(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108506
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】電力システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20230728BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20230728BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J7/35 K
H02J13/00 301A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009663
(22)【出願日】2022-01-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-11
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上甲 信悟
【テーマコード(参考)】
5G064
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB08
5G064CB10
5G064DA01
5G066AA04
5G066HA15
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G066LA06
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA10
5G503DA04
5G503DA19
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】 蓄電装置が電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を適切に評価することができる電力システム及び制御方法を提供する。
【解決手段】 電力システムは、電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、
前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、
前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信する、電力システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記遅れ時間の反映を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記蓄電装置に前記組合せを要求する際に、前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報を要求する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項4】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、
前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、
前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信する、電力システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記蓄電装置が前記電力系統の周波数を取得する周期を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定する、請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、
前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備える、制御方法。
【請求項7】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、
前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備える、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電力系統の電力需給バランスを維持するために、蓄電装置を分散電源として用いる技術(例えば、VPP(Virtual Power Plant))が知られている。このようなケースにおいては、施設から電力系統に供給される逆潮流電力によって、電力系統の周波数を調整する必要がある(以下、需給調整)。このような需給調整を可能とするために、調整電源をカテゴリに分けて、カテゴリ毎に適切な信号を送信する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、AC(Aggregation Coordinator)及びRA(Resource Aggregator)などの事業者から施設に対して需給調整が要求される場合に、施設は、需給調整の要求に応じて、施設内において電力系統の周波数に基づいて蓄電装置を制御する特定制御を実行すると想定される。施設は、AC又はRAに対して、特定制御の結果を報告する。
【0005】
このようなケースにおいて、特定制御の方式としては、GW(Gateway)が電力系統の周波数に基づいて蓄電装置を制御する第1方式と、蓄電装置が電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する第2方式と、が考えられる。
【0006】
第2方式では、GWは、特定制御に必要なパラメータを蓄電装置にセットし、特定制御の結果を蓄電装置から取得する。特定制御の結果は、電力系統の周波数と、電力系統の周波数に基づいて制御された調整電力と、の組合せを含む。
【0007】
ここで、時刻t1において取得された電力系統の周波数に基づいて、時刻t1よりも後の時刻t2において蓄電装置の調整電力(充電電力又は放電電力)が制御される。例えば、GWが時刻t2において特定制御の結果を蓄電装置から取得するケースにおいて、蓄電装置は、時刻t2における電力系統の周波数と時刻t2における調整電力との組合せをGWに送信してしまう。すなわち、時刻t1と時刻t2との遅れ時間が考慮されておらず、上述した特定制御を適切に評価することができない。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、蓄電装置が電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を適切に評価することができる電力システム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の一態様は、電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信する、電力システムである。
