(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108492
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】一時染毛料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/36 20060101AFI20230728BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A61K8/36
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009643
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】591147339
【氏名又は名称】株式会社トキワ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】竹澤 俊平
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB132
4C083AB172
4C083AB222
4C083AB242
4C083AB372
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC241
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC422
4C083AC792
4C083AC862
4C083AD072
4C083BB04
4C083BB21
4C083CC14
4C083CC36
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE26
(57)【要約】
【課題】 ごわつきを感じにくい仕上がりで毛髪を着色することができるとともに二次付着を十分防止することができる一時染毛料組成物を提供すること。
【解決手段】 一時染毛料組成物は、(A)石鹸素地と、(B)顔料と、を含有する。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)石鹸素地と、(B)顔料と、を含有する、一時染毛料組成物。
【請求項2】
カールフィッシャー法で測定される水分量が20%以下である、請求項1に記載の一時染毛料組成物。
【請求項3】
粉末又は固形状である、請求項1又は2に記載の一時染毛料組成物。
【請求項4】
前記(A)成分の含有量が、一時染毛料組成物の全量を基準として、30~90質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の一時染毛料組成物。
【請求項5】
前記(A)成分の含有量と前記(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が、0.5~80である、請求項1~4のいずれか一項に記載の一時染毛料組成物。
【請求項6】
前記(B)成分として、(B1)着色顔料及び(B2)体質顔料を含み、
前記(A)成分、前記(B1)成分及び前記(B2)成分の含有量の合計を100質量部としたときに、前記(B1)成分の含有量が0.5~50質量部であり、前記(B2)成分の含有量が0.5~50質量部である、請求項1~5のいずれか一項に記載の一時染毛料組成物。
【請求項7】
前記(B1)成分及び前記(B2)成分の含有量の合計が、1~55質量部である、請求項6に記載の一時染毛料組成物。
【請求項8】
非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の一時染毛料組成物。
【請求項9】
水と混合して用いられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の一時染毛料組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一時染毛料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢化に伴う白髪染め需要層の増加、カラー毛髪のファッション化によって、染毛料が流行している。染毛料は、毛髪に着色した色の持続性の観点から一時染毛料、半永久染毛料、永久染毛料に分類される。これらのうち、一時染毛料は、その使用方法が簡単で目的とする部位に塗布するだけでよく、スピーディに染毛できる利点があり、外出前の使用などには最適である。また、一時染毛料はシャンプーで簡単に洗い落とすことができるので染めた色に不満があるときや他の色に変更したいときなどに便利であり、市場でのその需要も高いものである。
【0003】
従来、一時染毛料は、無機顔料を中心とした色材と、色材を毛髪に固着させるとともに、衣服などへの二次付着を防ぐための皮膜剤と、エタノールなどの速乾性の揮発性溶剤とを含む組成物を、エアゾール噴射剤とともにエアゾール缶に充填したスプレー製品が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
上記の一時染毛料は、皮膜剤として皮膜性を有する高分子化合物が用いられており、着色した毛髪がごわつく傾向にある。このようなごわつき感を低減するために、ゲル化剤や油性物質を配合した一時染毛料も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-189634号公報
【特許文献2】特開平10-158129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術では、色材の二次付着を十分防止することが困難であった。
【0007】
本発明は、ごわつきを感じにくい仕上がりで毛髪を着色することができるとともに二次付着を十分防止することができる一時染毛料組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、(A)石鹸素地と、(B)顔料と、を含有する一時染毛料組成物を提供する。
