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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108916
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】売買支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230731BHJP
   G06Q 30/0208 20230101ALI20230731BHJP
   G06Q 30/08 20120101ALI20230731BHJP
【FI】
G06Q30/06 304
G06Q30/02 322
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010226
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】521481441
【氏名又は名称】株式会社イーストック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】南部 邦男
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
5L049BB44
5L049BB72
(57)【要約】      (修正有)
【課題】店舗及び顧客の双方の協力によって店舗における在庫又は余剰な生産の低減を図る売買支援システムを提供する。
【解決手段】売買支援システムにおいて、売買支援システムのサーバ400は、商品に対して店舗側が決定した少なくとも応募受付時間、応募結果連絡時間、商品引取時間、及び、特典情報を含む募集要項をユーザ端末200に送信する募集要項送信部401と、ユーザ端末200により入力される情報であって、募集要項に基づいて応募者が購入を希望する購入希望商品を含む応募情報を受け付ける応募情報受付部402と、少なくとも応募情報の集積である応募集積情報を出力する応募情報送信部404と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末にネットワークを介して互いに通信可能に接続されたサーバを用いて構成される売買支援システムであって、
商品に対して店舗側が決定した少なくとも応募受付時間、応募結果連絡時間、商品引取時間、及び、特典情報を含む募集要項を前記ユーザ端末に送信する募集要項送信部と、
前記ユーザ端末により入力される情報であって、前記募集要項に基づいて応募者が購入を希望する購入希望商品を含む応募情報を受け付ける応募情報受付部と、
少なくとも前記応募情報の集積である応募集積情報を出力する応募集積情報出力部とを備える、売買支援システム。
【請求項2】
前記応募情報受付部は、前記購入希望商品と、その購入希望商品の購入希望価格及び/又は購入希望個数を含む前記応募情報を受け付ける、請求項1に記載の売買支援システム。
【請求項3】
前記ユーザ端末は、前記購入希望商品を複数指定できるように構成されており、
店舗側が前記応募者の購入希望個数を満たす条件下で前記購入希望商品の内訳を裁量により決定できるように構成されている、請求項1又は2に記載の売買支援システム。
【請求項4】
前記ユーザ端末は、複数の商品で構成されているグループを選択することによって、前記複数の購入希望商品を入力できるように構成されている、請求項3に記載の売買支援システム。
【請求項5】
前記ユーザ端末は、前記複数の購入希望商品に優先順位を付けて入力できるように構成されている、請求項3又は4に記載の売買支援システム。
【請求項6】
前記ユーザ端末は、店舗側が決定した応募締切時間以外の募集要項の内の少なくとも1つを前記応募者が任意に入力可能又は選択可能に構成されている、請求項1乃至5の何れか一項に記載の売買支援システム。
【請求項7】
前記ユーザ端末は、前記購入希望商品を選択することなく、購入希望個数及び/又はその合計購入希望金額を入力できるように構成されている、請求項1乃至6の何れか一項に記載の売買支援システム。
【請求項8】
商品引取場所及び/又は商品引取時間を含む売買成立情報を前記ユーザ端末に送信する売買成立情報送信部をさらに備える、請求項1乃至7の何れか一項に記載の売買支援システム。
【請求項9】
