(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108483
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ボーリング装置
(51)【国際特許分類】
E21B 3/02 20060101AFI20230728BHJP
E02D 3/12 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
E21B3/02 B
E02D3/12 102
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009631
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】390025759
【氏名又は名称】株式会社ワイビーエム
(71)【出願人】
【識別番号】000219358
【氏名又は名称】東亜グラウト工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】511230543
【氏名又は名称】日建商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【弁理士】
【氏名又は名称】富崎 曜
(72)【発明者】
【氏名】中村 勝太
(72)【発明者】
【氏名】眞崎 新司
(72)【発明者】
【氏名】松田 道弘
(72)【発明者】
【氏名】松浦 健二
【テーマコード(参考)】
2D040
2D129
【Fターム(参考)】
2D040BA01
2D040BB01
2D040EB04
2D040FA01
2D129AB21
2D129BA13
2D129BA15
2D129CA02
2D129CA17
2D129DA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】始動時におけるアンカー設置忘れ若しくは運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止する。
【解決手段】アンカー支線60とベース50との間に、アンカー支線60の引張力を検出するアンカー設置検出装置80を接続する。(1)始動時において2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されていない場合、又は(2)運転中において1つでもアンカー支線60の引張力が所定の正常範囲内から逸脱する場合、スピンドルに対する動力伝達は回転制限装置110によって自動的に切断されるようにする。そしてスピンドルに対する動力伝達切断状態が維持される場合において、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されている場合、オペレータがアンカー設置状態監視盤120のスピンドル回転制限解除ボタンを押すことにより、スピンドル入切レバー27aの手動操作が可能となるようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転動力を発生する動力発生装置(10)と、
地盤を削孔するケーシングロッドを回転させる回転駆動装置(40)と、
前記ケーシングロッドを所定方向に給進させる給進装置(30)と、
前記動力発生装置(10)が発生した動力を前記回転駆動装置(40)に伝達する動力伝達装置(20)と、
前記動力発生装置(10)、前記動力伝達装置(20)、前記給進装置(30)及び前記回転駆動装置(40)が取り付けられるベース(50)と、
前記ベース(50)の回動を抑止する複数のアンカー支線(60)と、
前記アンカー支線(60)の引張力を検知する引張力検知装置(80)と、
前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達を切断状態にする回転制限装置(110)と、
前記引張力検知装置(80)の検知結果に連動して前記回転制限装置(110)による前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するか否かを判定する制御部(70)とを備えている
ことを特徴とするボーリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のボーリング装置において、
前記引張力検知装置(80)は、軸方向中央部が貫通した油圧シリンダ(84)と、
前記油圧シリンダ(84)を前記軸方向中央部に沿って挟み込み且つ前記アンカー支線(60)又は前記ベース(50)に係止する第1ボディ(81)及び第2ボディ(82)と、
前記軸方向中央部を貫通し前記第1ボディ(81)及び第2ボディ(82)を締結する締結具(85、86)とを有する
ことを特徴とするボーリング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のボーリング装置において、
前記引張力検知装置(80)の油圧シリンダ(84)は圧力センサを内蔵した圧力検出用継手部(92)を有する
ことを特徴とするボーリング装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のボーリング装置において、
少なくとも1つの前記引張力検知装置(80)において前記アンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内から逸脱する場合、前記制御部(70)は前記動力発生装置(10)に対する電源供給を停止すると共に前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達を切断状態にするように構成されている
ことを特徴とするボーリング装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のボーリング装置において、
前記アンカー支線(60)の引張力が正常または異常であることを表示する表示手段(121)と、或いは前記回転駆動装置装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するための回転制限解除ボタン(123)とを有する
ことを特徴とするボーリング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のボーリング装置において、
前記回転制限解除ボタン(123)が押された場合、前記制御装置(70)は所定箇所以上で前記アンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内を示す場合に限り、前記回転制限装置(110)による前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するように構成されている
ことを特徴とするボーリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボーリング装置に関し、より詳細には始動時におけるアンカー設置忘れ若しくは運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが可能なボーリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、軟弱な地盤中にケーシングロッドを回転貫入させ、ケーシングロッド先端部の噴射ノズルから地盤中にスラリー状の硬化材(グラウト)を高圧噴射して地盤改良体(円柱状固結体)を造成する工法が行われている(例えば、特許文献1を参照。)。このような工法は高圧噴射工法、高圧噴射撹拌工法、ジェットグラウト工法などと呼ばれている。
【0003】
