(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108640
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】巻回体
(51)【国際特許分類】
B65H 75/28 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
B65H75/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009781
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】510114125
【氏名又は名称】株式会社エフコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】田中 康典
【テーマコード(参考)】
3F058
【Fターム(参考)】
3F058AA03
3F058AB01
3F058BA05
3F058BB01
3F058BB11
3F058BB12
3F058CA00
3F058DA04
3F058DB03
3F058DB05
3F058HA08
3F058HB02
3F058HB07
(57)【要約】
【課題】
円柱状芯材に熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体において、そのシートを巻き出した際のしわ発生を抑制する。
【解決手段】
本発明は、円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体であって、前記熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、当該巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面とを接合する薄膜テープと、前記薄膜テープの表面側に位置し、前記熱発泡性シートの巻き始め端部を覆う帯状軟質フォームとを備えたことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体であって、
前記熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、当該巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面とを接合する薄膜テープと、
前記薄膜テープの表面側に位置し、前記熱発泡性シートの巻き始め端部を覆う帯状軟質フォーム
とを備えた巻回体。
【請求項2】
前記熱発泡性シートの巻き始め端部の側面と、前記円柱状芯材外周面と、前記薄膜テープとによって囲まれた領域に空隙を有することを特徴とする請求項1記載の巻回体。
【請求項3】
前記帯状軟質フォームは、前記熱発泡性シートの厚みに対し、0.5~5倍の厚みを有することを特徴とする請求項1または2に記載の巻回体。
【請求項4】
前記帯状軟質フォームは、密度0.04g/cm3以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の巻回体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な巻回体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、建築物においては、火災に対する保護の目的で、柱、梁等の部材を耐熱構造にすることが求められている。耐熱構造を施す方法の一つとして、柱、梁等の部材に熱発泡性シートを被覆する方法がある(例えば、特許文献1等)。熱発泡性シートは、平常時は薄くて軽量であり、火災等による温度上昇時に、発泡して炭化断熱層を形成し、耐熱保護性を発揮する効果を有するものである。
【0003】
近年では、建築物のデザイン性が種々検討され、柱、梁等の部材が人目に触れるケースも増加している。このような部材に熱発泡性シートを適用する際には、仕上り外観に優れることが求められる。
【0004】
ところで、一般的な建築用シートは、建築現場までの運搬性、建築現場での施工性等の観点から、巻回体の形態とする場合がある。この場合、建築用シートは、円柱状芯材に巻き付けられた巻回体の形態で施工現場に搬入され、施工の際には、必要な長さを巻き出して使用されている。このような巻回体では、
図1に示すように、シート巻き始め端部の外側に位置する2巻き目以降の部分に段差が生じ、施工の際、巻き出したシートにしわが生じやすい。
【0005】