【0009】
本発明の一時染毛組成物によれば、上記構成を有することにより、ごわつきを感じにくい仕上がりで毛髪を着色することができるとともに二次付着を十分防止することができる。このような効果が本発明によって奏される理由について、本発明者らは、石鹸素地の配合により、顔料を毛髪に固着させる特性と、顔料が固着した毛髪における摩擦抵抗を低減する特性とが同時に得られることで、耐二次付着性を効率よく高めることができたためと推察する。
【0010】
本発明の一時染毛料組成物は、カールフィッシャー法で測定される水分量が20%以下であってもよい。
【0011】
本発明の一時染毛料組成物は、粉末又は固形状であってもよい。
【0012】
上記(A)成分の含有量は、一時染毛料組成物の全量を基準として、30~90質量%であってもよい。
【0013】
上記(A)成分の含有量と上記(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)は、0.5~80であってもよい。
【0014】
本発明の一時染毛料組成物は、上記(B)成分として、(B1)着色顔料及び(B2)体質顔料を含み、上記(A)成分、上記(B1)成分及び上記(B2)成分の含有量の合計を100質量部としたときに、上記(B1)成分の含有量が0.5~50質量部であり、上記(B2)成分の含有量が0.5~50質量部であってもよい。
【0015】
上記(B1)成分及び上記(B2)成分の含有量の合計は、1~55質量部であってもよい。
【0016】
本発明の一時染毛料組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含むことができる。
【0017】
本発明の一時染毛料組成物は、水と混合して用いることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ごわつきを感じにくい仕上がりで毛髪を着色することができるとともに二次付着を十分防止することができる一時染毛料組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[一時染毛料組成物]
本実施形態の一時染毛料組成物は、(A)石鹸素地(以下、(A)成分という場合もある)と、(B)顔料(以下、(B)成分という場合もある)と、を含有する。
【0020】
<(A)石鹸素地>
石鹸素地としては、化粧料に用いられる公知の石鹸素地を用いることができる。例えば、牛脂、羊油などの動物油脂、もしくはヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油などの植物油脂又はそれらの混合油脂を、苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液などのアルカリ性水溶液で鹸化する、又は、これらの油脂を分解して得られる脂肪酸を、苛性ソーダ水溶液、苛性カリ水溶液、アルカノールアミン水溶液等のアルカリ性水溶液で中和することにより調製されたものを用いることができ、ニートソープ状態で配合してもよく、乾燥したものを配合してもよい。
【0021】
石鹸素地は、炭素数10~40の脂肪酸塩を含むことができ、パーム核脂肪酸塩、パーム脂肪酸塩、水添ヤシ脂肪酸塩、ヒマワリ種子油脂脂肪塩などの植物由来の脂肪酸塩を含んでいてもよく、ミリスチン酸塩、ステアリン酸塩、イソステアリン酸塩等の高級脂肪酸塩を含んでいてもよい。これらの塩は、ナトリウム塩及びカリウム塩等のアルカリ塩、アスパラギン酸塩及びアルギニン塩等のアミノ酸塩、又は、トリエタノールアミン塩等のアミン塩であってもよい。また、石鹸素地は、固形状石鹸、液状石鹸又は両方を含んでいてもよい。更に、石鹸素地は、クエン酸及び水酸化ナトリウム等のpH調整剤を含んでいてもよい。なお、石鹸素地の成分表示において、脂肪酸塩の表示名称が、脂肪酸とこれを中和するアルカリに分けて記載される場合や、植物由来の脂肪酸の表示名称が、例えば、ヒマワリ種子油脂肪酸がヒマワリ種子油と記載されることもある。
【0022】
石鹸素地は、水を含んでいてもよいし、水を含んでいなくてもよい。石鹸素地における水分量は、0.1~80質量%であってもよく、0.5~20質量%であってもよく、1.0~18質量%であってもよい。なお、本明細書において水分量とは、カールフィッシャー法によって測定される値を意味する。
【0023】
石鹸素地中の脂肪酸塩の含有量は、顔料の固着性の観点から、石鹸素地の全量を基準として、20~100質量%であってもよく、顔料の固着性と耐二次付着性との両立の観点から、60~95質量%であってもよく、70~90質量%であってもよい。
【0024】
なお、上記の脂肪酸塩の含有量は、「JIS K3304:2019(6.4純石けん分)」に準拠して測定することができる。
【0025】
石鹸素地は、「パームサブン PS-2405」(IOI OLEOCHEMICAL社製、商品名)、「SOAPLEX HOSOVEG」(Laboratoire Sandralex社製、商品名)、「アルホーム K-100」(新日本理化株式会社製、商品名)、「ORGANIC PPAQUE SOAP BASE」(CARIBBEAN ECO SOAPS社製、商品名)、「アミノソープ AR-12」(味の素ヘルシーサプライ株式会社製、商品名)、などの市販品を用いることができる。
【0026】
一時染毛料組成物における(A)成分の含有量は、一時染毛料組成物の全量を基準として、30~90質量%であってもよく、良好な泡立ち、ごわつき抑制と耐二次付着性との両立の観点から、35~80質量%であってもよく、40~80質量%であってもよく、発色が得られやすい点で、40~60質量%であってもよい。
【0027】