この高圧噴射工法では、先ずケーシングロッドを造成しようとする地盤改良体の最下端位置まで下降させ、次にケーシングロッド先端部の噴射ノズルから水平方向に硬化材を高圧噴射しながらロッドを回転させて地盤改良体の最下層を造成する。その後、ケーシングロッドを所定の高さだけ上昇させて同様に地盤改良体の一段上の層を造成する。このように、ケーシングロッドを所定高さ毎に順次上昇させて、回転させながら水平方向に硬化材を高圧噴射することにより、全体が円柱状の地盤改良体を造成することができる。
【0004】
この高圧噴射工法を行う地盤改良機(ボーリング装置)は、ケーシングロッドを所定の速度で回転させるスイベルヘッド(回転駆動装置)と、スイベルヘッドを所定方向に移動させるフィードシリンダ(給進装置)とを備えている。スイベルヘッドは、ケーシングロッドを同軸上に固定するセンターホールを有するスピンドルから構成されている。一般に、スピンドルは電動モータ又は油圧モータによって歯車機構(動力伝達機構)を介して駆動されるように成っている。また、動力伝達機構は、回転動力を切断/接続(断接)するクラッチ部と、クラッチ部から入力される回転動力を所望の回転速度に変速するトランスミッション部と、動力伝達機構のスピンドルに対する歯車接続を係合状態(拘束状態)/非係合状態(フリー状態)にするスピンドル入切部とから成っている。
【0005】
ところで、スピンドルが回転し、ケーシングロッドの先端部に設けられた掘削ビットが地盤を掘削しているとき、掘削ビットが地盤に噛み込み、スピンドルが回転不能に陥る場合(ジャーミング)がある。この場合、ボーリング装置は、ケーシングロッドを介して地盤から反モーメント力を受けることになる。この反モーメント力は、ボーリング装置を滑らせようと作用することになる。この反モーメント力がボーリング装置の静止摩擦力(接地力)を上回るときにボーリング装置はケーシングロッドを中心に回動させられることになる。
【0006】
従って、ジャーミングによるボーリング装置の予期せぬ回動を防止するために、スイベルヘッド(スピンドル)を備えたボーリング装置については、始動前にアンカーを設置することが義務づけられている。
【0007】
また、アンカーの緊張力(引張力)を検知するために、歪みセンサが取り付けられた板をアンカーヘッドとアンカープレートとによって圧迫したアンカーの緊張力検知装置が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009-249903号公報
【特許文献2】特開2008-70205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献2に記載のアンカーの緊張力検知装置は、歪みセンサによってアンカーが正常に設置されていることを検知するものである。しかしながら上記特許文献3は、アンカーが正常に設置されていない場合の安全対策については何ら開示していない。
【0010】
特に、オペレータがアンカーを設置することを忘れ、アンカー設置無しでボーリング装置を運転する場合、ジャーミングが発生すると、ボーリング装置がケーシングロッドを中心に回動させられ、最悪の場合、ボーリング装置の付近で作業している作業者がボーリング装置に巻き込まれる虞がある。
【0011】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、始動時におけるアンカー設置忘れ若しくは運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが可能なボーリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係るボーリング装置は、回転動力を発生する動力発生装置(10)と、地盤を削孔するケーシングロッドを回転させる回転駆動装置(40)と、前記ケーシングロッドを所定方向に給進させる給進装置(30)と、前記動力発生装置(10)が発生した動力を前記回転駆動装置(40)に伝達する動力伝達装置(20)と、前記動力発生装置(10)、前記動力伝達装置(20)、前記給進装置(30)及び前記回転駆動装置(40)が取り付けられるベース(50)と、前記ベース(50)の回動を抑止する複数のアンカー支線(60)と、前記アンカー支線(60)の引張力を検知する引張力検知装置(80)と、前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達を切断状態にする回転制限装置(110)と、前記引張力検知装置(80)の検知結果に連動して前記回転制限装置(110)による前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するか否かを判定する制御部(70)とを備えていることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、引張力検知装置(80)によってアンカー支線(60)の設置状態を常時監視し、アンカー支線(60)の引張力が正常範囲を示す場合に限り、回転制限装置(110)による回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除することが可能になる。つまり、始動時においてアンカー設置を忘れた場合、アンカー支線(60)の引張力は正常範囲を示さない。その結果、回転制限装置(110)による回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除することができず回転駆動装置(40)を始動することが出来なくなる。これにより、始動時におけるアンカー設置忘れによるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが出来るようになる。
【0014】
更に、始動時に正常範囲を示していたアンカー支線(60)の引張力が、運転中に正常範囲から逸脱する場合、制御部(70)によって回転制限装置(110)が作動して回転駆動装置(40)に対する動力伝達は、再び切断状態に置かれることになる。それに加えて、制御部(70)によって動力発生装置(10)に対する給電が停止され、回転駆動装置(40)に対する動力の伝達がなくなるため、ケーシングロッドの回転が停止されることになる。これにより、運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが出来るようになる。
【0015】
本発明に係るボーリング装置の第2の特徴は、前記引張力検知装置(80)は、軸方向中央部が貫通した油圧シリンダ(84)と、前記油圧シリンダ(84)を前記軸方向中央部に沿って挟み込み且つ前記アンカー支線(60)又は前記ベース(50)に係止する第1ボディ(81)及び第2ボディ(82)と、前記軸方向中央部を貫通し前記第1ボディ(81)及び第2ボディ(82)を締結する締結具(85、86)とを有することである。
【0016】
上記構成では、上記第1ボディ(81)と第2ボディ(82)及び上記締結具(85、86)によって、油圧シリンダ(84)の油圧力(F1)と、締結具(85、86)の締結力(F2)と、アンカー支線(60)の引張力(F3)とを釣り合わせ(バランスさせ)ながら、油圧シリンダ(84)を安定に固定することが可能になる。これにより、油圧シリンダ(84)の油圧力(F1)を計測することによってアンカー設置状態の正常/異常を常時監視することが可能になる。
【0017】
本発明に係るボーリング装置の第3の特徴は、前記引張力検知装置(80)の油圧シリンダ(84)は圧力センサを内蔵した圧力検出用継手部(92)を有することである。
【0018】
上記構成では、引張力検知装置(80)から油圧シリンダ(84)の油圧力(F1)を取り出すことが容易となる。これにより、アンカー支線(60)の引張力(F3)を検知することが容易となる。
【0019】
本発明に係るボーリング装置の第4の特徴は、少なくとも1つの前記引張力検知装置(80)において前記アンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内から逸脱する場合、前記制御部(70)は前記動力発生装置(10)に対する電源供給を停止すると共に前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達を切断状態にするように構成されていることである。
