(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108824
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】開閉器
(51)【国際特許分類】
H01H 73/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
H01H73/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010073
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕史
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030AA01
5G030XX05
(57)【要約】
【課題】単純な機構で電路を開閉できる開閉器を提供する。
【解決手段】
開閉器は、1の電路に設けられる開閉器であって、固定接点と、固定接点に接触可能な可動接点と、当接部を有し、回転軸を中心に回動可能な操作部と、操作部の回転軸を回動可能に支持する支持部と、支持部に対して移動可能に設けられ、操作部が回動することで当接部と当接して移動するセパレータを有する移動部と、を備え、可動接点が移動部に設けられ、固定接点と可動接点とが接触又は離間する第1方向に沿ってセパレータの全体が移動することで、可動接点を第1方向に沿って移動させて電路の開閉を切り替える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1の電路に設けられる開閉器であって、
固定接点と、
前記固定接点に接触可能な可動接点と、
当接部を有し、回転軸を中心に回動可能な操作部と、
前記操作部の前記回転軸を回動可能に支持する支持部と、
前記支持部に対して移動可能に設けられ、前記操作部が回動することで前記当接部と当接して移動するセパレータを有する移動部と、
を備え、
前記可動接点が前記移動部に設けられ、
前記固定接点と前記可動接点とが近接又は離間する第1方向に沿って前記セパレータの全体が移動することで、前記可動接点を前記第1方向に沿って移動させて前記電路の開閉を切り替える、
開閉器。
【請求項2】
前記移動部は、前記可動接点が設けられ、前記セパレータと当接して移動する可動接触子を有し、
前記第1方向に沿って前記セパレータの全体が移動することで、前記可動接触子と当接し、前記可動接触子を前記第1方向に沿って移動させて前記電路の開閉を切り替える、請求項1に記載の開閉器。
【請求項3】
前記セパレータは、前記当接部が当接する受動部を有し、
前記受動部には、前記当接部が当接可能であって、前記第1方向に直交する平面に対して傾斜している傾斜面が形成される、請求項1又は2に記載の開閉器。
【請求項4】
前記受動部には、前記当接部が当接可能であって、前記傾斜面に接続し、前記傾斜面とは異なる傾斜の係止面が形成され、
前記当接部が前記係止面に当接することで、前記セパレータの全体の前記第1方向に沿った移動が制限される、請求項3に記載の開閉器。
【請求項5】
前記操作部は、前記可動接点が前記固定接点に接触するときに前記支持部の一部に当接して前記操作部の一方への回転を制限する回り止め部を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の開閉器。
【請求項6】
前記当接部は、前記操作部の回転方向に平行な面において、前記セパレータに向かって湾曲して突出する、請求項1~5の何れか一項に記載の開閉器。
【請求項7】
前記電路は直流電路である、請求項1~6の何れか一項に記載の開閉器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開閉器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電路の開閉を行う開閉器が知られている。特許文献1には、ハンドルの操作に連動して固定接点と可動接点とを開閉する開閉機構を有する直流開閉器が開示されている。この直流開閉器は、回動可能なハンドルと、固定接点と、可動接点と、可動接点が先端部に設けられた可動接触子と、可動接触子の一部を支持するリンク機構とを有する。また、特許文献1には、リンク機構として、ハンドルに接続するピンと、ハンドルと離間した位置に設けられ、ピンと接続するトリップアームと、トリップアーム及び可動接触子と接触可能なセパレータとが図示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような従来の開閉器では、ハンドルの回動に伴ってピンが連動することで、固定接点と可動接点とが開閉する方向にトリップアームの端部が回動する。そして、セパレータがトリップアームと連動して当該開閉方向へ移動することで、可動接触子が移動し、固定接点と可動接点とが開閉する。
【0005】
このように、電路を開閉(固定接点と可動接点との接触又は離間)させるために、ハンドルにおける回動方向への動きをセパレータにおける固定接点と可動接点とが開閉する方向への移動に変換させる必要がある。従来の開閉器では、ピン及びトリップアーム、並びにこれらの部材を支持する部材等、上述したハンドルの動きの変換に必要な部材の数が多い。このため、各部材のコストがかかり、各部材を設置する工数が大きい。また、上述したハンドルの動きを変換する上で介在する部材の数が多いと、例えば、接続する部材の干渉を踏まえて各部材に適切なクリアランスを設定する必要がある。このため、各開閉器におけるハンドルの動きに対するセパレータの移動量にばらつきが生じる可能性がある。よって、単純な機構で電路を開閉させることができる開閉器が求められている。
【0006】
本開示は、単純な機構で電路を開閉できる開閉器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る開閉器は、1の電路に設けられる開閉器であって、固定接点と、固定接点に接触可能な可動接点と、当接部を有し、回転軸を中心に回動可能な操作部と、操作部の回転軸を回動可能に支持する支持部と、支持部に対して移動可能に設けられ、操作部が回動することで当接部と当接して移動するセパレータを有する移動部と、を備え、可動接点が移動部に設けられ、固定接点と可動接点とが接触又は離間する第1方向に沿ってセパレータの全体が移動することで、可動接点を第1方向に沿って移動させて電路の開閉を切り替える。
【0008】
この開閉器は、当接部を有する操作部と、セパレータを有する移動部とを備える。セパレータは当接部と当接し、セパレータの全体が固定接点と可動接点とが接触又は離間する第1方向に沿って移動する。よって、操作部の回動によってセパレータが移動することで、可動接点を第1方向に沿って移動させて電路の開閉を適切に切り替えることができる。ここで、操作部が回動して直接セパレータに当接するため、操作部の回動による力が、他の部材を介在させずにセパレータの第1方向に沿って移動する力に変換され、電路が開閉される。よって、この開閉器は、単純な機構で電路を開閉できる。また、例えば、操作部とセパレータとの間に部材を設ける必要がないため、当該部材に対するクリアランスの設定が必要なくなり、各開閉器における操作部の動きに対するセパレータの移動量のばらつきを低減させることができる。
【0009】