このような不具合を改善する手法として、特許文献2には、芯材に凹部を設け、当該凹部内に軟質樹脂を埋設することが記載されている。但し、特許文献2記載の巻回体では、芯材に凹部加工を施す手間がかかり、凹部加工によって芯材の強度が低下するおそれもある。
【0006】
特許文献3や特許文献4には、
図2や
図3に示すように、シート巻き始め端部付近の空隙を緩衝材で埋めることによって、段差に起因するしわを抑制することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8-60763号公報
【特許文献2】特開2005-75521号公報
【特許文献3】特開平6-341214号公報
【特許文献4】特開2004-217349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、
図2の手法では、シート巻き始め端部のエッジ部が緩衝材によって十分に保護されていない。そのため、当該エッジ部に起因するしわが生じるおそれがある。また、
図3の手法では、シート巻き始め端部の外側に、緩衝材による盛り上がりが生じ、その盛り上がりに起因して、巻き出したシートにしわが生じるおそれがある。長尺の熱発泡性シートを巻回体の形態とした場合にも、このようなしわの発生が懸念される。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体において、そのシートを巻き出した際のしわ発生を抑制することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、薄膜テープと帯状軟質フォームを用いた特定構造の巻回体に想到し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、以下の特徴を有するものである。
1.円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体であって、
前記熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、当該巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面とを接合する薄膜テープと、
前記薄膜テープの表面側に位置し、前記熱発泡性シートの巻き始め端部を覆う帯状軟質フォーム
とを備えた巻回体。
2.前記熱発泡性シートの巻き始め端部の側面と、前記円柱状芯材外周面と、前記薄膜テープとによって囲まれた領域に空隙を有することを特徴とする1.記載の巻回体。
3.前記帯状軟質フォームは、前記熱発泡性シートの厚みに対し、0.5~5倍の厚みを有することを特徴とする1.または2.に記載の巻回体。
4.前記帯状軟質フォームは、密度0.04g/cm3以下であることを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の巻回体。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体において、そのシートを巻き出した際のしわ発生を抑制することができる。このような熱発泡性シートを建築物の部材等に施工した際には、優れた仕上り外観を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、従来の巻回体の一例を示す拡大断面図である。
【
図2】
図2は、従来の巻回体の一例を示す拡大断面図である。
【
図3】
図3は、従来の巻回体の一例を示す拡大断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の巻回体の一例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の巻回体の一例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1:円柱状芯材
1a:円柱状芯材外周面
2:熱発泡性シート
21:巻き始め端部
21a:熱発泡性シート巻き始め端部の表面
21b:熱発泡性シート巻き始め端部の側面
3:薄膜テープ
4:帯状軟質フォーム
41:帯状軟質フォーム巻き始め部
42:帯状軟質フォーム巻き終わり部
5:空隙
6:緩衝材
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0016】
本発明巻回体は、円柱状芯材に長尺の熱発泡性シートが巻き付けられてなる巻回体である。本発明巻回体の一例を
図4(断面図)、
図5(拡大断面図)に示す。
【0017】