【0020】
上記構成では、装置の始動時にアンカ-支線(60)の引張力が正常であって、その後の運転中にアンカー支線(60)が緩んで引張力が過小になったり、或いはジャーミングによりボーリング装置が回動しようとしてアンカー支線(60)の引張力が過大になる場合、動力発生装置(10)は電源を喪失することになると共に、回転駆動装置(40)に回転動力が伝達されなくなる。
【0021】
本発明に係るボーリング装置の第5の特徴は、前記アンカー支線(60)の引張力が正常または異常であることを表示する表示手段(121)と、或いは前記回転駆動装置装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するための回転制限解除ボタン(123)とを有することである。
【0022】
上記構成では、アンカー設置についての異常箇所を容易に検出することができると共に、異常であるアンカー設置状態が正常になったことを容易に検知することができる。
【0023】
本発明に係るボーリング装置の第6の特徴は、前記回転制限解除ボタン(123)が押された場合、前記制御装置(70)は所定箇所以上で前記アンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内を示す場合に限り、前記回転制限装置(110)による前記回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態を解除するように構成されていることである。
【0024】
上記構成では、回転制限解除ボタン(123)が押された場合であっても、所定箇所以上でアンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内を示さなければ、回転駆動装置(40)に対する動力伝達切断状態は解除されることはない。また、アンカー支線(60)の引張力が所定の正常範囲内か否かは、表示手段(121)によって知ることはできる。これにより始動時におけるアンカー設置忘れを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るボーリング装置によれば、始動時におけるアンカー設置忘れ若しくは運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明に係るボーリング装置を示す説明図である。
【
図2】本発明に係るアンカー制御部の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明に係るアンカー設置状態監視盤を示す説明図である。
【
図4】本発明に係るアンカー設置検出装置の斜視図および正面図である。
【
図6】本発明に係る回転制限装置の正面図および斜視図である。
【
図7】本発明に係る回転制限措置の油圧系統を示す説明図である。
【
図8】回転モータからスピンドルに到る動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【
図9】回転制限装置によるスピンドル入切レバーの手動操作不能状態を示す説明図である。
【
図10】スピンドル入切レバーの手動操作可能状態を示す説明図である。
【
図11】スピンドル入切レバーによるスピンドルに対する動力伝達許可状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係るボーリング装置100を示す説明図である。
図1(a)はボーリング装置100の正面図であり、
図1(b)はボーリング装置100の右側面図である。なお、
図1(b)においてアンカー支線60及びアンカー設置検出装置80については図示されていない。
【0029】
このボーリング装置100は、ケーシングロッド(図示せず)を地盤に回転貫入させながらの所定の深度まで掘削すると共に、ジェットグラウト工法または噴射撹拌工法等の高品質の地盤改良を実施することができるように構成されている。ケーシングロッドはスラリー状の硬化材(グラウト)を噴出するための複数の注出口を備えている。そのため、地上のグラウトポンプ(図示せず)からケーシングロッドの内部を通して供給される硬化材を地盤中に注入することができる。地盤中に注入された硬化材により地盤中に円柱形状の柱状改良杭を造成することができる。なお、使用される硬化材としては、例えばセメントミルク等である。
【0030】
また、このボーリング装置100は通電状態において、常時アンカー設置の状態(アンカー支線60の引張力)を監視し、始動時において装置の2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されていない場合、スイベルヘッド40(スピンドル42(
図8))に対する動力伝達切断状態が解除されない安全対策を実施するように構成されている。つまり、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されている状態においてのみスピンドル42(
図8)は回転が可能になるように構成されている。
【0031】
更に、スイベルヘッド40の運転中において、少なくとも1つのアンカー支線60の引張力が予め設定した正常範囲内から逸脱する場合、スイベルヘッド40の動力源であるモータ10を緊急停止すると共に、スイベルヘッド40に対する動力伝達が切断される安全対策を実施するように構成されている。これらの安全対策の詳細については、
図4から
図11を参照しながら後述する。
【0032】
このボーリング装置100の機械的構成としては、回転動力を発生する回転モータ10と、回転モータ10が発生する回転動力をスイベルヘッド40に伝達する動力伝達機構20と、スイベルヘッド40を昇降させるためのフィードシリンダ(給進手段)30と、ケーシングロッドに回転トルクを与えるスイベルヘッド(回転駆動装置)40と、「回転モータ10、動力伝達機構20、フィードシリンダ30及びスイベルヘッド40」が取り付けられるベース50と、スイベルヘッド40の運転中に装置全体が回動するのを抑制するアンカー支線60と、アンカー支線60の引張力を監視するアンカー設置検出装置80と、アンカー設置検出装置80と連動してスイベルヘッド40に動力が伝達されないようにする回転制限装置110と、アンカー設置状態を表示するアンカー設置状態監視盤120とを具備して構成される。以下、各構成について説明する。
【0033】
回転モータ10は、例えば三相220V周波数60Hzの交流電源10b(
図2)で駆動される交流モータを使用することができる。なお、本実施形態での回転モータ10の運転方式については、交流電力をそのまま回転モータ10に給電する直入れ運転方式か、或いは交流電力をインバータ10c(
図2)に入力して所望の周波数に変換した後にその交流電力を回転モータ10に給電するインバータ運転方式の何れかの運転方式を選択的に使用することができる。一般に、所定の深度まで掘削する掘削工程においては直入れ運転方式を、ジェットグラウト工法を実施する地盤改良工程においてはインバータ運転方式を使用することができる。なお、回転モータ10が発生する回転動力は、動力伝達機構20に取り込まれ所望の回転数に変換された後にスイベルヘッド(スピンドル)40に入力される。スイベルヘッド(スピンドル)40への動力伝達経路については、
図8を参照しながら後述する。
【0034】
動力伝達機構20は、回転モータ10からの回転動力の伝達を切断/接続(以下、「断接」という。)するクラッチ部(
図8)と、回転モータ10から伝達される回転動力を所望の回転数に変換するトランスミッション部(
図8)と、トランスミッション部(
図8)から伝達される回転動力を平行に伝達するカウンタ部(
図8)と、カウンタ部から伝達される回転動力をスピンドル駆動軸28(