一実施形態に係る開閉器において、移動部は、可動接点が設けられ、セパレータと当接して移動する可動接触子を有し、第1方向に沿ってセパレータの全体が移動することで、可動接触子と当接し、可動接触子を第1方向に沿って移動させて電路の開閉を切り替えてもよい。この場合、操作部の当接部が当接して第1方向に沿って移動するセパレータが、可動接触子と当接して可動接触子を第1方向に沿って移動させる。操作部から可動接触子まで伝達する力はセパレータを介して伝達されるので、操作部から可動接触子まで単純な機構で力が伝達される。したがって、この開閉器は、操作部の力を適切に可動接触子まで伝達させることができるため、各開閉器における操作部の動きに対する可動接触子の移動量のばらつきを低減させることができる。
【0010】
一実施形態に係る開閉器において、セパレータは、当接部が当接する受動部を有し、受動部には、当接部が当接可能であって、第1方向に直交する平面に対して傾斜している傾斜面が形成されてもよい。この場合、当接部がセパレータにおける受動部の傾斜面に当接することで、操作部の回動の力をより円滑にセパレータに伝達させることができる。よって、この開閉器は、単純な機構でより円滑に電路を開閉できる。また、例えば、傾斜面がセパレータに形成されることで、当接部とセパレータの上面(傾斜面)との接触範囲のストロークが、セパレータの上面が水平面である場合より長くなる。このように接触範囲のストロークを長くすることで、操作ハンドルの回転度合いをセパレータの上下方向に沿った移動量に変換するための各部材の誤差を吸収することができるため、各部材の製造誤差などのばらつきの影響を低減させることができる。
【0011】
一実施形態に係る開閉器において、受動部には、当接部が当接可能であって、傾斜面に接続し、傾斜面とは異なる傾斜の係止面が形成され、当接部が係止面に当接することで、セパレータの全体の第1方向に沿った移動が制限されてもよい。この場合、係止面に当接部が当接することで、セパレータの第1方向に沿った移動が制限されるため、可動接点が固定接点に対して所定の位置より近接又は離間することを抑制できる。よって、この開閉器は、単純な機構で電路を適切に開閉することができる。
【0012】
一実施形態に係る開閉器において、操作部は、可動接点が固定接点に接触するときに支持部の一部に当接して操作部の一方への回転を制限する回り止め部を有してもよい。この場合、回り止め部が支持部の一部に当接することで、可動接点が固定接点に接触した後に固定接点と可動接点との間の距離が変動することを抑制できる。よって、この開閉器は、単純な機構で電路を適切に開閉することができる。
【0013】
一実施形態に係る開閉器において、当接部は、操作部の回転方向に平行な面において、セパレータに向かって湾曲して突出していてもよい。この場合、操作部の回転にしたがって、湾曲して突出している当接部がセパレータに当接することになる。当接部が湾曲していることで、この開閉器は、操作部の回転の力を円滑にセパレータに伝達させることができるため、電路を円滑に開閉することができる。
【0014】
一実施形態に係る開閉器において、電路は直流電路であってもよい。この開閉器は、単純な機構で直流電路を適切に開閉することができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る開閉器によれば、単純な機構で電路を開閉できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る開閉器の一例を示す斜視断面図である。
【
図2】実施形態に係る開閉器の内部構造の一例を示す斜視図である。
【
図3】実施形態に係る開閉器の閉状態の一例を示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る開閉器の閉状態の内部の一例を示す部分断面図である。
【
図5】実施形態に係る開閉器の開状態の内部の一例を示す部分断面図である。
【
図6】比較例に係る開閉器の開状態の内部の一例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「背」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0018】
図1は、実施形態に係る開閉器の一例を示す斜視断面図である。
図2は、実施形態に係る開閉器の内部構造の一例を示す斜視図である。
図3は、実施形態に係る開閉器の閉状態の一例を示す平面図である。
図4は、実施形態に係る開閉器の閉状態の内部の一例を示す側面図である。図中のX方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向である。各断面図では、見やすさのために一部の部材を省略して図示している。X方向、Y方向及びZ方向は、3次元空間の直交座標系における互いに直交する軸方向である。以下では、XY平面に沿った方向を水平方向、Z方向を上下方向ともいう。
【0019】
図1~
図4に示される開閉器1は、1の電路に設けられる。開閉器1は、例えば、分電盤等に設けられる。開閉器1は、不図示の電源と不図示の負荷装置とを電気的に接続する。開閉器1は、電源と負荷装置との間を結ぶ1の電路に介在する装置である。当該電路は、例えば、直流電路である。電源は、例えば、直流電源である。開閉器1は、後述の接点部10における接点の接触、近接及び離間を制御して、電路の開閉を制御する。
【0020】
ここで、開閉器1は、開状態及び閉状態の2つの状態を取りうる。開状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点と接点とが離間し、電路に電流が流れない状態である。閉状態とは、作業者が操作する等の外的な動作を含む作用により接点と接点とが接触し、電路に電流が流れる状態である。また、開閉器1は、1の電路について閉状態から開状態とするときに、他の電路を閉状態から開状態にする機構を有していない。すなわち、開閉器1の後述の特定の1つの可動接点が、1回の電路の開閉操作によって2つ以上の固定接点には接触しないことを意味する。
【0021】
開閉器1は、接点部10と、支持部20と、操作部30と、移動部40とを備える。開閉器1は、本体部3と、複数の電源側端子80と、複数の負荷側端子90と、をさらに備える。本実施形態の開閉器1は、複数の接点部10を備える。開閉器1は、例えば、2つの接点部10a,10bと、2つの電源側端子80a,80bと、2つの負荷側端子90a、90bとを備える。例えば、開閉器1によって構成される1の電路のうち、電源から負荷装置に電流が流れる電路の部分に接点部10a、電源側端子80a及び負荷側端子90aが設けられ、負荷装置から電源に流れる電路の部分に接点部10b、電源側端子80b及び負荷側端子90bが設けられる。詳細は後述する。
【0022】
本体部3は、接点部10、支持部20、操作部30の一部、移動部40、複数の電源側端子80、及び複数の負荷側端子90等の構成を収容する筐体である。本体部3は、
図1に示される上側ケース3aと、下側ケース3bとを有する。上側ケース3aは、下側ケース3bの上側(Z方向の正方向)に配置され、下側ケース3bと嵌合する。上側ケース3aと下側ケース3bとがそれぞれ嵌合することで後述の把持部34を除く各構成物が本体部3内に収容される。上側ケース3a及び下側ケース3bは、互いに嵌合する際に係止可能な係止部をそれぞれ有する。例えば、上側ケース3a及び下側ケース3bのX方向の両端部には、不図示のねじにより分電盤等に固定可能な穴部が設けられている。
【0023】
