(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108900
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】血糖値上昇抑制用経口組成物及びAGEs生成抑制用経口組成物、並びにサプリメント、機能性食品及び医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20230731BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20230731BHJP
A61K 36/54 20060101ALI20230731BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A23L33/105
A61P3/10
A61K36/54
A61P43/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010202
(22)【出願日】2022-01-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】300032123
【氏名又は名称】公益財団法人 佐賀県産業振興機構
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(72)【発明者】
【氏名】大貝 茂希
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 楓
(72)【発明者】
【氏名】桂城 博行
(72)【発明者】
【氏名】永田 保夫
(72)【発明者】
【氏名】柳田 晃良
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE01
4B018LE02
4B018LE05
4B018MD48
4B018ME03
4B018ME14
4B018MF01
4B018MF04
4B018MF06
4B018MF07
4C088AB33
4C088AC05
4C088BA08
4C088CA06
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZC35
(57)【要約】
【課題】優れた血糖値上昇抑制作用及びAGEs生成抑制作用を有する経口組成物を提供する。
【解決手段】アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有する経口組成物。当該経口組成物は、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖取り込み促進作用、DPP-4酵素活性阻害作用に基づく優れた血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有し、サプリメント、機能性食品、医薬用組成物等へ好適に使用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用経口組成物。
【請求項2】
前記アオモジ葉抽出物が、アオモジ葉の溶媒抽出物である請求項1に記載の経口組成物。
【請求項3】
前記アオモジ葉の溶媒抽出物が、アオモジ葉の水及びエタノールの混合溶媒の抽出溶媒による溶媒抽出物である請求項2に記載の経口組成物。
【請求項4】
前記アオモジ葉の溶媒抽出物が、アオモジ葉の熱水抽出物である請求項2に記載の経口組成物。
【請求項5】
アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有することを特徴とするAGEs生成抑制用経口組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の経口組成物を含有することを特徴とするサプリメント。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の経口組成物を含有することを特徴とする機能性食品。
【請求項8】
請求項1から5のいずれかに記載の経口組成物を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項9】
糖尿病の予防用または改善用である請求項8に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血糖値上昇抑制用経口組成物及びAGEs生成抑制用経口組成物並びにその応用品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の変化による肥満や過食、運動不足、ストレス、飲酒等により、糖尿病患者及び糖尿病予備軍は急増しており、世界的にも大きな問題となっている。糖尿病はインスリン依存の有無により1型と2型に分けられ、糖尿病患者の90%以上は2型糖尿病である。糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、高血糖状態が慢性的に続く疾病である。そのような高血糖の状態が慢性的に続くと、心筋梗塞、動脈硬化、脳卒中等の合併症リスクが高くなる。