図7)に伝達するスピンドル入切部(シンクロ部)(
図8)とから構成される。なお、動力伝達機構20の詳細については
図8を参照しながら後述する。
【0035】
クラッチレバー16aはオペレータがクラッチ部を手動にて断接するための操作レバーである。ギヤチェンジレバー21aは、オペレータがスイベルヘッド40の回転数を1速、2速、及びリバース1速に手動にて変速するための操作レバーである。
【0036】
高・低速切替レバー25aは、オペレータがスイベルヘッド40の回転数域を2速又はリバース1速より高い回転数域(3速、4速、リバース2速)に設定するための操作レバーである。スピンドル入切レバー27aは、回転モータ10の回転動力を受けるギヤG16(
図8)をスピンドル駆動軸28(
図8)にシンクロ(回転同期)させるための操作レバーである。
【0037】
フィードシリンダ30は、シリンダ31の一部分がスイベルヘッド40に固定され、他部分がフィード支持フレーム54に接触し摺動する。ロッド32は、一端がフィード支持フレーム54に固定され、他端がシリンダ31の内部を摺動する。
【0038】
スイベルヘッド40は、スピンドル駆動軸28(
図8)から伝達される回転動力を所定の回転数に変速する最終変速部41(
図8)と、ケーシングロッド(図示せず)を回転させるスピンドル42(
図8)とを具備して構成されている。
【0039】
パイプクランプ部40’は、ケーシングロッド(図示せず)を把持する4個のシリンダ40a’が中心に向かって中心角90°毎に等円周間隔で配置されている。隣り合うシリンダ40a’同士はピン(図示せず)によって結合されている。4個のシリンダ40a’の内、対角線上の2個のシリンダ40a’がクランプブラケット40b’によって支持されている。クランプブラケット40b’は上ベース51に固定されている。
【0040】
ベース50は、回転モータ10、動力伝達機構20及びパイプクランプ部40’及びフィード支持フレーム54が取り付けられる上ベース51と、上ベース51と接合しながら地面に対向する下ベース52と、下ベース52と上ベース51との間の鉛直方向(上下方向)および横方向(長手方向に直交する方向)についての相対移動を規制するスライドハンガー53とを具備して構成されている。なお、下ベース52と上ベース51はスライドシリンダ(図示せず)によって連結されている。従って、スライドシリンダ(図示せず)が伸縮することにより、上ベース51が下ベース52上を摺動することになる。逆に、アウトトリガ50’が接地し下ベース52が地面から浮いた状態でスライドシリンダ(図示せず)が伸縮することにより、下ベース52が上ベース51を摺動することになる。
【0041】
アンカー支線60は、ボーリング装置100(ベース50)を所定の引張力で構造物(図示せず)に固定するチェーンブロックを使用することができる。アンカー支線60は、引張力を検出するアンカー設置検出装置80を介してボーリング装置100に接続されている。なお、アンカー設置検出装置80の詳細については
図4及び
図5を参照しながら後述する。
【0042】
回転制限装置110は、回転モータ10からスピンドル駆動軸28への動力伝達を切断状態にする。この切断状態の解除は、アンカー支線60の引張力(アンカー設置状態)に基づいてコントロールユニット72(
図2)によって行われる。なお、回転制限装置110の詳細については
図6及び
図7を参照しながら後述する。
【0043】
図2は、アンカー設置状態に基づいて安全対策を実行するアンカー制御部70の構成を示すブロック図である。
このアンカー制御部70は、アンカー設置状態を表示するアンカー設置状態監視盤120と、アンカー設置検出装置80の油圧信号(圧力信号)を取り込んでアンカー支線60の引張力を計測し、その引張力の計測結果に基づいて回転制限装置110のスイベルヘッド40に対する動力伝達切断状態を解除するコントロールユニット72とを具備して構成されている。以下各構成について更に説明する。
【0044】
アンカー設置状態監視盤120は、アンカー支線60毎にアンカー設置状態が正常か否かを表示する正常・異常表示ランプ121と、スピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態を表示する監視装置作動中ランプ122と、回転制限装置110によるスピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態を解除可能状態(スピンドル入切レバー27aによる手動操作可能状態)にするスピンドル回転制限解除ボタン123とを具備して構成されている。なお、ここで言う「アンカー設置状態」とは、アンカー支線60の張り状態を意味している。定量的には、アンカー支線60の引張力F3を意味し、この引張力F3はアンカー設置検出装置80の油圧シリンダ84(
図5)の油圧力F1と、ボディ固定ボルト85(
図5)及びボディ固定ナット86(
図5)の締結力F2とバランスしている。これについては
図5を参照しながら後述する。以下、各構成について更に説明する。
【0045】
正常・異常表示ランプ121は、アンカー設置状態が正常である場合、緑色点灯表示する。一方、アンカー支線60の引張力F3が正常範囲内の下限値を下回る場合、例えば赤色点滅表示する。一方、引張力F3が正常範囲内の上限値を上回る場合は、例えば赤色点灯表示する。本実施形態では、アンカー設置箇所はボーリング装置100の前後左右の4箇所であるため、正常・異常表示ランプ121の個数は4個である。
【0046】
監視装置作動中ランプ122は、スピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態が解除された状態か否かを表示する。スピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態が解除されている場合、例えば緑色点灯表示する。一方、スピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態が解除されていない場合、例えば緑色点滅表示する。
【0047】
スピンドル回転制限解除ボタン123は、2箇所以上で正常・異常表示ランプ121が緑色点灯である場合に限り、コントロールユニット72は回転制限装置110によるスピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態を解除可能状態(スピンドル入切レバー27aによる手動操作可能状態)にする。従って、2箇所以上で正常・異常表示ランプ121が緑色点灯でない場合、オペレータがスピンドル回転制限解除ボタン123を押したとしても回転制限装置110によるスピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態は解除されない。
【0048】
コントロールユニット72は、マイコン又はPLC(プログラマブル論理制御装置)から構成されている。コントロールユニット72は、各アンカー設置検出装置80の圧力センサ92(
図4)から油圧信号(圧力信号)を取り込んでアンカー支線60についての引張力を計測し、その引張力計測結果に基づいて対応する正常・異常表示ランプ121を所定の発光色および点滅/点灯状態で発光させる。
【0049】
例えば、アンカー支線60についての引張力が所定の正常範囲内にあれば、コントロールユニット72は対応する正常・異常表示ランプ121を緑色点灯状態で発光させる。他方、アンカー支線60についての引張力が所定の正常範囲内を逸脱している場合、コントロールユニット72は対応する正常・異常表示ランプ121を赤色点滅状態(下限値を下回る場合)または赤色点灯状態(上限値を上回る場合)で発光させる。
【0050】
