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特開2023-108583頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108583
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20230728BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A61B5/107 110
A61B10/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2022129105
(22)【出願日】2022-08-12
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】518194246
【氏名又は名称】株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(74)【代理人】
【識別番号】230108442
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 明夫
(72)【発明者】
【氏名】大野 秀晃
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA05
4C038VB02
4C038VC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】専門的な知識を持たない者であっても、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価可能な手段を提供する。
【解決手段】頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションであって、表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、頭部平面画像を撮影するステップと、撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として表示部に表示するステップと、評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、判定された歪み度および/または短頭度を出力して表示部に表示するステップと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影部および表示部を含む端末装置で動作可能な、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションであって、
表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して表示部に表示するステップと、
を含む、アプリケーション。
【請求項2】
両耳の位置を撮影者に意識させる手段が、両耳の位置を指す形状である、請求項1に記載のアプリケーション。
【請求項3】
第1の撮影前ステップが、チュートリアルのステップであり、
第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示する第2の撮影前ステップであって、
頭部撮影用輪郭図は、両耳および鼻の位置を示す手段を含む、ステップ
をさらに含む、請求項1または2に記載のアプリケーション。
【請求項4】
評価用頭部輪郭図が、端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含む、請求項1に記載のアプリケーション。
【請求項5】
頭部形状の歪み度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して夫々反対方向に所定角度傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を算出するステップと、
4つの交差点に基づき算出される2本の傾斜線の長さの差の絶対値に基づき、頭部形状の歪み度を判定するステップと、
を含み、
頭部形状の短頭度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を求めるステップと、
2つの交差点に基づき算出される中心線の長さと、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さとの比率に基づき、頭部形状の短頭度を判定するステップと、
を含む、請求項1に記載のアプリケーション。
【請求項6】
頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのプログラムであって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含むステップを端末装置に実行させるための、プログラム。
【請求項7】
両耳の位置を撮影者に意識させる手段が、両耳の位置を指す形状である、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
第1の撮影前ステップが、チュートリアルのステップであり、
第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示する第2の撮影前ステップであって、
頭部撮影用輪郭図は、両耳および鼻の位置を示す手段を含む、ステップ
をさらに含む、請求項6または7に記載のプログラム。
【請求項9】
評価用頭部輪郭図が、端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含む、請求項6に記載のアプリケーション。
【請求項10】
頭部形状の歪み度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して夫々反対方向に所定角度傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を算出するステップと、
4つの交差点に基づき算出される2本の傾斜線の長さの差の絶対値に基づき、頭部形状の歪み度を判定するステップと、
を含み、
頭部形状の短頭度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を求めるステップと、
2つの交差点に基づき算出される中心線の長さと、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さとの比率に基づき、頭部形状の短頭度を判定するステップと、
を含む、請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の乳児、特に生後3カ月程度を経過した乳幼児には、頭部の形状が歪む、いわゆる斜頭症、長頭症または短頭症のような症状が現れることがある。例えば斜頭症は、乳幼児の頭部を上方から見た際に、後頭部が斜めに歪んで左右非対称になっているものである。そしてこのような状態を放置して、乳幼児の成長につれて歪みが進行すると、耳の位置や顔面が左右非対称のまま固定されてしまう。
【0003】
このようなことから、症状に応じて、生後18カ月程度までの所定の期間内において頭蓋形状矯正用ヘルメットを乳児の頭部に被嵌させて、その状態で日常生活を送るという治療方法(以下「ヘルメット治療」ともいう。)が採用されることがある(特許文献1)。ヘルメット治療は、歪んだ頭部の形状を、徐々に正常に戻すことを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6833240号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