【0003】
このように、糖尿病を予防するには、高血糖状態を防ぎ、血糖値の上昇を抑制する必要があり、そのためには、食生活の改善と運動の重要性が知られている。特に、食生活の改善においては、糖質の量や選択、食べ方や食べ合わせ等を配慮することにより、血糖値が上昇しにくくなることが知られている。
【0004】
また、血糖値上昇抑制効果を示す食品素材として、ミカン科の香酸柑橘類であるユコウを含有する組成物(特許文献1)、苦丁茶抽出物を含む剤(特許文献2)、カカオポリフェノールおよび脂質を有効成分として含んでなる組成物(特許文献3)、大豆植物体の抽出物を有効成分とする組成物(特許文献4)等がすでに開示されている。
【0005】
また、糖化最終産物(Advanced Glycation End Products:AGEs)においても糖尿病等の疾患の因果関係について多くの研究がされている。例えば、特許文献5にはカバノアナタケの抽出物がAGEs生成抑制作用を有することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-137660号公報
【特許文献2】特開2021-138647号公報
【特許文献3】特開2019-180399号公報
【特許文献4】特開2018-172353号公報
【特許文献5】特開2019-43887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述するように、血糖値上昇抑制用の組成物として特許文献1~4等で開示された植物等由来の組成物が報告され、AGEs生成抑制作用を有する組成物として、特許文献5で開示された組成物が報告されているが、その効果や製造コスト等の面で改善の余地があるのが実情である。
【0008】
かかる状況下、本発明の目的は、血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有する新たな経口組成物及びその応用品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アオモジ葉加工物が血糖値上昇抑制、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制、肝臓細胞における糖取り込み促進、DPP-4酵素活性阻害、AGEs生成抑制に優れた効果を有することを見出し、本発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有することを特徴とする血糖値上昇抑制用経口組成物。
<2> 前記アオモジ葉抽出物が、アオモジ葉の溶媒抽出物である<1>に記載の経口組成物。
<3> 前記アオモジ葉の溶媒抽出物が、アオモジ葉の水及びエタノールの混合溶媒の抽出溶媒による溶媒抽出物である<2>に記載の経口組成物。
<4> 前記アオモジ葉の溶媒抽出物が、アオモジ葉の熱水抽出物である<2>に記載の経口組成物。
<5> アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有するAGEs生成抑制用経口組成物。
<6> <1>から<5>のいずれかに記載の経口組成物を含有するサプリメント。
<7> <1>から<5>のいずれかに記載の経口組成物を含有する機能性食品。
<8> <1>から<5>のいずれかに記載の経口組成物を含有する医薬組成物。
<9> 糖尿病の予防用または改善用である<8>に記載の医薬組成物。
【0011】
<A1> アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有する小腸上皮細胞における糖の吸収抑制用経口組成物。
<A2> アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有する肝臓細胞における糖取り込み促進用経口組成物。
<A3> アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有するDPP-4酵素活性阻害用経口組成物。
【0012】
<B1> アオモジ葉と、水及びエタノールの混合溶媒の抽出溶媒とを接触させ、前記アオモジ葉に含有される成分を抽出することを特徴とするアオモジ葉抽出物の製造方法。
<B2> アオモジ葉と、熱水とを接触させ、前記アオモジ葉に含有される成分を抽出することを特徴とするアオモジ葉抽出物の製造方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、血糖値上昇抑制に有用な効果を有する経口組成物及びその応用品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】試験1-Aにおいて評価を行った、実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物の小腸上皮細胞における糖透過率の評価試験の結果を示すグラフである。
【