また、コントロールユニット72は、スピンドル回転制限解除ボタン123が押された場合、回転制限装置110によるスピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態を解除可能状態(スピンドル入切レバー27aによる手動操作可能状態)にするか否かを判定する。回転制限装置110による動力伝達切断状態を解除可能状態にする場合、コントロールユニット72は伸/縮切換部117を「伸」接点から「縮」接点に切り替える。伸/縮切換部117において「伸」接点から「縮」接点に接点が切り替わる場合、電動モータ112aに流れる電流の向きが反対になる。これにより、電動モータ112aの回転方向が反対になり、回転制限装置110のシリンダーロッド111aが縮むことになる。回転制限装置110による動力伝達切断状態が解除された場合、スピンドル入切レバー27aによる手動操作が可能となる。
【0051】
また、コントロールユニット72は、スピンドル42(
図8)が回転中に少なくとも1つのアンカー支線60の引張力が所定の正常範囲内を逸脱する場合、回転モータ10に対する電源供給を停止する。具体的には、回転モータ10が交流電源10bから直に給電されている場合、コントロールユニット72はモータ遮断器10dを開とする。他方、回転モータ10がインバータ10cを介して給電されている場合、コントロールユニット72はインバータ入口遮断器10eとインバータ出口遮断器10fの両方の遮断器を開とする。
【0052】
回転モータ10に対する電源供給を停止することに加えて、コントロールユニット72は伸/縮切換部117を「縮」接点から「伸」接点に切り替えて、スピンドル42(
図8)に対する動力伝達を切断状態にする。なお、伸/縮切換部117において「縮」接点から「伸」接点に接点が切り替わる場合、電動モータ112aに流れる電流の向きが反対になる。これにより、電動モータ112aの回転方向が反対になり、回転制限装置110のシリンダーロッド111aが伸びることになる。こ詳細については
図7を参照しながら後述する。
【0053】
図3は、本発明に係るアンカー設置状態監視盤120の一例を示す説明図である。
このアンカー設置状態監視盤120は、中央部に4個の正常・異常表示ランプ121がボーリング装置100に対する実際のアンカー設置箇所に対応してボーリング装置100の模式
図100’の周囲に配置されている。この4個の正常・異常表示ランプ121の配置により、オペレータは各アンカー支線60についてのアンカー設置状態を瞬時に確認することができる。
【0054】
ランプ表示状態の一例を挙げると、4個の正常・異常表示ランプ121の内、左上の正常・異常表示ランプ121は緑色点灯状態であるため、アンカー支線60が正常に設置されていることを表している。右上の正常・異常表示ランプ121は消灯状態であるため、アンカー支線60が構造物(図示せず)に接続されていないことを表している。
【0055】
更に、右下の正常・異常表示ランプ121は赤色点灯状態であるため、アンカー支線60の引張力が正常範囲内の上限値を超えていることを表している。左下の正常・異常表示ランプ121は赤色点滅状態であるため、アンカー支線60の引張力が正常範囲内の下限値を下回っていることを表している。
【0056】
また、4個の正常・異常表示ランプ121の下方には、監視装置作動中ランプ122と、スピンドル回転制限解除ボタン123が配置されている。4つのアンカー設置検出装置80が全て通電状態であり、各油圧シリンダ84(
図5)の油圧信号(圧力信号)をコントロールユニット72が受信している場合、監視装置作動中ランプ122は緑色点灯状態となる。
【0057】
また、上記4つの正常・異常表示ランプ121の表示例では、前方左側のアンカー支線60のみが正常に設置されていることになる。つまり、上記4つの正常・異常表示ランプ121の表示例は、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されている条件を満たしていないことになる。そのため、スピンドル回転制限解除ボタン123を押しても、回転制限装置110によるスピンドル42(
図8)に対する動力伝達切断状態は解除されないことになる。以下、アンカー設置検出装置80について説明する。
【0058】
図4及び
図5は、本発明に係るアンカー設置検出装置80の構成を示す説明図である。
図4(a)はアンカー設置検出装置80の斜視図である。
図4(b)はアンカー設置検出装置80の正面図である。
図5は
図4(b)のA-A断面図である。なお、説明の都合上、
図4(a)ではカバー94は省略されている。
【0059】
図5に示されるように、アンカー設置検出装置80は、油圧シリンダ84を収容し固定するための段付き貫通穴81aを有する第1ボディ81と、第1ボディ81を収容する第2ボディ82と、油圧シリンダ84の第1ボディ81に対する緩みを止めるストッパ83と、ボディ固定ボルト85及びボディ固定ナット86の締結力F2に対抗する油圧力F1を発生する油圧シリンダ84と、第1ボディ81と第2ボディ82と油圧シリンダ84を同時に固定するボディ固定ボルト85及びボディ固定ナット86と、ストッパ83を第1ボディ81に固定するスクリュ87と、第1ボディ81とボーリング装置100を連結する第1シャックル88と、第2ボディ82とアンカー支線60(
図1)を連結する第2シャックル89とを有している。
【0060】
図4(a)(b)に示されるように、アンカー設置検出装置80は更に、圧力センサ92を接続するためのT型継手91と、作動油(オイル)の圧力を検出する圧力センサ92と、作動油(オイル)を充填するための油圧供給ポート93と、これらを覆うカバー94と、カバー94を固定するためのカバー固定板95と有している。
【0061】
再び
図5に戻って、第1ボディ81は、中心軸CLに沿って段付き貫通穴81aが形成された円筒部と、第1シャックル88が接続されるU字形部とから構成されている。段付き貫通穴81aの下段の内周面には雌ねじ部が形成されている。この雌ねじ部は油圧シリンダ84のシリンダ84aの外周面に形成された雄ねじ部にねじ結合する。一方、段付き貫通穴81aの上段は油圧シリンダ84のシリンダーロッド84bが嵌合するようになっている。
【0062】
第1ボディ81の下面には、軸方向に沿って雌ねじ部81cが複数形成されている。この雌ねじ部81cがスクリュ87に係合することにより、ストッパ83が第1ボディ81の下面に固定されることになる。これにより油圧シリンダ84のシリンダ84aは、第1ボディ81とストッパ83とによってサンドウィッチされた(挟まれた)状態で安定に固定されることになる。
【0063】
第2ボディ82は、第1ボディ81が嵌合する円筒部と、第2シャックルが接続されるU字形部とから構成されている。そして、第2ボディ82は、第1ボディ81とストッパ83との組立を収容した状態でボディ固定ボルト85とボディ固定ナット86によって締結されることになる。この場合、油圧シリンダ84においては、シリンダーロッド84bの油圧力F1(押出力)と、ボディ固定ボルト85とボディ固定ナット86の締結力F2と、アンカー支線60(
図1)の引張力F3とは、下記の通りバランスしている。
[式1]:上記締結力F2=上記油圧力F1+上記引張力F3
【0064】
上記締結力F2は一定である。そのため式1の両辺について時間変化分(微分)をとると、0=ΔF1+ΔF3、すなわちΔF1=-ΔF3となる。これは油圧力の時間変化分ΔF1と引張力の時間変化分ΔF3の絶対値は等しくて向きが反対であることを示している。言い換えると、引張力F3の初期値が既知の場合(例えば初期値をゼロ点に設定することも可能)、油圧シリンダ84の油圧力の時間変化分ΔF1を計測することにより、アンカー支線60(
図1)の引張力F3についても計測することができることを示している。これにより、アンカー支線60(
