(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108846
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】遊技機管理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 352F
A63F7/02 352N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010114
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】牧 悠平
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA90
2C088BB06
2C088BB07
2C088BB14
2C088BB33
2C088BB41
2C088BC67
2C088CA02
2C088CA08
2C088CA11
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】遊技客の生体情報を用いることなく、遊技客の遊技カードの不正使用の可能性を判定できるようにする。
【解決手段】管理装置3の記憶部31には、台間機2に対する遊技カードの挿入から排出までの操作履歴と不正使用の可能性との相関関係を表す不正使用可能性判定情報315が予め記憶されている。例えば、カード挿入、入金、貸玉、払出を行い、その後、所定の時間経過する前にカードが排出された場合、遊技カードが不正に使用された可能性があると判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客による台間機の操作に応じて当該台間機で生成される台間機動作情報を取得する台間機動作情報取得手段と、
前記台間機動作情報と遊技カードの不正使用の可能性との対応関係を表す予め作成された不正使用可能性判定情報を記憶する不正使用可能性判定情報記憶手段と、
台間機で生成され、前記台間機動作情報取得手段により取得された台間機動作情報と前記不正使用可能性判定情報とに基づき、当該台間機から排出された遊技カードの不正使用の可能性を判定する不正使用可能性判定手段と、
を有する遊技機管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載された遊技機管理装置において、
前記不正使用可能性判定手段は、台間機から排出された遊技カードによる精算が精算機で実行されるときに不正使用の可能性を判定する、遊技機管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された遊技機管理装置において、
前記不正使用可能性判定情報は、台間機に対する操作が通常の遊技時の操作と異なることに基づくものである、遊技機管理装置。
【請求項4】
請求項3に記載された遊技機管理装置において、
遊技客毎の過去の遊技履歴情報を遊技客情報に紐付けて記憶する遊技履歴情報記憶手段を有し、前記不正使用可能性判定情報は、台間機から排出された遊技カードにより識別される遊技客の遊技履歴情報に基づいて判定する、遊技機管理装置。
【請求項5】
請求項2に記載された遊技機管理装置において、
前記台間機から排出された遊技カードに不正使用の可能性があると判定されたとき、前記精算機に通知すること及び/又は前記精算機に使用制限させることを実行する制御手段を有する、遊技機管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機管理装置に関し、より詳しくは、遊技客の遊技カードの不正使用の可能性を判定する機能を有する遊技機管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店には、パチンコ玉等の遊技媒体を貸し出す台間機が遊技機に併設されることが多い。遊技客は、この台間機に遊技カードを挿入し、貨幣を投入することで貨幣分のプリペイド価値を記憶させ、玉貸しボタンを操作することでプリペイド価値の一部に相当する遊技媒体の貸し出しを受けることができる(例えば特許文献1)。台間機による遊技媒体の貸出状況と、併設された遊技機による遊技の結果とは管理サーバにより対応付けて管理されている。
【0003】
遊技カードには、来店時のみに使用可能な無記名の一般カードと、来店する遊技客を会員として登録して管理するための会員カードがある。会員カードは、会員となった遊技客を識別するためにID情報(会員番号)が付加された磁気カードやICカードなどからなる。
【0004】
会員となった遊技客には、遊技状態の発生回数など遊技情報の提供やドリンクサービスなどを提供し、遊技客の確保を狙っている。さらに、それらのサービスに加え、遊技客が獲得した遊技媒体を景品交換せずに、一旦遊技店側に預けて貯遊技媒体とし、後で貯遊技媒体を引き出して再プレイを行うことを可能にしたり、預けた貯遊技媒体をまとめて景品交換したりすることを可能にする貯遊技媒体機能を有する管理システムを採用する遊技店が増加してきている。
【0005】
しかし、この管理システムを実現するにあたり、磁気カードやICカード等の認識媒体を用いる仕組みでは、カードの紛失や盗難により、不正に使用されるおそれがある。
【0006】