図2】試験1-Bにおいて評価を行った、実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物の小腸上皮細胞における糖透過率の評価試験の結果を示すグラフである。
【
図3】試験2において評価を行った、実験例2のアオモジ葉50%エタノール抽出物の肝臓細胞における糖取り込みの評価試験の結果を示すグラフである。
【
図4】試験2において評価を行った、実験例3のアオモジ葉熱水抽出物の肝臓細胞における糖取り込みの評価試験の結果を示すグラフである。
【
図5】試験3において評価を行った、実験例3のアオモジ葉熱水抽出物及び実験例4のアオモジ葉冷水抽出物のDPP-4酵素活性阻害に対する評価試験の結果を示すグラフである。
【
図6】試験4において評価を行った、実験例2のアオモジ葉50%エタノール抽出物の糖化最終産物(Advanced Glycation End Products:AGEs)生成抑制における評価試験の結果を示すグラフである。
【
図7】試験4において評価を行った、実験例3のアオモジ葉熱水抽出物の糖化最終産物(Advanced Glycation End Products:AGEs)生成抑制における評価試験の結果を示すグラフである。
【
図8】試験5において評価を行った、実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物の細胞毒性の評価試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「~」とはその前後の数値又は物理量を含む表現として用いるものとする。また、本明細書において、「A及び/又はB」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「A及びBの双方」が含まれる。
【0016】
本発明は、アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有する血糖値上昇抑制用経口組成物(以下、「本発明の血糖値上昇抑制用経口組成物」と記載する。)に関する。
なお、本明細書において、アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を総称して、「アオモジ葉加工物」ということがある。
【0017】
本発明において、「血糖値上昇抑制用経口組成物」とは、経口摂取することによって、血糖値の上昇を抑制又は緩和することができる組成物である。
本発明に係るアオモジ葉加工物は、後述する実施例で示す通り、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖取り込み促進作用、DPP-4酵素活性阻害作用を有する。そのことにより、アオモジ葉加工物を含有する経口組成物は、血糖値上昇抑制作用を有するため、血糖値上昇抑制用経口組成物として用いることができる。
【0018】
ここで、本明細書において、「小腸上皮細胞における糖の吸収作用」とは、小腸上皮細胞に存在する糖輸送たんぱく質(SGLT1)を介して糖を吸収する作用を意味し、小腸内での糖の吸収が抑えられることにより、血糖値上昇が抑制される。
「肝臓細胞における糖取り込み作用」とは、肝臓において食事後インスリンの働きにより糖を取り込む作用を意味し、肝臓において糖を取り込むことにより、血糖値をコントロールすることができ、血糖値上昇が抑制される。
「DPP-4酵素活性阻害作用」とは、小腸細胞で合成され膵臓でインスリン分泌を刺激するホルモン(GLP-1)を分解する酵素活性の阻害作用を意味し、DPP-4酵素活性を阻害することにより、GLP-1の血中濃度が高くなり、インスリン分泌が増強され、血糖値上昇が抑制される。
【0019】
本発明におけるアオモジ葉加工物の血糖値上昇抑制作用は、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖取り込み促進作用、DPP-4酵素活性阻害作用等によって評価することができ、詳細は後述する。
【0020】
以下、本発明の血糖値上昇抑制用経口組成物をさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明の血糖値上昇抑制用経口組成物の原料として使用される「アオモジ」は、クスノキ科ハマビワ属であり、本発明のアオモジの使用部位は葉部である。原料として利用する葉部は、本発明の効果を損なわない限り、栽培期間中のいかなる時期でも原料として使用可能である。アオモジ葉は天然物であってもよく、人工的に栽培したものであってもよい。
【0022】
アオモジ葉加工物は、上述の通り、アオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を総称したものである。
本発明において、「抽出物」とは、対象となる原料植物、又はこれを必要に応じて乾燥、細切したものを、圧搾又は溶媒抽出する等して、有効成分の含有量を高めた形態のものを総括した概念である。具体的にはアオモジ葉を抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。なお、抽出液を乾燥して得られる乾燥物も、抽出物に該当するものとする。
【0023】