複数の電源側端子80は、電源に電気的に接続可能な端子である。本実施形態の2つの電源側端子80a,80bは、本体部3においてX方向の負方向を向く面(背面)に配置される。2つの電源側端子80a,80bが設けられた背面は上下方向に沿って延在する面で形成される。例えば、上側ケース3aの背面側において、Y方向の左側(Y方向の正方向)に向かって、電源側端子80a,80bが順に配置されている。上側ケース3aの外側から電源側端子80a,80bに電線を接続可能なように上側ケース3aには孔部が設けられている。電源側端子80a,80bは、上側ケース3a内に設けられており、電路の電線とは上側ケース3a内で接続可能である。
【0024】
複数の負荷側端子90は、負荷装置に電気的に接続可能な端子である。2つの負荷側端子90a,90bは、本体部3においてX方向の正方向を向く面(前面)に配置され、Y方向に沿って整列して配置されている。本体部3の前面側において、Y方向の左側に向かって、負荷側端子90a,90bが順に配置されている。2つの負荷側端子90a,90bが設けられた前面の一部は負荷装置から延在する電線の接続操作がしやすいように傾斜して形成されている。負荷側端子90a,90bは、上側ケース3a内に設けられており、電路の電線とは上側ケース3a内で接続可能である。負荷側端子90aは、電源側端子80aと電気的に接続可能である。負荷側端子90bは、電源側端子80bと電気的に接続可能である。
【0025】
各接点部10は、電源と負荷装置とを電気的に接続可能な電路の開閉を操作部30及び移動部40の動きに合わせて切り替え可能な構成である。接点部10aは、電源側端子80aと、負荷側端子90aとをそれぞれ電気的に接続する。接点部10bは、電源側端子80bと、負荷側端子90bとをそれぞれ電気的に接続する。接点部10a,10bは、X方向において、各電源側端子80と各負荷側端子90との間に配置される。Y方向の左側に向かって、接点部10a,10bが順に配置されている。各接点部10は、例えば、固定接点11と、可動接点12と、固定側接続部材13とを有する。
【0026】
接点部10aは、固定接点11aと、可動接点12aと、固定側接続部材13aとを有する。接点部10bは、例えば、固定接点11bと、可動接点12bと、固定側接続部材13bとを有する。固定側接続部材13a,13bは、それぞれX方向に延在しており、上下方向に一部屈曲している。固定側接続部材13a,13bは、板状を呈する導体である。固定接点11a,11bは、固定側接続部材13a,13bのX方向の前面側の端部にそれぞれ設けられる。固定側接続部材13a,13bは、X方向の背面側においてそれぞれ電源側端子80a,80bと電気的に接続している。固定接点11a,11bは、それぞれ電源側端子80a,80bと、固定側接続部材13a,13bを介して電気的に接続している。
【0027】
可動接点12a,12bは、後述の可動接触子45a,45b及び可動側接続部材46a,46bを介して、それぞれ負荷側端子90a,90bと電気的に接続している。接点部10aにおいては固定接点11aと可動接点12aとが電気的に接続可能であって、接点部10bにおいては固定接点11bと可動接点12bとが電気的に接続可能である。
【0028】
各接点部10は、閉状態と開状態とを操作部30の回動及び移動部40の移動により切り替えることができる。固定接点11a,11bは、本体部3内において位置が固定されている。可動接点12a,12bは、例えば、それぞれ固定接点11a,11bの上方に設けられる。可動接点12a,12bは、移動部40によりそれぞれ固定接点11a,11bに対して相対的に上下方向(第1方向の一例)に沿って移動し、互いに接触、近接又は離間が可能である。詳細な移動態様は後述する。
【0029】
固定接点11aと可動接点12aとが接触しているとき、かつ、固定接点11bと可動接点12bとが接触しているとき、電源から負荷装置へと電流が流通可能な電路が形成される閉状態となる。固定接点11aと可動接点12aとが離間しているとき、又は、固定接点11bと可動接点12bとが離間しているときのいずれかの場合、電源から負荷装置へと電流が流通可能な電路が形成されていない開状態となる。固定接点11a及び可動接点12a、並びに、固定接点11b及び可動接点12bにおいて、それぞれの接触又は離間状態が操作部30の回動及び移動部40の移動により切り替えられる。
【0030】
閉状態において、本実施形態の電路は、例えば、電源から発された電流が電源側端子80a、固定接点11a、可動接点12a、負荷側端子90a、負荷装置、負荷側端子90b、可動接点12b、固定接点11b、電源側端子80bを順に通り、最終的に電源に戻るように構成された電気回路である。なお、電路は、電源から発された電流が電源側端子80b、固定接点11b、可動接点12b、負荷側端子90b、負荷装置、負荷側端子90a、可動接点12a、固定接点11a、電源側端子80aを順に通り、最終的に電源に戻るように構成された電気回路であってもよい。
【0031】
支持部20は、後述の操作部30の回転軸31を回動可能に支持する。支持部20は、例えば、2つの支持部材22a,22bと、連結部材23を有する。2つの支持部材22a,22bは、例えば、下側ケース3bの上面に固定されている。2つの支持部材22a,22bは、X方向及び上下方向に沿って延在する板状の部材である。2つの支持部材22a,22bは、Y方向に所定の幅の隙間22cを空けて互いに平行となるように配置されている。例えば、Y方向の左側に向かって、支持部材22a,22bが順に配置されている。隙間22cは、上下方向に開口している。
【0032】
連結部材23は、2つの支持部材22a,22bを連結する部材である。連結部材23は、例えば、Y方向に沿って延在する棒状の部材である。連結部材23は、例えば、支持部材22a,22bのX方向の前面側において、支持部材22a,22bにそれぞれ固定されている。
【0033】
支持部材22a,22bは、軸受部24a,24bと、回転係止部25a,25bとをそれぞれ有する。軸受部24a,24bは、後述の操作部30の回転軸31を回動可能に支持する。軸受部24a,24bは、例えば、支持部材22a,22bをそれぞれY方向に向かって貫通している穴部に後述の操作部の回転軸31を挿通させて回動可能に支持する。当該穴部は、支持部材22a,22bのX方向及び上下方向の同一の位置に設けられる。軸受部24a,24bは、例えば、支持部材22a,22bのX方向の背面側の上端部に設けられる。
【0034】
回転係止部25a,25bは、それぞれ軸受部24a,24bの下方に設けられる。回転係止部25a,25bは、それぞれ支持部材22a,22bのX方向の背面側において、X方向の背面側に向かって開口しており、Y方向に向かって貫通している。回転係止部25a,25bは、例えば、Y方向から見てU字状に開口している。回転係止部25a,25bに設けられた開口のX方向の前面側の端部は、例えば、それぞれ軸受部24a,24b(後述の回転軸31)よりX方向の前面側に位置する。回転係止部25a,25bに設けられた開口のX方向の背面側の端部は、例えば、それぞれ軸受部24a,24bよりX方向の背面側に位置する。
【0035】
操作部30は、回転軸31と、操作ハンドル32とを有する。操作ハンドル32は、回転軸31を中心に回動可能である。回転軸31は、例えば、円柱状の部材である。回転軸31は、操作ハンドル32からY方向の左側及び右側にそれぞれ突出するように固定されている。回転軸31は、支持部20の軸受部24a,24bに回動可能に支持される。操作ハンドル32は、上下方向に延在している。操作ハンドル32の上部(後述の把持部34)は、支持部材22a,22bの上方に突出している。操作ハンドル32の下部(後述の軸接続部33及び当接部35の一部)は、支持部材22a,22bの間の隙間22cに収容されており、支持部材22a,22bに挟まれている。操作ハンドル32は、Y方向に直交する平面(X方向及び上下方向に延在する平面)に沿って回動する。操作ハンドル32は、支持部材22a,22bに沿ってガイドされるように回動する。