また、この問題を解決可能な技術として、会員カードに替えて、個人の生体情報を用いて本人を識別する機能を備えた遊技媒体貸出システムがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011-131037号公報
【特許文献2】特開2004-81461号公報(段落[0110])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、個人の生体情報を用いて本人を識別する機能を備えた遊技媒体貸出システムでは、生体情報の登録・認証手段が必要である。また、事前に生体情報を利用することの同意を得ることも必要である。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、遊技客の生体情報を用いることなく、遊技客の遊技カードの不正使用の可能性を判定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、遊技客による台間機の操作に応じて当該台間機で生成される台間機動作情報を取得する台間機動作情報取得手段と、前記台間機動作情報と遊技カードの不正使用の可能性との対応関係を表す予め作成された不正使用可能性判定情報を記憶する不正使用可能性判定情報記憶手段と、台間機で生成され、前記台間機動作情報取得手段により取得された台間機動作情報と前記不正使用可能性判定情報とに基づき、当該台間機から排出された遊技カードの不正使用の可能性を判定する不正使用可能性判定手段と、を有する遊技機管理装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技客の生体情報を用いることなく、遊技客の遊技カードの不正使用の可能性を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る遊技機管理装置を含む遊技システムのシステム構成を示す図である。
【
図4】管理装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】遊技システムの通常動作の例を示すフローチャートである。
【
図6】第1の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7】第2の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【
図8】第3の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【
図9】第4の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
〈遊技システムの構成及び概略動作〉
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機管理装置を含む遊技システムの構成を示す図である。
【0014】
この遊技システム100は、n台(ここではnは3以上の整数)の遊技機1-1,1-2,・・・,1-n、n台の台間機2-1,2-2,・・・,2-n、管理装置3、精算機4、及びLANなどの内部ネットワークNWを備えている。管理装置3が本発明の実施形態に係る遊技機管理装置である。
【0015】
遊技機1-1,1-2,・・・,1-nは、例えばパチンコ台やスロットマシンである。台間機2-1,2-2,・・・,2-nは、それぞれ遊技機1-1,1-2,・・・,1-nに隣接して併設され、遊技客が遊技機1-1,1-2,・・・,1-nにおいて遊技をする際に遊技機1-1,1-2,・・・,1-nを監視する装置である。以下、遊技機1-1,1-2,・・・,1-nを区別しない場合は遊技機1と言い、台間機2-1,2-2,・・・,2-nを区別しない場合は台間機2と言う。また、遊技機を遊技台と言うこともある。また、以下の説明では、便宜上、遊技機1をパチンコ台として説明する。
【0016】
管理装置3は、台間機2及び精算機4との間でデータ通信可能なサーバであり、会員情報、遊技情報、遊技機情報、遊技履歴情報等を管理する。精算機4は遊技客が遊技玉に交換せずに余った金額(残額)を精算し、紙幣の払い出し等を受けるための装置である。
【0017】
遊技機1と台間機2とは、互いの接続部を介して接続されており、それらの接続部を介してデータ通信が可能である。また、台間機2と管理装置3とは内部ネットワークNWを介してデータ通信が可能である。
【0018】
遊技機1は、台間機2に対して、内部に記憶されている遊技機1の機種情報を送信する。また、遊技機1は、遊技客の遊技に伴い生成される遊技機1の動作を表す遊技情報、例えば、役物動作、回転数(入賞口に入った数)、当り(大当り/小当り/なし等)を表す情報を台間機2へ送信する。
【0019】
台間機2は、遊技客が所持する遊技カード(会員カード又は一般カード)が挿入されると、内部に記憶されている台間機2の識別情報としての台番号、遊技機1から受信した機種情報、及び遊技カードから読み取ったカード番号を管理装置3へ送信する。
【0020】
また、台間機2は、遊技者による各種操作、例えばカード挿入、カード排出、入金、貸玉、払出を表す台間機動作情報を生成して管理装置3へ送信する。また、台間機2は、遊技機1から受信した遊技情報を管理装置3へ送信する。
【0021】
また、台間機2は、入金の受付、遊技玉の貸出を行う。台間機2は、遊技客が紙幣を挿入すると、この紙幣の金額を含む入金通知データを管理装置3へ送信し、管理装置3が管理するプリペイド価値に金額に応じた数を加算させる。そして、遊技客により玉貸操作がなされると、玉貸要求を管理装置3へ送信し、管理装置3が管理するプリペイド価値を減算させて、減算されたプリペイド価値に対応する数の遊技玉の払出処理を行う。