また、本実施形態においては、(A)成分の配合量を、(A)成分に含まれる脂肪酸塩の含有量を指標に(換言すれば、脂肪酸塩の質量換算で)設定してもよい。この場合、(A)成分の配合量は、脂肪酸塩の質量換算で、一時染毛料組成物の全量を基準として、20~90質量%、30~80質量%、又は35~75質量%であってもよい。すなわち、一時染毛料組成物における(A)成分由来の脂肪酸塩の含有量が上記の数値範囲であってもよい。
【0028】
<(B)顔料>
顔料としては、化粧料に用いられる公知の顔料を配合することができ、着色顔料、体質顔料等が挙げられる。顔料の粉体は、球状、板状、針状等の形状;煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径;多孔質、無孔質等の粒子構造等について特に限定されず用いることができる。(B)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0029】
本実施形態の一時染毛料組成物は、(B)成分として、(B1)着色顔料(以下、(B1)成分ともいう)を含有することができる。(B1)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
着色顔料としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛、微粒子酸化チタン、パール顔料(雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムフレーク、ガラス末等)、有機顔料(赤色228号、赤色226号、青色404号、赤色202号、黄色4号アルミニウムレーキ等)、天然色素(カルミン、ベニバナ等)などが挙げられる。これらの顔料は、使用性や分散性等の向上を目的として、表面処理が施されていてもよい。表面処理としては、金属石鹸、シリコーン化合物、フッ素化合物、界面活性剤、N-アシル酸性アミノ酸以外のアミノ酸化合物等が挙げられる。
【0031】
(B1)成分の粒径は、1~500μmであってもよく、5~300μmであってもよい。
【0032】
一時染毛料組成物における(B1)成分の含有量は、発色の観点から、一時染毛料組成物の全量を基準として、0.5~50質量%であってもよく、発色と耐二次付着性を両立しやすくする点で、1.0~35質量%であってもよく、2.0~20質量%であってもよい。
【0033】
本実施形態の一時染毛料組成物は、(B)成分として、(B2)体質顔料(以下、(B2)成分ともいう)を含有することができる。(B2)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
体質顔料としては、無機粉体、合成無機粉体、有機粉体、金属セッケン、合成高分子粉体などが挙げられる。より具体的には、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成金雲母(合成マイカ)、カオリン、セリサイト、合成セリサイト、タルク、金雲母、合成雲母、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、硫酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸亜鉛、ポリエチレン末、ウレタンビーズ、ポリメタクリル酸メチル、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられる。
【0035】
(B2)成分の粒径は、1~200μmであってもよく、5~150μmであってもよい。
【0036】
一時染毛料組成物における(B2)成分の含有量は、ごわつきの抑制の観点から、一時染毛料組成物の全量を基準として、0.5~55質量%であってもよく、泡立ちやすさの観点から、3~50質量%であってもよく、ごわつきの抑制と耐二次付着性との両立の観点から、10~40質量%であってもよい。
【0037】
本実施形態の一時染毛料組成物は、(B)成分として、(B1)着色顔料及び(B2)体質顔料を含んでいてもよい。この場合、(B1)成分の含有量及び(B2)成分の含有量はそれぞれ、(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分の含有量の合計を100質量部としたときに、0.5~50質量部及び0.5~50質量部であってもよく、1.0~45質量部及び20~50質量部であってもよく、1.0~35質量部及び20~40質量部であってもよい。
【0038】
また、なめらかな使用性と耐二次付着性の観点から、(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分の含有量の合計を100質量部としたときに、(B1)成分及び(B2)成分の含有量の合計が、1~55質量部であってもよく、5~45質量部であってもよく、10~40質量部であってもよい。
【0039】
発色、ごわつき抑制と耐二次付着性の両立の観点から、(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分の含有量はそれぞれ、一時染毛料組成物の全量を基準として、40~60質量%、1.5~20質量%、10~35質量%であってよく、40~60質量%、1.5~15質量%、及び20~35質量%であってもよい。
【0040】
一時染毛料組成物における(B)成分の含有量は、発色、ごわつきの抑制の観点から、一時染毛料組成物の全量を基準として、1~60質量%であってもよく、5~50質量%であってもよく、12~44質量%であってもよい。
【0041】
本実施形態の一時染毛料組成物は、皮膜剤を含んでいなくても十分な耐二次付着性を得ることができるが、皮膜剤を更に含んでいてもよい。皮膜剤としては、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー及びその塩、酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ポリアクリル酸塩、並びに、アクリル共重合体エマルション等が挙げられる。
