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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108384
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20230728BHJP
【FI】
G06Q20/40 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009482
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 基治
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための出力が不正に行われる可能性を低減する情報処理装置を提供する。
【解決手段】決済管理装置30において、ユーザ端末10及び店舗端末20から各種の情報を通信網2経由で取得する取得部31、店舗IDと、電子決済を行ったときにユーザ端末10において出力される決済完了通知情報と、その決済完了通知情報の変更時期とを対応付けて記憶する記憶部33、店舗端末20からの指示に応じて、記憶部33に記憶された決済完了通知情報を変更する変更部32及び決済処理部34による決済処理が完了すると、取得部31によりユーザ端末10から取得されたコード情報を復号して得た店舗IDに対応付けて記憶部33に記憶されている決済完了通知情報を、そのユーザ端末10に送信する送信部35を備える。ユーザ端末10は、この決済完了通知情報に応じた画像又は音声を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗側の媒体に印刷されたコード情報と、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
前記決済完了通知情報を変更する変更部と、
店舗で商取引を行うユーザのユーザ端末から、当該ユーザ端末が当該店舗の前記媒体から読み取ったコード情報を取得する取得部と、
取得された前記コード情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記決済完了通知情報を、前記ユーザ端末に送信する送信部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記変更部は、前記店舗における店舗端末からの指示に応じて、前記決済完了通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記変更部は、前記店舗端末から指示された日又は時刻以後に、前記決済完了通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記変更部によって前記決済完了通知情報が変更された場合に、変更後の前記決済完了通知情報を、前記店舗における店舗端末に送信する第2送信部
を備えることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記店舗は移動可能であり、
前記変更部は、前記商取引が行われたときの前記店舗の位置に応じて前記決済完了通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記変更部は、前記商取引において電子決済された金額に応じて前記決済完了通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記変更部は、前記電子決済がされた日又は時刻に応じて前記決済完了通知情報を変更する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決済完了通知情報の変更は、前記ユーザ端末において前記決済完了通知情報に応じて表示される画像又は前記決済完了通知情報に応じて放音される音声の変更である
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子決済が完了したことを通知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートホン等のユーザ端末の普及に伴い、そのユーザ端末を用いて決済を行う電子決済サービスが広く利用されるようになっている。例えば特許文献1には、店舗に設置された二次元バーコードをユーザ端末が読み取ることにより決済を行う場合に、ユーザ端末の画面に決済完了時に表示させる表示方式を店舗端末によって設定することが記載されている。これにより、店舗端末に出力される二次元バーコードが貼り替えられたり差し替えられたりする不正を防止することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6542455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗等の媒体に印刷されたコードをユーザ端末が読み取ることにより電子決済を行う場合において、上記のような店舗端末側のコードの偽造ではなく、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知が不正に行われる可能性がある。