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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108889
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/16 20060101AFI20230731BHJP
   E06B 7/04 20060101ALI20230731BHJP
   E06B 7/14 20060101ALI20230731BHJP
   E06B 3/26 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
E06B7/16 Z
E06B7/04
E06B7/14
E06B3/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010184
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 宏典
(72)【発明者】
【氏名】松村 心互
【テーマコード(参考)】
2E014
2E036
【Fターム(参考)】
2E014AA02
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB03
2E014BB04
2E014BD06
2E036AA01
2E036BA01
2E036CA05
2E036JA03
2E036JC02
2E036KA08
2E036KB05
2E036LA03
2E036MA06
2E036MA07
2E036RC03
2E036TA03
(57)【要約】
【課題】枠ユニットを有した扉体における止水性を向上できる建具を提供すること。
【解決手段】通風ドア1は、扉枠2と、扉枠2内に開閉可能に配置される扉体3とを備える。扉体3は、框体30と、框体30内に配置される通風ユニット40とを備える。框体30の縦框33は、室外見付け面部331、室内見付け面部332、外周見込み面部333および内周見込み面部334を有する。室外見付け面部331および室内見付け面部332は、内周見込み面部334よりも内周側に延出した延出部331A,332Aをそれぞれ有する。通風ユニット40の縦内枠43は、延出部331A,332Aが当接する枠見込み面部45と、室外見付け面部331および室内見付け面部332の間において枠見込み面部45から外周側に延出すると共に室外側から室内側への水の浸入を堰き止める止水片部46とを有する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉枠と、前記扉枠内に開閉可能に配置される扉体とを備え、
前記扉体は、框体と、前記框体内に配置される枠ユニットとを備え、
前記框体は、上框、下框および左右の縦框を備え、
前記枠ユニットは、上内枠、下内枠および左右の縦内枠を備え、
前記縦框は、室外見付け面部、室内見付け面部、外周見込み面部および内周見込み面部を有し、
前記室外見付け面部および前記室内見付け面部は、前記内周見込み面部よりも内周側に延出した延出部をそれぞれ有し、
前記縦内枠は、前記延出部が当接する枠見込み面部と、前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記枠見込み面部から外周側に延出すると共に室外側から室内側への水の浸入を堰き止める止水片部とを有する
ことを特徴とする建具。
【請求項2】
請求項1に記載の建具において、
前記下框の端部は、前記縦框の前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記内周見込み面部まで入り込んで配置され、
前記下框の端部には、排水口が形成され、
前記止水片部は、その下端が前記下框の上面に沿って配置されると共に、前記排水口よりも室内側に配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建具において、
前記止水片部の先端は、前記内周見込み面部に当接して配置され、または、前記内周見込み面部に対して3mm以内の隙間を隔てて配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の建具において、
前記上框、前記下框および前記左右の縦框は、室外側の金属形材および室内側の樹脂形材を有する複合框材でそれぞれ構成され、
前記内周見込み面部を構成する前記金属形材および前記樹脂形材には、互いに係合する係合部が構成され、
前記止水片部の先端は、前記係合部に対して内周側の位置に配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項5】
請求項4に記載の建具において、
前記止水片部の下端の見込み位置は、前記下框における前記樹脂形材よりも室外側に配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の建具において、