図1)の引張力F3について正常範囲を設定することにより、ボーリング装置100の始動時においてはアンカー設置忘れを防止することができると共に、ボーリング装置100の運転中においてはアンカー支線60の緩み、又はジャーミング等によるボーリング装置100の不慮の回動兆候を検知することが可能となる。なお、ボーリング装置100の運転中にアンカー支線60の引張力が正常範囲内から逸脱する場合、ボーリング装置100は回転モータ10を緊急停止すると共に、回転制限装置110によって、スピンドル42(
図8)に対する動力伝達を切断状態にする。
【0065】
ストッパ83は、油圧シリンダ84を支持しながら第1ボディ81の下面に接合し、スクリュ87によって第1ボディ81に固定される。従って、ストッパ83にはスクリュ87を通すための貫通穴83bが複数形成されている。
【0066】
油圧シリンダ84は、軸方向中央部に沿って貫通したセンターホールを有する単動センターホール油圧シリンダである。軸方向中央部に形成されたセンターホールはボディ固定ボルト85が貫通する。
【0067】
油圧シリンダ84は、第1ボディ81とストッパ83との間に固定されるシリンダ84aと、先端部にピストンが一体に形成されシリンダ84a内を摺動するシリンダーロッド84bとから構成される。
【0068】
図4(a)に示されるように、シリンダ84aは作動油(オイル)を供給/排出するためのオイルポート90を1つ有している。そのオイルポート90にはT型継手91が接続されている。T型継手91の一方に圧力センサ92が接続され、他方に油圧供給ポート93が接続されている。
【0069】
再び
図5に戻って、油圧シリンダ84のシリンダ84aは、第1ボディ81とストッパ83によってサンドイッチされた状態でスクリュ87によって締結されている。そして、第1ボディ81とストッパ83によって把持された油圧シリンダ84は、第2ボディ82によって支持されながらシリンダーロッド84bをボディ固定ボルト85及びボディ固定ナット86によって締結されることになる。
【0070】
スクリュ87は、ストッパ83の貫通穴83bを通り第1ボディ81の雌ねじ部81cに係合する。次に、回転制限装置110について説明する。
【0071】
図6は、本発明に係る回転制限装置110の構成を示す説明図である。
図6(a)は回転制限装置110の正面図である。
図6(b)は回転制限装置110の斜視図である。
【0072】
図6(a)に示されるように、この回転制限装置110は、スピンドル入切レバー27aを(シャフト27bを支点として)図上左右に揺動させる油圧シリンダ111と、油圧シリンダ111を駆動する油圧シリンダ駆動部112と、油圧シリンダ111及び油圧シリンダ駆動部112を支持するブラケット113と、油圧シリンダ111の先端に取り付けられた係合部114と、係合部114と係合する連結軸116と、スピンドル入切レバー27aのシャフト27bと連結軸116を連結する連結板115とを有している。以下、各構成について説明する。
【0073】
油圧シリンダ111は、作動油が流入出する油室(
図7)を2個有する複動形の油圧シリンダである。図上左側の左油室111b(
図7)に作動油が供給される場合、シリンダーロッド111aは図上右側に伸びることになる。一方、図上右側の右油室111c(
図7)に作動油が供給される場合、シリンダーロッド111aは図上左側に縮むことになる。なお、
図6(a)のシリンダーロッド111aは縮んだ状態である。
【0074】
油圧シリンダ駆動部112は、電動モータと、電動モータによって駆動される油圧ポンプと、作動油の流れを切り替える油圧回路と、作動油を貯蔵するオイルタンクとから構成されている。この油圧シリンダ駆動部112の詳細については
図7を参照しながら後述する。
【0075】
ブラケット113は、ボーリング装置100のフレームに固定されている。ブラケット113の下面には取付板113aがねじ止めされている。
【0076】
図6(b)に示されるように、取付板113aには油圧シリンダ111のボトム側をヒンジピン113b1を支点として回転自在に支持するヒンジ支持部113bと、油圧シリンダ駆動部112の下面端部を支持する支持部113cが取り付けられている。
【0077】
図7は、本発明に係る回転制限措置110の油圧系統を示す説明図である。なお、説明の都合上、電動モータ112aが逆転の場合、油圧ポンプ112bのポートBから作動油が吐出され、電動モータ112aが正転の場合、油圧ポンプ112bのポートAから作動油が吐出されるものとする。また、電動モータ112aが逆転の場合、図上右から左へ電流が流れ、電動モータ112aが正転の場合、図上左から右へ電流が流れるものとする。
【0078】
油圧シリンダ駆動部112は、油圧ポンプ112bを駆動する電動モータ112aと、ポートB側からポートA側へ、或いはポートA側からポートB側へ作動油を流すことが可能な可逆式の油圧ポンプ112bと、ポートA側またはポートB側の何れか一方をオイルタンク112jへ連通させる切換弁112cと、ポートA側のライン圧PAをパイロット圧とする右パイロットチェック弁112dと、ポートB側のライン圧PBをパイロット圧とする左パイロットチェック弁112eと、右油室111cからの急激な作動油の流出を抑制する右流量調整弁112fと、左油室111bからの急激な作動油の流出を抑制する左流量調整弁112gと、右油室111c側のライン圧が所定の閾値を超えた場合に作動油をオイルタンク112jに戻す右第1リリーフ弁112hと、左油室11b側のライン圧が所定の閾値を超えた場合に作動油をオイルタンク112jに戻す左第1リリーフ弁112iと、ポートB側のライン圧PBが所定の閾値を超えた場合に作動油をオイルタンク112jに戻す右第2リリーフ弁112kと、ポートA側のライン圧PAが所定の閾値を超えた場合に作動油をオイルタンク112jに戻す左第2リリーフ弁112Lと、左油室111b及び右油室111cの作動油をオイルタンク112jに戻すマニュアル弁112mと、作動油を貯蔵するオイルタンク112jとを具備して構成されている。以下、油圧シリンダ駆動部112の動作について説明する。
【0079】
先ず、電動モータ112aが逆転する場合、油圧ポンプ112bのポートB側のライン圧PBによって、切換弁112cの弁体(図示せず)は、図上左側に移動させようとする油圧力(油圧ポンプ112bのポートB側のライン圧PB)を受けることになる。そして、ライン圧PBが切換弁112cのスプリングの弾性力を上回るときに弁体(図示せず)は図上左側に移動し、ポートP1とポートP3が連通するようになる。
【0080】
その結果、オイルタンク112jから作動油が油圧ポンプ112bのポートAに吸い込まれ、ポートBから吐出されることになる。油圧ポンプ112bのポートBから吐出された作動油は、右パイロットチェック弁112dを通って右油室111cに供給され、シリンダーロッド111aは図上左側に移動する(縮む)。なお、油圧ポンプ112bのポートB側のライン圧PBによって左パイロットチェック弁112eは、左油室111bからポートA側への作動油の逆方向流入が可能となる。
【0081】
そのため、シリンダーロッド111aが左側に(左油室111b側に)移動することによって左油室111bから追い出された作動油は、左パイロットチェック弁112eを通って、一部が油圧ポンプ112bのポートAに吸い込まれ、残りが切換弁112cを通って、オイルタンク112jに戻されることになる。シリンダーロッド11aが左端に当接すると、ポートB側のライン圧PBが上昇する。ライン圧PBが所定の閾値を超える場合、右第2リリーフ弁112kが開き、余剰の作動油をオイルタンク112jに戻す。
【0082】
一方、電動モータ112aが正転する場合、油圧ポンプ112bのポートA側のライン圧PAによって、切換弁112cの弁体(図示せず)は、図上右側に移動させようとする油圧力(油圧ポンプ112bのポートA側のライン圧PA)を受けることになる。そして、ライン圧PAが切換弁112cのスプリングの弾性力を上回るときに弁体(図示せず)は図上右側に移動し、ポートP2とポートP3が連通するようになる。
【0083】