また、本発明において、「乾燥物」とは原料植物を乾燥したものである。具体的にはアオモジ葉を、天日乾燥、加熱乾燥、フリーズドライ等の公知の乾燥方法で乾燥したものである。乾燥条件は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されるものではない。
乾燥物は、使用性の観点から、通常、粉砕して粉末化され、乾燥粉砕物として使用される。粉砕方法は、特に限定はなく従来公知の粉砕器を使用すればよい。粉末の粒径は、その使用態様によって適宜決定される。
【0024】
アオモジ葉抽出物及びアオモジ葉乾燥物はそれぞれ単独で使用してもよいし、それぞれを任意の割合で混合して使用してもよい。
【0025】
本発明に係るアオモジ葉加工物の中でも溶媒抽出物が好ましい。
アオモジ葉の溶媒抽出物は、アオモジの葉部を常法に従って抽出して得ることができる。抽出方法は、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されず、目的に応じて適切な方法を任意に選択して用いることができる。
例えば、アオモジ葉をそのまま又はその破砕物、乾燥物、粉砕物の加工物等と、抽出溶媒とを接触させ、アオモジ葉に含有される成分を抽出する方法が好ましい。
【0026】
なお、抽出溶媒には、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を含んでいてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調整剤等が挙げられる。
【0027】
アオモジ葉の溶媒抽出物の好適な一例は、アオモジ葉の水及びエタノールの混合溶媒の抽出溶媒による溶媒抽出物である。
当該溶媒抽出物は、安全に経口摂取可能であり、優れた血糖値上昇抑制作用を有する。混合溶媒における水とエタノールとの割合は、本発明の効果を奏する限り任意であるが、例えば、水とエタノールの合計を100体積%としたときに、エタノールの割合が、30体積%以上70体積%以下である。
【0028】
アオモジ葉の溶媒抽出物の好適な一例は、アオモジ葉の水抽出物である。抽出に用いる水は、蒸留水、純水、滅菌水が挙げられ、例えば、水道水や不純物を含むものであってもよいが、アオモジ葉の抽出を妨げる成分を含まない水が好ましい。抽出溶媒としての水は、本発明の効果を損なわない限り、冷水、常温水、温水、熱水等を用いることができるが、優れた血糖値上昇抑制作用を有する成分を効率よく抽出できる点から、熱水が好ましい。アオモジ葉の熱水抽出物は、安全に経口摂取可能であり、優れた血糖値上昇抑制作用を有する。
【0029】
抽出時間は、抽出溶媒の種類や、アオモジ葉と抽出溶媒との割合を考慮し適宜選択されるが、本発明の効果を損なわず、有効成分が抽出溶媒によって抽出できる時間であれば、特に限定されるものではない。また、得られた抽出液はそのまま利用してもよいが、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。また、必要に応じて減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去してもよい。
【0030】
本発明の血糖値上昇抑制用経口組成物は、本発明のアオモジ葉加工物をそのまま使用してもよいが、通常、本発明の効果を損なわないその他の成分を組み合わせて、アオモジ葉加工物を含有する経口組成物(以下、「本発明の経口組成物」と記載する場合がある。)として使用される。
その他の成分としては、ヒトが摂取して安全である成分であればよく、本発明の経口組成物の使用形態(例えば、後述するサプリメント、機能性食品等)を考慮して適宜決定される。
その他の成分の配合割合は、本発明の効果を損なわない限り、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。
【0031】
本発明に係る経口組成物は、含有するアオモジ葉加工物に起因して小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖の取り込み促進作用及びDPP-4酵素活性阻害作用に対して優れた効果を奏するため、上述の通り、血糖値上昇抑制用経口組成物として使用できる他、「小腸上皮細胞における糖の吸収抑制用経口組成物」、「肝臓細胞における糖の取り込み促進用経口組成物」、「DPP-4酵素活性阻害用経口組成物」として個別に用いることができる。
また、本発明に係る経口組成物は、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖取り込み促進作用のいずれか1つの効果を有するため、肥満抑制の効果を有する。そのため、本発明に係る経口組成物は、肥満抑制用経口組成物として用いることができる。
【0032】
さらに、本発明に係るアオモジ葉加工物を含有する経口組成物は、AGEs生成抑制に対しても優れた効果を奏するため、「AGEs生成抑制用経口組成物」として用いることができる。
【0033】
