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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108594
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】同軸スピーカー
(51)【国際特許分類】
   H04R 9/02 20060101AFI20230728BHJP
   H04R 9/06 20060101ALI20230728BHJP
   H04R 1/24 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
H04R9/02 102B
H04R9/06 A
H04R1/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022192795
(22)【出願日】2022-12-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】202210085715.6
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517409583
【氏名又は名称】エーエーシー マイクロテック(チャンヂョウ)カンパニー リミテッド
【住所又は居所原語表記】No.3 changcao road, Hi-TECH Industrial Zone, Wujin District, Changzhou City, Jiangsu Province, P.R. China
(71)【出願人】
【識別番号】511027518
【氏名又は名称】エーエーシーアコースティックテクノロジーズ(シンセン)カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】AAC Acoustic Technologies(Shenzhen)Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】邵濤
【テーマコード(参考)】
5D012
5D018
【Fターム(参考)】
5D012BB05
5D018AB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い内部空間統合及び高い磁気回路利用率を有する同軸スピーカーを提供する。
【解決手段】同軸スピーカー100は、フレーム、振動システム及び磁気回路システムを含む。磁気回路システムは、フレームに固定される透磁アセンブリ31及び磁石鋼アセンブリ32を含む。透磁アセンブリは、環状の第1透磁板311、第1透磁板に固定され間隔をあけて配置された内側壁312及び外側壁313と、内側壁の第1透磁板から離れる一端に固定される第2透磁板314を含む。磁石鋼アセンブリは、内側壁から離間して第1磁気ギャップを形成する第1磁石鋼321と、側壁と第2磁気ギャップを形成する第2磁石鋼322を含む。振動システムは、第1振動板211と第1磁気ギャップに挿設される第1ボイスコイル212を含む第1振動アセンブリ21及び第2振動板221と第2磁気ギャップに挿設される第2ボイスコイル222を含む第2振動アセンブリ22を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、前記フレームに固定される振動システム及び磁気回路システムと、を含み、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定される透磁アセンブリと、前記透磁アセンブリに固定される磁石鋼アセンブリと、を含む同軸スピーカーであって、
前記透磁アセンブリは、環状を呈する第1透磁板と、前記第1透磁板に固定される内側壁と、前記内側壁と間隔をあけるように前記内側壁を取り囲む外側壁と、前記内側壁の前記第1透磁板から離れる一端に固定される第2透磁板と、を含み、前記磁石鋼アセンブリは、前記第2透磁板の前記内側壁に向かう側に固定される第1磁石鋼と、前記第2透磁板の前記内側壁から離れる側に固定される第2磁石鋼と、を含み、前記第1磁石鋼が前記内側壁と間隔をあけることで第1磁気ギャップが形成され、前記内側壁、前記第2透磁板及び前記第2磁石鋼が前記外側壁と間隔をあけることで第2磁気ギャップが形成され、前記振動システムは互いに間隔をあけている第1振動アセンブリと第2振動アセンブリとを含み、前記第1振動アセンブリは、前記フレームに固定される第1振動板と、前記第1振動板に固定されかつ前記第1磁気ギャップに挿設される第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動アセンブリは、第2振動板と、前記第2振動板に固定されかつ前記第2磁気ギャップに挿設される第2ボイスコイルと、を含み、前記フレームは振動方向に沿って間隔をあけて設置される第1開口と第2開口を含み、前記第2振動板が前記フレームに固定されかつ前記第2開口を覆い、前記第2振動板が振動する時に音波が第1開口を介して外部に導出される、