【0010】
開示の一態様は、電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信する、電力システムである。
【0011】
開示の一態様は、電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備える、制御方法である。
【0012】
開示の一態様は、電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備える、制御方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蓄電装置が電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を適切に評価することができる電力システム及び制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態に係る電力管理システム1を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る施設100を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る蓄電装置120を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るEMS160を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る周波数の変動調整を説明するための図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る周波数の変動調整を説明するための図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る特定制御を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係るオプション1を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るオプション2を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るオプション3を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
【0016】
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。電力管理システムは、単に、電力システムと称されてもよい。
【0017】
図1に示すように、電力管理システム1は、施設100を有する。電力管理システム1は、電力管理サーバ200を含んでもよい。
【0018】
ここで、施設100及び電力管理サーバ200は、ネットワーク11を介して通信可能に構成される。ネットワーク11は、インターネットを含んでもよく、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよく、移動体通信網を含んでもよい。
【0019】
施設100は、電力系統12に接続されており、電力系統12から電力が供給されてもよく、電力系統12に電力を供給してもよい。電力系統12から施設100への電力は、潮流電力、買電電力又は需要電力と称されてもよい。施設100から電力系統12への電力は、逆潮流電力又は売電電力と称されてもよい。
図1では、施設100として、施設100A~施設100Cが例示されている。
【0020】
特に限定されるものではないが、施設100は、住宅などの施設であってもよく、店舗などの施設であってもよく、オフィスなどの施設であってもよい。施設100は、2以上の住宅を含む集合住宅であってもよい。施設100は、住宅、店舗及びオフィスの少なくともいずれか2以上の施設を含む複合施設であってもよい。施設100の詳細については後述する(
図2を参照)。
【0021】
電力管理サーバ200は、電力系統12に関する電力を管理する事業者によって管理される。事業者は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者であってもよい。事業者は、リソースアグリゲータ(以下、RA)であってもよく、RAを管理するアグリゲーションコーディネタ(AC)であってもよい。RAは、電力系統12の電力需給バランスを調整する事業者であってもよい。電力需給バランスの調整は、施設100の需要電力(潮流電力)の削減電力を価値と交換する取引(以下、ネガワット取引)を含んでもよい。電力需給バランスの調整は、逆潮流電力の増大電力を価値と交換する取引を含んでもよい。RAは、VPPにおいて、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などの事業者であってもよい。
【0022】
実施形態では、電力管理サーバ200とEMS160との間の通信は、第1プロトコルに従って行われる。一方で、EMS160と分散電源(太陽電池装置110、蓄電装置120又は燃料電池装置130)との間の通信は、第1プロトコルとは異なる第2プロトコルに従って行われる。例えば、第1プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第2プロトコルは、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。なお、第1プロトコルと第2プロトコルは異なっていればよく、例えば、両方が独自の専用プロトコルであっても異なる規則で作られたプロトコルであればよい。但し、第1プロトコル及び第2プロトコルは同一の規則で作られたプロトコルであってもよい。
【0023】
(施設)
以下において、実施形態に係る施設について説明する。
図2に示すように、施設100は、太陽電池装置110と、蓄電装置120と、燃料電池装置130と、負荷機器140と、EMS(Energy Management System)160と、を有する。施設100は、測定装置190を有してもよい。