乳幼児が斜頭症、長頭症、短頭症であるか、またはそのリスクがあるかは、専門医が、頭部形状の歪み度および/または短頭度に基づき評価・診断をしていた。そのため、専門的な知識を持たない者(例えば、乳幼児の両親)は、自身の主観に基づき、乳幼児に専門医の診察等を受けさせるか否かを判断せざるをえなかった。
【0006】
したがって、専門的な知識を持たない者(例えば乳幼児の両親)は、明らかに治療が必要でない乳幼児についても専門医の診察を受けさせることもあれば、本来治療が必要な乳幼児を自身の主観で治療不要と判断し、専門医の診察を受けさせないこともあった。明らかに治療が必要でない乳幼児についても専門医の診断等を受けさせることは、医療経済上好ましくなかった。また、本来治療が必要な乳幼児が専門医の診察を受けられないと、治療開始時期の遅延等により満足いく治療効果が得られないという問題があった。
【0007】
そのため、本発明は、専門的な知識を持たない者であっても、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねたところ、本発明者は、表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップと、頭部平面画像を撮影するステップと、撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として表示部に表示するステップと、評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、判定された歪み度および/または短頭度を出力して表示部に表示するステップと、を含むアプリケーションまたはプログラム等を提供することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
よって、本発明は、要旨、以下のものを提供する。
〔1〕 撮影部および表示部を含む端末装置で動作可能な、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションであって、
表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して表示部に表示するステップと、
を含む、アプリケーション。
〔2〕 両耳の位置を撮影者に意識させる手段が、両耳の位置を指す形状である、〔1〕に記載のアプリケーション。
〔3〕 第1の撮影前ステップが、チュートリアルのステップであり、
第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示する第2の撮影前ステップであって、
頭部撮影用輪郭図は、両耳および鼻の位置を示す手段を含む、ステップ
をさらに含む、〔1〕または〔2〕に記載のアプリケーション。
〔4〕 評価用頭部輪郭図が、端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含む、〔1〕に記載のアプリケーション。
〔5〕 頭部形状の歪み度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して夫々反対方向に所定角度傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を算出するステップと、
4つの交差点に基づき算出される2本の傾斜線の長さの差の絶対値に基づき、頭部形状の歪み度を判定するステップと、
を含み、
頭部形状の短頭度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を求めるステップと、
2つの交差点に基づき算出される中心線の長さと、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さとの比率に基づき、頭部形状の短頭度を判定するステップと、
を含む、〔1〕に記載のアプリケーション。
〔6〕 頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのプログラムであって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含むステップを端末装置に実行させるための、プログラム。
〔7〕 両耳の位置を撮影者に意識させる手段が、両耳の位置を指す形状である、〔6〕に記載のプログラム。
〔8〕 第1の撮影前ステップが、チュートリアルのステップであり、
第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示する第2の撮影前ステップであって、
頭部撮影用輪郭図は、両耳および鼻の位置を示す手段を含む、ステップ
をさらに含む〔6〕または〔7〕に記載のプログラム。
〔9〕 評価用頭部輪郭図が、端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含む、〔6〕に記載のアプリケーション。
〔10〕 頭部形状の歪み度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して夫々反対方向に所定角度傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を算出するステップと、
4つの交差点に基づき算出される2本の傾斜線の長さの差の絶対値に基づき、頭部形状の歪み度を判定するステップと、
を含み、
頭部形状の短頭度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を求めるステップと、
2つの交差点に基づき算出される中心線の長さと、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さとの比率に基づき、頭部形状の短頭度を判定するステップと、
を含む、〔6〕に記載のプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、頭部形状について専門的な知識を持たない者(例えば、乳幼児の両親)であっても、乳幼児等における頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価することが可能になる。また、本発明のアプリケーション等を用いて定期的に頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価することで、専門医の診察等を定期的に受けることなく、ヘルメット治療の効果等を定期的に観測することが可能になることも期待される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、端末装置の機能ブロック図の一例を示す。
図2図2は、端末装置の機能図の一例を示す。
図3図3は、本明細書中に記載の頭部形状の歪み度および/または短頭度の評価システムの概念図を示す。
図4図4は、サーバの機能ブロック図の一例を示す。
図5図5は、サーバの機能図の一例を示す。
図6図6は、本明細書中に記載のアプリケーションの処理フロー図の一例を示す。
図7図7は、端末装置とサーバ間の処理フロー図の一例を示す。
図8図8は、サーバの処理フロー図の一例を示す。
図9図9は、チュートリアル画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
図10図10は、撮影画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
図11A図11Aは、輪郭調整画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
図11B図11Bは、輪郭調整画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