前記応募集積情報に基づいて、前記商品を販売する応募者を決定する応募者決定部をさらに備える、請求項1乃至8の何れか一項に記載の売買支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売買支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばスーパーマーケット等の店舗では、閉店時間が近づいてくると、弁当や惣菜等の翌日に持ち越せない商品等を値引きして、できるだけ商品を売り切るようにしている。この値引き販売によって、商品の廃棄量を減らし、損失額を減少させることができる。
【0003】
ここで、特許文献1に示すように、値引き販売をするにあたり、店舗の利益が最大になるように販売先を選択する売買支援装置が考えられている。この売買支援装置は、販売する商品に関する商品情報を受け付ける商品情報受付部と、購入希望者が購入を希望する商品の識別情報および購入期限時刻を含む購入条件を受信する購入条件受信部と、商品の各々に対し、購入条件に基づいて、商品の購入希望者の中から商品の販売先候補を選択し、販売先候補の情報を出力する販売先候補選択部とを備える売買支援装置が考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-67676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方で、本願発明者は、店舗と顧客との間での商品の売買を支援する際に、双方に譲歩を求めることにより、調和の取れた取引の実現を可能にする売買支援システムの構築を試みている。
【0006】
そこで、本発明は、店舗と顧客との間での商品の売買を支援する際に双方に譲歩を求めることにより、調和の取れた取引の実現を図ることを目的とし、店舗及び顧客の双方の協力によって店舗における在庫又は余剰な生産の低減を図ることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る売買支援システムは、ユーザ端末にネットワークを介して互いに通信可能に接続されたサーバを用いて構成される売買支援システムであって、商品に対して店舗側が決定した少なくとも応募受付時間、応募結果連絡時間、商品引取時間、及び、特典情報を含む募集要項を前記ユーザ端末に送信する募集要項送信部と、前記ユーザ端末により入力される情報であって、前記募集要項に基づいて応募者が購入を希望する購入希望商品を含む応募情報を受け付ける応募情報受付部と、少なくとも前記応募情報の集積である応募集積情報を出力する応募集積情報出力部とを備えることを特徴とする。
【0008】
この売買支援システムであれば、応募者は、店舗側が決定した応募受付時間、応募結果連絡時間及び商品引取時間を含む募集項目に基づいて応募することにより、例えば店舗が決定した商品引取時間に合わせて商品を取りに行く等のように店舗に対して譲歩して、希望する商品を購入することになる。一方、店舗側は、募集要項に特典情報を含めることにより顧客に対して譲歩して、商品を特典付きで販売することになる。その結果、店舗及び顧客の双方に譲歩を求めることにより、調和の取れた取引の実現を可能にすることができる。そして、募集要項において、在庫又は余剰な生産を低減したい商品に対する特典を優遇する等によって、店舗及び顧客の協力により店舗における在庫又は余剰な生産の低減を図ることができる。
また、募集要項の決め方により、店舗側に翌日への持越し商品及び各商品の販売数量の決定の主導権を残しつつ、当日閉店間際の販売数量を増加させることが可能となる。
さらに、応募受付時間の終了から応募結果連絡時間の開始までの間で、店舗側が種々の考察や行動を実行できることができ、これにより、店舗における販売数の増加、在庫の低減又は余剰な生産の低減等が可能となる。
その上、募集要項に早期予約による割引(早割)を含めることによって、店舗での在庫管理を容易にしつつ、顧客の購買意欲を高めることができる。例えば早く(1週間前等に)注文しておいた顧客には、特典として、ポイント還元したり、通常の割引率(例えば1割引き)よりも高い割引率(例えば2割引き)とかで優遇したりできる。
なお、本発明の売買支援システムにおける決済のタイミングは店舗の考え方による。例えば、売買成立時に電子決済システム等を用いて行っても良いし、地域密着型等の商店では、顧客の顔が見える状態での取引とすべく商品引き渡し時に決済するようにしても良い。
【0009】
具体的に前記応募情報受付部は、前記購入希望商品と、その購入希望商品の購入希望価格及び/又は購入希望個数を含む前記応募情報を受け付けることが望ましい。
