(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108688
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】センサ素子の試験方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/26 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
G01N27/26 391Z
G01N27/26 391B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009859
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】大矢 雄一
(72)【発明者】
【氏名】田中 純平
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液滴によるセンサ素子への影響を正しく評価できる方法の提供。
【解決手段】センサ素子の試験方法では、先ず、センサ素子12の表面22の滴下箇所24に液滴26が滴下されるように、センサ素子12に対する滴下部34の位置が設定される。次に、受け部32に所定量の液体36を滴下することで、1つの液滴26が形成される。次に、受け部32から滴下部34に1つの液滴26を滴下することで、1つの液滴26が滴下箇所24に滴下される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滴下装置を用いてセンサ素子の表面に液滴を滴下することにより、前記液滴による前記センサ素子の影響を調べるためのセンサ素子の試験方法であって、
前記滴下装置は、
撥水加工が施され、滴下された液体を受け止める受け部と、
撥水加工が施され、前記液滴を前記センサ素子の表面に滴下する滴下部と、
を備え、
前記試験方法は、
前記センサ素子の表面のうちの予め決められた滴下箇所に前記液滴が滴下されるように、前記センサ素子に対する前記滴下部の位置を設定する第1ステップと、
前記受け部に所定量の前記液体を滴下して、1つの液滴に形成する第2ステップと、
前記受け部から前記滴下部に前記1つの液滴を滴下することにより、前記1つの液滴を前記滴下箇所に滴下する第3ステップと、
を含む、センサ素子の試験方法。
【請求項2】
請求項1記載の試験方法において、
前記滴下部は、前記1つの液滴を案内する案内流路を有し、
前記第3ステップでは、前記案内流路の先端から前記滴下箇所に前記1つの液滴が滴下される、センサ素子の試験方法。
【請求項3】
請求項2記載の試験方法において、
前記第1ステップでは、前記先端まで直線状に延びる前記案内流路が前記センサ素子の表面に対して40°~60°の傾斜角度に設定される、センサ素子の試験方法。
【請求項4】
請求項3記載の試験方法において、
前記傾斜角度は、40°~50°である、センサ素子の試験方法。
【請求項5】
請求項2~4のいずれか1項に記載の試験方法において、
前記滴下部は、前記1つの液滴を前記案内流路に導入させる導入部をさらに有し、
前記第3ステップでは、前記受け部から前記導入部に前記1つの液滴を滴下することにより、前記1つの液滴が前記滴下箇所に滴下される、センサ素子の試験方法。
【請求項6】
請求項5記載の試験方法において、
前記案内流路は、管であり、
前記導入部は、前記管の基端からテーパ状に延びている、センサ素子の試験方法。
【請求項7】
請求項6記載の試験方法において、
前記滴下部は、漏斗である、センサ素子の試験方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の試験方法において、
前記滴下装置は、前記受け部に前記液体を供給する液体供給部をさらに備え、
前記第2ステップでは、前記液体供給部から前記受け部に前記所定量の前記液体が滴下される、センサ素子の試験方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の試験方法において、
前記センサ素子を加熱する第4ステップを含み、
前記第3ステップでは、加熱した前記センサ素子の前記滴下箇所に前記1つの液滴が滴下される、センサ素子の試験方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の試験方法において、