図12図12は、耳鼻位置調整画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
図13図13は、判定画面のユーザーインターフェースの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中に記載の頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションの構成
【0013】
本発明の一実施態様では、撮影部および表示部を含む端末装置で動作可能な、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションであって、
表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して表示部に表示するステップと、
を含む、アプリケーションを提供する。
【0014】
本明細書中に記載の「端末装置」は、特段限定されるものではなく、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)等が挙げられる。端末装置には、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのアプリケーションプログラム(頭部形状評価用アプリケーション)がインストールされていてもよい。頭部形状評価用アプリケーションプログラムは、例えば、事業者サーバやサービス提供事業者が管理するホームページ(HP)などからダウンロードしてもよい。
【0015】
本明細書中に記載の「撮影部」とは、端末装置に備えられ、被撮影体を撮影可能な部分である限り特段限定されるものではないが、例えば、カメラ部(レンズ等を含む)等が挙げられる
【0016】
本明細書中に記載の「表示部」とは、端末装置に備えられ、各種画面を表示することができるものである限り特段限定されるものではないが、例えば、液晶パネルや有機ELパネル等が挙げられる。
【0017】
本明細書中に記載の「頭部輪郭ガイド図」とは、第1の撮影前ステップにおいて表示され、頭部を上面視した際の頭部形状を模した形状である限り特段限定されるものではない。頭部輪郭ガイド図は、頭部形状を模した形状であれば良いため、乳幼児等の頭部形状を厳密に再現した形状である必要はない。頭部輪郭ガイド図は、例えば、略円形状、略楕円形状、略多角形状(例えば、略四角形状、略六角形状、略八角形状)であってもよい。頭部輪郭ガイド図は、後述する「両耳の位置を撮影者に意識させる手段」を含む。頭部輪郭ガイド図は、所望の位置(例えば、その輪郭上)に、鼻、左耳、右耳等の位置を示す図形(例えば、鼻や耳の形を文字た図形)や点等を含んでいてもよい。頭部輪郭ガイド図は、「頭部平面の中心を撮影者に意識させる手段」を含んでいてもよい。本明細書中に記載の「頭部平面の中心を撮影者に意識させる手段」は、例えば、頭部輪郭ガイド図の中心を示す点であってもよいし、頭部輪郭ガイド図の中心が交点として現れる2本以上の線(例えば、両耳の位置に相当する部分を結んだ線と鼻の位置に相当する部分から引かれた垂直線との交点)であってもよい。
【0018】
本明細書中に記載の「第1の撮影前ステップ」とは、頭部平面画像を撮影する前のステップであればよく、例えば、チュートリアルのステップであってもよいし、頭部平面画像を撮影可能なステップ(すなわち、撮影ボタンを押す等して撮影指示をすることで画像撮影が可能なステップ)であってもよい。第1の撮影前ステップが頭部平面画像を撮影可能なステップの場合、撮影者(端末装置の操作者)は、撮影部(例えばカメラ部)を通して端末装置の表示部に表示された撮影対象である乳幼児の頭部平面の頭部輪郭と、頭部輪郭ガイド図の輪郭とを合わせた後に、撮影操作をすることが可能になる。
【0019】
本発明の一実施態様では、第1の撮影前ステップは、チュートリアルのステップである。本発明の一実施態様では、第1の撮影前ステップがチュートリアルのステップであり、第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示する第2の撮影前ステップを含む。本明細書中に記載の「第2の撮影前ステップ」とは、第1の撮影前ステップがチュートリアルのステップである場合に、第1の撮影前ステップの後に、表示部に頭部撮影用輪郭図を表示するステップであり、かつ頭部平面画像を撮影可能なステップ(すなわち、撮影ボタンを押す等して撮影指示をすることで画像撮影が可能なステップ)である。本明細書中に記載の「頭部撮影用輪郭図」とは、第2の撮影前ステップにおいて端末装置の表示部に表示されるものであり、頭部を上面視した際の頭部形状を模した形状である限り特段限定されるものではない。頭部撮影用輪郭図は、頭部形状を模した形状であれば良いため、乳幼児等の頭部形状を厳密に再現した形状である必要はない。頭部撮影用輪郭図は、例えば、略円形状、略楕円形状、略多角形状(例えば、略四角形状、略六角形状、略八角形状)であってもよい。頭部撮影用輪郭図は、後述する「両耳の位置を撮影者に意識させる手段」を含んでいてもよい。頭部撮影用輪郭図は、所望の位置(例えば、その輪郭上)に、鼻、左耳、右耳等の位置を示す図形(例えば、鼻や耳の形を文字た図形)や点等を含んでいてもよい。頭部撮影用輪郭図は、「頭部平面の中心を撮影者に意識させる手段」を含んでいてもよい。頭部平面の中心を撮影者に意識させる手段は、例えば、頭部撮影用輪郭図の中心を示す点であってもよいし、頭部輪郭ガイド図の中心が交点として現れる2本以上の線(例えば、両耳の位置に相当する部分を結んだ線と鼻の位置に相当する部分から引かれた垂直線との交点)であってもよい。撮影者(端末装置の操作者)は、撮影部(例えばカメラ部)を通して端末装置の表示部に表示された撮影対象である乳幼児の頭部平面の頭部輪郭と、頭部撮影用輪郭図の輪郭とを合わせた後に、撮影操作をすることが可能になる。
【0020】
本明細書中に記載の「両耳の位置を撮影者に意識させる手段」とは、第1の撮影前ステップにおいて頭部輪郭ガイド図に含まれる、撮影者に両耳の位置を意識させることができる手段である限り、特段限定されるものではない。両耳の位置を撮影者に意識させる手段は、例えば、頭部輪郭ガイド図の輪郭上における両耳の位置に相当する部分の図形(例えば、耳の形を模した図形)や点であってもよいし、両耳の位置を指す形状(例えば、矢印、指の形を模した図)であってもよい。本発明の一実施態様では、両耳の位置を撮影者に意識させる手段は、頭部輪郭ガイド図の輪郭上における両耳の位置に相当する部分の図形(例えば、耳の形を模した図形)や点とは別個のものである。本発明の一実施態様では、両耳の位置を撮影者に意識させる手段は、両耳の位置を指す形状である。本発明の好ましい一実施態様では、両耳の位置を撮影者に意識させる手段は、両耳の位置を指す形状(より好ましくは、両耳の位置を指す指の形を模した図)である。両耳の位置を撮影者に意識させる手段が頭部輪郭ガイド図の輪郭上における両耳の位置に相当する部分の図形(例えば、耳の形を模した図形)や点とは別個のものである場合、頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置に相当する部分の図形(例えば、耳の形を模した図形)や点をさらに含んでいてもよい。
【0021】
本明細書中に記載の「頭部平面画像」とは、端末装置により撮影された乳幼児等の頭部平面の画像(頭部を上面から撮影した際の画像)である。
【0022】
本明細書中に記載の「評価用頭部輪郭図」とは、頭部平面画像における頭部形状の輪郭に対応しうる輪郭を含む図形である限り、特段限定されるものではない。そのため、評価用頭部輪郭図における輪郭は、頭部平面画像における輪郭を実質的に対応していていもよいし、頭部平面画像における輪郭を粗々に対応させたものであってもよいし、頭部平面画像における輪郭の相関性が低い概略図(例えば、略円形状、略楕円形状、略多角形状の輪郭)であってもよい。
