(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108743
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20230731BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20230731BHJP
H01M 50/264 20210101ALI20230731BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20230731BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230731BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20230731BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20230731BHJP
H01M 10/6561 20140101ALI20230731BHJP
H01G 11/12 20130101ALI20230731BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20230731BHJP
H01M 50/209 20210101ALN20230731BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/262 P
H01M50/264
H01M10/6557
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/647
H01M10/6561
H01G11/12
H01G11/78
H01M50/209
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009954
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 英司
【テーマコード(参考)】
5E078
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5E078AA10
5E078AA13
5E078AB02
5E078HA05
5E078JA02
5E078JA07
5E078JA10
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA14
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC20
5H040CC34
5H040CC38
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】延伸部材との固定部位の強度を確保しつつ薄肉化が図られた隣接部材を備える蓄電装置を提供する。
【解決手段】第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、第一方向と直交する第二方向において複数の蓄電素子と隣り合い且つ第一方向に延びる延伸部材と、隣り合う二つの蓄電素子間に配置され且つ延伸部材に固定される隣接部材2とを備え、隣接部材は、蓄電素子間において第一方向と直交する方向に広がる第二本体部21Bと、第二方向における第二本体部の端部に配置され且つ隣接部材の延伸部材への固定に用いられる第二締結部材22Bとを有し、第一方向及び第二方向のそれぞれと直交する第三方向における本体部の締結部材が配置された配置部位211B以外の部位である基部212Bの第一方向の厚さ寸法は、配置部位の厚さ寸法と同程度以下であり、且つ、基部212B1は、第三方向の少なくとも一部に配置部位より厚さ寸法の小さな薄肉部位213Bを有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記第一方向と直交する第二方向において前記複数の蓄電素子と隣り合い且つ前記第一方向に沿って延びる延伸部材と、
隣り合う二つの蓄電素子間に配置され且つ前記延伸部材に固定される隣接部材と、を備え、
前記隣接部材は、
前記蓄電素子間において前記第一方向と直交する方向に広がる本体部と、
前記第二方向における前記本体部の端部に配置され且つ該隣接部材の前記延伸部材への固定に用いられる締結部材と、を有し、
前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向における前記本体部の前記締結部材が配置された配置部位以外の部位である基部の前記第一方向の厚さ寸法は、前記配置部位の厚さ寸法と同程度以下であり、且つ、該基部は、前記第三方向の少なくとも一部に該配置部位より厚さ寸法の小さな薄肉部位を有する、蓄電装置。
【請求項2】
前記本体部は、
前記第三方向に間隔をあけて配置されると共にそれぞれが前記第二方向に延びる複数の前記配置部位と、
隣り合う配置部位同士を接続し且つ前記第一方向と直交する方向に広がる板状の前記基部と、を含み、
各配置部位は、前記隣接部材と隣り合う蓄電素子にそれぞれ当接し、
前記薄肉部位は、前記隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に隙間を形成している、請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記基部は、前記第一方向に突出し且つ前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接する凸部を有する、請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記本体部は、