前記センサ素子は、セラミックス製である、センサ素子の試験方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の試験方法において、
前記液体は、水である、センサ素子の試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ素子の試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液滴によるセンサ素子の影響を調べるため、センサ素子の表面に液滴を滴下する試験が行われている。具体的には、センサ素子の耐被水性を調べるため、ディスペンサー、ピペット等の液滴装置からセンサ素子の表面に液滴が滴下される。液滴装置がディスペンサーである場合には、ディスペンサーからセンサ素子の表面への液滴の滴下時間を調整することで、滴下量が調整される。滴下量を増やした場合には、滴下時間が長くなり、相対的に小さな液滴が連続してセンサ素子の表面に滴下される。液滴装置がピペットである場合には、作業者がピペットを手に持った状態で、ピペットの先端からセンサ素子の表面に相対的に大きな液滴が直接滴下される。特許文献1には、マイクロシリンジからセンサ素子の表面に水滴を滴下する場合に、滴下時間を調整することで、滴下量を調整することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ディスペンサーによる滴下では、滴下時間中、センサ素子の表面に液滴が当たり続ける。そのため、センサ素子の表面に1つの大きな液滴を滴下したときのセンサ素子の影響を正しく評価することができない。
【0005】
また、ピペットによる滴下では、1つの大きな液滴をセンサ素子の表面に滴下することができる。しかしながら、作業者の持ち手がぶれると、センサ素子の表面のうちの予め決められた滴下箇所に液滴を滴下することができない。これにより、試験結果にバラツキが発生する。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、滴下装置を用いてセンサ素子の表面に液滴を滴下することにより、前記液滴による前記センサ素子の影響を調べるためのセンサ素子の試験方法であって、前記滴下装置は、撥水加工が施され、滴下された液体を受け止める受け部と、撥水加工が施され、前記液滴を前記センサ素子の表面に滴下する滴下部と、を備え、前記試験方法は、前記センサ素子の表面のうちの予め決められた滴下箇所に前記液滴が滴下されるように、前記センサ素子に対する前記滴下部の位置を設定する第1ステップと、前記受け部に所定量の前記液体を滴下して、1つの液滴に形成する第2ステップと、前記受け部から前記滴下部に前記1つの液滴を滴下することにより、前記1つの液滴を前記滴下箇所に滴下する第3ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、相対的に大きな1つの液滴を滴下箇所に滴下することができる。また、試験結果のバラツキを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2Aは、センサ素子に対する滴下部の位置の設定を示す図であり、
図2Bは、液体貯留部からの液体の吸い取りを示す図である。
【
図3】
図3Aは、液体供給部から受け部への液体の滴下を示す図であり、
図3Bは、受け部での1つの液滴の形成を示す図である。
【
図4】
図4Aは、受け部から導入部への1つの液滴の滴下を示す図であり、
図4Bは、導入部に1つの液滴が滴下された状態を示す図である。
【
図5】
図5Aは、導入部から案内流路への1つの液滴の導入を示す図であり、
図5Bは、案内流路の先端から滴下箇所への1つの液滴の滴下を示す図である。
【
図6】
図6は、センサ素子からの1つの液滴の落下を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態に係るセンサ素子の試験方法に用いられる滴下装置10を示す図である。
【0011】
センサ素子12は、セラミックス製のガスセンサ素子である。センサ素子12は、直方体の形状を有する。センサ素子12の内部には、測定電極14と、測定電極14に接続された電極リード16とが設けられている。測定電極14は、センサ素子12の先端18の近傍に設けられている。センサ素子12は、例えば、車両の排ガス管等の配管に取り付けられる。センサ素子12は、先端部20を配管の内部に露出させた状態で、配管に取り付けられる。センサ素子12の先端部20は、保護層(不図示)で覆われている。なお、センサ素子12の構成及び動作は、特許文献1に開示されているため、その詳細な説明は省略する。
