(板状部)
103 接続板部
105 第1当て付け部(当て付け部)
106 第2当て付け部(当て付け部)
111 第1食い込み部(食い込み部)
112 第2食い込み部(食い込み部)
115 第1伝達孔(伝達孔、伝達手段)
116 第2伝達孔(伝達孔、伝達手段)
121 挿入孔
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9