【0022】
また、台間機2は、管理装置3からプリペイド価値、持玉数、貯玉数を含むデータを受信すると、受信したプリペイド価値、持玉数、貯玉数を記憶する。そして、持玉数を記憶すると、台間機2は、管理装置3へ持玉減算要求データを送信することで、管理装置3が管理する持玉数をゼロにクリアする。
【0023】
管理装置3は、台間機2から、遊技機1の遊技情報、台間機2の台番号、台間機2に挿入/排出される遊技カードのカード番号、挿入/排出情報を受信する。そして、台間機2から送信された遊技機1の遊技情報及び遊技客のカード番号を台番号に紐付けて保存する。また、会員の遊技履歴情報として、所定期間(1日、1週間、1カ月等)毎の来店日時、遊技時間、来店回数、投資額などを保存する。
【0024】
また、管理装置3は、台間機2から通知されたカード番号と台間機2の台番号とを関連付けて管理し、そのカード番号に紐付けられたプリペイド価値及び持玉数を台間機2へ送信する。また、カード挿入通知データに示されたカード番号が会員カード番号である場合には、管理装置3は、後述する遊技履歴情報313(
図4)に含まれる貯玉再遊技データを台間機2へ送信する。
【0025】
また、管理装置3は、台間機2から持玉減算要求データを受信した場合には、持玉数をゼロクリアする。また、管理装置3は、台間機2から持玉加算要求データを受信した場合には、持玉加算要求データに含まれる持玉数を管理装置3が管理する持玉数に加算する。
【0026】
また、管理装置3は、台間機2から玉貸要求データを受信すると、カード番号に関連付けられたプリペイド価値を所定値減算し、玉貸許可データを台間機2へ送信する。そして、貯玉再プレイ要求データを受信すると、貯玉再プレイデータを台間機2へ送信する。
【0027】
精算機4は、遊技客が遊技玉に交換せずに余った金額(以下、残額)が紐付けられたカードが挿入されると、このカードのカード番号を管理装置3へ送信し、その応答データを受信することにより、カードに関連付けられた残額を取得し、取得した残額に応じて貨幣を払い出すことで精算を行う。
【0028】
以上は、遊技システム100の一般的な動作である。遊技システム100は、これらの動作に加えてカードの不正使用可能性判定処理を実行する。端的にはこの処理は管理装置3がカードの不正使用の可能性があると判定したとき、精算機4に通知したり、精算機4に使用制限をさせたり、台間機2に通知したりすることである。詳細については後述する。
【0029】
〈遊技機の内部構成〉
図2は遊技機の内部構成を示すブロック図である。
遊技機1は、制御部10と、それぞれ制御部10に接続された操作部11、玉処理部12、演出部13、記憶部14、スピーカ部15、セグメント表示部16、及び台間機接続部17を備えている。
【0030】
制御部10は、記憶部14に記憶されたプログラムを処理することにより、各部の動作を制御し、遊技機1を動作させるプロセッサ(CPU)である。操作部11は、ハンドル、ボタン、レバーなどによって構成されており、遊技客によって操作される。玉処理部12は遊技球の入出を処理する。演出部13は、遊技機1の遊技盤、台枠、液晶画面や操作部11に設けられており、音声、振動、役物の動作、液晶画面の表示などの演出を行う。
【0031】
記憶部14は、ROM、RAMなどからなり、演出プログラム、遊技機1の識別情報としての機種情報、制御部10による抽選結果の経過などが記憶される。スピーカ部15は、演出の一環として音声を発生する。セグメント表示部16は、LEDによって構成されており、制御部10によって行われる大当りなどの抽選結果を表示する。台間機接続部17は、台間機2との接続のためのインタフェースである。
【0032】
〈台間機の内部構成〉
図3は台間機の内部構成を示すブロック図である。
図示のように、台間機2は、制御部20、それぞれ制御部20に接続された記憶部21、通信部22、遊技機接続部23、操作部24、表示部25、及びカード挿入部26を有する。
【0033】
制御部20は、記憶部21に記憶されたプログラムを処理することにより、通信制御部201、遊技制御部202、操作制御部203、表示制御部204及びカード制御部205として機能する。
【0034】
記憶部21は、ROM、RAMなどからなり、制御部20により処理される各種プログラムやデータが記憶される。通信部22は、管理装置3との間で情報を送受信するための通信インタフェースであり、例えばLANコントローラを含む。遊技機接続部23は、遊技機1と連動するためのインタフェースを含んでいる。
【0035】
操作部24は、遊技客が操作を行うためのデバイスとして、例えば操作ボタンを有する。操作部24は、表示部25に重ねて設けられたタッチパネルを有してもよい。表示部25は、例えば液晶ディスプレイであり、遊技客に通知する各種の情報を表示する。カード挿入部26は、挿入されたカードを処理する。
【0036】
通信制御部201は、通信部22を介して管理装置3との間でデータ通信を行う。遊技制御部202は、遊技機接続部23を介して、遊技機1との間でデータ通信を行うことで遊技機1を監視する。
【0037】
操作制御部203は、操作部24において行われた操作内容を示す情報を操作部24から取得し、取得した情報に基づいて、操作内容に関連する制御部20の各部に操作内容を通知する。表示制御部204は、表示部25に各種の情報を表示させる。
