特開 2023-108322 ノズルモジュール、ノズルダイアフラム、蒸気タービン、ノズルダイアフラムの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023108322

(43)【公開日】2023-08-04

(54)【発明の名称】ノズルモジュール、ノズルダイアフラム、蒸気タービン、ノズルダイアフラムの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法

(51)【国際特許分類】

   F01D 9/02 20060101AFI20230728BHJP

   F01D 9/04 20060101ALI20230728BHJP

   F01D 25/00 20060101ALI20230728BHJP

【ＦＩ】

F01D9/02 104

F01D9/04

F01D25/00 X

【審査請求】未請求

【請求項の数】14

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022009380

(22)【出願日】2022-01-25

(71)【出願人】

【識別番号】310010564

【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100162868

【弁理士】

【氏名又は名称】伊藤 英輔

(74)【代理人】

【識別番号】100161702

【弁理士】

【氏名又は名称】橋本 宏之

(74)【代理人】

【識別番号】100189348

【弁理士】

【氏名又は名称】古都 智

(74)【代理人】

【識別番号】100196689

【弁理士】

【氏名又は名称】鎌田 康一郎

(72)【発明者】

【氏名】寺田 勝美

(72)【発明者】

【氏名】津留▲崎▼ 有三

【テーマコード（参考）】

3G202

【Ｆターム（参考）】

3G202GA11

3G202GA13

3G202GB00

(57)【要約】

【課題】容易かつ確実に、高い精度を有したノズルリングを製作する。
【解決手段】ノズルモジュールは、中心軸回りの周方向に延びる内輪と、内輪に対して中心軸を中心とした径方向の外側に配置されて周方向に延びる外輪と、の間に配置可能とされるノズルリングを構成するノズルモジュールであって、断面が翼型形状をなして径方向に延びるノズル本体と、径方向でのノズル本体の端部に一体にそれぞれ接続されたプラットフォーム部材と、を備え、プラットフォーム部材は、径方向から見た際に、中心軸の延びる軸方向の第一側に形成され、軸方向に延びる一対の第一側面を有した第一部分と、径方向から見た際に、第一部分に対して軸方向の第二側に延びるように形成され、第一側面に対して傾斜して延びる第二側面を有した第二部分と、を備える。
【選択図】図４

【特許請求の範囲】

【請求項1】

中心軸回りの周方向に延びる内輪と、前記内輪に対して前記中心軸を中心とした径方向の外側に配置されて前記周方向に延びる外輪と、の間に配置可能とされるノズルリングを構成するノズルモジュールであって、
断面が翼型形状をなして前記径方向に延びるノズル本体と、
前記径方向での前記ノズル本体の端部に一体にそれぞれ接続されたプラットフォーム部材と、を備え、
前記プラットフォーム部材は、
前記径方向から見た際に、前記中心軸の延びる軸方向の第一側に形成され、前記軸方向に延びる一対の第一側面を有した第一部分と、
前記径方向から見た際に、前記第一部分に対して前記軸方向の第二側に延びるように形成され、前記第一側面に対して傾斜して延びる第二側面を有した第二部分と、を備えるノズルモジュール。

【請求項2】

前記第一部分は、前記径方向から見て、前記軸方向の第一側の前記ノズル本体の端部と重なるように配置され、
前記第二部分は、前記径方向から見て、前記軸方向の第二側の前記ノズル本体の端部と重なるように配置されている請求項１に記載のノズルモジュール。

【請求項3】

前記第二部分は、前記径方向から見た際に、前記第二側面を一対有し、
前記径方向から見た際に、一対の前記第一側面の間隔と、一対の前記第二側面の間隔が等しい請求項１又は２に記載のノズルモジュール。

【請求項4】

前記プラットフォーム部材は、前記径方向から見た際に、前記周方向の第一側及び第二側の少なくとも一方に、前記第一側面と前記第二側面との間を湾曲して接続する湾曲面を有する請求項１から３の何れか一項に記載のノズルモジュール。

【請求項5】

前記第二部分は、前記径方向から見た際に、前記第一側面と平行に前記軸方向に延びる第三側面を有する請求項１から４の何れか一項に記載のノズルモジュール。

【請求項6】

前記プラットフォーム部材は、
前記ノズル本体と接続された内周面と、
前記径方向において前記内周面と反対側を向き、前記第一側面及び前記第二側面と交差するように前記周方向に延び、前記周方向から見た際に、前記中心軸と平行な外周面を有する請求項１から５の何れか一項に記載のノズルモジュール。

【請求項7】

前記プラットフォーム部材は、
前記ノズル本体における前記径方向の内側の内周端部に一体に接続された内側プラットフォーム部材と、
前記ノズル本体における前記径方向の外側の外周端部に一体に接続された外側プラットフォーム部材と、を備え、
前記内側プラットフォーム部材は、前記第一部分として内側第一部分、前記第二部分として内側第二部分を有し、
前記外側プラットフォーム部材は、前記第一部分として外側第一部分、前記第二部分として外側第二部分を有し、
前記内側第一部分及び前記外側第一部分と、前記内側第二部分及び前記外側第二部分とは、それぞれ異なる形状で形成されている請求項１から６の何れか一項に記載のノズルモジュール。

【請求項8】

請求項１から７の何れか一項に記載のノズルモジュールと、
前記ノズルモジュールに対して前記径方向の内側に配置されて前記周方向に延びる内輪と、
前記ノズルモジュールに対して前記径方向の外側に配置されて前記周方向に延びる外輪と、を備え、
前記ノズルモジュールは、前記内輪と前記外輪との間に複数並んで配置されてノズルリングを形成しているノズルダイアフラム。

【請求項9】

前記内輪と複数の前記プラットフォーム部材との間に形成され、前記内輪と前記プラットフォーム部材とを接合している内側溶接部と、
前記外輪と複数の前記プラットフォーム部材との間に形成され、前記外輪と前記プラットフォーム部材とを接合している外側溶接部と、をさらに備える請求項８に記載のノズルダイアフラム。

【請求項10】

同一形状の前記ノズルモジュールを複数備える請求項８又は９に記載のノズルダイアフラム。

【請求項11】

請求項８から１０の何れか一項に記載のノズルダイアフラムと、
前記ノズルダイアフラムに対して前記径方向の外側に配置されて、前記軸方向に延びる筒状のケーシングと、
前記ノズルダイアフラム及び前記ケーシングに対して前記中心軸回りに回転可能に配置され、前記ケーシングに収容されたロータと、を備える蒸気タービン。

【請求項12】

請求項８から１０の何れか一項に記載のノズルダイアフラムの組立方法であって、
前記内輪、前記外輪、及び複数の前記ノズルモジュールを準備する工程と、
前記内輪を配置する工程と、
前記内輪に対して前記径方向の外側に、前記ノズルモジュールを配置する工程と、
複数の前記ノズルモジュールに対して前記径方向の外側に、前記外輪を配置する工程と、
前記内輪と前記プラットフォーム部材とを溶接する工程と、
前記外輪と前記プラットフォーム部材とを溶接する工程と、を含むノズルダイアフラムの組立方法。

【請求項13】

ケーシングを準備する工程と、
前記ケーシング内に、請求項８から１０の何れか一項に記載のノズルダイアフラムを組み込む工程と、を含む蒸気タービンの組立方法。

【請求項14】

ケーシングの一部を開く工程と、
前記ケーシングから、請求項８から１０の何れか一項に記載のノズルダイアフラムを取り外す工程、を含む蒸気タービンの分解方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、ノズルモジュール、ノズルダイアフラム、蒸気タービン、ノズルダイアフラムの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法に関する。

【背景技術】

【0002】

蒸気タービンは、軸線回りに回転するロータと、ロータを外側から覆うとともにロータとの間に蒸気流路を形成するケーシングと、を主に備えている。ロータは、軸線に沿って延びる回転軸と、回転軸の外周面に配列された複数の動翼とを有している。ケーシングの内周面には、これら複数の動翼と軸方向に互い違いとなるように配列された複数の静翼（ノズル）を有するノズルダイアフラムが配置されている。

【0003】

このようなノズルダイアフラムの具体例として、下記特許文献１に記載されたものが知られている。特許文献１に記載されたノズルダイアフラムは、内輪の外周面に接する内側シュラウド及び内側シュラウドから径方向の外側に突出する一体構造とされたノズル本体を有するノズルと、各ノズル本体の外周端部が挿通されるよう径方向に貫通する貫通孔を有する外側シュラウドリングと、を有している。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】特開２０２０－８４７６８号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、特許文献１に記載の構成では、ノズル本体の外周端部を、外側シュラウドリングの貫通孔に貫通させる必要がある。このため、特に、ノズル本体が３次元状に湾曲したバウノズルにおいては、ノズル本体、及び外側シュラウドリングに形成する貫通孔に、高い加工精度が要求される。また、ノズルダイアフラムの組立に際し、ノズル本体を環状に並べる作業に高い技量が要求され、組立作業を行う作業者も高いスキルを有した者に限られてしまう。その結果、ノズルダイアフラムの製作に、手間及びコストが掛かるという問題がある。

【0006】

本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、容易かつ確実に、高い精度を有したノズルリングを製作可能なノズルモジュール、ノズルリング、蒸気タービン、ノズルリングの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

上記課題を解決するために、本開示に係るノズルモジュールは、中心軸回りの周方向に延びる内輪と、前記内輪に対して前記中心軸を中心とした径方向の外側に配置されて前記周方向に延びる外輪と、の間に配置可能とされるノズルリングを構成するノズルモジュールであって、断面が翼型形状をなして前記径方向に延びるノズル本体と、前記径方向での前記ノズル本体の端部に一体にそれぞれ接続されたプラットフォーム部材と、を備え、前記プラットフォーム部材は、前記径方向から見た際に、前記中心軸の延びる軸方向の第一側に形成され、前記軸方向に延びる一対の第一側面を有した第一部分と、前記径方向から見た際に、前記第一部分に対して前記軸方向の第二側に延びるように形成され、前記第一側面に対して傾斜して延びる第二側面を有した第二部分と、を備える。

【0008】

本開示に係るノズルダイアフラムは、上記したようなノズルモジュールと、前記ノズルモジュールに対して前記径方向の内側に配置されて前記周方向に延びる内輪と、前記ノズルモジュールに対して前記径方向の外側に配置されて前記周方向に延びる外輪と、を備え、前記ノズルモジュールは、前記内輪と前記外輪との間に複数並んで配置されてノズルリングを形成している。

【0009】

本開示に係る蒸気タービンは、上記したようなズルダイアフラムと、前記ノズルダイアフラムに対して前記径方向の外側に配置されて、前記軸方向に延びる筒状のケーシングと、前記ノズルダイアフラム及び前記ケーシングに対して前記中心軸回りに回転可能に配置され、前記ケーシングに収容されたロータと、を備える。

【0010】

本開示に係るノズルリングの組立方法は、上記したようなノズルダイアフラムの組立方法であって、前記内輪、前記外輪、及び複数の前記ノズルモジュールを準備する工程と、前記内輪を配置する工程と、前記内輪に対して前記径方向の外側に、前記ノズルモジュールを配置する工程と、複数の前記ノズルモジュールに対して前記径方向の外側に、前記外輪を配置する工程と、前記内輪と、前記プラットフォーム部材とを溶接する工程と、前記外輪と、前記プラットフォーム部材とを溶接する工程と、を含む。

【0011】

本開示に係る蒸気タービンの組立方法は、ケーシングを準備する工程と、前記ケーシング内に、上記したようなノズルダイアフラムを組み込む工程と、を含む。

【0012】

本開示に係る蒸気タービンの分解方法は、ケーシングの一部を開く工程と、前記ケーシングから、上記したようなノズルダイアフラムを取り外す工程、を含む。

【発明の効果】

【0013】

本開示のノズルモジュール、ノズルダイアフラム、蒸気タービン、ノズルダイアフラムの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法によれば、容易かつ確実に、高い精度を有したノズルリングを製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【0014】