円柱状芯材は、長尺の熱発泡性シートが巻き付け可能なものであればよく、例えば、紙製、樹脂製、金属製等の材質のものが使用できる。円柱状芯材としては、その内部に空洞を有する円筒状のものが好ましい。円柱状芯材の直径(円筒状芯材の場合は外径)は、好ましくは10~200mm、より好ましくは30~150mmである。円柱状芯材の幅(円柱の高さ)は、好ましくは100~1000mm、より好ましくは200~800mmである。
【0018】
熱発泡性シートは、円柱状芯材に巻き付け可能な可撓性を有するシートであり、建築物の部材等に適用すると、火災等により周囲温度が所定の発泡温度に達した際に発泡し、炭化断熱層を形成するものである。熱発泡性シートとしては、例えば、構成成分として、樹脂成分、難燃剤、発泡剤、炭化剤、及び充填剤等を含有するものが使用できる。このうち、樹脂成分としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等、難燃剤としては、例えば、ポリリン酸アンモニウム等、発泡剤としては、例えば、メラミン、ジシアンジアミド、アゾジカーボンアミド等、炭化剤としては、例えば、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等、充填剤としては、例えば、二酸化チタン、炭酸カルシウム、無機繊維類等が挙げられる。
【0019】
熱発泡性シートにおける各成分の構成比率は、好ましくは、固形分換算で、樹脂成分100重量部に対して、難燃剤50~1000重量部、発泡剤5~500重量部、炭化剤5~500重量部、及び充填剤10~300重量部である。
【0020】
熱発泡性シートは、上記構成成分を含むシートのみから構成されていてもよいが、繊維質シート等の補強材が積層されていてもよい。このような補強材としては、例えば、有機繊維及び/または無機繊維等を含む公知の繊維質シートを使用することができる。また、熱発泡性シートは、例えば、接着剤層、粘着剤層、離型材層、保護層等が積層されてなるものであってもよい。
【0021】
熱発泡性シートの厚みは、好ましくは0.2~10mm、より好ましくは0.3~6mmである。熱発泡性シートの幅は、円柱状芯材の幅と同じであるか、それ以下であればよく、好ましくは100~1000mm、より好ましくは200~800mmである。熱発泡性シートの長さは、好ましくは3~50m、より好ましくは10~30mである。なお、本発明において、長さとは、円柱状芯材の外周に沿う方向のサイズであり、幅とは、円柱状芯材を構成する円柱の高さ方向のサイズである。
【0022】
本発明巻回体は、熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、当該巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面とを接合する薄膜テープと、薄膜テープの表面側に位置し、熱発泡性シートの巻き始め端部を覆う帯状軟質フォームとを備えたものである。
【0023】
本発明巻回体では、
図5に示すように、熱発泡性シートの巻き始め端部のエッジ部(巻き始め端部の表面21aと巻き始め端部の側面21bとの交点)から円柱状芯材外周面にわたり、薄膜テープによって緩やかな傾斜が形成される。そして、この緩やかな傾斜の上(外側)に、帯状軟質フォームを介して、熱発泡性シートが巻き付けられる。このような本発明巻回体では、
図3に示すような急激な盛り上がりを生じることなく、帯状軟質フォームが熱発泡性シートの巻き始め端部の近傍を覆う。2巻き目の熱発泡性シートは、1巻き目の端部(巻き始め端部)付近において、帯状軟質フォームの上(外側)に巻き付けられ、1巻き目の熱発泡性シートと2巻き目の熱発泡性シートとの間に、帯状軟質フォームが介在する。これにより、2巻き目の熱発泡性シートは、
図3に示すような急激な盛り上がりを生じずに、1巻き目の熱発泡性シートの上(外側)に巻き付けられる。2巻き目の熱発泡性シートの上(外側)には、3巻き目以降の熱発泡性シートが巻き付けられ、3巻き目以降の熱発泡性シートも急激な盛り上がりを生じない。本発明では、このような独自の構成により、熱発泡性シートを巻き出した際のしわ発生を抑制することができる。
【0024】
本発明巻回体は、
図5に示すように、熱発泡性シートの巻き始め端部の側面21bと、円柱状芯材外周面1aと、薄膜テープ3とによって囲まれた領域に空隙5を有することが望ましい。空隙の断面形状は、くさび型の三角形に近似する形状である。このような空隙が形成されることにより、しわ抑制の効果を十分に発揮することができる。
【0025】