前記第二方向に延び且つ前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接する前記配置部位と、
前記第三方向において前記配置部位と隣接する位置において前記第一方向と直交する方向に広がる板状の前記基部と、を含み、
前記基部は、前記第三方向おける前記配置部位と間隔をあけた位置に、前記第一方向に突出して前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接し且つ前記第二方向に延びる凸部を有し、
前記基部の前記第三方向における前記配置部位と前記凸部との間の部位は、前記第一方向における前記隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に隙間が形成されている前記薄肉部位を構成する、請求項1に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の蓄電池が水平方向に積層される蓄電池群を備える蓄電モジュールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この蓄電モジュールでは、
図10に示すように、蓄電池501は、矩形状を有すると共に立位姿勢に配置された状態で、絶縁性を有するセパレータ502と交互にX軸方向に積層される。蓄電池群の積層方向両端には、絶縁機能を有するエンドホルダ503を介装して長方形状のエンドプレート504が配置される。エンドプレート504同士は、Y軸方向両側に配置されてX軸方向に延在する一対の拘束バンド505により連結され、蓄電池群をX軸方向に一体に締め付け保持する。
【0004】
蓄電池群の積層方向内方には、1以上の中間プレート506が配置される。中間プレート506は、蓄電池501と同様の形状を有する。具体的に、中間プレート506は、厚さが一定の板状の樹脂プレートにインサートナットを設けて構成されている。これにより、中間プレート506の両側面には、それぞれねじ孔507aと、ねじ孔507aを挟んで上下に一対のねじ孔507bとが形成される。
【0005】
拘束バンド505は、蓄電池群の側面に平行して積層方向に延在する平坦面5051を有する。平坦面5051の積層方向中央付近には、中間プレート506の一方の側面に形成されたねじ孔507aと同軸上の孔部5052と、一対のねじ孔507bと同軸上の一対の孔部5053とが形成される。拘束バンド505の各孔部5052、5053にボルトが挿入されると共に、各ボルトは、中間プレート506の両側面に形成されたねじ孔507a、507bに螺合される。これにより、中間プレート506は、拘束バンド505に固定される。
【0006】
近年、蓄電モジュールの小型化や軽量化等の要請から、蓄電モジュール500を構成する各部材、例えば、隣り合う蓄電池501間に配置され且つ拘束バンド505に固定される中間プレート506の薄肉化(積層方向の寸法の小型化)等が求められている。
【0007】
しかし、上記の蓄電モジュール500において、中間プレート506は、拘束バンド505に固定されているため、蓄電池501の膨張等によって拘束バンド505との固定部位に負荷が加わり易く、これにより、十分な強度を確保するために全体的に厚肉に(積層方向の寸法が大きくなるように)構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本実施形態は、延伸部材との固定部位の強度を確保しつつ薄肉化が図られた隣接部材を備える蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記第一方向と直交する第二方向において前記複数の蓄電素子と隣り合い且つ前記第一方向に沿って延びる延伸部材と、
隣り合う二つの蓄電素子間に配置され且つ前記延伸部材に固定される隣接部材と、を備え、
前記隣接部材は、
前記蓄電素子間において前記第一方向と直交する方向に広がる本体部と、
前記第二方向における前記本体部の端部に配置され且つ該隣接部材の前記延伸部材への固定に用いられる締結部材と、を有し、
前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向における前記本体部の前記締結部材が配置された配置部位以外の部位である基部の前記第一方向の厚さ寸法は、前記配置部位の厚さ寸法と同程度以下であり、且つ、該基部は、前記第三方向の少なくとも一部に該配置部位より厚さ寸法の小さな薄肉部位を有する。
【発明の効果】
【0011】
以上より、本実施形態によれば、延伸部材との固定部位の強度を確保しつつ薄肉化が図られた隣接部材を備える蓄電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、前記蓄電装置において構成の一部を省略した分解斜視図である。
【
図3】
図3は、前記蓄電装置が備える第二の隣接部材の斜視図である。
【
図4】
図4は、前記第二の隣接部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、前記第二の隣接部材をY軸方向から見た図である。
【
図6】
図6は、前記第二の隣接部材をX軸方向から見た図である。
【
図7】
図7は、
図6のVII-VII位置における断面図である。
【
図8】
図8は、
図5のVIII-VIII位置における断面図である。
【
図9】
図9は、他実施形態に係る第二の隣接部材の斜視図である。
【
図10】
図10は、従来の蓄電モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の蓄電装置は、
第一方向に並ぶ複数の蓄電素子と、
前記第一方向と直交する第二方向において前記複数の蓄電素子と隣り合い且つ前記第一方向に沿って延びる延伸部材と、
隣り合う二つの蓄電素子間に配置され且つ前記延伸部材に固定される隣接部材と、を備え、