【0012】
センサ素子12は、所定温度に加熱された状態で、排気ガス中の特定のガス成分(例えば、NOx)の濃度を測定する。この場合、配管内に結露が発生すると、センサ素子12の表面22に被測定ガスの水分が付着する。具体的には、センサ素子12の先端部20(例えば、保護層)の表面に水分が付着する。水分の付着によりセンサ素子12が急激に冷却され、センサ素子12にクラックが発生する。
【0013】
この試験方法は、配管内の結露によるセンサ素子12の表面22への水分の付着を模擬した試験方法である。すなわち、この試験方法は、水滴等の液滴26によるセンサ素子12の影響を調べるための試験方法である。この試験方法では、滴下装置10を用いて、センサ素子12の表面22のうちの予め決められた滴下箇所24に液滴26を滴下することで、センサ素子12の耐被水性を調べる。なお、滴下箇所24は、センサ素子12の表面22のうちの測定電極14の近傍の箇所である。具体的には、滴下箇所24は、センサ素子12の先端部20(保護層)の表面である。
【0014】
滴下装置10は、液体貯留部28と、液体供給部30と、受け部32と、滴下部34とを備える。
【0015】
液体貯留部28は、受け皿等の容器である。液体貯留部28は、この試験方法に用いる液体36を貯留する。液体36は、例えば、水である。液体貯留部28は、液体36を貯留できるものであれば、どのような形状であってもよい。
図1では、一例として、液体貯留部28が蓋の無い箱状の容器である場合を示している。
【0016】
液体供給部30は、ピペット、スポイト、シリンジ等である。液体供給部30は、液体貯留部28に貯留されている液体36から、所定量の液体36を吸い取る。なお、所定量は、受け部32において、相対的に大きな1つの液滴26を形成するために必要な液体36の量である。
【0017】
液体供給部30は、吸い取った所定量の液体36を受け部32に供給する。具体的には、液体供給部30は、所定量の液体36を受け部32に滴下する。なお、液体供給部30は、液体貯留部28から受け部32に所定量の液体36を供給できればよい。従って、ピペット、スポイト、シリンジ以外の液体供給機構を液体供給部30として採用可能である。以下の説明では、液体供給部30がピペットである場合について説明する。
【0018】
受け部32は、受け皿等の容器である。受け部32には、撥水加工が施されている。具体的には、受け部32の内面38に撥水加工が施されている。例えば、フッ素系又はシリコン系のコーティング剤を受け部32の内面38に塗布することにより、内面38に撥水加工が施される。
【0019】
受け部32は、液体供給部30から滴下された液体36を内面38で受け止める。内面38には撥水加工が施されているので、内面38に滴下された液体36は、水玉状になる。これにより、受け部32の内面38に1つの液滴26が形成される。
【0020】
なお、液体供給部30から受け部32に所定量の液体36を滴下すると、複数の液滴が内面38に形成される場合がある。この場合、受け部32が下方に凹んだ形状であれば、所定量の液体36が内面38の下側に集まるので、1つの大きな液滴26を形成することができる。あるいは、作業者が受け部32を傾けることで、複数の液滴を1つの大きな液滴26に形成してもよい。また、傾動機構(不図示)によって受け部32を傾けることで、複数の液滴を1つの大きな液滴26に形成してもよい。
【0021】
また、受け部32は、液体供給部30から滴下された液体36を内面38で受け止めるものであれば、どのような形状であってもよい。
図1では、一例として、受け部32が蓋の無い箱状の容器である場合を示している。
【0022】
滴下部34は、漏斗である。滴下部34は、案内流路40と、導入部42とを有する。案内流路40は、先端44まで直線状に延びる管である。導入部42は、案内流路40の基端46に連結されている。導入部42は、案内流路40の基端46からテーパ状に延びている。滴下部34は、管の中心軸48に対して軸対称である。
【0023】
滴下部34には、撥水加工が施されている。具体的には、導入部42の内面50と、案内流路40の内壁面52とに撥水加工が施されている。例えば、フッ素系又はシリコン系のコーティング剤を内面50及び内壁面52に塗布することにより、内面50及び内壁面52に撥水加工が施される。
