IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立製作所の特許一覧

特開2023-108614モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング
<>
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図1
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図2
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図3
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図4
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図5
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図6
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図7
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図8
  • 特開-モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108614
(43)【公開日】2023-08-04
(54)【発明の名称】モバイルデバイスでの簡易PLCプログラミング
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
G05B19/05 A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023007997
(22)【出願日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】17/584,075
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン イーチュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェン リーリー
【テーマコード(参考)】
5H220
【Fターム(参考)】
5H220AA04
5H220BB07
5H220BB12
5H220CC01
5H220CC05
5H220CX06
5H220GG02
5H220GG06
5H220GG25
5H220JJ26
(57)【要約】
【課題】モバイルデバイスの内蔵機能を利用することによってPLCをプログラミングする。
【解決手段】プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置とが接続されるネットワークに接続されカメラ及びマイクを備えたモバイルデバイスは、カメラ及びマイクのうちの1つ以上から入力を受信し、入力の解析から、PLCのための実行可能コード及び1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成し、PLCのための実行可能コード及び1つ以上の装置についての構成情報のうちの1つ以上を、ネットワークを介してPLCに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置とが接続されるネットワークに接続されカメラ及びマスクを備えたモバイルデバイスのための方法であって、
前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信することと、
前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成することと、
前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記ネットワークを介して前記PLCに送信することと
を含む方法。
【請求項2】
前記実行可能コードは、前記マイクへの前記入力の音声認識から生成され、前記PLCは、前記実行可能コードを受信した時点で実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構成情報を生成することは、
前記1つ以上の装置から装置を選択するために、前記カメラからの画像を解析することと、
前記選択された装置について前記構成情報を検索することと、
前記選択された装置を再構成するために追加の入力を受信することと、
前記追加の入力及び前記検索された構成情報から新しい構成情報を生成することと
を含み、
前記選択された装置は、前記新しい構成情報から再構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記画像はバーコードを含み、かつ前記バーコードと対応付けられた前記装置について前記選択が行われる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記選択は、前記モバイルデバイスに識別子を送信する近距離無線通信装置に基づく、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置とが接続されるローカルエリアネットワーク(ネットワーク)に接続されカメラ及びマイクを備えたモバイルデバイスに、