本明細書において、「AGEs生成抑制作用」とは、糖化最終産物(Advanced Glycation End Products)の生成を抑制する作用を意味し、AGEsは、糖と生体内物質が反応し生体内に蓄積することにより、種々の疾病の原因となることが知られており、糖尿病合併症、炎症、腎疾患、がん、骨粗しょう症、アルツハイマー病、白内障、シミ、シワ等の原因物質であることが報告されている。血糖値が高くなり、血液や組織中にAGEsが増加すると、たんぱく質等の生体物質の機能が損ない、種々の疾病の原因となるため、血糖値を正常に保つことにより、AGEsの生成を抑制し、体内にAGEsが蓄積するのを防ぐことができる。
【0034】
後述する実施例の通り、アオモジ葉加工物を含有する経口組成物は、優れたAGEs生成抑制作用を有するため、AGEs生成抑制用経口組成物として使用することができる。そのため、サプリメント、機能性食品、医薬用組成物等への使用が可能である。
【0035】
本発明の経口組成物は、優れた血糖値上昇抑制作用(小腸上皮細胞における糖の吸収抑制作用、肝臓細胞における糖の取り込み促進作用及びDPP-4酵素活性阻害作用)やAGEs生成抑制作用を有するため、サプリメント、機能性食品、医薬組成物等への使用が可能である。
【0036】
また、本発明の経口組成物の有する作用又は効能に関して、製品化の際に次のような表示を付してもよい。例えば、血糖値に対する作用又は効能について表示する場合は、「血糖値が気になりはじめた方に」、「血糖値が気になる方に」、「食後の血糖値が気になる方に」「血糖値の上昇を緩やかにする」、「糖の吸収をおだやかにする」、「糖の吸収を抑える」等を表示することができる。
【0037】
本発明の経口組成物の摂取量は、本発明の効果を発揮できる量であれば、特に限定されず、本発明の経口組成物の形態、摂取させる対象者の性別、体重、健康状態等に応じて適宜決定される。当該摂取量は、1回で摂取してもよく、1日数回に分けて摂取してもよい。また、本発明の経口組成物の有する作用又は効能を得るために、本発明の経口組成物は、持続して摂取することが好ましい。
【0038】
以下、本発明の経口組成物の好適な形態であるサプリメント、機能性食品、食品添加物、医薬組成物について説明するが、本発明の経口組成物の用途はこれらに限定されるものではない。
【0039】
本発明のサプリメントは、本発明の経口組成物(アオモジ葉加工物)を含有する。本発明のサプリメントの形態は、特に制限されず、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、糖衣錠、フィルム剤、トローチ剤、チュアブル剤、溶液、乳濁液、懸濁液等の任意の形態でよい。
本発明のサプリメントは、本発明の経口組成物以外に、サプリメントとして通常使用される任意の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、アミノ酸,ペプチド;ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、葉酸等のビタミン類;ミネラル類;糖類;無機塩類;クエン酸またはその塩;茶エキス;油脂;プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン等の滋養強壮成分;ショウガエキス、高麗人参エキス等の生薬エキス;ハーブ類:コラーゲン等が挙げられる。
【0040】
本発明の経口組成物をサプリメントに配合する割合は任意であるが、血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有する範囲で配合割合が選択される。
【0041】
本発明の経口組成物(アオモジ葉加工物)は、日常的に経口摂取しやすいように、各種の食品、飲料と混ぜて機能性食品とすることで、長期的に摂取することも容易である。
ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康の維持の目的で摂取する食品及び/又は飲料を意味し、機能性表示食品、保健機能食品である特定保健用食品や栄養機能食品や、健康食品、栄養補助食品、栄養保険食品等を含む概念である。この中でも機能性表示食品、保健機能食品である特定保健用食品や栄養機能食品が好ましい機能性食品の態様である。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
【0042】
本発明の機能性食品の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではない。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガム等の食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の茶類、青汁、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンク等が挙げられる。
【0043】
本発明の経口組成物を機能性食品に配合する割合は任意であるが、血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有する範囲で配合割合が選択される。