薄膜テープとしては、熱発泡性シートよりも厚みが薄く、熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、円柱状芯材外周面とを接合可能なものであればよく、例えば、紙製、樹脂製、金属製等のものが使用できる。
【0026】
薄膜テープの裏面側には、例えば、接着剤層、粘着剤層等が設けられていることが望ましい。このような薄膜テープを使用すれば、熱発泡性シートを円柱状芯材に効率的に固定することができ好適である。
【0027】
薄膜テープの厚みは、熱発泡性シートの厚みよりも薄く、熱発泡性シートの厚みの1/5以下であることが好ましく、1/10以下であることがより好ましい。具体的に、薄膜テープの厚みは、好ましくは0.01~0.5mm、より好ましくは0.02~0.2mmである。薄膜テープの幅は、熱発泡性シートの幅と同じであるか、それ以上であればよく、好ましくは100~1200mm、より好ましくは200~1000mmである。
【0028】
薄膜テープの長さは、
図5に示すように、薄膜テープによって緩やかな傾斜が安定的に形成されることを考慮して設定すればよい。薄膜テープによる傾斜は、本発明の効果が奏される限り、湾曲していてもよい。薄膜テープの長さは、好ましくは10~200mm、より好ましくは20~100mmである。
【0029】
薄膜テープは、熱発泡性シート巻き始め端部から傾斜を形成しつつ、熱発泡性シート巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面に接する。ここで、熱発泡性シート巻き始め端部から、薄膜テープが円柱状芯材外周面に接する地点までの距離L(
図5のL)は、好ましくは2~50mm、より好ましくは3~40mmである。
【0030】
帯状軟質フォームとしては、弾力と柔軟性を有する樹脂フォームが好ましく使用でき、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリウレタンフォーム等が挙げられる。このような樹脂フォームとしては、架橋型、非架橋型等が挙げられ、本発明では非架橋型が好適である。
【0031】
このような帯状軟質フォームとしては、少なくとも、熱発泡性シート巻き始め端部から、薄膜テープが円柱状芯材外周面に接する地点までを覆うものが使用できる。具体的に、帯状軟質フォームの長さは、熱発泡性シート巻き始め端部から、薄膜テープが円柱状芯材外周面に接する地点までの距離Lの2倍以上(より好ましくは3倍以上、さらに好ましくは5倍以上)とすることができる。帯状軟質フォームの長さの上限は、特に限定されないが、巻回体製造時の作業性等の観点から、1巻き分の長さ(円柱状芯材の外周の長さ)よりも小であることが望ましく、1巻き分の長さの11/12以下であることがより望ましい。帯状軟質フォームの長さは、好ましくは10~600mm、より好ましくは20~450mmである。
【0032】
本発明巻回体では、
図4に示すように、帯状軟質フォームの巻き始め部41や、帯状軟質フォームの巻き終わり部42において、熱発泡性シート巻き付けにより帯状軟質フォームが適度に圧縮され、熱発泡性シートは急激な盛り上がりを生じない。そのため、本発明巻回体では、帯状軟質フォームに起因するしわ発生も十分に抑制することができる。
【0033】
帯状軟質熱発泡性シートの幅は、熱発泡性シートの幅と同じであるか、それ以上であればよく、好ましくは100~1200mm、より好ましくは200~1000mmである。
【0034】
帯状軟質フォームは、熱発泡性シートの厚みに対し、0.5~5倍の厚みを有することが望ましく、0.8~3倍の厚みを有することがより望ましく、1~2.5倍の厚みを有することがさらに望ましい。帯状軟質フォームの厚みは、好ましくは0.2~25mm、より好ましくは0.5~10mm、さらに好ましくは1~5mmである。また、帯状軟質フォームは、その密度が0.04g/cm3以下であることが望ましく、0.005~0.035g/cm3であることがより望ましく、0.01~0.03g/cm3であることがさらに望ましい。このような条件を満たす帯状軟質フォームの使用により、熱発泡性シート巻き始め端部に起因するしわを十分に抑制することができ、さらに帯状軟質フォームに起因するしわも十分に抑制することができる。
【0035】
本発明巻回体は、例えば、以下の手順で製造することができる。
(1)円柱状芯材に、熱発泡性シートの巻き始め端部を固定する。
(2)熱発泡性シートの巻き始め端部の表面と、当該巻き始め端部から離れた円柱状芯材外周面とを薄膜テープで接合する。
(3)少なくとも薄膜テープから熱発泡性シートの巻き始め端部にわたる部分を覆うように帯状軟質フォーム設置し、当該帯状軟質フォームを介して、熱発泡性シートを巻き付ける。