前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信することと、
前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成することと、
前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記ネットワークを介して前記PLCに送信することと
を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記実行可能コードは、前記マイクへの前記入力の音声認識から生成され、前記PLCは、前記実行可能コードを受信した時点で実行する、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記構成情報を生成することは、
前記1つ以上の装置から装置を選択するために、前記カメラからの画像を解析することと、
前記選択された装置について前記構成情報を検索することと、
前記選択された装置を再構成するために追加の入力を受信することと、
前記追加の入力及び前記検索された構成情報から新しい構成情報を生成することと
を含み、
前記選択された装置は、前記新しい構成情報から再構成される、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記画像はバーコードを含み、かつ前記バーコードと対応付けられた前記装置について前記選択が行われる、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記選択は、前記モバイルデバイスに識別子を送信する近距離無線通信装置に基づく、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置とが接続されるネットワークに接続されるように構成されたモバイルデバイスであって、
カメラと、
マイクと、
プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信し、
前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成し、かつ
前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記ネットワークを介して前記PLCに送信する、モバイルデバイス。
【請求項12】
前記実行可能コードは、前記マイクへの前記入力の音声認識から生成され、前記PLCは、前記実行可能コードを受信した時点で実行する、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項13】
前記プロセッサは、
前記1つ以上の装置から装置を選択するために、前記カメラからの画像を解析し、
前記選択された装置について前記構成情報を検索し、
前記選択された装置を再構成するために追加の入力を受信し、かつ
前記追加の入力及び前記検索された構成情報から新しい構成情報を生成する
ことによって前記構成情報を生成し、
前記選択された装置は、前記新しい構成情報から再構成される、請求項11に記載のモバイルデバイス。
【請求項14】
前記画像はバーコードを含み、かつ前記バーコードと対応付けられた前記装置について前記選択が行われる、請求項13に記載のモバイルデバイス。
【請求項15】
前記選択は、前記モバイルデバイスに識別子を送信する近距離無線通信装置に基づく、請求項13に記載のモバイルデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、産業システムに関し、より具体的には、モバイルデバイスでプログラマブルロジックコントローラ(PLC)プログラミングを容易にするためのシステム及び方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(PC)及びラップトップは、PLC及びロボットなどの産業用装置をプログラムしかつ構成(configure)するために長い間使用されてきた。しかしながら、乱雑なオンサイトの状況でマウス又はキーボードでプログラミングすることは便利ではないかもしれない。さらに、高解像度カメラ及びノイズキャンセリングマイクなどの機能性の開発では、モバイルデバイスが、従来の電話又はカメラ以上になってきている。
【0003】
また、産業用装置の供給者らは、エンドユーザに利益をもたらすために、構成プロセス及び利用方法を簡略化するように試みてきている。関連技術において、ユーザは、最初のセットアップ(インターネットプロトコル(IP)アドレス及び入出力(I/O)セットアップなど)のために各供給者からの所定のソフトウェアを使用する必要があるかもしれない。このセットアップ作業は、多くの装置にわたって時間がかかる可能性がある。さらに、もしもユーザが将来、構成を変更する必要が生じた場合、すべてのソフトウェアを開けて見直すことによって生産ライン上のすべての装置を改訂(revise)するのは、非常に時間がかかることになる。
【0004】