【0036】
操作ハンドル32は、軸接続部33と、把持部34と、当接部35と、回り止め部36とを有する。軸接続部33は、回転軸31が設けられている部位であって、支持部材22a,22bの間に配置されている。軸接続部33の外形は、例えば、Y方向に延在する略三角柱状を呈する。回転軸31は、軸接続部33からY方向の左側及び右側に突出している。軸接続部33は、回転軸31の回転に合わせて回動する。軸接続部33は、例えば、当該回動の際に移動部40に当接しない。軸接続部33内には、例えば、不図示のコイルばねが設けられている。軸接続部33が
図4の矢印R1方向に向かって所定の位置まで傾くと、コイルばねは、
図4の矢印R2方向に回転するように付勢する。
【0037】
把持部34は、作業者が電路の開閉を操作する場合に把持可能な部位である。把持部34は、軸接続部33から、支持部20とは反対側に延在している棒状の部位である。把持部34は、例えば、軸接続部33から上方に延在している。作業者が把持部34をX方向の背面側に傾くように(
図4の矢印R1方向に)回転軸31を中心に回転させることで電路が閉状態となり、作業者が把持部34をX方向の前面側に傾くように(
図4の矢印R2方向に)回転軸31を中心に回転させることで電路が開状態となる。
【0038】
当接部35は、把持部34の回転操作により移動部40に当接しながら移動する部位である。当接部35は、軸接続部33の下端部に設けられ、下方に向かって突出している。当接部35の少なくともX方向の前面側の部位は、例えば、操作部30の回動により支持部材22a,22bの間に位置する。当接部35の当該部位は、例えば、Y方向の長さにおいて隙間22cの長さより小さい。当接部35は、Y方向に沿って延在している。当接部35は、例えば、軸接続部33のX方向の背面側の下端部から、X方向の背面側かつ下方に向かって突出している。
【0039】
当接部35は、操作ハンドル32の回転方向に平行な面(X方向及び上下方向に延在する面)において、後述の移動部40のセパレータ41に向かって湾曲して突出している。例えば、当接部35の下端部のみが湾曲している。当接部35は、後述の移動部40のセパレータ41に当接する部位のみY方向から見て湾曲していてもよく、当該当接する部位以外の当接部35の部位もY方向から見て湾曲していてもよい。以下、当接部35のうち、後述のセパレータ41に当接し、湾曲している部位を湾曲部35aと記載する場合がある。湾曲部35aは、例えば、当接部35のうち、回転軸31から最も遠い位置に設けられる。電路が閉状態のとき、湾曲部35aは、例えば、回転軸31の直下に位置する。湾曲部35aは、例えばY方向から見て半円状を呈する天面・底面を有し、Y方向に沿って延在する柱状の部位である。湾曲部35aが、Y方向から見て半円状を呈することで、強度を適切に確保することができ、摩耗を抑制し、湾曲部35aとセパレータ41との間に生じる反力が摩耗によって変動することを最小限に抑えることができる。
【0040】
回り止め部36は、可動接点12が固定接点11に接触するときに支持部20の回転係止部25a,25bに当接して操作部30の一方への回転(
図4に示される矢印R2方向への回転)を制限する。回り止め部36は、操作ハンドル32において回転軸31の下方に設けられる。例えば、回り止め部36は、回転軸31と当接部35の湾曲部35aの先端(回転軸31から最も遠い部位)とを結び、Y方向に沿って延在する面より、X方向の前面側に設けられる。回り止め部36は、回転係止部25a,25bの位置によって適宜設置箇所を変更して操作ハンドル32に設けられてよい。回り止め部36は、例えば、円柱状の部材である。回り止め部36は、例えば、当接部35の上部からY方向の左側及び右側にそれぞれ突出している。回り止め部36は、支持部20の回転係止部25a,25bの開口に進入し、X方向の背面側から当接することができる。
【0041】
移動部40は、セパレータ41と、可動接触子45とを有する。移動部40は、例えば、可動接触子45として2つの可動接触子45a,45bを有する。セパレータ41は、支持部20に対して移動可能に設けられ、操作部30が回動することで当接部35と当接して移動する。操作部30の回動により、セパレータ41の全体が移動する。セパレータ41の全体は、支持部20に対して上下方向に移動可能に設けられる。セパレータ41は、不図示のばね部材によって上方に向かって付勢されており、電路が開状態のとき、2つの可動接触子45a,45bから離間している(
図5参照)。セパレータ41は、当接部35が当接する受動部42と、可動接触子45に当接する押圧部44とを有する。
【0042】
受動部42は、上端部の一部が傾斜しているブロック状の部位である。受動部42の少なくともX方向の前面側の部位は、例えば、支持部材22a,22bの間に配置されている。受動部42の少なくとも当該部位は、例えば、Y方向の長さにおいて隙間22cの長さより小さくなるようにY方向に沿って延在している。受動部42は、上下方向に延在している。受動部42の上端部は、当接部35と当接する。電路が閉状態のときであっても、受動部42の下端部は、例えば、下側ケース3bに当接しない。
【0043】
受動部42には、上下方向に直交する平面(X方向及びY方向に延在する面)に対して傾斜している傾斜面42aと、傾斜面42aと接続し、傾斜面42aとは異なる傾斜の係止面42bとが形成されている。傾斜面42aと係止面42bとは、それぞれ当接部35が当接可能である。傾斜面42aと係止面42bとは、例えば、それぞれ受動部42の上端部に設けられている。
【0044】
傾斜面42aは、例えば、電路が開状態のときに操作部30がセパレータ41に当接する起点となる位置から、支持部20の回転係止部25a,25bに向けて傾斜している。傾斜面42aは、例えば、当該位置から、可動接点12aが固定接点11から離間する方向(上方)に向けて傾斜している。傾斜面42aは、例えば、X方向の前面側に向かって上方に傾斜している平面である。電路が開状態のとき、当接部35の湾曲部35aのX方向の前面側の端部が、傾斜面42aのX方向の背面側の部位に当接する。電路を開状態から閉状態に移行するとき、当接部35の湾曲部35aの湾曲面が、傾斜面42aに当接しながら傾斜面42aのX方向の前面側に移動する。
【0045】
係止面42bは、傾斜面42aのX方向の前面側の端部に接続している。係止面42bは、例えば、上下方向に直交する平面に沿って延在している。係止面42bは、X方向の背面側に向かって傾斜面42aより緩やかに下方に傾斜している平面であってもよい。係止面42bは、当接部35が係止面42bに当接することで、セパレータ41の全体の上下方向に沿った移動が制限される。例えば、当接部35の湾曲部35aの先端(回転軸31から最も遠い部位)が回転軸31の直下に位置するとき、当該湾曲部35aの先端は、係止面42bと接触する。このとき、当該先端からX方向の前面側に位置する湾曲部35aの部位は、傾斜面42aに接触する。
【0046】
傾斜面42aと係止面42bとの境界は、例えば、回転軸31の直下である。なお、傾斜面42aと係止面42bとの境界は、例えば、回転軸31よりX方向の前面側あるいは背面側に位置してもよい。また、傾斜面42aと係止面42bとの境界は、例えば、閉状態における当該湾曲部35aの先端の位置よりX方向の前面側あるいは背面側の位置であってもよい。傾斜面42aと係止面42bとの境界は、例えば、当該位置からX方向に所定の長さだけ前後した位置であってもよい。なお、例えば、当該湾曲部35aの先端よりX方向の背面側の湾曲面が係止面42bと接触していてもよい。この場合であっても、固定接点11a,11bと可動接点12a,12bがそれぞれ互いに接触できるように固定接点11a,11bと可動接点12a,12bとのそれぞれの間隔が設定されている。