【0044】
本発明の経口組成物を機能性表示食品として用いる場合、本発明の経口組成物は、製品において本発明に係るアオモジ葉加工物によりもたらされる作用又は効能が表示されていてもよい。例えば、本発明に係る製品の本体、包装、容器、パッケージ等の収納物、又はその広告等への表示が挙げられる。
【0045】
また、本発明の経口組成物(アオモジ葉加工物)は、それ自体またはこれに他の成分を添加して食品添加剤として使用することも可能である。他の成分は、飲食品添加剤として使用可能であるならば特に制限はない。食品添加剤の添加対象となる飲料、食品についても任意であり、特に制限はない。
【0046】
本発明の経口組成物を、食品添加剤に配合する割合は任意であるが、血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有する範囲で配合割合が選択される。
【0047】
本発明の経口組成物は、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。そのため、ペットフード等の動物用のサプリメントや機能性食品へ添加することもできる。
【0048】
本発明の経口組成物は、血糖値上昇抑制作用やAGEs生成抑制作用を有するため、本発明の経口組成物は、その有効量を薬学的に許容される基材とともに配合して医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」と記載する場合がある。)とすることができる。
【0049】
本明細書において、「医薬組成物」とは、対象となる疾患の予防、治療、症状の改善の少なくともひとつに対して有用な薬剤を意味する。なお、本明細書において、「予防」には、当該疾患または症状の発症の抑制および遅延が含まれる。また、「治療」には、当該疾患または症状の病態の改善および寛解、並びに当該疾患または症状の進展の抑制が含まれる。また、本明細書において、「医薬組成物」には、医薬品のみならず、医薬部外品も含む。
【0050】
本発明の医薬組成物の対象となる疾患又は症状の具体例として、例えば、糖尿病、動脈硬化性疾患、腎疾患、アルツハイマー病、骨粗鬆症、皮膚老化等の皮膚疾患、白内障、加齢黄斑変性等が挙げられる。この中でも、本発明の医薬組成物の対象となる疾患又は症状の好適な一例は、糖尿病である。
【0051】
本発明の医薬組成物は、本発明の経口組成物以外にもその効能を損なわない範囲で他の薬剤や薬理学的に許容される任意の成分を含んでもよい。また、本発明の組成物そのものを、本発明の医薬組成物として使用してもよい。
【0052】
本発明の医薬組成物の形態としては、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、又はカプセル剤等の剤型がある。本発明の医薬組成物の形態は、固体又は液体同士でもよいし、固体と液体でも良いし、特に限定されない。本発明の医薬組成物の好適な態様としては、経口剤が挙げられる。
【0053】
本発明の医薬組成物の摂取量は、本発明の効果を発揮できる量であれば、特に限定されず、摂取させる対象者の性別、体重、健康状態等に応じて適宜決定される。当該摂取量は、1回で摂取してもよく、1日数回に分けて摂取してもよい。また、対象となる疾患の予防、治療、症状の改善の観点から、本発明の医薬組成物は、持続して摂取することが好ましい。
【実施例0054】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、実施例の混合溶媒において示す「%」は、特に明示しない限り「体積%」を示す。また、抽出溶媒が混合溶媒の場合、バランスである水は省略して記載する。例えば、「50%エタノール」と記載した場合、50体積%エタノールと50体積%水との混合溶媒を意味する。
<1.アオモジ葉乾燥物の調整>
採取したアオモジ葉は水道水で洗浄後、スチームコンベクションオーブン(湿度100%、温度100℃)を用いて5分間ブランチングを行った。次いで、乾燥機(乾球65℃、湿球35℃)を用いて、20時間乾燥を行った。乾燥させたアオモジ葉は0.4mmのメッシュを通過するように粉砕することにより、アオモジ葉乾燥粉砕物を得た。
【0055】
<2.アオモジ葉抽出物の調整>
上記<1.アオモジ葉乾燥物の調整>で得られたアオモジ葉乾燥粉砕物を抽出溶媒を用いて抽出し、実験例1~4のアオモジ葉抽出物を得た。
【0056】
(実験例1)乾燥物からの50%エタノールによる抽出1
アオモジ葉乾燥粉砕物4gに50%エタノール溶液400mLを加え、室温で3時間撹拌抽出を行った後、遠心分離機(10,000×g、30分、4℃)により抽出液を得た。さらに抽出残渣に対し、再び50%エタノール溶液400mLを加え、室温で3時間撹拌抽出を行った後、遠心分離機(10,000×g、30分、4℃)により抽出液を得た。得られた抽出液を混ぜ合わせ、次いで、ロータリーエバポレーター、遠心濃縮機及び凍結乾燥機を用いて乾燥させ、乾燥粉末状の実験例1のアオモジ葉抽出物を得た。
【0057】
(実験例2)乾燥物からの50%エタノールによる抽出2