ことを特徴とする同軸スピーカー。
【請求項2】
前記同軸スピーカーは、前記磁気回路システムを前記フレーム内に支持する支持部材をさらに含み、前記支持部材は、前記外側壁に固定される支持本体と、前記支持本体から延びて前記フレームに固定されるいくつかの支持ビームと、を含み、いくつかの前記支持ビームは間隔をあけて設置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項3】
前記第1振動板は、中間位置にある第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サラウンドと、を含み、前記第1サラウンドの外縁は前記第1透磁板の前記外側壁から離れる側に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項4】
前記第1ドームは振動方向かつ前記第1磁石鋼から離れる方向に沿って突出し、前記第1ドームの振動方向に沿った断面は円弧形を呈する、
ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカー。
【請求項5】
前記第1振動アセンブリは、前記第1サラウンドの内縁に固定される第1ホルダーをさらに含み、前記第1ボイスコイルは前記第1ホルダーを介して前記第1磁気ギャップに挿設される、
ことを特徴とする請求項3に記載の同軸スピーカー。
【請求項6】
前記第2振動板は、中間位置にある第2ドームと、前記第2ドームを取り囲む第2サラウンドと、を含み、前記第2サラウンドの外縁は前記フレームに固定され、前記第2ドームは、中間位置にありかつ平板状を呈するセンタードーム部と、前記センタードーム部のエッジから外部に延びて前記第2サラウンドの内縁に固定される延伸部と、を含み、前記センタードーム部は平板状を呈し、前記第2ボイスコイルは前記センタードーム部に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。
【請求項7】
前記第1振動板の振動方向に沿う投影は前記センタードーム部に含まれる、
ことを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカー。
【請求項8】
前記外側壁の振動方向に沿う投影は前記センタードーム部に含まれる、
ことを特徴とする請求項6に記載の同軸スピーカー。
【請求項9】
前記第2振動アセンブリは前記センタードーム部に固定される第2ホルダーを含み、前記第2ボイスコイルは前記第2ホルダーを介して前記第2磁気ギャップに挿設される、
ことを特徴とする請求項8に記載の同軸スピーカー。
【請求項10】
前記透磁アセンブリは、前記第1磁石鋼の第1振動板に向かう側に固定される第3透磁板と、前記第2磁石鋼の第2振動板に向かう側に固定される第4透磁板と、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の同軸スピーカー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気音響変換分野に関し、より具体的に、同軸スピーカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
同軸スピーカーとは、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットが統合され、且つ高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットが同軸に設けられるスピーカーを指す。同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットの音源はいずれも同軸スピーカーの正面に位置しており、つまり、2つのスピーカーユニットの発音方向は同じである。
【0003】
従来技術では、同軸スピーカーの高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットはそれぞれ独立した振動システムと磁気回路システムを備え、構造が複雑で、高音スピーカーユニットと低音スピーカーユニットが同軸で構成する同軸スピーカー全体の高さは増加したため、高さが高すぎて取り付けが不便で、製品の適用性を下げている。また、分離された高低音磁気回路も生産コストを高め、製品の市場競争力を低下させており、また、従来技術では、放音面から離れるスピーカーユニットにおける振動板の有効面積が制限され、全音域の要求を満たすことができない。
【0004】