【図1】本開示の実施形態に係る蒸気タービンの概略構成を示す図である。

【図2】上記蒸気タービンのノズルダイアフラムを軸方向から見た図である。

【図3】図２のＡ―Ａ矢視断面図である。

【図4】図２のノズルダイアフラムを構成する複数のノズルモジュールの内側プラットフォーム部材を、径方向の内側から見た展開図である。

【図5】図２のノズルダイアフラムを構成する複数のノズルモジュールの外側プラットフォーム部材を、径方向の外側から見た展開図である。

【図6】図４の複数のノズルモジュールのうちの第一ノズルモジュールの内側プラットフォーム部材を、径方向の内側から見た図である。

【図7】図４の複数のノズルモジュールのうちの第一ノズルモジュールの外側プラットフォーム部材を、径方向の外側から見た図である。

【図8】図４の複数のノズルモジュールのうちの第二ノズルモジュール及び第三ノズルモジュールの内側プラットフォーム部材を、径方向の内側から見た図である。

【図9】図４の複数のノズルモジュールのうちの第二ノズルモジュール及び第三ノズルモジュールの外側プラットフォーム部材を、径方向の外側から見た図である。

【図10】図４の複数のノズルモジュールのうち、第四ノズルモジュールの内側プラットフォーム部材を、径方向の内側から見た図である。

【図11】図４の複数のノズルモジュールのうち、第四ノズルモジュールの外側プラットフォーム部材を、径方向の外側から見た図である。

【図12】本開示の実施形態に係るノイズダイヤフラムの組立方法の手順を示すフローチャートである。

【図13】本開示の実施形態に係るノイズダイヤフラムの組立方法において、内輪を配置する工程を示す図である。

【図14】本開示の実施形態に係るノイズダイヤフラムの組立方法において、ノズルモジュールを配置する工程を示す図である。

【図15】本開示の実施形態に係るノイズダイヤフラムの組立方法において、外輪を配置する工程を示す図である。

【図16】本開示の実施形態に係る蒸気タービンの組立方法の手順を示すフローチャートである。

【図17】本開示の実施形態に係る蒸気タービンの組立方法において、ケーシングを準備する工程や、蒸気タービンの分解方法において、ノズルダイアフラムを取り外す工程を示す図である。

【図18】本開示の実施形態に係る蒸気タービンの組立方法において、ノズルダイアフラムを組み込む工程や、蒸気タービンの分解方法において、ケーシングの一部を開く工程を示す図である。

【図19】本開示の実施形態に係る蒸気タービンの分解方法の手順を示すフローチャートである。

【発明を実施するための形態】

【0015】

以下、添付図面を参照して、本開示によるノズルモジュール、ノズルダイアフラム、蒸気タービン、ノズルダイアフラムの組立方法、蒸気タービンの組立方法、及び蒸気タービンの分解方法を実施するための形態を説明する。しかし、本開示はこの実施形態のみに限定されるものではない。

【0016】

（蒸気タービンの構成）
蒸気タービン１は、蒸気の持つエネルギーを回転エネルギーに変換して回転駆動する。図１に示すように、蒸気タービン１は、ケーシング２と、ロータ３と、ノズルダイアフラム５と、を備えている。

【0017】

（ケーシングの構成）
ケーシング２は、ロータ３の中心軸Ｏを中心として軸方向Ｄａに延びる筒状に形成されている。ケーシング２は、ケーシング２内に蒸気を導く蒸気入口２７と、ケーシング２内から蒸気を外部に排出する蒸気出口２８と、を有している。本実施形態では、ケーシング２は、ロータ３の中心軸Ｏを基準に鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに配置された上半ケーシング２１と、下方Ｄｖｄに配置された下半ケーシング２２とを有している。

【0018】

上半ケーシング２１は、周方向Ｄｃに延びている。上半ケーシング２１は、中心軸Ｏと直交する断面が、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。上半ケーシング２１は、ロータ３及びノズルダイアフラム５を収容可能なように、鉛直方向Ｄｖの下方Ｄｖｄを向いて開口している。上半ケーシング２１は、周方向Ｄｃの両端に上半ケーシング分割面（図示無し）を有する。

【0019】

下半ケーシング２２は、周方向Ｄｃに延びている。下半ケーシング２２は、中心軸Ｏと直交する断面が、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。下半ケーシング２２の内径は、上半ケーシング２１の内径と同じ大きさで形成されている。下半ケーシング２２は、ロータ３及びノズルダイアフラム５を収容可能なように、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕを向いて開口している。下半ケーシング２２は、周方向Ｄｃの両端に下半ケーシング分割面（図示無し）を有する。上半ケーシング２１は、下半ケーシング２２に対して鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに載置される。上半ケーシング２１と下半ケーシング２２とは、上半ケーシング分割面と下半ケーシング分割面とが互いに接触した状態で、不図示のボルト等の締結部材で固定される。これにより、ケーシング２が形成されている。

【0020】

（ロータの構成）
ロータ３は、回転軸３１と、動翼３２と、を備えている。ロータ３は、ケーシング２によって中心軸Ｏを中心とした径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏから覆われている。

【0021】

回転軸３１は、軸方向Ｄａに沿って延びる円柱状をなしている。回転軸３１の軸方向Ｄａの両端部３１ａ及び３１ｂは、第一軸受３３Ａ及び第二軸受３３Ｂによって中心軸Ｏ回りに回転自在にそれぞれ支持されている。回転軸３１は、ケーシング２の内部に収容されている。

【0022】

動翼３２は、回転軸３１の軸方向Ｄａに間隔をあけて複数段に配列されている。各動翼３２は、回転軸３１の外周面から径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに向かって延びている。

【0023】

（ノズルダイアフラムの構成）
ノズルダイアフラム５は、ケーシング２内に、軸方向Ｄａに間隔をあけて複数配列されている。各ノズルダイアフラム５は、回転軸３１の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されている。各ノズルダイアフラム５は、軸方向Ｄａにおいて各段の動翼３２と交互に配列されている。各ノズルダイアフラム５は、中心軸Ｏを中心として環状をなしている。図２及び図３に示すように、本実施形態のノズルダイアフラム５は、内輪６と、外輪７と、ノズルリング５１と、を備えている。

【0024】

内輪６は、回転軸３１（図１参照）の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されている。図２に示すように、内輪６は、周方向Ｄｃに延びている。内輪６は、中心軸Ｏを中心とする円環状をなしている。内輪６は、ノズルリング５１の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉに配置されている。内輪６は、ロータ３の中心軸Ｏを基準に鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに配置された上半内輪部材６１と、下方Ｄｖｄに配置された下半内輪部材６２とを有している。

【0025】

上半内輪部材６１は、周方向Ｄｃに延びている。上半内輪部材６１は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。上半内輪部材６１は、鉛直方向Ｄｖの下方Ｄｖｄを向いて開口している。下半内輪部材６２は、周方向Ｄｃに延びている。下半内輪部材６２は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。下半内輪部材６２の内径は、上半内輪部材６１の内径と同じ大きさで形成されている。下半内輪部材６２は、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕを向いて開口している。上半内輪部材６１は、下半内輪部材６２に対して鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに載置される。上半内輪部材６１の周方向Ｄｃの両端部６１ａ及び６１ｂと、下半内輪部材６２の周方向Ｄｃの両端部６２ａ及び６２ｂとは、互いに接触した状態で、不図示のボルト等の締結部材で固定される。これにより、内輪６が形成されている。

【0026】

外輪７は、ケーシング２の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉに配置されている。外輪７は、周方向Ｄｃに延びている。外輪７は、中心軸Ｏを中心とする円環状をなしている。外輪７は、ノズルリング５１の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されている。外輪７は、ロータ３の中心軸Ｏを基準に鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに配置された上半外輪部材７１と、下方Ｄｖｄに配置された下半外輪部材７２とを有している。

【0027】

上半外輪部材７１は、周方向Ｄｃに延びている。上半外輪部材７１は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。上半外輪部材７１は、鉛直方向Ｄｖの下方Ｄｖｄを向いて開口している。下半外輪部材７２は、周方向Ｄｃに延びている。下半外輪部材７２は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。下半外輪部材７２の内径は、上半外輪部材７１の内径と同じ大きさで形成されている。下半外輪部材７２は、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕを向いて開口している。上半外輪部材７１は、下半外輪部材７２に対して鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに載置される。上半外輪部材７１の周方向Ｄｃの両端部７１ａ、７１ｂと、下半外輪部材７２の周方向Ｄｃの両端部７２ａ、７２ｂとは、互いに接触した状態で、不図示のボルト等の締結部材で固定される。これにより、外輪７が形成されている。

【0028】

（ノズルリングの構成）
ノズルリング５１は、内輪６と外輪７との間に配置されている。ノズルリング５１は、全体として、中心軸Ｏを中心とする円環状をなしている。ノズルリング５１は、内輪６に対して径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏ、かつ、外輪７に対して径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉに配置されている。ノズルリング５１は、周方向Ｄｃに並んで配置された複数のノズルモジュール５２によって構成されている。ノズルリング５１は、中心軸Ｏを基準に鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに配置された上半ノズルリング５１１と、下方Ｄｖｄに配置された下半ノズルリング５１２とを有している。

【0029】

上半ノズルリング５１１は、周方向Ｄｃに延びている。上半ノズルリング５１１は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。上半ノズルリング５１１は、鉛直方向Ｄｖの下方Ｄｖｄを向いて開口している。上半ノズルリング５１１は、周方向Ｄｃの両端に上半リング分割面５１１ｆを有する。上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｆは、鉛直方向Ｄｖの下方Ｄｖｄを向く水平面である。

【0030】

下半ノズルリング５１２は、周方向Ｄｃに延びている。下半ノズルリング５１２は、中心軸Ｏを中心とする半円環状をなしている。下半ノズルリング５１２の外径及び内径は、上半ノズルリング５１１の外径及び内径と同じ大きさで形成されている。下半ノズルリング５１２は、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕを向いて開口している。下半ノズルリング５１２は、周方向Ｄｃの両端に下半リング分割面５１２ｆを有する。下半リング分割面５１２ｆは、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕを向く水平面である。上半ノズルリング５１１は、下半ノズルリング５１２に対して鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに載置される。上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２とは、上半リング分割面５１１ｆと下半リング分割面５１２ｆとが互いに接触した状態で配置される。

【0031】

上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２は、周方向Ｄｃに複数並んで配置されたノズルモジュール５２によって構成されている。図４及び図５に示すように、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２は、複数のノズルモジュール５２として、例えば複数の種類のノズルモジュール５２Ａ～５２Ｄを備えている。具体的は、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２は、ノズルモジュール５２として、第一ノズルモジュール５２Ａと、第二ノズルモジュール５２Ｂと、第三ノズルモジュール５２Ｃと、第四ノズルモジュール５２Ｄとを備えている。第二ノズルモジュール５２Ｂ、第三ノズルモジュール５２Ｃ、及び第四ノズルモジュール５２Ｄは、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２における周方向Ｄｃの両端部において、上半リング分割面５１１ｆや下半リング分割面５１２ｆに臨む領域に配置されている。第二ノズルモジュール５２Ｂ、第三ノズルモジュール５２Ｃ、及び第四ノズルモジュール５２Ｄが配置された以外の領域では、同一形状の複数の第一ノズルモジュール５２Ａが配置されている。

【0032】

（ノズルモジュールの構成）
図２及び図３に示すように、ノズルリング５１（上半ノズルリング５１１、下半ノズルリング５１２）を構成するノズルモジュール５２は、ノズル本体５３と、プラットフォーム部材５４と、を備えている。