実験例1と同様のアオモジ葉乾燥粉砕物を用いた。アオモジ葉乾燥粉砕物0.5gを50%エタノール溶液10mLに浸漬し、1時間振盪抽出(1,500rpm)を行った後、遠心分離機(10,000×g、30分、4℃)により、実験例2のアオモジ葉抽出物を得た。
【0058】
(実験例3)乾燥物からの熱水による抽出
実験例1と同様のアオモジ葉乾燥粉砕物を用いた。アオモジ葉乾燥粉砕物0.5gを85℃に温めた純水35mLに浸漬し、5分間静置して、浸漬抽出(85℃)を行った後、定性濾紙No.2を用いた濾過により、実験例3のアオモジ葉抽出物を得た。
【0059】
(実験例4)乾燥物からの冷水による抽出
実験例1と同様のアオモジ葉乾燥粉砕物を用いた。アオモジ葉乾燥粉砕物0.5gを4℃に冷やした純水35mLに浸漬し、16時間静置して、浸漬抽出(4℃)を行った後、定性濾紙No.2を用いた濾過により、実験例4のアオモジ葉抽出物を得た。
【0060】
<3.評価>
(試験1:小腸上皮細胞における糖透過率の評価)
実験例1のアオモジ葉抽出物(50%エタノール抽出物)について小腸上皮様細胞膜に対する糖透過率を測定した。なお、後述する評価方法における<試験1-A>は食事前にアオモジ葉抽出物を摂取することを想定し、<試験1-B>は食事中にアオモジ葉抽出物を摂取することを想定した。
【0061】
(評価方法)
<試験1-A>
小腸上皮細胞モデルとして用いられるヒト結腸癌由来細胞株であるCaco-2細胞を24-ウェルtranswellに播種密度2.5×105cellsになるように播種し、CO2インキュベータ内で約3週間培養した。
細胞のTEER値(経上皮電気抵抗値)を測定し、300Ω/cm2になった後に、管腔側に実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物を500μL添加した。添加したアオモジ葉抽出物の濃度は100μg/mL及び200μg/mLとした。
添加後、CO2インキュベータ内(5%CO2、37℃)で24時間培養した。24時間後、細胞を2回洗浄し、CO2インキュベータ内で30分間予備培養した。次に、25mMグルコース溶液を管腔側に添加後、CO2インキュベータ内で1時間培養した。1時間後、基底膜側の溶液を回収し、グルコース濃度の測定を行った。
グルコース濃度の測定はGlucose Assay Kit-WST(株式会社同仁化学研究所製品)を用いた。
得られた測定結果は、比較例としたアオモジ葉抽出物無添加のグルコース濃度を100として算出した。
【0062】
<試験1-B>
100μg/mLに調整した実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物を25mMグルコース溶液を添加する時に同時に添加した以外は上記<試験1-A>と同じ方法で行った。
【0063】
(結果)
結果を
図1及び
図2に示す。
図1で示すように、実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物を添加後にグルコースを添加した<試験1-A>における糖透過率はアオモジ葉抽出物100μg/mL添加した場合は5.1%抑制されており、200μg/mL添加した場合は10.3%抑制されていた。
また、
図2で示すように、実験例1のアオモジ葉50%エタノール抽出物をグルコースと同時に添加した<試験1-B>における糖透過率はアオモジ葉50%エタノール抽出物100μg/mL添加した場合では、21.9%抑制されていた。
【0064】
以上のことから、アオモジ葉50%エタノール抽出物をグルコース添加前に添加してもグルコース添加と同時に添加しても、小腸における糖の吸収抑制に対して効果があることが示された。
【0065】
(試験2:肝臓細胞における糖取り込みの評価)
実験例2(50%エタノール抽出物)及び実験例3(熱水抽出物)のアオモジ葉抽出物について肝臓における糖取り込みを想定し、肝臓由来細胞の糖取り込み量を評価した。
【0066】
(評価方法)
ヒト肝臓由来細胞株であるHepG2細胞を96ウェルプレートに播種密度9.0×104cells/cm2に播種し、CO2インキュベータ内で24時間培養した後、1%BSA-DMEMを添加し、さらに、CO2インキュベータ内で24時間培養した。その後、1%BSA-DMEMを除去し、50μg/mLに調整した実験例2のアオモジ葉50%エタノール抽出物または35μg/mLに調整した実験例3のアオモジ葉熱水抽出物を添加した。添加後、CO2インキュベータ内で24時間培養後、洗浄を行った。
糖取り込みの測定は、Glucose Uptake Assay Kit-Green(株式会社同仁化学研究所製品)を用いた。洗浄後の細胞に蛍光標識グルコース誘導体を添加し、CO2インキュベータ内で15分間培養した後、洗浄し、励起波長/蛍光波長=488nm/520nmで蛍光強度を測定した。
【0067】
(結果)
結果を
図3及び
図4に示す。
図3に示すように、アオモジ葉50%エタノール抽出物を添加した場合、アオモジ葉抽出物無添加の場合より糖取り込み量が1.25倍増加し、