【0023】
評価用頭部輪郭図は、端末操作の操作者によって操作可能であってもよい。例えば、評価用頭部輪郭図における所望の位置をクリックまたはタッチ操作をすることで、評価用頭部輪郭図の輪郭を操作可能(すなわち、評価用頭部輪郭図の輪郭を変更可能)であってもよい。評価用頭部輪郭図は、その輪郭上に、端末操作の操作者によって操作可能な1または複数の点を含んでいてもよい。
評価用頭部輪郭図の輪郭(または評価用頭部輪郭図の輪郭上に含まれる1または複数の点)を操作可能とすることで、例えば、評価用頭部輪郭図とともに頭部平面画像が表示されている場合(例えば、評価用頭部輪郭図と頭部平面画像がマージしている場合)に、評価用頭部輪郭図における輪郭と、頭部輪郭図における輪郭をより精度よく合わせることが可能になる。
【0024】
本発明の一実施態様では、評価用頭部輪郭図は、端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含む。端末装置の操作者によって操作可能な複数の点の数は、これらに限定されるものではないが、例えば、2~約20、好ましくは約3~約15、より好ましくは約5~約10、さらに好ましくは約8である。評価用頭部輪郭図が端末装置の操作者によって操作可能な複数の点を輪郭上に含むことで、輪郭全体ではなく特定の複数の点のみを操作することが明確となり、端末装置の操作者は、より簡便かつ直感的に評価用頭部輪郭図における輪郭を調整可能となる。
【0025】
評価用頭部輪郭図は、鼻、左耳および/または右耳の位置を示す表示を含んでいてもよい。鼻、左耳および/または右耳の位置を示す表示としては、これらに限定されるものではないが、鼻、左耳および/または右耳の位置をそれぞれ指す図形(例えば、矢印)、鼻、左耳および/または右耳の位置をそれぞれ示す評価用頭部輪郭図の輪郭上の点)などが挙げられる。鼻、左耳および/または右耳の位置を示す表示は、端末装置の操作者によって操作可能であってもよい。鼻、左耳および/または右耳の位置を示す表示を操作可能とすることで、例えば、評価用頭部輪郭図とともに頭部平面画像が表示されている場合(例えば、評価用頭部輪郭図と頭部平面画像がマージしている場合)に、評価用頭部輪郭図における鼻、左耳および/または右耳の位置と、頭部輪郭図における鼻、左耳および/または右耳の位置をそれぞれより精度よく合わせることが可能になる。このようにして調整した評価用頭部輪郭図における鼻、左耳および/または右耳の位置を、それぞれ鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)として特定してもよい。
【0026】
評価用頭部輪郭図は、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を結んだ直線と、該直線の中点および鼻の位置(P1)を通る基準線と、該中点を通りかつ基準線に対して直交する水平線とを含んでいてもよい。
【0027】
本明細書中に記載の「通信ネットワーク」は、1または複数のネットワークから構成されていてもよい。通信ネットワークは、専用回線、公衆回線を問わず、有線、無線を問わない。通信ネットワークの一部または全部は、電話回線でもよいし、インターネットまたはVPNなどであってもよい。
【0028】
本発明の別の実施態様では、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのプログラムであって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含むステップを端末装置に実行させるための、プログラムを提供する。
【0029】
本発明の別の実施態様では、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するためのプログラムであって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含むステップを端末装置に実行させるための、プログラムを実行させるための記録媒体を提供する。
【0030】
本発明の別の実施態様では、頭部形状の歪み度および/または短頭度を評価するための方法であって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含む、方法を提供する。
【0031】
本発明の別の実施態様では、頭部形状の歪み度および/または短頭度の評価システムであって、
端末装置の表示部に頭部輪郭ガイド図を表示する第1の撮影前ステップであって、
頭部輪郭ガイド図は、両耳の位置を撮影者に意識させる手段を含む、ステップと、
頭部平面画像を撮影するステップと、
撮影された頭部平面画像における頭部形状の輪郭を評価用頭部輪郭図として端末装置の表示部に表示するステップと、
評価用頭部輪郭図において、鼻の位置(P1)、左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を特定するステップと、
P1、P2およびP3のうちの少なくとも1つに基づき、頭部形状の歪み度および/または短頭度を判定するステップと、
判定された歪み度および/または短頭度を出力して端末装置の表示部に表示するステップと、
を含む、システムを提供する。
【0032】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いてより詳細に説明する。
【0033】
端末装置1は、後述するUI(User Interface)を備える頭部形状評価用アプリケーション4をダウンロード可能である。
【0034】
図1は、端末装置1の機能ブロック図を示す。端末装置1は、機能ブロックとして、表示部10、カメラ部11、操作部12、制御部13、記憶部14および入出力部15を備えている。頭部形状評価用アプリケーション4(図示していない)は、インストールされた頭部形状評価用アプリケーションプログラムの実行により実現されるものであり、処理モジュール41を含んでいてもよい。頭部形状評価用アプリケーション4は、記憶部14に記憶されている。処理モジュール41は、頭部形状評価用アプリケーション4を全体的に管理するモジュールであり、表示部12に操作画面(UI画面)を表示し、各種処理を実行可能であってもよい。
【0035】
表示部10は、液晶パネルや有機ELパネル等で構成され、各種画面を表示することができる。
【0036】
カメラ部11は、レンズ(例えば、フォーカスレンズ、ズームレンズ等)を含む。
【0037】
操作部12は、タッチパネルやキーボード、マウス等で構成され、利用者である労働者が操作して入力することができる。
【0038】
画像データ生成部13は、カメラ部11を介して形成された被写体像を画像センサで撮像し、画像データを生成することができる。
【0039】
画像処理部14は、画像センサから出力された撮像データに対して各種の処理を施し、表示部10にリアルタイムで表示するための画像を生成してもよい。画像処理部14は、輪郭、鼻位置および/または耳位置を認識可能なモジュールを備えることで、撮影された頭部平面画像から頭部形状の輪郭、鼻位置および/または耳位置を認識、特定可能であってもよい。
【0040】
入出力部15は、ネットワーク3を介して各種データ等の入出力をおこなってもよい。
【0041】
記憶部16は、HDDやSSD等で構成され、各種データを記憶することができる。頭部形状評価用アプリケーション4や、撮影した画像データ等を記憶してもよい。
【0042】
図2は、端末装置1の構成ブロック図を示す。端末装置1は、スマートフォンやタブレット端末、PC等であり、これらの情報端末が備える構成を有する。端末装置1は、CPU17、ROM18、RAM19、カメラ部11、操作部12、表示部10、通信I/F 101および記憶部16を備え、これらはバスで接続されていてもよい。
【0043】
