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特開2023-108330ゲーム制御装置、ゲームシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108330
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ゲーム制御装置、ゲームシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/812 20140101AFI20230728BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230728BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20230728BHJP
【FI】
A63F13/812 A
A63F13/35
A63F13/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009389
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100140660
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 理恵
(74)【代理人】
【識別番号】100174148
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 和教
(72)【発明者】
【氏名】藤田 淳一
(57)【要約】
【課題】ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出されるゲームにおいて、ユーザの意図するゲームプレイを可能とする興趣性の高いゲームを実現する。
【解決手段】操作受付手段は、移動体オブジェクトが捕捉される前に、移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける。動作制御手段は、捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出されるゲームを制御するゲーム制御装置であって、
前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段と、
前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、
を含むゲーム制御装置。
【請求項2】
前記動作制御手段は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作であって、少なくとも前記移動体オブジェクトが送出される以前の動作を制御する
請求項1に記載のゲーム制御装置。
【請求項3】
前記複数のキャラクタには、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出する第1のキャラクタと、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタとが含まれ、
前記動作制御手段は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第2のキャラクタの動作を制御する
請求項1または2に記載のゲーム制御装置。
【請求項4】
前記第2のキャラクタは、ユーザによる操作を受けずに前記動作制御手段によって動作が制御される非操作対象のキャラクタである
請求項3に記載のゲーム制御装置。
【請求項5】
前記動作制御手段は、
前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との間に存在し、所定条件を満たす前記第2のキャラクタを特定し、
前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記特定した第2のキャラクタの動作であって、前記移動体オブジェクトが前記第1のキャラクタから送出される以前の動作を制御する
請求項4に記載のゲーム制御装置。
【請求項6】
前記複数のキャラクタには、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出する第1のキャラクタと、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタとを含み、
前記動作制御手段は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御する
請求項1または2に記載のゲーム制御装置。
【請求項7】
前記動作制御手段は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、少なくとも前記移動体オブジェクトを送出する以前の前記第1のキャラクタの動作を変化させる
請求項6に記載のゲーム制御装置。
【請求項8】
前記動作制御手段は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記移動体オブジェクトを送出する際の前記第1のキャラクタの送出動作を変化させる
請求項6または7に記載のゲーム制御装置。
【請求項9】
前記第1のキャラクタは、ユーザによる操作対象のキャラクタであり、
前記操作受付手段は、前記移動体オブジェクトが捕捉された後に、前記移動体オブジェクトの送出先を確定する捕捉後送出先確定操作を受け付け、
前記動作制御手段は、前記捕捉後送出先確定操作により確定された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタが前記移動体オブジェクトを送出する動作を制御する
請求項3ないし8の何れか1項に記載のゲーム制御装置。
【請求項10】
サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタが、移動体オブジェクトを捕捉した後に送出するゲームを制御するゲームシステムであって、
前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段と、
前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、
を含むゲームシステム。
【請求項11】
コンピュータを請求項1ないし9の何れか1項に記載のゲーム制御装置または請求項10に記載のゲームシステムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム制御装置、ゲームシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、守備中の選手キャラクタが打球を捕球した後に、ユーザがコントローラのボタンを操作することにより送球先を指定することができる野球ゲームが知られている(例えば特許文献1)。このゲームでは、操作対象の選手キャラクタが打球を捕球した後に、本塁、1塁、2塁、および3塁にそれぞれ対応するコントローラのボタンを押すことにより、送球先の塁を指定できる。
【0003】
また、操作対象の選手キャラクタが打球を捕球した後で、「中継選手を経由したうえで」ボールを最終的にどの塁へ投げるかを、コントローラのボタンで指定できるゲームもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3791690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のゲームでは、野球の守備の場面では、ユーザの操作対象以外の守備中の選手キャラクタは、ノンプレイヤキャラクタ(Non Player Character:NPC)として動作がシステムによって自動制御される。そして、操作対象の選手キャラクタが打球を捕球する前に、そのときの状況に基づいて捕球後の送球先の塁や、当該送球先への送球を中継し得る選手が、システムによって自動的に決定される。また、この決定に基づいて、NPCの選手キャラクタの動作が自動制御され、中継選手は中継に適する位置へと移動する。しかし、ゲームシステムによって送球先として決定された塁と、実際に野手キャラクタの捕球後にユーザが送球先として指定した塁とが異なることがある。そうなれば、中継選手がユーザの思うような位置におらず、不自然な(遠回りの)送球を行うことになってしまい、本来ユーザが行いたい中継プレーができない場合があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ユーザの意図するゲームプレイを可能とする興趣性の高いゲームを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によるゲーム制御装置は、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出されるゲームを制御するゲーム制御装置であって、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段と、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、を含む。
【0008】
本発明の他の一態様によるゲームシステムは、サーバと、当該サーバと通信可能な端末装置とを含み、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタが、移動体オブジェクトを捕捉した後に送出するゲームを制御するゲームシステムであって、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段と、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施の形態に係るゲーム装置のハード構成の一例を示すブロック図である。
図2】ゲームコントローラの概略的な外観の一例を示す図である。
図3】野球ゲームの守備システムの一例を説明するための図である。
図4】投球・打撃画面の一例を示す図である。
図5】守備画面の一例を示す図である。
図6】打球が外野へ飛んだ場合の一例を示す図である。
図7】送球先が3塁に決定された場合の一例を示す図である。
図8図6のゲーム状況において、中継経由送球操作が行われた場合の送球の一例を示す図である。
図9】送球先が本塁に決定された場合の一例を示す図である。
図10図9のゲーム状況において、中継経由送球操作が行われた場合の送球の一例を示す図である。
図11】捕球前送球先入力操作により送球先に2塁が指定された場合の守備画面の一例を示す図である。
図12】捕球前送球先入力操作により送球先に1塁が指定された場合の守備画面の一例を示す図である。
図13】ゲームシステムの機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。
図14】ゲーム管理データのデータ構成の一例を示す図である。
図15】ゲーム装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図16】ゲーム装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図17】ゲーム装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図18】ゲーム装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図19】ゲームシステムの構成例を示す概略のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。
[1.ゲーム装置の構成]
図1は、ゲーム装置10(ゲーム制御装置の一例)のハード構成の一例を示す概略のブロック図である。
ユーザが操作するゲーム装置10は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム装置10は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
【0011】
ゲーム装置10は、主に、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、補助記憶装置14と、通信部15と、操作部16と、画像処理部17と、サウンド処理部18と、記録媒体ドライブ19とを備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインBUSを介して相互に接続されている。なお、バスラインBUSと各構成要素との間には必要に応じてインタフェース回路が介在しているが、ここではインタフェース回路の図示を省略している。また、ゲーム装置10は、表示部20及び音声出力部21を備えている。
【0012】
CPU11は、ゲームプログラムの命令を解釈して実行し、ゲーム装置10全体の制御を行う。ROM12は、ゲーム装置10の基本的な動作制御に必要なプログラムやデータ等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU11に対する作業領域を確保する。
【0013】
補助記憶装置14は、ゲームプログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置14としては、例えば、不揮発性の半導体メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0014】
通信部15は、図示しない通信インタフェースを備え、ゲーム実行時にデータ通信するための通信制御機能を有している。ここで、データ通信用の通信制御機能には、例えば、インターネット接続機能、無線LAN(Local Area Network)接続機能、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能などが含まれる。通信部15は、CPU11からの命令に基づいてゲーム装置10をネットワークNに接続するための接続信号を発信するとともに、通信相手側から送信されてきた情報を受信してCPU11へ供給する。
【0015】
操作部16は、ユーザが種々の操作命令をゲーム装置10に入力するためのものである。操作部16の一例としては、タッチインターフェースを備えた位置入力部(タッチパネルの構成要素)、物理的なボタン、コントローラ、アナログスティック、キーボード、ポインティングデバイス等を挙げることができる。また、マイクロフォン等の音声入力部から入力された音声を識別することにより、音声入力可能な操作部16として構成してもよい。
【0016】
画像処理部17は、CPU11からの画像表示命令に基づいて表示部20を駆動し、ゲーム画面を表示させる。表示部20には、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の既知の種々の表示装置が適用できる。また、表示部20を、液晶ディスプレイ等の表示装置にタッチインターフェースを備えた位置入力部を組み合わせたタッチパネルとすることもできる。表示部20をタッチパネルとして構成した場合、画像処理部17は図示しないタッチ入力検出部を備える。このタッチ入力検出部は、指やペン等の指示体が画面に接触したとき、当該画面上の接触位置座標を検出して座標信号をCPU11へと供給する。これによって、表示部20の画面上の接触位置がCPU11に認識されるようになっている。
【0017】
なお、表示部20は、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるテレビジョンモニタ等であってもよい。このように、表示部20が外部接続されるテレビジョンモニタ等の場合、当該表示部20はゲーム装置10の構成には含まれない。
【0018】
サウンド処理部18は、CPU11からの発音指示に基づいてアナログ音声信号を生成して音声出力部21に出力する。音声出力部21はスピーカーを含む。
なお、音声出力部21も、ゲーム装置10と一体である必要はなく、例えば、ゲーム装置10に対して外部接続されるスピーカー(テレビジョンのスピーカーを含む)、ヘッドホン又はイヤホン等であってもよい。このように、音声出力部21が外部接続されるスピーカー等の場合、当該音声出力部21はゲーム装置10の構成には含まれない。
【0019】
記録媒体ドライブ19としては、例えば、DVD-ROMドライブ、CD-ROMドライブ、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブ、フレキシブルディスクドライブ、シリコンディスクドライブ、カセット媒体読み取り機等が用いられる。この場合、記録媒体RMとしては、DVD-ROM、CD-ROM、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等が用いられる。記録媒体ドライブ19は、記録媒体RMから画像データ、音声データ及びプログラムデータを読み出し、読み出したデータをデコーダを介してRAM13等に供給する。