【0024】
太陽電池装置110は、太陽光などの光に応じて発電をする分散電源である。例えば、太陽電池装置110は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。ここで、設置とは、太陽電池装置110と電力系統12とが接続されることであってもよい。
【0025】
蓄電装置120は、電力の充電及び電力の放電をする分散電源である。例えば、蓄電装置120は、PCS及び蓄電セルによって構成される。ここで、設置とは、蓄電装置120と電力系統12とが接続されることであってもよい。
【0026】
燃料電池装置130は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。例えば、燃料電池装置130は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。ここで、設置とは、燃料電池装置130と電力系統12とが接続されることであってもよい。
【0027】
例えば、燃料電池装置130は、固体酸化物型燃料電池(SOFC; Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子型燃料電池(PEFC; Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸型燃料電池(PAFC; Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC; Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
【0028】
負荷機器140は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器140は、施設100の所定空間の温度を調整する空調装置を含んでもよく、施設100の所定空間の照度を調整する照明装置を含んでもよい。負荷機器140は、映像機器、音響機器、冷蔵庫、洗濯機、パーソナルコンピュータなどを含んでもよい。
【0029】
EMS160は、施設100に関する電力を管理する。EMS160は、太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130、負荷機器140を制御してもよい。実施形態では、電力管理サーバ200から制御コマンドを受信する装置としてEMS160を例示するが、このような装置は、Gatewayと称されてもよく、単に制御ユニットと称されてもよい。EMS160は、電力管理サーバ200と区別するために、LEMS(Local EMS)と称されてもよく、HEMS(Home EMS)と称されてもよく、VPPコントローラと称されてもよい。EMS160の詳細については後述する(
図4を参照)。
【0030】
測定装置190は、電力系統12から施設100への潮流電力を測定する。測定装置190は、施設100から電力系統12への逆潮流電力を測定してもよい。例えば、測定装置190は、電力会社に帰属するSmart Meterであってもよい。測定装置190は、第1間隔(例えば、30分)における測定結果(潮流電力又は逆潮流電力の積算値)を示す情報要素を第1間隔毎にEMS160に送信してもよい。測定装置190は、第1間隔よりも短い第2間隔(例えば、1分)における測定結果を示す情報要素をEMS160に送信してもよい。
【0031】
(蓄電装置)
以下において、実施形態に係る蓄電装置について説明する。
図3に示すように、蓄電装置120は、BT121と、監視部122と、制御部123と、を有する。
図3では省略しているが、蓄電装置120は、PCSを含んでもよい。
【0032】
BT121は、蓄電装置120が有する蓄電セルである。
【0033】
監視部122は、電力系統12の周波数を監視する。例えば、監視部122は、電力系統12と施設100との間に設置された測定装置と接続されており、測定装置によって計測された電力の周波数を監視する。測定装置は、上述した測定装置190と同様の位置に設置されてもよい。
【0034】
制御部123は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0035】
制御部123は、BT121を制御する。実施形態では、制御部123は、電力系統12の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する。
【0036】
(EMS)
以下において、実施形態に係るEMSについて説明する。
図4に示すように、EMS160は、第1通信部161と、第2通信部162と、制御部163と、を有する。実施形態では、EMS160は、蓄電装置120を制御する制御装置の一例である。
【0037】
第1通信部161は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0038】
例えば、第1通信部161は、ネットワーク11を介して電力管理サーバ200と通信を行う。第1通信部161は、上述したように、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、第1通信部161は、第1プロトコルに従って第1メッセージを電力管理サーバ200から受信する。第1通信部161は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答を電力管理サーバ200に送信する。
【0039】
第2通信部162は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5G、6Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
【0040】
例えば、第2通信部162は、施設100に含まれる装置(太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130)と通信を行う。第2通信部162は、上述したように、第2プロトコルに従って通信を行う。例えば、第2通信部162は、第2プロトコルに従って第2メッセージを分散電源に送信する。第2通信部162は、第2プロトコルに従って第2メッセージ応答を分散電源から受信する。
【0041】
制御部163は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路及び又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
【0042】