前記係合部は、前記金属形材に形成される金属鉤状部と、前記金属鉤状部に対して内周側から係合すると共に前記樹脂形材に形成される樹脂鉤状部とを有し、
前記止水片部は、前記建具の見付け方向において前記樹脂鉤状部に対向して配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の建具において、
前記上框の端部は、前記縦框の前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記内周見込み面部まで入り込んで配置される
ことを特徴とする建具。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の建具において、
前記枠ユニットは、前記上内枠、前記下内枠および前記左右の縦内枠によって構成される開口を開閉可能な障子を備える通風ユニットで構成される
ことを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体内に、上げ下げ窓などの枠ユニットを備えた障子を配置して構成される建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、方形状の開口枠および開口枠内に配置されたドア本体(扉体)を備え、ドア本体は、開口枠に開閉可能に取り付けられた框体としての取付枠と、取付枠内に配置された窓ユニットとを備える建具が知られている(特許文献1参照)。取付枠は、上取付枠、下取付枠および一対の縦取付枠(縦框)を四周枠組みして構成され、取付枠を構成する各枠材は、室外側の金属製押出形材および室内側の樹脂製押出形材を互いに係合してなる複合枠材である。また、窓ユニットは、枠ユニットとしての内枠と、内枠内に配置された障子とを備えている。内枠は、上内枠、下内枠および一対の縦内枠を四周枠組みして構成され、内枠を構成する各枠材は、室外側の金属製押出形材および室内側の樹脂製押出形材を互いに係合して成る複合枠材である。この建具では、縦取付枠を縦内枠に当接接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-202036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の建具では、縦取付枠が縦内枠に当接接合する部分をつたって、室外側から浸入した雨水等の水がさらに室内側へ浸入するおそれがあり、室内外の止水性を向上することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、枠ユニットを有した扉体における止水性を向上できる建具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の建具は、扉枠と、前記扉枠内に開閉可能に配置される扉体とを備え、前記扉体は、框体と、前記框体内に配置される枠ユニットとを備え、前記框体は、上框、下框および左右の縦框を備え、前記枠ユニットは、上内枠、下内枠および左右の縦内枠を備え、前記縦框は、室外見付け面部、室内見付け面部、外周見込み面部および内周見込み面部を有し、前記室外見付け面部および前記室内見付け面部は、前記内周見込み面部よりも内周側に延出した延出部をそれぞれ有し、前記縦内枠は、前記延出部が当接する枠見込み面部と、前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記枠見込み面部から外周側に延出すると共に室外側から室内側への水の浸入を堰き止める止水片部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、枠ユニットを有した扉体における止水性を向上できる建具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る建具を示す外観姿図。
図2】前記実施形態に係る建具を示す縦断面図。
図3】前記実施形態に係る建具を示す横断面図。
図4】前記実施形態に係る建具の下部を示す斜視図。
図5】前記実施形態に係る吊元側要部を示す横断面図。
図6】前記実施形態に係る戸先側要部を示す横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から図3において、本実施形態に係る建具としての通風ドア1は、建物開口(図示省略)を室内外に区画するものであり、建物開口に設置される扉枠2と、扉枠2内に開閉可能に配置される扉体3とを備えている。扉体3は、框体30と、框体30内に配置される枠ユニットとしての通風ユニット40とを備えている。扉枠2および扉体3の間には、ドアクローザおよび丁番24が設けられている。
以下の説明において、通風ドア1の左右方向をX軸方向とし、通風ドア1の上下方向をY軸方向とし、通風ドア1の見込み方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0010】
扉枠2は、扉上枠21、扉下枠22および左右の扉縦枠23を備えており、これらを枠組みして構成されている。吊元側の扉縦枠23は丁番24を介して後述する吊元側の縦框33と連結されており、これにより、扉枠2は、扉体3を室外側に開閉回転可能に支持している。