例えば、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知する画面をキャプチャ機能等によりそのユーザ端末に保存しておき、店舗のコードを読み取ることなくそのキャプチャした画面を店員に見せることで、実際には行っていない電子決済が完了したかのように装うといった不正行為の例が考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、店舗における媒体に印刷されたコード情報をユーザ端末が読み取ることにより電子決済を行う場合に、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知が不正に行われる可能性を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、店舗側の媒体に印刷されたコード情報と、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知情報とを対応付けて記憶する記憶部と、前記決済完了通知情報を変更する変更部と、店舗で商取引を行うユーザのユーザ端末から、当該ユーザ端末が当該店舗の前記媒体から読み取ったコード情報を取得する取得部と、取得された前記コード情報に対応付けて前記記憶部に記憶されている前記決済完了通知情報を、前記ユーザ端末に送信する送信部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、店舗における媒体に印刷されたコード情報をユーザ端末が読み取ることにより電子決済を行う場合に、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知が不正に行われる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図2】同実施形態に係る決済管理装置30のハードウェア構成を示す図である。
図3】決済管理装置30の機能構成の一例を示す図である。
図4】決済管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
図5】決済管理装置30による決済完了通知情報の変更時の動作を示すフローチャートである。
図6】決済管理装置30による電子決済時の動作を示すフローチャートである。
図7】同実施形態に係るユーザ端末10の表示例を示す図である。
図8】ユーザ端末10の表示例を示す図である。
図9】ユーザ端末10の表示例を示す図である。
図10】変形例に係る決済管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
図11】変形例に係る決済管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
図12】変形例に係る決済管理装置30が記憶するデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[構成]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す図である。情報処理システム1は、ユーザが店舗で金銭を支払って商品やサービスを購入する商取引における決済を電子的に行うための、いわゆるバーコード決済システムである。図1に示すように、情報処理システム1は、ユーザによって利用されるユーザ端末10と、店舗によって利用される店舗端末20と、電子決済に関する処理を行う決済管理装置30と、これらを通信可能に接続する無線通信網又は有線通信網を含む通信網2とを備えている。
【0010】
ユーザ端末10、店舗端末20及び決済管理装置30はいずれも通信可能なコンピュータである。具体的には、ユーザ端末10は、例えばスマートホン、ウェアラブル端末又はタブレットなどの、ユーザが携帯可能なコンピュータである。店舗端末20は、店舗の店員等によって操作される端末であり、例えば電話機であってもよいし、スマートホンやタブレット又はパーソナルコンピュータ等の通信端末であってもよい。なお、ここでいう店舗とは、建物に設けられてその位置が移動しない店舗のほか、例えばタクシー、バス又は移動式販売車両などの移動可能な店舗に相当するものを含む。決済管理装置30は、サーバとして構成されたコンピュータであり、本発明に係る情報処理装置として機能する。なお、図1には、ユーザ端末、店舗端末及び決済管理装置をそれぞれ1つずつ示しているが、これらはそれぞれ複数であってもよい。
【0011】
本実施形態では、店舗における媒体(例えば店頭やレジスタの近辺に掲示されたカード等)に印刷されたQRコード(登録商標)等のコード情報をユーザ端末10が読み取ることにより電子決済を行う。このとき、ユーザ端末10において電子決済が完了したことを通知する決済完了通知画面を表示し、その決済完了通知画面を店舗の店員等が視認することにより、電子決済が正しく行われたことを確認するようになっている。
【0012】
このとき、ユーザ端末10において決済完了通知画面をキャプチャ機能により保存しておいて、店舗のコード情報を読み取ることなくそのキャプチャした画面を店員に見せることで、実際には行っていない電子決済が完了したかのように装うといった不正行為の可能性が考えられる。
【0013】
そこで、本実施形態では、電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知情報を店舗側が任意の時期に任意の内容へと変更可能とすることで、不正な第3者がその決済完了通知情報の内容を予見できないようにしている。
【0014】
図2は、決済管理装置30のハードウェア構成を示す図である。決済管理装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータとして構成されている。これらの各装置は図示せぬ電池から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。決済管理装置30のハードウェア構成は、図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、決済管理装置30を構成してもよい。
【0015】
決済管理装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0016】
プロセッサ3001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ3001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ3001によって実現されてもよい。
【0017】