【0033】

図４及び図５に示すように、ノズル本体５３は、径方向Ｄｒから見た際の断面が翼型形状をなして径方向Ｄｒに延びている。ノズル本体５３において、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１でノズル本体５３の前縁を形成する端部５３ａは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１を向いている。ノズル本体５３において、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２でノズル本体５３の後縁を形成する端部５３ｂは、軸方向Ｄａに対し、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に傾斜した方向を向いている。ここで、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１は、蒸気タービン１における蒸気の流通方向の上流側であって、ケーシング２において、軸方向Ｄａにおいて蒸気出口２８に対して、蒸気入口２７が配置されている側である。また、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２は、蒸気タービン１における蒸気の流通方向の下流側であって、ケーシング２において、軸方向Ｄａにおいて蒸気入口２７に対して、蒸気出口２８が配置されている側である。ノズル本体５３は、端部５３ａと端部５３ｂとの間で、周方向Ｄｃの第二側Ｄｃ２に窪むように湾曲している。ノズル本体５３は、径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉから外側Ｄｒｏに向かって、断面が徐々に変化するような三次元状に形成されている。

【0034】

プラットフォーム部材５４は、径方向Ｄｒでのノズル本体５３の両端部に一体にそれぞれ接続されている。プラットフォーム部材５４は、ノズル本体５３と接続されている内周面５４ｆと、径方向Ｄｒにおいて内周面５４ｆと反対側を向く外周面５４ｇと、を有している。図２～図５に示すように、プラットフォーム部材５４は、内側プラットフォーム部材５５と、外側プラットフォーム部材５６と、を備えている。

【0035】

図３に示すように、内側プラットフォーム部材５５は、ノズル本体５３における径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの内周端部５３ｉに一体に接続されている。内側プラットフォーム部材５５は、径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏを向く内側内周面５５ｆと、径方向Ｄｒにおいて内側内周面５５ｆと反対側を向く内側外周面５５ｇと、を有している。内側内周面５５ｆは、ノズル本体５３と接続された内周面５４ｆである。内側外周面５５ｇは、径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉを向く外周面５４ｇである。内側外周面５５ｇは、周方向Ｄｃに延び、周方向Ｄｃから見た際に、中心軸Ｏと平行に形成されている。内側外周面５５ｇは、内輪６に対し、例えば電子ビーム溶接によって接合されている。すなわち、ノズルダイアフラム５は、内輪６と内側プラットフォーム部材５５との間に、内側溶接部５８を有している。また、内側プラットフォーム部材５５では、内側溶接部５８を形成するために、径方向Ｄｒにおける内側内周面５５ｆと内側外周面５５ｇと距離は、電子ビーム溶接（ＥＢＷ）が可能な長さ（例えば、１０ｍｍ以上）とされている。

【0036】

さらに、図６に示すように、内側プラットフォーム部材５５は、径方向Ｄｒから見た際に、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された内側第一部分（第一部分）５５１と、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された内側第二部分（第二部分）５５２と、を有している。

【0037】

図３に示すように、外側プラットフォーム部材５６は、ノズル本体５３における径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏの外周端部５３ｏに一体に接続されている。外側プラットフォーム部材５６は、径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉを向く外側内周面５６ｆと、径方向Ｄｒにおいて外側内周面５６ｆと反対側を向く外側外周面５６ｇと、を有している。外側内周面５６ｆは、ノズル本体５３と接続された内周面５４ｆである。外側外周面５６ｇは、径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏを向く外周面５４ｇである。外側内周面５６ｆは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１から第二側Ｄａ２に向かって、径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに傾斜して形成されている。外側外周面５６ｇは、周方向Ｄｃに延び、周方向Ｄｃから見た際に、中心軸Ｏと平行に形成されている。外側外周面５６ｇは、外輪７に対し、例えば電子ビーム溶接によって接合されている。すなわち、ノズルダイアフラム５は、外輪７と外側プラットフォーム部材５６との間に、外側溶接部５９を有している。また、外側プラットフォーム部材５６では、外側溶接部５９を形成するために、径方向Ｄｒにおける外側内周面５６ｆと外側外周面５６ｇと距離は、電子ビーム溶接（ＥＢＷ）が可能な長さ（例えば、１０ｍｍ以上）とされている。

【0038】

さらに、図７に示すように、外側プラットフォーム部材５６は、径方向Ｄｒから見た際に、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された外側第一部分（第一部分）５６１と、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された外側第二部分（第二部分）５６２と、を有している。本実施形態では、内側第一部分５５１及び外側第一部分５６１と、内側第二部分５５２及び外側第二部分５６２は、それぞれ異なる形状で形成されている。より具体的には、内側第一部分５５１と外側第一部分５６１と大きさ、及び内側第二部分５５２と外側第二部分５６２との大きさがそれぞれ異なっている。

【0039】

ここで、ノズルモジュール５２のより詳細な構造を第一ノズルモジュール５２Ａから第四ノズルモジュール５２Ｄのそれぞれで説明する。図６に示すように、第一ノズルモジュール５２Ａの内側プラットフォーム部材５５Ａは、内側第一部分５５１Ａと、内側第二部分５５２Ａと、を一体に有している。

【0040】

内側第一部分５５１Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面（前面）５５１ｆと、一対の内側第一側面（第一側面）５５１ａ及び５５１ｂと、を有している。内側前面５５１ｆは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。内側前面５５１ｆは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１を向くよう形成されている。内側前面５５１ｆは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側前面５５１ｆは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0041】

一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面５５１ｆに対して直交するように、それぞれ、軸方向Ｄａに延びている。一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、内側前面５５１ｆにおける周方向Ｄｃの両端から軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって延びている。一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、周方向Ｄｃにおいて反対方向を向く面である。内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0042】

内側第二部分５５２Ａは、内側第一部分５５１Ａに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。内側第二部分５５２Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、内側後面（後面）５５２ｒと、一対の内側第二側面（第二側面）５５２ａ及び５５２ｂと、を有している。

【0043】

内側後面５５２ｒは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。内側後面５５２ｒは、内側前面５５１ｆに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。内側前面５５１ｆは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側前面５５１ｆは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0044】

一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂに対してそれぞれ傾斜して延びている。一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂは、それぞれ、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうに従って、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜している。内側第二側面５５２ａは内側第一側面５５１ａに対して、内側第二側面５５２ｂは内側第一側面５５１ｂに対して、それぞれ繋がっている。一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂは、周方向Ｄｃ及び軸方向Ｄａに交差する方向において、互いに反対方向を向く面である。内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。径方向Ｄｒから見た際に、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂの間隔Ｌ１と、一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂの間隔Ｌ２とが等しい。ここで、間隔Ｌ１は、内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂに対して直交する方向における距離であって、内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂ同士の周方向Ｄｃでの距離である。また、間隔Ｌ２は、内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂに対して直交する方向での距離であって、内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂ同士の周方向Ｄｃ及び軸方向Ｄａに交差する方向での距離である。

【0045】

第一ノズルモジュール５２Ａの内側プラットフォーム部材５５Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２に、内側湾曲面（湾曲面）５５３ａ及び５５３ｂを有している。内側湾曲面５５３ａは、内側プラットフォーム部材５５Ａの周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１で、内側第一側面５５１ａと内側第二側面５５２ａとの間を湾曲して滑らかに接続している。内側湾曲面５５３ａは、径方向Ｄｒから見た際に、窪むような凹面である。内側湾曲面５５３ｂは、内側プラットフォーム部材５５Ａの周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２で、内側第一側面５５１ｂと内側第二側面５５２ｂとの間を湾曲して滑らかに接続している。内側湾曲面５５３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、突出するような凸面である。内側湾曲面５５３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、内側湾曲面５５３ａと隙間なく重なる形状に形成されている。

【0046】

第一ノズルモジュール５２Ａの内側プラットフォーム部材５５Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の内周端部５３ｉの全域に接続されている。内側第一部分５５１Ａは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。内側第二部分５５２Ａは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0047】

図７に示すように、第一ノズルモジュール５２Ａにおいて、外側プラットフォーム部材５６Ａは、外側第一部分５６１Ａと、外側第二部分５６２Ａと、を一体に有している。

【0048】

外側第一部分５６１Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面（前面）５６１ｆと、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂと、を有している。

【0049】

外側前面５６１ｆは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。外側前面５６１ｆは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１を向くよう形成されている。図３に示すように、外側前面５６１ｆは、軸方向Ｄａにおいて、内側プラットフォーム部材５５の内側前面５５１ｆと同じ位置に配置されている。外側前面５６１ｆは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側前面５６１ｆは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0050】

図７に示すように、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面５６１ｆに対して直交するように、それぞれ、軸方向Ｄａに延びている。一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、外側前面５６１ｆにおける周方向Ｄｃの両端から軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって延びている。一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、周方向Ｄｃにおいて反対方向を向く面である。外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂ同士の間隔Ｌ３は、内側プラットフォーム部材５５Ａの一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂ同士の間隔Ｌ１とは異なっていてもよく、同じであってもよい。つまり、外側第一部分５６１Ａは、内側第一部分５５１Ａと同じ大きさ（形状）であってもよく、異なる大きさ（形状）であってもよい。ここで、間隔Ｌ３は、外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂに対して直交する方向における距離であって、外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂ同士の周方向Ｄｃでの距離である。

【0051】

外側第二部分５６２Ａは、外側第一部分５６１Ａに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。外側第二部分５６２Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、外側後面５６２ｒと、一対の外側第二側面（第二側面）５６２ａ及び５６２ｂと、を有している。

【0052】

外側後面５６２ｒは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。外側後面５６２ｒは、外側前面５６１ｆに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。外側後面５６２ｒは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側後面５６２ｒは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0053】

一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂに対してそれぞれ傾斜して延びている。一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂは、それぞれ、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうに従って、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜している。外側第二側面５６２ａは外側第一側面５６１ａに対して、外側第二側面５６２ｂは外側第一側面５６１ｂに対してそれぞれ繋がっている。一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂは、周方向Ｄｃ及び軸方向Ｄａに交差する方向において、互いに反対方向を向く面である。外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。径方向Ｄｒから見た際に、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂの間隔Ｌ３と、一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂの間隔Ｌ４とが等しい。また、一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂ同士の間隔Ｌ４は、内側プラットフォーム部材５５Ａの一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂ同士の間隔Ｌ２より大きい。ここで、間隔Ｌ４は、外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂに対して直交する方向での距離であって、外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂ同士の周方向Ｄｃ及び軸方向Ｄａに交差する方向での距離である。

【0054】

なお、間隔Ｌ４は、間隔Ｌ２とは異なっていてもよく、同じであってもよい。また、一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂの傾きは、内側プラットフォーム部材５５Ａの一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂの傾きとは異なっていてもよく、同じであってもよい。つまり、外側第一部分５６１Ａは、内側第一部分５５１Ａと同じ大きさ（形状）であってもよく、異なる大きさ（形状）であってもよい。

【0055】

第一ノズルモジュール５２Ａの外側プラットフォーム部材５６Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２に、外側湾曲面（湾曲面）５６３ａ及び５６３ｂを有している。外側湾曲面５６３ａは、外側プラットフォーム部材５６Ａの周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１で、外側第一側面５６１ａと外側第二側面５６２ａとの間を湾曲して滑らかに接続している。外側湾曲面５６３ａは、径方向Ｄｒから見た際に、窪むような凹面である。外側湾曲面５６３ｂは、外側プラットフォーム部材５６Ａの周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２で、外側第一側面５６１ｂと外側第二側面５６２ｂとの間を湾曲して滑らかに接続している。外側湾曲面５６３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、窪むような凹面である。外側湾曲面５６３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、外側湾曲面５６３ａと隙間なく重なる形状に形成されている。外側湾曲面５６３ａ及び５６３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、内側プラットフォーム部材５５Ａの内側湾曲面５５３ａ及び５５３ｂと同じ曲率であってもよく、異なる曲率であってもよい。

【0056】

第一ノズルモジュール５２Ａの外側プラットフォーム部材５６Ａは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の外周端部５３ｏの全域に接続されている。外側第一部分５６１Ａは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。外側第二部分５６２Ａは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0057】