したがって、空間が高度に統合され、かつ全音域の要求を満たす同軸スピーカーを提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の問題に鑑みて、本発明は、空間が高度に統合され、かつ全音域の要求を満たす同軸スピーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的には、本発明が提供された同軸スピーカーは、フレームと、前記フレームに固定される振動システム及び磁気回路システムと、を含み、前記磁気回路システムは、前記フレームに固定される透磁アセンブリと、前記透磁アセンブリに固定される磁石鋼アセンブリと、を含み、前記透磁アセンブリは、環状を呈する第1透磁板と、前記第1透磁板に固定される内側壁と、前記内側壁と間隔をあけるように前記内側壁を取り囲む外側壁と、前記内側壁の前記第1透磁板から離れる一端に固定される第2透磁板と、を含み、前記磁石鋼アセンブリは、前記第2透磁板の内側壁に向かう側に固定される第1磁石鋼と、前記第2透磁板の前記内側壁から離れる側に固定される第2磁石鋼と、を含み、前記第1磁石鋼が前記内側壁と間隔をあけることで第1磁気ギャップが形成され、前記内側壁、前記第2透磁板及び前記第2磁石鋼が前記外側壁と間隔をあけることで第2磁気ギャップが形成され、前記振動システムは互いに間隔をあけている第1振動アセンブリと第2振動アセンブリとを含み、前記第1振動アセンブリは、前記フレームに固定される第1振動板と、前記第1振動板に固定されかつ前記第1磁気ギャップに挿設される第1ボイスコイルと、を含み、前記第2振動アセンブリは、第2振動板と、前記第2振動板に固定されかつ前記第2磁気ギャップに挿設される第2ボイスコイルと、を含み、前記フレームは振動方向に沿って間隔をあけて設置される第1開口と第2開口を含み、前記第2振動板が前記フレームに固定されかつ前記第2開口を覆い、前記第2振動板が振動する時に音波が第1開口を介して外部に導出される。
【0007】
好ましくは、前記同軸スピーカーは、前記磁気回路システムを前記フレーム内に支持する支持部材をさらに含み、前記支持部材は、前記外側壁に固定される支持本体と、前記支持本体から延びて前記フレームに固定されるいくつかの支持ビームと、を含み、いくつかの前記支持ビームは間隔をあけて設置されている。
【0008】
好ましくは、前記第1振動板は、中間位置にある第1ドームと、前記第1ドームを取り囲む第1サラウンドと、を含み、前記第1サラウンドの外縁は前記第1透磁板の前記外側壁から離れる側に固定される。
【0009】
好ましくは、前記第1ドームは振動方向かつ前記第1磁石鋼から離れる方向に沿って突出し、前記第1ドームの振動方向に沿った断面は円弧形を呈する。
【0010】
好ましくは、前記第1振動アセンブリは、前記第1サラウンドの内縁に固定される第1ホルダーをさらに含み、前記第1ボイスコイルは前記第1ホルダーを介して前記第1磁気ギャップに挿設される。
【0011】
好ましくは、前記第2振動板は、中間位置にある第2ドームと、前記第2ドームを取り囲む第2サラウンドと、を含み、前記第2サラウンドの外縁は前記フレームに固定され、前記第2ドームは、中間位置にありかつ平板状を呈するセンタードーム部と、前記センタードーム部のエッジから外部に延びて前記第2サラウンドの内縁に固定される延伸部と、を含み、前記センタードーム部は平板状を呈し、前記第2ボイスコイルは前記センタードーム部に固定される。
【0012】
好ましくは、前記第1振動板の振動方向に沿う投影は前記センタードーム部に含まれる。
【0013】
好ましくは、前記外側壁の振動方向に沿う投影は前記センタードーム部に含まれる。
【0014】
好ましくは、前記第2振動アセンブリは前記センタードーム部に固定される第2ホルダーを含み、前記第2ボイスコイルは前記第2ホルダーを介して前記第2磁気ギャップに挿設される。
【0015】
好ましくは、前記透磁アセンブリは、前記第1磁石鋼の第1振動板に向かう側に固定される第3透磁板と、前記第2磁石鋼の第2振動板に向かう側に固定される第4透磁板と、をさらに含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る同軸スピーカーは、フレームと、フレームに固定される振動システム及び磁気回路システムと、を含み、磁気回路システムは、フレームに固定される透磁アセンブリと、磁石鋼アセンブリと、を含み、透磁アセンブリは、環状を呈する第1透磁板、いずれも第1透磁板に固定されかつ間隔をあけて設置される内側壁及び外側壁と、内側壁の第1透磁板から離れる一端に固定される第2透磁板と、を含み、磁石鋼アセンブリは、第2透磁板に固定され、かつ内側壁と間隔をあけることで第1磁気ギャップを形成する第1磁石鋼と、第2透磁板に固定され、かつ外側壁と第2磁気ギャップを形成する第2磁石鋼と、を含み、振動システムは、互いに間隔をあけている第1振動アセンブリと第2振動アセンブリを含み、第1振動アセンブリは、フレームに固定される第1振動板と、第1振動板に固定されかつ第1磁気ギャップに挿設される第1ボイスコイルと、を含み、第2振動アセンブリは、第2振動板と、第2振動板に固定されかつ第2磁気ギャップに挿設される第2ボイスコイルと、を含む。第1振動アセンブリと第2振動アセンブリは1つの磁気回路システムを共用し、同軸スピーカー内部の空間利用率を効果的に高め、製品全体の高さを制御することに有利である。また、本発明における透磁アセンブリによって、磁気回路は自己閉鎖サイクルを形成し、高効率的な磁気回路の利用を達成し、第1振動板は高周波発音を実現し、第2振動板は全周波数領域発音を実現し、全周波数領域の要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係る同軸スピーカーを示す斜視構成図である。