関連技術の実施態様は、プログラム可能なタッチパネルを備えたPLCを含み得る。また、関連技術における装置の構成及び制御のためのウェブベースの機能性もあり得る。このような関連技術の実施態様では、ユーザは、コンピュータワークステーション上でプログラムを実行するたにウェブブラウザを使用する。別の関連技術の実施態様では、ユーザがBluetooth装置を介して遠隔でPLCをセットアップしかつPLCにアクセスするためのアプリケーションがある(「Bluetooth」は登録商標)。
【発明の概要】
【0005】
従来、PC又はラップトップでPLCプログラミングが行われてきた。ユーザは、一つのプログラムだけのために何回もタイプし、選択し、かつクリックする必要がある。さらに、機器及び装置を構成しかつプログラミングするためには時間がかかる。例えば、ユーザは、IPアドレス及び入出力セットアップなどの構成を行うために、複雑なプログラムを開ける必要があるかもしれない。この作業は、特に大規模な生産ラインでは、非常に時間がかかるものである。本明細書に記載される実施態様例は、効率を高めるためのPLCプログラミング及び装置構成を簡略化する。さらに、本明細書に記載される方法は、モバイルデバイスなどのモバイルデバイスを対象としている。なぜならば、ユーザは、店舗のフロアを歩いているときには軽量の装置を持ち歩く方がより快適と感じるだろうからである。
【0006】
関連技術における第1の問題は、複雑なプログラミングツールである。PLCプログラミングツールの1つであるラダープログラムが、ユーザたちによって幅広く使用されてきた。しかしながら、ユーザはプログラムを完了するために何度も選択し、タイプし、かつクリックする必要がある。ラダープログラムでは、構造が単純であるため、本明細書に記載される実施態様例は、音声認識システムで構造を生成する。ラダープログラムは、主要なキーワードを含み、かつプログラミングツールは、ユーザがこれらのキーワードを言う間に、対応するラダーを生成する。そして、ユーザはモバイルデバイスで容易に編集又は改訂することができる。この音声認識システムで、ユーザはラダープログラミングの手順を簡略化し、時間を節約できる。また、ユーザは、モバイルデバイスで、いつでもどこでもプログラムを改訂することができる。
【0007】
第2の問題は機器構成である。従来、機器構成はハードウェアとソフトウェアのセットアップを含む。ハードウェアセットアップは、機器自体を手動で構成することを必要とし、そしてソフトウェアセットアップはPLCプログラムで行われる。このようなセットアッププロセスは、構成すべき装置が多くある場合には混乱を生じるかもしれない。本明細書に記載される実施態様例では、機器上の特定のバーコード又はクイックレスポンス(QR)コードをスキャンするなどにより、各装置についての情報が受信された時点で、システムが構成についての提案を提供するという方法がある(「QRコード」は登録商標)。この方法において、当該システムは、構成における誤用又はエラーが防止されるように提案を行う。
【0008】
提案される簡易PLCプログラミング方法は、PLC及び自動化装置をプログラミングする際に時間を節約するだけではなく、ユーザがオンサイトでプログラミングする際に、快適と感じることができるように、モバイルデバイスへのプログラミングツールの移動を容易にする。
【0009】
実施態様例は、余分な移行媒体装置(extra transition media devices)無しに一般的に使用されるハードウェアを利用できる。本明細書で提案される方法は、上記の従来のPLCプログラミングツールにおける問題点を克服し得る以下の利点を有する。
【0010】
第1の利点は、提案される新しい方法が、モバイルデバイスの内蔵機能を利用することによってPLCをプログラミングするという代替オプションを提供するということである。マイク及びカメラは、モバイルデバイスにおいて一般的な装置である。この方法では、ユーザは、生産ラインにラップトップを持って行く代わりに、軽量ツールでどこででも簡単にプログラミングすることができる。処理力が高まるため、モバイルデバイスは、さらにより多くの領域(産業的及び自動化を含む)においてPCやラップトップに取って代わるかもしれない。従って、提案される方法は、単にPLCプログラミングを簡略化するだけではなく、次世代の産業用ツール及び自動化ツールの開発及び適用を重視している。
【0011】
第2の利点は、カメラで装置構成セットアップを行う際に、プロセスをより単純にすることである。従来、ハードウェア及びソフトウェア構成を行うことは時間がかかり、特にソフトウェア構成は、PLCプログラムにおいて検証される必要があるため、時間がかかってしまう。しかしながら、提案された方法は、スクリーン上で、かつPLCプログラムに直接リンクされ得る、すべての必要な情報を表示することができる。ユーザは、構成を行った後に各装置についてサーチ及びプログラミングを容易に行うことが出来る。従って、実施態様例は、一般的なモバイルデバイスの初期(original)内蔵機能で、PLCプログラミング手順全体をスピードアップする。
【0012】