【0047】
押圧部44は、受動部42のY方向の左側及び右側に延在しているブロック状の部位である。移動部40は、例えば、押圧部44として、2つの可動接触子45a,45bをそれぞれ下方に押圧可能な押圧部44a,44bを有する。押圧部44aは、受動部42の下部からY方向の右側に突出している。押圧部44bは、受動部42の下部からY方向の左側に突出している。押圧部44a,44bのそれぞれの下部は、例えば、Y方向から見て下方に向かってテーパーがついている。電路が開状態の時、押圧部44a,44bは、それぞれ可動接触子45a,45bと上下方向に離間している。電路を開状態から閉状態にするとき、押圧部44a,44bは、受動部42の動きに応じて移動し、押圧部44a,44bの下部は、2つの可動接触子45a,45bをそれぞれ押圧する。
【0048】
可動接触子45aは、支持部材22aの右側に配置されている。可動接触子45bは、支持部材22bの左側に配置されている。可動接触子45a,45bは、X方向に沿って延在する板状の部材である。可動接触子45a,45bのX方向の前面側の端部は、負荷側端子90a,90bの背面側において下側ケース3bに固定されている。可動接触子45a,45bは形状記憶がなされており、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の部位は、上方の所定の位置に向かって復元力が働く。可動接触子45a,45bは、例えば、靱性が強く、上下方向に沿って撓むことができる。
【0049】
可動接触子45aにおけるX方向の背面側の端部の下面には、可動接点12aが設けられている。可動接触子45aのX方向の背面側の上面には、セパレータ41の押圧部44aが当接する。可動接触子45bにおけるX方向の背面側の端部の下面には、可動接点12bが設けられている。可動接触子45bのX方向の背面側の上面には、セパレータ41の押圧部44bが当接する。可動接触子45a,45bは、押圧部44a,44bの当接によりセパレータ41と共に上下方向に沿って移動する。すなわち、操作部30がセパレータ41に対して下方に力を加えている場合は、押圧部44a,44bが下方に移動することで、それぞれ可動接触子45a,45bに当接する。可動接触子45a,45bにおけるX方向の背面側の各端部が下方に押圧され、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bに近接し、接触することができる。
【0050】
仮に、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bに接触した後も可動接触子45a,45bが下方に押圧された場合であっても、可動接触子45a,45bが撓んで力を吸収する。例えば、当接部35の湾曲部35aの先端よりX方向の背面側の湾曲面が係止面42bと接触して電路を閉状態とするとき、湾曲部35aの先端が受動部42に当接する際にセパレータ41を最も下方に移動させることになる場合がある。このようなときであっても、可動接触子45a,45bがそれぞれ撓むため、固定接点11a,11b及び可動接点12a,12bに過剰な力がかかることを抑制することができる。
【0051】
操作部30がセパレータ41に対して下方に力を加えていない場合であって、押圧部44a及び可動接触子45a、並びに押圧部44b及び可動接触子45bがそれぞれ接触している場合、は、可動接触子45a,45bが上方に復元力を働かせることで、押圧部44a,44bを介してセパレータ41を上方に移動させる。
【0052】
移動部40は、2つの可動側接続部材46a,46bをさらに有する。可動側接続部材46a,46bは、それぞれ屈曲している板状の導体であって、上下方向に沿って延在している部位と、X方向に沿って延在している部位とを有する。可動側接続部材46a,46bは、X方向の前面側においてそれぞれ負荷側端子90a,90bと電気的に接続している。可動側接続部材46a,46bは、X方向の背面側においてそれぞれ可動接触子45a,45bと電気的に接続している。可動側接続部材46a,46bは、例えば、可動接触子45a,45bと同一の位置で下側ケース3bに固定されている。可動接点12aは、可動接触子45a及び可動側接続部材46aを介して負荷側端子90aとそれぞれ電気的に接続している。可動接点12bは、可動接触子45b及び可動側接続部材46bを介して負荷側端子90bとそれぞれ電気的に接続している。
【0053】
次に、開閉器1の各部の動作について説明する。まず、電路を閉状態から開状態へと移行させる場合を説明する。
図5は、実施形態に係る開閉器の開状態の内部の一例を示す部分断面図である。
図5に示される通り、電路が開状態であるとき、固定接点11a及び可動接点12a、並びに固定接点11b及び可動接点12bは、それぞれ接触しておらず、離間している。各接点が物理的に離間していることで、電源と負荷装置とが電気的に接続されていない状態となる。このとき、操作部30の操作ハンドル32における湾曲部35aのX方向の前面側の部位は、移動部40のセパレータ41における受動部42の傾斜面42aのX方向の背面側の部位に当接している。把持部34は、上方に向かってX方向の前面側に傾斜している。例えば、当接部35は、隙間22cには位置しておらず、支持部材22a,22bよりX方向の背面側に位置している。当接部35は、軸接続部33からX方向の背面側かつ下方に延在する。以下、電路が開状態のときの各部材の位置を初期位置と記載する場合がある。
【0054】
電路が開状態から閉状態に移行するとき、回転軸31の上方において、作業者等が操作ハンドル32の把持部34をX方向の背面側に向けて押圧することで、操作ハンドル32は回転軸31を中心に
図5に示される矢印R1方向に回転する。把持部34は、上下方向に沿った状態に移行した後、上方に向かってX方向の背面側に傾斜した状態へと移行する。
【0055】
当接部35は、
図5に示される矢印R1方向に回転することで、湾曲部35aがセパレータ41の傾斜面42aに当接しながらX方向の前面側に移動する。このとき、回転軸31から湾曲部35aまでの上下方向成分の長さが、矢印R1方向への回転によって長くなるため、支持部20に対して移動可能なセパレータ41が下方に押圧されて移動する。上下方向に直交する平面より傾斜している傾斜面42aによって、当接部35の湾曲部35aは円滑に矢印R1方向に回転することができると共に、セパレータ41を下方に円滑に押圧することができる。
【0056】
この押圧によって、セパレータ41の全体が下方に移動する。当該セパレータ41の押圧部44a,44bは、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の上面にそれぞれ当接し、可動接触子45a,45bをそれぞれ下方に向かって押圧する。押圧された可動接触子45a,45bは、そのX方向の背面側の端部が下方に移動するように変形する。これにより、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の端部に設けられた可動接点12a,12bは、それぞれ固定接点11a,11bに近接する。
【0057】