例えば、制御部163は、電力管理サーバ200から受信する制御コマンドに基づいて、施設100に設けられる分散電源(太陽電池装置110、蓄電装置120、燃料電池装置130)を制御してもよい。
【0043】
(周波数の変動調整)
以下において、実施形態に係る電力系統12の周波数の変動調整について説明する。
【0044】
図5に示すように、周波数の変動調整に係る制御は、調整対象の変動周期毎に異なる。具体的には、周波数の変動調整に係る制御は、調整対象の変動周期が短周期(例えば、数十秒~数分程度)である短周期制御と、調整対象の変動周期が短周期よりも長い中周期(例えば、数分~数十分程度)である中周期制御と、調整対象の変動周期が中周期よりも長い長周期(例えば、数十分~数時間程度)である長周期制御と、を含む。
【0045】
ここで、短周期制御は、GF(Governor Free)と称されてもよい。短周期制御は、中周期制御では追従できないような需給変動を解消するための制御である。例えば、このような需給変動は、短周期制御で動作する調整電源の動作停止などが考えられる。
【0046】
中周期制御は、LFC(Load Frequency Control)と称されてもよく、AFC(Automatic Frequency Control)と称されてもよい。中周期制御は、需給予測が困難である需給変動を解消するための制御である。
【0047】
長周期制御は、DPC(Dispatching Power Control)と称されてもよく、EDC(Economic Load Dispatching Control)と称されてもよい。長周期制御は、需給予測に基づいた需給変動を解消するための制御である。
【0048】
特に限定されるものではないが、蓄電装置120が電力系統12の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御については、上述した短周期制御(例えば、GF)に適用されてもよい。
【0049】
例えば、短周期制御(例えば、GF)において特定制御が実行される場合には、
図6に示す動作が実行されてもよい。
図6では、AC及びRAが別々なエンティティであるケースが例示されている。蓄電装置120の調整電力は、蓄電装置120の放電電力及び蓄電装置120の充電電力の少なくともいずれか1つを含む。なお、蓄電装置120の調整電力は、電力系統12の周波数を一定に保つために蓄電装置120が自律的に調整する電力である。
【0050】
図6に示すように、ステップS10において、ACは、電力系統12の周波数の調整に関する指令(調整指令)をRAに送信する。調整指令は、上述したOpen ADRに従ったメッセージであってもよい。
【0051】
ステップS11において、RAは、電力系統12の周波数の調整のための蓄電装置120の制御指令をEMS160に送信する。制御指令は、RAとEMS160との間の独自プロトコルに従ったメッセージであってもよい。
【0052】
ステップS20において、EMS160は、特定制御に関するプロパティを蓄電装置120に設定する。プロパティは、特定制御において蓄電装置120が自律的に動作するための情報要素を含んでもよい。プロパティは、特定制御を蓄電装置120に設定するためのプロパティであると考えてもよい。特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)では、プロパティの設定はSETコマンドによって実行されてもよい。
【0053】
蓄電装置120は、プロパティの設定に応じて、電力系統12の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する。
【0054】
ステップS21において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを要求するデータ要求を蓄電装置120に送信する。特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)では、データ要求はGETコマンドによって実行されてもよい。
【0055】
ステップS22において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを含むデータ応答を蓄電装置120から受信する。特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)では、データ応答はGET応答コマンドによって実行されてもよい。
【0056】
なお、ステップS21及びステップ22は、要求周期に従って繰り返される。
【0057】
ステップS30において、EMS160は、特定制御の実績情報をRAに送信する。実績情報は、周波数と調整電力との組合せを要求周期毎に含む。実績情報において、周波数と調整電力との組合せにはタイムスタンプが付される。実績情報は、RAとEMS160との間の独自プロトコルに従ったメッセージであってもよい。
【0058】
ステップS31において、RAは、実績情報を含むレポートをACに送信する。レポートは、上述したOpen ADRに従ったメッセージであってもよい。
【0059】
ここで、EMS160が蓄電装置120にデータを要求する周期(要求周期)は、蓄電装置120が特定制御を実行する周期(制御周期)よりも長いことが想定される。例えば、要求周期は、1sであってもよい。制御周期は、100ms以下であってもよい。制御周期は、蓄電装置120が電力系統12の周波数を監視する周期(監視周期)であると考えてもよい。
【0060】
例えば、
図7に示すように、制御周期(又は監視周期)が時刻t
n、t
n+1、t
n+2、…で表されるケースについて例示する。上述したように、制御周期は要求周期よりも短い。さらに、時刻t
nにおいて監視又は取得された周波数に基づいて特定制御が実行される場合に、特定制御によって調整される調整電力は、時刻t
n+2において反映される。実施形態では、時刻t
n+2と時刻t
nとの差異を「遅れ時間」と称する。遅れ時間は、電力系統12の周波数に基づいて蓄電装置120の調整電力が反映されるまでの時間である。遅れ時間は、電力系統12の周波数の測定(監視)に伴う遅れ、測定された周波数に基づいた充放電制御の遅れ、蓄電装置120の反応の遅れを含んでもよい。遅れ時間は、蓄電装置120の内部処理に要する遅延時間であると考えてもよい。
【0061】
このような前提下において、蓄電装置120は、時刻tn+2においてデータ要求をEMS160から受信した場合に、時刻tnの周波数と時刻tn+2の調整電力との組合せを含むデータ応答をEMS160に送信する必要がある。