プロセッサ3001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ3003及び通信装置3004の少なくとも一方からメモリ3002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。決済管理装置30の機能ブロックは、メモリ3002に格納され、プロセッサ3001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ3001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ3001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ3001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介して決済管理装置30に送信されてもよい。
【0018】
メモリ3002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ3002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ3002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0019】
ストレージ3003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ3003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0020】
通信装置3004は、通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0021】
入力装置3005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、カメラ、センサ、2次元コードリーダなど)である。出力装置3006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置3005及び出力装置3006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0022】
プロセッサ3001、メモリ3002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0023】
決済管理装置30は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ3001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0024】
ユーザ端末10及び店舗端末20は、図2に示す決済管理装置30と同様にコンピュータを実現するためのハードウェアとして、プロセッサ、メモリ、ストレージ、通信装置、入力装置、出力装置及びこれらを接続するバスなどを備えている。ただし、ユーザ端末10が備える通信装置は、無線通信を実現するべく、例えばLTE(Long Time Evolution)等の通信規格に従って通信網2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。この通信装置は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。また、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどがこの通信装置によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0025】
図3は、決済管理装置30の機能構成を示すブロック図である。図3において、取得部31は、ユーザ端末10及び店舗端末20から各種の情報を通信網2経由で取得する。例えば取得部31は、店舗で商取引を行うユーザのユーザ端末10から、そのユーザ端末10がその店舗における媒体から読み取ったコード情報を取得する。また、取得部31は、ユーザ端末10において電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知情報を変更する指示を店舗端末20から取得する。
【0026】
記憶部33は、図4に例示するように、各店舗を識別するための識別情報である店舗IDと、各店舗において電子決済を行ったときにユーザ端末10において出力される決済完了通知情報と、その決済完了通知情報の変更時期とを対応付けて記憶している。例えば、店舗ID「S001」の店舗においては、「白」の背景に対して「ありがとうございました。」というメッセージを表示するとともに、予め決められた音の多数のパターン群の中から選択された「パターンA」という音を放音する、という決済完了通知情報が記憶されている。この決済完了通知情報は「2022/1/11 0:00」から変更されている。つまり、この決済完了通知情報は、「2022/1/11 0:00」以降における電子決済完了時にユーザ端末10から出力されるようになっている。このように、決済完了通知情報は、ユーザ端末10において画像又は音声として出力される情報の内容を表している。なお、店舗における媒体に印刷されたコード情報は、その店舗の店舗IDを含む情報が符号化されたものである。よって、店舗のコード情報を復号することでその店舗の店舗IDを得ることができる。
【0027】
図3の説明に戻り、変更部32は、店舗端末20からの指示に応じて、記憶部33に記憶された決済完了通知情報を変更する。このとき、変更部32は、店舗端末20から指示された日又は時刻(図4に例示した変更時期)以後に決済完了通知情報を変更するようになっている。
【0028】
決済処理部34は、ユーザ端末10が店舗の媒体から読み取ったコード情報を含む決済要求がそのユーザ端末10から通信網2経由で取得部31により取得されると、電子決済に関する処理を行う。具体的には、決済処理部43は、決済要求に含まれるユーザIDに対応する銀行口座やクレジットカードを用いてその決済要求に含まれる決済金額をユーザから徴収するために、銀行やクレジットカード会社等の金融機関に対して決済金額等を通知する処理を行う。ユーザIDや店舗IDに対応する銀行口座やクレジットカードに関する情報は、予め決済管理装置30に記憶されている。