図4に示すように、アオモジ葉熱水抽出物を添加した場合、アオモジ葉抽出物無添加の場合より糖取り込み量が1.14倍増加した。
【0068】
以上のことから、アオモジ葉50%エタノール抽出物及びアオモジ葉熱水抽出物には、肝臓における糖取り込みに対する優れた効果があることが示された。
【0069】
(試験3:DPP-4酵素活性阻害に対する評価)
実験例3(熱水抽出物)及び実験例4(冷水抽出物)のアオモジ葉抽出物についてDDP-4酵素活性を測定した。
【0070】
(評価方法)
実験例3のアオモジ葉熱水抽出物及び実験例4のアオモジ葉冷水抽出物の添加濃度はそれぞれ25,50,100,200,300μg/mLとした。DDP-4の酵素活性の測定は、DPP(IV) Inhibitor Screening(Cayman Chemical社製品)を用いた。キット付属の96ウェルプレートに各濃度のアオモジ葉熱水抽出物を添加し、励起波長/蛍光波長=355nm/455nmで蛍光強度を測定した。
【0071】
(結果)
結果を
図5に示す。アオモジ葉抽出物無添加と比べて、実験例3のアオモジ葉熱水抽出物を25μg/mL添加した場合、DPP-4の酵素活性は18.8%阻害された。さらに、50μg/mLでは24.0%、100μg/mLでは35.8%、200μg/mLでは50.3%、300μg/mLでは62.7%阻害された。
また、実験例4のアオモジ葉冷水抽出物を25μg/mL添加した場合、DPP-4の酵素活性は16.3%阻害された。さらに、50μg/mLでは22.5%、100μg/mLでは29.5%、200μg/mLでは42.9%、300μg/mLでは50.1%阻害された。
【0072】
以上のことから、アオモジ葉熱水抽出物及びアオモジ葉冷水抽出物には、DPP-4の酵素活性阻害に対する優れた効果があり、DPP-4の酵素活性を濃度依存的に阻害することが示された。
【0073】
(試験4:糖化最終産物(Advanced Glycation End Products:AGEs)生成抑制における評価)
実験例2(50%エタノール抽出物)及び実験例3(熱水抽出物)のアオモジ葉抽出物についてAGEs生成抑制率を測定した。
【0074】
(評価方法)
1.5mlのエッペンドルフチューブに400mMのグルコース溶液500μLを入れ、さらに80mg/mLのBSA溶液100μLを添加した。そのエッペンドルフチューブに様々な濃度(実験例2(50%エタノール抽出物):0.4,2及び10mg/mL、実験例3(熱水抽出物):0.14,0.7及び3.5mg/mL)のアオモジ葉抽出物20μLとPBS380μLを加え、そのエッペンドルフチューブを60℃、48時間加熱(1日3回撹拌)した。また、抗糖化剤であるアミノグアニジンをアオモジ葉抽出物の代わりに添加したものをポジティブコントロールとした。加熱後に得られた反応液を、96ウェルプレートに分注し、励起波長/蛍光波長=370nm/440nmで蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度の測定結果より、AGEs生成抑制率を算出し、その値を用いて、50%阻害活性濃度(IC50:mg/mL)を算出した。
【0075】
(結果)
結果を
図6及び
図7に示す。
図6に示すように、アオモジ葉50%エタノール抽出物におけるAGEs50%生成阻害活性濃度は1.3mg/mLであり、
図7に示すように、アオモジ葉熱水抽出物におけるAGEs50%生成阻害活性濃度は0.41mg/mLであった。いずれの抽出物においても、抗糖化剤であるアミノグアニジンに比べて極めて低い値を示した。
【0076】
以上のことから、アオモジ葉50%エタノール抽出物及びアオモジ葉熱水抽出物には、AGEs生成の抑制に対する顕著に優れた効果があることが示された。
【0077】
(試験5:アオモジ葉抽出物の細胞毒性の評価)
実験例1のアオモジ葉抽出物(50%エタノール抽出物)について細胞生存率を測定した。
【0078】
(評価方法)
小腸上皮細胞モデルとして用いられるヒト結腸癌由来細胞株であるCaco-2細胞を96ウェルプレートに播種密度5.0×104cells/wellになるように播種し、CO2インキュベータ内で24時間培養した。
培地を除去し、アオモジ葉50%エタノール抽出物100μLを添加した。添加したアオモジ葉抽出物の濃度は1000,800,600,400,200,100,50及び25μg/mLとした。添加後、CO2インキュベータ内で24時間培養した。24時間後、アオモジ葉抽出物を除去し、Cell Counting Kit-8(株式会社同仁化学研究所製品)を用いて細胞生存率を測定し、アオモジ葉抽出物の細胞毒性を評価した。
【0079】
(結果)
結果を
図8に示す。アオモジ葉50%エタノール抽出物は1000μg/mLまでの濃度で細胞毒性を示さなかった。
本発明のアオモジ葉抽出物及び/又は乾燥物を含有する経口組成物は、血糖値上昇抑制、小腸上皮細胞における糖の吸収抑制、肝臓細胞における糖取り込み促進、DPP-4酵素活性阻害、AGEs生成抑制に対して優れた効果を有し、サプリメント、機能性食品、医薬用組成物等に配合して用いることができる。