第3の利点は、プログラミングツールのコスト削減である。モバイルデバイスが広く使用されるようになり、PC/ラップトップのコストと、モバイルデバイスのコストはより近くなるであろう。さらに、最も必要とされる産業及び自動化ソフトウェアをモバイルデバイスに移動できるとしたら、ユーザは、大きくて重いPC又はラップトップを必要としなくなり、床の上での作業やオフィスでの会議に便利なモバイルデバイスを必要とするのみとなる。従って、この方法は、単にプログラミングソフトウェアを簡略化するだけではなく、ハードウェアセットアップも簡略化する。
【0013】
本明細書に記載される実施態様例では、PLCプログラムを生成するために音声認識システムが使用されるので、ユーザは、キーボードやマウスでの従来のプログラミング方法のための別のディスプレイの代わりに、最小限の操作を提供する必要があるのみである。関連技術に比べて、実施態様例はPLCラダーをプログラミングするための新しい方法を提供する。
【0014】
本明細書に記載される実施態様例では、装置又はPLCは依然としてプログラムを個々に実行できるが、プログラミング方法が新しい。当該実施態様例は、PLC及び装置の同じ作業プロセスを維持するが、ユーザを混乱させることなくシステムを確保するために、簡略化されたプログラミング方法を提供する。これらの実施態様例は、真新しい装置ではなく、既存の装置に適用することができる。本明細書に記載される実施態様例では、モバイルデバイスを介してPLCにアクセスするために従来の無線通信を使用することができる。
【0015】
本開示の態様は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置との間の接続を容易にするローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたモバイルデバイスのための方法であって(LANはネットワークの一例)、前記モバイルデバイスはカメラ及びマイクを備え、前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信することと、前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成することと、前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記LANを介して前記PLCに送信することとを含む方法を含み得る。
【0016】
本開示の態様は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置との間の接続を容易にするローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたモバイルデバイスのための命令を記憶するコンピュータプログラムであって、前記モバイルデバイスは、カメラ及びマイクを備え、前記命令は、前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信することと、前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成することと、前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記LANを介して前記PLCに送信することとを含む、コンピュータプログラムを含み得る。前記コンピュータプログラム及び命令は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶することができ、かつ1つ以上のプロセッサによって実行可能である。
【0017】
本開示の態様は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置との間の接続を容易にするローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されたモバイルデバイスのためのシステムであって、前記モバイルデバイスは、カメラ及びマイクを備え、前記システムは、前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信する手段と、前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成する手段と、前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記LANを介して前記PLCに送信する手段とを含む、システムを含み得る。
【0018】
本開示の態様は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)と1つ以上の装置との間の接続を容易にするローカルエリアネットワーク(LAN)に接続されるように構成されたモバイルデバイスであって、カメラと、マイクと、プロセッサであって、前記カメラ及び前記マイクのうちの1つ以上から入力を受信し、前記入力の解析から、前記PLCのための実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成し、かつ前記PLCのための前記実行可能コード及び前記1つ以上の装置についての前記構成情報のうちの前記1つ以上を、前記LANを介して前記PLCに送信するように構成された、プロセッサとを備える、モバイルデバイスを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】プログラミングPLC及び装置の従来のアーキテクチャの概要である。