この構成であれば、店舗側が商品販売価格や値引率、販売個数の設定を行うだけでなく、応募者である顧客が購入希望商品の購入希望価格又は購入希望個数を選択できるようにして、店舗及び顧客の双方の協力を強くすることができる。
【0010】
前記ユーザ端末は、店舗側が前記応募者に販売する商品を前記店舗側の裁量で決定できるように、複数の購入希望商品を入力できるように構成されていることが望ましい。つまり、前記ユーザ端末は、前記購入希望商品を複数指定できるように構成されており、店舗側が前記応募者の購入希望個数を満たす条件下で前記購入希望商品の内訳を裁量により決定できるように構成されていることが望ましい。
この構成であれば、応募者が複数指定した購入希望商品に対して店舗側が裁量により購入希望商品の内訳を裁量により決定するので、応募者である顧客に譲歩を求めることになる。つまり、応募者は、複数の購入希望商品のどれでも良いという緩やかな応募をすることになり、応募者である顧客は店舗側に協力することになる。また、店舗は、応募者の緩やかな応募によって、店舗が翌日への持越し商品及び各商品の販売数量(内訳)等を決定する際にその自由度を大きくすることができ、店舗側の利便性を向上することができる。なお、応募者である顧客は、指定した複数の購入希望商品の中から商品が購入できるので、顧客の満足感を損なうこともない。
【0011】
前記ユーザ端末は、複数の商品で構成されているグループを選択することによって、前記複数の購入希望商品を入力できるように構成されていることが望ましい。
この構成であれば、グループを選択するだけで、複数の購入希望商品を入力できるので、応募者である顧客に譲歩を求めながらも顧客の利便性を向上させることができる。
【0012】
前記ユーザ端末は、前記複数の購入希望商品に優先順位を付けて入力できるように構成されていることが望ましい。
この構成であれば、応募者である顧客の欲しい順番(例えば第1希望、第2希望など)に購入希望商品を入力することができ、顧客に譲歩を求めながらも顧客の利便性を向上することができる。また、店舗は、複数の購入希望商品の中から、例えば当日に販売して店頭在庫を低減したい商品等を優先的に販売することができる。
【0013】
顧客に譲歩を求めながらも顧客の利便性をより一層向上させるためには、前記ユーザ端末は、店舗側が決定した応募締切時間以外の募集要項の内の少なくとも1つ(応募結果連絡時間、商品引取時間、商品引取場所等)を前記応募者が任意に入力可能又は選択可能に構成されていることが望ましい。
【0014】
顧客の譲歩を最大限にしつつ、店舗側が例えば当日に販売して店頭在庫を低減したい商品等を優先的に販売するためには、前記ユーザ端末は、前記購入希望商品を選択することなく、購入販売個数及び/又はその合計購入希望金額を入力できるように構成されていることが望ましい。
【0015】
顧客に譲歩を求めながらも顧客の利便性をより一層向上させるためには、本発明の売買支援システムは、商品引取場所及び/又は商品引取時間を含む売買成立情報を前記ユーザ端末に送信する売買成立情報送信部をさらに備えることが望ましい。
ここで、店舗混雑時を避けて商品引取時間を指定した場合等には、特典として、ポイント還元したり、通常の割引率(例えば1割引き)よりも高い割引率(例えば2割引き)とかで優遇することもできる。
【0016】
自動的に商品を販売する応募者を決定するためには、売買支援システムは、前記応募集積情報に基づいて、前記商品を販売する応募者を決定する応募者決定部をさらに備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
このように構成した本発明によれば、店舗及び顧客の双方の協力によって店舗における在庫又は余剰な生産の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る売買支援システムのシステム構成図である。
図2】同実施形態の売買支援システムの機能構成図である。
図3】同実施形態のユーザ端末に表示される商品購入申し込み画面(トップ画面)の一例である。
図4】同実施形態のユーザ端末に表示される「1.間際割[本日]」の商品選択画面の一例である。
図5】同実施形態のユーザ端末に表示される「2.明日割[明日]」の商品選択画面の一例である。
図6】同実施形態のユーザ端末に表示される「3.早割[10%]」の商品選択画面の一例である。
図7】同実施形態のユーザ端末に表示される「4.超割[即時]」の商品選択画面の一例である。