前記隣接部材は、
前記蓄電素子間において前記第一方向と直交する方向に広がる本体部と、
前記第二方向における前記本体部の端部に配置され且つ該隣接部材の前記延伸部材への固定に用いられる締結部材と、を有し、
前記第一方向及び前記第二方向のそれぞれと直交する第三方向における前記本体部の前記締結部材が配置された配置部位以外の部位である基部の前記第一方向の厚さ寸法は、前記配置部位の厚さ寸法と同程度以下であり、且つ、該基部は、前記第三方向の少なくとも一部に該配置部位より厚さ寸法の小さな薄肉部位を有する。
【0014】
かかる構成によれば、本体部の厚さ寸法を負荷の加わり易い配置部位(締結部材が配置された部位)を基準にして第三方向の他の部位である基部を配置部位と同程度以下とし、且つ、該基部が配置部位より薄い(厚さ寸法の小さい)薄肉部位を有することで、隣接部材における延伸部材との固定部位(配置部位)の強度を確保しつつ隣接部材の薄肉化を図ることができる。
【0015】
前記蓄電装置では、
前記本体部は、
前記第三方向に間隔をあけて配置されると共にそれぞれが前記第二方向に延びる複数の前記配置部位と、
隣り合う配置部位同士を接続し且つ前記第一方向と直交する方向に広がる板状の前記基部と、を含み、
各配置部位は、前記隣接部材と隣り合う蓄電素子にそれぞれ当接し、
前記薄肉部位は、前記隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に隙間を形成していてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、薄肉部位と、基部を挟んで隣り合う配置部位と、蓄電素子と、に囲まれた領域に温度調整用の流体の流通可能な流路を形成可能である、即ち、強度を確保するために厚さ寸法を薄肉部位より大きくした配置部位を利用して隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に該蓄電素子の温度調整用の流体を流通可能な流路を形成することができる。
【0017】
また、前記蓄電装置では、
前記基部は、前記第一方向に突出し且つ前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接する凸部を有してもよい。
【0018】
かかる構成によれば、配置部位に加えて凸部も蓄電素子に当接することで、該蓄電素子に対して十分な押圧力(第一方向の力)を加えることができる。
【0019】
前記蓄電装置では、
前記本体部は、
前記第二方向に延び且つ前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接する前記配置部位と、
前記第三方向において前記配置部位と隣接する位置において前記第一方向と直交する方向に広がる板状の前記基部と、を含み、
前記基部は、前記第三方向おける前記配置部位と間隔をあけた位置に、前記第一方向に突出して前記隣接部材と隣り合う蓄電素子に当接し且つ前記第二方向に延びる凸部を有し、
前記基部の前記第三方向における前記配置部位と前記凸部との間の部位は、前記第一方向における前記隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に隙間が形成されている前記薄肉部位を構成してもよい。
【0020】
かかる構成によれば、薄肉部位と、配置部位と、凸部と、蓄電素子と、に囲まれた領域に温度調整用の流体の流通可能な流路を形成可能である、即ち、強度を確保するために厚さ寸法を薄肉部位より大きくした配置部位と、薄肉部位より突出する凸部と、を利用して隣接部材と隣り合う蓄電素子との間に該蓄電素子の温度調整用の流体を流通可能な流路を形成することができる。
【0021】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図8を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0022】
蓄電装置は、
図1及び
図2に示すように、所定方向に並ぶ複数の蓄電素子10と、前記所定方向において蓄電素子10と隣接する複数の隣接部材2と、複数の蓄電素子10及び複数の隣接部材2を保持する保持部材4と、少なくとも一つの隣接部材2を保持部材4に固定する第一締結部材5と、を備える。また、蓄電装置1は、複数の蓄電素子10と保持部材4との間に配置される少なくとも一つのインシュレータ6と、異なる蓄電素子10同士を導通可能に接続する複数のバスバ8と、を備える。
【0023】
複数の蓄電素子10のそれぞれは、一次電池、二次電池、キャパシタ等である。本実施形態の蓄電素子10は、充放電可能な非水電解質二次電池である。より具体的には、蓄電素子10は、リチウムイオンの移動に伴って生じる電子移動を利用したリチウムイオン二次電池である。
【0024】
具体的に、各蓄電素子10は、電極体と、電極体を電解液と共に収容するケース13と、少なくとも一部がケース13の外側に露出する外部端子14と、電極体と外部端子14とを接続する集電体と、を備える。
【0025】
電極体では、正極と負極とがセパレータを介して交互に積層されている。この電極体においてリチウムイオンが正極と負極との間を移動することにより、蓄電素子10が充放電する。
【0026】
ケース13は、開口を有するケース本体131と、ケース本体131の開口を塞ぐ(閉じる)板状の蓋板132と、を有する。このケース本体131は、有底角筒状であり、ケース13は、直方体形状(六面形状)である。具体的に、ケース本体131は、矩形状の閉塞部131aと、閉塞部131aの各長辺から該閉塞部131aの法線方向に延びる一対の長壁部131bと、閉塞部131aの各短辺から該閉塞部131aの法線方向に延びる一対の短壁部131cと、を有する。
【0027】