図2】従来のPLCプログラミングアーキテクチャの詳細なプロットである。
図3】従来のPLCプログラミング方法の手順のワークフローである。
図4】一実施態様例に従う音声認識(上部)及び視覚ベースの装置構成(底部)を含む新しいPLCプログラミング技術の図示である。
図5】一実施態様例に従う音声認識機能による自動PLCラダー生成の3つの事例を示す。
図6】一実施態様例に従うモバイルデバイスでの視覚ベースの装置構成及びセットアップを使用する3つの例である。
図7】一実施態様例に従う音声ベースの自動PLCラダー生成及び視覚ベースの装置構成方法のワークフローである。
図8】一実施態様例に従うモバイルデバイスの一例を示す。
図9】本明細書に記載の実施態様例を容易にするためにモバイルデバイスに記憶され得る管理情報例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明は、本出願の図面及び実施態様例の詳細を提供する。複数の図面間の重複する要素の符号及び説明は、明確にするために省略される。説明全体を通して使用される用語は、例として提供されるものであり、限定することを意図しない。例えば、「自動」という用語の使用は、本出願の実施態様を実践する当業者の望ましい実施態様に応じて、実施態様の特定の態様に対するユーザ又は管理者の制御を含む完全自動又は半自動の実施態様を含んでよい。選択は、ユーザインタフェース又は他の入力手段を介してユーザによって行うことができ、又は望ましいアルゴリズムを介して実施することができる。本明細書に記載される実施態様例は、単独で又は組み合わせて利用することができ、実施態様例の機能は、望ましい実施態様に従ったあらゆる手段を用いて実施することができる。
【0021】
図1は、従来のプログラミング方法の概要である。PC101のユーザは、PLCラダーソフトウェア102の作業をしており、そして、I/Oアダプタ104と、産業用ロボット105と、産業用カメラ106とに接続されたPLC103にダウンロードする。I/Oアダプタ104は、モーター107及びセーフティスキャナー108で通信が行われる。
【0022】
図2は、図1の明確なプロット(clear plot)を示す。ユーザは、PC101を操作してPLCプログラミングソフトウェア102を行い、そしてPLC103にソフトウェアコードをダウンロードする。このPLCは、I/Oアダプタ104、産業用ロボット105、及び産業用カメラ106と通信するために使用される。I/Oアダプタ104は、モーター107及びセーフティスキャナー108に接続される。
【0023】
図3は、従来のPLCプログラミング方法のワークフローである。フローに示される通り、ユーザは、装置自体でかつソフトウェア内でのセットアップを含む、装置のそれぞれを構成する必要があるかもしれない。構成が正確にセットアップされた時点で、ユーザはPLCラダープログラミングのためにPCを使用する。
【0024】
図4は、一実施態様例に従って従来のPLCプログラミング方法を簡略化するための2つの方法を示す。これは、音声認識システムベースのPLCラダープログラミング方法と視覚ベースの装置構成方法を含む。前者は、モバイルデバイス上で自動的にPLCラダーを生成するために音声認識として機能することである。後者は、装置の写真を撮ることによって構成を行うことである。これらの両方とも、モバイルデバイスの周辺装置(内蔵マイク及びカメラ等)を利用する。この方法は、ユーザにより利便性を提供し、かつ軽量なモバイルデバイスでのプログラミング手順を簡略化する。
【0025】
音声認識システムの例では、ユーザ201は、モバイルデバイス203のマイクに音声入力202を行う。モバイルデバイス203は、関連音声認識技術で音声入力を処理するように構成され、かつ実行可能なPLCコードを生成する。そして、PLCコードはPLC103にダウンロード可能である。
【0026】
音声認識システムは、PLCベンダーによって提供されたPLCロジックソフトウェアに基づく関連技術実施態様に従って実施することができ、このPLCベンダーから、音声認識システム用のライブラリとして用語(terms)が提供される。このようなPLCロジックソフトウェアは、特定のコード断片へのテキストのマッピングを提供するように機能できる。このようにして、モバイルデバイスは、プログラマブルロジックコントローラコードのための入力を受けるように構成されることが可能であり、ここで音声はPLCロジックソフトウェアに基づくテキストに変換され、その後、テキストはコードに変換される。
【0027】
視覚ベースの装置構成の例では、ユーザは、モバイルデバイスのカメラから構成される1つ以上の装置205の写真204を撮る。モバイルデバイス206は、当該1つ以上の装置の画像を処理し、望ましい実施態様に従って関連画像認識技術を用いて当該画像を識別するように構成される。モバイルデバイス206は、コードを提供するための複数の装置のうち1つを選択するためにユーザ入力を受信することができ、当該装置が選択されると、実行可能なPLCコードをPLC103に提供することができる。