【0062】
しかしながら、何ら対策を施さない場合には、蓄電装置120は、データ要求を受信した時点のデータを応答するように構成される。すなわち、蓄電装置120は、時刻tn+2においてデータ要求をEMS160から受信した場合に、時刻tn+2の周波数及び時刻tn+2の調整電力をEMS160に送信することしかできない。
【0063】
このような課題を解決するために、実施形態では、以下に示す動作が実行される。動作としては、以下に示すオプションが考えられる。以下に示すオプションでは、EMS160と蓄電装置120との間の動作について主として説明する。
【0064】
(オプション1)
以下において、オプション1について、
図8を参照しながら説明する。
【0065】
図8に示すように、ステップS41において、EMS160は、特定制御に関するプロパティを蓄電装置120に設定する。プロパティは、特定制御を蓄電装置120に設定するためのプロパティであると考えてもよい。ここで、EMS160は、遅れ時間を指定する情報要素を蓄電装置120に設定する。EMS160は、遅れ時間の反映を指定する情報要素を蓄電装置120に設定する。遅れ時間の反映を指定する情報要素は、特定フラグによって設定されてもよい。特定フラグは、遅れ時間を反映するか否かを指定するフラグであってもよい。特定フラグが取り得る値は、遅れ時間を反映する値(有効)と遅れ時間を反映しない値(無効)とを含んでもよい。ステップS41は、遅れ時間及び特定フラグが設定される点を除いて、上述したステップS20と同様の処理である。
【0066】
ステップS42において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを要求するデータ要求を蓄電装置120に送信する。ステップS42は、上述したステップS21と同様の処理である。
【0067】
ステップS43において、蓄電装置120は、データ要求を受信したタイミングの調整電力を特定する。蓄電装置120は、特定フラグが有効であるため、遅れ時間が反映された周波数を特定する。なお、蓄電装置120は、特定フラグが無効である場合には、データ要求を受信したタイミングの周波数を特定する。
【0068】
ステップS44において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを含むデータ応答を蓄電装置120から受信する。ここで、電力系統12の周波数は、ステップS43で特定された周波数である。すなわち、特定フラグが有効である場合には、データ応答に含まれる周波数は、遅れ時間が反映された周波数である。特定フラグが無効である場合には、データ応答に含まれる周波数は、データ要求を受信したタイミングの周波数である。ステップS44の処理は、特定フラグが有効であるか否かによって周波数が異なる点を除いて、上述したステップS22の処理と同様である。
【0069】
ステップS45において、EMS160は、周波数と調整電力との組合せにタイムスタンプを付す。タイムスタンプは、周波数を基準に設定されてもよい。このようなケースにおいて、EMS160は、データ応答を受信した時刻(又は、データ要求を送信した時刻)から遅れ時間を早めた時刻をタイムスタンプとして付してもよい。
【0070】
オプション1によれば、遅れ時間の設定によって、適切な周波数と調整電力との組合せを取得することができる。特定フラグの設定によって、蓄電装置120が送信すべき周波数の種類を区別することができる。
【0071】
特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)が用いられる場合に、遅れ時間を指定する情報要素は、SETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。遅れ時間の反映を指定する情報要素(特定フラグ)は、SETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。遅れ時間が反映された電力系統12の周波数(遅れ周波数)を含む情報要素は、GETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。
【0072】
(オプション2)
以下において、オプション2について、
図9を参照しながら説明する。
【0073】
図9に示すように、ステップS51において、EMS160は、特定制御に関するプロパティを蓄電装置120に設定する。プロパティは、特定制御を蓄電装置120に設定するためのプロパティであると考えてもよい。ここで、EMS160は、遅れ時間を指定する情報要素を蓄電装置120に設定する。ステップS51は、遅れ時間が設定される点を除いて、上述したステップS20と同様の処理である。
【0074】
ステップS52において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを要求するデータ要求を蓄電装置120に送信する。データ要求は、遅れ時間が反映された周波数(遅れ周波数)を要求するためのコマンドである。なお、既存のデータ要求は、データ要求を受信したタイミングの周波数を要求するためのコマンドである。ステップS52は、遅れ時間が反映された周波数を要求するデータ要求である点を除いて、上述したステップS21と同様の処理である。
【0075】
ステップS53において、蓄電装置120は、データ要求を受信したタイミングの調整電力を特定する。蓄電装置120は、遅れ時間が反映された周波数が要求された場合に、遅れ時間が反映された周波数を特定する。なお、蓄電装置120は、既存のデータ要求を受信した場合に、データ要求を受信したタイミングの周波数を特定する。
【0076】
ステップS54において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを含むデータ応答を蓄電装置120から受信する。ここで、電力系統12の周波数は、ステップS53で特定された周波数である。すなわち、遅れ時間が反映された周波数が要求された場合には、データ応答に含まれる周波数は、遅れ時間が反映された周波数である。既存のデータ応答を受信した場合には、データ応答に含まれる周波数は、データ要求を受信したタイミングの周波数である。ステップS54の処理は、データ要求の種類によって周波数が異なる点を除いて、上述したステップS22の処理と同様である。
【0077】