【0020】
ゲーム装置10は、コンピュータ対戦(またはCPU対戦とも称される)や通信対戦が可能である。通信対戦では、例えば、一方のゲーム装置10を操作するユーザAと、他方のゲーム装置10を操作するユーザBとが、ネットワークを介して対戦ゲームを行うことができる。この通信対戦の場合、例えば、各ゲーム装置10がサーバにログインし、当該サーバによってマッチングされたゲーム装置10間で、P2P(Peer to Peer)接続等により直接通信して対戦する方法がある。あるいは、ゲーム装置10間のデータのやり取りを、サーバを経由して通信対戦する方法もある。何れの方法で通信対戦が行われてもよい。
【0021】
ゲーム装置間の通信は、例えば、ベースのプロトコルとしてTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上で動作するHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を使用し、本システムで規定するアプリケーションプロトコルを上位に実装することによって実現できる。
【0022】
一方、P2P等で接続されるゲーム装置10間の通信は、例えば、OSI参照モデルのトランスポート層上の通信規約であって主にIPプロトコル上に実装されるUDP(User Datagram Protocol)によって実現できる。上記のUDPは、データの送達確認やエラー訂正を行わず、データを相手側の端末装置に送りっぱなしにする通信方式であるため、データの信頼度は低いがデータの転送速度が高いという利点がある。なお、ゲーム装置10間の通信にUDP以外の他の既存プロトコルを用いたり、今後、新たに規定される新規プロトコルを用いたりすることも勿論可能である。
【0023】
また、例えば、所定の周波数帯(例えば2.4GHzの周波数帯)を用いた近距離無線通信機能を有するゲーム装置10では、複数台のゲーム装置間で、直接通信を行って対戦ゲーム等を実行することもできる。
【0024】
上述のようにゲーム装置10としては、据置型のゲーム機、携帯型のゲーム機、スマートフォン等の様々な形態を適用できるが、以下では、図2のゲームコントローラ50を操作部16とする据置型等のゲーム装置10である場合を例に挙げて説明する。
【0025】
図2は、操作部16の一例であるゲームコントローラ50の概略的な外観の一例を示す。なお、図2のゲームコントローラ50は一例であり、形状等は図示した例に限定されるものではない。
ゲームコントローラ50は、ケーブル等の有線を介してゲーム装置10に接続されてもよいし、赤外線やBluetooth(登録商標)等の無線を介してゲーム装置10に接続されてもよい。ゲームコントローラ50は、ボタン等の複数の操作要素を有して構成される。
【0026】
ゲームコントローラ50の操作要素には、方向ボタン群DRB(上ボタン、下ボタン、右ボタン、左ボタン)、□ボタンA、△ボタンB、×ボタンX、○ボタンY、ボタンL1、ボタンL2、ボタンR1、ボタンR2、左スティック(左レバー)LS、右スティック(右レバー)RS、タッチパッドTP等を含む。これら各操作操作要素については、一般的に広く知られているため、ここではそれらの詳細な説明は省略する。
ゲームコントローラ50の各操作要素には、実行するゲームに応じて様々な機能が割り当てられる。
【0027】
ゲームコントローラ50の各操作要素の状態は一定周期毎(例えば、1フレーム:1/60秒毎)にスキャンされ、そのスキャン結果を示す情報が、ゲームコントローラ50からゲーム装置10へ送信される。よって、ゲームコントローラ50の各操作要素がユーザによって操作された場合、そのユーザの操作に応じた操作情報がゲーム装置10に供給される。
[2.ゲームの一例の概要]
ゲームの一例の概要を、以下に説明する。
ゲーム装置10では、例えば、野球、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボール等を題材としたスポーツゲーム等、各種ゲームを実行できる。なお、ゲームは、ゲーム装置10がサーバ又は他のゲーム装置10との間でデータ通信を行うことによって実行されてもよいし、ゲーム装置10単体で実行されてもよい。以下では、ゲーム装置10で実行されるゲームの一例として、野球を題材とした野球ゲームについて説明し、必要に応じてその他のゲームについても言及する。
【0028】
本実施形態の野球ゲームでは、攻撃時には、ユーザが打者キャラクタに打撃に関する指示を行う打撃操作、および走者キャラクタに走塁に関する指示を行う走塁操作が可能である。また、守備時には、ユーザが投手キャラクタに投球に関する指示を行う投球操作、および野手キャラクタに守備に関する指示を行う守備操作が可能である。
【0029】
本実施の形態の野球ゲームでは、特に、ユーザの守備操作に基づく守備システムに特徴を有する。そこで、以下には、守備システムの一例を説明する。
【0030】
本実施の形態の野球ゲームでは、操作対象の野手キャラクタがボールを捕球する前に、ユーザが予め捕球後の送球先を指定するための捕球前送球先入力操作を可能とするという特徴的なゲーム性を有する。すなわち、野手キャラクタがボールを捕球する前の段階で、送球先に関するユーザの意思をゲーム装置10のCPU11に予め伝えることができるようにする。これにより、ゲーム装置10のCPU11が自動制御する中継選手やカバーに入る選手等のキャラクタの動作に、ユーザの意思を反映させることができるようになる。
【0031】
捕球前送球先入力操作は任意の操作である。よって、ユーザは捕球前送球先入力操作を行ってもよいし、行わなくてもよい。先ずは、基本的な捕球操作について説明し、その後、捕球前送球先入力操作を行った場合と捕球前送球先入力操作を行わなかった場合とについて説明することにより、両者の違いを説明する。
【0032】
図3は、本実施の形態の野球ゲームの守備システムの一例を説明するための図である。図3に例示するように、仮想ゲーム空間には、野球場のフィールドFLDが存在する。このフィールドFLDには、ホームベースHB、1塁ベース1B、2塁ベース2B、3塁ベース3B、外野フェンスFE、野手キャラクタDC(投手DC1、捕手DC2、一塁手DC3、二塁手DC4、三塁手DC5、遊撃手DC6、左翼手DC7、中堅手DC8、右翼手DC9)、打者キャラクタBC、走者キャラクタRC等が存在する。なお、ここでは省略しているが、仮想ゲーム空間には、審判キャラクタ、監督キャラクタ、コーチキャラクタ、内外野スタンド、バックスクリーン、ベンチ等の各種オブジェクトも存在する。
図3の例では、1塁に走者キャラクタRCが出塁している場面を想定している。
【0033】
図4は、投球・打撃画面G10の一例を示す。図4に示すように、打撃前の場面(打者キャラクタBCが打席に立っている場面)では、ホームベースHBよりも捕手側の位置に配置された仮想カメラで撮像した画像が表示される。よって、投球・打撃画面G10には、ホームベースHBの後方から投手を見た所定のアングルの画像が表示される。
【0034】
投球・打撃画面G10には、打者キャラクタBC、投手キャラクタDC1、守備についている野手キャラクタDCのうちの画角に入っているキャラクタ(遊撃手DC6等)、走者表示領域E11等が表示される。走者表示領域E11には、出塁している走者キャラクタRCの周辺の様子が表示される。
なお、図4では省略しているが、投球・打撃画面G10には、ストライクゾーンの枠、現在のイニング、得点、ボールカウント、アウトカウント、打席に立っている打者キャラクタBCの情報(名前、打率等の打撃成績、能力パラメータ等)、投手キャラクタDC1の情報(名前、防御率等の投手成績、持ち球、能力パラメータ等)、走者キャラクタRCの情報(名前等)、現在の風向き及び風の強さ(風速)の情報等も表示される。
【0035】
投球・打撃画面G10において、ユーザが既知の投球操作を行うことにより投手キャラクタDC1がボールを投球し、対戦相手(他のユーザまたはCPU)が打者キャラクタBCを操作して打撃を行う。
ここで、投手キャラクタDC1が投球されたボールを打者キャラクタBCが打ち返した場合、図5に例示する守備画面G20に切り替わる。
【0036】
ユーザによる守備操作が可能となる守備画面G20では、仮想カメラの視点や画角が切り替わり、打球が飛んだ方向で守備をしている数名の野手キャラクタDCがクローズアップされた画角の映像が表示される。守備画面G20には、打球の落下点を示すサークルP21が表示される。
【0037】
打者キャラクタBCによってボールが打ち返された直後に、9人の野手キャラクタDCのうちの1人が操作対象キャラクタOCとして決定される。具体的には、ゲーム装置10のCPU11は、打球の方向、速度、角度、軌道、着弾点(フライボールの落下点等)、打球内容(ゴロ、ライナー、フライ)、野手キャラクタの位置等に基づいて、その打球を処理するのに最も適した野手キャラクタDCの一人を操作対象キャラクタOCとして決定する。
【0038】
そして、操作対象キャラクタOCには操作対象アイコンCSが表示される。図5の例では、逆三角形の操作対象アイコンCSが操作対象キャラクタOCの頭上に表示される。ユーザは、操作対象アイコンCSが表示された操作対象キャラクタOCに対して守備操作が可能となる。図5の例では、2塁手DC4が操作対象キャラクタOCに設定されている。
【0039】
守備の操作対象は、打球の位置との関係で刻々と変化することもある。例えば、ゴロやライナーの場合、先ず内野手の一人が操作対象キャラクタOCとして決定され、打球が内野を抜けた場合は、外野手の一人に操作対象キャラクタOCが切り替わる。なお、打球の軌道や着弾点から外野手による守備と判断された場合は、打撃の直後に外野手の一人が操作対象キャラクタOCとして決定される場合もある。
また、複数の野手キャラクタDCの間にフライの打球が飛んだ場合、当該複数の野手キャラクタDC間で操作対象が切り替わる場合もある。このような場合は、ゲームコントローラ50のボタンL1を押すことにより、操作対象をユーザ自身が切り替えて選択できるようになっている。また、ボタンR1を押している間は、現在決定されている操作対象を固定できるようになっている。
【0040】
なお、図5では省略しているが、守備画面G20には、操作対象キャラクタOCの守備位置および名前、現在のアウトカウント、風向き及び風の強さ(風速)の情報等も表示される。
【0041】
ここからは、一例として、図6に示すように打球HBがライトの外野フェンスFEに当たった場合を想定して説明する。図6の例では、打球HBがライトの外野フェンスFEまで飛んでいるので、右翼手DC9が操作対象キャラクタOCとして決定されている。
【0042】
操作対象キャラクタOCに対する守備操作には、捕球操作と、送球操作とを含む。
基本的な捕球操作は、操作対象キャラクタOCを打球HBに向けて移動させることである。すなわち、ユーザは、図2のゲームコントローラ50の左スティックLSを操作して操作対象キャラクタOCをボールの方向へ移動させれば、ボールと操作対象キャラクタOCとが一定距離以内に近づいたタイミングで自動的に捕球が行われる。
【0043】
また、捕球操作には、特殊操作用のボタン等が割り当てられている。例えば、捕球操作が可能な状態でゲームコントローラ50の△ボタンBを操作すると、操作対象キャラクタOCがジャンプのアクションを行う。また、左スティックLSと×ボタンX又は○ボタンYとを同時に操作することにより、操作対象キャラクタOCがダイビングのアクションを行う。また、□ボタンAを操作すると、操作対象キャラクタOCがジャンプ又はダイビングの何れかのアクションを状況に応じて実行する。また、操作対象キャラクタOCがフェンス付近にいる場合に、左スティックLSとボタンL1とを同時に操作することにより、操作対象キャラクタOCが壁登りのアクションを行う。これら一例であり、その他の捕球アクションを行う機能を、ボタン等の操作要素に割り当ててもよい。
【0044】
次に送球操作について説明する。基本的な送球操作は、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ゲームコントローラ50の□ボタンA、△ボタンB、×ボタンXまたは○ボタンYを押すことにより行われる。○ボタンYは「1塁(1塁ベース)」、△ボタンBは「2塁(2塁ベース)」、□ボタンAは「3塁(3塁ベース)」、×ボタンXは「本塁(ホームベース)」の送球先にそれぞれ対応している。捕球後に、□ボタンA、△ボタンB、×ボタンXまたは○ボタンYを押して、対応する送球先の塁を指定すれば、指定した送球先の塁に送球できる。例えば、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ユーザが×ボタンXを押した場合、送球先として「本塁」を指定したことになり、操作対象キャラクタOCはボールを本塁(ホームベースHB)へ向けて送球する。
【0045】
また、上記の送球操作による本塁への送球後に、ゲームコントローラ50のボタンR2を押すことにより、内野手に送球をカットさせることもできる。送球がカットされた場合、操作対象が送球をカットした内野手キャラクタに切り替わる。
また、上記の送球操作後に、ボタンL1を押せば、送球をキャンセルできる。
【0046】
次に、中継プレイについて説明する。
操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、次に示す「中継経由送球操作」を行うことにより、ユーザが指定した送球先に直接送球するのではなく、中継選手を経由して当該送球先に送球する「中継プレイ」が可能となる。この中継経由送球操作の具体例は、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ゲームコントローラ50のボタンR1(またはボタンR2)を押しながら、□ボタンA、△ボタンB、×ボタンXまたは○ボタンYを押して送球先の塁を指定することである。例えば、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ユーザがボタンR1(またはボタンR2)を押しながら□ボタンAを押した場合、送球先として「3塁」を指定した中継プレイを指示したことになり、操作対象キャラクタOCはボールを中継選手へ向けて送球する。そして、送球されたボールを捕球した中継選手は、ユーザが指定した送球先の塁へ送球する。
【0047】
操作対象キャラクタOC以外の8人の野手キャラクタDCの動作は、ゲーム装置10のCPU11によって、AIプログラム(Artificial Intelligence Program)等に基づく自動制御が行われる。
【0048】
(捕球前送球先入力操作が行われる場合)
前述のように、本実施の形態の野球ゲームでは、操作対象キャラクタOCがボールを捕球する前に、ユーザが予め捕球後の送球先を指定するための捕球前送球先入力操作を行うことができる。この捕球前送球先入力操作は、打者キャラクタBCによってボールが打ち返された直後に、野手キャラクタDCのうちの一人が操作対象キャラクタOCに決定された以降に可能となる。
【0049】
本実施の形態では、捕球前送球先入力操作は、操作対象キャラクタOCがボールを捕球する前に、ゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、○ボタンY(=1塁)、△ボタンB(=2塁)、□ボタンA(=3塁)または×ボタンX(=本塁)を押して送球先の塁を指定することにより行われる。
【0050】
この捕球前送球先入力操作において、ボタンL1又はボタンL2も一緒に押している理由は、次のとおりである。すなわち、前述のように、△ボタンBには捕球操作のジャンプのアクションを行う機能が既に割り当てられており、□ボタンAには捕球操作のジャンプまたはダイビングのアクションを行う機能が既に割り当てられている。これらの捕球操作のアクション機能の発動と区別するため、捕球前送球先入力操作では捕球前にボタンL1又はボタンL2を押しながら、送球先の塁を指定するための△ボタンB等を押すようにしている。例えば、捕球前にボタンL1又はボタンL2を押しながら、△ボタンBを押せば、捕球操作のジャンプのアクションではなく、捕球前送球先入力操作による送球先「2塁」指定が行われたと判定される。
【0051】
なお、捕球前に行われる操作において、○ボタンY、△ボタンB、□ボタンA、×ボタンXの何れにも、送球先の塁を指定する機能以外の機能が割り当てられていない場合には、捕球前に、ボタンL1又はボタンL2を押すことなく、○ボタンY、△ボタンB、□ボタンAまたは×ボタンXを押すだけで、捕球前送球先入力操作を可能としてもよい。