扉体3の框体30は、上框31、下框32および左右の縦框33を備えており、これらを縦勝ちに框組みして構成されている。なお、上框31、下框32および縦框33のそれぞれの突合せ部分には、図示しないシール材が適宜設けられている。また、縦框33の上下端部には図示しないキャップ部材が装着されている。戸先側の縦框33には、ハンドルや錠などが設けられている。
扉体3の通風ユニット40は、本実施形態では上げ下げ窓として構成されており、縦勝ちに枠組みされた上内枠41、下内枠42および左右の縦内枠43と、上内枠41、下内枠42および左右の縦内枠43によって構成される開口を開閉可能な上障子4および下障子5を備えている。上障子4および下障子5は、Y軸方向に移動可能に配置されており、上障子4および下障子5のそれぞれの上下移動によって前記開口の上半分および下半分を開閉可能となっている。なお、通風ユニット40の室外側部分には、本実施形態では複数の横格子が上下に並んで設けられているが、これに限られない。
【0011】
框体30の上框31、下框32および左右の縦框33は、室外側の金属形材61および室内側の樹脂形材71を有する複合框材でそれぞれ構成されている。各金属形材61は中空部60を有して断面略矩形枠状に構成されており、各樹脂形材71は各金属形材61に対して室内側に配置され当該各金属形材61に係合しており、金属形材61を室内側から覆っている。本実施形態では金属形材61はアルミ製押出形材で形成されており、樹脂形材71は合成樹脂製押出形材で形成されている。
【0012】
上框31および下框32はX軸方向に沿って配置されている。下框32の端部は、縦框33の後述する室外見付け面部331および室内見付け面部332の間において内周見込み面部334までX軸方向に入り込んでそれぞれ配置されている。図4では、下框32の吊元側における端部周辺を示しているが、下框32の戸先側周辺も概略同様に構成されている。下框32のうち左右の縦框33に入り込んで配置される端部における上面321には、図4から図6に示す排水口35が切り欠かれて形成されている。排水口35は縦框33と縦内枠43との間に浸入した雨水等の水を下方に排水する。また、上框31の端部も上記同様に縦框33の室外見付け面部331および室内見付け面部332の間において内周見込み面部334まで入り込んで配置されている。
【0013】
左右の縦框33は、図5および図6に示すように、室外見付け面部331、室内見付け面部332、外周見込み面部333および内周見込み面部334を有している。室外見付け面部331および室内見付け面部332は、内周見込み面部334よりも内周側に延出した延出部331A,332Aをそれぞれ有している。延出部331Aの先端は室内側に折曲されて縦内枠43の後述する枠見込み面部45に当接し且つ係合しており、延出部332Aの先端は室外側に折曲されて縦内枠43の枠見込み面部45に当接している。また、延出部332Aの折曲部分における室外端部は、縦内枠43の後述する止水片部46に当接している。室外見付け面部331は、金属形材61の室外側の金属見付け面部62によって構成されており、室内見付け面部332は、樹脂形材71の樹脂見付け面部72によって構成されており、外周見込み面部333は、金属形材61の外周側の金属見込み面部63によって構成されており、内周見込み面部334は、金属形材61の内周側の金属見込み面部64および樹脂形材71の樹脂見付け面部72から室外側に延出した樹脂見込み面部73によって構成されている。縦框33を構成する金属形材61は、金属鉤状部66,67を有しており、樹脂形材71は、金属鉤状部66,67と係合する樹脂鉤状部76,77を有している。金属鉤状部66,67は、本実施形態では金属形材61の室内側の金属見付け面部65から鉤状に延出して形成されており、樹脂鉤状部76,77は、樹脂形材71の樹脂見付け面部72(室内見付け面部332)から室外側に延出した樹脂見込み面部73の先端に形成されている。樹脂見込み面部73は、本実施形態では四つ形成されており、このうち、最も外周側に配置される樹脂見込み面部73に樹脂鉤状部76が形成されており、最も内周側に配置される樹脂見込み面部73に樹脂鉤状部77が形成されている。樹脂鉤状部76は金属鉤状部66に対して外周側に配置されており、互いに係合することで内周見込み面部334における係合部36を構成している。また、樹脂鉤状部77は金属鉤状部67に対して内周側に配置されており、互いに係合することで係合部36に対して外周側に配置された係合部37を構成している。
【0014】
通風ユニット40の上内枠41、下内枠42および左右の縦内枠43は、金属製の内枠本体81と、内枠本体81に対して室内側から係合した樹脂カバー材82とによってそれぞれ構成されており、樹脂カバー材82は内枠本体81を室内側から覆って配置されている。本実施形態では、内枠本体81はアルミ製押出形材によって形成されており、樹脂カバー材82は合成樹脂製押出形材で形成されている。
【0015】
