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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108538
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】穀物乾燥装置
(51)【国際特許分類】
   F26B 17/14 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
F26B17/14 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009706
(22)【出願日】2022-01-25
(71)【出願人】
【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 義隆
(72)【発明者】
【氏名】菅野 純一
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA05
3L113AA07
3L113AB03
3L113AC04
3L113AC41
3L113AC44
3L113AC48
3L113AC51
3L113AC63
3L113AC67
3L113BA03
3L113CA05
3L113CB02
3L113CB22
3L113CB34
3L113DA30
(57)【要約】
【課題】搬送手段による穀物の搬送が阻害されることを抑制する。
【解決手段】穀物乾燥装置では、穀物が、張込流し板36を流下されて、下スクリューコンベヤ44に供給される。ここで、下スクリューコンベヤ44への穀物の供給量を規制板40が規制する。このため、下スクリューコンベヤ44による穀物の搬送が下スクリューコンベヤ44に供給される穀物によって阻害されることを抑制できる。さらに、規制板40が下スクリューコンベヤ44の上方を開放している。このため、下スクリューコンベヤ44による穀物の搬送が規制板40によって阻害されることを抑制できる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部において穀物が乾燥される装置本体と、
前記装置本体内の下側に設けられ、穀物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段の上側に設けられ、前記搬送手段への穀物の供給量を規制すると共に、前記搬送手段の上方を開放する規制部と、
を備える穀物乾燥装置。
【請求項2】
前記規制部が前記搬送手段の両側方に配置される請求項1記載の穀物乾燥装置。
【請求項3】
前記搬送手段への穀物の供給路の大きさが前記規制部によって調整されて前記規制部が前記搬送手段への穀物の供給量を規制する請求項1又は請求項2記載の穀物乾燥装置。
【請求項4】
前記搬送手段に穀物を供給すると共に、穀物供給位置より上側まで前記規制部が延伸される供給手段を備える請求項1~請求項3の何れか1項記載の穀物乾燥装置。
【請求項5】
前記搬送手段の穀物搬送方向とは反対側部分において前記規制部が規制する前記搬送手段への穀物の供給量が多くされる請求項1~請求項4の何れか1項記載の穀物乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物が乾燥される穀物乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の穀粒乾燥装置では、機体内の穀物がシャッタドラムから張込流し板を介して下スクリューコンベヤに供給されて、下スクリューコンベヤが穀物を搬送する。
【0003】
ここで、この穀粒乾燥装置では、下スクリューコンベヤによる穀物の搬送が阻害されることを抑制できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5-69593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、搬送手段による穀物の搬送が阻害されることを抑制できる穀物乾燥装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の穀物乾燥装置は、内部において穀物が乾燥される装置本体と、前記装置本体内の下側に設けられ、穀物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段の上側に設けられ、前記搬送手段への穀物の供給量を規制すると共に、前記搬送手段の上方を開放する規制部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の穀物乾燥装置は、請求項1に記載の穀物乾燥装置において、前記規制部が前記搬送手段の両側方に配置される。
【0008】
請求項3に記載の穀物乾燥装置は、請求項1又は請求項2に記載の穀物乾燥装置において、前記搬送手段への穀物の供給路の大きさが前記規制部によって調整されて前記規制部が前記搬送手段への穀物の供給量を規制する。
【0009】
請求項4に記載の穀物乾燥装置は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の穀物乾燥装置において、前記搬送手段に穀物を供給すると共に、穀物供給位置より上側まで前記規制部が延伸される供給手段を備える。