【0052】
操作対象キャラクタOCがボールを捕球する前に、捕球前送球先入力操作が行われた場合、ゲーム装置10は、当該捕球前送球先入力操作により指定された送球先の塁を、捕球後の送球先として決定する。
【0053】
また、ゲーム装置10は、決定した送球先の塁、出塁状況(走者の位置)、各野手キャラクタの位置、打球の状態(例えば、打球の方向、軌道、着弾点の位置、ヒット性の当たりか否か)等に基づいて、操作対象キャラクタOC以外の野手キャラクタDCの中から、中継選手、送球先で送球を受ける選手、送球が逸れた場合に備えてカバーに入るカバー選手を決定する。
なお、外野に打球が飛んだ場合には、実際に中継が行われるか否かにかかわらず、中継が行われる場合に備えて中継選手が決定される。また、外野から中継選手への送球が逸れたり、決定した送球先への送球が逸れた場合に備えて、カバーに入るカバー選手も必要に応じて決定される。
そして、ゲーム装置10は、操作対象キャラクタOC以外の各野手キャラクタDCが適切な位置に移動するように自動で制御する。
【0054】
図7は、捕球前送球先入力操作に基づいて、送球先が3塁に決定された場合の例を示す図である。図7では、右翼手が操作対象キャラクタOC、3塁手DC5が送球先の3塁で送球を受ける選手、投手DC1が送球先の3塁への送球が逸れた場合のカバー選手、2塁手DC4が中継選手、遊撃手DC6が中継選手への送球が逸れた場合のカバー選手として決定された例を示す。なお、3塁への送球が逸れた場合のカバー選手は左翼手DC7であってもよい。前述のとおり、操作対象キャラクタOCの移動はユーザの操作に基づいて行われ、送球を受ける選手、中継選手、カバー選手等の操作対象キャラクタOC以外のNPCである野手キャラクタの移動は自動制御される。
【0055】
例えば、中継選手は、操作対象キャラクタOC以外の野手キャラクタDCの中から、中継に適する位置に最も近い位置に存在する1人の野手キャラクタDCが選択される。具体例としては、打球を捕球する操作対象キャラクタOCの位置と送球先とをつなぐ線分上の「所定の位置(例えば当該線分の中点)」に最も近い野手キャラクタDCが、中継選手として選択される。図7の例では、前記線分の中点を所定の位置として、これに最も近い2塁手DC4が中継選手として選択されている。そして、中継選手は、前記所定の位置に向けて移動するように自動制御される。なお、前記所定の位置は、内野エリアを含まない等の各種条件を設けてもよい。
【0056】
例えば、送球先で送球を受ける選手は、操作対象キャラクタOC以外の野手キャラクタDCの中から「送球先の塁」に最も近い位置に存在する1人の野手キャラクタDCが選択される。そして、送球先で送球を受ける選手は、「送球先の塁」へ移動するように自動制御される。
【0057】
例えば、中継選手への送球が逸れた場合のカバー選手は、操作対象キャラクタOCの位置と送球先とをつなぐ線分上における「中継選手の後方の所定の位置(例えば当該線分の中点から送球方向へ所定距離離れた位置)」に最も近い位置に存在する1人の野手キャラクタDCが選択される。そして、前記カバー選手は、「中継選手の後方の所定の位置」へ移動するように自動制御される。
なお、中継選手への送球が逸れた場合のカバー選手は、状況によっては省略される。例えば、図7の場合、遊撃手DC6が中継カバーに入っているが、この中継カバーを取り止めて、遊撃手DC6を2塁ベース2Bへ移動させるように制御してもよい。
【0058】
例えば、送球先への送球が逸れた場合のカバー選手は、操作対象キャラクタOCの位置と送球先とを通る直線上における「送球先で送球を受ける選手の後方の所定の位置(例えば送球先から送球方向へ所定距離離れた位置)」に最も近い位置に存在する1人の野手キャラクタDCが選択される。そして、前記カバー選手は、「送球先で送球を受ける選手の後方の所定の位置」へ移動するように自動制御される。
【0059】
操作対象キャラクタOCの位置は、ユーザの操作に基づいて移動するので、それに伴って操作対象キャラクタOCの位置と送球先とをつなぐ線分(またはこれらを通る直線)および当該線分上(または当該直線上)の所定の位置も移動する。よって、毎フレーム毎に中継選手やカバー選手の移動先も更新される。
ユーザが送球操作(中継なしの送球操作または中継経由送球操作)を行って操作対象キャラクタOCが送球を行うまで、中継選手、カバー選手、送球先で送球を受ける選手に対する上記の動作制御は続けられる。
【0060】
なお、図7では、9人の野手キャラクタDCのうち右翼手DC9、2塁手DC4、遊撃手DC6、3塁手DC6および投手DC1の移動例を示しているが、その他の野手キャラクタDCについても移動制御が行われている。
【0061】
操作対象キャラクタOCがボールBLを捕球した後は、ユーザが前述の送球操作(中継なしの送球操作または中継経由送球操作)を行うことになる。捕球後の送球で中継を行うか否かは任意事項である。本実施の形態では、捕球後にユーザが中継経由送球操作を行わなければ、中継選手への送球は行われない。
【0062】
図8は、図7のゲーム状況において、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ユーザがボタンR1(またはボタンR2)を押しながら□ボタンA(=3塁)を押す「中継経由送球操作」を行った場合の送球例を示す図である。この中継経由送球操作により、送球先として「3塁」を指定した中継プレイが指示されたので、右翼手DC9の操作対象キャラクタOCはボールBLを2塁手DC4の中継選手へ向けて送球する。操作対象キャラクタOCが送球したボールBLを捕球した2塁手DC4の中継選手は、指定された送球先の3塁へ送球する。この後、中継選手が送球したボールBLを捕球した3塁手DC5が、操作対象キャラクタとなる。
【0063】
上記のように、操作対象キャラクタOCがボールを捕球する前に、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことによって、送球先に関するユーザの意思がゲーム装置10のCPU11に予め伝えられている。このため、ゲーム装置10のCPU11によって自動制御されるNPCである中継選手、送球を受ける選手、カバー選手の動作に、ユーザの意思を反映させることができる。よって、図7および図8の例の場合、操作対象キャラクタOC、中継選手、送球を受ける選手、カバー選手が略一直線に並ぶ理想的な位置取りができており、中継を経由した送球経路に無駄がない。また、中継プレイ中に送球が逸れた場合のカバー選手も適正な位置に移動できているので、送球ミスにも対応できる。これにより、ユーザの意図した中継プレイが可能である。
【0064】
なお、図8の例において、操作対象キャラクタOCがボールBLを捕球した後に、ユーザが中継を経由しない送球操作を行ったことにより、操作対象キャラクタOCがダイレクトに3塁へ送球する場合であっても、3塁への送球が逸れた場合のカバー選手が適正な位置に移動されている。よって、中継が行われない送球に対してもユーザの意図した守備が可能である。
【0065】
ところで、捕球前送球先入力操作により予め指定した送球先と、捕球後の送球操作(中継なしの送球操作または中継経由送球操作)により指定する送球先とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、捕球前には送球先に3塁を指定していたが、思いのほか走者の走塁スピードが速かったので、捕球後に3塁ではなく本塁へ送球するということも可能である。
【0066】
なお、操作対象キャラクタOCがボールBLを捕球する前に、捕球前送球先入力操作が行われる場合であっても、打者キャラクタがボールを打ち返した後、捕球前送球先入力操作が行われるまでの間は、操作対象キャラクタOC以外のNPCの野手キャラクタDCは下記のように制御される。
すなわち、AIプログラムを実行するゲーム装置10のCPU11は、出塁状況(走者の位置)、各野手キャラクタの位置、打球の状態(例えば、打球の方向、軌道、着弾点の位置、ヒット性の当たりか否か)等に基づいて、打球が捕球された後に想定される送球先、中継選手、送球先で送球を受ける選手、カバー選手等を自動で決定し、NPCを自動制御する。
その後、ユーザによって捕球前送球先入力操作が行われた場合、ゲーム装置10のCPU11は、AIプログラムによって自動で決定した送球先を、ユーザ指定の送球先に変更(上書き)する。操作対象キャラクタOCが送球操作を行うまでの、中継選手、送球先でボールを受ける選手、カバー選手等のNPCの動作は、決定された(変更された)送球先との関係で自動制御される。
【0067】
ゲーム装置10のCPU11が自動で決定する送球先と、ユーザが考えている送球先(ユーザが指定する送球先)とが同じであれば、捕球前送球先入力操作の有無によってNPCの自動制御の結果が相違することはない。
しかしながら、ゲーム装置10のCPU11が自動で決定する送球先と、ユーザが考えている送球先とが異なる場合もあるので、捕球前送球先入力操作が可能となった後(すなわち、打者キャラクタがボールを打ち返した後)は、できるだけ早く捕球前送球先入力操作を行うことが好ましい。これは、捕球の直前に捕球前送球先入力操作を行った場合、送球先に関するユーザの意図を中継選手等のNPCの動作に反映する時間が十分でない可能性があるからである。捕球前送球先入力操作を早期に行うほど、送球先に関するユーザの意図を中継選手等のNPCの動作に反映する時間が確保できる。
【0068】
(捕球前送球先入力操作が行われなかった場合)
次に、捕球前送球先入力操作が行われなかった場合について説明する。
打者キャラクタがボールを打ち返した後、ゲーム装置10は、出塁状況(走者の位置)、各野手キャラクタの位置、打球の状態(例えば、打球の方向、軌道、着弾点の位置、ヒット性の当たりか否か)等に基づいて、打球が捕球された後に想定される送球先、中継選手、送球先で送球を受ける選手、カバー選手等を自動で決定する。この処理は、前述の、打者キャラクタがボールを打ち返してから捕球前送球先入力操作が行われるまでの間に実行される制御と同じである。
そして、ゲーム装置10は、操作対象キャラクタOC以外のNPCの野手キャラクタDCが適切な位置に移動するように自動で制御する。NPCの各野手キャラクタDCの移動等の動作制御については、捕球前送球先入力操作の有無によって相違はない。
【0069】
操作対象キャラクタOCがボールBLを捕球する前に、捕球前送球先入力操作が行われなかった場合と当該操作が行われた場合との違いは、捕球前の段階における捕球後の送球先の決定が、自動であるか、それともユーザの指定に基づくのかの違いである。ゲーム装置10が自動で決定した送球先と、ユーザが捕球前送球先入力操作で指定した送球先とが異なる場合、「中継選手」、「送球先で送球を受ける選手」、「カバー選手」の一部または全部が異なる可能性がある。
【0070】
図9は、送球先が本塁に決定された場合の例を示す図である。ここでは、捕球前送球先入力操作が行われずに、ゲーム装置10が長打コースの打球と判断し、得点を阻止するために本塁への送球を決定した場合を想定する。
【0071】
図9では、右翼手が操作対象キャラクタOC、捕手DC2が送球先の本塁で送球を受ける選手、投手DC1が送球先の本塁への送球が逸れた場合のカバー選手、1塁手DC3が中継選手、2塁手DC4が中継選手への送球が逸れた場合のカバー選手として決定された例を示す。例えば、中継選手については、操作対象キャラクタOCの位置と送球先の本塁とをつなぐ線分上の「所定の位置(例えば当該線分の中点)」に最も近い1塁手DC3が選択(決定)されている。また、送球先で送球を受ける選手およびカバー選手も、前述した基準に基づいて決定されている。
【0072】
図10は、図9のゲーム状況において、操作対象キャラクタOCが捕球を行った後に、ユーザがボタンR1(またはボタンR2)を押しながら□ボタンA(=3塁)を押す「中継経由送球操作」を行った場合の送球例を示す図である。この中継経由送球操作により、送球先として「3塁」を指定した中継プレイが指示されたので、右翼手DC9の操作対象キャラクタOCはボールBLを中継選手へ向けて送球する。
【0073】
ここで、「3塁」への送球の中継プレイの場合、右翼手DC9の操作対象キャラクタOCと送球先の3塁ベース3Bとをつなぐ線分上の「所定の位置(例えば当該線分の中点)」に中継選手が存在することが理想である。しかし、図9および図10の例では、前記所定位置付近には中継できる野手キャラクタは存在せず、前記所定位置から離れた1塁手DC3が中継選手となる。
【0074】
そして、操作対象キャラクタOCが送球したボールBLを捕球した1塁手DC3の中継選手は、指定された送球先の3塁へ送球する。この後、中継選手が送球したボールBLを捕球した3塁手DC5が、操作対象キャラクタとなる。
図10に例示する中継プレイの場合、中継選手がユーザの思うような位置におらず、不自然な(遠回りの)送球を行うことになってしまう。また、図10の例では、3塁への悪送球をカバーできる適正な位置にカバー選手が存在しない。よって、本来ユーザが行いたい中継プレイができない。
【0075】
図10の例のように、ゲーム装置10が自動で決定する送球先とユーザが考えている送球先とが異なる場合も生じ得る。
野手キャラクタの守備力・肩力および走者キャラクタの走力は、キャラクタ毎に設定されている能力パラメータに依存する。例えば、通常なら本塁へ送球するような場面でも、操作対象キャラクタOCや中継選手の守備力・肩力が高い場合や、走者キャラクタの走力が低い場合には、ユーザは3塁へ送球して捕殺を狙うという判断もし得る。
そこで、操作対象キャラクタOCの捕球前に前述の捕球前送球先入力操作を行い、事前にユーザが考えている送球先を指定することで、中継選手、カバー選手、送球先で送球を受ける選手等のNPCの動作にユーザの意図を反映させることができる。
【0076】
次に、前述の捕球前送球先入力操作が行われた場合に、ユーザが指定した送球先に応じて操作対象キャラクタOCの動作が変化する例について説明する。
【0077】
図11は、走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ場面において、操作対象キャラクタOCの捕球前に、捕球前送球先入力操作により2塁が指定された場合の守備画面G20の一例を示す。打者キャラクタがショートゴロを打った直後に、遊撃手DC6が操作対象キャラクタOCに設定される。ユーザはダブルプレーを狙える(または少なくともフォースアウトをとれる)と判断した場合、遊撃手DC6の操作対象キャラクタOCが打球を捕球する前に、送球先に2塁を指定した捕球前送球先入力操作を行うことができる。具体的には、ユーザは、操作対象キャラクタOCが打球を捕球する前に、ゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、△ボタンB(=2塁)を押す。これにより、操作対象キャラクタOCの捕球前に、ゲーム装置10のCPU11に事前にユーザの意思を伝えることができる。この場合、操作対象キャラクタOCの捕球前から送球までの動作が、ゲーム装置10のCPU11によって下記のように制御される。
【0078】
すなわち、打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが所定の内野手であり、打球が内野ゴロの場合、ゲーム装置10のCPU11は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準よりも短いと判断した場合、捕球後に助走なしで素早く送球できるように、打球を捕球できる範囲内で止まって打球が来るのを待って捕球を行うように、操作対象キャラクタOCの捕球モーションを制御する。例えば、前記所定の基準は、塁間距離の1/2または2/3等とすることができる。また、前記所定の内野手は、「遊撃手」又は「2塁手」とすることができる。
打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが遊撃手DC6の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「2塁」又は「3塁」の場合は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準よりも短くなる。
また、打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが2塁手DC4の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「1塁」又は「2塁」の場合は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準よりも短くなる。