図4に示されるように、操作ハンドル32が矢印R1方向に回転することによって、受動部42のX方向の前面側の部位が隙間22c内に進入する。当接部35の湾曲部35aは、セパレータ41の傾斜面42aにおけるX方向の前面側の端部に達した後、傾斜面42aに連続している係止面42bに当接する。このとき、例えば、湾曲部35aの先端(回転軸31から最も遠い部位)が係止面42bに当接し、当該湾曲部35aの先端が回転軸31の直下に位置する。すなわち、回転軸31と当該湾曲部35aの先端とを結ぶ直線が上下方向に沿う状態となる。例えば、少なくとも当該湾曲部35aの先端が回転軸31の直下に位置するとき、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bにそれぞれ接触する。当該湾曲部35aの先端は、操作ハンドル32のうち回転軸31から最も遠い位置にある部位であるため、当該湾曲部35aの先端が上下方向に直交する平面である係止面42bに当接する状態となることで、セパレータ41が当該状態の位置より下方に移動するのを抑制することができる。これにより、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bにそれぞれ過剰な力を付与することを抑制できる。
【0058】
なお、湾曲部35aの先端が回転軸31の直下の位置よりX方向の前面側に位置するとき、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bにそれぞれ接触してもよい。この場合、湾曲部35aの先端が係止面42bに当接して回転軸31の直下の位置を通過する前後において、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bにそれぞれ接触する態様であってもよい。湾曲部35aの先端が回転軸31の直下の位置を通過するとき、可動接触子45a,45bが撓むことで固定接点11a,11bにかかる下方への応力を減じることができる。また、湾曲部35aの先端が回転軸31の直下の位置よりX方向の前面側に位置することで、可動接触子45a,45bが上方に復元力を発揮しても操作ハンドル32は矢印R1方向へ回転することになる。このため、湾曲部35aの先端が回転軸31の直下の位置よりX方向の前面側に位置することと、後述の回り止め部36の機能とが組み合わされることで、電路が意図せず開状態に移行することを抑制することができる。
【0059】
当該湾曲部35aの先端が回転軸31の直下の位置又は当該直下の位置よりX方向の前面側に位置するとき、当接部35に設けられた回り止め部36が支持部20の回転係止部25a,25bの開口に進入し、X方向の背面側から当接する。これにより、操作ハンドル32の矢印R1方向への回転が抑制されると共に、セパレータ41の下方への移動が抑制される。このとき、可動接点12a,12bは、固定接点11a,11bにそれぞれ接触し、電路が閉状態となる。
【0060】
次に電路を閉状態から開状態へと移行させる場合を説明する。
図4に示されるように、電路が閉状態であるとき、固定接点11a及び可動接点12a、並びに固定接点11b及び可動接点12bは、それぞれ接触している。各接点が物理的に接触していることで、電源と負荷装置とが電気的に接続されている状態となる。このとき、操作部30の操作ハンドル32における湾曲部35aの先端は、移動部40のセパレータ41における受動部42の係止面42bに当接している。把持部34は、上方に向かってX方向の背面側に傾斜している。例えば、当接部35の一部は、隙間22cに位置している。当接部35は、軸接続部33から下方に延在する。以下、電路が閉状態のときの各部材の位置を接続位置と記載する場合がある。
【0061】
電路が閉状態から開状態に移行するとき、作業者等が操作ハンドル32の把持部34をX方向の前面側に向けて押圧することで、操作ハンドル32は回転軸31を中心に
図4に示される矢印R2方向に回転する。把持部34は、上下方向に沿った状態に移行した後、上方に向かってX方向の前面側に傾斜した状態へと移行する。
【0062】
当接部35は、
図4に示される矢印R2方向に回転することで、湾曲部35aがセパレータ41の係止面42bに当接しながらX方向の背面側に移動し、傾斜面42aに移動する。このとき、回転軸31から湾曲部35aまでの上下方向成分の長さが矢印R2方向への回転によって短くなるため、支持部20に対してセパレータ41が上方に移動可能となる。不図示のばね部材の上方への付勢により、セパレータ41は上方に移動する。傾斜面42aがX方向の背面側に向かって下方に傾斜していることから、当接部35の湾曲部35aが矢印R2方向に回転したときにセパレータ41の上方への移動可能な長さを十分に確保することができる。
【0063】
図5に示されるように、閉状態のときセパレータ41によって下方に押圧されていた可動接触子45a,45bは、セパレータ41による下方への押圧がなくなるため、上方への復元力により、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の端部は上方に移動する。上方に移動するセパレータ41は、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の上面からそれぞれ離間する。これにより、可動接触子45a,45bのX方向の背面側の端部に設けられた可動接点12a,12bは、それぞれ固定接点11a,11bから離間する。
【0064】
図5に示されるように、操作ハンドル32が矢印R2方向に回転することによって、受動部42のX方向の前面側の部位が隙間22cから退出する。また、操作ハンドル32が矢印R2方向へと移動することで、当接部35に設けられた回り止め部36が支持部20の回転係止部25a,25bの開口から退出し、X方向の背面側に移動する。
【0065】
操作ハンドル32が矢印R2方向に回転することによって、当接部35の湾曲部35aは、セパレータ41の傾斜面42aにおけるX方向の背面側の端部に達する。このとき、例えば、湾曲部35aの先端(回転軸31から最も遠い部位)は傾斜面42aに当接していない。当該湾曲部35aの先端は、回転軸31のX方向の背面側かつ下方に位置する。当該湾曲部35aの先端は、操作ハンドル32のうち回転軸31から最も遠い位置にある部位であるため、当該湾曲部35aの先端が傾斜面42aのX方向の背面側に位置し、傾斜面42aに当接していないことで、操作ハンドル32(当接部35)がセパレータ41を下方へと押圧していない状態となる。不図示のばね部材による上方の付勢によって、セパレータ41が当該状態の位置より下方に移動するのを抑制することができる。これにより、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bにそれぞれ意図せず近接及び接触することを抑制できる。このとき、可動接点12a,12bは、固定接点11a,11bからそれぞれ離間し、電路が開状態となる。
【0066】
ここで、
図6を参照して比較例としての従来の開閉器と、本実施形態の開閉器1との構成の違いを説明する。
図6は、比較例に係る開閉器の開状態の内部の一例を示す部分断面図である。
図6に示されるように、比較例に係る従来の開閉器100は、接点部110と、支持部120と、操作部130と、移動部140と、電源側端子180と、負荷側端子190とを備える。開閉器100において、開閉器1と同様の機能を有する構成については、符号は異なるが開閉器1と同様の名称を付して適宜説明を省略する。
【0067】