【0010】
請求項5に記載の穀物乾燥装置は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の穀物乾燥装置において、前記搬送手段の穀物搬送方向とは反対側部分において前記規制部が規制する前記搬送手段への穀物の供給量が多くされる。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の穀物乾燥装置は、装置本体内において、穀物が乾燥される。また、装置本体内の下側に搬送手段が設けられており、搬送手段が穀物を搬送する。
【0012】
ここで、搬送手段の上側に規制部が設けられており、搬送手段への穀物の供給量を規制部が規制する。このため、搬送手段による穀物の搬送が搬送手段に供給される穀物によって阻害されることを抑制できる。さらに、規制部が搬送手段の上方を開放する。このため、搬送手段による穀物の搬送が規制部によって阻害されることを抑制できる。
【0013】
請求項2に記載の穀物乾燥装置では、規制部が搬送手段の両側方に配置される。このため、搬送手段に両側方から穀物が供給される場合でも、搬送手段による穀物の搬送が搬送手段に供給される穀物によって阻害されることを抑制できる。
【0014】
請求項3に記載の穀物乾燥装置では、搬送手段への穀物の供給路の大きさが規制部によって調整されて、規制部が搬送手段への穀物の供給量を規制する。このため、簡単な構成で、規制部が搬送手段への穀物の供給量を規制できる。
【0015】
請求項4に記載の穀物乾燥装置では、供給手段が搬送手段に穀物を供給する。
【0016】
ここで、供給手段の穀物供給位置より上側まで規制部が延伸される。このため、供給手段が供給した穀物が規制部の上側を越えることを抑制できる。
【0017】
請求項5に記載の穀物乾燥装置では、搬送手段の穀物搬送方向とは反対側部分において、規制部が規制する搬送手段への穀物の供給量が多くされる。このため、搬送手段が穀物搬送方向とは反対側部分において穀物の搬送量を多くできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置を示す右方から見た一部破断側面図(下部内では斜視図)である。
図2】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置を示す前方から見た断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置の下部を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置の下端部を示す右斜め前方から見た斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置の下端部を示す前方から見た断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る穀物乾燥装置の下端部を示す右方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係る循環式の穀物乾燥装置10が右方から見た側面図にて示されており、図2には、穀物乾燥装置10が前方から見た断面図にて示されている。さらに、図3には、穀物乾燥装置10の下部が右斜め前方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、穀物乾燥装置10の前方を矢印FRで示し、穀物乾燥装置10の右方を矢印RHで示し、穀物乾燥装置10の上方を矢印UPで示す。
【0020】
図1図3に示す如く、本実施形態に係る穀物乾燥装置10は、装置本体としての機体12を備えており、機体12は、上下に高く前後に長い直方体形箱状にされている。
【0021】
機体12内の上部は、収容室としての穀槽14にされており、穀槽14内には、穀物K(例えば籾、麦、そば又は大豆)が貯留(収容)される。
【0022】
機体12内の下部には、左右方向中央部において、一対の内排風路隔壁16が設けられており、内排風路隔壁16は、通気性を有している。内排風路隔壁16は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されており、内排風路隔壁16の上部及び下部以外の部分は、左右方向に垂直に配置されている。一対の内排風路隔壁16の上端は、一体にされており、内排風路隔壁16の上部及び下部は、機体12の左右方向外側へ向けて下方に傾斜している。一対の内排風路隔壁16間には、内排風路18が形成されており、内排風路18は、前側が閉鎖されると共に、後側に開放されている。
【0023】
機体12内の下部には、一対の内排風路隔壁16の左右方向両外側において、内導風路隔壁20及び外導風路隔壁22が設けられており、内導風路隔壁20及び外導風路隔壁22は、通気性を有している。内導風路隔壁20及び外導風路隔壁22は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されており、内導風路隔壁20及び外導風路隔壁22の上部及び下部以外の部分は、左右方向に垂直に配置されている。内導風路隔壁20の上端と外導風路隔壁22の上端とは、一体にされており、内導風路隔壁20の下端と外導風路隔壁22の下端とは、連結されている。内導風路隔壁20の上部及び外導風路隔壁22の下部は、機体12の左右方向中央へ向けて下方に傾斜しており、内導風路隔壁20の下部及び外導風路隔壁22の上部は、機体12の左右方向外側へ向けて下方に傾斜している。内排風路隔壁16と内導風路隔壁20との間には、内流下路24が形成されており、内流下路24の前側及び後側は、閉鎖されている。内導風路隔壁20と外導風路隔壁22との間には、導風路26が形成されており、導風路26は、後側が閉鎖されると共に、前側に開放されている。