【0079】
図11の例では、捕球前送球先入力操作により2塁が指定されているので、遊撃手DC6である操作対象キャラクタOCの捕球前から捕球までの動作に関し、ゲーム装置10のCPU11は、操作対象キャラクタOCが打球を捕球できる範囲内で止まって打球が来るのを待って捕球を行うように、捕球モーションを制御する。すなわち、操作対象キャラクタOCは、打球に向かって前に出て捕球するような捕球モーションはしない。
【0080】
なお、操作対象キャラクタOCが打球を捕球できる範囲の位置にいない場合は、ユーザは、打球を捕球できる範囲まで操作対象キャラクタOCを移動させる操作を行う必要がある。前記「打球を捕球できる範囲」とは、打球の軌道(つまり打球の正面)から左右に所定距離以内のグローブの届く範囲とすることができる。
バリエーションとしては、内野ゴロを捕球および送球する操作対象キャラクタOCが所定の内野手であり、操作対象キャラクタOCの現在の位置から捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準よりも短い場合には、ユーザが前記捕球前送球先入力操作を行うだけで、操作対象キャラクタOCが内野ゴロの打球を捕球できる範囲まで移動し、打球を捕球できる範囲内で止まって打球が来るのを待って捕球を行うように、捕球モーションが制御されるようにしてもよい。
【0081】
また、捕球後は、遊撃手DC6の操作対象キャラクタOCがその場で止まったままで送球するように、送球モーションが制御される。この場合、操作対象キャラクタOCが助走せずにその場に止まって送球するので、捕球後に送球動作に入ってからボールを送球するまで(ボールをリリースするまで)にかかる時間は、後述する図12の場合に較べて短い。また、助走せずに止まって送球するので、後述する図12の場合に較べて勢いの弱い(球速が小さい)送球が行われる。
【0082】
なお、内野ゴロを捕球および送球する操作対象が前記所定の内野手キャラクタである場合において、捕球前送球先入力操作により送球先が予め指定される場合、操作対象の捕球モーションと送球モーションとの連続性を担保するため、捕球後の送球操作(○ボタンY、△ボタンB、□ボタンAまたは×ボタンXを押して送球先の塁を指定する操作)を不要とする。つまり、操作対象の内野手キャラクタが打球を捕球した後には、捕球前送球先入力操作により指定された送球先に、操作対象の内野手キャラクタが送球するように制御される。後述の図12の場合も同様である。
【0083】
あるいは、遊撃手DC6の操作対象キャラクタOCが捕球を行った後は、ユーザは前述の送球操作を行うようにしてもよい。図11の例の場合、具体的には、ユーザは送球先として2塁を指定するのであれば、ゲームコントローラ50の△ボタンBを押す操作を行う。
【0084】
あるいは、操作対象キャラクタOCが捕球した後の送球先が、捕球前送球先入力操作により指定した送球先と同じで変更がない場合、ユーザが送球操作を行わずとも、捕球前送球先入力操作により指定した送球先に、操作対象キャラクタOCが送球を行うように制御してもよい。この場合、捕球前送球先入力操作により指定した送球先とは異なる送球先に送球したい場合のみ、操作対象キャラクタOCが捕球した後、所定時間以内に、当該異なる送球先を指定した送球操作を行えばよい。
【0085】
走者1塁の場面では、打者キャラクタがショートゴロを打った直後から、NPCである2塁手DC4が2塁ベース2Bまで移動するように制御される。操作対象の遊撃手DC6が送球したボールを2塁手DC4が捕球した場合、操作対象は2塁手DC4に切り替わる。その後、送球先として1塁を指定する送球操作(○ボタンYを押す操作)を行うことにより、操作対象の2塁手DC4が1塁へ送球する。操作対象の2塁手DC4が送球したボールを1塁手DC3が捕球した場合、操作対象は1塁手DC3に切り替わる。
【0086】
図12は、走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ場面において、操作対象キャラクタOCの捕球前に、捕球前送球先入力操作により1塁が指定された場合の守備画面G20の一例を示す。ユーザはダブルプレーを狙わずに打者走者を1塁でアウトにしたい場合、遊撃手DC6の操作対象キャラクタOCが打球を捕球する前に、送球先に1塁を指定した捕球前送球先入力操作を行うことができる。具体的には、ユーザは、操作対象キャラクタOCが打球を捕球する前に、ゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、○ボタンY(=1塁)を押す。この場合、操作対象キャラクタOCの捕球前から送球までの動作が、ゲーム装置10のCPU11によって下記のように制御される。
【0087】
すなわち、打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが前記所定の内野手(遊撃手又は2塁手)であり、打球が内野ゴロの場合、ゲーム装置10のCPU11は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が前記所定の基準(例えば塁間距離の1/2または2/3等)以上であると判断した場合、捕球後に助走しながら勢いよく送球できるように、打球に向かって前に出て捕球するように、操作対象キャラクタOCの捕球モーションを制御する。
打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが遊撃手DC6の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「1塁」又は「本塁」の場合は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準以上になる。
また、打球を捕球および送球する操作対象キャラクタOCが2塁手DC4の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「3塁」又は「本塁」の場合は、操作対象キャラクタOCの現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準以上になる。
【0088】
図12の例では、捕球前送球先入力操作により1塁が指定されているので、遊撃手DC6である操作対象キャラクタOCの捕球前から捕球までの動作に関し、ゲーム装置10のCPU11は、捕球後に助走しながら勢いよく送球できるように、打球に向かって前に出て捕球するように、操作対象キャラクタOCの捕球モーションを制御する。
【0089】
なお、操作対象キャラクタOCが打球を捕球できる範囲の位置にいない場合は、ユーザは、前述の「打球を捕球できる範囲」まで操作対象キャラクタOCを移動させる操作を行う必要がある。
バリエーションとしては、内野ゴロを捕球および送球する操作対象キャラクタOCが所定の内野手であり、操作対象キャラクタOCの現在の位置から捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準以上の場合には、ユーザが前記捕球前送球先入力操作を行うだけで、操作対象キャラクタOCが内野ゴロの打球を捕球できる範囲まで移動するとともに、打球に向かって前に出て捕球するように、捕球モーションが制御されるようにしてもよい。
【0090】
また、捕球後は、遊撃手DC6の操作対象キャラクタOCは、打球に向かって前に出て捕球した勢いのまま助走をして送球するように、送球モーションが制御される。この場合、操作対象キャラクタOCが助走しながら送球するので、捕球後に送球動作に入ってからボールを送球するまで(ボールをリリースするまで)にかかる時間は、前述の図11の場合に較べて長い。しかし、助走しながら送球するので、図11の場合に較べて勢いのある(球速が大きい)送球が行われる。
【0091】
なお、図12においても、走者1塁の場面では、打者キャラクタがショートゴロを打った直後から、NPCである2塁手DC4が2塁ベース2Bまで移動するように制御される。操作対象の遊撃手DC6が送球したボールを1塁手DC3(図3参照)が捕球した場合、操作対象は1塁手DC3に切り替わる。
【0092】
以上のように、本実施形態のゲームは、複数の野手キャラクタのうちの何れかの野手キャラクタによって打球が捕球される前に、事前にユーザが考えている送球先を指定する捕球前送球先入力操作を可能としている。これにより、捕球前にユーザが考えている送球先をCPU11に伝えることができ、NPCのキャラクタの動作または操作対象のキャラクタの動作の制御にユーザの意図を的確に反映させることができる。
【0093】
[3.ゲームシステムの機能的構成]
図13は、ゲーム装置10の機能的な構成の一例を示す概略の機能ブロック図である。図13に示すように、ゲーム装置10はデータ記憶部100を含む。例えば、データ記憶部100は、ROM12、RAM13、及び補助記憶装置14の少なくとも一つによって実現される。データ記憶部100はゲームを提供するために必要なデータを記憶する。
【0094】
データ記憶部100に記憶されるデータの具体例として、上記で説明した野球ゲームを提供するために必要なデータについて説明する。データ記憶部100は、ユーザ情報テーブルTBL101、キャラクタテーブルTBL102およびゲーム管理データDT103等を記憶する。
【0095】
ユーザ情報テーブルTBL101には、ユーザのユーザIDと関連付けて、ユーザ名、ユーザのゲームレベル、所持キャラクタの情報、所持アイテムの情報、所持ポイントの情報等が記憶される。
【0096】
キャラクタテーブルTBL102には、ゲーム内で用いられる全てのキャラクタの情報が記憶される。このキャラクタテーブルTBL102には、各キャラクタを一意に識別するキャラクタID、選手名、能力パラメータの情報等が含まれる。能力パラメータの情報としては、打者キャラクタの場合は、弾道、ミート、パワー、走力、肩力、守備力、捕球、特殊能力等が含まれる。また、投手キャラクタの場合は、球速、コントロール、スタミナ、投球可能な球種(持ち球)、各持ち球の変化量、特殊能力等が含まれる。
【0097】
ゲーム管理データDT103は、ゲームの進行管理に必要な各種データを含む。図14は、ゲーム管理データDT103のデータ構成の一例を示す。
ゲーム管理データDT103は、ユーザチームデータDT1031、相手チームデータDT1032、ゲーム状況データDT1033、操作対象データDT1034、捕球前送球先データDT1035、捕球後送球先データDT1036、捕球選手データDT1037、中継選手データDT1038およびカバー選手データDT1039等を含む。
【0098】
ユーザチームデータDT1031は、ユーザの野球チームを構成する選手キャラクタの情報、打順およびポジション(守備位置)を含むチームオーダーの情報である。相手チームデータDT1032は、ユーザの対戦相手の野球チームを構成する選手キャラクタの情報、打順およびポジションを含むチームオーダーの情報である。対戦相手としては、他のユーザ又はコンピュータの何れであってもよい。
【0099】
ゲーム状況データDT1033は、現在の野球の試合の状況を示す情報であり、現在のイニング、得点、打席に立っている打者キャラクタ、ボールカウント、アウトカウント、出塁状況、現在の風向き、風の強さ等の情報を含む。
【0100】
操作対象データDT1034は、ユーザが守備に関する操作を行うことができる現在の操作対象の野手キャラクタを示す情報である。例えば、操作対象データDT1034には、現在の操作対象の野手キャラクタのキャラクタID等が記憶される。
【0101】
捕球前送球先データDT1035は、打者キャラクタがボールを打った後、操作対象の野手キャラクタが打球を捕球する前の段階で決定される送球先を示す情報である。操作対象の野手キャラクタが打球を捕球する前に、ユーザが捕球前送球先入力操作を行った場合には、当該操作によりユーザが指定した送球先が捕球前送球先データDT1035として記憶される。また、ユーザが捕球前送球先入力操作を行わなかった場合、および捕球前送球先入力操作が行われるまでは、ゲーム装置10の制御部110が打球の軌道や現在のゲーム状況等に基づいて決定した送球先が捕球前送球先データDT1035として記憶される。
【0102】
捕球後送球先データDT1036は、操作対象の野手キャラクタが打球を捕球した後に決定される送球先を示す情報である。操作対象の野手キャラクタが打球を捕球した後に、ユーザによって行われる送球操作または中継経由送球操作によって指定された送球先が、捕球後送球先データDT1036として記憶される。
【0103】
捕球選手データDT1037は、捕球前送球先データDT1035または捕球後送球先データDT1036として記憶されている送球先において送球されたボールを捕球する野手キャラクタを示す情報である。中継選手データDT1038は、捕球選手データDT1037は、捕球前送球先データDT1035または捕球後送球先データDT1036として記憶されている送球先への送球を中継する野手キャラクタである中継選手を示す情報である。カバー選手データDT1039は、送球先および/または中継選手への送球が逸れた場合に備えてカバーに入る野手キャラクタであるカバー選手を示す情報である。
【0104】
本実施の形態のゲーム装置10は、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出されるゲームを制御する。前述の野球ゲームの例では、ゲーム装置10は、ゲーム空間内の複数の野手キャラクタのうちの何れかの野手キャラクタによって打球(移動体オブジェクトの一例)が捕球された後に送球されるゲームを制御する。
【0105】
ここで、「ゲーム空間」とは、キャラクタ等のオブジェクトが配置される仮想的な空間である。「ゲーム空間」は、例えば、三つの座標軸が関連付けられた仮想的な3次元空間であってもよいし、二つの座標軸が関連付けられた仮想的な2次元平面であってもよい。「ゲーム空間」には、例えば、プレイヤキャラクタ(player character)、ノンプレイヤキャラクタ(NPC)、建物等のオブジェクト又は背景オブジェクト等を配置することができる。野球ゲームの例では、複数の選手キャラクタ、ボール、バット、ホームベース、塁ベース、球場のフェンス、スタンド等のオブジェクトが配置された仮想的な空間が、「ゲーム空間」の一例に相当する。
【0106】
また、「キャラクタ」とは、ゲーム空間内に配置されるプレイヤキャラクタ又はNPCである。例えば、スポーツ選手等の人物、動物等の生物、モンスター等の架空の人物や生物、ロボット又は機械的に動作する物体等の非生物を示すオブジェクトが「キャラクタ」の一例に相当する。例えば、「キャラクタ」は、実在する人物や生物に対応するものであってもよいし、実在する人物等に対応するものでなくてもよい。「キャラクタ」は、例えばスポーツゲーム(野球、アメリカンフットボール、ラグビー、バスケットボール、クリケット、ポロ等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲーム等のように、ゲーム形式・ジャンルを問わず様々なゲームで使用され得る。
【0107】
また、「ゲーム空間内の複数のキャラクタ」に関し、守備側の野手キャラクタが打球を処理する前述の野球ゲームの例では、守備についている9人の野手キャラクタが、「ゲーム空間内の複数のキャラクタ」の一例に相当する。また、ラグビーゲームの例では、フィールド内でプレイするユーザのチームの15人の選手キャラクタが、「ゲーム空間内の複数のキャラクタ」の一例に相当する。このように、ゲーム内容に応じた複数のキャラクタがゲーム空間内に存在する。
【0108】
また、「移動体オブジェクト」とは、ゲーム空間内を移動し得るオブジェクトである。「移動体オブジェクト」は、例えば空中、地上、地下、水上または水中を移動し得る。野球等の球技ゲームの例では、選手キャラクタが投げたり打ったりすることにより、空中を移動したり地上を転がりながら移動したりするボールオブジェクトが、「移動体オブジェクト」の一例に相当する。
【0109】
また、「移動体オブジェクトが捕捉される」とは、キャラクタの少なくとも一部分と移動体オブジェクトの少なくとも一部分とが非離間状態となることにより、キャラクタによって移動体オブジェクトが捕られることをいう。ここで、キャラクタの少なくとも一部分には、キャラクタに装着されているオブジェクトも含む。例えば、キャラクタがグローブ等の用具オブジェクトを装着しており、移動体オブジェクトの一例としてのボールが前記用具オブジェクトを介してキャラクタに捕球されることが、「移動体オブジェクトが捕捉される」の一例に相当する。