【0029】
送信部35は、決済処理部34による決済処理が完了すると、取得部31によりユーザ端末10から取得されたコード情報を復号して得た店舗IDに対応付けて記憶部33に記憶されている決済完了通知情報を、そのユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、この決済完了通知情報に応じた画像又は音声を出力する。店舗の店員は、ユーザ端末10から出力された画像又は音声を認識して、自店舗が指示した決済完了通知情報であることを確認することで、電子決済が正しく行われたことを把握する。
【0030】
[動作]
次に、図5,6を参照して、情報処理システム1の動作について説明する。なお、以下の説明において、例えば決済管理装置30を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信や、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。ユーザ端末10及び店舗端末20についても同様である。
【0031】
[決済完了通知情報を変更するときの動作]
図5において、店舗の店員や管理者等は、店舗端末20を用いて決済完了通知情報の変更及びその変更時期を指定する操作を行うと、店舗端末20はこの操作を受け付ける(ステップS1)。この操作は、店舗端末20が電話機である場合には、決済完了通知情報について予め用意されたメニュー群から所望するものを電話機の各キーに対応したトーン信号で選択していくことで実現可能である。また、店舗端末20がスマートホンやパーソナルコンピュータである場合には、決済完了通知情報について所望する内容を指定していくことで実現可能である。店舗の店員や管理者等は、店舗端末20を用いて指示した、決済完了通知情報の変更の内容及びその変更時期を自身で記憶しておく。
【0032】
店舗側により指定された決済完了通知情報及びその変更時期は、その店舗の店舗IDとともに通信網2経由で決済管理装置30に送信される(ステップS2)。決済管理装置30において、取得部31が決済完了通知情報、その変更時期及び店舗IDを取得すると、変更部32は、記憶部33において、上記店舗IDに対応付けて、上記の決済完了通知情報及び変更時期を記憶する(ステップS3)。なお、指定された変更時期が、現時点ではなく、将来の或る時期であれば、記憶部33は、指定された変更時期よりも前に用いられている決済完了通知情報と、指定された変更時期後に新しく用いられる決済完了通知情報と、その変更時期とを記憶することになる。
【0033】
[電子決済を行うときの動作]
図6において、ユーザは店舗で電子決済を行うとき、ユーザ端末10を用いて、店舗における媒体に印刷されたコード情報を読み取らせる(ステップS11)。そして、図7に例示するようにしてユーザ端末10に表示された入力画面において、ユーザ又は店員が決済金額(図中の「お支払金額」)を入力すると(ステップS12)、読み取られたコード情報、入力された決済金額及びユーザ端末10に記憶されているユーザIDを含む決済要求が、ユーザ端末10から通信網2経由で決済管理装置30に送信される(ステップS13)。決済管理装置30において、取得部31はこの決済要求を取得する。
【0034】
決済管理装置30において、決済処理部34は、上記決済要求に応じて、コード情報を復号して得た店舗IDや決済要求に含まれていたユーザID等を確認する等の所定の認証処理を経て(ステップS14)、上記決済金額について電子決済に関する処理を行う(ステップS15)。
【0035】
電子決済処理が正常に終了すると、送信部35は、取得部31によってユーザ端末10から取得されたコード情報を復号して得た店舗IDに対応付けて記憶部33に記憶されている決済完了通知情報を読み出して(ステップS16)、そのユーザ端末10に送信する(ステップS17)。
【0036】
ユーザ端末10は、この決済完了通知情報を画像又は音声として出力する(ステップS18)。この決済完了通知情報は、或る期間においては例えば図8に例示するような画面を表示するものであり、また、別の期間においては例えば図9に例示するような画面を表示するものである。つまり、決済完了通知情報は、店舗から指示された変更時期を跨いで変化することになるから、店舗の関係者以外の第3者は各店舗の決済完了通知画面を事前に予見することができない。一方、店舗の店員等は、ユーザ端末10から出力される決済完了通知情報を認識して、自店舗が指示した決済完了通知情報であることを確認することで、電子決済が正しく行われたことを把握する。
【0037】
以上説明した実施形態によれば、電子決済が完了したことを通知するための決済完了通知情報を店舗側が任意の時期に任意の内容へと変更可能とすることで、不正な第3者が各店舗に固有の決済完了通知画面を事前に予見できないようにしている。これにより、ユーザ端末において電子決済が完了したことを通知するための出力が不正に行われる可能性を低減することが可能となる。
【0038】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
店舗の店員や管理者が決済完了通知情報の変更を指示した後に、どのように変更したかを忘れてしまう可能性がある。そこで、例えば変更時期の直前に、その決済完了通知情報の内容を店舗端末20に通知するようにしてもよい。つまり、決済管理装置30は、変更部32によって決済完了通知情報が変更された場合に、変更後の決済完了通知情報を、例えば所定の時期又は店舗端末20からの要求に応じて、店舗端末20に送信する第2送信部を備えるようにしてもよい。これにより、店舗の店員や管理者が決済完了通知情報の変更を指示した後に、どのように変更したかを忘れてしまった場合であっても、その内容を店員や管理者に知らせることが可能となる。
【0039】