【0042】
皮膜剤の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1~200質量部であってよく、0.1~50質量部であってもよく、1~30質量部であってもよい。また、皮膜剤の含有量は、一時染毛料組成物の全量を基準として、10質量%以下であってもよく、5質量%以下であってもよい。
【0043】
本実施形態の一時染毛料組成物は、良好な泡立ちを得る観点から、界面活性剤を更に含んでいてもよい。界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤が挙げられる。泡が付着しやすく、発色の観点から、非イオン界面活性剤を用いることができる。
【0044】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及び、それらのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、スルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリアスパラギン酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などが挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩などが挙げられる。両性界面活性剤としては、水添レシチン、カルボベタイン型両性界面活性剤、スルホベタイン型両性界面活性剤、アミノ酸型両性界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
非イオン性界面活性剤の含有量は、一時染毛料組成物の全量を基準として、0.01~10質量%であってもよく、0.1~8質量%であってもよい。
【0046】
石鹸素地との親和性の観点から、HLB値が8.0以上である非イオン性界面活性剤を用いることができる。なお、HLB(親水性-親油性バランス)は、グリフィン法に基づき下記式より算出される。
HLB値=20×[(親水部の分子式量の総和)/(全体の分子量)]
【0047】
本実施形態の一時染毛料組成物は、使用感を調整する観点から、多価アルコールを更に含んでいてもよい。
【0048】
多価アルコールとしては、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ペンチレングリコール、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン等が挙げられる。多価アルコールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0049】
<その他の成分>
本実施形態の一時染毛料組成物は、上述した成分以外の成分を含むことができる。その他の成分として、例えば、頭髪用化粧料で通常使用される油分、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬剤、香料、(B)成分以外の粉体、塩等を適宜配合することができる。
【0050】
本実施形態の一時染毛料組成物は、良好な泡立ちを得る観点から、水分量が20質量%以下であってもよく、15質量%以下であってもよく、10質量%以下であってもよい。なお、一時染毛料組成物の水分量は、カールフィッシャー水分計(MKS-510N、京都電子工業製)を用いて、カールフィッシャー法により測定することができる。
【0051】
なお、本実施形態の一時染毛料組成物は、組成物の保管環境によって水分が揮発し、製造直後や、所定の経過時間内(例えば24時間以内)に測定される水分量よりも減少する場合があるが、その場合であっても本願発明の効果を奏することができる。
【0052】
本実施形態の一時染毛料組成物は、種々の剤形で用いることができ、例えば、液状、ゲル状、半固形状(ペースト状)、固形状、粉末状であってもよい。液状の染毛料組成物は、液状石鹸を含む一時染毛料組成物、又は、水分散液である一時染毛料組成物であってもよい。
【0053】
固形状の一時染毛料組成物としては、顆粒、シート、成形体等が挙げられる。成形体は、圧縮成形体、押出成形体、充填成形体、又は溶融成形体であってもよい。
【0054】
固形状の一時染毛料組成物の形状は、円状、楕円状、多角形状、矩形状、星型、ハート型、花型などであってもよい。
【0055】
一時染毛料組成物が成形体である場合、レオメーターで測定される25℃の硬度(測定条件:感圧軸の先端形状が直径1mmの棒状、針入速度6cm/分、針入度2mm)が0.1N以上であってもよく、1~15Nであってもよい。
【0056】
本実施形態の一時染毛料組成物は、水と混合して用いることができる。例えば、一時染毛料組成物と水と混合し、泡立てた泡を、毛髪に塗布することができる。この場合、一時染毛料組成物は、泡立ち、使い勝手の観点から、固形状、粉末状であってもよく、水分量が上述した範囲であってもよく、顆粒、シート、成形体であってもよい。また、発色の観点から、一時染毛料組成物100質量部に対して、水を5質量部以上、10~70質量部、又は20~60質量部混合してもよい。
【0057】
泡立てる道具は、ブラシ、スポンジ、コーム、スクリューブラシ、スパチュラ等が挙げられる。
【0058】
本実施形態の一時染毛料組成物は、毛髪等、眉毛の一時染毛の用途として用いることができ、整髪、トリートメント、眉毛のスタイリング等の機能を有していてもよい。
【0059】
本実施形態の一時染毛料組成物は、上述した(A)石鹸素地と、(B)顔料、及び必要に応じてその他の成分を混合し、公知の方法で製造することができる。
【0060】