キャラクタが移動体オブジェクトを捕捉するためには、両者が離間している状態から少なくとも何れか一方が移動して両者の相対的な距離が縮まればよく、最終的に両者が非離間状態になればキャラクタが移動体オブジェクトを捕捉できる。野球ゲームの例では、野手キャラクタが打者キャラクタの打ったボールを、グローブ又は素手で捕球することが、「移動体オブジェクトが捕捉される」の一例に相当する。例えば、フライ、ライナー又はゴロのボールを野手キャラクタが捕球することが「移動体オブジェクトが捕捉される」の一例に相当する。また、例えば、フェンス際まで転がって止まっているボールを野手キャラクタが拾いに行ってボールを掴むことも、「移動体オブジェクトが捕捉される」の一例に相当する。
【0110】
また、「移動体オブジェクトが送出される」とは、キャラクタに捕捉された移動体オブジェクトがキャラクタから離間して移動するように、キャラクタが移動体オブジェクトの移動を開始させることをいう。野球ゲームの例では、野手キャラクタがボールを他の野手キャラクタへ投げることが、「移動体オブジェクトが送出される」の一例に相当する。また、バスケットボールゲームの例では、ボールを他の野手キャラクタへパスすることが、「移動体オブジェクトが送出される」の一例に相当する。
【0111】
また、「キャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出される」に関し、野球ゲームの例では、打者が打ったボールを野手キャラクタが捕球した後に、任意の塁又は中継選手へ送球することが、「キャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出される」の一例に相当する。また、ラグビーゲームの例では、選手キャラクタがパスのボールをキャッチした後に、他の選手キャラクタにパスを出すことが、「キャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出される」の一例に相当する。
【0112】
図13に示す制御部110は、操作受付部111(操作受付手段の一例)および動作制御部112(動作制御手段の一例)を含む。
【0113】
操作受付部111は、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける機能を有する。
【0114】
ここで、「移動体オブジェクトが捕捉される前」とは、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉可能となってから、移動体オブジェクトがキャラクタに捕捉される直前までの期間をいう。換言すれば、「移動体オブジェクトが捕捉される前」とは、キャラクタが移動体オブジェクトを捕捉するまでの捕捉動作中の期間である。野手キャラクタが打球を処理する野球ゲームの例では、打者キャラクタがボールを打ってから、当該ボールを何れかの野手キャラクタが捕球する直前までの期間が、「移動体オブジェクトが捕捉される前」の一例に相当する。この場合、打球を処理する野手キャラクタが打球を捕球可能となる(即ち、捕球動作中となる)のは、打者キャラクタがボールを打ってからなので、打者キャラクタがボールを打つまでは「移動体オブジェクトが捕捉される前」に含めないようにすることができる。
【0115】
また、「移動体オブジェクトの送出先」とは、移動体オブジェクトを捕捉したキャラクタから送出される移動体オブジェクトを到達させる目的の位置、オブジェクト、範囲または方向である。「移動体オブジェクトの送出先」は、例えば、ゲーム空間内の特定の位置(位置を示す座標)であってもよい。また、「移動体オブジェクトの送出先」は、例えば、ゲーム空間内の特定のオブジェクト(またはオブジェクトの存在する位置または範囲)であってもよい。野球ゲームの例では、ホームベース、塁ベース、塁ベース等で送球を受ける野手キャラクタ、中継選手キャラクタ等が「移動体オブジェクトの送出先」の一例に相当する。また、「移動体オブジェクトの送出先」は、例えば、ゲーム空間内の特定位置または特定のオブジェクトを含む領域であってもよい。また、「移動体オブジェクトの送出先」は、例えば、ゲーム空間内の特定の方向であってもよい。野球ゲームの例では、三塁方向、本塁方向等が「移動体オブジェクトの送出先」の一例に相当する。
【0116】
また、「捕捉前送出先入力操作」とは、移動体オブジェクトがキャラクタに捕捉される前にユーザによって行われる操作であって、キャラクタが移動体オブジェクトを捕捉した後の送出先を予め指定する操作である。これは、移動体オブジェクトがキャラクタに捕捉される前の段階で、移動体オブジェクトが捕捉された後に移動体オブジェクトをどこに送出したいのかというユーザの意思(意思を示す情報)を、ゲーム制御装置に対して事前に伝えるための操作である。
【0117】
「捕捉前送出先入力操作」は、例えば、物理的なボタン等の操作とすることができる。例えば、コントローラの機能ボタン、方向ボタン、アナログスティック等の操作とすることができる(図2参照)。野球ゲームの例では、上下左右に配置された○△×□の4つの機能ボタン(又は方向ボタン)のそれぞれを、一塁、二塁、三塁、本塁に対応付けて、当該機能ボタン(又は方向ボタン)の操作により、移動体オブジェクトが捕捉される前に送出先を入力するようにしてもよい。なお、複数のボタンを組み合わせる(複数のボタンを同時に押す)ことにより、移動体オブジェクトが捕捉される前に送出先を入力するようにしてもよい。(例えば、L1ボタンを押しながら、○△×□の機能ボタンの何れかを押す等)。あるいは、アナログスティックを倒す方向と、一塁、二塁、三塁、本塁とを対応付けて、アナログスティックの操作により、移動体オブジェクトが捕捉される前に送出先を入力するようにしてもよい。
【0118】
また、「捕捉前送出先入力操作」は、例えば、タッチインターフェースに対するタッチ入力操作とすることもできる。例えば、タッチインターフェースを備えたタッチパネルにゲーム空間が表示される場合、指又はペン等の指示体で送出先の位置、領域、オブジェクトまたは方向等をタッチ入力してもよい。
また、「捕捉前送出先入力操作」は、例えば、音声入力の操作とすることもできる。
【0119】
前述の野球ゲームの例では、操作受付部111は、操作対象の野手キャラクタによってボールが捕球される前に、捕捉前送出先入力操作の一例としての捕球前送球先入力操作(図2のゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、○ボタンY(=1塁)、△ボタンB(=2塁)、□ボタンA(=3塁)または×ボタンX(=本塁)を押して送球先の塁を指定する操作)によるボールの送球先の入力を受け付ける。
【0120】
動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する機能を有する。前述の野球ゲームの例では、動作制御部112は、捕球前送球先入力操作により入力された送球先に基づいて、守備についている9人の野手キャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する。
【0121】
ここで、「前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作」とは、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出するキャラクタ(第1のキャラクタ)の動作であってもよいし、当該第1のキャラクタとは異なるキャラクタ(第2のキャラクタ)の動作であってもよい。野球ゲームの例では、打球を捕球する野手キャラクタの捕球動作又は捕球後の送球動作が、「前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作」の一例に相当する。また、例えば、打球を捕球した野手キャラクタからの送球を中継する野手キャラクタ(中継選手)が適切な中継位置へと移動する動作が、「前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作」の一例に相当する。また、例えば、打球を捕球した野手キャラクタ又は中継選手からの送球を「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」が当該送球先の塁へと移動する動作が、「前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作」の一例に相当する。また、例えば、送球先および/または中継選手への送球が逸れた場合に備えてカバーに入る野手キャラクタ(カバー選手)が適切なカバー位置へと移動する動作が、「前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作」の一例に相当する。
【0122】
前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作であって、少なくとも前記移動体オブジェクトが送出される以前の動作を制御することが好ましい。前述の野球ゲームの例では、前記動作制御部112は、捕球前送球先入力操作により入力された送出先に基づいて、守備についている野手キャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタ(例えば、捕球及び送球するキャラクタ、送球先で捕球するキャラクタ、中継選手、カバー選手等)の動作であって、少なくとも打球を捕球したキャラクタからボールが送球される以前の動作を制御する。
【0123】
ここで、「移動体オブジェクトが送出される以前」とは、捕捉前送出先入力操作が行われた以降であって、移動体オブジェクトを捕捉した後に送出するキャラクタが移動体オブジェクトを送出するまでの期間をいう。野球ゲームの例では、打球を処理する野手キャラクタの捕球前に送球先を入力するユーザの捕球前送球先入力操作が行われてから、当該野手キャラクタが捕球したボールを送球するまでの期間が、「移動体オブジェクトが送出される以前」の一例に相当する。
【0124】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、打球を捕球したキャラクタからボールが送球される以前の、野手キャラクタ(操作対象またはNPC)の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0125】
ゲーム空間内の前記複数のキャラクタには、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出する第1のキャラクタと、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタとを含めることができる。
ここで、「第1のキャラクタ」とは、ゲーム空間内で移動体オブジェクトを捕捉し、その後に移動体オブジェクトを送出するキャラクタである。野球ゲームの例では、打者キャラクタが打ったボールを捕球した後に送球する野手キャラクタが、「第1のキャラクタ」の一例に相当する。
【0126】
また、「第2のキャラクタ」とは、ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの前記第1のキャラクタとは異なるキャラクタである。野球ゲームの例では、打者キャラクタが打ったボールを捕球した後に送球する野手キャラクタ(第1のキャラクタの一例)以外の野手キャラクタが、「第2のキャラクタ」の一例に相当する。例えば、打球を捕球した野手キャラクタ又は中継選手からの送球を「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」が、「第2のキャラクタ」の一例に相当する。また、打球を捕球した野手キャラクタからの送球を中継する野手キャラクタ(中継選手)が、「第2のキャラクタ」の一例に相当する。また、送球先および/または中継選手への送球が逸れた場合に備えてカバーに入る野手キャラクタ(カバー選手)が、「第2のキャラクタ」の一例に相当する。
【0127】
そして、前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第2のキャラクタの動作を制御することが好ましい。
前述の野球ゲームの例では、前記動作制御部112は、前述の捕球前送球先入力操作により入力された送球先に基づいて、第2のキャラクタとしての「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」、「中継選手」又は「カバー選手」等の動作を制御する(図7参照)。
【0128】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、打球が第1のキャラクタである野手キャラクタによって捕球される前から、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタである「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」、「中継選手」、「カバー選手」等の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0129】
前記第2のキャラクタは、ユーザによる操作を受けずに前記動作制御部112によって動作が制御される非操作対象のキャラクタとすることができる。
ここで、「非操作対象のキャラクタ」とは、ユーザが操作しないキャラクタであって、動作制御部112によって動作が自動制御されるキャラクタである。「非操作対象のキャラクタ」は、いわゆるNPCと称されるキャラクタである。前述の野球ゲームの例では、第2のキャラクタとしての「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」、「中継選手」又は「カバー選手」等の、第1のキャラクタ以外の野手キャラクタは、動作制御部112によって動作が自動制御されるNPCである。
【0130】
なお、例えば「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」は、送球先の塁に送球されたボールを捕球するまではNPCであるが、ボールを捕球した後は操作対象となる。この例のように、1つのキャラクタが常に「非操作対象のキャラクタ」である必要はなく、所定の条件を満たせば「操作対象」に切り替わるようになっていてもよい。
同様に、1つのキャラクタが常に「操作対象」である必要はなく、所定の条件を満たせば「非操作対象」に切り替わるようになっていてもよい。例えば、打球を捕球する野手キャラクタは、捕球後にボールを送球するまで(又は送球したボールを他のキャラクタが捕球するまで)は操作対象であるが、その後は「非操作対象」に切り替わる。
【0131】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、打球が第1のキャラクタである野手キャラクタによって捕球される前から、当該第1のキャラクタとは異なる非操作対象の第2のキャラクタである「送球先の塁で捕球する野手キャラクタ」、「中継選手」、「カバー選手」等の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0132】
また、前記動作制御部112は、前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との間に存在し、所定条件を満たす前記第2のキャラクタを特定する機能を有する。
【0133】
ここで、「前記第1のキャラクタの位置」とは、前記捕捉前送出先入力操作が行われた以降の第1のキャラクタの位置である。前記捕捉前送出先入力操作の後に第1のキャラクタが移動すれば、「前記第1のキャラクタの位置」も変化する。「前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置」とは、前記捕捉前送出先入力操作に基づいて特定される送出先の位置である。「前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との間」は、両者の位置を結ぶ直線上の範囲だけではなく、当該直線に対して垂直方向の所定の幅を有する領域の範囲であってもよい。前記「所定条件」とは、前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との間に存在する第2のキャラクタに対して適用される条件である。「所定条件」には任意の条件を適用できる。例えば、前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との中間点に最も近いという条件が、「所定条件」の一例に相当する。
【0134】