【0028】
図5は、一実施態様例に従う音声認識システムベースのPLCプログラミング方法の一例である。このシステムは、ユーザが何を言うかに基づいてPLCラダーを生成する。ユーザ301は、モバイルデバイス303に対してキーワード302を言うことによって、ソフトウェア中のいずれのラング(rung)も追加、編集、又は削除することができ、そして、PLC103に最終コードをダウンロードすることができる。
【0029】
図6は、一実施態様例に従う視覚ベースの装置構成方法の3つの事例を示す。第1の事例では、ユーザは、I/Oアダプタ104の写真204-1を撮り、そしてその情報がモバイルデバイス206-1上に表示され、これはユーザによって編集することができる。第2の事例は、セーフティスキャナー108の構成である。写真204-2を撮った後、ユーザは、モバイルデバイス206-2を通してセーフティスキャナーのための警告及びアラーム領域をセットアップする。最後の事例は、産業用ロボット105を構成することである。他の2つの事例と同様に、I/O、通信、及び3D作業領域などの当該ロボット105についての情報(モバイルデバイス206-3で見ることができる)は、204-3にてこのモバイルデバイスでセットアップすることができる。PLCラダーと同様に、構成の後、コードはPLCにダウンロードされる。さらに、上記セットアップ/構成は、ユーザがPLCプログラミングを行うためにPLCラダーにおいて利用可能となされる得る変数を含むことになる。
【0030】
望ましい実施態様例に応じて、Bluetooth接続から構成情報を取得できる。Bluetooth接続は、画像と関連するタイムスタンプに基づき、又は多数の装置が見つかった場合には、位置情報に基づいて選択することができ、又は装置についての画像認識に基づいてソートすることができる。インタフェースを設けることができ、当該インタフェースから、ユーザは複数の装置のうち1つの装置を、そしてモバイルデバイスからの対応するBluetooth接続を選択できる。
【0031】
そして、選択された装置を再構成するために、入力を受信することができ(例えば、音声認識により、タッチスクリーンの実施により)、かつ当該構成に基づいて、追加の入力からの、かつ古い構成情報の修正により検索された構成情報からの新しい構成情報を受信することができる。従って、実行可能コードはPLCに提供され、かつ選択された装置に、PLCを介して新しい構成情報を提供することが可能である。
【0032】
図7は、一実施態様例に従って提案される方法のワークフローである。左側では、プログラミング装置が、ユーザが話すのを聞いた後で、ユーザが選択する利用可能な機能を生成しかつリストする。そして、プログラムが検証されると、PLCコードがPLCにダウンロードされる。右側では、ユーザは構成用の装置の写真を撮るか又はバーコードをスキャンし、その後、この情報をモバイルデバイス上で編集できる。終了すると、構成ファイルをPLCにダウンロードできる。
【0033】
音声認識700でPLCプログラミングを行うフローでは、701にて、フローは図4の201及び202に示されるように、ユーザがプログラミングモバイルデバイスに話しかけるところから開始する。702では、プログラミング装置は、図5の203及び303に示される通り、機能の利用可能なオプションをリストする。機能のオプションがモバイルデバイスのスクリーン上に提供されると、ユーザは、望ましいオプションを選択するか又は手動で改訂することができる703。704では、プログラミングが完了したかが判断される。完了したと判断された場合には(Yes)、フローは705へと進み、そうでない場合には(No)、フローは701に戻る。
【0034】
可視化710での装置構成を開始するためのフローでは、711にて、ユーザが、図4又は図6の204で示される通り各装置の写真画像を撮るか、かつ/又はバーコードをスキャンした時に、フローが開始する。実施態様例において、モバイルデバイスは、カメラで該当装置に添付されたバーコードの写真画像を撮像し、当技術分野で知られているソフトウェアは、その画像からバーコード情報を抽出し、かつバーコード情報から装置情報を取得することができる。別の実施態様例では、モバイルデバイスは、望ましい場合に上記情報を取得するために、バーコードを単純にスキャンするように構成され得る。さらに、本開示はバーコードに制限されてはおらず、望ましい実施形態に従ってクイックリスポンス(QR)コード、拡張現実(AR)マーカ、埋込メディアマーカ等のその他の印(indicia)によって置き換えることが可能である。
【0035】
711においてコード情報を抽出する他の実施態様例において、画像は、当該画像のタイムスタンプ及びモバイルデバイスから取得されたBluetooth(近距離無線通信)接続要求に基づくBluetooth装置からのBluetooth送信に対応付けることができる。装置自体からコード情報、又は望ましい実施態様に従った構成情報を検索するために、Bluetooth接続を使用することができる。
【0036】
712において、図4及び図6の206に示される通り位置及び情報が写真上に示される。713において、モバイルデバイスは、図4及び図6の205及び206に示される通りI/O及び内部情報を構成する。714において、構成が完了したか否かについて判断がなされる。構成が完了した場合(Yes)、フローは705に進み、そうでない場合には(No)、フローは711に戻る。