以上のように構成されるケース13は、扁平な直方体形状であり、複数の蓄電素子10は、ケース13の幅広な面(長壁部131b)を対向させた状態で、前記所定方向に並んでいる。
【0028】
以下の説明では、複数の蓄電素子10が並ぶ方向(第一方向)を直交座標系のX軸、ケース13の幅狭な一対の面(短壁部131c)が対向する方向(第二方向)を直交座標系のY軸、閉塞部131aの法線方向(第三方向)を直交座標系のZ軸とする。
【0029】
隣接部材2は、絶縁性を有し、X軸方向に並ぶ蓄電素子10間、又は蓄電素子10と該蓄電素子10に対してX軸方向に並ぶ部材(本実施形態の例では、保持部材4の一部)との間に配置される。この隣接部材2は、隣接する蓄電素子10との間に温度調整用の流体(本実施形態の例では空気等の気体)が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の蓄電装置1は、複数の隣接部材2を備え、これら複数の隣接部材2は、複数種の隣接部材2A、2B、2Cを含む。
【0030】
具体的に、複数の隣接部材2は、隣り合う二つの蓄電素子10間に配置される第一の隣接部材2Aと、隣り合う蓄電素子10間に配置され且つ保持部材4に固定される第二の隣接部材(隣接部材)2Bと、保持部材4とX軸方向の最も端にある蓄電素子10との間で該蓄電素子10と隣接する第三の隣接部材2Cと、を含む。即ち、蓄電装置1は、隣接部材2として、第一の隣接部材2Aと、第二の隣接部材2Bと、第三の隣接部材2Cと、を備える。本実施形態の蓄電装置1は、複数の第一の隣接部材2Aと、一つの第二の隣接部材2Bと、二つ(一対)の第三の隣接部材2Cと、を備える。これら複数の第一の隣接部材2Aのそれぞれは、第二の隣接部材2Bが配置されている蓄電素子10間を除いた各蓄電素子10間に配置されている。
【0031】
複数の第一の隣接部材2Aのそれぞれは、X軸方向に隣り合う蓄電素子10間においてX軸方向と直交する方向に広がる第一本体部21Aと、第一本体部21Aと隣り合う蓄電素子10の該第一本体部21Aに対する移動を規制する少なくとも一つの第一規制部25Aと、を有する。また、複数の第一の隣接部材2Aのそれぞれは、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。
【0032】
第一本体部21Aは、蓄電素子10のケース13の長壁部131bと一部を当接させた状態で対向する部位である。この第一本体部21Aは、隣接する蓄電素子10と共同して該蓄電素子10との間に温度調整用の流体が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の第一本体部21Aは、X軸方向から見て蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状であり、X-Z面(X軸方向とZ軸方向とを含む面)に沿った断面形状が矩形波形である。
【0033】
第一規制部25Aは、矩形状の第一本体部21Aの少なくとも角部からX軸方向に延び、第一本体部21Aと隣接する蓄電素子10(詳しくはケース13)とY-Z面(Y軸方向とZ軸方向とを含む面)方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第一本体部21Aに対するY-Z面方向への相対移動を規制する。本実施形態の第一規制部25Aは、第一本体部21AからX軸方向の一方と他方とに向けてそれぞれ延びている。
【0034】
第二の隣接部材2Bは、
図3~
図8にも示すように、隣り合う二つの蓄電素子10間においてX軸方向と直交する方向(Y-Z面方向)に広がる第二本体部(本体部)21Bと、Y軸方向における第二本体部21Bの端部に配置され且つ第二の該隣接部材2Bの保持部材4への固定に用いられる第二締結部材(締結部材)22Bと、を有する。また、第二の隣接部材2Bは、第二本体部21Bと隣り合う蓄電素子10の該第二本体部21Bに対する移動を規制する少なくとも一つの第二規制部25Bを有する。また、第二の隣接部材2Bは、保持部材4と係合する係合部26Bを有する。
【0035】
この第二の隣接部材2Bも、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。本実施形態の第二の隣接部材2Bは、隣り合う蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成する。また、本実施形態の第二の隣接部材2Bは、金属製の第二締結部材22Bを除いて樹脂によって形成されている。
【0036】
第二本体部21Bは、X軸方向から見て蓄電素子10と対応する形状であり、本実施形態の第二本体部21Bは、X軸方向から見て矩形状である(
図6参照)。この第二本体部21Bは、Z軸方向において、前記締結部材が配置された部位である配置部位211Bと、配置部位211B以外の部位である基部212Bと、を有する。本実施形態の第二本体部21Bは、複数の配置部位211Bと複数の基部212Bとを有する。また、本実施形態の第二本体部21Bは、少なくとも一つの中空部216Bを内部に有する(
図8参照)。
【0037】
複数の配置部位211Bは、Z軸に間隔をあけて配置されると共にそれぞれがY軸方向に延びている。これら複数の配置部位211Bのそれぞれは、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10(詳しくは、長壁部131b)に当接している。本実施形態の複数の配置部位211Bは、第二本体部21Bにおいて、Z軸方向に間隔をあけて配置されており、各配置部位211Bは、Y軸方向における第二本体部21Bの一端から他端まで連続して延びている。具体的に、複数の配置部位211Bのそれぞれは、Y軸方向から見て、Z軸方向に隣接する部位(後述する薄肉部位213B:
図7参照)に対してX軸方向の両側に向けてそれぞれ円弧状に膨出し、Y軸方向の両端部に第二締結部材22Bがそれぞれ配置されている。本実施形態の第二本体部21Bは、三つの配置部位211Bを有する。
【0038】
複数の基部212Bのそれぞれは、X軸方向と直交する方向に広がる板状であり、各基部212BのX軸方向の寸法(厚さ寸法)は、配置部位211Bの厚さ寸法と同程度以下であり、各基部212Bは、Z軸方向の少なくとも一部に配置部位211Bより厚さ寸法の小さな薄肉部位213Bを有する。この薄肉部位213Bは、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10との間に隙間を形成し、この隙間の少なくとも一部は、流路Rを形成する。本実施形態の基部212Bの厚さ寸法は、配置部位211Bの厚さ寸法以下である。
【0039】
具体的に、複数の基部212Bは、Z軸方向に隣り合う配置部位211B同士を接続する少なくとも一つの第一基部(基部)212B1と、Z軸方向において第二本体部21Bの端部を構成し且つ配置部位211Bと隣接する少なくとも一つの第二基部212B2と、を含む。本実施形態の第二本体部21Bでは、配置部位211B間のそれぞれに第一基部212B1が配置されている。また、第二本体部21BにおいてZ軸方向に間隔をあけて配置される複数の配置部位211Bのうちの一方の端に配置される配置部位211Bと他方の端に配置される配置部位211Bとの外側のそれぞれに第二基部212B2が配置されている。即ち、本実施形態の第二本体部21Bは、二つの第一基部212B1と、二つの第二基部212B2と、を有する。
【0040】
各第一基部212B1は、薄肉部位213Bと、該薄肉部位213BからX軸方向に突出し且つ第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接する凸部214Bと、を有する。
【0041】
薄肉部位213Bは、X軸方向と直交する面方向(Y-Z面方向)に広がる板状の部位であり、上述のように厚さ寸法が配置部位211Bの厚さ寸法より小さい。この第一基部212B1の薄肉部位213Bは、Z軸方向に間隔をあけて隣り合う配置部位211B間において一方の配置部位211Bから他方の配置部位211Bまで延び且つY軸方向において第二本体部21Bの一端から他端まで延びている。
【0042】
凸部214Bは、Z軸方向おける配置部位211Bと間隔をあけた位置において薄肉部位213BからX軸方向に突出して第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接し且つY軸方向に延びている。本実施形態の凸部214Bは、薄肉部位213BにおけるX軸方向の一方の面2131Bと他方の面2132Bとからそれぞれ突出している。即ち、本実施形態の第一基部212B1は、二つの凸部214Bを有する。これら一方の面2131Bの凸部214Bと他方の面2132Bの凸部214Bとは、Z軸方向の同じ位置においてY軸方向にそれぞれ延びている。本実施形態の各凸部214Bは、Z軸方向における配置部位211B間の中央位置に配置されている。また、本実施形態の各凸部214Bは、薄肉部位213BにおけるY軸方向の一端と間隔d1をあけた位置から他端と間隔d2をあけた位置まで連続して延びている(
図6参照)。また、凸部214Bの高さ(薄肉部位213Bからの突出量)は、Y軸方向の各位置において同じであり、幅(Z軸方向の寸法)も、Y軸方向の各位置において同じである。また、本実施形態の第一基部212B1において、間隔d1と間隔d2は同じである。
【0043】
各第二基部212B2は、薄肉部位213Bと、該薄肉部位213BからX軸方向に突出すると共にY軸方向に延びるシール部215Bと、を有する。
【0044】
第二基部212B2の薄肉部位213Bは、第一基部212B1の薄肉部位213Bと同様の構成であり、第二基部212B2の薄肉部位213Bの厚さ寸法と第一基部212B1の薄肉部位213Bの厚さ寸法とは、同じである。また、Z軸方向の一方(
図6における上方)の薄肉部位213Bは、Y軸方向に間隔をあけて形成されている複数(
図6に示す例では二つ)の切欠き部2135Bを有する。この切欠き部2135Bは、Z軸方向の一方の端縁から他方の端縁に向けて凹むように切り欠かれている。
【0045】
シール部215Bは、Y軸方向における第二本体部21Bの一端から他端まで連続して延びると共に第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10と密接している。本実施形態のシール部215Bは、X軸方向における薄肉部位213Bの一方の面2131Bと他方の面2132Bとのそれぞれに二つずつ配置されている。これら一方の面2131Bの各シール部215Bは、Z軸方向において他方の面2132Bの対応するシール部215Bと同じ位置に配置されている。これら各シール部215BのY軸方向の各位置における幅(Z軸方向の寸法)は、凸部214Bの幅より小さく、各シール部215Bは、少なくとも突出方向(X軸方向)の先端部(頂部)を蓄電素子10に密接させている。また、本実施形態のシール部215Bは、第二規制部25Bまで延びている。
【0046】
少なくとも一つの中空部216Bは、Z軸方向における第二本体部21Bの一方の端面から他方の端面に向けて延びる穴、又は他方の端面から一方の端面に向けて延びる穴である。本実施形態の第二本体部21Bは、複数の中空部216Bを有する(
図8参照)。これら複数の中空部216Bは、第二の隣接部材2Bの軽量化を図ると共に、成型時の肉引けを抑える。
【0047】