図2図2は、本発明に係る同軸スピーカーを示す分解構成図である。
図3図6は、図1のA―A線に沿った断面図である。
図4図4は、本発明に係る同軸スピーカーの磁気回路システムを示す斜視構成図である。
図5図5は、図4のB―B線に沿った断面図である。
図6図6は、本発明に係る同軸スピーカーの一部を示す斜視構成図である。
図7図7は、図6のC―C線に沿った断面図である。
図8図8は、図6のD―D線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にかつ理解しやすくするために、以下、具体的な実施形態を組み合わせて本発明を詳細に説明し、これによって、本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点がより明確になる。
【0019】
図1~8に示すように、本発明には、同軸スピーカー100が提供され、当該同軸スピーカー100は、フレーム1と、フレーム1に固定される振動システム2及び磁気回路システム3と、を含み、そのうち、磁気回路システム3は振動システム2を振動させて音を発生させるように駆動する。
【0020】
磁気回路システム3は、フレーム1に固定される透磁アセンブリ31と、透磁アセンブリ31に固定される磁石鋼アセンブリ32と、を含み、具体的には、透磁アセンブリ31は、環状を呈する第1透磁板311と、第1透磁板311に固定される内側壁312と、内側壁312と間隔をあけるように内側壁312を取り囲む外側壁313と、内側壁312の第1透磁板311から離れる一端に固定される第2透磁板314と、を含み、なお、内側壁312と外側壁313はいずれも環状構造であり、かつ振動方向に沿って延びている。内側壁312は両端が開口した構造であり、第2透磁板314は、内側壁312に固定され、かつ内側壁312の第1透磁板311から離れる一端の開口を覆い、さらに、第1透磁板311、内側壁312と外側壁313は同心円環構造である。本実施例では、外側壁313は第1透磁板311の外縁から折り曲がって延びて形成される。磁石鋼アセンブリ32は、第2透磁板314の内側壁312に向かう側に固定される第1磁石鋼321と、第2透磁板314の内側壁312から離れる側に固定される第2磁石鋼322と、を含む。ここで、第1磁石鋼321が内側壁312と間隔をあけることで第1磁気ギャップ331が形成され、振動方向に沿って順次積層設置される内側壁312、第2透磁板314及び第2磁石鋼322が外側壁313と間隔をあけることで第2磁気ギャップ332が形成される。このように設置することにより、第1ボイスコイル212と第2ボイスコイル222が磁気回路を共用し、生産コストをさらに低減することができる。
【0021】
振動システム2は互いに間隔をあけている第1振動アセンブリ21と第2振動アセンブリ22とを含み、第1振動アセンブリ21は、フレーム1に固定される第1振動板211と、第1振動板211に固定されかつ第1磁気ギャップ331に挿設される第1ボイスコイル212と、を含み、第2振動アセンブリ22は、フレーム1に固定される第2振動板221と、第2振動板221に固定されかつ第2磁気ギャップ332に挿設される第2ボイスコイル222と、を含む。第1ボイスコイル212は通電された後に、第1振動板211を振動させて音を発生させるように駆動し、第2ボイスコイル222は通電された後に、第2振動板221を振動させて音を発生させるように駆動する。具体的には、フレーム1も環状構造であるため、フレーム1は振動方向に沿った両端に位置する第1開口11と第2開口12を含み、本実施例では、第2振動板221がフレーム1に固定されかつ第2開口12を覆い、第2振動板221が振動する時に音波が第1開口11を介して外部に導出され、本実施例では、第1振動板211と第2振動板221は同一側に音を発生させる構造である。
【0022】
さらに、第1振動板211は、中間位置にある第1ドーム2111と、第1ドーム2111を取り囲む第1サラウンド2112と、を含み、第1サラウンド2112の外縁は第1透磁板311の外側壁313から離れる側の表面に固定される。第1ドーム2111は振動方向かつ第1磁石鋼321から離れる方向に沿って突出し、第1ドーム2111の振動方向に沿った断面は円弧形を呈する。第2振動板221は、中間位置にある第2ドーム2211と、第2ドーム2211を取り囲む第2サラウンド2212と、を含み、第2サラウンド2212の外縁はフレーム1に固定され、第2ドーム2211は、中間位置にありかつ平板状を呈するセンタードーム部22111と、センタードーム部22111のエッジから外部に延びて第2サラウンド2212の内縁に固定される延伸部22112と、を含み、センタードーム部22111は平板状を呈し、第2ボイスコイル222はセンタードーム部22111に固定される。磁気回路システム3の磁界性能を高めるために、第1磁石鋼321の振動方向に沿う投影はセンタードーム部22111に含まれる。