図４及び図５に示すように、複数のノズルモジュール５２のうちの第二ノズルモジュール５２Ｂは、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２において、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１の端部に配置されている。

【0058】

図８に示すように、第二ノズルモジュール５２Ｂの内側プラットフォーム部材５５Ｂは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された内側第一部分５５１Ｂと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された内側第二部分５５２Ｂと、を一体に有している。

【0059】

内側第一部分５５１Ｂは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第一部分５５１Ａと同じ形状に形成されている。つまり、内側第一部分５５１Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面５５１ｆと、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂと、を有している。

【0060】

内側第二部分５５２Ｂは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二部分５５２Ａと異なる形状に形成されている。内側第二部分５５２Ｂは、内側第一部分５５１Ｂに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。内側第二部分５５２Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一つの内側第二側面５５２ｃと、一つの内側第三側面（第三側面）５５８ｃと、を有している。内側第二部分５５２Ｂは、内側第二側面５５２ｃ及び内側第三側面５５８ｃを一つのみ有しており、内側後面５５２ｒを有していない。

【0061】

内側第二側面５５２ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第一側面５５１ｂに対して傾斜して延びている。内側第二側面５５２ｃは、内側第一側面５５１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうにしたがって、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜して延びている。内側第二側面５５２ｃは、内側第一側面５５１ｂに対して繋がっている。内側第二側面５５２ｃは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第二側面５５２ｃは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。内側第二側面５５２ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二側面５５２ｂと平行に形成されている。内側第二側面５５２ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二側面５５２ｂに比べて短く形成されている。

【0062】

内側第三側面５５８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｃに対して交差して延びている。内側第三側面５５８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｃと鋭角をなすように繋がっている。つまり、内側第二部分５５２Ｂでは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｃと内側第三側面５５８ｃとの間隔が、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって漸次縮小する、略三角形状に形成されている。内側第三側面５５８ｃは、内側第一側面５５１ａに連続する面であって、内側第一側面５５１ａと平行に軸方向Ｄａに延びている。内側第三側面５５８ｃは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第三側面５５８ｃは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。内側第三側面５５８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二部分５５２Ｂにおける周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に配置されている。第二ノズルモジュール５２Ｂにおいて、内側第一側面５５１ａ及び内側第三側面５５８ｃは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｆや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｆの一部を形成する。

【0063】

内側プラットフォーム部材５５Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２に、内側湾曲面５５３ｃを有している。内側湾曲面５５３ｃは、内側プラットフォーム部材５５Ｂの周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２で、内側第一側面５５１ｂと内側第二側面５５２ｃとの間を湾曲して滑らかに接続している。内側湾曲面５５３ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、突出するような凸面である。内側湾曲面５５３ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの内側湾曲面５５３ａと隙間なく重なる形状に形成されている。

【0064】

第二ノズルモジュール５２Ｂの内側プラットフォーム部材５５Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの内周端部５３ｉの一部の領域に接続されている。内側第一部分５５１Ｂは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。径方向Ｄｒから見て、ノズル本体５３の端部５３ｂを含む一部の領域は、内側第二部分５５２Ｂから周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に突出するように配置されている。つまり、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二部分５５２Ｂは、内周端部５３ｉの一部の領域のみと重なっており、ノズル本体５３の端部５３ｂとは重なっていない。

【0065】

図９に示すように、第二ノズルモジュール５２Ｂの外側プラットフォーム部材５６Ｂは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された外側第一部分５６１Ｂと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された外側第二部分５６２Ｂと、を一体に有している。

【0066】

外側第一部分５６１Ｂは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第一部分５６１Ａと同じ形状に形成されている。つまり、外側第一部分５６１Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面５６１ｆと、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂと、を有している。

【0067】

外側第二部分５６２Ｂは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二部分５６２Ａと異なる形状に形成されている。外側第二部分５６２Ｂは、外側第一部分５６１Ｂに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。外側第二部分５６２Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一つの外側第二側面５６２ｃと、一つの外側第三側面（第三側面）５６８ｃと、を有している。外側第二部分５６２Ｂは、外側第二側面５６２ｃ及び外側第三側面５６８ｃを一つのみ有しており、外側後面５６２ｒを有していない。

【0068】

外側第二側面５６２ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第一側面５６１ｂに対して傾斜して延びている。外側第二側面５６２ｃは、外側第一側面５６１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうにしたがって、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜して延びている。外側第二側面５６２ｃは、外側第一側面５６１ｂに対して繋がっている。外側第二側面５６２ｃは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第二側面５６２ｃは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。外側第二側面５６２ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二側面５６２ｂと平行に形成されている。外側第二側面５６２ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二側面５６２ｂに比べて短く形成されている。

【0069】

外側第三側面５６８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｃに対して交差して延びている。外側第三側面５６８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｃと鋭角をなすように繋がっている。つまり、外側第二部分５６２Ｂでは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｃと外側第三側面５６８ｃとの間隔が、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって漸次縮小する、略三角形状に形成されている。外側第三側面５６８ｃは、外側第一側面５６１ａに連続する面であって、外側第一側面５６１ａと平行に軸方向Ｄａに延びている。外側第三側面５６８ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二部分５６２Ｂにおける周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に配置されている。外側第三側面５６８ｃは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第三側面５６８ｃは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。第二ノズルモジュール５２Ｂにおいて、外側第一側面５６１ａ及び外側第三側面５６８ｃは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｆや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｆの一部を形成する。

【0070】

外側プラットフォーム部材５６Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２に、外側湾曲面５６３ｃを有している。外側湾曲面５６３ｃは、外側プラットフォーム部材５６Ｂの周方向Ｄｃの第二側Ｄａ２で、外側第一側面５６１ｂと外側第二側面５６２ｃとの間を滑らかに湾曲して接続している。外側湾曲面５６３ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、突出するような凸面である。

【0071】

第二ノズルモジュール５２Ｂの外側プラットフォーム部材５６Ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏの外周端部５３ｏの一部の領域に接続されている。外側第一部分５６１Ｂは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。径方向Ｄｒから見て、ノズル本体５３の端部５３ｂを含む一部の領域は、外側第二部分５６２Ｂから周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に突出するように配置されている。つまり、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二部分５６２Ｂは、外周端部５３ｏの一部の領域のみと重なっており、ノズル本体５３の端部５３ｂとは重なっていない。

【0072】

図４及び図５に示すように、複数のノズルモジュール５２のうち、第三ノズルモジュール５２Ｃは、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２において、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１の端部に配置された第二ノズルモジュール５２Ｂと、第一ノズルモジュール５２Ａとの間に配置されている。

【0073】

図８に示すように、第三ノズルモジュール５２Ｃの内側プラットフォーム部材５５Ｃは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された内側第一部分５５１Ｃと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された内側第二部分５５２Ｃと、を一体に有している。

【0074】

内側第一部分５５１Ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第一部分５５１Ａや第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第一部分５５１Ｂと同じ形状に形成されている。つまり、内側第一部分５５１Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面５５１ｆと、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂと、を有している。

【0075】

内側第二部分５５２Ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二部分５５２Ａや第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第二部分５５２Ｂとは異なる形状に形成されている。内側第二部分５５２Ｃは、内側第一部分５５１Ｃに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。内側第二部分５５２Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、内側後面５５２ｓと、一対の内側第二側面５５２ｄ及び５５２ｂと、内側第三側面５５８ｄと、を有している。

【0076】

内側後面５５２ｓは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。内側後面５５２ｓは、内側前面５５１ｆに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。内側後面５５２ｓは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの内側後面５５２ｒに比べて短く形成されている。内側後面５５２ｓは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側後面５５２ｓは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0077】

一対の内側第二側面５５２ｄ及び５５２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂに対してそれぞれ傾斜して延びている。一対の内側第二側面５５２ｄ及び５５２ｂは、それぞれ、一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうに従って、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜している。内側第二側面５５２ｄは内側第一側面５５１ａに対して繋がっている。一対の内側第二側面５５２ｄ及び５５２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の内側第二側面５５２ｄ及び５５２ｂの間隔は、第一ノズルモジュール５２Ａにおける一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂの間隔Ｌ２と等しい。内側第二側面５５２ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第二側面５５２ｃと同じ長さに形成されている。内側第二側面５５２ｄは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第二側面５５２ｄは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0078】

内側第三側面５５８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｄに対して交差して延びている。内側第三側面５５８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｄと鈍角をなすように繋がっている。内側第三側面５５８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側後面５５２ｓと直角をなすように繋がっている。第三ノズルモジュール５２Ｃでは、内側第三側面５５８ｄは、内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂとは連続せず、内側第二側面５５２ｄ及び内側後面５５２ｒと連続する面である。内側第三側面５５８ｄは、内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂと平行に軸方向Ｄａに延びている。内側第三側面５５８ｄは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第三側面５５８ｄは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。内側第三側面５５８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二部分５５２Ｃにおける周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に配置されている。内側第三側面５５８ｄは、第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第三側面５５８ｃに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２で連続するように形成されている。第二ノズルモジュール５２Ｂにおいて、内側第三側面５５８ｄは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｆや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｆの一部を形成する。

【0079】

第三ノズルモジュール５２Ｃの内側プラットフォーム部材５５Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２に、内側湾曲面５５３ａ及び５５３ｂを有している。

【0080】

第三ノズルモジュール５２Ｃの内側プラットフォーム部材５５Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの内周端部５３ｉの全域に接続されている。内側第一部分５５１Ｃは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。内側第二部分５５２Ｃは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0081】

図９に示すように、第三ノズルモジュール５２Ｃの外側プラットフォーム部材５６Ｃは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された外側第一部分５６１Ｃと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された外側第二部分５６２Ｃと、を一体に有している。

【0082】

外側第一部分５６１Ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第一部分５６１Ａや第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第一部分５６１Ｂと同じ形状に形成されている。つまり、外側第一部分５６１Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面５６１ｆと、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂと、を有している。

【0083】

外側第二部分５６２Ｃは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二部分５６２Ａや第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第二部分５６２Ｂとは異なる形状に形成されている。外側第二部分５６２Ｃは、外側第一部分５６１Ｃに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。外側第二部分５６２Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、外側後面５６２ｓと、一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂと、外側第三側面５６８ｄと、を有している。

【0084】

外側後面５６２ｓは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。外側後面５６２ｓは、外側前面５６１ｆに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。外側後面５６２ｓは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの外側後面５６２ｒに比べて短く形成されている。外側後面５６２ｓは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側後面５６２ｓは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0085】

一対の外側第二側面５６２ｄ及び５６２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂに対してそれぞれ傾斜して延びている。一対の外側第二側面５６２ｄ及び５６２ｂは、それぞれ、一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうに従って、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜している。外側第二側面５６２ｄは外側第一側面５６１ａに対して繋がっている。一対の外側第二側面５６２ｄ及び５６２ｂは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の外側第二側面５６２ｄ及び５６２ｂの間隔は、第一ノズルモジュール５２Ａにおける一対の外側第二側面５６２ａ及び５６２ｂの間隔Ｌ２と等しい。外側第二側面５６２ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第二側面５６２ｃと同じ長さに形成されている。外側第二側面５６２ｄは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第二側面５６２ｄは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0086】

外側第三側面５６８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｄに対して交差して延びている。外側第三側面５６８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｄと鈍角をなすように繋がっている。外側第三側面５６８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側後面５６２ｓと直角をなすように繋がっている。第三ノズルモジュール５２Ｃでは、外側第三側面５６８ｄは、内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂとは連続せず、外側第二側面５６２ｄ及び外側後面５６２ｓと連続する面である。外側第三側面５６８ｄは、外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂと平行に軸方向Ｄａに延びている。外側第三側面５６８ｄは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第三側面５６８ｄは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。外側第三側面５６８ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二部分５６２Ｃにおける周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に配置されている。外側第三側面５６８ｄは、第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第三側面５６８ｃに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２で連続するように形成されている。第二ノズルモジュール５２Ｂにおいて、外側第三側面５６８ｄは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｆや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｆの一部を形成する。