第二締結部材22Bは、各配置部位211BにおいてY軸方向の各端部にそれぞれ配置されている。即ち、第二の隣接部材2Bは、複数の第二締結部材22Bを有する。これら複数の第二締結部材22Bのそれぞれは、第一締結部材5と係合することによって第二の隣接部材2Bと保持部材4とを締結する。本実施形態の各第二締結部材22Bは、インサートナットであり、Y軸方向に延びる穴の内周面に雌ネジを有する。また、本実施形態の各第一締結部材5は、ボルトであり、第二締結部材22Bと係合(螺合)することによって第二の隣接部材2Bと保持部材4とを締結する。
【0048】
本実施形態の第二の隣接部材2Bでは、Y軸方向の各端部において、Z軸方向に間隔をあけて三つの第二締結部材22Bが配置され、これら三つの第二締結部材22Bのうちの一方の端の第二締結部材22Bと他方の端の第二締結部材22Bとは、保持部材4を挿通した状態の第一締結部材5と係合することで第二の隣接部材2Bと保持部材4とを締結する。また、前記三つの第二締結部材22Bのうちの中央の第二締結部材22Bは、蓄電装置1にダクト等の他の部品が取り付けられるときに、保持部材4と共に前記他の部品も挿通等した状態の第一締結部材5と係合することで、第二の隣接部材2Bと保持部材4と前記他の部品とを締結する。
【0049】
第二規制部25Bは、X軸方向から見たときの第二本体部21Bの矩形状の周縁における少なくとも角部からX軸方向に延び、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10とY-Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第二の隣接部材2Bに対するY-Z面方向への相対移動を規制する。この第二規制部25Bは、第二本体部21BからX軸方向の一方と他方とへそれぞれ延びている。
【0050】
係合部26Bは、Y軸方向における第二本体部21Bの端部(端面)からY軸方向に突出する。具体的には、Y軸方向における第二本体部21Bの端面において、複数の係合部26BがZ軸方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態の第二の隣接部材2Bでは、Y軸方向における第二本体部21Bの各端部に二つの係合部26BがZ軸方向に間隔をあけてそれぞれ配置されている。これら二つの係合部26Bのそれぞれは、先端部がテーパー状になった円柱状であり、Z軸方向における各第一基部212B1と対応する位置(即ち、配置部位211B間)に配置されている。
【0051】
図1及び
図2に戻り、二つ第三の隣接部材2Cのそれぞれは、X軸方向に隣り合う蓄電素子10と保持部材4の部位(後述の終端部材41)との間においてX軸方向と直交する方向に広がる第三本体部21Cと、第三本体部21Cと隣り合う蓄電素子10の該第三本体部21Cに対する移動を規制する少なくとも一つの第三規制部25Cと、を有する。また、二つの第三の隣接部材2Cのそれぞれは、隣り合う蓄電素子10との間に温度調整用流体が流通可能な少なくとも一つの流路Rを形成する。
【0052】
第三本体部21Cは、蓄電素子10の長壁部131bと一部を当接させた状態で対向する部位である。この第三本体部21Cも、第一の隣接部材2Aの第一本体部21A及び第二の隣接部材2Bの第二本体部21Bと同様に、隣接する蓄電素子10と共同して該蓄電素子10との間に温度調整用の流体が流通可能な流路Rを形成する。本実施形態の第三本体部21Cは、隣接する蓄電素子10との間に複数の流路Rを形成する。
【0053】
具体的に、第三本体部21Cは、X軸方向から見て隣接する蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状である。より具体的に、第三本体部21Cは、蓄電装置1のX軸方向の一方の端部と他方の端部とのそれぞれにおいてX軸方向と直交する方向に広がり、且つ隣り合う蓄電素子10(ケース13の長壁部131b)又は終端部材41と対向する二つの対向面210Cと、蓄電素子10と対向する対向面210Cから突出する複数の凸条214Cと、を有する。
【0054】
蓄電素子10と対向する対向面210Cにおいて、複数の凸条214Cのそれぞれは、Y軸方向に延び、Z軸方向に間隔をあけて配置されている。これら複数の凸条214Cのそれぞれは、突出方向(X軸方向)の先端を、第三本体部21Cと隣り合う蓄電素子10に当接させている。これにより、蓄電素子10側の対向面210Cと、該対向面210CにおいてZ軸方向に間隔をあけて隣り合う二つの凸条214Cと、該対向面210Cと対向する蓄電素子10(ケース13)とによって、第三本体部21Cの蓄電素子10側に流路Rが形成される。
【0055】
第三規制部25Cは、矩形状の第三本体部21Cの少なくとも角部からX軸方向に延び、第三本体部21Cと隣接する蓄電素子10(詳しくはケース13)とY-Z面方向の外側から当接することによって該蓄電素子10の第三本体部21Cに対するY-Z面方向への相対移動を規制する。本実施形態の第三規制部25Cは、第三本体部21CからX軸方向の一方(蓄電素子10側)に向けて延びている。
【0056】
保持部材4は、複数の蓄電素子10と複数の隣接部材2との周囲を囲むことで、これら複数の蓄電素子10及び複数の隣接部材2をひとまとめに保持する。この保持部材4は、金属等の導電性を有する部材によって構成される。
【0057】
具体的に、保持部材4は、X軸方向における複数の蓄電素子10(蓄電素子10の積層体)の両側に配置される一対の終端部材41と、Y軸方向において複数の蓄電素子10と隣り合い且つX軸方向に沿って延びる延伸部材42と、を有する。本実施形態の保持部材4は、一対の延伸部材42を有し、一対の延伸部材42のそれぞれは、一対の終端部材41同士を接続する。また、保持部材4は、終端部材41と延伸部材42とを締結する少なくとも一つの締結部材43を有する。本実施形態の保持部材4は、複数の締結部材43を有する。
【0058】