1または複数のCPU17は、ROM18または記憶部16に記憶された処理プログラム(頭部形状評価用アプリケーションプログラムを含む)を読み出し、RAM19をワーキングメモリとして用いて各種処理を実行してもよい。各種処理には、これらに限定されるものではないが、スタート画面の表示、チュートリアル画面の表示、カメラ部の起動、撮影画面の表示、頭部平面画像の撮影、撮像データの処理、頭部形状の輪郭の検出、輪郭調整用画面の表示、輪郭調整処理、鼻耳位置調整画面の表示、鼻耳位置の調整処理、歪み度および/または短頭度の算出、歪み度および/または短頭度の評価、評価結果の表示等が含まれる。
【0044】
通信I/F 101は、通信ネットワーク3を介してデータ等を送受信してもよい。後述するように、頭部形状の評価が、端末装置1にインストールされた頭部形状評価用アプリケーションではなく、サーバ上で処理される場合には、通信I/F 101は、通信ネットワーク3を介してサーバ2とデータ等を送受信してもよい(図3)。
【0045】
図4は、サーバ2の機能ブロック図の一例を示す。サーバ2は、記憶部200、入出力部201、スタート画面表示部202、チュートリアル画面表示部203、撮影画面表示部204、輪郭検出部205、輪郭調整画面表示部206、輪郭調整部207、鼻耳位置検出部208、鼻耳位置調整画面表示部209、鼻耳位置調整部210、歪み度算出部211、短頭度算出部212、歪み度判定部213、短頭度判定部214および判定結果画面表示部215を備えている。
【0046】
記憶部200は、撮影された頭部平面画像、歪み度および/または短頭度の判定結果などを記憶することができる。記憶部200は、各種画面(例えば、スタート画面、チュートリアル画面、撮影画面、輪郭調整画面、鼻耳位置調整画面、判定結果表示画面など)を記憶していてもよい。
【0047】
入出力部201は、端末装置1からのデータ等を送受信することができる。
【0048】
スタート画面表示部202は、端末装置1の表示部10にスタート画面を表示させることができる。スタート画面表示部202は、スタート画面を記憶していてもよい。
【0049】
チュートリアル画面表示部203は、端末装置1の表示部10にチュートリアル画面を表示させることができる。チュートリアル画面表示部202は、チュートリアル画面を記憶していてもよい。
【0050】
撮影画面表示部204、端末装置1の表示部10に撮影画面を表示させることができる。撮影画面表示部204は、端末装置1のカメラ部11を起動させることができてもよい。撮影画面表示部202は、撮影画面を記憶していてもよい。
【0051】
輪郭検出部205は、撮影された頭部平面画像における頭部の輪郭を検出することができる。輪郭の検出方法は、特段限定されるものではなく、例えば、頭部平面画像における頭部(髪の毛を含む)の色と、その他の部分(例えば、背景)との色とを認識し、その境界に基づいて、頭部の輪郭として検出してもよい。
【0052】
輪郭調整画面表示部206は、端末装置1の表示部10に輪郭調整画面を表示させることができる。輪郭調整画面表示部206は、輪郭調整画面を記憶していてもよい。
【0053】
輪郭調整部207は、輪郭調整画面において、評価用頭部輪郭図の輪郭を調整することができる。輪郭の調整は、輪郭検出部205において検出された輪郭に基づいてもよいし、端末装置1の操作者による所定の操作(例えば、評価用頭部輪郭図の輪郭等をタッチし、タッチしたまま輪郭等を動かす操作)に基づいてもよい。
【0054】
鼻耳位置検出部208は、撮影された頭部平面画像における鼻の位置および両耳の位置を検出することができる。鼻の位置および両耳の位置の検出方法は、特段限定されるものではなく、例えば、頭部平面画像における頭部輪郭に対する上下左右の凹凸部分に基づいて、鼻の位置および両耳の位置として検出してもよい。
【0055】
鼻耳位置調整画面表示部209は、端末装置1の表示部10に鼻耳位置調整画面を表示させることができる鼻耳位置調整画面表示部209は、鼻耳位置調整画面を記憶していてもよい。
【0056】
鼻耳位置調整部210は、鼻耳位置調整画面において、評価用頭部輪郭図における鼻および両耳の位置を調整することができる。鼻および両耳の位置の調整は、鼻耳位置検出部208において検出された鼻および両耳の位置に基づいてもよいし、端末装置1の操作者による所定の操作(例えば、評価用頭部輪郭図の鼻および両耳の位置を特定する各点をタッチし、タッチしたままその点を動かす操作)に基づいてもよい。
【0057】
歪み度算出部211は、輪郭、鼻の位置および/または両耳の位置を調整済みの評価用頭部輪郭図に基づき、頭部形状の歪み度を算出することができる。例えば、以下の方法により、頭部形状の歪み度を算出することができるが、頭部形状の歪み度を評価可能な方法であれば、この方法に限られるものではない。
【0058】
評価用頭部輪郭図において特定された左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を結ぶ直線の中点(P4)を特定する。次に、評価用頭部輪郭図において特定された鼻の位置(P1)と中点(P4)を結ぶ直線である基準点を引く。次に、基準線に対して各々反対方向に所定角度(例えば、約1~約80°、好ましくは約5~約60°、より好ましくは、約10~約50度、さらに好ましくは約20~約40°、よりさらに好ましくは約30°)傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を特定する。次に、4つの交差点に基づき導かれる2本の傾斜線の長さ(L1、L2)の差の絶対値(L1-L2)を算出する。そして、算出された絶対値に基づき、下記の式1により歪み度を算出してもよい(式1では、L1>L2の場合を想定)。
【0059】
式1 歪み度(mm)=L1-L2
【0060】
あるいは、算出された絶対値と、2本の傾斜線のうち長さが短いほうの傾斜線の長さを用いて、下記の式2により歪み度を算出してもよい(式2では、L1>L2の場合を想定)。
【0061】
式2 歪み度(%)=[(L1-L2)/L2]×100
【0062】
歪み度判定部213は、歪み度算出部211で算出された歪み度に基づき、頭部形状の歪み度を判定することができる。例えば、上記式1に基づき歪み度を算出する場合、6mmと算出された場合に「軽度」、17mmと算出された場合に「重度」と判定してもよい。あるいは、上記式2に基づき歪み度を算出する場合、10%と算出された場合に「軽度」と判定してもよい。
【0063】
そのため、本発明の一実施態様では、頭部形状の歪み度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して夫々反対方向に所定角度傾斜した2本の傾斜線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との4つの交差点を算出するステップと、
4つの交差点に基づき算出される2本の傾斜線の長さの差の絶対値に基づき、頭部形状の歪み度を判定するステップと、
を含む。
【0064】
短頭度算出部212は、輪郭、鼻の位置および/または両耳の位置を調整済みの評価用頭部輪郭図に基づき、頭部形状の歪み度を算出することができる。
例えば、以下の方法により、頭部形状の短頭度を算出することができるが、頭部形状の短頭度を評価可能な方法であれば、この方法に限られるものではない。
【0065】
評価用頭部輪郭図において特定された左耳の位置(P2)および右耳の位置(P3)を結ぶ直線の中点(P4)を特定する。次に、P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線を引く。次に、この中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を算出する。次に、この2つの交差点に基づき導かれる中心線の長さ(L3)と、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さ(L4)を算出する。そして、算出された中心線の長さ(L3)と基準線の長さ(L4)に基づき、下記の式3により短頭度を算出してもよい。