【0087】

第三ノズルモジュール５２Ｃの外側プラットフォーム部材５６Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２に、外側湾曲面５６３ａ及び５６３ｂを有している。

【0088】

第三ノズルモジュール５２Ｃの外側プラットフォーム部材５６Ｃは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏの外周端部５３ｏの全域に接続されている。外側第一部分５６１Ｃは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。外側第二部分５６２Ｃは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0089】

図４及び図５に示すように、複数のノズルモジュール５２のうちの第四ノズルモジュール５２Ｄは、上半ノズルリング５１１及び下半ノズルリング５１２において、周方向Ｄｃの第二側Ｄｃ２の端部に配置されている。

【0090】

図１０に示すように、第四ノズルモジュール５２Ｄの内側プラットフォーム部材５５Ｄは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された内側第一部分５５１Ｄと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された内側第二部分５５２Ｄと、を一体に有している。

【0091】

内側第一部分５５１Ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第一部分５５１Ａ、第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第一部分５５１Ｂ、及び第三ノズルモジュール５２Ｃの内側第一部分５５１Ｃとは異なる大きさ（形状）で形成されている。内側第一部分５５１Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面５５１ｇと、一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄと、を有している。

【0092】

内側前面５５１ｇは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。内側前面５５１ｇは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１を向くよう形成されている。内側前面５５１ｇは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの内側前面５５１ｆに比べて長く形成されている。内側前面５５１ｇは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側前面５５１ｇは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0093】

一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側前面５５１ｇに対して直交するように、それぞれ、軸方向Ｄａに延びている。一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、内側前面５５１ｇにおける周方向Ｄｃの両端から軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって延びている。一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、周方向Ｄｃにおいて反対方向を向く面である。内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。径方向Ｄｒから見た際に、一対の内側第一側面５５１ｃ及び５５１ｄの間隔Ｌ５は、第一ノズルモジュール５２Ａの一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂの間隔Ｌ１と異なっている。本実施形態では、間隔Ｌ５は、間隔Ｌ１よりも大きい。

【0094】

なお、間隔Ｌ５は、間隔Ｌ１よりも大きいことに限定されるものではなく、形成するノズルリング５１の大きさに合わせて適宜設定される。したがって、間隔Ｌ５は、間隔Ｌ１よりも小さくてよく、同じであってもよい。

【0095】

内側第二部分５５２Ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二部分５５２Ａ、第二ノズルモジュール５２Ｂの内側第二部分５５２Ｂ、及び第三ノズルモジュール５２Ｃの内側第二部分５５２Ｃとは異なる形状に形成されている。内側第二部分５５２Ｄは、内側第一部分５５１Ｄに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。内側第二部分５５２Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、一つの内側第二側面５５２ｄと、一つの内側第三側面５５８ｅと、内側後面５５２ｔとを有している。内側第二部分５５２Ｄは、内側第二側面５５２ｄ及び内側第三側面５５８ｅを一つのみ有している。

【0096】

内側後面５５２ｔは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。内側後面５５２ｔは、内側前面５５１ｇに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。内側後面５５２ｔは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの内側後面５５２ｒに比べて長く形成されている。内側後面５５２ｔは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側後面５５２ｔは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0097】

内側第二側面５５２ｄは、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１の内側第一側面５５１ｃに対して傾斜して延びている。内側第二側面５５２ｄは、内側第一側面５５１ｃから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうにしたがって、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜して延びている。内側第二側面５５２ｄは、内側第一側面５５１ｃに対して繋がっている。内側第二側面５５２ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側第二側面５５２ｂと平行に形成されている。内側第二側面５５２ｄは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第二側面５５２ｄは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。

【0098】

内側第三側面５５８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｄに対して交差して延びている。内側第三側面５５８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、内側後面５５２ｔと直角をなすように繋がっている。内側第三側面５５８ｅは、内側第一側面５５１ｄに連続する面であって、内側第一側面５５１ｄと平行に軸方向Ｄａに延びている。内側第三側面５５８ｅは、内側内周面５５ｆに対して交差している。内側第三側面５５８ｅは、内側外周面５５ｇに対して直交（交差）している。内側第三側面５５８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二部分５５２Ｄにおける周方向Ｄｃの第二側Ｄｃ２に配置されている。これらにより、内側第二部分５５２Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、内側第二側面５５２ｄと内側第三側面５５８ｅとの間隔が、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって漸次拡大する、略台形状に形成されている。第四ノズルモジュール５２Ｄにおいて、内側第一側面５５１ｄ及び内側第三側面５５８ｅは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｇや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｇを形成する。

【0099】

内側プラットフォーム部材５５Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に、内側湾曲面５５３ｅを有している。内側湾曲面５５３ｅは、内側プラットフォーム部材５５Ｄの周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１で、内側第一側面５５１ｃと内側第二側面５５２ｄとの間を湾曲して滑らかに接続している。内側湾曲面５５３ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、窪むような凹面である。内側湾曲面５５３ｅは、第一ノズルモジュール５２Ａの内側湾曲面５５３ｂと隙間なく接触する形状に形成されていることが好ましい。

【0100】

第四ノズルモジュール５２Ｄの内側プラットフォーム部材５５Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの内周端部５３ｉの全域に接続されている。内側第一部分５５１Ｄは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。内側第二部分５５２Ｄは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0101】

図１１に示すように、第四ノズルモジュール５２Ｄの外側プラットフォーム部材５６Ｄは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成された外側第一部分５６１Ｄと、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に形成された外側第二部分５６２Ｄと、を一体に有している。

【0102】

外側第一部分５６１Ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第一部分５６１Ａ、第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第一部分５６１Ｂ、及び第三ノズルモジュール５２Ｃの外側第一部分５６１Ｃとは異なる大きさ（形状）で形成されている。外側第一部分５６１Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面５６１ｇと、一対の外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄと、を有している。

【0103】

外側前面５６１ｇは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。外側前面５６１ｇは、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１を向くよう形成されている。外側前面５６１ｇは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの外側前面５６１ｆに比べて長く形成されている。外側前面５６１ｇは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側前面５６１ｇは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0104】

一対の外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側前面５６１ｇに対して直交するように、それぞれ、軸方向Ｄａに延びている。一対の外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、外側前面５６１ｇにおける周方向Ｄｃの両端から軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって延びている。一対の外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、互いに平行に延びている。一対の外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、周方向Ｄｃにおいて反対方向を向く面である。外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第一側面５６１ｃ及び５６１ｄは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。径方向Ｄｒから見た際に、一対の外第一側面５６１ｃ及び５６１ｄの間隔Ｌ６は、第一ノズルモジュール５２Ａの一対の外側第一側面５６１ａ及び５６１ｂの間隔Ｌ３と異なっている。本実施形態では、間隔Ｌ６は、間隔Ｌ３よりも大きい。

【0105】

なお、間隔Ｌ６は、間隔Ｌ３よりも大きいことに限定されるものではなく、形成するノズルリング５１の大きさに合わせて適宜設定される。したがって、間隔Ｌ６は、間隔Ｌ３よりも小さくてよく、同じであってもよい。

【0106】

外側第二部分５６２Ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二部分５６２Ａ、第二ノズルモジュール５２Ｂの外側第二部分５６２Ｂ、及び第三ノズルモジュール５２Ｃの外側第二部分５６２Ｃとは異なる形状に形成されている。外側第二部分５６２Ｄは、外側第一部分５６１Ｄに対して軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に一体に延びるように形成されている。外側第二部分５６２Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、一つの外側第二側面５６２ｄと、一つの外側第三側面５６８ｅと、外側後面５６２ｔとを有している。外側第二部分５６２Ｄは、外側第二側面５６２ｄ及び外側第三側面５６８ｅを一つのみ有している。

【0107】

外側後面５６２ｔは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃに延びている。外側後面５６２ｔは、外側前面５６１ｇに対して反対を向くように、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２を向くよう形成されている。外側後面５６２ｔは、径方向Ｄｒから見た際に、第一ノズルモジュール５２Ａの外側後面５６２ｒに比べて長く形成されている。外側後面５６２ｔは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側後面５６２ｔは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0108】

外側第二側面５６２ｄは、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１の外側第一側面５６１ｃに対して傾斜して延びている。外側第二側面５６２ｄは、外側第一側面５６１ｃから軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かうにしたがって、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に向かうように、傾斜して延びている。外側第二側面５６２ｄは、外側第一側面５６１ｃに対して繋がっている。外側第二側面５５２ｄは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側第二側面５６２ｂと平行に形成されている。外側第二側面５６２ｄは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第二側面５６２ｄは、外側外周面５６ｇに対して直交（交差）している。

【0109】

外側第三側面５６８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｄに対して交差して延びている。外側第三側面５６８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、外側後面５６２ｔと直角をなすように繋がっている。外側第三側面５６８ｅは、外側第一側面５６１ｄに連続する面であって、外側第一側面５６１ｄと平行に軸方向Ｄａに延びている。外側第三側面５６８ｅは、外側内周面５６ｆに対して交差している。外側第二側面５６２ｄは、外側第三側面５６８ｅに対して直交（交差）している。外側第三側面５６８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二部分５６２Ｄにおける周方向Ｄｃの第二側Ｄｃ２に配置されている。これらにより、外側第二部分５６２Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、外側第二側面５６２ｄと外側第三側面５６８ｅとの間隔が、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に向かって漸次拡大する、略台形状に形成されている。第四ノズルモジュール５２Ｄにおいて、外側第一側面５６１ｄ及び外側第三側面５６８ｅは、上半ノズルリング５１１の上半リング分割面５１１ｇや下半ノズルリング５１２の下半リング分割面５１２ｇを形成する。

【0110】

外側プラットフォーム部材５６Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１に、外側湾曲面５６３ｅを有している。外側湾曲面５６３ｅは、外側プラットフォーム部材５６Ｄの周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１で、外側第一側面５６１ｃと外側第二側面５６２ｄとの間を湾曲して滑らかに接続している。外側湾曲面５６３ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、窪むような凹面である。外側湾曲面５６３ｅは、第一ノズルモジュール５２Ａの外側湾曲面５６３ｂと隙間なく接触する形状に形成されていることが好ましい。

【0111】

第四ノズルモジュール５２Ｄの外側プラットフォーム部材５６Ｄは、径方向Ｄｒから見た際に、ノズル本体５３の径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの外周端部５３ｏの全域に接続されている。外側第一部分５６１Ｄは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。外側第二部分５６２Ｄは、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0112】

（ノズルダイアフラムの組立方法）
図１２に示すように、本開示の実施形態に係るノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０は、内輪６、外輪７、及びノズルモジュール５２を準備する工程Ｓ１１と、内輪６を配置する工程Ｓ１２と、ノズルモジュール５２を配置する工程Ｓ１３と、外輪７を配置する工程Ｓ１４と、内輪６と内側プラットフォーム部材５５とを溶接する工程Ｓ１５と、外輪７と外側プラットフォーム部材５６とを溶接する工程Ｓ１６と、を含む。

【0113】

内輪６、外輪７、及びノズルモジュール５２を準備する工程Ｓ１１では、内輪６、外輪７、及び複数のノズルモジュール５２をそれぞれ準備する。内輪６は、内輪６を構成する上半内輪部材６１及び下半内輪部材６２を、それぞれ所定形状に製造する。外輪７は、外輪７を構成する上半外輪部材７１及び下半外輪部材７２を、それぞれ所定形状に製造する。また、複数のノズルモジュール５２として、プラットフォーム部材５４の構成が異なる複数種類のノズルモジュール５２を製造する。本実施形態では、ノズルモジュール５２として、第一ノズルモジュール５２Ａと、第二ノズルモジュール５２Ｂと、第三ノズルモジュール５２Ｃと、第四ノズルモジュール５２Ｄとを複数準備する。第一ノズルモジュール５２Ａと、第二ノズルモジュール５２Ｂと、第三ノズルモジュール５２Ｃと、第四ノズルモジュール５２Ｄとは、それぞれ所定の金属材料から、加工機械による切削加工により一つの部材として製造する。ここで、一つの部材とは、溶接等によって複数の部品を接合す部材ではなく、材料から削り出す等により、接合面の無い一つの部品として形成された部材である。