また、前述した不正行為を抑制するためには、或る程度の短い期間で決済完了通知情報を変更することが望ましい。そこで、決済管理装置30は、例えば定期的又は電子決済の処理数が閾値に達する等の所定の条件を満たすたびに、店舗端末20に対して決済完了通知情報の変更を行うことを促すメッセージを送信するようにしてもよい。このようにすれば、不正行為の抑制効果が維持されることになる。
【0040】
また、上記実施形態では、店舗側からの指示に応じて決済完了通知情報が変更されていた。これに対し、決済管理装置30が能動的に決済完了通知情報を変更し、その変更内容を店舗端末20に通知するようにしてもい。この場合においても、上記第2送信部は、変更部32によって決済完了通知情報が変更された場合に、変更後の決済完了通知情報を、店舗端末20に送信する。これにより、店舗の店員や管理者が、決済管理装置30により変更された決済完了通知情報の内容を知ることが可能となる。
【0041】
[変形例2]
決済完了通知情報を電子決済が行われる位置に応じて異ならせてもよい。この場合、記憶部33は、図10に例示するように、1つの店舗IDに対応付けて、店舗から指示された位置の範囲(エリア)ごとに異なる決済完了通知情報を記憶する。この場合、取得部31は決済要求とともに、ユーザ端末10の位置を取得し、送信部35は、その位置に対応付けて記憶された決済完了通知情報をユーザ端末10に送信する。店舗の店員は、ユーザ端末10から出力される決済完了通知情報を認識して、自店舗がその位置について指示した決済完了通知情報であることを確認することで、電子決済が正しく行われたことを把握する。このように店舗が移動可能である場合において、変更部32は、商取引が行われたときの店舗の位置に応じて決済完了通知情報を変更するようにしてもよい。
【0042】
[変形例3]
決済完了通知情報を決済金額に応じて異ならせてもよい。この場合、記憶部33は、図11に例示するように、1つの店舗IDに対応付けて、決済金額の範囲ごとに異なる決済完了通知情報を記憶する。この場合、送信部35は、決済要求に含まれる決済金額に対応付けて記憶された決済完了通知情報をユーザ端末10に送信する。店舗の店員は、ユーザ端末10から出力される決済完了通知情報を認識して、自店舗がその決済金額について指示した決済完了通知情報であることを確認することで、電子決済が正しく行われたことを把握する。このように、変更部32は、商取引において電子決済された金額に応じて決済完了通知情報を変更するようにしてもよい。
【0043】
[変形例4]
決済完了通知情報を決済時期に応じて異ならせてもよい。この場合、記憶部33は、図12に例示するように、1つの店舗IDに対応付けて、決済時期の範囲ごとに決済完了通知情報を記憶する。図12では、時間帯ごとに異なる決済完了通知情報を記憶しているが、これ以外にも、例えば日ごと、平日/休日別、週ごと、月ごとに異なる決済完了通知情報を記憶するようにしてもよい。この場合、送信部35は、決済要求が取得された時期に対応付けて記憶された決済完了通知情報をユーザ端末10に送信する。店舗の店員は、ユーザ端末10から出力される決済完了通知情報を認識して、自店舗がその決済時期について指示した決済完了通知情報であることを確認することで、電子決済が正しく行われたことを把握する。このように、変更部32は、電子決済がされた日又は時刻に応じて決済完了通知情報を変更するようにしてもよい。
【0044】
[その他の変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0045】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0046】
例えば、本開示の一実施の形態における決済管理装置などは、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
【0047】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0048】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0049】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0050】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0051】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0052】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0053】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0054】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0055】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0056】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0057】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0058】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0059】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0060】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1:情報処理システム、2:通信網、10:ユーザ端末、20:店舗端末、30:決済管理装置、31:取得部、32:変更部、33:記憶部、34:決済処理部、35:送信部、3001:プロセッサ、3002:メモリ、3003:ストレージ、3004:通信装置、3005:入力装置、3006:出力装置。
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