野球ゲームの例で説明すると、図7に示すように、打球HBがライトのフェンスFEまで飛んでヒットになった場合を想定する。この場合、第1のキャラクタは右翼手キャラクタDC9である。右翼手キャラクタDC9が打球を捕球する前に、ユーザが捕球前送球先入力操作により送球先として3塁(3塁ベース3B)を指定したものとする。この場合、右翼手キャラクタDC9と3塁ベース3Bとの間に存在し得る第2のキャラクタは2塁手DC4、遊撃手DC6、3塁手DC5のキャラクタである。そして、所定条件を第1のキャラクタの位置と前記送出先の位置とをむすぶ線分の中点(所定の位置)に最も近い第2のキャラクタとした場合、そのときの状況に応じて、2塁手DC4又は遊撃手DC6のキャラクタの何れかが、所定条件を満たす第2のキャラクタである「中継選手」として特定される。なお、図7では、2塁手DC4が前記所定条件を満たす「中継選手」として特定された例を示している。
【0135】
なお、前記所定条件を、第1のキャラクタの位置と前記送出先の位置とをつなぐ線分上の「所定の位置」に最も近い第2のキャラクタとし、前記「所定の位置」を前記線分の中点以外の位置としてもよい。例えば、第1のキャラクタである野手キャラクタの能力パラメータ(例えば肩力や守備力)が基準値以下の場合(または基準範囲の下限より小さい場合)には、前記線分の中点よりも第1のキャラクタ側の前記線分上の位置を、「所定の位置」としてもよい。また、例えば、第1のキャラクタである野手キャラクタの前記能力パラメータが基準値を超える場合(または基準範囲の上限より大きい場合)には、前記線分の中点よりも送出先側の前記線分上の位置を、「所定の位置」としてもよい。
【0136】
また、前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記特定した第2のキャラクタの動作であって、前記移動体オブジェクトが前記第1のキャラクタから送出される以前の動作を制御する機能を有する。
前述の野球ゲームの例では、動作制御部112は、打球を捕球して送球する第1のキャラクタが打球を捕球する前に捕球前送球先入力操作により入力された送球先に基づいて、前記特定した第2のキャラクタとしての「中継選手」の動作であって、第1のキャラクタからボールが送球される以前の動作を制御する。具体的には、動作制御部112は、特定した中継選手が前述の所定の位置に向けて移動するように制御する。ここで、第1のキャラクタが移動すれば、第1のキャラクタの位置と送球先の位置とをつなぐ線分上の所定の位置も変化するので、毎フレーム毎に中継選手の移動先である所定の位置は更新される。
【0137】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、打球が第1のキャラクタである野手キャラクタによって捕球される前から、「打球を捕球して送球する第1のキャラクタの位置と送球先の位置との間に存在し、所定条件を満たす第2のキャラクタとしての中継選手」の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0138】
また、前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御する機能を有する。
前述の野球ゲームの例では、動作制御部112は、打球を捕球した後に送球する第1のキャラクタが打球を捕球する前に捕球前送球先入力操作により入力された送球先に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御する機能を有する。
【0139】
具体例としては、図11および図12に示すように、走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ場面において、第1のキャラクタとしての遊撃手DC6の送球先として、捕球前送球先入力操作により2塁が指定されたか1塁が指定されたかにより、動作制御部112は、遊撃手DC6の捕球動作または送球動作を異ならせる。これにより、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、打球が第1のキャラクタである野手キャラクタによって捕球される前から、当該第1のキャラクタの動作にユーザの意図を反映させることができる。
【0140】
なお、図11および図12では走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ場面例を示しているが、例えば走者満塁でショートゴロの打球が飛んだ場面では、遊撃手DC6が第1のキャラクタとなり、捕球前送球先入力操作により「2塁または3塁」が指定されたか、あるいは「1塁または本塁」が指定されたかにより、動作制御部112は、遊撃手DC6の捕球動作または送球動作を異ならせる。
【0141】
また、図11および図12では走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ場面例を示しているが、例えば走者満塁でセカンドゴロの打球が飛んだ場面では、2塁手DC4が第1のキャラクタとなり、送球先として、捕球前送球先入力操作により「1塁または2塁」が指定されたか、あるいは「3塁または本塁」が指定されたかにより、動作制御部112は、2塁手DC4の捕球動作または送球動作を異ならせる。
【0142】
なお、前記第1のキャラクタは、ユーザによる操作対象のキャラクタであってもよいし、非操作対象のキャラクタであり動作が自動制御されるものであってもよい。
【0143】
前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、少なくとも前記移動体オブジェクトを送出する以前の前記第1のキャラクタの動作を変化させることが好ましい。
【0144】
具体例としては、図11に示すように、第1のキャラクタとしての遊撃手DC6の送球先として、捕球前送球先入力操作により2塁が指定された場合、動作制御部112は、遊撃手DC6が内野ゴロの打球を捕球できる範囲内で止まって打球が来るのを待って捕球を行うように、遊撃手DC6の捕球モーションを制御する。一方、図12に示すように、第1のキャラクタとしての遊撃手DC6の送球先として、捕球前送球先入力操作により1塁が指定された場合、動作制御部112は、遊撃手DC6が内野ゴロの打球に向かって前に出て捕球するように、遊撃手DC6の捕球モーションを制御する。
このように、動作制御部112は、打球を捕球後に送球する第1のキャラクタが所定の内野手(遊撃手又は2塁手)であり、打球が内野ゴロの場合、第1のキャラクタの位置から捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が前記所定の基準(例えば塁間距離の1/2または2/3等)以上であるか否かによって、第1のキャラクタがボールを送球する以前の捕球動作を変化させる。
【0145】
その他の具体例を説明する。以下には、外野フライの打球を捕球した後に送球する第1のキャラクタとしての外野手の外野守備(例えば、タッチアップによる進塁に対応する外野守備)について説明する。
捕球前送球先入力操作において、後述のように中継の有無をユーザが指定できるようにしてもよい。中継なしの捕球前送球先入力操作は、送球先を直接指定することである。中継ありの捕球前送球先入力操作は、中継選手経由の送球先を指定することであり、直接の送球先としては中継選手を指定することである。
中継有りの送球先(つまり直接の送球先として中継選手)を指定した捕球前送球先入力操作が行われた場合、第1のキャラクタとしての外野手は、遠投する必要はないため確実に捕球できるように、動作制御部112は、外野フライの落下点で打球が来るのを待って捕球を行うように、外野手の捕球モーションを制御する。
一方、中継なしの送球先を指定した捕球前送球先入力操作が行われた場合、第1のキャラクタとしての外野手が遠投する必要があるため捕球後に助走しながら勢いよく送球できるように、動作制御部112は、外野フライの落下点より後方から落下点に向かって移動しながら捕球するように、外野手の捕球モーションを制御する。
【0146】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、第1のキャラクタである野手キャラクタがボールを送球する以前の第1のキャラクタの動作にユーザの意図を反映させることができる。
【0147】
また、前記動作制御部112は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記移動体オブジェクトを送出する際の前記第1のキャラクタの送出動作を変化させることが好ましい。
【0148】
具体例としては、図11に示すように、第1のキャラクタとしての遊撃手DC6の送球先として、捕球前送球先入力操作により2塁が指定された場合、動作制御部112は、捕球後に遊撃手DC6が捕球した位置で止まったままで送球するように、遊撃手DC6の送球モーションを制御する。一方、図12に示すように、第1のキャラクタとしての遊撃手DC6の送球先として、捕球前送球先入力操作により1塁が指定された場合、動作制御部112は、遊撃手DC6が打球に向かって前に出て捕球した勢いのまま助走をして送球するように、遊撃手DC6の送球モーションを制御する。
このように、動作制御部112は、打球を捕球後に送球する第1のキャラクタが所定の内野手(遊撃手又は2塁手)であり、打球が内野ゴロの場合、第1のキャラクタの位置から捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が前記所定の基準以上であるか否かによって、第1のキャラクタの送球動作を変化させる。
【0149】
その他の具体例を説明する。以下には、外野フライの打球を捕球した後に送球する第1のキャラクタとしての外野手の外野守備について説明する。
中継有りの送球先(つまり直接の送球先として中継選手)を指定した捕球前送球先入力操作が行われた場合、動作制御部112は、第1のキャラクタとしての外野手が外野フライを捕球した位置で助走せずに素早く中継選手へ送球するように、外野手の送球モーションを制御する。
一方、中継なしの送球先を指定した捕球前送球先入力操作が行われた場合、動作制御部112は、捕球後に助走をして送球するように、外野手の送球モーションを制御する。例えば、外野手が外野フライの落下点より後方から落下点に向かって移動しながら捕球した場合には、その勢いのまま助走をして送球するように、外野手の送球モーションを制御する。また、例えば、外野手が外野フライの落下点で打球が来るのを待って捕球を行った場合でも、動作制御部112は、捕球後には助走をして送球するように、外野手の送球モーションを制御する。
【0150】
上記の構成によれば、ユーザが捕球前送球先入力操作を行うことにより、第1のキャラクタである野手キャラクタがボールを送球する際の第1のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0151】
また、前記第1のキャラクタは、ユーザによる操作対象のキャラクタとすることができる。前述の野球ゲームの例では、打球を捕球および送球する第1のキャラクタは、操作対象のキャラクタであり、ユーザがキャラクタの移動、捕球および送球の各操作を行うことができる。
【0152】
そして、前記操作受付部111は、前記移動体オブジェクトが捕捉された後に、前記移動体オブジェクトの送出先を確定する捕捉後送出先確定操作を受け付けることが好ましい。前述の野球ゲームの例では、操作受付部111は、操作対象の第1のキャラクタが打球を捕球した後に、ボールの送球先を確定する送球操作(中継なしの送球操作又は中継経由送球操作)を受け付ける機能を有する。
【0153】
また、前記動作制御部112は、前記捕捉後送出先確定操作により確定された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタが前記移動体オブジェクトを送出する動作を制御することが好ましい。前述の野球ゲームの例では、動作制御部112は、打球の捕球後に行われる送球操作(中継なしの送球操作又は中継経由送球操作)で指定(確定)された送球先に基づいて、操作対象である第1のキャラクタが当該送球先または中継選手へ送球するように、第1のキャラクタの送球動作を制御する機能を有する。
【0154】
上記の構成によれば、操作対象の第1のキャラクタが打球を捕球した後にユーザが行う送球操作により、実際の送出先を確定させることができる。つまり、第1のキャラクタが打球を捕球する前に捕球前送球先入力操作によって予め指定した送球先と同じ送球先を、捕球後の送球操作により確定することもできるし、捕球前送球先入力操作によって予め指定した送球先とは異なる送球先を捕球後の送球操作により確定することもできる。よって、例えば、捕球後に、捕球前にユーザが予想していたゲームの状況とは異なった状況になった場合には、捕球前に予め指定していた送球先を捕球後に変更することも可能である。つまり、ユーザに対して、打球の捕球前および捕球後のそれぞれのゲーム状況を判断した上で送球先を入力する機会を与えることができる。
【0155】
[4.処理]
次に、本実施の形態のゲーム装置10で実行される処理の一例を以下に説明する。ここでは、前述の野球ゲームにおいて、打球を捕球後に送球が必要な守備の場面でのゲーム装置10の処理の一例を説明する。
【0156】
図15ないし図18は、ゲーム装置10の処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する処理は、記憶装置(ROM12、RAM13、補助記憶装置14等)に記憶されているゲームプログラムを、制御部110(ゲーム装置10のCPU11)が実行することにより実現される。
【0157】
図4に例示する投球・打撃画面G10において、投手キャラクタDC1が投球したボールを打者キャラクタBCが打撃すると(S100)、制御部110は、既知のアルゴリズムを適用して、打球の方向、角度、速度、軌道および着弾点を算出し、打球を移動させる(S102)。S104では、制御部110は、図4の投球・打撃画面からG10図5に例示する守備画面G20に切り替えるように、表示部20を制御する。
【0158】
S106では、制御部110は、打球の方向、速度、角度、軌道、着弾点(フライボールの落下点等)、打球内容(ゴロ、ライナー、フライ)、野手キャラクタの位置等に基づいて、その打球を処理するのに最も適した野手キャラクタDCの一人を操作対象として設定する。そして、制御部110は、図5の守備画面G20において、操作対象の野手キャラクタDCの上部に操作対象アイコンCSを表示して、現在の操作対象を明確化する。また、制御部110は、現在の操作対象の野手キャラクタDCの情報を、図14の操作対象データDT1034として記憶する。
【0159】
S108では、制御部110の操作受付部111は、打球の捕球前に、ユーザによって捕球前送球先入力操作が行われたか否かを判断する。本実施の形態では、操作受付部111は、図2のゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、○ボタンY(=1塁)、△ボタンB(=2塁)、□ボタンA(=3塁)または×ボタンX(=本塁)が押されたか否かを判断する。ここで、捕球前送球先入力操作が行われていなければ(S108でNO)、制御部110は、出塁状況(走者の位置)、各野手キャラクタの位置、打球の状態(例えば、打球の方向、軌道、着弾点の位置、ヒット性の当たりか否か)等に基づいて、打球が捕球された後に想定される送球先を、AIプログラム等を実行して自動設定する(S110)。そして、制御部110は、設定した送球先を、図14の捕球前送球先データDT1035として記憶する。S110の処理後はS116以降の処理に進む。
【0160】
打球の捕球前に、ユーザによって捕球前送球先入力操作が行われた場合(S108でYES)、操作受付部111は、捕球前送球先入力操作によってユーザが指定した送球先を設定する(S112)。そして、操作受付部111は、は、設定した送球先を、図14の捕球前送球先データDT1035として記憶する。なお、捕球前送球先データDT1035としてS110で自動設定された送球先がすでに記憶されている場合は、捕球前送球先入力操作によってユーザが指定した送球先に更新される。
【0161】
S112の処理後は、S114において操作対象が所定の内野手(本実施の形態では2塁手または遊撃手)であるか否かが判断され、S114でYESの場合はS300に進み、NOの場合はS116以降の処理に進む。S300については後述する。
【0162】
ユーザによって操作対象の野手キャラクタが操作された場合(S116でYES)、動作制御部112は、前記操作に基づいて操作対象の野手キャラクタの動作を制御する(S118)。例えば、図2のゲームコントローラ50の左スティックLSを操作して操作対象の野手キャラクタを任意の方向へ移動させる操作が行われれば、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタを移動させる。