【0114】

内輪６を配置する工程Ｓ１２では、図１３に示すように、まず、上半内輪部材６１と、下半内輪部材６２とを上下に組み合わせて、円環状の内輪６を組み立てる。上半内輪部材６１の周方向Ｄｃの両端部６１ａ及び６１ｂと、下半内輪部材６２の周方向Ｄｃの両端部６２ａ及び、６２ｂとは、ボルト等の連結部材によって連結する。組み立てた内輪６は、ノズルダイアフラム５の組立を行う所定の場所に配置する。内輪６は、必要に応じ、架台（図示せず）等によって支持するようにしてもよい。

【0115】

ノズルモジュール５２を配置する工程Ｓ１３では、図１４に示すように、内輪６の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、複数のノズルモジュール５２を配置する。各ノズルモジュール５２は、内側プラットフォーム部材５５を、内輪６の外周面に沿わせた状態で配置する。周方向Ｄｃで隣り合うノズルモジュール５２同士は、内側プラットフォーム部材５５同士と外側プラットフォーム部材５６同士と隣り合わせて配置する。上半内輪部材６１及び下半内輪部材６２の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏには、それぞれ、所定数の第一ノズルモジュール５２Ａを周方向Ｄｃに並べて配置する。周方向Ｄｃの第一側Ｄｃ１の端部には、第二ノズルモジュール５２Ｂ及び第三ノズルモジュール５２Ｃを配置する。周方向Ｄｃの第二側Ｄｃ２の端部には、第四ノズルモジュール５２Ｄを配置する。これにより、周方向Ｄｃの全周にわたって、複数のノズルモジュール５２が並べて配置され、上半ノズルリング５１１、及び下半ノズルリング５１２が形成される。

【0116】

工程Ｓ１３において、周方向Ｄｃで隣り合う内側プラットフォーム部材５５同士では、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１で、内側第一部分５５１Ａ同士や、内側第一部分５５１Ａと内側第一部分５５１Ｃや、内側第一部分５５１Ｂと内側第一部分５５１Ｃや、内側第一部分５５１Ａと内側第一部分５５１Ｄが周方向Ｄｃで互いに接触する。さらに、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２で、内側第二部分５５２Ａ同士や、内側第二部分５５２Ａと内側第二部分５５２Ｃや、内側第二部分５５２Ｂと内側第二部分５５２Ｃや、内側第二部分５５２Ａと内側第二部分５５２Ｄが周方向Ｄｃで互いに接触する。同様に、周方向Ｄｃで隣り合う外側プラットフォーム部材５６同士では、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１で、外側第一部分５６１Ａ同士や、外側第一部分５６１Ａと外側第一部分５６１Ｃや、外側第一部分５６１Ｂと外側第一部分５６１Ｃや、外側第一部分５６１Ａと外側第一部分５６１Ｄが周方向Ｄｃで互いに接触する。さらに、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２で、外側第二部分５６２Ａ同士や、外側第二部分５６２Ａと外側第二部分５６２Ｃや、外側第二部分５６２Ｂと外側第二部分５６２Ｃや、外側第二部分５６２Ａと外側第二部分５６２Ｄが周方向Ｄｃで互いに接触する。その際、内側プラットフォーム部材５５及び外側プラットフォーム部材５６における周方向Ｄｃの側面である第一側面及び第二側面を接触させる。これにより、周方向Ｄｃで隣り合う内側プラットフォーム部材５５同士は、軸方向Ｄａにおける相対的な位置ずれを抑えられた状態で配置される。

【0117】

外輪７を配置する工程Ｓ１４では、図１５に示すように、上半外輪部材７１と、下半外輪部材７２とを、上下に組み合わせて、円環状の外輪７を組み立てる。上半外輪部材７１の周方向Ｄｃの両端部７１ａ及び７１ｂと、下半外輪部材７２の周方向Ｄｃの両端部７２ａ及び、７２ｂとは、ボルト等の連結部材によって連結する。その後、図２に示すように、組み立てた外輪７は、内輪６に対して径方向Ｄｒの外側に並べられた複数のノズルモジュール５２に対し、径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置される。

【0118】

内輪６と内側プラットフォーム部材５５とを溶接する工程Ｓ１５では、内輪６の外周面と、各ノズルモジュール５２の内側プラットフォーム部材５５とを、例えば電子ビーム溶接（ＥＢＷ）により接合する。これにより、内輪６と内側プラットフォーム部材５５の内側内周面５５ｆとの間に、内側溶接部５８が形成される。ここで、この工程Ｓ１５は、外輪７を配置する工程Ｓ１４を終えた後に行ってもよいが、外輪７を配置する工程Ｓ１４も先立ち、内輪６の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、複数のノズルモジュール５２を配置した段階で実施するようにしてもよい。さらに、内輪６の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、一つのノズルモジュール５２を配置する度に、各ノズルモジュール５２を内輪６に順次溶接するようにしてもよい。

【0119】

外輪７と外側プラットフォーム部材５６とを溶接する工程Ｓ１６では、外輪７の内周面と、各ノズルモジュール５２の外側プラットフォーム部材５６の外側外周面５６ｇとを、例えば電子ビーム溶接（ＥＢＷ）により接合する。これにより、外輪７と、周方向Ｄｃに複数並べて配置されたノズルモジュール５２のそれぞれにおいて、外輪７と外側プラットフォーム部材５６の外側内周面５６ｆとの間に、外側溶接部５９が形成される。このようにして、ノズルダイアフラム５の組立が完了する。

【0120】

なお、上記においては、円環状とした内輪６の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、複数のノズルモジュール５２を配置し、さらに径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、円環状とした外輪７を配置するようにしたが、このような方法に限定されるものではない。例えば、上半内輪部材６１の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、複数のノズルモジュール５２を接合した後に、その径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、上半外輪部材７１を接合してもよい。また、下半内輪部材６２の径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、複数のノズルモジュール５２を接合した後に、にその径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、下半外輪部材７２を接合してもよい。その後、上半内輪部材６１と下半内輪部材６２、及び上半外輪部材７１と下半外輪部材７２とを繋げることで、円環状のノズルダイアフラム５を構成することもできる。

【0121】

（蒸気タービンの組立方法）
次に、上記したようなノズルダイアフラム５を用いた蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０について説明する。図１６に示すように、本開示の実施形態に係る蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０は、ケーシング２を準備する工程Ｓ２１と、ノズルダイアフラム５を組み込む工程Ｓ２２と、ケーシング２を閉じる工程Ｓ２３と、を含む。

【0122】

ケーシング２を準備する工程Ｓ２１では、ケーシング２を構成する上半ケーシング２１、及び下半ケーシング２２を所定形状に製造する。図１７に示すように、下半ケーシング２２は、蒸気タービン１の設置場所に、支持脚（図示無し）を介して配置する。なお、既に設置済みの蒸気タービン１のメンテナンスの際に蒸気タービン１を組み立てる場合、下半ケーシング２２を新たに設置する必要はない。また、上半ケーシング２１は、下半ケーシング２２上に載置せず、下半ケーシング２２を、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに向けて開口させた状態とする。

【0123】

ノズルダイアフラム５を組み込む工程Ｓ２２では、図１８に示すように、ケーシング２内に、ロータ３、及びノズルダイアフラム５を組み込む。本開示の実施形態では、ノズルダイアフラム５は、予め、ノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０によって組み立てられた円環状のものをケーシング２内に組み込む。ここで、ロータ３、及びノズルダイアフラム５の具体的な組込手順は、何ら限定するものではない。

【0124】

ケーシング２を閉じる工程Ｓ２３では、ロータ３、及びノズルダイアフラム５を組み込んだケーシング２を閉じる。本開示の実施形態では、下半ケーシング２２上に、上半ケーシング２１を載置し、下半ケーシング２２と上半ケーシング２１とを、上半ケーシング分割面と下半ケーシング分割面とが互いに接触した状態で、不図示のボルト等の締結部材で固定する。これにより、ケーシング２が閉じられ、図１に示すように、蒸気タービン１の組立が完成する。

【0125】

（蒸気タービンの分解方法）
次に、上記したようなノズルダイアフラム５を用いた蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０について説明する。図１９に示すように、本開示の実施形態に係る蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０は、ケーシング２の一部を開く工程Ｓ３１と、ノズルダイアフラム５を取り外す工程Ｓ３２、を含む。

【0126】

ケーシング２の一部を開く工程Ｓ３１では、ノズルダイアフラム５を取り出すため、ケーシング２の一部を開く。これには、上半ケーシング分割面と下半ケーシング分割面とが互いに接触した部分で締結部材を取り外し、下半ケーシング２２と上半ケーシング２１との連結を解除する。その後、上半ケーシング２１を取り外す。これにより、図１８に示すように、下半ケーシング２２が、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに向けて開口した状態となる。

【0127】

ノズルダイアフラム５を取り外す工程Ｓ３２では、ケーシング２から、ロータ３、及びノズルダイアフラム５を取り外す。本開示の実施形態では、ロータ３、及びノズルダイアフラム５は、下半ケーシング２２から上方に取り外す。ここで、ロータ３、及びノズルダイアフラム５の具体的な取り外し手順は、何ら限定するものではない。これにより、図１９に示すように、下半ケーシング２２のみが、鉛直方向Ｄｖの上方Ｄｖｕに向けて開口した状態で残ることとなる。

【0128】

このようにして、蒸気タービン１の分解が完了する。その後、ケーシング２、ロータ３、ノズルダイアフラム５に、必要に応じてメンテナンスを施す。ノズルダイアフラム５は、使用後のノズルダイアフラム５と、新たなノズルダイアフラム５とを交換してもよい。その場合、蒸気タービン１の分解後、蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０により、新たなノズルダイアフラム５を蒸気タービン１に組み込む。

【0129】

（作用効果）
上述したようなノズルモジュール５２は、内輪６と外輪７との間に、周方向Ｄｃに複数並べて配置されることで、ノズルリング５１を構成している。各ノズルモジュール５２のプラットフォーム部材５４は、第一部分である内側第一部分５５１及び外側第一部分５６１と、第二部分である内側第二部分５５２及び外側第二部分５６２とを有している。内側第一部分５５１は、軸方向Ｄａに延びる一対の内側第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、及び５５１ｄを有している。これに対し、内側第二部分５５２は、内側第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、及び５５２ｄを有している。同様に、外側第一部分５６１は、軸方向Ｄａに延びる一対の外側第一側面５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄを有している。これに対し、外側第二部分５６２は、外側第二側面５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、及び５６２ｄを有している。その結果、内側第二部分５５２及び外側第二部分５６２は、径方向Ｄｒから見た際に、内側第一部分５５１及び外側第一部分５６１に対して屈曲するように傾斜して延びている。このような内側第一部分５５１同士と内側第二部分５５２同士や、外側第一部分５６１同士と外側第二部分５６２同士が組み合わされることで、ノズルモジュール５２同士における軸方向Ｄａにおける相対的な位置ずれを抑えることができる。その結果、位置ずれを抑えて複数のノズルモジュール５２を高い精度で確実に組み立てることができる。また、内側第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、及び５５１ｄや、外側第一側面５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄは、中心軸Ｏに対して平行に延びている。そのため、複数のノズルモジュール５２を並べる際には、内側第一部分５５１及び外側第一部分５６１を並べるだけで、精度の高いノズルリング５１を容易に形成できる。これらによって、高い精度を有したノズルリング５１を製作することが可能なノズルモジュール５２を容易かつ確実に得ることができる。