例えば、上述した(A)石鹸素地、(B)顔料、及び必要に応じてその他の成分を、3本ロール、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、アトマイザー、ニーダー等を用いて、均一混合し、一時染毛料組成物の基材を得ることができる。必要に応じ、(A)石鹸素地と、(B)顔料、及び必要に応じてその他の成分を混合後、40~90℃で加熱処理しても良い。
【0061】
(粉末の場合)
上記で得られる基材を、ミキサー等を用いた粉砕法又はスプレードライ法によって粉末状にすることにより、一時染毛料組成物の粉末を製造することができる。このとき、粉末における水分量が上述した範囲であってもよい。
【0062】
(成形体の場合)
上記で得られる基材を、所定の容器に充填し、必要に応じて圧縮や加熱溶融することにより、所定の形状の一時染毛料組成物の成形体(例えば、圧縮成形体、溶融成形体、押出成形体)を製造することができる。別の方法として、上記で得られる基材を加熱溶融し、所定の容器に充填し固化することにより、所定の形状の一時染毛料組成物の成形体(例えば、充填成形体)を製造することもできる。成形体は、水分量が上述した範囲であってもよく、硬度が上述した範囲であってもよい。
【0063】
(顆粒の場合)
上記で得られる基材を、乾式造粒又は湿式造粒などの方法によって顆粒にすることにより、一時染毛料組成物の顆粒を製造することができる。このとき、顆粒における水分量が上述した範囲であってもよい。
【0064】
(シートの場合)
上記で得られる基材を、延伸法又はキャスト法によってシート状にすることにより、一時染毛料組成物のシートを製造することができる。このとき、シートにおける水分量が上述した範囲であってもよい。
【0065】
上述した方法で得られた一時染毛料組成物は、必要に応じて、更に乾燥させてもよい。乾燥は、組成物の水分量を調整するために行ってもよい。その場合、自然乾燥してもよく、40~90℃で加熱してもよい。また、組成物の水分量が上述した範囲になるように乾燥を行ってもよい。
【実施例0066】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の技術範囲が限定されるものではない。
【0067】
[一時染毛料組成物の作製]
(実施例1~実施例53及び比較例1、2)
表1~表9に示される処方(配合量の数値は染毛料組成物全量を基準とする含有量(質量%)を示す)で、下記の製法にて一時染毛料組成物を調整した。
【0068】
なお、表1~表9中の原料の詳細については下記のとおりである。
【0069】
<(A)成分:石鹸素地>
石鹸素地-1:「パームサブン PS-2405」(IOI OLEOCHEMICAL社製、商品名)、水分量:14~16%、脂肪酸塩含有量:80~82%
【0070】
<製法>
表中に記載の各成分を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより均一混合し、一時染毛料の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、一時染毛料の成形体を形成した。なお、実施例25については、一時染毛料の成形体を形成した後、60℃で12時間加熱する乾燥を行った。
【0071】
得られた成形体について、下記の評価方法に基づき各項目の評価を実施した。
【0072】
[水分量]
成形体0.3gを試料とし、カールフィッシャー水分計(MKS-510N、京都電子工業製)を用いて、カールフィッシャー法により測定した。水分量の測定は、成形体を製造して24時間以内に行った。
【0073】
[評価1]
各成形体の表面全体が湿るように、水2mLを滴下し、洗顔ブラシで泡立てた。洗顔ブラシで泡立てた泡を、ヤギ毛束に塗布し、乾燥することにより、着色毛束をそれぞれ得た。
【0074】
<二次付着しにくさ>
得られた各着色毛束を、キッチンペーパーを半分に折り畳んだ間に挟み、重り(水を入れて全量を1200gに調整した1000mLガラスビーカー(外径110mm、全高150mm))を、ヤギ毛束全体を押さえるように載置した。このまま1分間放置した後、目視観察にて、化粧料の付着度合いを目視で確認し、下記判定基準にしたがって評価した。
[判定基準]
◎:化粧料の付着がほとんど見られない
〇:やや化粧料の付着がみられる
△:化粧料の付着がみられる
×:顕著な化粧料の付着が見られる
【0075】
<ごわつきのなさ>
得られた各着色毛束について、パネラー5名に着色毛束を指で触った時のごわつきのなさ(柔らかさ)を評価してもらった。
【0076】
評価は、下記の評価基準に従って3段階評価を行いサンプル毎に評点を付し、更に全パネラーの評点の平均点を下記の判定基準に従って判定した。
[評点:評価基準]
3点:ごわつかず、下記に示す方法で作製された比較着色毛束よりも柔らかいと感じる
2点:比較処方よりもごわつきが少なく、柔らかいと感じる
1点:比較処方と大差は感じない
[判定基準(評点の平均点)]
◎:2.5点以上
〇:2.0点以上2.5点未満
△:1.5点以上2.0点未満
×:1.5点未満
【0077】
<比較着色毛束の作製>
下記の比較処方の顔料、油分、有機変成粘土鉱物を混合し、ロールにて分散した後、エタノールを加え、ディスパーで均一分散させて、染毛料を得た。得られた染毛料を、ブラシにてヤギ毛束の先端から5cmまでサンプル0.2gを塗布し、室温(25±1℃)で15分間乾燥し、比較着色毛束を得た。
【0078】
[比較処方]
(配合成分) (配合割合(質量%))
(1) カルボキシベタイン樹脂-1 9.0
(2) エタノール 55.0
(3) 黒酸化鉄 3.5
(4) 赤色202号 0.8
(5) 硫酸バリウム 1.2
(6) 黄色4号アルミニウムレーキ 6.5
(7) リンゴ酸ジイソステアリル 5.0
(8) セスキイソステアリン酸ソルビタン 3.0
(9) シクロメチコン 11.0
