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  • 特開-家紋リコメンドシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108635
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】家紋リコメンドシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230731BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009771
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】302018271
【氏名又は名称】日本和装ホールディングス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522035270
【氏名又は名称】NPO法人きものを世界遺産にするための全国会議
(74)【代理人】
【識別番号】100216286
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 史典
(72)【発明者】
【氏名】吉田 重久
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザが簡易な操作により、膨大な家紋の図柄の種類から、ユーザに適した家紋を容易に選択・取得できる家紋リコメンドシステムを提供する。
【解決手段】ユーザ用電子端末Aと管理サーバBとがネットワークで接続する家紋リコメンドシステムにおいて、ユーザ用電子端末Aは、所定のユーザ情報入力部、ユーザ情報送信部、家紋情報受信部及び表示部を有する。管理サーバBは、ユーザ情報及び当該ユーザ情報に紐づけられた家紋ロゴを含む家紋情報を含むデータテーブルを保持するデータベース部と、所定の受信部、照合・選択部及び当該家紋情報をユーザ用電子端末Aに提供する送信部を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに最適な家紋ロゴを含む家紋情報を提供する家紋リコメンドシステムであって、
ユーザ用電子端末(A)と管理サーバ(C)とがネットワークで接続され、
前記ユーザ用電子端末(A)は、入力情報および/または属性情報を含むユーザ情報(I)を入力するユーザ情報入力部(a1)、入力されたユーザ情報(I1)を管理サーバ(B)に送信するユーザ情報送信部(a2)を有し、
前記管理サーバ(B)は、ユーザ情報(I1)および当該ユーザ情報(I)に紐づけられた家紋ロゴを含む家紋情報(I2)を含むデータテーブル(DT)を保持するデータベース部(b1)と、前記ユーザ用電子端末(A)のユーザ情報送信部(a2)から送信されたユーザ情報(I1)を受信する受信部(b2)と、当該受信部(b2)で受信されたユーザ情報(I1)とデータベース部(b1)に保持されたデータテーブル(DT)とを照合し、当該ユーザ情報(I1)に紐づけられた家紋情報(I2)を選択する照合・選択部(b3)と、当該家紋情報(I2)をユーザ用電子端末(A)に提供する送信部(b4)とを有し、
前記ユーザ用電子端末(A)は、送信部(b4)により送信された家紋情報(I2)を受信する家紋情報受信部(a3)および家紋情報(I2)を表示する表示部(a4)を有する家紋リコメンドシステム。
【請求項2】
前記照合・選択部(b3)が、複数の家紋情報(I2)を選択し、
前記ユーザ用電子端末(A)は、ユーザが、表示部(a4)で表示された複数の家紋情報(I2)を任意に選択する選択部(a5)と、選択された家紋情報(I3)を管理サーバ(B)に送信するための選択家紋情報送信部(a6)を有する、請求項1に記載の家紋リコメンドシステム。
【請求項3】
前記サーバ(B)が、選択家紋情報送信部(a6)により送信された、選択された家紋情報(I3)を記憶する選択情報記憶部(b7)を有し、
過去のユーザ情報(I4)および選択された家紋情報(I3)を含む過去データを、教師データとして用いて、新たに入力されたユーザ情報から選択される家紋情報を予測・推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、ユーザ情報(I1)を含むデータを入力することで、ユーザにより選択される家紋情報を予測・推定し、予測・推定家紋情報を出力する機械学習部(C)と、当該予測・推定家紋情報をユーザ用電子端末(A)に送信するための送信部(b8)とを有する、請求項2に記載の家紋リコメンドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な家紋リコメンドシステムに関し、より具体的には、ユーザに最適な家紋ロゴを含む家紋情報(紋章の図柄(形態)や家紋に関連する情報等)を提供する家紋リコメンドシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
家紋は、個人や一族を、他者(他家)と区別・識別するために用いられる、先祖から承継された紋章であり、構造的な類似性に基づいて241種類の一般的な分類がなされている。また、個別の家紋としては、輪や角に囲まれているもの、文字、異種との組み合わせなどの図柄を含めると、約5100種類の個別の紋が存在する。このように家紋は多様であり、家紋の保持者自身も、先祖より承継された家紋について正確な名称を知らないことも多くあるため、各種家紋検索システム・装置が開発されている。
【0003】