【0130】

また、第一ノズルモジュール５２Ａ、第三ノズルモジュール５２Ｃ、及び第四ノズルモジュール５２Ｄにおいては、内側第一部分５５１及び外側第一部分５６１は、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１のノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置されている。さらに、内側第二部分５５２及び外側第二部分５６２は、径方向Ｄｒから見て、軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２のノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。これにより、翼型形状を有するノズル本体５３の形状に対応した形状でプラットフォーム部材５４を形成できる。その結果、ノズル本体５３を安定して支持しつつ、第一部分及び第二部分を有するプラットフォーム部材５４を最小限の大きさで形成することができる。

【0131】

また、第一ノズルモジュール５２Ａにおいては、内側第一部分５５１Ａでの一対の内側第一側面５５１ａ及び５５１ｂ同士の間隔Ｌ１と、内側第二部分５５２Ａでの一対の内側第二側面５５２ａ及び５５２ｂ同士の間隔Ｌ２とが同じとされている。その結果、第一部分５５１及び５６１に対する第二部分５５２及び５６２の形状を複雑に設計する必要が無い。これにより、ノズルモジュール５２を容易に設計して製作できる。

【0132】

また、各プラットフォーム部材５４は、径方向Ｄｒから見た際に、周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２の少なくとも一方に、内側湾曲面５５３ａ、５５３ｂ、５５３ｃ、５５３ｅや外側湾曲面５６３ａ、５６３ｂ、５６３ｃ、５６３ｅを有する。これにより、内側第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、及び５５１ｄと内側第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、及び５５２ｄとの接続部分や、外側第一側面５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄと外側第二側面５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、及び５６２ｄの接続部分とが滑らかに接続される。したがって、各プラットフォーム部材５４を製造する際に、第一側面と第二側面とを連続する面として容易に加工することができる。

【0133】

また、第二ノズルモジュール５２Ｂ、第三ノズルモジュール５２Ｃ、及び第四ノズルモジュール５２Ｄにおいて、第二部分５５２及び５６２は、軸方向Ｄａに延びる内側第三側面５５８ｃ、５５８ｄ、及び５５８ｅや、外側第三側面５６８ｃ、５６８ｄ、５６８ｅを有している。これにより、第二部分５５２及び５６２に、内側第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、及び５５１ｄや、外側第一側面５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄと平行な面が形成される。これにより、ノズルリング５１を鉛直方向Ｄｖで二分割したような上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２とを備えた構成とする場合、上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２との分割面を第二部分５５２及び５６２にも形成できる。特に、本実施形態では、内側第一側面５５１ａと内側第三側面５５８ｃと内側第三側面５５８ｄや、外側第一側面５６１ａと外側第三側面５６８ｃと外側第三側面５６８ｄや、内側第一側面５５１ｄと内側第三側面５５８ｅや、外側第一側面５６１ｄと外側第三側面５６８ｅは、径方向Ｄｒから見た際に、連続して直線状に延びている。これにより、上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２との分割面を、軸方向Ｄａに延びる直線状に容易に形成することができる。

【0134】

また、各ノズルモジュール５２のプラットフォーム部材５４は、ノズル本体５３と繋がった内側内周面５５ｆ及び外側内周面５６ｆと反対側に、周方向Ｄｃに延び、周方向Ｄｃから見た際に、中心軸Ｏと平行な内側外周面５５ｇ及び外側外周面５６ｇと、を有している。したがって、径方向Ｄｒにおいてプラットフォーム部材５４の最も外側である内側外周面５５ｇ及び外側外周面５６ｇは、軸方向Ｄａにまっすぐに延びている状態となっている。そのため、内側外周面５５ｇに対して径方向Ｄｒで対向する内輪６の外周面と内側外周面５５ｇとの境界や、外側外周面５６ｇに対して径方向Ｄｒで対向する外輪７の内周面と外側外周面５６ｇとの境界が周方向Ｄｃから見て中心軸Ｏと平行に延びる直線となるような単純な形状となる。これにより、内側溶接部５８や外側溶接部５９を形成する際の溶接作業が容易になる。したがって、プラットフォーム部材５４と、内輪６や外輪７とを溶接により接合する際の溶接作業性を向上させることができる。

【0135】

また、各ノズルモジュール５２のプラットフォーム部材５４として、内側プラットフォーム部材５５と、外側プラットフォーム部材５６と、を備えている。そのため、内側プラットフォーム部材５５及び外側プラットフォーム部材５６のノズル本体５３を挟んで径方向Ｄｒの両側で強固に接続することができる。したがって、軸方向Ｄａにおける相対的な位置ずれをより効果的に抑えることができる。

【0136】

また、内側第一部分５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、及び５５１Ｄと外側第一部分５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、及び５６１Ｄとは間隔Ｌ１及びＬ３が異なっており、それぞれ大きさが異なっている。同様に、内側第二部分５５２Ａ、５５２Ｂ、５５２Ｃ、及び５５２Ｄと、外側第二部分５６２Ａ、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄとは間隔Ｌ２及びＬ３が異なっており、それぞれ大きさが異なっている。したがって、ノズル本体５３を挟んで径方向Ｄｒの両側でプラットフォーム部材５４の形状が変えられている。これにより、内輪６や外輪７の形状や大きさに合わせて、適切にノズルモジュール５２を形成することができる。

【0137】

また、ノズルダイアフラム５及びノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０では、上述したようなノズルモジュール５２を、内輪６と外輪７との間に複数並んで配置してノズルリング５１が形成されている。その結果、高い精度を有したノズルリング５１を備えたノズルダイアフラム５を容易かつ確実に製作できる。

【0138】

また、ノズルダイアフラム５は、内側溶接部５８で内輪６とプラットフォーム部材５４とが接合され、外側溶接部５９で外輪７とプラットフォーム部材５４とが接合されている。その結果、高い精度を有したノズルリング５１を備えたノズルダイアフラム５を強固に製作することができる。

【0139】

また、ノズルダイアフラム５は、同一形状の第一ノズルモジュール５２Ａを複数備える。同一形状の第一ノズルモジュール５２Ａを複数備えることで、ノズルリング５１を構成する部品の種類数を抑えることができる。したがって、ノズルリング５１を構成するノズルモジュール５２を効率良く製作することができる。

【0140】

上述したような蒸気タービン１及び蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０では、上記したようなノズルモジュール５２を用いて構成した精度の高いノズルダイアフラム５を用いることで、組立時の作業効率を向上させて蒸気タービン１を製造することができる。

【0141】

上述したような蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０では、上記したようなノズルモジュール５２を用いることで、蒸気タービン１を容易に分解することができる。

【0142】

（その他の実施形態）
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。

【0143】

なお、上記実施形態では、ケーシング２を、上半ケーシング２１と下半ケーシング２２とに上下に二分割された構成とし、上半ケーシング２１を取り外した状態で、ロータ３、及びノズルダイアフラム５の組込、取り外しを行うようにしたが、これに限るものではない。例えば、ケーシング２を、軸方向Ｄａに延びる筒状に構成し、ロータ３、及びノズルダイアフラム５の組込、取り外しは、ケーシング２に対して軸方向Ｄａに移動させる構成としてもよい。

【0144】

また、上記実施形態では、ノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０、蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０、蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０の手順に説明したが、その順序は適宜変更可能である。

【0145】

実施形態に記載のノズルモジュール５２、ノズルダイアフラム５、蒸気タービン１、ノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０、蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０、及び蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０は、例えば以下のように把握される。

【0146】

（１）第１の態様に係るノズルモジュール５２は、中心軸Ｏ回りの周方向Ｄｃに延びる内輪６と、前記内輪６に対して前記中心軸Ｏを中心とした径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されて前記周方向Ｄｃに延びる外輪７と、の間に配置可能とされるノズルリング５１を構成するノズルモジュール５２であって、断面が翼型形状をなして前記径方向Ｄｒに延びるノズル本体５３と、前記径方向Ｄｒでの前記ノズル本体５３の端部に一体にそれぞれ接続されたプラットフォーム部材５４と、を備え、前記プラットフォーム部材５４は、前記径方向Ｄｒから見た際に、前記中心軸Ｏの延びる軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１に形成され、前記軸方向Ｄａに延びる一対の第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄを有した第一部分５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ、５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄと、前記径方向Ｄｒから見た際に、前記第一部分５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ、５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄに対して前記軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２に延びるように形成され、前記第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄに対して傾斜して延びる第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、５５２ｄ、５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、５６２ｄを有した第二部分５５２、５５２Ａ、５５２Ｂ、５５２Ｃ、５５２Ｄ、５６２、５６２Ａ、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄと、を備える。

【0147】

これにより、第二部分５５２及び５６２は、径方向Ｄｒから見た際に、第一部分５５１及び５６１に対して屈曲するように傾斜して延びている。このような第一部分５５１同士と第二部分５５２同士が組み合わされることで、ノズルモジュール５２同士における軸方向Ｄａにおける相対的な位置ずれを抑えることができる。その結果、位置ずれを抑えて複数のノズルモジュール５２を高い精度で確実に組み立てることができる。また、第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄは、中心軸Ｏに対して平行に延びている。そのため、複数のノズルモジュール５２を並べる際には、第一部分５５１及び５６１を並べるだけで、精度の高いノズルリング５１を容易に形成できる。これらによって、容易かつ確実に、精度の高いノズルリング５１を製作可能なノズルモジュール５２を得ることができる。

【0148】

（２）第２の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）のノズルモジュール５２であって、前記第一部分５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ、５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄは、前記径方向Ｄｒから見て、前記軸方向Ｄａの第一側Ｄａ１の前記ノズル本体５３の端部５３ａと重なるように配置され、前記第二部分５５２、５５２Ａ、５５２Ｃ、５５２Ｄ、５６２、５６２Ａ、５６２Ｃ、５６２Ｄは、前記径方向Ｄｒから見て、前記軸方向Ｄａの第二側Ｄａ２の前記ノズル本体５３の端部５３ｂと重なるように配置されている。

【0149】

これにより、翼型形状を有するノズル本体５３の形状に対応した形状でプラットフォーム部材５４を形成できる。その結果、ノズル本体５３を安定して支持しつつ、第一部分及び第二部分を有するプラットフォーム部材５４を最小限の大きさで形成することができる。

【0150】

（３）第３の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）又は（２）のノズルモジュール５２であって、前記第二部分５５２、５５２Ａ、５５２Ｃ、５６２、５６２Ａ、５６２Ｃは、前記径方向Ｄｒから見た際に、前記第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５６２ａ、５６２ｂを一対有し、前記径方向Ｄｒから見た際に、一対の前記第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄの間隔Ｌ１と、一対の前記第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５６２ａ、５６２ｂの間隔Ｌ２が等しい。

【0151】

これにより、第一部分５５１及び５６１に対する第二部分５５２及び５６２の形状を複雑に設計する必要が無い。これにより、ノズルモジュール５２を容易に設計して製作できる。

【0152】

（４）第４の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）から（３）の何れか一つのノズルモジュール５２であって、前記プラットフォーム部材５４は、前記径方向Ｄｒから見た際に、前記周方向Ｄｃの第一側Ｄａ１及び第二側Ｄａ２の少なくとも一方に、前記第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄと前記第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、５５２ｄ、５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、５６２ｄとの間を湾曲して接続する湾曲面５５３ａ、５５３ｂ、５５３ｃ、５５３ｅ、５６３ａ、５６３ｂ、５６３ｃ、５６３ｅを有する。

【0153】

これにより、第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄと第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、５５２ｄ、５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、及び５６２ｄとの接続部分が滑らかに接続される。したがって、各プラットフォーム部材５４を製造する際に、第一側面と第二側面とを連続する面として容易に加工することができる。

【0154】

（５）第５の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）から（４）の何れか一つのノズルモジュール５２であって、前記第二部分５５２、５５２Ｂ、５５２Ｃ、５５２Ｄ、５６２、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄとは、前記第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、５６１ｄと平行に前記軸方向Ｄａに延びる第三側面５５８ｃ、５５８ｄ、５５８ｅ、５６８ｃ、５６８ｄ、５６８ｅを有する。