【0024】
機体12内の下部には、機体12の各外導風路隔壁22より左右方向外側において、外排風路隔壁28が設けられており、外排風路隔壁28は、通気性を有している。外排風路隔壁28は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されており、外排風路隔壁28の上部及び下部以外の部分は、左右方向に垂直に配置されている。外排風路隔壁28の上端は、機体12の側面板と一体にされており、外排風路隔壁28の上部及び下部は、機体12の左右方向中央へ向けて下方に傾斜している。外排風路隔壁28と外導風路隔壁22との間には、外流下路30が形成されており、外流下路30の前側及び後側は、閉鎖されている。外排風路隔壁28と機体12の側面板との間には、外排風路32が形成されており、外排風路32は、前側が閉鎖されると共に、後側に開放されている。
【0025】
内流下路24の上側及び外流下路30の上側は、穀槽14内に連通されており、内流下路24及び外流下路30には、穀槽14内の穀物Kが流下される。
【0026】
機体12内の下端部には、供給手段(繰出体)としての円柱形容器状のシャッタドラム34(図4及び図5参照)が一対設けられており、シャッタドラム34は、機体12の前面板と後面板との間に回転可能に架け渡されると共に、内流下路24の下端と外流下路30の下端との間に配置されている。シャッタドラム34内は、前後方向中央において均等に分割されており、シャッタドラム34の周壁には、前側部分及び後側部分において、開口としての長尺矩形状のスリット34Aが貫通形成されている。一対のスリット34Aは、それぞれシャッタドラム34の軸方向に延伸されると共に、互いにシャッタドラム34周方向の反対側に配置されており、前側及び後側のスリット34Aは、それぞれシャッタドラム34内の前側部分及び後側部分をシャッタドラム34の外側に開放している。
【0027】
シャッタドラム34が回転されて、シャッタドラム34の周壁(スリット34A以外の部分)が内流下路24の下端及び外流下路30の下端に対向された際には、それぞれシャッタドラム34の周壁が内流下路24の下端及び外流下路30の下端を略閉塞する。また、スリット34Aが内流下路24の下端及び外流下路30の下端に対向された際には、それぞれ内流下路24の下端及び外流下路30の下端からスリット34Aを介してシャッタドラム34内に穀物Kが流入される。そして、スリット34Aが下側に向けられた際には、シャッタドラム34内からスリット34Aを介して下側に穀物Kが排出される(繰り出される)。これにより、シャッタドラム34が回転されることで、シャッタドラム34内に対しスリット34Aを介して穀物Kが流入及び排出されて、シャッタドラム34の下側に穀物Kが流下(供給)される。
【0028】
機体12内の下端部には、一対のシャッタドラム34の下側において、供給部材としての張込流し板36(図4図6参照)が一対設けられており、張込流し板36は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されている。張込流し板36は、上端が機体12の側面板と一体にされると共に、左右方向中央へ向けて下方に傾斜されており、一対の張込流し板36は、漏斗状にされている。
【0029】
機体12の側面板の下部には、張込ホッパ38が開閉可能に設けられており、張込ホッパ38が開放されることで、機体12内へ穀物Kを張り込み(供給)可能とされている。また、シャッタドラム34から排出された穀物K又は張込ホッパ38から張り込まれた穀物Kは、一対の張込流し板36の下端間に流下される。
【0030】
機体12内の下端部には、一対の張込流し板36の上側かつ一対のシャッタドラム34の左右方向内側において、規制部としての略長尺矩形板状の規制板40(図4図6参照)が一対設けられており、規制板40は、機体12の前面板と後面板との間に架け渡されている。規制板40の上端部及び下端部以外の部分は、左右方向に垂直に配置されており、規制板40の上端部は、機体12の左右方向中央へ向けて上方に傾斜されると共に、規制板40の下端部は、機体12の左右方向中央へ向けて下方に傾斜されている。規制板40の上端は、シャッタドラム34の下端より上側に配置されると共に、規制板40の下端は、張込流し板36の近傍に配置されており、規制板40は、一対の張込流し板36の下端間への穀物Kの流下量を規制する。規制板40の後部の下端は、後方へ向けて上方に傾斜されており、規制板40の後部の下端と張込流し板36との上下方向における隙間は、後方へ向けて大きくされている。
【0031】
一対の規制板40間には、略矩形板状の補強板42(図4参照)が一対架け渡されており、補強板42は、規制板40を補強している。補強板42の上端部及び下端部以外の部分は、左右方向に垂直に配置されており、補強板42の上端部は、機体12の前後方向中央へ向けて上方に傾斜されると共に、補強板42の下端部は、機体12の前後方向中央へ向けて下方に傾斜されている。