【0066】
式3 短頭度(%)=L4/L3×100
【0067】
短頭度判定部214は、短頭度算出部212で算出された短頭度に基づき、頭部形状の短頭度を判定することができる。例えば、上記式3に基づき短頭度を算出する場合、85%と算出された場合に「正常」と、105%と算出された場合に「重度」と判定してもよい。
【0068】
そのため、本発明の一実施態様では、頭部形状の短頭度を判定するステップが、
P2およびP3を結ぶ直線の中点(P4)を特定するステップと、
P1およびP4を通る直線である基準線に対して直交しかつP4を通る中心線と、評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点を求めるステップと、
2つの交差点に基づき算出される中心線の長さと、基準線と評価用頭部輪郭図の輪郭との2つの交差点に基づき算出される基準線の長さとの比率に基づき、頭部形状の短頭度を判定するステップと、
を含む。
【0069】
判定結果画面表示部215は、端末装置1の表示部10に判定結果画面を表示させることができる。判定結果画面表示部215は、判定結果画面を記憶していてもよい。
【0070】
図5は、サーバ2の構成ブロック図の一例を示す。サーバ2は、CPU2a、ROM2b、RAM2c、入出力インターフェイス(I/F)2d、記憶装置2e、通信インターフェイス(I/F)2f、入力装置2gおよび表示装置2hを備え、これらはバスで接続されていてもよい。
【0071】
1または複数のCPU2aは、ROM2bまたは記憶装置2eに記憶された処理プログラムを読み出し、RAM2cをワーキングメモリとして用いて各種処理を実行することができる。各種処理には、端末装置1の表示部10に各種画面(例えば、スタート画面、チュートリアル画面、撮影画面、輪郭調整画面、鼻耳位置調整画面、判定結果表示画面など)を表示させる処理、頭部平面画像において輪郭を検出する処理、評価用頭部輪郭図において輪郭を調整する処理、頭部平面画像において鼻および両耳の位置を検出する処理、評価用頭部輪郭図において鼻および両耳の位置を調整する処理、歪み度および/または短頭度を算出する処理、歪み度および/または短頭度を判定する処理等が含まれる。
【0072】
入出力I/F 2dは、入力装置2gや表示装置2hと接続され、データを入出力することができる。
【0073】
記憶装置2eは、HDDやSSD等で構成され、各種データを記憶することができる。記憶装置2eは、図4における記憶部200を含む。
【0074】
通信I/F 2fは、通信ネットワーク20を介して、端末装置1とデータ等を送受信することができる。通信I/F 2fは、図4における入出力部200を含む。
【0075】
図6を用いて、端末装置1にインストールされた頭部形状評価用アプリケーション4において、歪み度および/または短頭度を判定するフローについて説明する。
【0076】
端末装置1にインストールされている頭部形状評価用アプリケーション4を起動すると、スタート画面が表示部10表示される(S101)。
【0077】
スタート画面の「スタート」が選択されると、チュートリアル画面が表示部10に表示される(S102)。チュートリアル画面には、撮影者に両耳の位置を意識させる手段が含む頭部輪郭ガイド図が含まれている。撮影補助者(端末装置1の操作者以外の者)がいる場合には、端末装置1の操作者は、指の形状を模した図形と同様の方法で撮影対象者(乳幼児)における両耳の位置を指すよう撮影補助者に指示することができる。そうすることで、端末装置1の操作者は、後述する撮影ステップにおいて、撮影対象者の両耳の位置を強く意識できるため、ズレの小さい頭部平面画像を撮影することが可能となる。
【0078】
チュートリアル画面の「次へ」が選択されると、端末装置1のカメラ部11が起動され(S103)、撮影画面が端末装置1の表示部10に表示される(S104)。撮影画面には、頭部撮影用輪郭図と、カメラ部11を通して表示される撮影対象(乳幼児の頭部平面)が表示される。
【0079】
撮影画面において撮影操作(例えば、撮影画面上の「撮影」ボタンを操作)がされると(S105)、必要に応じて、撮影された画像(頭部平面画像)における頭部の輪郭が検出される(S106)。
【0080】
次に、輪郭調整用画面が、端末装置1の表示部10に表示される(S107)。輪郭調整画面には、撮影された頭部平面画像と、評価用頭部輪郭図が表示される。評価用頭部輪郭図は、その輪郭上に、端末装置の操作者によって操作可能な手段(例えば、複数の点)が含まれていてもよい。操作者は、各々の点をタッチし、各点の位置を移動させることで、撮影された頭部平面画像と、評価用頭部輪郭図の輪郭を合わせてもよい(S108)。なお、各点をタッチすると、所定の位置(例えば、指でタッチする場合、指と重複しない位置)に、タッチしている点およびその周辺の画面を複製した補助画面を、輪郭調整画面上に表示してもよい。補助画面があることで、例えば指でタッチしている場合には、タッチしている指に隠れている点の位置を把握することができ、頭部平面画像と評価用頭部輪郭図の輪郭をより精度よく合わせることができる。
【0081】
輪郭調整画面において、「次へ」のボタンが選択されると、評価用頭部輪郭図(S108において輪郭調整した場合には、輪郭調整後の図)の輪郭上に、鼻の位置特定用の点(P1)および両耳の位置特定用の点(P2、P3)を含む鼻耳位置調整画面が表示されてもよい(S109)。P1、P2およびP3は、端末装置の操作者によって操作可能であってもよい。P1、P2およびP3が操作可能な場合、操作者は、各々の点をタッチし、各点の位置を移動させることで、撮影された頭部平面画像における鼻および両耳の位置と、評価用頭部輪郭図のP1、P2およびP3の位置とを合わせてもよい(S110)。なお、各点をタッチすると、所定の位置(例えば、指でタッチする場合、指と重複しない位置)に、タッチしている点およびその周辺の画面を複製した補助画面を、鼻耳位置調整画面上に表示してもよい。補助画面があることで、例えば指でタッチしている場合には、タッチしている指に隠れている点の位置を把握することができ、頭部平面画像における鼻および両耳の位置と、評価用頭部輪郭図のP1、P2およびP3の位置とをより精度よく合わせることができる。
【0082】
あるいは、鼻耳位置調整画面において、P1、P2およびP3は、表示部に表示されていなくてもよい。この場合には、頭部平面画像における鼻および両耳の位置を検出し、評価用頭部輪郭図における鼻および両耳の位置として特定してもよい。
【0083】
鼻耳位置調整画面において、「次へ」のボタンが選択されると、評価用頭部輪郭図において特定された鼻および両耳の位置に基づき、歪み度および/または短頭度が算出される(S111)。そして、算出された歪み度および/または短頭度に基づき、撮影対象者における歪み度および/または短頭度が判定され(S112)、その判定結果が端末装置1の表示部10に表示される(S113)。
【0084】
判定結果は、必要に応じて記憶されてもよい(S114)。
【0085】
次に、サーバ上で歪み度および/または短頭度を判定する実施態様について説明する。
【0086】
この実施態様においては、端末装置1とサーバ2が、通信ネットワーク3を介して双方向に通信可能となっている(図3)。
【0087】
以下、端末装置1とサーバ2との間の処理フローについて、図7を用いて説明する。
【0088】
サーバ2は、通信ネットワーク3を介して端末装置1からのアクセス要求を受信すると、端末装置1の表示部10にスタート画面を表示させる指示を端末装置1に送信する(S201)。