たとえば、特許文献1は、簡単な入力操作で家紋を検索することができる家紋検索装置が提案されている。具体的には、家紋に関する複数の情報を入力する入力手段と、該入力された複数の情報から検索条件を作成する検索条件作成手段と、前記検索条件に対応する家紋が複数登録された家紋辞書と、前記作成された検索条件にしたがって前記家紋辞書から家紋を検索する家紋検索手段とを備えることを特徴とする。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-198699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1で開示された発明では、簡単な入力操作(手書き入力など)でユーザの家紋がどんな家紋であるか(家紋の名称)を検索するための装置に過ぎず、ユーザの関心事項や属性などに基づいて、そのユーザに適した家紋を推奨する(リコメンドする)ものではなかった。特に、外国人でも、日本固有の家紋に対する関心が高まっているものの、その外国人にしてみれば、膨大な家紋の図柄の種類から、自己に適した家紋を選択することは極めて困難である。
【0007】
このような状況にかんがみ、本発明者は、ユーザが電子端末において入力した入力情報および/または属性情報を含むユーザ情報を、管理サーバにて、ユーザ情報に紐づけられた家紋ロゴを含む家紋情報を含むデータテーブルに照合して、ユーザに推奨される家紋情報(リコメンド情報)を送信するシステムを構築することで、膨大な家紋の図柄の種類から、ユーザに適した家紋を選択できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、膨大な家紋の種類から、ユーザに適した家紋を選択できる家紋リコメンドシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る家紋リコメンドシステムは、ユーザに最適な家紋ロゴを含む家紋情報を提供する家紋リコメンドシステムであって、
ユーザ用電子端末(A)と管理サーバ(C)とがネットワークで接続され、
前記ユーザ用電子端末(A)は、入力情報および/または属性情報を含むユーザ情報(I)を入力するユーザ情報入力部(a1)、入力されたユーザ情報(I1)を管理サーバ(B)に送信するユーザ情報送信部(a2)を有し、
前記管理サーバ(B)は、ユーザ情報(I1)および当該ユーザ情報(I)に紐づけられた家紋ロゴを含む家紋情報(I2)を含むデータテーブル(DT)を保持するデータベース部(b1)と、前記ユーザ用電子端末(A)のユーザ情報送信部(a2)から送信されたユーザ情報(I1)を受信する受信部(b2)と、当該受信部(b2)で受信されたユーザ情報(I1)とデータベース部(b1)に保持されたデータテーブル(DT)とを照合し、当該ユーザ情報(I1)に紐づけられた家紋情報(I2)を選択する照合・選択部(b3)と、当該家紋情報(I2)をユーザ用電子端末(A)に提供する送信部(b4)とを有し、
前記ユーザ用電子端末(A)は、送信部(b4)により送信された家紋情報(I2)を受信する家紋情報受信部(a3)および家紋情報(I2)を表示する表示部(a4)を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の家紋リコメンドシステムにおいては、前記照合・選択部(b3)が、複数の家紋情報(I2)を選択し、
前記ユーザ用電子端末(A)は、ユーザが、表示部(a4)で表示された複数の家紋情報(I2)を任意に選択する選択部(a5)と、選択された家紋情報(I3)を管理サーバ(B)に送信するための選択家紋情報送信部(a6)を有することが好ましい。
【0011】
さらに、 本発明の家紋リコメンドシステムにおいては、 前記サーバ(B)が、選択家紋情報送信部(a6)により送信された、選択された家紋情報(I3)を記憶する選択情報記憶部(b7)を有し、
過去のユーザ情報(I4)および選択された家紋情報(I3)を含む過去データを、教師データとして用いて、新たに入力されたユーザ情報から選択される家紋情報を予測・推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、ユーザ情報(I1)を含むデータを入力することで、ユーザにより選択される家紋情報を予測・推定し、予測・推定家紋情報を出力する機械学習部(C)と、当該予測・推定家紋情報をユーザ用電子端末(A)に送信するための送信部(b8)とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る家紋リコメンドシステムによれば、ユーザが簡易な操作により、膨大な家紋の種類から、ユーザに適した家紋を容易に選択・取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る家紋リコメンドシステムを説明するための概略図である。
図2図2は、本発明に係る家紋リコメンドシステムにおける、情報の処理を説明するためのスキーム図である。
図3図3は、本発明に係る家紋リコメンドシステムを構成する管理サーバ(B)のデータベース部(b1)に保持されたデータベースの一態様を示すための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る家紋リコメンドシステムについて、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る家紋リコメンドシステムは、後述するようにユーザ(利用者)がユーザ情報(入力情報や属性情報)をユーザ用電子端末に入力すると、ユーザ情報に基づいて、ユーザに最適な家紋情報(家紋の名称、図柄など)をユーザに提供できるシステムである。当該システムは、図1に示されるように、ユーザ用電子端末Aと、管理サーバBとを有し、これらは、付番Nで示されるようにネットワークを介して接続されている。すなわち、ユーザ用電子端末Aと、管理サーバBとは、ネットワークを介して情報が伝達可能な状態となっている。
【0016】