【0032】
一対の張込流し板36の下端間には、搬送手段としての下スクリューコンベヤ44(図5及び図6参照)が設けられており、下スクリューコンベヤ44は、後端が機体12の後面板に固定されると共に、前端部が機体12の前面から前方に突出されている。下スクリューコンベヤ44は、搬送枠としての長尺樋状の下搬送樋44Aを有しており、機体12外における下搬送樋44Aの上面及び前面は閉鎖されている。機体12内における下搬送樋44Aは、上側に開放されており、下搬送樋44A内には、一対の張込流し板36の下端間に到達した穀物Kが流下する(供給される)。下搬送樋44A内には、搬送部材としての下スクリュー44Bが設けられており、下スクリュー44Bでは、円柱状の中心軸44Cの周囲に螺旋板44Dが同軸上に固定されている。このため、下スクリュー44Bが回転されることで、下搬送樋44A内の穀物Kが下スクリュー44Bによって前方へ搬送される。
【0033】
機体12の前方には、右側において、昇降手段としての昇降機46が立設されており、昇降機46の上端部は、機体12の上面板よりも上方へ突出している。昇降機46内には、無端ベルト46Aが配置されており、無端ベルト46Aには、バケット46Bが一定間隔で取り付けられている。昇降機46内の下端部は、下搬送樋44A内の前端部に連通されており、下スクリューコンベヤ44(下搬送樋44A内の前端部)から排出されて昇降機46内の下端に堆積した穀物Kが、無端ベルト46Aの回転によりバケット46Bによって昇降機46内の上端部まで持上搬送される。
【0034】
機体12の上端部には、上搬送手段としての上スクリューコンベヤ48が設けられており、上スクリューコンベヤ48は、後端が機体12の上面板中央直下に配置されると共に、前端部が機体12の前面板から突出している。上スクリューコンベヤ48は、長尺樋状の上搬送樋48Aを有しており、上搬送樋48Aの後端部下面は、開放されている。上搬送樋48A内の前端部は、昇降機46内の上端部に連通されており、昇降機46内の上端部まで搬送された穀物Kが上搬送樋48A内の前端部に流下する。上搬送樋48A内には、上スクリュー48Bが設けられており、上搬送樋48A内の前端部に流下した穀物Kが上スクリュー48Bによって後方へ搬送される。
【0035】
上スクリューコンベヤ48の後端部下方には、分配手段としての円盤状の均分機50が回転可能に設けられており、上スクリューコンベヤ48の後端部(上搬送樋48A内の後端部)に搬送された穀物Kが、回転される均分機50の上面に流下することで、遠心力によって穀槽14内へ均等に放散分配される。
【0036】
機体12の前面下部には、左側部位において、直方体箱状の火炉ケース52が設けられており、火炉ケース52内は、前側において機体12外に連通されると共に、後側において上記導風路26に連通されている。また、火炉ケース52内には、熱生成手段としてのバーナ(図示省略)が設けられている。
【0037】
機体12の後面下部には、送風筒54が設けられており、送風筒54内は、前側において上記内排風路18及び外排風路32に連通されている。また、送風筒54内には、送風機56が取り付けられている。
【0038】
これにより、送風機56が駆動されることで、機体12外における常温の外気(常温風)が、火炉ケース52内を経て導風路26に吸引流入され、更に、内導風路隔壁20、内流下路24、内排風路隔壁16及び内排風路18を経て、また、外導風路隔壁22、外流下路30、外排風路隔壁28及び外排風路32を経て、送風筒54に吸引送風されて排風される。さらに、バーナが作動(点火)されることで、火炉ケース52内に導入された外気が、バーナによって高温に加熱された熱風(乾燥風)にされて、内流下路24及び外流下路30に送風される。
【0039】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0040】
以上の構成の穀物乾燥装置10では、機体12内に穀物Kが張り込まれる際に、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ48及び均分機50が駆動される。そして、張込ホッパ38が開放されて、刈り取ってきた穀物Kが機体12内に張り込まれる。このため、穀物Kが、張込流し板36によって下スクリューコンベヤ44に流下されて、下スクリューコンベヤ44から昇降機46、上スクリューコンベヤ48及び均分機50を経て、穀槽14内、内流下路24及び外流下路30に流下される(貯留される)。
【0041】
穀物乾燥装置10が乾燥運転される際には、シャッタドラム34、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ48、均分機50及び送風機56が駆動されると共に、バーナが作動される。
【0042】
このため、穀槽14内の穀物Kが、内流下路24及び外流下路30、シャッタドラム34、張込流し板36、下スクリューコンベヤ44、昇降機46、上スクリューコンベヤ48、均分機50を経て穀槽14に戻されることで、穀物Kが穀物乾燥装置10内を循環される。さらに、送風機56の駆動及びバーナの作動により、熱風が生成されて、この熱風が内流下路24及び外流下路30に吸引送風されることで、内流下路24及び外流下路30の穀物Kが乾燥される。
【0043】