【0089】
サーバ2は、スタート画面における「スタート」がプッシュされた旨の通知を端末装置1から受信すると(S202)、端末装置1の表示部10にチュートリアル画面を表示させる指示を端末装置1に送信する(S203)。チュートリアル画面には、撮影者に両耳の位置を意識させる手段が含む頭部輪郭ガイド図が含まれている。
【0090】
サーバ2は、チュートリアル画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知を端末装置1から受信すると(S204)、端末装置のカメラを起動させる旨の指示および端末装置1の表示部10に撮影画面を表示させる指示を端末装置1に送信する(S205)。
【0091】
端末装置1の操作者による撮影操作後(S206)、端末装置1は、頭部平面画像の撮影データをサーバ2に送信する(S207)。
【0092】
サーバ2は、頭部平面画像の撮影データを端末装置1から受信すると、必要に応じて、撮影データにおける頭部輪郭を検出する(S208)。
【0093】
サーバ2は、端末装置1の表示部10に輪郭調整画面を表示させる指示を端末装置1に送信する(S209)。輪郭調整画面は、頭部平面画像の撮影データおよび評価用頭部輪郭図(S208で頭部輪郭を検出した場合には、検出された頭部輪郭を反映した図であってもよい)が含まれる。
【0094】
端末装置1の操作者は、必要に応じて、輪郭調整画面において、撮影された頭部平面画像の頭部輪郭と、評価用頭部輪郭図における輪郭を合わせるように調整する(S210)。
【0095】
サーバ2は、輪郭調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに輪郭調整後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信すると(S211)、端末装置1の表示部10に鼻耳位置調整画面を表示させる指示を端末装置1に送信する(S212)。鼻耳位置調整画面には、頭部平面画像の撮影データおよび評価用頭部輪郭図(S210で頭部輪郭を調整した場合には、調整後の頭部輪郭を反映した図であってもよい)が含まれている。
【0096】
端末装置1の操作者は、鼻耳位置調整画面において、撮影された頭部平面画像における鼻および両耳の位置と、評価用頭部輪郭図における鼻および両耳を合わせるように調整する(S213)。
【0097】
サーバ2は、鼻耳位置調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに鼻および両耳の位置調整後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信すると(S214)、評価用頭部輪郭図における輪郭、鼻の位置および/または両耳の位置に基づき、歪み度および/または短頭度の算出をする(S215)。さらに、算出された歪み度および/または短頭度に基づき、歪み度および/または短頭度を判定し(S216)、判定結果を端末装置1の表示部10に表示する指示を端末装置1に送信する(S217)。
【0098】
サーバ2は、必要に応じて、判定結果を記憶してもよい。
【0099】
次に、サーバ2における処理について、図8を用いて説明する。
【0100】
サーバ2は、通信ネットワーク3を介して端末装置1からのアクセス要求を受信したか否かを判定する(S301)。サーバ2は、アクセス要求を受信しなかった場合、処理を終了してもよい。サーバ2は、アクセス要求を受信した場合、端末装置1の表示部10にスタート画面を表示させる(S302)。
【0101】
サーバ2は、スタート画面における「スタート」がプッシュされた旨の通知を端末装置1から受信したか否かを判定する(S303)。サーバ2は、「スタート」がプッシュされた旨の通知を受信しなかった場合、処理を終了してもよい。サーバ2は、「スタート」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、端末装置1の表示部10にチュートリアル画面を表示させる(S304)。
【0102】
サーバ2は、チュートリアル画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知を端末装置1から受信したか否かを判定する(S305)。サーバ2は、「次へ」がプッシュされた旨の通知を受信しなかった場合、または「戻る」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、処理を終了してもよい。サーバ2は、「戻る」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、1つ前の画面(スタート画面)を表示部10に表示させてもよい。サーバ2は、「次へ」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、端末装置1のカメラ部2を起動させるとともに撮影画面を表示部10に表示させる(S306)。
【0103】
サーバ2は、頭部平面画像の撮影データを端末装置1から受信したか否かを判定する(S307)。サーバ2は、頭部平面画像の撮影データを端末装置1から受信しなかった場合、処理を終了してもよい。サーバ2は、頭部平面画像の撮影データを端末装置1から受信した場合、必要に応じて、頭部平面画像における頭部輪郭を検出してもよい(S308)。
【0104】
次に、サーバ2は、評価用頭部輪郭図において、頭部輪郭の調整が必要か否か判定してもよい(S309)。例えば、サーバ2は、頭部平面画像における頭部輪郭をその他の部分(例えば背景)との境界を検出し、評価用頭部輪郭図とする場合には、頭部輪郭の調整せずに、S309~S311をスキップしてもよい。サーバ2は、評価用頭部輪郭図において、頭部輪郭の調整が必要と判定した場合、あるいはS309の判定フローがない場合、輪郭調整用画面を端末装置1の表示部10に表示させる。
【0105】
サーバ2は、輪郭調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに輪郭調整後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信したか否かを判定してもよい(S311)。輪郭調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知を受信しなかった場合、輪郭調整後の評価用頭部輪郭図を受信しなかった場合、または「戻る」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、処理を終了してもよいし、前の画面(例えば、撮影画面)を表示部10に表示させてもよい。サーバ2は、輪郭調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに輪郭調整後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信した場合、鼻耳位置の調整が必要か否かを判定してもよい(S312)。例えば、サーバ2は、頭部平面画像における鼻および両耳をその他の部分との境界等を検出し、評価用頭部輪郭図における鼻および両耳の位置を特定できる場合には(例えば、S308のステップがある場合に、S308と同時に鼻および両耳の位置を特定してもよいし、それ以外の任意のステップの間でもよい)、S312~S314をスキップしてもよい。サーバ2は、評価用頭部輪郭図において、価用頭部輪郭図における鼻および両耳の位置の特定が必要と判定した場合、あるいはS312の判定フローがない場合、鼻耳調整位置画面を端末装置1の表示部10に表示させる(S313)。
【0106】