【0163】
また、動作制御部112は、S110またはS112で設定された送球先等に基づいて、操作対象以外のNPCの野手キャラクタの動作を制御する(図16のS120)。その一例を、図17のフローチャートを参照して説明する。図17はNPCの中継選手の動作制御の一例を示す。
【0164】
図17のS200では、動作制御部112は、中継の必要性を判断する。例えば、動作制御部112は、操作対象が内野手であり内野守備の場合は中継不要と判断する。また、制御部112は、例えば操作対象が外野手であっても、打球が浅い外野フライや内野をゴロで抜けた打球等、外野手が所定の位置(例えば外野の定位置)より前方(内野側)で打球を捕球できる場合にも、中継不要と判断する。一方、制御部112は、例えば外野手が所定の位置より後方(外野フェンス側)で打球を処理する必要がある場合には、中継が必要と判断する。なお、どの塁に走者が存在するのかや、アウトカウント等のゲーム状況によっても、中継の必要性が判断される。
【0165】
動作制御部112は、中継が不要と判断した場合には(S200でNO)、中継選手を設定せずに中継選手の動作制御のサブルーチンを終了する。一方、動作制御部112は、中継の必要性があると判断した場合には(S200でYES)、操作対象以外の野手キャラクタの中から、中継に適する位置に最も近い1人の野手キャラクタを中継選手として設定する(S202)。具体的には、動作制御部112は、操作対象の位置と送球先とをつなぐ線分上の「所定の位置(例えば当該線分の中点)」に最も近い野手キャラクタを、中継選手として設定する。また、動作制御部112は、中継選手として設定した野手キャラクタのキャラクタID等を、図14の中継選手データDT1038として記憶する。
【0166】
そして、動作制御部112は、中継選手として設定した野手キャラクタを、前記所定の位置に向けて移動するように制御する(S204)。なお、ユーザの操作によって操作対象の野手キャラクタが移動すれば、それに伴って操作対象の位置と送球先とをつなぐ線分上の「所定の位置」が変化するので、動作制御部112は、毎フレーム毎に中継選手の移動先を更新して中継選手の動作を制御する。
【0167】
また、図16のS120では、動作制御部112は、中継選手以外にも、前述したように「送球先で送球を受ける選手」、送球先への送球が逸れた場合の「カバー選手」、中継選手への送球が逸れた場合の「カバー選手」等の現在のゲーム状況に応じたNPCの野手キャラクタの役割を設定する。すなわち、動作制御部112は、操作対象以外の野手キャラクタの中から「送球先で送球を受ける選手」、前記「カバー選手」等をそれぞれ決定し、NPCの各野手キャラクタの動作を自動制御する。
【0168】
S122では、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタが打球を捕球したか否かを判断し、YESの場合はS124に進み、NOの場合は図5のS106に戻る。以降も、操作対象の野手キャラクタが打球を捕球する(S122でYESとなる)まで、S106~S122の処理が繰り返される。なお、打球の位置と野手キャラクタの位置との関係で操作対象の野手キャラクタが変わることもある。この場合、S106において操作対象の野手キャラクタが更新される。
【0169】
操作対象の野手キャラクタが打球を捕球した後(S122でYES)、操作受付部111はユーザによる送球操作(中継なしの送球操作または中継経由送球操作)を受け付ける。そして、ユーザによる送球操作により送球先が入力された場合(S124でYES)、操作受付部111は、送球先を確定する(S126)。そして、操作受付部111は、確定した送球先を、図14の捕球後送球先データDT1036として記憶する。
【0170】
また、操作受付部111は中継の有無を判断する(S128)。本実施の形態では、捕球後に、ゲームコントローラ50のボタンR1またはボタンR2を押しながら、□ボタンA、△ボタンB、×ボタンXまたは○ボタンYが押された場合には中継あり(S128でYES)、ボタンR1またはボタンR2を押さずに□ボタンA、△ボタンB、×ボタンXまたは○ボタンYが押された場合には中継なし(S128でNO)と判断される。
【0171】
中継ありの場合(S128でYES)、動作制御部112は、中継選手(中継選手データDT1038として記憶されている野手キャラクタ)に送球するように操作対象の野手キャラクタの動作を制御する(S130)。その後、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタが送球したボールを捕球した中継選手が、S126で確定した送球先の塁へ送球するように、中継選手の動作を制御する(S132)。その後、S136へ進む。
【0172】
一方、中継なしの場合(S128でNO)、動作制御部112は、S126で確定した送球先の塁へ直接送球するように、操作対象の野手キャラクタの動作を制御する(S134)。その後、S136へ進む。
【0173】
S136では、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタまたは中継選手が送球したボールを、送球先の塁で野手キャラクタが捕球し、状況に応じて適切な行動を起こすように制御する(S136)。例えば、動作制御部112は、フォースプレー状況では送球先の塁を踏んで捕球し、走者キャラクタにタッチすべき状況では捕球後に走者キャラクタにタッチするように、送球先の塁で捕球した野手キャラクタの動作を制御する。
【0174】
その後、制御部110は、送球先の塁で捕球した野手キャラクタに操作対象を変更する(S138)。そして、制御部110は、図14の操作対象データDT1034を更新する。
【0175】
その後、制御部110は、今回の打撃後のプレイがまだ継続中か否かを判断する(S140)。例えば、走者がいなくなった、走者はいるが投手キャラクタにボールを戻して次の打者との対戦の準備ができた、3アウトになった等の状況になれば、今回の打撃後のプレイは終了する(S140でYES)。一方、それ以外の状況であり、例えば、走者が進塁しようとしている状況では、今回の打撃後のプレイが継続中であり(S140でNO)、S124に戻る。S124に戻った後は、変更後の操作対象に対して、ユーザが送球操作を行って送球先を指定することができる。
【0176】
次に、図15のS300の内野守備処理について説明する。操作対象の捕球前にユーザによって捕球前送球先入力操作が行われた場合であって、操作対象が所定の内野手(2塁手または遊撃手)である場合(S114でYES)、内野守備処理に移行する(S300)。この内野守備処理の一例を、図18のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0177】
図18のS302では、制御部110は、操作対象の2塁手または遊撃手が捕球する打球が内野ゴロであるか否かを判断し、YESの場合はS304に進み、NOの場合は図15の前記S116に進む。
S304では、制御部110の動作制御部112は、操作対象以外のNPCの野手キャラクタの動作を、捕球前送球先入力操作により指定された送球先、および現在のゲーム状況に基づいて制御する。例えば、図11に示すように、走者1塁でショートゴロの打球が飛んだ状況では、動作制御部112は、NPCである2塁手DC4が2塁ベース2Bまで移動するように制御する。このS304の処理は、図18の内野守備処理の終了まで継続される。
【0178】
また、ユーザによって操作対象の野手キャラクタが操作された場合(S306でYES)、動作制御部112は、前記操作に基づいて操作対象の野手キャラクタの動作を制御する(S308)。例えば、図2のゲームコントローラ50の左スティックLSを操作して操作対象の野手キャラクタを任意の方向へ移動させる操作が行われれば、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタを移動させる。
【0179】
S310では、動作制御部112は、操作対象の野手キャラクタが打球を捕球できる範囲にいるか否かを判断し、YESの場合はS312に進み、NOの場合はS306に戻る。
なお、図18のフローチャートでは省略しているが、ユーザが操作対象を移動させる操作をしても、操作対象が打球を捕球できる範囲に到達せずに、打球が内野を抜けて外野手の守備範囲へ到達することもある。この場合は、図18の内野守備処理のサブルーチンから抜けて図15のS106に進み、操作対象の変更が行われる。
【0180】
操作対象の野手キャラクタが打球を捕球できる範囲に存在する場合(S310でYES)、動作制御部112は、操作対象の現在の位置から、捕球前送球先入力操作で指定された送球先までの距離が所定の基準以上か否かを判断する(S312)。例えば、操作対象が遊撃手の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「1塁」又は「本塁」の場合は、通常(特殊なシフトの守備位置でない限り)、S312でYESと判定される。また、例えば、操作対象が2塁手の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「3塁」又は「本塁」の場合は、通常、S312でYESと判定される。
このS312でYESの場合は、図12に例示するように、動作制御部112は、操作対象キャラクタOCが打球に向かって前に出て捕球するように、操作対象キャラクタOCの捕球モーションを制御する(S314)。そして、動作制御部112は、操作対象キャラクタOCが打球を捕球した後は、打球に向かって前に出て捕球した勢いのまま助走をして送球先へ送球するように、操作対象キャラクタOCの送球モーションを制御する(S316)。
【0181】
一方、例えば、操作対象が遊撃手の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「2塁」又は「3塁」の場合は、通常、S312でNOと判定される。また、例えば、操作対象が2塁手の場合、捕球前送球先入力操作で指定された送球先が「1塁」又は「2塁」の場合は、通常、S312でNOと判定される。
このS312でNOの場合は、図11に例示するように、動作制御部112は、操作対象キャラクタOCが打球を捕球できる範囲内で止まって打球が来るのを待って捕球を行うように、操作対象キャラクタOCの捕球モーションを制御する(S318)。そして、動作制御部112は、操作対象キャラクタOCが打球を捕球した後は、捕球した位置で止まったままで送球するように、操作対象キャラクタOCの送球モーションを制御する(S320)。
【0182】
図18の例では、操作対象の捕球前に、ユーザが捕球前送球先入力操作で送球先を指定すれば、当該送球先に応じて、操作対象キャラクタの捕球モーション、および当該送球先への送球モーションが自動で制御される。
S316又はS320の処理後は、図16のS136に移行する。
【0183】
なお、図15および図16に例示するメインルーチンにおいて、S114およびS300を省略し、S112の処理後はS116に移行するようにしてもよい。
【0184】
[5.まとめ]
以上に説明した実施形態に係るゲーム装置10は、打者キャラクタが打ったボールが野手キャラクタによって捕球される前に、捕球前送球先入力操作によってユーザがボールの送球先を予め指定することができる。そして、ボールが捕球される前にユーザが指定した送球先に基づいて、守備についている野手キャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタ(例えば、捕球及び送球するキャラクタ、送球先で捕球するキャラクタ、中継選手、カバー選手等)の動作が制御される。これにより、ボールが捕球される前から、キャラクタ(操作対象またはNPC)の動作にユーザの意図を反映させることができる。よって、ユーザの意図するゲームプレイ(中継プレイ等)を可能とする興趣性の高いゲームを実現できる。
[6.変形例]
本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0185】
[6-1]野手キャラクタが打球を捕球をした後であっても、当該野手キャラクタが送球を行うまで(ユーザが中継なしの送球操作又は中継経由送球操作を行うまで)は、捕球前送球先入力操作と同じ操作を有効にしてもよい。すなわち、操作受付部111は、ゲームコントローラ50のボタンL1又はボタンL2を押しながら、○ボタンY、△ボタンB、□ボタンAまたは×ボタンXを押して送球先の塁を指定する操作を、打球を捕球した野手キャラクタが送球を行うまで受け付けるようにしてもよい。捕球後から送球前に捕球前送球先入力操作と同じ操作が行われた場合でも、捕球前と同様に、動作制御部112は、ユーザが指定した送付先に基づいて、中継選手、カバー選手、送球先で送球を受ける選手等を決定し、これらの選手の動作を制御する。
【0186】
[6-2]捕球前送球先入力操作において、中継の有無をユーザが指定できるようにしてもよい。一例を挙げると、打球の捕球前に、図2のゲームコントローラ50の「ボタンL1」を押しながら、○ボタンY(=1塁)、△ボタンB(=2塁)、□ボタンA(=3塁)または×ボタンX(=本塁)を押して送球先の塁を指定する操作を、中継なしの捕球前送球先入力操作とする。また、例えば、打球の捕球前に、図2のゲームコントローラ50の「ボタンL2」を押しながら、○ボタンY、△ボタンB、□ボタンAまたは×ボタンXを押して送球先の塁を指定する操作を、中継ありの捕球前送球先入力操作とする。
【0187】
例えば、打球の捕球前に、中継ありの捕球前送球先入力操作で送球先が指定された場合、野手キャラクタが捕球した後にユーザが送球操作を行わずとも、中継を経由した当該送球先への送球が行われるようにしてもよい。また、打球の捕球前に、中継なしの捕球前送球先入力操作で送球先が指定された場合、野手キャラクタが捕球した後にユーザが送球操作を行わずとも、中継なしで当該送球先への送球が行われるようにしてもよい。
あるいは、打球の捕球前に中継あり又はなしの捕球前送球先入力操作で送球先が指定された場合であっても、野手キャラクタの捕球後に、ユーザが中継あり又はなしの送球先を指定する送球操作をしなければ、当該野手キャラクタによる送球が行われないようにしてもよい。
【0188】
[6-3]以上では、野球ゲームの例について主に説明したが、本発明は他のゲームにも適用できる。例えば、他のスポーツゲーム(アメリカンフットボール、ラグビー、バスケットボール、クリケット、ポロ等を題材としたゲーム)、戦闘ゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲーム又は育成ゲームのように、ゲーム形式・ジャンルを問わず、「ゲーム空間内の複数のキャラクタのうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクトが捕捉された後に送出されるゲーム」なら様々なゲームに適用できる。
【0189】
[6-4]以上では、本発明の一態様によるゲーム制御装置をゲーム装置10によって実現する例を示したが、以下に示すようにゲームシステムとして構成してもよい。
図19はゲームシステム1の構成例を示す概略のブロック図である。このゲームシステム1は、複数のゲーム端末40-n(nは正の整数。40-1、40-2、・・・)と、サーバ30とを含んでいる。ゲームシステム1内のゲーム端末40-n及びサーバ30は、インターネットなどのネットワークNを介して、相互にデータ通信可能に接続されている。ここで、複数のゲーム端末40-nは同様の構成であるため、単に「ゲーム端末40」と記載して説明する。
【0190】
サーバ30は、各ユーザを一意に識別するためのユーザIDと関連付けて、ユーザのゲームに関する情報を、例えばデータベースに記憶して管理する。データベースはサーバ30内に構築されていてもよいし、サーバ30とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
サーバ30は、主に、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶装置34および通信部35を備え、これらはアドレスバス、データバス及びコントロールバス等を含むバスラインを介して相互に接続されている。
【0191】
CPU31は、システムソフトウェアやアプリケーションソフトウェアの命令を解釈して実行し、サーバ30全体の制御を行う。ROM32は、サーバ30の基本的な動作制御に必要なプログラム等を記憶している。RAM13は、各種プログラム及びデータを記憶し、CPU31に対する作業領域を確保する。補助記憶装置34は、プログラムや各種データ等を格納する記憶装置である。補助記憶装置34としては、例えばハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0192】