【0023】
さらに、第1振動アセンブリ21は、第1サラウンド2112の内縁に固定される第1ホルダー213をさらに含み、第1ボイスコイル212は第1ホルダー213を介して第1磁気ギャップ331に挿設される。第2振動アセンブリ22はセンタードーム部22111に固定される第2ホルダー223を含み、第2ボイスコイル222は第2ホルダー223を介して第2磁気ギャップ332に挿設される。
【0024】
具体的には、当該同軸スピーカー100は、磁気回路システム3をフレーム1内に支持する支持部材4をさらに含み、前記支持部材4は、外側壁313に固定される支持本体41と、支持本体41から延びてフレーム1に固定されるいくつかの支持ビーム42と、を含み、いくつかの支持ビーム42は間隔をあけて設置されており、理解できるように、支持本体41は、円環状を呈し、外側壁313の外側に周設され、いくつかの支持ビーム42は支持本体41の周方向に沿って間隔をあけて設置されている。したがって、支持ビーム42間は互いに間隔をあけており、導音チャンネルを残しており、第2振動板221の振動で発生した音波は第1開口11を介して外部に導出できる。
【0025】
第2ボイスコイル222を第2磁気ギャップ332内により安定的に支持するために、本発明における同軸スピーカー100は、第3ホルダー5をさらに含み、具体的には、第3ホルダー5は、第2ボイスコイル222に固定されるホルダー本体51と、ホルダー本体51から延びてフレーム1に固定される支持アーム52と、を含む。図6~8から分かるように、外側壁313には、第2磁気ギャップ332とフレーム1との内部空間を連通する回避溝3131が設けられ、支持アーム52は回避溝3131を通して第2ボイスコイル222に接続される。
【0026】
第2振動板221で発生した音波が第1開口11から導出されるための十分な空間を有するようにするために、本発明では、第1振動板211の振動方向に沿う投影は第2振動板221のセンタードーム部22111に含まれ、つまり、第1振動板211の面積を第2振動板221よりも著しく小さく設定し、第1振動板211とフレーム1との間に十分な間隔を持たせる。さらに、外側壁313の振動方向に沿う投影はセンタードーム部22111に含まれる。
【0027】
磁気回路システム3の磁界利用率を高めるために、透磁アセンブリ31は、第1磁石鋼321の第1振動板211に向かう側に固定される第3透磁板315と、第2磁石鋼322の第2振動板221に向かう側に固定される第4透磁板316と、をさらに含み、磁気回路は自己閉鎖サイクルを形成し、高効率的な磁気回路の利用を達成することができる。
【0028】
本発明に係る同軸スピーカーは、フレームと、フレームに固定される振動システム及び磁気回路システムと、を含み、磁気回路システムは、フレームに固定される透磁アセンブリと、磁石鋼アセンブリと、を含み、透磁アセンブリは、環状を呈する第1透磁板、いずれも第1透磁板に固定されかつ間隔をあけて設置される内側壁及び外側壁と、内側壁の第1透磁板から離れる一端に固定される第2透磁板と、を含み、磁石鋼アセンブリは、第2透磁板に固定され、かつ内側壁と間隔をあけることで第1磁気ギャップを形成する第1磁石鋼と、第2透磁板に固定され、かつ外側壁と第2磁気ギャップを形成する第2磁石鋼と、を含み、振動システムは、互いに間隔をあけている第1振動アセンブリと第2振動アセンブリを含み、第1振動アセンブリは、フレームに固定される第1振動板と、第1振動板に固定されかつ第1磁気ギャップに挿設される第1ボイスコイルと、を含み、第2振動アセンブリは、第2振動板と、第2振動板に固定されかつ第2磁気ギャップに挿設される第2ボイスコイルと、を含む。第1振動アセンブリと第2振動アセンブリは1つの磁気回路システムを共用し、同軸スピーカー内部の空間利用率を効果的に高め、製品全体の高さを制御することに有利である。また、本発明における透磁アセンブリによって、磁気回路は自己閉鎖サイクルを形成し、高効率的な磁気回路の利用を達成し、第1振動板は高周波発音を実現し、第2振動板は全周波数領域発音を実現し、全周波数領域の要求を満たすことができる。
【0029】
以上は、本発明の実施形態に過ぎない。当業者にとって、本発明の創造思想から逸脱することなく、改良を行うこともできるが、これらの改良はいずれも本発明の保護範囲に含まれるとここで指摘すべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8