【0038】
カード制御部205は、カード挿入部26に挿入された遊技カードから情報を読み出したり、遊技カードに情報を書き込んだりする。
【0039】
〈管理装置の内部構成〉
図4は管理装置の内部構成を示すブロック図である。
図示のように、管理装置3は、制御部30と、それぞれ制御部30に接続された記憶部31、操作部32、表示部33、及び通信部34を有する。
【0040】
制御部30は、例えばCPUであり、記憶部31に記憶されたプログラムを実行することにより、管理装置3全体を制御する。本実施形態では、制御部30は台間機動作情報取得手段、不正使用可能性判定手段、制御手段としても機能する。これらの手段の詳細については
図6~
図9を参照して後述する。
【0041】
記憶部31は、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶媒体である。そして、ROMには管理装置3を動作させるために必要な制御プログラムや固定データなどが記憶されている。また、RAMには制御部30が実行中のプログラムや、それらの実行に必要なデータなどが記憶される。また、ハードディスクには大容量の情報が記憶される。ここでは、記憶される情報として、会員情報311、遊技情報312、遊技履歴情報313、台間機動作情報314、及び不正使用可能性判定情報315を図示した。これらの情報の内容については後述する。
【0042】
操作部32は、例えばキーボード及びマウスのように、管理者(遊技店の店員等)の操作を受け付けるデバイスである。表示部33は、操作部32から入力された情報や台間機2から取得した情報等を表示するディスプレイである。
【0043】
通信部34は、内部ネットワークNWを介して台間機2及び精算機4との間でデータを送受信するための通信インタフェースである。
【0044】
ここで、記憶部31に記憶される情報について説明する。
会員情報311は、遊技店の会員となった利用者の個人情報(氏名、年齢、連絡先等)を会員カード番号に紐付けた情報である。
【0045】
遊技情報312は、来店中の遊技客が利用中の遊技機1の動作を表す遊技情報(例えば、役物動作、回転数、当り)に加えて、来店時刻、遊技開始時刻、機種、投資額などの情報を遊技カード番号に紐付けた情報である。遊技を終了し、精算、退店をした後には、遊技終了時刻、精算時刻、退店時刻なども遊技情報312として記憶部31に記憶される。
【0046】
遊技履歴情報313は、所定期間(1日、1週間、1カ月等)毎の遊技情報の履歴を会員カード番号に紐付けた情報である。
【0047】
台間機動作情報314は、遊技客が台間機2に対して実行した各種操作、すなわちカード挿入操作、入金操作、貸玉操作、払出操作、カード排出操作に応じて台間機2が生成した台間機2の動作(カード受取、現金受取、貸玉数記憶、払出、カード排出)を表す情報を台番号、時刻情報、及び遊技カード番号に紐付けた情報である。
【0048】
不正使用可能性判定情報315は、台間機2に対する遊技カードの挿入から排出までの操作と不正使用の可能性との対応関係、換言すれば、遊技カードの挿入から排出までの操作に応じて台間機2で生成される台間機動作情報と遊技カードの不正使用の可能性との対応関係を表す予め作成された情報である。
【0049】
下記の表1に不正使用可能性判定情報を示す。なお、この表における情報番号1~6の情報は遊技客の行動が「精算」を含む。すなわち、精算時に不正使用可能性を判定するための情報であるが、情報番号1~5の情報については「精算」を除くことでカード排出時に不正使用可能性を判定するための情報とすることができる。
【0050】
【0051】
不正使用可能性判定情報は、情報番号、遊技客の行動、不正使用可能性(高、中、低)からなる。以下、順番に説明する。なお、以後、情報番号k(k=1~8)の情報を「情報k」と言う。
【0052】
情報1:入金と貸玉との間にカードが盗まれる場合を想定している。しかし、遊技する意思があった遊技客が、急用により遊技をやめて帰る可能性もある。したがって、不正使用の可能性は低い。
情報2:通常、試し打ちする遊技客でも、払い出された玉を使い切るか、又は貯玉する。この情報における「遊技客の行動」は通常の行動と異なるので、不正使用の可能性が高い。
情報3:通常、遊技客は持玉を使い切る前又は貯玉する前に遊技をやめる。この情報における「遊技客の行動」は通常の行動と異なるが、遊技客のプレイスタイルによってはあり得るので、不正使用の可能性は情報2の場合より低い「中」とした。
情報4:大当り中等のカードへの貯玉中にカードを排出するので、不正の可能性が高いことは明らかである。
情報5:再度遊技する意思があったが、すぐにカード排出。情報3と同様に遊技客のプレイスタイルによってはあり得るので、不正の可能性は中。
情報6:店舗出入口又はカウンタ動線上でない場所で精算。ただし、遊技しようとして店内を移動し、遊技せずに精算する場合もあるので、不正の可能性を低くした。
情報7:不正の可能性が高いことは明らか。
情報8:不正の可能性は低又は中又は高。
【0053】
これらの情報は、可能性が低の場合1点、中の場合2点、高の場合3点とし、精算時に点数に応じて下記の処理を行う。
1点の場合:管理装置3から店員への通知など。
2点の場合:精算機4におけるカード排出時間の遅延、店員への通知、遊客者、精算者への警告など。