【0024】
導入部42は、受け部32から滴下された1つの液滴26を受け止める。導入部42は、テーパ状であり、且つ、内面50に撥水加工が施されている。そのため、内面50に滴下された1つの液滴26は、水玉状になる。導入部42は、1つの液滴26を案内流路40に導入させる。
【0025】
案内流路40は、先端44がセンサ素子12の表面22から僅かに離間した状態で、センサ素子12の上方に配されている。この場合、案内流路40は、センサ素子12の表面22に対して40°~60°の傾斜角度θに設定されている。好ましくは、傾斜角度θは、40°~50°である。より好ましくは、傾斜角度θは、45°である。なお、滴下部34が中心軸48に対して軸対称であるため、滴下部34は、センサ素子12の表面22に対して、上記の傾斜角度θに設定されていればよい。
【0026】
案内流路40は、導入部42から導入された1つの液滴26を先端44にまで案内する。上記のように、案内流路40の内壁面52に撥水加工が施されているので、案内流路40に導入された1つの液滴26は、水玉状を維持する。案内流路40は、先端44から滴下箇所24に1つの液滴26をそのまま滴下する。
【0027】
上記の説明では、滴下部34が漏斗であった。本実施形態では、導入部42で1つの液滴26を受け止め、受け止めた1つの液滴26を先端44から滴下箇所24にそのまま滴下できるのであれば、滴下部34はどのような形状であってもよい。
【0028】
次に、滴下装置10の動作(センサ素子12の試験方法)について、
図2A~
図6を参照しながら説明する。
【0029】
先ず、
図2Aに示すように、滴下箇所24に1つの液滴26が滴下されるように、センサ素子12に対する滴下部34の位置を設定する(第1ステップ)。この場合、センサ素子12の表面22に対して案内流路40が上記の傾斜角度θとなるように、滴下部34の位置を設定する。
【0030】
次に、センサ素子12の内部に設けられたヒータ(不図示)を駆動させることで、センサ素子12を所定温度に加熱する(第4ステップ)。
【0031】
次に、
図2Bに示すように、液体貯留部28に貯留された液体36から所定量の液体36を液体供給部30に吸い込む。
【0032】
次に、
図3Aに示すように、液体供給部30から受け部32の内面38に所定量の液体36を滴下する。受け部32の内面38には撥水加工が施されているので、
図3Bに示すように、受け部32では、滴下された液体36から水玉状の1つの液滴26が形成される(第2ステップ)。
【0033】
次に、
図4Aに示すように、受け部32を滴下部34の上方に移動させ、受け部32から導入部42の内面50に1つの液滴26を滴下する(第3ステップ)。導入部42の内面50には撥水加工が施されているので、
図4Bに示すように、導入部42では、滴下された1つの液滴26を水玉状に維持することができる。
【0034】
上記のように、滴下部34は、センサ素子12の表面22に対して傾斜している。また、導入部42は、テーパ状であり、案内流路40の基端46に向って下方に傾斜している。そのため、導入部42に滴下された1つの液滴26は、導入部42の内面50に沿って、案内流路40の基端46に向かって流れる。
図4Bでは、導入部42の内面50のうちのセンサ素子12に近接する部分(
図4B中の下側の内面)に沿って1つの液滴26が流れる場合を示している。これにより、導入部42は、1つの液滴26を案内流路40に容易に導入させることができる。
【0035】
図5Aに示すように、案内流路40は、上記の傾斜角度θに設定されている。また、案内流路40の内壁面52には撥水加工が施されている。そのため、案内流路40に導入された1つの液滴26は、水玉状のままで、案内流路40の先端44に向かって流れる。これにより、
図5Bに示すように、1つの液滴26は、案内流路40の先端44から滴下箇所24にそのまま滴下される(第3ステップ)。
【0036】
滴下箇所24に滴下された1つの液滴26は、センサ素子12の表面22を流れ、
図6に示すように、センサ素子12の先端18から下方に落下する。上記のように、センサ素子12は、所定温度に加熱されている。1つの液滴26が滴下箇所24に滴下されると、センサ素子12の先端部20が急激に冷却され、センサ素子12にクラックが発生する場合がある。この場合、測定電極14から電極リード16に流れる電流(ポンプ電流)が所定の閾値を超えたときに、センサ素子12にクラックが発生したと判定される。