その結果、オイルタンク112jから作動油が油圧ポンプ112bのポートBに吸い込まれ、ポートAから吐出されることになる。油圧ポンプ112bのポートAから吐出された作動油は、左パイロットチェック弁112eを通って左油室111bに供給され、シリンダーロッド111aは図上右側に移動する(伸びる)。なお、油圧ポンプ112bのポートA側のライン圧PAによって右パイロットチェック弁112dは、右油室111cからポートB側への作動油の逆方向流入が可能となる。
【0084】
そのため、シリンダーロッド111aが右側に(右油室111c側に)移動することによって右油室111cから追い出された作動油は、右パイロットチェック弁112dを通って、一部が油圧ポンプ112bのポートBに吸い込まれ、残りが切換弁112cを通って、オイルタンク112jに戻されることになる。シリンダーロッド11aが右端に当接すると、ポートA側のライン圧PAが上昇する。ライン圧PAが所定の閾値を超える場合、左第2リリーフ弁112Lが開き、余剰の作動油をオイルタンク112jに戻す。
【0085】
このように、電動モータ112aが正転する場合、油圧シリンダ111のシリンダ-ロッド11aは伸びることになる。一方、電動モータ112aが逆転する場合、油圧シリンダ111のシリンダ-ロッド11aは縮むことになる。
【0086】
ところで、電動モータ112aが通電されていない場合、油圧ポンプ112bは停止する。その結果、油圧ポンプ112bのポートA側のライン圧PAと、ポートB側のライン圧PBは等しくなり、切換弁112cの弁体(図示せず)は中立位置(何れのポートも連通していない状態)でバランスすることになる。これにより、右油室111cの作動油は右パイロットチェック弁112dによって封止され、左油室111bの作動油は左パイロットチェック弁112eによって封止されることになる。そして、温度上昇等によって作動油の圧力が所定の閾値を超える場合、左第1リリーフ弁112h又は右第1リリーフ弁112iが開いて圧力超過分に係る作動油をオイルタンク112jに戻すことになる。
【0087】
また、非常時においてマニュアル弁112mの弁体(図示せず)を図上右側に手動にて移動させることにより、ポートP1とポートP2の双方がポートP3に連通し、これにより左油室111bと右油室111cの作動油がオイルタンク112jに戻されることになる。
【0088】
まとめると、電動モータ112aが正転又は逆転し、これによりシリンダーロッド111aが伸びた又は縮んだ状態となる。なお、本実施形態では電動モータ112aの正転/逆転の切り替えは、電動モータ112aに流れる電流の方向を切り替える伸/縮切換部117を介してコントロールユニット72によって行われる。
【0089】
図8は、回転モータ10からスピンドル42に到る動力伝達経路を示すスケルトン図である。なお、説明の都合上、回転制限装置110のシャフト27bとピニオン軸27上のシャフト27bは分離して図示されているが、シャフト27bは同軸一体構造物である。
【0090】
回転モータ10が発生した動力は、先ずVベルト11を介して第1入力軸12-1に入力する。第1入力軸12-1に入力した動力は、クラッチ板14を介して第2入力軸12-2に入力する。なお、クラッチ板14は通常(ノーマル)状態ではクラッチカバー15のスプリング15aによってプレッシャプレート13に圧着係合されている。そして、クラッチレバー16aを押し下げることにより、クラッチボス16が図上左側に移動してクラッチ板14とプレッシャープレート13との圧着係合が解除されるようになっている。
【0091】
第2入力軸12-2に入力した動力は、ギヤG1とギヤG2によって変速された後にギヤ付き軸21に入力する。ここで、ギヤチェンジレバー21aを操作して、第1スプライン軸22のギヤG6を図上左側に移動させてギヤ付き軸21のギヤG4に噛合させることにより、或いは第1スプライン軸22のギヤG5を図上右側に移動させてギヤ付き軸21のギヤG3に噛合させることにより、或いは第2スプライン軸23のギヤG8及びギヤG9を図上右側に移動させて、第2スプライン軸23のギヤG8とギヤG9をギヤ付き軸21のギヤG4と第1スプライン軸22のギヤG6にそれぞれ噛合させることにより、ギヤ付き軸21に入力した動力は、ギヤG7とギヤG10によって変速された後にギヤ付き第1カウンタ軸24入力する。
【0092】
ここで、高速・低速切替レバー25aを操作して、ギヤ付きカウンタスプライン軸25のギヤG12を図上右側に移動させてギヤ付き第1カウンタ軸24のギヤG11に噛合させることにより、或いはギヤ付きカウンタスプライン軸25のギヤG12を図上左側に移動させて第1スプライン軸22とギヤ付きカウンタスプライン軸25を直結させることにより、ギヤ付き軸21に入力した動力は、ギヤG13とギヤG14によって変速された後にギヤ付き第2カウンタ軸26に入力する。
【0093】
因みに、ギヤ付きカウンタスプライン軸25のギヤG12とギヤ付き第1カウンタ軸24のギヤG11が噛み合う場合が、低速モードである。一方、第1スプライン軸22とギヤ付きカウンタスプライン軸25が直結する場合は高速モードである。
【0094】
従って、低速モードにおいて第1スプライン軸22のギヤG6とギヤ付き軸21のギヤG4が噛み合う場合が、1速である。他方、低速モードにおいて第1スプライン軸22のギヤG5とギヤ付き軸21のギヤG3が噛み合う場合が、2速である。また、低速モードにおいてギヤG8とギヤG9がギヤG4とギヤG6にそれぞれ噛み合う場合が、リバース1速である。
【0095】
また、高速モードにおいて第1スプライン軸22のギヤG6とギヤ付き軸21のギヤG4が噛み合う場合が、3速である。他方、高速モードにおいて第1スプライン軸22のギヤG5とギヤ付き軸21のギヤG3が噛み合う場合が、4速である。また、高速モードにおいてギヤG8とギヤG9がギヤG4とギヤG6にそれぞれ噛み合う場合が、リバース2速である。
【0096】
ギヤ付き第2カウンタ軸26に入力した動力は、ギヤ15とギヤG16によって変速されながらギヤG16を自由回転させる。なお、ギヤG16はピニオン軸27に対し相対回転フリーなギヤである。ギヤG16には内歯のギヤG17が同軸に取り付けられている。また、ピニオン軸27はスプライン溝を有し、そのスプライン溝にはギヤG17と噛合可能な外歯のギヤG18が嵌合している。そのため、ギヤG18は常時ピニオン軸27と一体になって回転する。つまり、ギヤG18はピニオン軸27に同期(シンクロ)している。
【0097】
また、ギヤG18はシフター27cに常時係合してピニオン軸27の軸方向に沿って移動可能である。なお、シフター27cはシャフト27bに一体化され、このシャフト27bにスピンドル入切レバー27aがテーパーピンによって固定されている。従って、オペレータがスピンドル入切レバー27aを図上右側に揺動させることにより、ピニオン軸27のギヤG18とギヤG17が噛み合う。その結果、ギヤG16がピニオン軸27にシンクロし、ギヤ付き第2カウンタ軸26に入力した動力は、ギヤG15とギヤG16によって変速された後にギヤG19とギヤG20によって伝達方向を90°変換させられてスピンドル駆動軸28に入力することになる。
【0098】
スピンドル駆動軸28に入力した動力は、ギヤG21とギヤG23によって変速された後にスピンドル42に入力する。スピンドル42はケーシングロッド(図示せず)を回転駆動することになる。
【0099】
他方、オペレータがスピンドル入切レバー27aを図上左側に揺動させることにより、ピニオン軸27のギヤG18とギヤG17は非係合状態(噛み合わない状態)となる。その結果、ギヤG16がピニオン軸27に対し相対回転フリーな状態になり、ギヤ付き第2カウンタ軸26に入力した動力は、ピニオン軸27に伝達されなくなる。すなわち、ギヤG17とギヤG18が非係合状態となることによって、スピンドル42に対する動力伝達は切断されることになる。
【0100】