3点の場合:精算機4における疑似的なエラー表示、店員呼び出し、精算不可など。
【0054】
また、遊技履歴情報313により、来店毎に同様の行動を繰り返している場合は、特定の動作については点数を下げてもよい。また、入金、貯玉、貸玉、利用時間、精算場所等が遊技客の特徴(遊技履歴情報313に記憶されている)から逸脱している場合、可能性の程度を遊技客に合わせて調整してもよい。また、店舗スタッフ数が多い時間帯は点数を下げ、少ない時間帯は点数を上げてもよい。
図9の説明の後にさらに説明する。
【0055】
〈遊技システムの動作〉
次に、遊技システムの動作について、通常の動作の例、不正使用可能性判定処理の第1の例、第2の例、第3の例、第4の例について説明する。
【0056】
《通常の動作》
図5は、遊技システム通常の動作の例を示すフローチャートである。このフローは管理装置3の制御部30が実行する処理である。
【0057】
この処理について説明する前に遊技のスタートのパターンについて説明する。遊技のスタートには下記の3つのパターンがある。
第1のパターンは遊技客が一般カードを所持している場合のパターンである。遊技客が価値ありカード(貯玉もしくは入金がある状態)を所持しているため、そのままスタートする。
第2のパターンは遊技客が会員カードを所持している場合のパターンである。この場合もそのままスタートする。ただし貯玉や入金が不足している場合は入金が必要である。
第3のパターンは遊技客がカードを所持していない場合のパターンである。遊技客が入金することで、台間機2にストックされている一般カードに入金され、価値ありカードとなる。その後は第1のパターンと同様の動きとなる。
【0058】
遊技客が台間機2のカード挿入部26に会員カードを挿入すると、台間機2は台間機動作情報としてカード挿入情報を管理装置3へ送信し、管理装置3はカード挿入情報を受信する(ステップS1)。なお、遊技客が台間機2にストックされている一般カードを使用する場合、後述するステップS2が最初のステップとなる。
【0059】
次に、遊技客が台間機2に対して入金、貸玉操作、払出操作を行う度に、台間機2から台間機動作情報として、入金情報、貸玉情報、払出情報が順次に管理装置3へ送信され、管理装置3は、それらの情報を順次に受信する(ステップS2、S3、S4)。
【0060】
次いで、遊技客が遊技機1で遊技を行うと、遊技機1で生成された遊技情報が、遊技機1に併設された台間機2を通して管理装置3へ送信され、管理装置3は遊技情報を受信する(ステップS5)。
【0061】
その後、遊技客が遊技を終えて、台間機2に対して貯玉操作、カード排出操作を順次に行うと、台間機2は台間機動作情報として、貯玉情報、カード排出情報を管理装置3へ順次に送信し、管理装置3はカード排出情報を順次に受信する(ステップS6、S7)。ここで、「貯玉」とは貸玉を計数して貯玉としてカードに書き込む処理であり、会員カード、一般カードともに貯玉は可能である。ただし、「カード排出」については、一般カードは価値ありカードのみが排出され、価値なしカードは台間機2にストックされる。
【0062】
そして、遊技客が精算機4へカードを挿入すると、精算機4はカード番号を含むカード挿入通知を管理装置3へ送信する。管理装置3は、不正使用可能性判定情報315に基づき、カードの不正使用の可能性を判定し、不正使用の可能性がなければ、精算機4に対して精算可を通知することで正規に精算させ(ステップS8)、終了する。
【0063】
《第1の不正使用可能性判定処理》
図6は、第1の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。この図において、ステップS11からS14までは
図5におけるステップS1からS4までと同じである。
【0064】
次のステップS15でカードが排出されているので、制御部30は遊技中か否かを判定する(ステップS16)。そして、遊技中と判定した場合は(ステップS16:YES)、ステップS19へ移行し、遊技中でないと判定した場合は(ステップS16:NO)、ステップS17へ移行する。
【0065】
ステップS17では、払出(ステップS14)からカード排出(ステップS15)までの時間を判定する。そして、所定の閾値T1秒以上と判定した場合は(ステップS17:T1秒以上)、精算機4に正規に精算させ(ステップS18)、終了する。すなわち、この場合、不正使用可能性判定情報315の情報1~8のどれにも該当しない。
【0066】
閾値T1秒未満と判定した場合は(ステップS17:T1秒未満)、ステップS16で遊技中と判定した場合と同様にステップS19へ移行する。ステップS19では、「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。すなわち、精算時に通知又は使用制限の少なくとも一方を実行する。「精算時に通知及び/又は使用制限」の内容は後述する第2~第4の不正使用可能性判定処理と基本的に同じであるため、第4の不正使用可能性判定処理の説明の後に説明する。
【0067】
まずステップS16で遊技中と判定された場合にステップS19へ移行する理由を説明する。払い出された遊技玉で遊技している場合、通常、カード排出を行わない。しかし、ステップS16で遊技中と判定された場合、通常の行動と異なるため、不正があった可能性が高い。そのためステップS19へ移行する。
【0068】
次に、ステップS17で閾値T1秒未満と判定した場合にステップS19へ移行する理由を説明する。この図に示されているフローでは、