(10)ステアラルコニウムベントナイト 5.0
カルボキシベタイン樹脂-1:「ユカフォーマー202」(三菱化学社製、商品名)
【0079】
[評価2]
<発色>
各成形体の表面全体が湿るように、水2mLを滴下し、洗顔ブラシで泡立てた。泡立てた泡を、被験者の毛髪(黒髪)に塗布し、乾燥させた。このときの毛髪への着色感について、パネラー5名に下記判定基準に従って評価してもらった。5名の評価の合計点をもって下記基準に従い評価を行った。
[判定基準]
3点:着色感を感じられる
2点:着色が弱い
1点:着色感を感じられない
[判定基準(評点の平均点)]
◎:2.5点以上
〇:2.0点以上2.5点未満
△:1.5点以上2.0点未満
×:1.5点未満
【0080】
[評価3]
各成形体の表面全体が湿るように、水2mLを滴下し、洗顔ブラシで泡立てた。このときの泡立ち具合及び泡の質について、下記の判定基準に従って評価した。
【0081】
<泡立ち>
[判定基準]
〇:泡立ちが早い。
△:やや泡立ちが遅い。
×:泡立ちが遅い。
【0082】
<泡の質(泡の細かさ)>
[判定基準]
〇:泡がきめ細かい
×:大きな泡が混ざっている
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
(実施例54:アイブロウ用一時染毛料)
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 32.2
2.ベンガラ 4.6
3.黄酸化鉄 1.7
4.カーボンブラック 0.2
5.酸化チタン 1.3
6.石鹸素地-1 50.0
7.1,3-ブチレングリコール 5.0
8.ペンチレングリコール 5.0
上記成分6の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0093】
<製法>
成分1~8を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、アイブロウ用一時染毛料の成形体を形成した。
【0094】
<評価>
得られたアイブロウ用一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「◎」、ごわつきについては「◎」、発色の良さについては「◎」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。成形体の水分量は0.3質量%であった。
【0095】
(実施例55:アイブロウ用一時染毛料)
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 24.4
2.ベンガラ 9.2
3.黄酸化鉄 3.4
4.カーボンブラック 0.4
5.酸化チタン 2.6
6.石鹸素地-1 50.0
7.1,3-ブチレングリコール 5.0
8.ペンチレングリコール 5.0
上記成分6の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0096】
<製法>
成分1~8を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、アイブロウ用一時染毛料の成形体を形成した。
【0097】
<評価>
得られたアイブロウ用一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「〇」、ごわつきについては「〇」、発色の良さについては「◎」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。成形体の水分量は5質量%であった。
【0098】
(実施例56:一時染毛料)
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 25.4
2.カーボンブラック 0.3
3.ジメチコン処理黄酸化鉄 1.2
4.ジメチコン処理酸化チタン 0.9
5.ジメチコン処理ベンガラ 3.2
6.石鹸素地-1 50.0
7.1,3-ブチレングリコール 5.0
8.ペンチレングリコール 5.0
9.ココイルメチルタウリンNa 3.0
10.クエン酸 6.0
上記成分6の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0099】
<製法>
成分1~10を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、加温処理後、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、一時染毛料の成形体を形成した。
【0100】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「◎」、ごわつきについては「◎」、発色の良さについては「◎」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。成形体の水分量は5質量%であった。
【0101】
(実施例57:一時染毛料)
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 9.5
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-2 80.0
4.1,3-ブチレングリコール 2.5
5.ペンチレングリコール 2.5
上記成分3の詳細は、以下のとおりである。
石鹸素地-2:「SOAPLEX HOSOVEG」(Laboratoire Sandralex社製、商品名)、水分量:7~13%、脂肪酸塩含有量:81~89%
【0102】
<製法>
成分1~5を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、一時染毛料の成形体を形成した。