接点部110は、固定接点111と可動接点112とを有する。支持部120は、支持部材122を有する。操作部130は、回転軸131と操作ハンドル132とを有する。操作ハンドル132は、軸接続部133と、把持部134と、ピン接続部137と、2つのピン138とを有する。ピン接続部137は、軸接続部133の下部に設けられる部位である。本実施形態の開閉器1の当接部35と異なり、ピン接続部137は移動部40に直接接触せず、当接しない。ピン接続部137には、Y方向に沿って貫通しており、ピン138を挿通可能な開口が形成されている。
【0068】
各ピン138は、ピン接続部137に回動可能に接続している。一方のピン138はY方向の右側からピン接続部137に回動可能に接続し、他方のピン138はY方向の左側からピン接続部137に回動可能に接続する。ピン138は、例えば、U字状を呈している。ピン138は、Y方向に延在する上部の第1部位と、Y方向に延在する下部の第2部位と、第1部位と第2部位とを接続し、X方向及び上下方向に延在する面に沿った第3部位とを有する。第1部位、第2部位及び第3部位は、それぞれ棒状を呈する。ピン138の第1部位がピン接続部137の開口に挿通されている。
【0069】
移動部140は、セパレータ141と、可動接触子145と、トリップアーム146とを有する。セパレータ141は、開閉器1のような受動部を有さない。トリップアーム146は、セパレータ141の上部に設けられ、2つのピン138と回動可能に接続している。トリップアーム146は、不図示のばね部材によって上方に付勢されている。本実施形態の開閉器1の受動部42と異なり、トリップアーム146は操作部30に直接接触せず、当接しない。トリップアーム146には、Y方向に沿って貫通しており、ピン138の第2部位を挿通可能な開口が形成されている。ピン138の第2部位は、トリップアーム146に回動可能に接続している。トリップアーム146は、連結回転軸147を有する。トリップアーム146は、支持部120の支持部材122のX方向の前面側において、連結回転軸147を中心に回動可能に接続している。トリップアーム146は、X方向及び上下方向に延在する平面に沿って回動可能である。トリップアーム146のX方向の背面側の部位がセパレータ141に当接することで、セパレータ141を上下方向に移動させる。
【0070】
電路が開状態であるとき、ピン138の第3部位は、X方向の背面側に向かって上方に傾斜している。電路が開状態であるとき、ピン接続部137の開口は、回転軸131よりX方向の背面側に位置し、トリップアーム146の開口はピン接続部137の開口よりX方向の前面側に位置する。開閉器100において、電路を開状態から閉状態にするときの各構成の動きを説明する。操作部130の操作ハンドル132を
図6の矢印R3方向に回転させることで、ピン接続部137がX方向の前面側に向かう。ピン接続部137の開口が回転軸31の直下に近接するにつれて、当該開口の位置が下方に移動する。各ピン138の下部は、第2部位によって矢印R3方向への回動が規制されるため、ピン接続部137の開口に挿通されている各ピン138の第1部位がピン接続部137と共に矢印R3方向に回動するにつれて、各ピン138の第3部位が第1部位を中心に矢印R4方向に回動する。当該回動により、各ピン138の第3部位が傾斜した状態から上下方向に沿った状態へと移行するため、各ピン138の第2部位が下方に移動する。
【0071】
これにより、トリップアーム146が連結回転軸147を中心に矢印R5方向に回転する。トリップアーム146が矢印R5方向に回転することで、トリップアーム146のX方向の背面側の部位がセパレータ141に当接し、セパレータ141を下方に向かって押圧する。セパレータ141が下方に移動することで、可動接触子145のX方向の背面側の端部が下方に移動し、可動接点112が固定接点111に近接し、接触する。これにより電路が閉状態となる。電路を閉状態から開状態にするときは、上述した動きが逆に行われる。
【0072】
このように、開閉器では、電路を開閉(固定接点と可動接点とを接触又は離間)させるために、操作ハンドルにおける回動方向への動きをセパレータにおける固定接点と可動接点とが開閉する方向(上下方向)への移動に変換させる必要がある。比較例に係る開閉器100では、各ピン138及びトリップアーム146、並びにこれらの部材を支持する部材及び部位(例えばピン接続部137及び連結回転軸147)等、操作ハンドル132の動きの変換に必要な部材及び部位の数が、本実施形態の開閉器1に比べて多い。一方で、
図4及び
図5に示されるように、本実施形態の開閉器1は、操作部30の当接部35が直接セパレータ41の受動部42に当接するため、部材の数を少なくした上で、操作ハンドル32における回動方向への動きをセパレータ41における固定接点11と可動接点12とが開閉する方向(上下方向)への移動に容易に変換することができる。このため、本実施形態の開閉器1は、比較例に係る開閉器100に比べて、コストの上昇を抑え、各部材を設置する工数及びメンテナンスに係る工数を小さくすることができる。
【0073】
また、比較例に係る開閉器100のように操作ハンドル132の動きを変換する上で介在する部材の数が多いと、接点の開閉に係る動きが複雑となるため、例えば、接続する部材の干渉を踏まえて各部材に適切なクリアランスを設定する必要がある。一方で、本実施形態の開閉器1のように操作ハンドル32の動きを変換する上で介在する部材の数が少ないと、例えばクリアランスを設定する必要のある部材の数が少なくなる。このため、本実施形態の開閉器1は、比較例に係る開閉器100に比べて、操作ハンドルの動きに対するセパレータの移動量のばらつきを低減させることができる。
【0074】
以上のように、本実施形態の開閉器1は、当接部35を有する操作部30と、セパレータ41を有する移動部40とを備える。セパレータ41は当接部35と当接し、セパレータ41の全体が固定接点11a,11bと可動接点12とが接触又は離間する上下方向(第1方向の一例)に沿って移動する。よって、操作部30の回動によってセパレータ41が移動することで、可動接点12a,12bを第1方向に沿って移動させて電路の開閉を適切に切り替えることができる。ここで、操作部30が回動して直接セパレータ41に当接するため、操作部30の操作ハンドル32の回動による力が、他の部材を介在させずにセパレータ41の上下方向に沿って移動する力に変換され、電路が開閉される。よって、この開閉器1は、単純な機構で電路を開閉できる。また、例えば、操作部30とセパレータ41との間に部材を設ける必要がないため、当該部材に対するクリアランスの設定が必要なくなり、各開閉器1における操作部30の動きに対するセパレータ41の移動量のばらつきを低減させることができる。
【0075】
また、移動部40は、可動接点12a,12bが設けられ、セパレータ41と当接して移動する可動接触子45a,45bを有し、上下方向に沿ってセパレータ41の全体が移動することで、可動接触子45a,45bと当接し、可動接触子45a,45bを上下方向に沿って移動させて電路の開閉を切り替える。この場合、操作部30の当接部35が当接して上下方向に沿って移動するセパレータ41が、可動接触子45a,45bとそれぞれ当接して可動接触子45a,45bを上下方向に沿って移動させる。操作部30から可動接触子45a,45bまで伝達する力はセパレータ41を介して伝達されるので、操作部30からセパレータ41を含む移動部40内の可動接触子45a,45bまで単純な機構で力が伝達される。したがって、この開閉器1は、操作部30の力を適切に可動接触子45a,45bまで伝達させることができるため、各開閉器1における操作部30の動きに対する可動接触子45a,45bの移動量のばらつきを低減させることができる。
【0076】