図5に示されている処理と異なり、貯玉せずにカードを排出していることから、払い出された遊技玉を全て使用したことになるので、通常1分100玉を超える時間となる。したがって、ステップS17で閾値T1秒(例えば30秒)未満と判定した場合、通常の行動ではなく、不正があった可能性が高い。そのためステップS19へ移行する。これは不正使用可能性判定情報315の情報2に該当する。なお、例示した閾値T1秒(例えば30秒)は1分間に100玉発射する遊技機で払い出された遊技玉の数が50発の場合の閾値であり、閾値T1秒は払い出された遊技玉の数に応じて可変である。
【0069】
なお、この図において、ステップS17とS18との間に、情報6、7、8に該当するか否かを判定するステップを順次に挿入し、それらの各ステップで肯定判定の場合はステップS19へ移行し、否定判定の場合は順次に後続するステップへ移行するように構成してもよい。すなわち、後述する
図7におけるステップS25、S26、S27を実行するように構成してもよい。
【0070】
《第2の不正使用可能性判定処理》
図7は、第2の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。この図において、ステップS21、S22は、それぞれ
図6におけるステップS11、S12と同じである。
【0071】
その後、カードが排出されているので(ステップS23)、制御部30は入金後の時間、すなわちステップS22の実行からの経過時間を判定する(ステップS24)。そして、閾値T2秒未満と判定した場合は(ステップS24:T2秒未満)、ステップS29へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。ここで、T2秒は、入金後、他の動作を行わずに排出したと想定される範囲内の任意の時間とする。
【0072】
ステップS24で閾値T2秒未満と判定した場合に、ステップS29へ移行する理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報1に該当するからである。この場合、台間機2にカード挿入(ステップS21)、入金(ステップS22)が行われ、貸玉が行われる前にカードが排出されている(ステップS23)。つまり、遊技客は遊技する意思があったが、すぐにカードを排出しているので、急用で遊技をしなかった可能性があるため、不正使用の可能性は低い。
【0073】
ステップS24で閾値T2秒以上と判定した場合(ステップS24:T2秒以上)、特定の精算機を利用しているか否かを判定する(ステップS25)。ここで、特定の精算機とは、店舗出入口又はカウンタ動線上でない場所に設置されている精算機である。そして、利用していると判定した場合(ステップS25:YES)、ステップS29へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。ステップS29へ移行する理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報6に該当するからである。
【0074】
ステップS25で否定判定の場合(ステップS25:NO)、遊技客からの通知・通報等があるか否かを判定する(ステップS26)。そして、肯定判定の場合(ステップS26:YES)、ステップS29へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。ステップS29へ移行する理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報7に該当するからである。
【0075】
ステップS26で否定判定の場合(ステップS26:NO)、遊技履歴情報313に記憶されている遊技客の行動と異なる行動か否かを判定する(ステップS27)。そして、肯定判定の場合(ステップS27:YES)、ステップS29へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。ステップS29へ移行する理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報8に該当するからである。
【0076】
ステップS27で否定判定の場合(ステップS27:NO)、精算機4に正規に精算させ(ステップS28)、終了する。すなわち、この場合、不正使用可能性判定情報315の情報1~8のどれにも該当しない。
【0077】
《第3の不正使用可能性判定処理》
図8は、第3の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【0078】
まず台間機2にカードが挿入され(ステップS31)、入金される(ステップS32)。ステップS32から後述するステップS41まで、遊技中はループ処理となる。
【0079】
次のステップS33ではカードが排出されたか否かを判定する。そして、排出されたと判定した場合(ステップS33:YES)、ループ処理を抜けて最後の入金・貸玉・払出からカード排出までの時間を判定する(ステップS42)。
【0080】