一対の終端部材41のそれぞれは、X軸方向の端(最も外側)に配置された蓄電素子10との間に第三の隣接部材2Cを挟み込むように配置される。一対の終端部材41のそれぞれは、X軸方向から見て蓄電素子10と対応する大きさの矩形板状である。具体的に、各終端部材41は、Y軸方向に長尺な矩形状であり、Y軸方向の両端部にZ軸方向に間隔をあけて配置される複数の貫通孔411を有する。
【0059】
一対の延伸部材42のそれぞれは、各蓄電素子10の短壁部131cと対向する延伸部材本体420と、延伸部材本体420のZ軸方向の一方(
図2における上方)の端部から各蓄電素子10の蓋板132に沿ってY軸方向に延びると共にX軸方向に延びる第一片部421と、延伸部材本体420のZ軸方向の他方の端部から各蓄電素子10の閉塞部131aに沿ってY軸方向に延びると共にX軸方向に延びる第二片部422と、延伸部材本体420のX軸方向の各端部から終端部材41に沿ってY軸方向に延びると共にZ軸方向に延びる一対の第三片部423と、を有する。
【0060】
延伸部材本体420は、各蓄電素子10の短壁部131cに沿って広がる板状であり、温度調整流体が各流路Rに流入し又は流出できるようにY軸方向に貫通する複数の第一貫通孔4201と、第二の隣接部材2Bの各第二締結部材22Bと対応する位置でY軸方向に貫通する複数の第二貫通孔4202と、を有する。また、延伸部材本体420は、第二の隣接部材2Bの係合部26Bと対応する位置でY軸方向に貫通する第三貫通孔4203を有する。この第二貫通孔4202には、第一締結部材5が挿通され、第三貫通孔4203には、第二の隣接部材2Bの係合部26Bが挿通されている。
【0061】
第一片部421は、X軸方向に長尺な帯状であり、X軸方向の各位置におけるY軸方向の寸法(幅)が一定である。また、第二片部422は、X軸方向に長尺な帯状であり、X軸方向の各位置におけるY軸方向の寸法(幅)が一定である。この第二片部422の幅は、第一片部421の幅より大きい。また、一対の第三片部423のそれぞれは、Z軸方向に間隔をあけて配置される複数の貫通孔4231を有する。各貫通孔4231は、終端部材の貫通孔411と対応する位置に配置されている。
【0062】
複数の締結部材43のそれぞれは、終端部材41の貫通孔411及び延伸部材42(第三片部423)の貫通孔4231を挿通した状態で終端部材41と延伸部材42とを締結する。本実施形態の各締結部材43は、ボルト431とナット432によって構成されている。
【0063】
インシュレータ6は、絶縁性を有する。このインシュレータ6は、延伸部材42と、複数の蓄電素子10との間に配置される。具体的に、蓄電装置1は、一対のインシュレータ6を備え、各インシュレータ6は、延伸部材42における少なくとも複数の蓄電素子10と対向する領域をそれぞれ覆う。これにより、各インシュレータ6は、延伸部材42と、複数の蓄電素子10との間を絶縁する。各インシュレータ6における延伸部材本体420の各貫通孔(第一貫通孔4201、第二貫通孔4202、第三貫通孔4203)、と対応する位置のそれぞれに延伸部材本体420の各貫通孔4201、4202、4203と対応する大きさ及び形状の貫通孔61、62、63を有する。
【0064】
複数のバスバ8のそれぞれは、金属等の導電性を有する板状の部材である。各バスバ8は、蓄電素子10の外部端子14同士を導通させる。本実施形態の複数のバスバ8は、蓄電装置1に含まれる複数の蓄電素子10を直列に接続する(導通させる)。
【0065】
以上の蓄電装置1によれば、第二の隣接部材2Bの第二本体部21Bの厚さ寸法を負荷の加わり易い配置部位211B(第二締結部材22Bが配置された部位)を基準にしてZ軸方向の他の部位である基部212Bを該配置部位211B以下とし、且つ、第一基部212B1が配置部位211Bより薄い(厚さ寸法の小さい)薄肉部位213Bを有することで、第二の隣接部材2Bにおける延伸部材42との固定部位(配置部位211B)の強度を確保しつつ第二の隣接部材2Bの薄肉化を図ることができる。これにより、蓄電装置1のX軸方向の小型化、又は、蓄電装置1のX軸方向の寸法を変えない場合には、蓄電素子10間に形成される各流路RのX軸方向の幅を広くして冷却効率や加温効率の向上を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態の蓄電装置1の第二の隣接部材2Bでは、第二本体部21Bは、Z軸方向に間隔をあけて配置されると共にそれぞれがY軸方向に延びる複数の配置部位211Bと、隣り合う配置部位211B同士を接続し且つX軸方向と直交する方向(Y-Z面方向)に広がる板状の第一基部212B1と、を含む。そして、各配置部位211Bは、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10にそれぞれ当接し、薄肉部位213Bは、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10との間に隙間を形成している。換言すると、第二の隣接部材2Bにおいて、本体部が、Y軸方向に延び且つ第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接する配置部位211Bと、Z軸方向において配置部位211Bと隣接する位置においてX軸方向と直交する方向に広がる板状の第一基部212B1と、を含む。そして、第一基部212B1が、Z軸方向おける配置部位211Bと間隔をあけた位置に、X軸方向に突出して第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接し且つY軸方向に延びる凸部214Bを有し、第一基部212B1のZ軸方向における配置部位211Bと凸部214Bとの間の部位は、X軸方向における第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10との間に隙間が形成されている薄肉部位213Bを構成している。これにより、蓄電装置1において、薄肉部位213Bと、第一基部212B1を挟んで隣り合う配置部位211Bと、蓄電素子10と、に囲まれた領域に温度調整用の流体の流通可能な流路Rを形成可能である。即ち、強度を確保するために厚さ寸法を薄肉部位213Bより大きくした配置部位211Bを利用して第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10との間に該蓄電素子10の温度調整用の流体を流通可能な流路Rを形成することができる。