ところで、シャッタドラム34から流下された穀物Kが、張込流し板36を流下されて、下スクリューコンベヤ44に供給される。そして、下スクリューコンベヤ44において、下スクリュー44Bが回転されて、下搬送樋44A内の穀物Kが下スクリュー44Bによって前方に搬送される。
【0044】
ここで、下スクリューコンベヤ44の上側に規制板40が設けられており、張込流し板36から下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給量を規制板40が規制する。このため、下スクリュー44Bが穀物K内に埋没することを抑制でき、下スクリューコンベヤ44による穀物Kの搬送(下スクリュー44Bの回転)が下スクリューコンベヤ44に供給される穀物Kによって阻害されることを抑制できる。さらに、規制板40の左右方向位置が下スクリューコンベヤ44の左右方向位置に対し相違されており、規制板40が下スクリューコンベヤ44の上方を開放している。このため、下スクリュー44Bの回転による穀物Kの上側への移動(下スクリュー44Bからの退避)を規制板40が制限することを抑制でき、下スクリューコンベヤ44による穀物Kの搬送が規制板40によって阻害されることを抑制できる。
【0045】
これにより、仮に、例えば穀物乾燥装置10の運転中の異常により、下スクリューコンベヤ44の駆動が停止されても、シャッタドラム34の駆動が停止されずに、張込流し板36の上側における穀物Kの量が過剰に多くなった場合(図5の2点鎖線参照)でも、下スクリューコンベヤ44が再駆動されることで、下スクリュー44Bが回転を開始できて、下スクリューコンベヤ44が穀物Kの搬送を開始できる。したがって、張込流し板36の上側における穀物Kを機体12外に取り出す作業を行う必要性を低くできる。
【0046】
さらに、規制板40が下スクリューコンベヤ44の左右方向両側方に配置されている。このため、下スクリューコンベヤ44に左側及び右側の張込流し板36(左右方向両側方)から穀物Kが供給される場合でも、下スクリューコンベヤ44による穀物Kの搬送(下スクリュー44Bの回転)が下スクリューコンベヤ44に供給される穀物Kによって阻害されることを抑制できる。
【0047】
また、規制板40の張込流し板36との距離が調整されることで、張込流し板36の上側における穀物Kの流下路(下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給路)の大きさ(断面積)が規制板40によって調整されて、規制板40が下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給量を規制する。このため、簡単な構成で、規制板40が下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給量を規制できる。
【0048】
さらに、規制板40がシャッタドラム34の下端(穀物K流下位置(穀物K供給位置))より上側まで延伸されている。このため、仮に、シャッタドラム34から流下した穀物Kが張込流し板36と規制板40との間に堆積された場合(図5の2点鎖線参照)でも、当該穀物Kが規制板40の上側を越えて下スクリューコンベヤ44に流下することを抑制でき、下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給量が増加することを抑制できる。
【0049】
また、規制板40の後部の下端が後方へ向けて上方に傾斜されて、規制板40の後部の下端と張込流し板36との上下方向における隙間が後方へ向けて大きくされることで、下スクリューコンベヤ44の後部(穀物K搬送方向とは反対側部分)において、規制板40が規制する下スクリューコンベヤ44への穀物Kの供給量が多くされる。このため、下スクリューコンベヤ44が後部において穀物Kの搬送量を多くでき、下スクリューコンベヤ44の後部における穀物Kの搬送量(搬送速度)が低下することを抑制できる。
【0050】
なお、本実施形態では、規制板40が下スクリューコンベヤ44(下搬送樋44A及び下スクリュー44B)の上方の全体を開放する。しかしながら、規制板40が下スクリューコンベヤ44(下搬送樋44A及び下スクリュー44B)の上方の一部を開放してもよく、例えば、規制板40が下スクリュー44Bの上方の一部を被覆してもよい。
【0051】
また、本実施形態では、機体12の側面(張込ホッパ38)から機体12内に穀物Kが張り込まれる。しかしながら、穀物乾燥装置10における機体12の側面以外の部分から機体12内に穀物Kが張り込まれてもよい。例えば、機体12の上面から機体12内に穀物Kが張り込まれてもよく、また、昇降機46の下部から昇降機46を介して機体12内に穀物Kが張り込まれてもよい。
【0052】
さらに、本実施形態では、バーナ(熱生成手段)が生成した熱風によって穀物Kが乾燥される。しかしながら、熱生成手段が生成した遠赤外線によって穀物Kが乾燥されてもよい。また、熱生成手段は、集中燃焼式、分配燃焼式等の何れの方式であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 穀物乾燥装置
12 機体(装置本体)
34 シャッタドラム(供給手段)
40 規制板(規制部)
44 下スクリューコンベヤ(搬送手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6