【0037】
構成が行われると、705において、フローはPLCによって実行されるべき実行可能コードの送信を提供する。その後、706においてPLCは実行可能コードを実行することができる。
【0038】
本明細書に記載される簡易PLCプログラミング方法は、PLC及び装置のベンダーがこのソフトウェアを開発するためのバーコード及び情報を提供する限り、大部分のPLC及び装置のベンダーに適用され得る。さらに、この方法は、自動車、食品、及びオイル&ガス産業などのあらゆる生産ラインで使用することができる。
【0039】
図8は、一実施態様例に従うモバイルデバイスの一例を示す。モバイルデバイス800は、携帯電話、スマートフォン、タブレット、ラップトップ等(但し、これらに限定されない)、望ましい実施態様に従うあらゆる種類のモバイルデバイスであり得る。モバイルデバイス800は、カメラ801、マイク802、プロセッサ803、メモリ804、ディスプレイ805、及びインタフェース(I/F)806を含み得る。カメラ801は、望ましい実施態様に従う、あらゆる形態の動画を記録するように構成されたあらゆる種類のカメラを含み得る。マイク802は、望ましい実施態様に従うあらゆる形態の音声を記録するように構成されたあらゆる形態のマイクを含み得る。ディスプレイ805は、望ましい実施形態に従う、本明細書に記載される通りに機能を実行する命令を容易にするためにタッチ入力を受け付けるように構成されたスクリーンディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(LCD)等の通常のディスプレイ、又はその他あらゆる種類のディスプレイを含み得る。I/F806は、望ましい実施形態に従う、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等の外部要素及びその他あらゆる装置へのモバイルデバイス800の接続を容易にするためのネットワークインタフェースを含み得るもので、セキュリティ上の目的でPLC及び工場又は産業用装置に接続するためのローカルエリアネットワーク(LAN)上での接続を含んでよい。プロセッサ803は、望ましい実施形態に従う、中央処理装置(CPU)等のハードウェアプロセッサの形態、又はハードウェアとソフトウェアユニットとの組み合わせであり得る。
【0040】
メモリ804は、望ましい実施形態に従う、図9に示されるような管理情報のすべての一部を管理するように構成され得る。
【0041】
第1の態様では、プロセッサ(単数及び複数)803は、カメラ及びマイクのうちの1つ以上から入力を受信することと、入力の解析から、PLCのための実行可能コード及び1つ以上の装置についての構成情報のうち1つ以上を生成することと、図4に示される通り、かつ図9に示される情報から、PLCのための実行可能コード及び1つ以上の装置についての構成情報のうちの1つ以上を、LANを介してPLCに送信することとを含む、方法又はコンピュータ命令を実行するように構成され得る。
【0042】
第2の態様では、プロセッサ(単数及び複数)803は、第1の態様に従って前記方法又はコンピュータ命令を実行するように構成され得るものであり、マイクへの入力の音声認識から実行可能コードが生成され、図4図5図7、及び図9に示される通り受信されると、PLCは実行可能コードを実行する。
【0043】
第3の態様では、プロセッサ(単数及び複数)803は、上述の態様のいずれかに従って前記方法又はコンピュータ命令を実行するように構成され得るものであり、構成情報を生成することは、前記1つ以上の装置から装置を選択するために、カメラからの画像を解析することと、選択された装置について構成情報を検索することと、選択された装置を再構成するために追加の入力を受信することと、追加の入力及び検索された構成情報から新しい構成情報を生成することとを含み、図4図6、及び図7、及び図9に示される通り、選択された装置は、新しい構成情報から再構成される。
【0044】
第4の態様では、プロセッサ(単数及び複数)803は、上述の態様のいずれかに従って方法又はコンピュータ命令を実行するように構成されることが可能であり、前記画像はバーコードを含み、前記選択は、図7及び図9に示される通りバーコードに対応付けられた装置で行われる。
【0045】
第5の態様では、プロセッサ(単数及び複数)803は、上述の態様のいずれかに従って方法又はコンピュータ命令を実行するように構成されることが可能であり、前記選択は、図7及び図9に示される通り識別子をモバイルデバイスに送信するBluetooth装置に基づく。
【0046】
図9は本明細書に記載される実施態様例を容易にするためにモバイルデバイスに記憶され得る管理情報例を示す。管理情報は、バーコードから、Bluetooth接続から、又は望ましい実施態様に従うその他のコードから抽出された情報に対応するコード識別子、当該コード(例えば、PLC、装置等)に対応する装置識別子、及び当該装置の構成情報を含み得る。構成情報は、装置から提供される通りの構成情報を含み得る。図9の管理情報は、LAN上でPLCによって提供され、かつ/又は望ましい実施態様に応じてメモリ804によって又はPLCによってのいずれかで管理され得る。