また、セパレータ41は、当接部35が当接する受動部42を有し、受動部42には、当接部35が当接可能であって、上下方向に直交する平面に対して傾斜している傾斜面42aが形成されている。この場合、当接部35がセパレータ41における受動部42の傾斜面42aに当接することで、操作部30の回動の力をより円滑にセパレータ41に伝達させることができる。よって、この開閉器1は、単純な機構でより円滑に電路を開閉できる。ここで、当接部が当接するセパレータの上端面がすべて水平方向に沿った面である場合には、操作ハンドルの回転度合いがセパレータの上下方向に沿った移動量に直結するため各部材の製造誤差などのばらつきの影響を大きく受けてしまう。すなわち、セパレータの上端面がすべて水平面である場合、操作ハンドルの大きな回転度合いを水平面を介してセパレータの上下移動に変換する必要がある。そのためには、当接部の形状や位置などを精度よく調整する必要があり、各部材の製造精度などのばらつきの影響が大きくなる。一方で、傾斜面42aがセパレータ41に形成されることで、当接部35とセパレータ41の上面(傾斜面42a)との接触範囲のストロークが水平面の場合より長くなる。このように接触範囲のストロークを長くすることで、操作ハンドル32の回転度合いをセパレータ41の上下方向に沿った移動量に変換するための各部材の誤差を吸収することができるため、各部材の製造誤差などのばらつきの影響を低減させることができる。
【0077】
また、受動部42には、当接部35が当接可能であって、傾斜面42aに接続し、傾斜面42aとは異なる傾斜の係止面42bが形成され、当接部35が係止面42bに当接することで、セパレータ41の全体の上下方向に沿った移動が制限される。この場合、係止面42bに当接部35が当接することで、セパレータ41の上下方向に沿った移動が制限されるため、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bに対して所定の位置より近接又は離間することを抑制できる。よって、この開閉器1は、単純な機構で電路を適切に開閉することができる。
【0078】
また、操作部30は、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bに接触するときに支持部20の一部に当接して操作部30の一方への回転(矢印R1方向への回転)を制限する回り止め部36を有している。この場合、回り止め部36が支持部20の一部に当接することで、可動接点12a,12bが固定接点11a,11bに接触した後に固定接点11a,11bと可動接点12a,12bとの間の距離が変動することを抑制できる。よって、この開閉器1は、単純な機構で電路を適切に開閉することができる。
【0079】
また、当接部35は、操作部30の回転方向に平行な面(X方向及び上下方向に延在する面)において、セパレータ41に向かって湾曲して突出している。この場合、操作部30の回転にしたがって、湾曲して突出している当接部35の湾曲部35aがセパレータ41に当接することになる。当接部35の湾曲部35aが湾曲していることで、この開閉器1は、操作部30の回転の力を円滑にセパレータ41に伝達させることができるため、電路を円滑に開閉することができる。また、当接部35が湾曲していることで、当接部35の摩耗を最小限に抑え、セパレータ41から得られる反力を略一定に保つことができる。
【0080】
また、開閉器1は、直流電路である電路に設けられている。この開閉器1は、単純な機構で直流電路を適切に開閉することができる。
【0081】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、本開示は、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、開閉器1の他に、電源及び負荷装置の少なくとも1つを備える開閉器システムを一体的に形成してもよい。
【0082】
例えば、開閉器1において、接点部10、電源側端子80及び負荷側端子90の数は限定されない。開閉器1は、1又は3以上の電源側端子80を有していてもよく、1又は3以上の負荷側端子90を有していてもよい。この場合、接点部10における固定接点11及び可動接点12の数も限定されない。また、上述の実施形態は固定接点11が可動接点12の下方にある形態を説明したが、固定接点11と可動接点12との位置は限定されない。固定接点11が移動する態様であってもよい。
【0083】
例えば、移動部40は、可動接触子45を有さなくてもよい。この場合、例えば、セパレータ41の押圧部44a,44bの下端部に可動接点12a,12bが設けられもよい。セパレータ41が直接、固定接点11a,11bに対して近接又は離間することで、固定接点11a,11bと可動接点12a,12bを接触、近接又は離間させてもよい。
【0084】
例えば、セパレータ41の受動部42には傾斜面42aが形成されてなくてもよい。この場合、例えば、セパレータ41の受動部42の上端部は、水平方向に沿った面が設けられていてもよい。また、固定接点11に可動接点12が接触可能及び離間可能であれば、傾斜面42aは、例えば、X方向の前面側に向かって下方に傾斜している平面であってもよい。
【0085】
例えば、セパレータ41の受動部42に形成されている係止面42bは、傾斜面42aと同一の傾斜であってもよい。また、本実施形態の係止面42bは、水平方向に沿った面であったが、X方向の前面側に向かって下方に傾斜している平面であってもよく、X方向の前面側に向かって上方に傾斜している平面であってもよい。この場合も、係止面42bは傾斜面42aと同一の傾斜であってもよく、異なる傾斜であってもよい。また、当接部35が係止面42bに当接することで、セパレータ41の全体の上下方向(第1方向)に沿った移動が制限されなくてもよい。この場合、当接部35が係止面42bに達した後もセパレータ41の全体が上下方向に移動していてもよく、当接部35が係止面42bの所定の位置に達したときにセパレータ41の全体の上下方向に沿った移動が制限されてもよい。
【0086】
例えば、操作部30は、回り止め部36を有さなくてもよい。この場合、例えば、支持部20は、支持部材22a,22bとの間に固定されて設けられ、当接部35のX方向の前面側の部位と当接可能な部材を有していてもよい。当該部材は、例えば、当接部35の湾曲部35aが係止面42bに当接したときに、当接部35のX方向の前面側に位置する部位が当接する。これによって、操作部30が回り止め部36を設けない場合であっても、当該部材によって操作ハンドル32の回転を抑制することができる。
【0087】
例えば、当接部35は、操作ハンドル32の回転方向に平行な面において、セパレータ41に向かって湾曲して突出していなくてもよい。この場合、例えば、当接部35は、操作ハンドル32の回転方向に平行な面において、セパレータ41に向かって尖っている形状であってもよく、多角形状であってもよい。また、例えば、開閉器1が設けられる電路は、直流電路でなくてもよく、交流電路であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…開閉器、10,10a,10b…接点部、11,11a,11b…固定接点、12,12a,12b…可動接点、20…支持部、22a,22b…支持部材、24a,24b…軸受部、25a,25b…回転係止部、30…操作部、31…回転軸、32…操作ハンドル、34…把持部、35…当接部、35a…湾曲部、36…回り止め部、40…移動部、41…セパレータ、42a…傾斜面、42b…係止面、45,45a,45b…可動接触子、80,80a,80b…電源側端子、90,90a,90b…負荷側端子。