左右の縦内枠43の内枠本体81は、延出部331A,332Aが当接する枠見込み面部45と、室外見付け面部331および室内見付け面部332の間において枠見込み面部45からX軸方向に沿って外周側に延出すると共に室外側から室内側への水の浸入を堰き止める止水片部46と、枠見込み面部45から内周側に延出した枠室外見付け面部47、枠室内見付け面部48および枠中間見付け面部49とを有している。枠見込み面部45は、止水片部46よりも室外側部分に形成された係合部451を有しており、この係合部451に延出部331Aの先端が係合している。また、枠見込み面部45は、連結ネジ452によって縦框33の金属見込み面部64に連結されている。連結ネジ452が金属見込み面部64に連結する見込み位置は、金属見付け面部の室内端部である。このため、係合部36は連結ネジ452と止水片部46との双方によって補強されることとなり、係合強度が高められている。
【0016】
止水片部46のX軸方向における先端461(先端縁)は、係合部36に対して内周側の位置であって、X軸方向において樹脂鉤状部76に対向して配置されている。先端461は、内周見込み面部334に当接して配置されていてもよく、内周見込み面部334に対して3mm以内の隙間を隔てて配置されていてもよい。また、止水片部46は、図4に示すように、その下端462が下框32の上面321に沿って配置されると共に、排水口35よりも室内側であって下框32における樹脂形材71よりも室外側に配置されている。前述した3mm以内の隙間がある場合でも、先端461と内周見込み面部334との間に表面張力が作用するので、この隙間から水が室内側へ浸入することを抑制できる。
【0017】
以上の通風ドア1において、仮に縦框33と縦内枠43との間に雨水等の水が室外側から浸入したとしても、水のさらなる室内側への浸入を抑制して排水する。すなわち、上框31および縦框33の連結部分や、縦内枠43および縦框33の間に水が室外側から浸入した場合に、水が縦内枠43の枠見込み面部45や縦框33の内周見込み面部334をつたって室内側に浸入しようとしても、枠見込み面部45から延出した止水片部46が前述したように配置されているので、止水片部46よりも室内側へ水が浸入することを抑制し、室外側から浸入した水が止水片部46よりも室外側において下方に流れ落ち、下框32の上面321に形成した排水口35から排水される。
【0018】
[変形例]
前記実施形態では、上框31および下框32の端部が、縦框33の内周見込み面部334まで入り込んで配置されているが、このように入り込まずに配置されていてもよい。この場合、下框32には排水口35が形成されていなくてもよい。
前記実施形態では、止水片部46の先端461と内周見込み面部との間に隙間が形成されるとしても、3mm以内の隙間としているが、表面張力などによって当該隙間からの水の浸入を抑制できる場合には、水の浸入を抑制できる範囲で3mmよりも大きい隙間を形成してもよい。
前記実施形態では、止水片部46の先端461は、係合部36にX軸方向に対向して配置されているが、係合部36よりも室外側に配置されてもよく、また室内側に配置されてもよい。また、止水片部46の下端462の見込み位置は、下框32における樹脂形材71よりも室外側に配置されているが、樹脂形材71側に配置されてもよい。
前記実施形態では、係合部36,37は、金属鉤状部66,67と樹脂鉤状部76,77とが係合して形成されているが、このような係合形態でなくても金属形材61と樹脂形材71が接合されていればよい。
前記実施形態では、上框31、下框32および左右の縦框33を金属形材61および樹脂形材71を有する複合框材としてそれぞれ構成しているが、複合框材ではなく、金属形材および樹脂形材のうち一方の形材で構成されていてもよい。この場合、上内枠41、下内枠42および左右の縦内枠43や、扉上枠21、扉下枠22および左右の扉縦枠23も、前述した構成に代えて、金属形材および樹脂形材のうち一方の形材で構成されていてもよい。
前記実施形態では、連結ネジ452によって縦内枠43を縦框33に連結して通風ドア1の剛性や防火性を高めているが、この連結ネジ452がなくても通風ドア1を構成可能であれば、連結ネジ452の構成を省略してもよい。
前記実施形態では、通風ユニット40は、上げ下げ窓で構成されているが、このほか、引き違い窓や開き窓、上下または左右への片引き窓など各種窓であってもよい。また、通風ユニット40に代えて、固定窓など通風を行えない枠ユニットを用いてもよい。
【0019】
[発明のまとめ]
本発明の建具は、扉枠と、前記扉枠内に開閉可能に配置される扉体とを備え、前記扉体は、框体と、前記框体内に配置される枠ユニットとを備え、前記框体は、上框、下框および左右の縦框を備え、前記枠ユニットは、上内枠、下内枠および左右の縦内枠を備え、前記縦框は、室外見付け面部、室内見付け面部、外周見込み面部および内周見込み面部を有し、前記室外見付け面部および前記室内見付け面部は、前記内周見込み面部よりも内周側に延出した延出部をそれぞれ有し、前記縦内枠は、前記延出部が当接する枠見込み面部と、前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記枠見込み面部から外周側に延出すると共に室外側から室内側への水の浸入を堰き止める止水片部とを有することを特徴とする。