ステップS55において、EMS160は、周波数と調整電力との組合せにタイムスタンプを付す。タイムスタンプは、周波数を基準に設定されてもよい。このようなケースにおいて、EMS160は、データ応答を受信した時刻(又はデータ要求を送信した時刻)から遅れ時間を早めた時刻をタイムスタンプとして付してもよい。
【0078】
オプション2によれば、遅れ時間の設定によって、適切な周波数と調整電力との組合せを取得することができる。データ要求を受信したタイミングの周波数を要求するデータ要求を導入することによって、蓄電装置120が送信すべき周波数の種類を区別することができる。
【0079】
特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)が用いられる場合に、遅れ時間を指定する情報要素は、SETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。遅れ時間が反映された周波数を要求するデータ要求は、新たに定義されるGETコマンドであってもよい。遅れ時間が反映された周波数を要求するか否かは、オプション1と同様に、GETコマンドに含まれ得る特定フラグによって区別されてもよい。遅れ時間が反映された電力系統12の周波数(遅れ周波数)を含む情報要素は、GETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。
【0080】
(オプション3)
以下において、オプション3について、
図10を参照しながら説明する。
【0081】
図10に示すように、ステップS61において、EMS160は、特定制御に関するプロパティを蓄電装置120に設定する。プロパティは、特定制御を蓄電装置120に設定するためのプロパティであると考えてもよい。ここで、EMS160は、蓄電装置120から送信すべき電力系統12の周波数の数を指定する情報要素を蓄電装置120に設定する。EMS160は、蓄電装置120が電力系統12の周波数を取得する周期(以下、取得周期)を指定する情報要素を蓄電装置120に設定する。取得周期は、上述した監視周期又は制御周期と同義であってもよい。ステップS61は、周波数の数及び取得周期が設定される点を除いて、上述したステップS20と同様の処理である。
【0082】
ステップS62において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを要求するデータ要求を蓄電装置120に送信する。ステップS62は、上述したステップS21と同様の処理である。
【0083】
ステップS63において、蓄電装置120は、データ要求を受信したタイミングの調整電力を特定する。蓄電装置120は、ステップS61で指定された周波数の数に基づいて、2以上の周波数を特定する。
【0084】
ステップS64において、EMS160は、電力系統12の周波数と蓄電装置120の調整電力との組合せを含むデータ応答を蓄電装置120から受信する。ここで、電力系統12の周波数は、ステップS63で特定された2以上の周波数である。ステップS64の処理は、2以上の周波数がデータ応答に含まれる点を除いて、上述したステップS22の処理と同様である。
【0085】
ステップS65において、EMS160は、データ応答を受信した時刻(又は、データ要求を送信した時刻)及び取得周期に基づいて、2以上の周波数の各々の時刻を特定する。EMS160は、データ応答を受信した時刻(又は、データ要求を送信した時刻)から遅れ時間を早めた時刻に最も近い時刻の周波数を特定する。EMS160は、特定された周波数と調整電力との組合せにタイムスタンプを付す。タイムスタンプは、周波数を基準に設定されてもよい。このようなケースにおいて、EMS160は、データ応答を受信した時刻(又は、データ要求を送信した時刻)から遅れ時間を早めた時刻をタイムスタンプとして付してもよい。
【0086】
オプション3によれば、蓄電装置120が送信すべき電力系統12の周波数の数を指定する情報要素の設定によって、適切な周波数と調整電力との組合せを取得することができる。取得周期を指定する情報要素の設定によって、タイムスタンプに最も近い時刻の周波数を適切に特定することができる。但し、取得周期を指定する情報要素を設定しなくても、取得周期は、EMS160にとって既知であってもよい。
【0087】
特に限定されるものではないが、ECHONET Lite(登録商標)が用いられる場合に、蓄電装置120から送信すべき電力系統12の周波数の数を指定する情報要素は、SETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。取得周期を指定する情報要素は、SETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。遅れ時間が反映された電力系統12の周波数(遅れ周波数)を含む情報要素は、GETコマンドに関する情報要素(プロパティ)として新たに定義される情報要素であってもよい。
【0088】
(作用及び効果)
実施形態では、EMS160は、遅れ時間を指定する情報要素を蓄電装置120に設定し、蓄電装置120は、特定制御で制御された蓄電装置120の調整電力と遅れ時間が反映された電力系統12の周波数との組合せをEMS160に送信する(オプション1、2を参照)。このような構成によれば、適切な周波数と調整電力との組合せを取得することができる。ひいては、EMS160からRAに対する適切な実績情報の送信が実現され、RAからACに対する適切なレポートの送信が実現される。
【0089】
実施形態では、EMS160は、蓄電装置120から送信すべき電力系統12の周波数の数を指定する情報要素を蓄電装置に設定し、蓄電装置120は、特定制御で制御された蓄電装置の調整電力とEMS160によって指定された数の電力系統の周波数との組合せをEMS160に送信する(オプション3を参照)。このような構成によれば、適切な周波数と調整電力との組合せを取得することができる。ひいては、EMS160からRAに対する適切な実績情報の送信が実現され、RAからACに対する適切なレポートの送信が実現される。
【0090】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0091】
上述した開示では、蓄電装置120からEMS160に対して送信されるデータ応答は、電力系統12の周波数そのものを含むケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。蓄電装置120からEMS160に対して送信されるデータ応答は、電力系統12の周波数に関する周波数情報を含めばよい。例えば、周波数情報は、電力系統12の周波数そののもではなく、電力系統12の周波数の偏差を含んでもよい。このようなケースにおいて、上述した開示において、「周波数」は、「周波数の偏差」と読み替えられてもよい。