【0067】
また、本実施形態の蓄電装置1の第二の隣接部材2Bでは、第一基部212B1が、X軸方向に突出し且つ第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接する凸部214Bを有している。このように、配置部位211Bに加えて凸部214Bも蓄電素子10に当接することで、該蓄電素子10に対して十分な押圧力(X軸方向の力)を加えることができる。
【0068】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0069】
上記実施形態の蓄電装置1の第二の隣接部材2Bでは、凸部214Bは、Y軸方向における第二本体部21Bの各端縁から間隔d1、d2をあけた位置間においてY軸方向に連続して延びているが(
図6参照)、この構成に限定されない。
【0070】
凸部214Bは、上述のように所定方向に延びる構成(凸条)でなく、例えば、X軸方向に延びる柱状、円錐や円錐台等の錐や錐台形状(
図9参照)、半球状等であってもよい。
【0071】
また、凸部214Bは、Y軸方向に断続的に延びていてもよく、全体又は一部が湾曲や屈曲する構成(即ち、Y軸方向に真っ直ぐ延びる形状でなくてもよい)でもよい。また、凸部214BのY軸方向の各位置の幅(Z軸方向の寸法)は、同じでなくてもよい。
【0072】
また、上記実施形態の第二本体部21Bでは、X軸方向の一方の面の凸部214Bと他方の面の凸部214BとのZ軸方向における位置は同じであるが、異なっていてもよい。
【0073】
即ち、凸部214Bは、薄肉部位213BからX軸方向に突出して第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10に当接する形状であれば限定されない。
【0074】
また、上記実施形態の第二の隣接部材2Bでは、第一基部212B1は、X軸方向の各面2131B、2132Bに一つの凸部214Bを有しているが、この構成に限定されない。第一基部212B1は、X軸方向の各面2131B、2132Bに、Z軸方向に間隔をあけて配置される複数の凸部214Bを有していてもよい。また、第一基部212B1は、凸部214Bの無い構成でもよい(即ち、第一基部212B1全体が薄肉部位213Bによって構成されていてもよい)。
【0075】
また、上記実施形態の蓄電装置1の第二の隣接部材2Bでは、第一基部212B1の厚さ寸法(X軸方向の寸法)、より詳しくは、X軸方向における第一基部212B1の両側の凸部214Bの先端間の距離が、配置部位211Bの厚さ寸法以下であるが、この構成に限定されない。第一基部212B1は、部分的に配置部位211Bより厚さ寸法が僅かに大きな部位を有していてもよい。即ち、第一基部212B1の厚さ寸法は、配置部位211Bの厚さ寸法と同程度以下であればよい。
【0076】
具体的には、第一基部212B1において、凸部214Bの先端(頂部)が配置部位211BよりX軸方向に僅かに(例えば、0.005mm)突出していてもよい。この突出量は、第二の隣接部材2Bと隣り合う蓄電素子10において経年劣化や充放電に起因する膨張(ケース13の膨張)が生じたときでも、第二の隣接部材2Bにおける各配置部位211Bと各凸部214Bとの前記蓄電素子10(ケース13)への当接が維持されるような大きさである。
【0077】
また、上記実施形態の蓄電装置1は、一つの第二の隣接部材2Bを備えているが、複数の第二の隣接部材2Bを備えていてもよい。
【0078】
また、上記実施形態においては、蓄電素子が充放電可能な非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)として用いられる場合について説明したが、蓄電素子の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
1…蓄電装置、2…隣接部材、2A…第一の隣接部材、2B…第二の隣接部材(隣接部材)、2C…第三の隣接部材、21A…第一本体部、21B…第二本体部(本体部)、21C…第三本体部、210C…対向面、211B…配置部位、212B…基部、212B1…第一基部(基部)、212B2…第二基部、213B…薄肉部位、2131B…一方の面、2132B…他方の面、2135B…切欠き部、214B…凸部、214C…凸条、215B…シール部、216B…中空部、22B…第二締結部材、25A…第一規制部、25B…第二規制部、25C…第三規制部、26B…係合部、4…保持部材、41…終端部材、411…貫通孔、42…延伸部材、420…延伸部材本体、4201…第一貫通孔、4202…第二貫通孔、4203…第三貫通孔、421…第一片部、422…第二片部、423…第三片部、4231…貫通孔、43…締結部材、431…ボルト、432…ナット、5…第一締結部材、6…インシュレータ、61、62、63…貫通孔、8…バスバ、10…蓄電素子、13…ケース、131…ケース本体、131a…閉塞部、131b…長壁部、131c…短壁部、132…蓋板、14…外部端子、500…蓄電モジュール、501…蓄電池、502…セパレータ、503…エンドホルダ、504…エンドプレート、505…拘束バンド、5051…平坦面、5052、5053…孔部、506…中間プレート、507a、507b…ねじ孔、d1、d2…間隔、R…流路