【0047】
詳細な説明の一部は、コンピュータ内のアルゴリズム及び演算の記号表現の観点で提示されている。これらのアルゴリズム記述及び記号表現は、データ処理技術の当業者が彼らのイノベーションの本質を他の当業者に伝えるために使用する手段である。アルゴリズムは、望ましい最終の状態又は結果に至る一連の定義されたステップである。実施態様例では、実行されるステップは、具体的な結果を達成するための具体的な量の物理的な操作を必要とする。
【0048】
特段の記載がない限り、論考から明らかなように、説明全体を通して「処理」、「コンピューティング」、「計算」、「判定/決定」、「表示」などの用語を使用する論考は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子の)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ又はその他の情報記憶装置、伝送装置又は表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに操作かつ変換する、コンピュータシステム又はその他の情報処理装置の動作及びプロセスを含み得ることが理解される。
【0049】
実施態様例は、本明細書で操作を実行するための装置にも関連してもよい。この装置は、要求された目的のために特別に構成されてもよく、あるいは、1つ以上のコンピュータプログラムによって選択的に起動又は再構成される1つ以上の汎用コンピュータを含んでもよい。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体又はコンピュータ可読信号媒体などのコンピュータ可読媒体に記憶してもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、光ディスク、磁気ディスク、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、ソリッドステートデバイス(solid state devices)及びドライブ、又は電子情報を記憶するのに適した任意のその他の種類の有形又は非一時的媒体などの有形媒体を含んでよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読信号媒体は、搬送波などの媒体を含んでもよい。本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。コンピュータプログラムは、望ましい実施態様形態の動作を実行する命令を含む純粋なソフトウェアの実施(pure software implementations)を含むことができる。
【0050】
様々な汎用システムは、本明細書の例に従ってプログラム及びモジュールと共に使用されてもよく、又は望ましい方法ステップを実行するためにより特化された装置を構築することが便利であることが判明するかもしれない。さらに、実施態様例は、特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。本明細書で説明されている実施態様例の技術を実施するために、様々なプログラミング言語を使用され得ることが理解されるであろう。プログラミング言語(単数又は複数)の命令は、1つ以上の処理装置、例えば中央処理装置(CPU)、プロセッサ、又はコントローラによって実行されてよい。
【0051】
当技術分野で周知のように、上述の操作は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェアとハードウェアの何らかの組み合わせによって実行することができる。実施態様例の様々な態様は、回路及び論理装置(ハードウェア)を使用して実施してもよく、一方、他の態様は、機械可読媒体(ソフトウェア)に記憶された命令を使用して実施してもよく、そして当該命令がプロセッサによって実行される場合は、プロセッサに本出願の実施態様を行うための方法を実行させることになる。さらに、本出願のいくつかの実施態様例は、ハードウェアのみで実施してよいが、その他の実施態様例は、ソフトウェアのみで実施してよい。さらに、記述された種々の機能は、単一のユニット内で実行され得るか、又は任意の数の方法で多数の構成要素にわたって分散することができる。ソフトウェアによって実行される場合、これらの方法は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令に基づいて、汎用コンピュータなどのプロセッサによって実行されてよい。必要に応じて、命令は、圧縮及び/又は暗号化されたフォーマットで媒体に記憶することができる。
【0052】
さらに、本出願のその他の実施態様は、本出願の明細書及び技術の実施を考慮することから当業者には明らかであろう。記載された実施態様例の様々な態様及び/又は構成要素は、単独で、又は任意の組み合わせで使用され得る。本明細書及び実施態様例は、以下の請求項によって示される本出願の真の範囲及び精神とともに、例示としてのみ考慮されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9