サーバ2は、鼻耳位置調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに鼻および両耳の位置を特定した後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信したか否かを判定してもよい(S314)。サーバ2は、鼻耳位置調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知を受信しなかった場合、鼻および両耳の位置を特定した後の評価用頭部輪郭図を受信しなかった場合、または「戻る」がプッシュされた旨の通知を受信した場合、処理を終了してもよいし、前の画面(例えば、輪郭調整画面、撮影画面等)を表示部10に表示させてもよい。サーバ2は、鼻耳位置調整画面における「次へ」がプッシュされた旨の通知とともに鼻および両耳の位置を特定した後の評価用頭部輪郭図を端末装置1から受信した場合、歪み度および/または短頭度を算出する(S315)。サーバ2は、算出された歪み度および/または短頭度に基づき、歪み度および/または短頭度を判定し(S316)、判定結果を端末装置1の表示部10に表示させる(S317)。
【0107】
以下、端末装置1の表示部10に表示される画面(UI画面)を具体的に説明する。なお、端末装置1としてスマートフォン、表示部10としてタッチパネルを例示するが、これに限定されるものではない。
【0108】
端末装置1にインストールされている頭部形状評価用アプリケーション40を起動すると、スタート画面401が表示部10に表示される。
【0109】
スタート画面42上の「測定する」をタッチすると、表示部10にチュートリアル画面43が表示される(図9)。チュートリアル画面では、乳幼児の頭部平面参照画像(例えば、乳幼児の頭蓋平面写真)431、撮影者に両耳の位置を意識させる手段である指の形状を模した図形432、および頭部輪郭ガイド図433が表示されている。撮影補助者(端末装置1の操作者以外の者)がいる場合には、端末装置1の操作者は、指の形状を模した図形432と同様の方法で撮影対象者(乳幼児)における両耳の位置を指すよう撮影補助者に指示することができる。そうすることで、端末装置1の操作者は、後述する撮影ステップにおいて、撮影対象者の両耳の位置を強く意識できるため、ズレの小さい頭部平面画像を撮影することが可能となる。頭部輪郭ガイド図433には、鼻の位置を示す鼻部433a、耳の位置を示す耳部433b、433c、耳部433bと433cを結んだ直線である水平線433d、および、水平線433dの中点433eと鼻部433aとを結ぶ直線である垂直線433fが表示されている。頭部輪郭ガイド図433に水平線433dおよび垂直線433fも表示することで、撮影者(頭部形状評価用アプリケーション4の使用者)に対し、頭蓋平面の中心をも意識させることが可能となり、ズレが小さい頭部平面画像を撮影することが可能になる。
【0110】
チュートリアル画面43上の「次へ」をタッチすると、表示部10に撮影画面44が表示される(図10)。撮影画面44には、頭部撮影用輪郭図441と、カメラ部11を通して表示される撮影対象(乳幼児の頭部平面)442と、撮影ボタン443が表示される。頭部撮影用輪郭図441には、鼻の位置を示す鼻部441a、耳の位置を示す耳部441b、441cも表示されている。撮影者は、撮影対象である乳幼児の頭部平面442と、頭部撮影用輪郭図441を合わせた後に、撮影ボタン443をタッチする。
【0111】
撮影画面44の撮影ボタン443がタッチされると、表示部10に輪郭調整画面45が表示される(図11A)。輪郭調整画面45には、撮影された頭部平面画像451と、評価用頭部輪郭図452が表示される。評価用頭部輪郭図452は、その輪郭上に、端末装置の操作者によって操作可能な点452aが複数含まれている。図11Aでは、点452aが、評価用頭部輪郭図452の輪郭上に、等間隔に8つ設けられている。操作者は、各々の点をタッチし、各点の位置を移動させることで、撮影された頭部平面画像451の輪郭と、評価用頭部輪郭図452の輪郭を合わせることができる。なお、点452aをタッチすると、所定の位置(例えば、指でタッチする場合、指と重複しない位置)に、タッチしている点およびその周辺の画面を複製した補助画面453を、輪郭調整画面45上に表示してもよい(図11B)。補助画面453があることで、例えば指でタッチしている場合には、タッチしている指に隠れている点の位置を把握することができ、頭部平面画像451と評価用頭部輪郭図452の輪郭をより精度よく合わせることができる。
【0112】
輪郭調整画面45において、評価用頭部輪郭図452の輪郭の調整が終わり、「次へ」のボタンをタッチすると、輪郭調整後の評価用頭部輪郭図462の輪郭上に、鼻の位置特定用の点462aおよび両耳の位置特定用の点462b、462cを含む鼻耳位置調整画面46が表示される(図12)。点462a、462bおよび462cは、端末装置1の操作者によって操作可能である。操作者は、各々の点をタッチし、各点の位置を移動させることで、撮影された頭部平面画像461における鼻および両耳の位置と、評価用頭部輪郭図462の点462a、462bおよび462cの位置とを合わせることができる。なお、各点をタッチすると、所定の位置(例えば、指でタッチする場合、指と重複しない位置)に、タッチしている点およびその周辺の画面を複製した補助画面463を、鼻耳位置調整画面46上に表示してもよい。補助画面463があることで、例えば指でタッチしている場合には、タッチしている指に隠れている点の位置を把握することができ、頭部平面画像461における鼻および両耳の位置と、評価用頭部輪郭図462の点462a、462bおよび462cの位置とをより精度よく合わせることができる。
【0113】
鼻耳位置調整画面46において、評価用頭部輪郭図462における鼻および両耳の位置の調整が終わり、「次へ」のボタンをタッチすると、判定結果表示画面47が表示部10に表示される(図13)。判定結果表示画面47では、撮影された頭部平面画像471と、輪郭調整画面45及び鼻耳位置調整画面46において輪郭、鼻および両耳の位置を調整済みの評価用頭部輪郭図472と、歪み度および短頭度を数値(%)で表した数値判定表示部473が表示されている。評価用頭部輪郭図472は、さらに、両耳の位置472bおよび472cを結んだ直線472dと、直線472dの中点472eおよび鼻の位置472aとを通る基準線472fと、中点472eを通りかつ基準線472fに対して直交する水平線472gと、が表示されている。
【符号の説明】
【0114】
1:端末装置
10:表示部
11:カメラ部
12:操作部
13:画像データ生成部
14:画像処理部
15:入力部
16:記憶部
2:サーバ
3:通信ネットワーク
4:頭部形状評価用アプリケーション
43:チュートリアル画面
431:頭部平面参照画像
432:撮影者に両耳の位置を意識させる手段
433:頭部輪郭ガイド図
433a:鼻部
433b:耳部
433d:水平線
433e:中点
433f:垂直線
44:撮影画面
441:頭部撮影用輪郭図
441a:鼻部
441b:耳部
442:撮影対象(乳幼児の頭部平面)
443:撮影ボタン
45:輪郭調整画面
451:撮影された頭部平面画像
452:評価用頭部輪郭図
452a:端末装置の操作者によって操作可能な点
453:補助画面
46:鼻耳位置調整画面
461:撮影された頭部平面画像
462:評価用頭部輪郭図
462a:鼻の位置特定用の点
462b、462c:両耳の位置特定用の点
47:判定結果表示画面
471:頭部平面画像
472:評価用頭部輪郭図
472a:鼻の位置
472b、472c:両耳の位置
472d:両耳の位置を結んだ直線
472f:直線の中点および鼻の位置を通る基準線
472g:中点を通りかつ基準線に対して直交する水平線
473:数値判定表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13