ユーザ用電子端末Aとしては、特に限定されるものではないが、たとえば、図1に示されるように、スマートフォンやデスクトップ型パーソナルコンピュータが挙げられ、その他にも、タブレット端末、携帯電話、PDA、ノート型PCなどが挙げられる。
【0017】
ユーザ用電子端末Aは、入力情報および/または属性情報を含むユーザ情報(I)を入力するユーザ情報入力部(a1)を有する。ここで、入力情報とは、予め用意された質問内容であり、必要に応じて、入力画面にて、質問に対する回答の選択肢が挙げられる。たとえば、ユーザ用電子端末Aの入力画面において、ユーザが希望する家紋が、植物紋、動物紋、器物紋、建築紋、自然紋、幾何紋、などを選択することができる。
また、属性情報とは、ユーザまたはユーザの先祖の出身地、一族名(源平藤橘など)S、ユーザまたはユーザの先祖の職業・身分など、ユーザの属性を示す情報である。
【0018】
また、ユーザ用電子端末Aは、図2の付番S1~S2に示されるように、上記ユーザ情報入力部(a1)により入力されたユーザ情報(I1)を管理サーバ(B)に送信するユーザ情報送信部(a2)を有する。
【0019】
さらに、後述する家紋情報(I2)を受信する家紋情報受信部(a3)および家紋情報(I2)を表示する表示部(a4)を有する。
ここで、この送信・受信に当たっては、適宜、WIFIルータなどの中継通信機器や、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などの無線又は有線のインターネットネットワークが使用される。また、Wifi/有線LANが共に届かない時(有効に使用できない時)は、たとえば、3G/LTEモジュールを用いてもよい。
【0020】
管理サーバ(B)は、ユーザ情報(I1)を受信する受信部(b2)を有し、かかる受信部(b2)により、図2の付番S3に示されるように、ユーザ用電子端末(A)のユーザ情報送信部(a2)から送信されたユーザ情報(I1)を受信する。
【0021】
また、管理サーバ(B)は、データテーブル(DT)を保持するデータベース部(b1)を有する。
ここで、データテーブル(DT)では、図3に示されるように、ユーザ情報(I1)と、当該ユーザ情報(I)に紐づけられた家紋ロゴを含む家紋情報(I2)を含む。たとえば、付番S1で示されるユーザ情報(I)の入力段階において、ユーザが、好みの図柄として、「植物」や「花」を、さらにより詳細な図柄として「藤」を選択した場合、藤柄の家紋として、「下り藤」、「上がり藤」、「加藤藤」、「藤飛び蝶」、「藤輪に剣片喰紋」などの各家紋の図柄、名称など家紋情報が紐づけられている。ここで、家紋の図柄は、各種の静止画像のデジタルデータ圧縮方式(JPEGなど)でダウンロード可能な状態となっていてもよい。
また、図3では、ユーザ情報(I)として、ユーザの好みの図柄を例示したが、その他にも、最適な家紋の選択に直結するような情報(たとえば、ユーザー又はその先祖の出身地、姓名など)、あるいは、ユーザの嗜好性や職業などが、家紋情報と紐づけられていてもよい。
【0022】
また、管理サーバ(B)は、照合・選択部(b3)を有する。図2の付番S4に示されるように、照合・選択部(b3)は、当該受信部(b2)で受信されたユーザ情報(I1)とデータベース部(b1)に保持されたデータテーブル(DT)とを照合し、当該ユーザ情報(I1)に紐づけられた家紋情報(I2)を選択する。ここで、選択された家紋情報(I2)は、ユーザへ推奨・提案するリコメンド情報である。
たとえば、ユーザ情報(I1)として、図柄が「藤」を選択された場合、「藤」とデータテーブル(DT)とが照合されて、「藤」に紐づけられた家紋ロゴなどの家紋情報(I2)として、「下り藤」、「上がり藤」などが選択される。次いで、図2の付番S5に示されるように、、後述するように、送信部(b4)により管理サーバ(B)から、ユーザ用電子端末(A)に送信される。
【0023】
図2の付番S6に示されるように、当該家紋情報(I2)は、ユーザ用電子端末(A)に提供する送信部(b4)により管理サーバ(B)から、ユーザ用電子端末(A)に送信された後、かかる家紋情報(I2)は、ユーザ用電子端末(A)の家紋情報受信部(a3)により受信され、さらに、表示部(a4)により家紋情報(I2)が表示される。
【0024】
ここで、管理サーバ(B)の送信部(b4)は、照合・選択部(b3)により選択された1つの家紋情報(I2)を送信する必要はなく、複数の家紋情報(I2)を送信するものであってもよい。すなわち、前記照合・選択部(b3)が、複数の家紋情報(I2)を選択し、前記ユーザ用電子端末(A)は、ユーザが、表示部(a4)で表示された複数の家紋情報(I2)を任意に選択する選択部(a5)と、選択された家紋情報(I3)を管理サーバ(B)に送信するための選択家紋情報送信部(a6)を有するものであってもよい。
【0025】
さらに、ユーザ満足度を向上させるために、前記サーバ(B)が、選択家紋情報送信部(a6)により送信された、選択された家紋情報(I3)を記憶する選択情報記憶部(b7)を有し、
過去のユーザ情報(I4)および選択された家紋情報(I3)を含む過去データを、教師データとして用いて、新たに入力されたユーザ情報から選択される家紋情報を予測・推定するための機械学習を行った学習済みの学習モデルに、ユーザ情報(I1)を含むデータを入力することで、ユーザにより選択される家紋情報を予測・推定し、予測・推定家紋情報を出力する機械学習部(C)と、当該予測・推定家紋情報をユーザ用電子端末(A)に送信するための送信部(b8)とを有することも好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によれば、ユーザが簡易な操作により、膨大な家紋の図柄の種類から、ユーザに適した家紋を容易に選択・取得できる家紋リコメンドシステムを提供できる。


図1
図2
図3