【0092】
上述した開示では特に触れていないが、特定制御は、所定時間間隔(例えば、3時間)を単位として実行されてもよい。
【0093】
上述した開示では、特定制御が短周期制御(例えば、GF)に適用されるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。特定制御は、周波数の変動調整に係る制御に適用されてもよい。すなわち、特定制御は、中周期制御(例えば、LFC又はAFC)に適用されてもよく、長周期制御(例えば、DPC又はEDC)に適用されてもよい。
【0094】
上述した開示では、「遅れ時間」は、EMS160によって予め管理されるケースについて主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、「遅れ時間」は、電力管理サーバ200(例えば、RA)によって予め管理されており、電力管理サーバ200からEMS160に通知されてもよい。
【0095】
上述した開示では特に触れていないが、特定制御は、一定時間に亘って継続してもよい。例えば、EMS160が特定制御を蓄電装置120に設定する際に(例えば、ステップS20、S41、S51、S61など)、特定制御の開始時刻及び終了時刻を指定する情報要素をEMS160が蓄電装置120に送信することによって一定時間が指定されてもよく、特定制御の開始時刻及び一定時間を指定する情報要素をEMS160が蓄電装置120に送信することによって一定時間が指定されてもよい。特定制御が蓄電装置120に設定されると、蓄電装置120が特定制御を直ちに開始するケースでは、特定制御の開始時刻を指定する情報要素は省略されてもよい。
【0096】
上述した開示では、ECHONET Liteについて主として説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、SEP2.0、KNXなどの他のプロトコルにも適用可能である。
【0097】
上述した開示では特に触れていないが、EMS160が有する機能の少なくとも一部は、ネットワーク11上に配置されるサーバによって実行されてもよい。言い換えると、EMS160は、クラウドサービスによって提供されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…電力管理システム、11…ネットワーク、12…電力系統、100…施設、110…太陽電池装置、120…蓄電装置、121…BT、122…監視部、123…制御部、130…燃料電池装置、140…負荷機器、160…EMS、161…第1通信部、162…第2通信部、163…制御部、190…測定装置、200…電力管理サーバ
【手続補正書】
【提出日】2022-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、
前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記電力系統の周波数が監視又は取得されてから前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、
前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信し、
前記蓄電装置は、前記電力系統と接続されており、
前記蓄電装置の調整電力は、前記蓄電装置の放電電力又は前記蓄電装置の充電電力の少なくともいずれか1つを含む、電力システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記遅れ時間の反映を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記蓄電装置に前記組合せを要求する際に、前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報を要求する、請求項1に記載の電力システム。
【請求項4】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置と、
前記蓄電装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定し、
前記蓄電装置は、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信し、
前記蓄電装置は、前記電力系統と接続されており、
前記蓄電装置の調整電力は、前記蓄電装置の放電電力又は前記蓄電装置の充電電力の少なくともいずれか1つを含む、電力システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記蓄電装置が前記電力系統の周波数を取得する周期を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定する、請求項4に記載の電力システム。
【請求項6】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記電力系統の周波数が監視又は取得されてから前記電力系統の周波数に基づいて前記蓄電装置の調整電力が反映されるまでの遅れ時間を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、
前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記遅れ時間が反映された前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備え、
前記蓄電装置は、前記電力系統と接続されており、
前記蓄電装置の調整電力は、前記蓄電装置の放電電力又は前記蓄電装置の充電電力の少なくともいずれか1つを含む、制御方法。
【請求項7】
電力系統の周波数に基づいて自律的に充放電を制御する特定制御を実行する蓄電装置を制御する制御装置が、前記蓄電装置から送信すべき前記電力系統の周波数の数を指定する情報要素を前記蓄電装置に設定するステップと、
前記蓄電装置が、前記特定制御で制御された前記蓄電装置の調整電力と前記制御装置によって指定された数の前記電力系統の周波数に関する周波数情報との組合せを前記制御装置に送信するステップと、を備え、
前記蓄電装置は、前記電力系統と接続されており、
前記蓄電装置の調整電力は、前記蓄電装置の放電電力又は前記蓄電装置の充電電力の少なくともいずれか1つを含む、制御方法。