【0155】

これにより、第二部分５５２及び５６２に、第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、及び５６１ｄと平行な面が形成される。これにより、ノズルリング５１を鉛直方向Ｄｖで二分割したような上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２とを備えた構成とする場合、上半ノズルリング５１１と下半ノズルリング５１２との分割面を第二部分５５２及び５６２にも形成できる。

【0156】

（６）第６の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）から（５）の何れか一つのノズルモジュール５２であって、前記プラットフォーム部材５４は、前記ノズル本体５３と接続された内周面５５ｆ、５６ｆと、前記径方向Ｄｒにおいて前記内周面５５ｆ、５６ｆと反対側を向き、前記第一側面５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ、５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、５６１ｄ及び前記第二側面５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、５５２ｄ、５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、５６２ｄと交差するように前記周方向Ｄｃに延び、前記周方向Ｄｃから見た際に、前記中心軸と平行な外周面５５ｇ、５６ｇと、を有する。

【0157】

これにより、径方向Ｄｒにおいてプラットフォーム部材５４の最も外側である外周面５５ｇ及び５６ｇは、軸方向Ｄａにまっすぐに延びた状態となっている。そのため、外周面５５ｇ及び５６ｇに対して径方向Ｄｒで対向する内輪６や外輪７との境界が周方向Ｄｃから見て中心軸Ｏと平行に延びる直線となるような単純な形状となる。これにより、溶接する際の溶接作業が容易になる。したがって、プラットフォーム部材５４と、内輪６や外輪７とを溶接により接合する際の溶接作業性を向上させることができる。

【0158】

（７）第７の態様に係るノズルモジュール５２は、（１）から（６）の何れか一つのノズルモジュール５２であって、前記プラットフォーム部材５４は、前記ノズル本体５３における前記径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉの内周端部５５ｉに一体に接続された内側プラットフォーム部材５５と、前記ノズル本体５３における前記径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏの外周端部５５ｏに一体に接続された外側プラットフォーム部材５６と、を備え、前記内側プラットフォーム部材５５は、前記第一部分として内側第一部分５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ、前記第二部分として内側第二部分５５２、５５２Ａ、５５２Ｂ、５５２Ｃ、５５２Ｄを有し、前記外側プラットフォーム部材５６は、前記第一部分として外側第一部分５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄ、前記第二部分として外側第二部分５６２、５６２Ａ、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄを有し、前記内側第一部分５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ及び前記外側第一部分５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄと、前記内側第二部分５５２、５５２Ａ、５５２Ｂ、５５２Ｃ、５５２Ｄ及び前記外側第二部分５６２、５６２Ａ、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄとは、それぞれ異なる形状で形成されている。

【0159】

これにより、内側プラットフォーム部材５５及び外側プラットフォーム部材５６のノズル本体５３を挟んで径方向Ｄｒの両側で強固に接続することができる。したがって、軸方向Ｄａにおける相対的な位置ずれをより効果的に抑えることができる。さらに、ノズル本体５３を挟んで径方向Ｄｒの両側でプラットフォーム部材５４の形状が変えられている。これにより、内輪６や外輪７の形状や大きさに合わせて、適切にノズルモジュール５２を形成することができる。

【0160】

（８）第８の態様に係るノズルダイアフラム５は、（１）から（７）の何れか一つのノズルモジュール５２と、前記ノズルモジュール５２に対して前記径方向Ｄｒの内側Ｄｒｉに配置されて前記周方向Ｄｃに延びる内輪６と、前記ノズルモジュール５２に対して前記径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されて前記周方向Ｄｃに延びる外輪７と、を備え、前記ノズルモジュール５２は、前記内輪６と前記外輪７との間に複数並んで配置されてノズルリング５１を形成している。

【0161】

これにより、高い精度を有したノズルリング５１を備えたノズルダイアフラム５を容易かつ確実に製作できる。

【0162】

（９）第９の態様に係るノズルダイアフラム５は、（８）のノズルダイアフラム５であって、前記内輪６と複数の前記プラットフォーム部材５４との間に形成され、前記内輪６と前記プラットフォーム部材５４とを接合している内側溶接部５８と、前記外輪７と複数の前記プラットフォーム部材５４との間に形成され、前記外輪７と前記プラットフォーム部材５４とを接合している外側溶接部５９と、をさらに備える。

【0163】

これにより、高い精度を有したノズルリング５１を備えたノズルダイアフラム５を強固に製作することができる。

【0164】

（１０）第１０の態様に係るノズルダイアフラム５は、（８）又は（９）のノズルダイアフラム５であって、同一形状の前記ノズルモジュール５２を複数備える。

【0165】

このように、同一形状のノズルモジュール５２Ａを複数備えることで、ノズルリング５１を構成する部品の種類数を抑えることができる。したがって、ノズルリング５１を構成するノズルモジュール５２を効率良く製作することができる。

【0166】

（１１）第１１の態様に係る蒸気タービン１は、（８）から（１０）の何れか一つのノズルダイアフラム５と、前記ノズルダイアフラム５に対して前記径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに配置されて、前記軸方向Ｄａに延びる筒状のケーシング２と、前記ノズルダイアフラム５及び前記ケーシング２に対して前記中心軸Ｏ回りに回転可能に配置され、前記ケーシング２に収容されたロータ３と、を備える。

【0167】

これにより、組立時の作業効率を向上させて蒸気タービン１を製造することができる。

【0168】

（１２）第１２の態様に係るノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０は、（８）から（１０）の何れか一つのノズルダイアフラム５の組立方法Ｓ１０であって、前記内輪６、前記外輪７、及び複数の前記ノズルモジュール５２を準備する工程Ｓ１１と、前記内輪６を配置する工程Ｓ１２と、前記内輪６に対して前記径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、前記ノズルモジュール５２を配置する工程Ｓ１３と、複数の前記ノズルモジュール５２に対して前記径方向Ｄｒの外側Ｄｒｏに、前記外輪７を配置する工程Ｓ１４と、前記内輪６と前記プラットフォーム部材５５とを溶接する工程Ｓ１５と、前記外輪７と前記プラットフォーム部材５６とを溶接する工程Ｓ１６と、を含む。

【0169】

これにより、高い精度を有したノズルリング５１を備えたノズルダイアフラム５を容易かつ確実に製作できる。

【0170】

（１３）第１３の態様に係る蒸気タービン１の組立方法Ｓ２０は、ケーシング２を準備する工程Ｓ２１と、前記ケーシング２内に、（８）から（１０）の何れか一つのノズルダイアフラム５を組み込む工程Ｓ２２と、を含む。

【0171】

これにより、組立時の作業効率を向上させて蒸気タービン１を製造することができる。

【0172】

（１４）第１４の態様に係る蒸気タービン１の分解方法Ｓ３０は、ケーシング２の一部を開く工程Ｓ３１と、前記ケーシング２から、（８）から（１０）の何れか一つのノズルダイアフラム５を取り外す工程Ｓ３２、を含む。

【0173】

これにより、蒸気タービン１を容易に分解することができる。

【符号の説明】

【0174】

１…蒸気タービン
２…ケーシング
３…ロータ
５…ノズルダイアフラム
６…内輪
７…外輪
２１…上半ケーシング
２２…下半ケーシング
２７…蒸気入口
２８…蒸気出口
３１…回転軸
３１ａ、３１ｂ…端部
３２…動翼
３３Ａ…第一軸受
３３Ｂ…第二軸受
５１…ノズルリング
５２…ノズルモジュール
５２Ａ…第一ノズルモジュール
５２Ｂ…第二ノズルモジュール
５２Ｃ…第三ノズルモジュール
５２Ｄ…第四ノズルモジュール
５３…ノズル本体
５３ａ、５３ｂ…端部
５３ｉ…内周端部
５３ｏ…外周端部
５４…プラットフォーム部材
５４ｆ…内周面
５４ｇ…外周面
５５、５５Ａ、５５Ｂ、５５Ｃ、５５Ｄ…内側プラットフォーム部材
５５ｆ…内側内周面
５５ｇ…内側外周面
５６、５６Ａ、５６Ｂ、５６Ｃ、５６Ｄ…外側プラットフォーム部材
５６ｆ…外側内周面
５６ｇ…外側外周面
５８…内側溶接部
５９…外側溶接部
６１…上半内輪部材
６１ａ、６１ｂ…端部
６２…下半内輪部材
６２ａ、６２ｂ…端部
７１…上半外輪部材
７１ａ、７１ｂ…端部
７２…下半外輪部材
７２ａ、７２ｂ…端部
５１１…上半ノズルリング
５１１ｆ、５１１ｇ…上半リング分割面
５１２…下半ノズルリング
５１２ｆ、５１２ｇ…下半リング分割面
５５１、５５１Ａ、５５１Ｂ、５５１Ｃ、５５１Ｄ…内側第一部分（第一部分）
５５１ａ、５５１ｂ、５５１ｃ、５５１ｄ…内側第一側面（第一側面）
５５１ｆ、５５１ｇ…内側前面（前面）
５５２、５５２Ａ、５５２Ｂ、５５２Ｃ、５５２Ｄ…内側第二部分（第二部分）
５５２ａ、５５２ｂ、５５２ｃ、５５２ｄ…内側第二側面（第二側面）
５５２ｒ、５５２ｓ、５５２ｔ…内側後面（後面）
５５３ａ、５５３ｂ、５５３ｃ、５５３ｅ…内側湾曲面（湾曲面）
５５８ｃ、５５８ｄ、５５８ｅ…内側第三側面（第三側面）
５６１、５６１Ａ、５６１Ｂ、５６１Ｃ、５６１Ｄ…外側第一部分（第一部分）
５６１ａ、５６１ｂ、５６１ｃ、５６１ｄ…外側第一側面（第一側面）
５６１ｆ、５６１ｇ…外側前面（前面）
５６２、５６２Ａ、５６２Ｂ、５６２Ｃ、５６２Ｄ…外側第二部分（第二部分）
５６２ａ、５６２ｂ、５６２ｃ、５６２ｄ…外側第二側面（第二側面）
５６２ｒ、５６２ｓ、５６２ｔ…外側後面（後面）
５６３ａ、５６３ｂ、５６３ｃ、５６３ｅ…外側湾曲面（湾曲面）
５６８ｃ、５６８ｄ、５６８ｅ…外側第三側面（第三側面）
Ｄａ…軸方向
Ｄａ１…第一側（軸方向）
Ｄａ２…第二側（軸方向）
Ｄｃ…周方向
Ｄｃ１…第一側（周方向）
Ｄｃ２…第二側（周方向）
Ｄｒ…径方向
Ｄｒｉ…内側
Ｄｒｏ…外側
Ｄｖ…鉛直方向
Ｄｖｕ…上方
Ｄｖｄ…下方
Ｌ１、Ｌ２、Ｌ３、Ｌ４、Ｌ５、Ｌ６…間隔
Ｏ…中心軸
Ｓ１０…ノズルダイアフラムの組立方法
Ｓ１１…内輪、外輪、及びノズルモジュールを準備する工程
Ｓ１２…内輪を配置する工程
Ｓ１３…ノズルモジュールを配置する工程
Ｓ１４…外輪を配置する工程
Ｓ１５…内輪と内側プラットフォーム部材とを溶接する工程
Ｓ１６…外輪と外側プラットフォーム部材とを溶接する工程
Ｓ２０…蒸気タービンの組立方法
Ｓ２１…ケーシングを準備する工程
Ｓ２２…ノズルダイアフラムを組み込む工程
Ｓ２３…ケーシングを閉じる工程
Ｓ３０…蒸気タービンの分解方法
Ｓ３１…ケーシングの一部を開く工程
Ｓ３２…ノズルダイアフラムを取り外す工程

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】