【0036】
上記(1)工程において、熱発泡性シートの巻き始め端部を円柱状芯材に固定するには、例えば、熱発泡性シートの巻き始め端部の裏面を接着剤層や粘着剤層等で固定する方法、あるいは、接着剤層や粘着剤層を有する薄膜テープを用いて固定する方法等を採用することができる。このうち、後者の方法によれば、上記(1)工程と(2)工程を同時に行うことができ、作業効率の点で好適である。
【0037】
上記(3)工程においては、円柱状芯材の直径、熱発泡性シートの長さ、巻回体の重量等を勘案し、所望の巻き数で熱発泡性シートを重ねて巻き付けることができる。
【0038】
また、予め薄膜テープと帯状軟質フォームが一体化された積層体を用いることにより、上記(2)工程と上記(3)工程を同時に行うことができる。ここで、接着剤層や粘着剤層を有する薄膜テープを用いれば、上記(1)工程と上記(2)工程と上記(3)工程を同時に行うことも可能である。
【0039】
本発明巻回体の熱発泡性シートを、建築物等の施工現場で使用する際には、施工に必要な熱発泡性シートの長さを考慮して、円柱状芯材に巻き付けられた熱発泡性シートを適宜巻き出し、カットする等して使用すればよい。このような熱発泡性シートは、例えば、建築物の主要構造部材である柱、梁、壁、床、天井等に対して施工することができる。このような部材は、例えば、コンクリート製、金属製、木製、樹脂製等のいずれであってもよい。熱発泡性シートは、例えば、粘着剤、接着剤、ピン、釘、鋲等を用いて、各部材の表面に固定化することができる。
【実施例0040】
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
【0041】
円柱状芯材として、外径82mm、外周の長さ257mm、幅450mmの紙管、シートとして、厚み1.5mm、幅450mm、長さ5mの熱発泡性シート、薄膜テープとして、裏面に粘着剤層を有する紙製薄膜テープ(厚み0.08mm、幅450mm、長さ50mm)、帯状軟質フォームとして下記に示すものを用いて、以下の試験を行った。
【0042】
・帯状軟質フォーム1(架橋型ポリエチレンフォーム、密度0.035g/cm3、厚み5mm、幅450mm、長さ100mm)
・帯状軟質フォーム2(非架橋型ポリエチレンフォーム、密度0.022g/cm3、厚み5mm、幅450mm、長さ100mm)
・帯状軟質フォーム3(非架橋型ポリエチレンフォーム、密度0.022g/cm3、厚み3mm、幅450mm、長さ100mm)
・帯状軟質フォーム4(非架橋型ポリエチレンフォーム、密度0.022g/cm3、厚み1mm、幅450mm、長さ100mm)
【0043】
(実施例1)
実施例1は、
図4及び5に示す態様である。実施例1では、薄膜テープを用いて、熱発泡性シート端部と円柱状芯材を接合し(L=8mm)、薄膜テープから熱発泡性シートの巻き始め端部にわたる部分を覆うように、帯状軟質フォーム1を挟み込みながら、熱発泡性シートを巻き付けて巻回体を得た。
【0044】
(実施例2)
実施例2は、
図4及び5に示す態様である。実施例2では、薄膜テープを用いて、熱発泡性シート端部と円柱状芯材を接合し(L=8mm)、薄膜テープから熱発泡性シートの巻き始め端部にわたる部分を覆うように、帯状軟質フォーム2を挟み込みながら、熱発泡性シートを巻き付けて巻回体を得た。
【0045】
(実施例3)
実施例3は、
図4及び5に示す態様である。実施例3では、薄膜テープを用いて、熱発泡性シート端部と円柱状芯材を接合し(L=8mm)、薄膜テープから熱発泡性シートの巻き始め端部にわたる部分を覆うように、帯状軟質フォーム3を挟み込みながら、熱発泡性シートを巻き付けて巻回体を得た。
【0046】
(実施例4)
実施例4は、
図4及び5に示す態様である。実施例4では、薄膜テープを用いて、熱発泡性シート端部と円柱状芯材を接合し(L=8mm)、薄膜テープから熱発泡性シートの巻き始め端部にわたる部分を覆うように、帯状軟質フォーム4を挟み込みながら、熱発泡性シートを巻き付けて巻回体を得た。
【0047】
(比較例1)
比較例1は、
図1に示す態様である。比較例1では、両面粘着テープを用いて、熱発泡性シート端部の裏面を円柱状芯材に貼り付けた後、熱発泡性シートを巻き付けて巻回体を得た。
【0048】
(評価)
上記方法で得られた各巻回体をそれぞれ室温にて7日間静置後、熱発泡性シートを巻き出し、その外観を確認した。評価は、しわ発生が抑制されていたものを「AA」、しわが多数発生していたものを「D」とする5段階(優:AA>A>B>C>D:劣)で行った。評価結果を表1に示す。
【0049】