そして、最後の入金(ステップS32)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T3秒未満であった場合(ステップS42:T3秒未満)、又は最後の貸玉(ステップS34)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T4秒未満であった場合(ステップS42:T4秒未満)、又は最後の払出(ステップS36)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T5秒未満であった場合(ステップS42:T5秒未満)、ステップS44へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。その理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報3に該当するからである。すなわち、継続して遊技する意思(入金・貸玉・払出)がある場合、通常、カード排出は短時間で行わないので、短時間で行った場合、不正の可能性(程度:中)がある。
【0081】
また、最後の入金(ステップS32)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T3秒以上であった場合(ステップS42:T3秒以上)、又は最後の貸玉(ステップS34)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T4秒以上であった場合(ステップS42:T4秒以上)、又は最後の払出(ステップS36)からカード排出(ステップS41)までの時間が所定の閾値T5秒以上であった場合(ステップS42:T5秒以上)、通常の行動であり、不正の可能性は無いので、正規に精算し(ステップS43)、終了する。
【0082】
ステップS33で、カードが排出されなかったと判定した場合(ステップS33:NO)、貸玉(ステップS34)の後、カードが排出されたか否かを判定する(ステップS35)。そして、排出されたと判定した場合(ステップS35:YES)、前述したステップS42へ移行する。
【0083】
ステップS35で、カードが排出されなかったと判定した場合(ステップS35:NO)、払出(ステップS36)の後、カードが排出されたか否かを判定する(ステップS37)。そして、排出されたと判定した場合(ステップS37:YES)、前述したステップS42へ移行する。
【0084】
ステップS37で、カードが排出されなかったと判定した場合(ステップS37:NO)、遊技(ステップS38)の後、カードが排出されたか否かを判定する(ステップS39)。そして、排出されたと判定した場合(ステップS39:YES)、前述したステップS42へ移行する。
【0085】
ステップS39で、カードが排出されなかったと判定した場合(ステップS39:NO)、貯玉(ステップS40)の後、カードが排出されたか否かを判定する(ステップS41)。そして、排出されたと判定した場合(ステップS41:YES)、前述したステップS42へ移行する。
【0086】
ステップS41で、カードが排出されなかったと判定した場合(ステップS41:NO)、遊技中はステップS32へ移行し、遊技が終了したら、前述したステップS42へ移行する。
【0087】
なお、この図において、ステップS42とS43との間に、情報6、7、8に該当するか否かを判定するステップを順次に挿入し、それらの各ステップで肯定判定の場合はステップS44へ移行し、否定判定の場合は順次に後続するステップへ移行するように構成してもよい。すなわち、前述した
図7におけるステップS25、S26、S27を実行するように構成してもよい。また、ステップS42において、ループ中の一連の動作時間(ループ処理の開始から終了までの時間)の傾向、もしくは遊技客情報等から設定した閾値を用いる判定を付加してもよい。
【0088】
《第4の不正使用可能性判定処理》
図9は、第4の不正使用可能性判定処理を実行する遊技システムの動作を示すフローチャートである。
【0089】
この図において、ステップS51からS54までは
図5におけるステップS1からS4までと同じである。ただし、この図に示されているフローは離席設定後に遊技を再開する場合の処理である。
【0090】
次のステップS55でカードが排出されているので、制御部30は遊技再開(ステップS51:カード挿入)からカード排出(ステップS55)までの時間を判定する(ステップS56)。そして、その時間がT3秒未満又はT4秒未満又はT5秒未満又はT6秒未満であった場合、(ステップS56:T3秒未満又はT4秒未満又はT5秒未満又はT6秒未満)、ステップS58へ移行して「精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。その理由は、これが不正使用可能性判定情報315の情報3に該当するからである。すなわち、継続して遊技する意思(遊技再開)がある場合、通常、カード排出は短時間で行わないので、短時間で行った場合、不正の可能性(程度:中)がある。
【0091】
ステップS51の後に排出、ステップS52の後に排出、ステップS53の後に排出の場合も同様の処理となる。これは情報1~3と同じ処理となるが、「離席後遊技再開」という加点ポイントが増えることで、情報1~3と同じ処理の場合でもより厳しい制限となる。すなわち、「離席後遊技再開」したのであれば遊技する意思があることになるから、表1に示されているように、情報1に対応する不正使用の可能性は通常「低」であるが、「離席後遊技再開」の場合は「中」とする。情報2、3についても同様である。そのため、閾値としては