【0037】
なお、本発明は、上述した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【0038】
上記の実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。
【0039】
本発明の態様は、滴下装置(10)を用いてセンサ素子(12)の表面(22)に液滴(26)を滴下することにより、前記液滴による前記センサ素子の影響を調べるためのセンサ素子の試験方法であって、前記滴下装置は、撥水加工が施され、滴下された液体(36)を受け止める受け部(32)と、撥水加工が施され、前記液滴を前記センサ素子の表面に滴下する滴下部(34)と、を備え、前記試験方法は、前記センサ素子の表面のうちの予め決められた滴下箇所(24)に前記液滴が滴下されるように、前記センサ素子に対する前記滴下部の位置を設定する第1ステップと、前記受け部に所定量の前記液体を滴下して、1つの液滴に形成する第2ステップと、前記受け部から前記滴下部に前記1つの液滴を滴下することにより、前記1つの液滴を前記滴下箇所に滴下する第3ステップと、を含む。
【0040】
本発明によれば、相対的に大きな1つの液滴を滴下箇所に滴下することができる。また、試験結果のバラツキを低減することができる。
【0041】
本発明の態様において、前記滴下部は、前記1つの液滴を案内する案内流路(40)を有し、前記第3ステップでは、前記案内流路の先端(44)から前記滴下箇所に前記1つの液滴が滴下される。
【0042】
これにより、1つの液滴を確実に滴下箇所に滴下することができる。
【0043】
本発明の態様において、前記第1ステップでは、前記先端まで直線状に延びる前記案内流路が前記センサ素子の表面に対して40°~60°の傾斜角度(θ)に設定される。
【0044】
これにより、1つの液滴をスムーズに且つ効率よく滴下箇所に滴下することができる。また、案内流路が直線状であるため、案内流路を上記の傾斜角度に容易に設定することができる。
【0045】
本発明の態様において、前記傾斜角度は、40°~50°である。
【0046】
これにより、より一層スムーズに且つ効率よく1つの液滴を滴下箇所に滴下することができる。
【0047】
本発明の態様において、前記滴下部は、前記1つの液滴を前記案内流路に導入させる導入部(42)をさらに有し、前記第3ステップでは、前記受け部から前記導入部に前記1つの液滴を滴下することにより、前記1つの液滴が前記滴下箇所に滴下される。
【0048】
これにより、導入部に滴下された1つの液滴を滴下箇所にまでそのまま流すことができる。
【0049】
本発明の態様において、前記案内流路は、管であり、前記導入部は、前記管の基端(46)からテーパ状に延びている。
【0050】
これにより、受け部から導入部に1つの液滴を容易に滴下することができる。また、導入部から案内流路に1つの液滴を容易に導入させることができる。
【0051】
本発明の態様において、前記滴下部は、漏斗である。
【0052】
これにより、市販の漏斗を滴下部として使用することができる。この結果、滴下装置を低コストで実現することができる。
【0053】
本発明の態様において、前記滴下装置は、前記受け部に前記液体を供給する液体供給部(30)をさらに備え、前記第2ステップでは、前記液体供給部から前記受け部に前記所定量の前記液体が滴下される。
【0054】
これにより、1つの液滴の量を容易に制御することができる。
【0055】
本発明の態様において、前記試験方法は、前記センサ素子を加熱する第4ステップを含み、前記第3ステップでは、加熱した前記センサ素子の前記滴下箇所に前記1つの液滴が滴下される。
【0056】
これにより、センサ素子が実際に使用される場面を想定して試験を行うことができる。
【0057】
本発明の態様において、前記センサ素子は、セラミックス製である。
【0058】
これにより、実際に使用されるセンサ素子を想定した試験を行うことができる。
【0059】
本発明の態様において、前記液体は、水である。
【0060】
これにより、センサ素子が実際に使用される場面を想定して試験を行うことができる。
【符号の説明】
【0061】
10…滴下装置
12…センサ素子
22…表面
24…滴下箇所
26…液滴
30…液体供給部
32…受け部
34…滴下部
36…液体
40…案内流路
42…導入部
44…先端