本発明の建具によれば、扉体における縦内枠が前述した止水片部を有するので、縦框の室外見付け面部よりも室内側に浸入する水があったとしても、浸入した水を室外見付け面部よりも室外側に位置する止水片部によって堰き止めることができ、これにより、雨水等の水が縦框および縦内枠の間を通じて室外側から室内側へ浸入することを抑制して止水性を向上できる。
【0020】
本発明の建具では、前記下框の端部は、前記縦框の前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記内周見込み面部まで入り込んで配置され、前記下框の端部には、排水口が形成され、前記止水片部は、その下端が前記下框の上面に沿って配置されると共に、前記排水口よりも室内側に配置されてもよい。
このような構成によれば、下框の端部が縦框の室外見付け面部および室内見付け面部の間において内周見込み面部まで入り込んで配置されることで、框体の強度を向上できるうえ、前述した止水片部が排水口よりも室内側に配置されるので、止水片部で堰き止めた水が下方に流れ落ちても、止水片部よりも室外側で排水でき、止水片部よりも室内側へ水が浸入することを抑制できる。
【0021】
本発明の建具では、前記止水片部の先端は、前記内周見込み面部に当接して配置され、または、前記内周見込み面部に対して3mm以内の隙間を隔てて配置されてもよい。
このような構成によれば、止水片部の先端が内周見込み面部に当接して配置されることで、水が止水片部の先端と内周見込み面部との間から室内側へ浸入することを抑制できる。また、止水片部の先端と内周見込み面部との間に3mm以内の隙間があっても、水の表面張力との関係で当該水が止水片部の先端と内周見込み面部との間から室内側へ浸入することを抑制できる。
【0022】
本発明の建具では、前記上框、前記下框および前記左右の縦框は、室外側の金属形材および室内側の樹脂形材を有する複合框材でそれぞれ構成され、前記内周見込み面部を構成する前記金属形材および前記樹脂形材には、互いに係合する係合部が構成され、前記止水片部の先端は、前記係合部に対して内周側の位置に配置されてもよい。
このような構成によれば、止水片部の先端を前述した係合部に対して内周側の位置に配置することで、水が室外側から係合部まで浸入することを止水片部によって抑制し得る。
【0023】
本発明の建具では、前記止水片部の下端の見込み位置は、前記下框における前記樹脂形材よりも室外側に配置されてもよい。
このような構成によれば、水が室外側から下框において金属形材と樹脂形材とが接合する部分にまで浸入することを抑制し得る。
【0024】
本発明の建具では、前記係合部は、前記金属形材に形成される金属鉤状部と、前記金属鉤状部に対して内周側から係合すると共に前記樹脂形材に形成される樹脂鉤状部とを有し、前記止水片部は、前記建具の見付け方向において前記樹脂鉤状部に対向して配置されてもよい。
このような構成によれば、樹脂鉤状部は金属鉤状部と比べて撓みやすいが、前述した配置の止水片部によって樹脂鉤状部の撓みを抑制し得、これにより、係合部における係合強度を向上できる。
【0025】
本発明の建具では、前記上框の端部は、前記縦框の前記室外見付け面部および前記室内見付け面部の間において前記内周見込み面部まで入り込んで配置されてもよい。
このような構成によれば、上框の端部が縦框の室外見付け面部および室内見付け面部の間において内周見込み面部まで入り込んで配置されることで、框体の強度を向上できるうえ、縦框の室外見付け面部と上框の端部との間から水が浸入したとしても、前述した止水片部によって水の室内側への浸入を抑制できる。
【0026】
本発明の建具では、前記枠ユニットは、前記上内枠、前記下内枠および前記左右の縦内枠によって構成される開口を開閉可能な障子を備える通風ユニットで構成されてもよい。
このような構成によれば、障子の開閉によって通風可能な扉体を構成しつつ前述した作用効果を奏し得る。
【符号の説明】
【0027】
1…通風ドア(建具)、2…扉枠、21…扉上枠、22…扉下枠、23…扉縦枠、24…丁番、3…扉体、30…框体、31…上框、32…下框、321…上面、33…縦框、331…室外見付け面部、331A,332A…延出部、332…室内見付け面部、333…外周見込み面部、334…内周見込み面部、35…排水口、36,37,451…係合部、4…上障子、40…通風ユニット(枠ユニット)、41…上内枠、42…下内枠、43…縦内枠、45…枠見込み面部、452…連結ネジ、46…止水片部、461…先端、462…下端、47…枠室外見付け面部、48…枠室内見付け面部、49…枠中間見付け面部、5…下障子、60…中空部、61…金属形材、62,65…金属見付け面部、63…金属見込み面部、64…金属見込み面部、66,67…金属鉤状部、71…樹脂形材、72…樹脂見付け面部、73…樹脂見込み面部、76,77…樹脂鉤状部、81…内枠本体、82…樹脂カバー材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6