図8を参照して説明したT3秒又はT4秒又はT5秒、又はステップS51の後にカード排出の任意の時間T6秒となる(遊技再開のためカードに入金済みの可能性があるため)。もしくは、各フローチャートにおいて、「カード排出までの時間」としている閾値を任意の時間分、加算、減算してもよい。時間を延ばせば、その分通知や制限にかかる可能性が上がる。
【0092】
遊技再開からカード排出までの時間がT3秒以上又はT4秒以上又はT5秒以上又はT6秒以上であった場合、(ステップS56:T3秒以上又はT4秒以上又はT5秒以上又はT6秒以上)、通常の行動であり、不正の可能性は無いので、正規に精算し(ステップS57)、終了する。
【0093】
なお、この図において、ステップS56とS57との間に、情報6、7、8に該当するか否かを判定するステップを順次に挿入し、それらの各ステップで肯定判定の場合はステップS58へ移行し、否定判定の場合は順次に後続するステップへ移行するように構成してもよい。すなわち、前述した
図7におけるステップS25、S26、S27を実行するように構成してもよい。
【0094】
次に
図6のステップS19、
図7のステップS29、
図8のステップS44、及び
図9のステップS58で実行する「精算時に通知及び/又は使用制限」について説明する。
【0095】
ステップS19では、不正使用の可能性があると判定された後の下記(i)又は(ii)又は(iii)の場合に、それぞれの場合に応じて精算時に通知及び/又は使用制限」を実行する。
(i)不正使用の可能性があると判定された台間機2で、判定後に入金、貸玉等が行われた場合。
・遊技客及び精算者に通知(警告)もしくは使用制限又はその両方を行う。
例えば、遊技客のカード排出操作によりカードが排出されているにもかかわらず、貸玉操作や計数(貯玉)操作を行ったことをもってカードが不正に排出されたとして、遊技客及び精算者に通知(警告)もしくは使用制限又はその両方を行う。
【0096】
〈補足〉
・遊技客がカードの盗難に気付いていない可能性、もしくは不正でなかった可能性がある。すなわち、遊技客が正規に精算しようとしており、別の遊技客が遊技をしている可能性があるので、別のカードが入っていれば遊技者には通知しない(精算者には通知する。)。カードが入っていなければ、カードを盗まれたことに気付いていない遊技客が入金、貸玉等を行った可能性があるので、遊技者に通知する(精算者には通知又は使用制限をする)。
・カードを盗んだ人が精算しようとし、かつ別の遊技客が遊技をしている可能性もある。この場合も遊技客が正規に精算しようとしており、上述した別の遊技客が遊技をしている可能性がある場合と同じ対処を実行する。
・遊技客に対する通知(警告)は、台間機動作情報314より特定される台間機2の表示部25に対して実行し、精算者に対する通知(警告)もしくは使用制限は精算機4で実行する。
・通知(警告)もしくは使用制限は、前述した不正使用可能性の程度(低、中、高)に基づいて決定する。
・使用制限には、疑似的なエラー表示、カード排出時間の遅延、精算不可等がある。カードの種類(会員カード/一般カード)により変更してもよい。
【0097】
(ii)不正使用の可能性があると判定された台間機2に併設された遊技機1が一定時間無操作状態となった場合。
・離席設定もしくは店員呼出設定にするとともに、精算者のみに通知もしくは使用制限、又はその両方を実行する。
【0098】
〈補足〉
・遊技客はカードや荷物等が盗まれたことに気付き、離席設定をせずに慌てて席から離れた状態である。そこで、まず管理装置3は、他の人が座れないように離席設定をするか、又は店員呼出状態として盗まれたカードや荷物などを店員に保管させる。
・遊技客は席を離れているので精算者に対してのみ実行する。
・精算者に通知する理由は、遊技客が急用により遊技を途中で止め、精算して退店する可能性があるためである。より詳しくは、遊技機が正常に終了していない状態の可能性があることから、そのまま帰ってしまうと、遊技店側が離席なのか退店なのか判別できないため、それを精算者に確認させる。
【0099】
(iii)遊技客が不正に気付き、遊技機1もしくは携帯端末から店員に通知した場合。
・離席状態もしくは店員呼出状態となり、精算者のみに使用制限を行う。
【0100】
以上詳細に説明したように、本発明の実施形態に係る遊技機管理装置によれば、下記(1)~(4)の効果が得られる。
(1)遊技客の生体情報を用いることなく、その遊技客の遊技カードの不正使用を判定することができるので、生体情報の取得、利用同意、及び管理が不要となる。
(2)遊技客の遊技情報及び利用している台間機の動作情報に基づき、不正使用を判定するため、遊技客は意識せずに不正使用判定処理が実装された遊技システムを利用することができる。
(3)不正使用可能性の程度に応じて、不正使用判定後の対応(通知、使用制限)を変化させることにより、弾力的な対応が可能になる。
(4)通知(警告)、使用制限を精算者が気付かない内容(エラー表示など)にすることで、店員が来るまでの時間稼ぎを行い、不正使用を抑制することができる。
【0101】
なお、以上の説明では、
図5~
図9に示されているステップは管理装置3が実行するものとして説明したが、台間機2が実行するように構成することもできる。
【符号の説明】
【0102】
1…遊技機、2…台間機、3…管理装置、4…精算機、24…操作部、30…制御部、31…記憶部、100…遊技システム、311…会員情報、312…遊技情報、313…遊技履歴情報、314…台間機動作情報、315…不正使用可能性判定情報。