通信部35は、図示しない通信インタフェースを備え、ネットワークNを介した各ゲーム端末40との間の通信を制御する。また、通信部35は、ネットワークNに接続されている図示しない他のサーバとの通信も制御するようになっている。
【0193】
サーバ30は、単独のコンピュータで構成することもできるが、サーバ30の有する各機能を複数のサーバに分散して持たせる機能分散型の構成とすることもできる。あるいは、ネットワークN上に複数のサーバ30を設けて冗長化(多重化)を図ることにより、負荷分散型の構成としてもよい。また、サーバ30は、クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとして構成されてもよい。
【0194】
ゲーム端末40(端末装置の一例)は、ユーザがゲームをプレイするために使用するコンピュータである。ゲーム端末40は、例えば、家庭用のゲーム機(据置型又は携帯型)、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、携帯電話端末、PHS(Personal Handy-phone System)端末、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、多機能型テレビジョン受像機(いわゆるスマートテレビ)、遊戯施設等に設置される業務用(商業用)ゲーム機等である。
ゲーム端末40は、主に、CPU41、ROM42、RAM43、補助記憶装置44、通信部45、操作部46および表示部47を備え、これらはバスラインを介して相互に接続されている。ゲーム端末40のこれらの構成要素41~47は、図1に例示するゲーム装置10の構成要素11~16、20と同様の構成であり、その説明は省略する。
【0195】
サーバ30とゲーム端末40と互いに通信して各種データの送受が可能であり、共にCPU、ROM、RAM、補助記憶装置、通信部等を備えた情報処理装置(コンピュータ)であって、基本的には同様のハード構成を有する。よって、以上に説明したゲーム装置10の各種機能の一部をゲーム端末40のCPU41によって実現し、残りをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。または、以上に説明したゲーム装置10の各種機能のすべてをゲーム端末40のCPU41によって実現してもよい。あるいは、以上に説明したゲーム装置10の各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現してもよい。
【0196】
ゲーム装置10の各種機能のすべてをサーバ30のCPU31によって実現する構成では、サーバ30は、ゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式でゲーム端末40に送信する、いわゆるクラウドゲーミングのサービスをユーザに提供する。このクラウドゲーミングを提供するサービス形態では、ユーザのゲーム端末40にゲーム専用のソフトウェアをダウンロード又はインストールする必要がなく、ゲーム端末40をネットワークNに接続できる環境であれば、ユーザはどこでも気軽にサーバ30から提供されるゲームサービスを楽しむことができる。
【0197】
[6-5]各種情報を記憶装置に記憶する記憶制御機能を有する構成に関し、記憶装置そのものについては当該構成に含まれないので、ゲーム装置10またはゲームシステム1の内外を問わず、どこに設置されていてもよい。例えば、記憶装置は、ゲーム装置10またはゲームシステム1内の記憶装置、あるいはこれらとは別構成のファイルサーバ(オンラインストレージ)等であってもよい。
【0198】
[6-6]本実施の形態に係るコンピュータ読み取り可能なプログラムは、ハードディスク、光ディスク(CD-ROM、DVD-ROM等)、フレキシブルディスク、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録され、当該記録媒体から読み出されてゲーム装置10またはゲームシステム1を構成するコンピュータのCPUにより実行される。また、プログラムをコンピュータに提供する手段は、前述した記録媒体に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介して行うこともできる。
【0199】
[7.付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0200】
1)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10、30、40)は、ゲーム空間内の複数のキャラクタ(例えば守備中の9人の野手キャラクタ)のうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクト(例えば打者が打ったボール)が捕捉(例えば捕球)された後に送出(例えば送球)されるゲームを制御するゲーム制御装置であって、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段(111)と、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段(112)と、を含む。
この構成のゲーム制御装置は、例えば、ゲーム装置としてのコンピュータ(スマートフォン、携帯電話端末、PHS、タブレット型コンピュータ、ゲーム専用機、パーソナルコンピュータ、多機能型テレビジョン受像機、業務用ゲーム機等)により構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、各ユーザの端末装置と通信を行うことができるサーバなどのコンピュータにより構成することができる。あるいは、本ゲーム制御装置は、相互に通信する複数のコンピュータ(サーバ、端末装置等)により構成することもできる。
【0201】
10)本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、サーバ(30)と、当該サーバ(30)と通信可能な端末装置(40)とを含み、ゲーム空間内の複数のキャラクタ(例えば守備中の9人の野手キャラクタ)のうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクト(例えば打者が打ったボール)が捕捉(例えば捕球)された後に送出(例えば送球)されるゲームを制御するゲームシステムであって、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付手段(111)と、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御手段(112)と、を含む。
【0202】
11)本発明の一態様に係るプログラムは、1)~9)のいずれかに記載のゲーム制御装置(10、30、40)、又は、10)に記載のゲームシステム(1)としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0203】
12)本発明の一態様に係る情報記憶媒体は、11)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0204】
13)本発明の一態様に係るゲーム制御装置(10、30、40)又はゲームシステム(1)の制御方法は、ゲーム空間内の複数のキャラクタ(例えば守備中の9人の野手キャラクタ)のうちの何れかのキャラクタによって移動体オブジェクト(例えば打者が打ったボール)が捕捉(例えば捕球)された後に送出(例えば送球)されるゲームを制御するものであり、前記移動体オブジェクトが捕捉される前に、前記移動体オブジェクトの送出先を入力する捕捉前送出先入力操作を受け付ける操作受付ステップ(S108)と、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作を制御する動作制御ステップ(S120、S312~S320)と、を含む。
【0205】
上記1)、10)~13)に記載の態様によれば、移動体オブジェクトが捕捉される前に、捕捉前送出先入力操作によってユーザが移動体オブジェクトの送出先を予め指定することができる。そして、移動体オブジェクトが捕捉される前にユーザが指定した送出先に基づいて、複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作が制御される。これにより、移動体オブジェクトが捕捉される前から、キャラクタ(操作対象または非操作対象のキャラクタ)の動作にユーザの意図を反映させることができる。よって、ユーザの意図するゲームプレイを可能とする興趣性の高いゲームを実現できる。
【0206】
2)本発明の一態様では、上記1)または10)に記載の態様において、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記複数のキャラクタのうちの少なくとも1つのキャラクタの動作であって、少なくとも前記移動体オブジェクトが送出される以前の動作を制御するようにしてもよい。
【0207】
上記2)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、移動体オブジェクトが捕捉される以前のキャラクタ(操作対象または非操作対象のキャラクタ)の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0208】
3)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記複数のキャラクタには、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出する第1のキャラクタ(例えば打球を捕球して送球する野手キャラクタ)と、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタ(例えば中継選手、送球先で捕球する選手またはカバー選手等)とが含まれ、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第2のキャラクタの動作を制御するようにしてもよい。
【0209】
上記3)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、移動体オブジェクトが第1のキャラクタによって捕捉される前から、第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0210】
4)本発明の一態様では、上記3)に記載の態様において、前記第2のキャラクタは、ユーザによる操作を受けずに前記動作制御手段によって動作が制御される非操作対象のキャラクタであってもよい。
【0211】
上記4)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、移動体オブジェクトが第1のキャラクタによって捕捉される前から、第1のキャラクタとは異なる非操作対象の第2のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0212】
5)本発明の一態様では、上記4)に記載の態様において、前記動作制御手段(112)は、前記第1のキャラクタの位置と前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先の位置との間に存在し、所定条件を満たす前記第2のキャラクタ(例えば中継選手)を特定し、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記特定した第2のキャラクタの動作であって、前記移動体オブジェクトが前記第1のキャラクタから送出される以前の動作を制御するようにしてもよい。
【0213】
上記5)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、移動体オブジェクトが第1のキャラクタによって捕捉される前から、「第1のキャラクタの位置と送出先の位置との間に存在し、所定条件を満たす第2のキャラクタ」の動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0214】
6)本発明の一態様では、上記1)または2)に記載の態様において、前記複数のキャラクタには、前記移動体オブジェクトを捕捉後に送出する第1のキャラクタと、当該第1のキャラクタとは異なる第2のキャラクタとを含み、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタの動作を制御するようにしてもよい。
【0215】
上記6)に記載の態様によれば、移動体オブジェクトが第1のキャラクタによって捕捉される前から、第1のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0216】
7)本発明の一態様では、上記6)に記載の態様において、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先(例えば送球先が2塁か1塁か)に基づいて、少なくとも前記移動体オブジェクトを送出する以前の前記第1のキャラクタ(例えば遊撃手)の動作(例えば捕球の際のモーション)を変化させるようにしてもよい。
【0217】
上記7)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、第1のキャラクタが移動体オブジェクトを送出する以前の当該第1のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0218】
8)本発明の一態様では、上記6)または7)に記載の態様において、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉前送出先入力操作により入力された前記送出先(例えば送球先が2塁か1塁か)に基づいて、前記移動体オブジェクトを送出する際の前記第1のキャラクタ(例えば遊撃手)の送出動作(例えば送球の際のモーション)を変化させるようにしてもよい。
【0219】
上記8)に記載の態様によれば、ユーザが捕捉前送出先入力操作を行うことにより、第1のキャラクタが移動体オブジェクトを送出する際の第1のキャラクタの動作に、ユーザの意図を反映させることができる。
【0220】
9)本発明の一態様では、上記3)ないし8)の何れかに記載の態様において、前記第1のキャラクタは、ユーザによる操作対象のキャラクタであり、前記操作受付手段(111)は、前記移動体オブジェクトが捕捉された後に、前記移動体オブジェクトの送出先を確定する捕捉後送出先確定操作を受け付け、前記動作制御手段(112)は、前記捕捉後送出先確定操作により確定された前記送出先に基づいて、前記第1のキャラクタが前記移動体オブジェクトを送出する動作を制御するようにしてもよい。
【0221】
上記9)に記載の態様によれば、操作対象の第1のキャラクタが移動体オブジェクトを捕捉した後にユーザが行う捕捉後送出先確定操作により、実際の送出先を確定させることができる。つまり、第1のキャラクタが移動体オブジェクトを捕捉する前に捕捉前送出先入力操作によって予め指定した送出先と同じ送出先を、捕捉後送出先確定操作により確定することもできるし、捕捉前送出先入力操作によって予め指定した送出先とは異なる送出先を捕捉後送出先確定操作により確定することもできる。よって、例えば、移動体オブジェクトの捕捉後に、捕捉前にユーザが予想していたゲームの状況とは異なった状況になった場合には、捕捉前に予め指定していた送出先を捕捉後に変更することも可能である。つまり、ユーザに対して、移動体オブジェクトの捕捉前および捕捉後のそれぞれのゲーム状況を判断した上で送出先を入力する機会を与えることができる。
【符号の説明】
【0222】
1…ゲームシステム、N…ネットワーク、10…ゲーム装置、11…CPU、13…RAM、14…補助記憶装置、16…操作部、20…表示部、30…サーバ、40…ゲーム端末、50…ゲームコントローラ、100…データ記憶部、110…制御部、111…操作受付部、112…動作制御部、TBL101…ユーザ情報テーブル、TBL102…キャラクタテーブル、DT103…ゲーム管理データ、A…□ボタン、B…△ボタン、X…×ボタン、Y…○ボタン、L1・L2・R1・R2…ボタン、DC…野手キャラクタ、OC…操作対象キャラクタ、HB…打球、BL…ボール
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