なお、本実施形態では、オペレータがスピンドル入切レバー27aを操作できるためには、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されていることが必要である。アンカー支線60が正常に設置されていることは、アンカー支線60の引張力F3が所定の正常範囲内にあることに基づいて、コントロールユニット72により判定される。アンカー支線60の引張力F3は、ボーリング装置100とアンカー支線60との間に取り付けられたアンカー設置検出装置80の圧力センサ92から出力される油圧信号(圧力信号)を基にコントロ-ルユニット72によって算出される。
【0101】
図9は、回転制限装置110によるスピンドル入切レバー27aの手動操作不能状態を示す説明図である。
(1)始動時において2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されていない場合、又は(2)運転中において少なくとも1つのアンカー支線60の引張力が所定の正常範囲内から逸脱する場合の何れかが発生するとき、シリンダーロッド111aは最大限に伸びた状態になる。
【0102】
油圧シリンダ111のシリンダーロッド111aが伸びることにより、シリンダーロッド111aの先端に設けられた係合部114が連結軸116を図上右側に移動させる。これにより、連結板115がシャフト27bを支点として図上右側に揺動する。その結果、スピンドル入切レバー27aが図上左側に揺動し、スピンドル42に対する動力伝達が強制的に切断されることになる。
【0103】
また、
図7で説明した通り、電動モータ112aが正転するとシリンダ-ロッド111aは伸びた状態になる。そのため、オペレータはスピンドル入切レバー27aを図上右側に揺動させること、つまりスピンドル42に対する動力伝達切断状態を解除することができなくなる。その結果、スピンドル42に対する動力伝達切断状態がそのまま維持されることになる。これは、
図8においてピニオン軸27のギヤG18がギヤG17に噛み合っていない場合に対応している。
【0104】
図10は、スピンドル入切レバー27aの手動操作可能状態を示す説明図である。
スピンドル42に対する動力伝達切断状態がそのまま維持される場合において、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されている場合、オペレータがアンカー設置状態監視盤120(
図3)のスピンドル回転制限解除ボタン123(
図3)を押すことにより、シリンダーロッド111aは最大限に縮んだ状態になる。
【0105】
油圧シリンダ111のシリンダーロッド111aが縮むことにより、シリンダーロッド111aの先端に設けられた係合部114が図上左側に移動する。これにより、連結軸116の図上左側に移動可能な隙間(斜線部分)が生じる。その結果、スピンドル入切レバー27aが図上右側に揺動可能となる。
【0106】
図11は、スピンドル入切レバー27aによるスピンドル42に対する動力伝達許可状態を示す説明図である。
オペレータがスピンドル入切レバー27aを図上右側に揺動させることにより、
図8においてシフター27cが図上右側に移動し、ピニオン軸27のギヤG18がギヤG17に噛み合うになる。その結果、ギヤG16がピニオン軸27にシンクロしてスピンドル42に対する動力伝達が許可状態になる。
【0107】
以上の通り、本発明のボーリング装置100によれば、(1)始動時において2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されていない場合、又は(2)運転中において少なくとも1つのアンカー支線60の引張力が所定の正常範囲内から逸脱する場合の何れかが発生するとき、スピンドル42に対する動力伝達は回転制限装置110によって自動的に切断される。
【0108】
また、スピンドル42に対する動力伝達切断状態がそのまま維持される場合において、2箇所以上でアンカー支線60が正常に設置されている場合、オペレータがアンカー設置状態監視盤120(
図3)のスピンドル回転制限解除ボタン123(
図3)を押すことにより、スピンドル入切レバー27aの手動操作が可能となる。これにより、始動時におけるアンカー設置忘れ若しくは運転中におけるアンカー設置不良によるボーリング装置の不慮の回動を確実に防止することが可能となる。
【0109】
以上、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上記だけに限定されない。すなわち、本発明の技術的範囲内において種々の修正・改良を追加することが可能である。例えば、回転制限装置110の電動モータ112aの回転方向(正転/逆転)を切り替える伸/縮切換部117については、リレー接点、又は半導体スイッチング素子を用いても良い。
【0110】
回転制限装置110については、クラッチレバー16aに係合するようにしても良い。また、正常・異常表示ランプ121等のランプ表示については液晶表示画面を使用しても良い。また、スピンドル回転制限解除ボタン123等のボタンについては液晶表示タッチパネルを使用しても良い。
【0111】
アンカー設置検出装置80の圧力センサ92については外付けタイプでも良い。また、アンカー支線60についてはワイヤーロープを使用しても良い。
【符号の説明】
【0112】
10 回転モータ
10b 交流電源
10c インバータ
10d モータ遮断器
10e インバータ入口遮断器
10f インバータ出口遮断器
11 Vベルト
12-1 第1入力軸
12-2 第2入力軸
13 プレッシャープレート
14 クラッチ板
15 クラッチカバー
16 クラッチボス
16a クラッチレバー
20 動力伝達機構(動力伝達装置)
21 ギヤ付き軸
21a ギヤチェンジレバー
22 第1スプライン軸
23 第2スプライン軸
24 ギヤ付き第1カウンタ軸
25 ギヤ付きカウンタスプライン軸
25a 高・低速切替レバー
26 ギヤ付き第2カウンタ軸
27 ピニオン軸
27a スピンドル入切レバー
27b シャフト
27c シフター
27d ロータリーエンコーダ
28 スピンドル駆動軸
30 フィードシリンダ(給進装置)
31 シリンダ
32 ロッド
40 スイベルヘッド(回転駆動装置)
41 最終変速部
42 スピンドル(回転駆動装置)
50 ベース
51 上ベース
52 下ベース
53 スライドハンガー
54 フィード支持フレーム
50’ アウトリガ
60 アンカー支線
70 アンカー制御部(制御部)
72 コントロールユニット
80 アンカー設置検出装置(引張力検知手段)
81 第1ボディ
81a 段付き貫通穴
81c 雌ねじ部
82 第2ボディ
83 ストッパ
83b 貫通穴
84 油圧シリンダ
84a シリンダ
84b シリンダーロッド
84c ピストン
85 ボディ固定ボルト
85a ワッシャ
86 ボディ固定ナット
87 ナット
88 第1シャックル
89 第2シャックル
90 オイルポート
91 T型継手
92 圧力センサ(圧力検出用継手部)
93 油圧供給ポート
94 カバー
95 カバー固定板
110 回転制限装置
111 油圧シリンダ
111a シリンダ-ロッド
111b 左油室
111c 右油室
112 油圧シリンダ駆動部
112a 電動モータ
112b 油圧ポンプ
112c 切換弁
112d 右パイロットチェック弁
112e 左パイロットチェック弁
112f 右流量調整弁
112g 左流量調整弁
112h 右第1リリーフ弁
112i 左第1リリーフ弁
112j オイルタンク
112k 右第2リリーフ弁
112L 左第2リリーフ弁
113 ブラケット
113a 取付板
113b ヒンジ支持部
113c 支持部
113d カバー
114 係合部
115 連結軸
116 連結板
117 伸縮切換部
118 回転制限装置電源部
120 アンカー設置状態監視盤
121 正常・異常表示ランプ
122 監視装置作動中ランプ
123 スピンドル回転制限解除ボタン