【0103】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「◎」、ごわつきについては「〇」、発色の良さについては「◎」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。成形体の水分量は5質量%であった。
【0104】
(実施例58:一時染毛料(水分散液))
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 59.5
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-1 5.0
4.ポリビニルピロリドン(PVP) 10.0
5.水 20.0
上記成分3の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0105】
<製法>
成分4を成分5の水に分散させた後、これと加熱溶解した成分1~3とをディスパーにて混合して、一時染毛料の水分散液を得た。
【0106】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「△」、ごわつきについては「△」、発色の良さについては「〇」の評価であった。なお、泡立ち及び泡の質については、十分な泡が得られなかった。
【0107】
(実施例59:一時染毛料(液状))
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 8.5
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-3 70.0
4.ポリビニルピロリドン(PVP) 10.0
5.クエン酸 6.0
上記成分3の詳細は、以下のとおりである。
石鹸素地-3:「アルホーム K-100」(新日本理化株式会社製、商品名)、水分量:67~73%、脂肪酸塩含有量:27~33%
【0108】
<製法>
成分4を成分5の水に分散させた後、これと加熱溶解した成分1~3とをディスパーにて混合して、液状の一時染毛料を得た。
【0109】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「△」、ごわつきについては「〇」、発色の良さについては「△」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。水分量は45%であった。
【0110】
(実施例60:一時染毛料(ペースト状))
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 3.0
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-1 50.0
4.1,3-ブチレングリコール 20.0
5.ペンチレングリコール 20.0
6.ミリスチン酸ポリグリセリル-10 1.0
7.クエン酸 0.5
上記成分3の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0111】
<製法>
成分1~7を3本ロールにより混合して、ペースト状の一時染毛料を得た。
【0112】
<評価>
得られた一時染毛料(ペースト状)について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「△」、ごわつきについては「△」、発色の良さについては「〇」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。ペーストの水分量は5質量%であった。
【0113】
(実施例61:一時染毛料)
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理マイカ母体パール粒径20μm 25.5
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-1 50.0
4.1,3-ブチレングリコール 5.0
5.ペンチレングリコール 5.0
6.ミリスチン酸ポリグリセリル-10 3.0
7.クエン酸 6.0
上記成分3の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0114】
<製法>
成分1~7を、3本ロールを用いて均一に分散し、スーパーミキサーにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚さが3.5mmとなるように圧縮成形し、一時染毛料の成形体を形成した。
【0115】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「△」、ごわつきについては「△」、発色の良さについては「◎」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。成形体の水分量は5質量%であった。
【0116】
(実施例62:一時染毛料(弾力のある固形状))
(成分) (配合割合(質量%))
1.ジメチコン処理合成金雲母 20.5
2.赤226 5.5
3.石鹸素地-1 50.0
4.1,3-ブチレングリコール 5.0
5.ペンチレングリコール 5.0
6.ミリスチン酸ポリグリセリル-10 3.0
7.クエン酸 6.0
8.キサンタンガム 5.0
上記成分3の詳細は、すでに上述したものと同様である。
【0117】
<製法>
成分1~7を3本ロールにより混合して、染毛料組成物の基材を得た。得られた基材を、直径43mmの金皿に充填し、プレス後の厚みが3.5mmとなるように、乾燥し、弾力のある固形状の一時染毛料を形成した。
【0118】
<評価>
得られた一時染毛料について、上記同様の評価を行ったところ、二次付着しにくさについては「△」、ごわつきについては「△」、発色の良さについては「〇」、泡立ちについては「〇」、泡の質については「〇」の評価であった。一時染毛料の水分量は5質量%であった。