図8】同実施形態のユーザ端末に表示される「5.ネット注文」の商品選択画面の一例である。
図9】同実施形態の店舗端末に表示される集計画面の一例である。
図10】同実施形態の店舗端末に表示される集計画面のその他の例である。
図11】変形実施形態の売買支援システムの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る売買支援システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
本実施形態の売買支援システム100は、店舗と顧客との間での商品の売買を支援するシステムであって、店舗が行う募集に対して顧客が応募を行うことによって、双方に譲歩を求めることにより、調和の取れた取引の実現を可能にするものである。
【0021】
<売買支援システムの基本構成>
具体的に売買支援システム100は、図1に示すように、顧客が操作するユーザ端末200にネットワークNTを介して互いに通信可能に接続されたサーバ400を用いて構成される。具体的に売買支援システム100は、店舗に設けられた店舗端末300と、ユーザ端末200及び店舗端末300にネットワークNTを介して双方向に互いに通信可能に接続されたサーバ400とを備えている。
【0022】
ユーザ端末200は、顧客が店舗に対して購入希望商品を応募するための端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン等である。
【0023】
店舗端末300は、顧客が購入希望商品を応募する上で必要な情報(後述する募集要項)を設定し、応募者がユーザ端末200に入力した応募情報を受け取るための端末装置であり、例えば、スマートフォン、タブレット、パソコン等である。
【0024】
サーバ400は、ユーザ端末200及び店舗端末300との間で、応募者が購入希望商品を応募する応募処理及び当該応募を確定する確定処理などを行うコンピュータである。
【0025】
<各端末の機能>
以下に、ユーザ端末200、店舗端末300及びサーバ400の機能について説明する。
【0026】
ユーザ端末200は、図2に示すように、応募情報を入力するための応募入力画面である商品購入申し込み画面W1をディスプレイに表示する入力画面表示部201と、商品購入申し込み画面W1を用いて応募情報を入力する応募情報入力部202とを有している。
【0027】
入力画面表示部201は、少なくとも購入希望商品を含む応募情報を入力するための商品購入申し込み画面(トップ画面)W1(図3参照)を表示する。ここで、商品購入申し込み画面W1に表示される募集要項は、店舗により設定されたものであり、サーバ400の募集要項送信部401により送信されたものである。なお、商品購入申し込み画面W1を表示する際に、顧客IDを入力する構成とすることが考えられる。この顧客IDは、顧客が入力する構成であっても良いし、顧客がシステムにログインすることにより自動的に認識する構成であっても良いし、顧客が操作しているユーザ端末200から自動的に認識する構成であっても良い。
【0028】
具体的に商品購入申し込み画面W1は、図3に示すように、商品に対して店舗側が決定した少なくとも応募受付時間、応募結果連絡時間、商品引取時間、及び、特典情報を含む募集要項が表示されており、当該募集要項に基づいて、購入希望商品を選択できるように構成されている。なお、本実施形態の特典情報は、商品の販売価格の割引(値引き)であるが、その他、割引ポイント等のポイントの付与、割引クーポン等のクーポンの付与、記念品等の物品の付与、優遇イベントへの参加権利の付与といったように店舗側で適宜設定できる。
【0029】
商品購入申し込み画面W1には、募集要項の一部として、募集種別(名称)、商品取引時間、応募受付時間、応募結果連絡時間、募集状況(可/不可)等が表示される。その他、募集要項として、決済のタイミング、商品引取場所、混雑度等を表示しても良い。なお、決済方法は、例えば電子決済システムを用いることが考えられる。
【0030】
この商品購入申し込み画面W1では、募集種別(名称)として、「1.間際割[本日]」「2.明日割[明日]」、「3.早割[10%]」、「4.超割[即時]」、[5.ネット注文]の5つを選択できる例を示している。そして、募集種別選択ボタンB1により、いずれかの募集種別を選択できるように構成されている。以下に示す各募集種別における各募集項目は、店舗によって適宜変更することができる。
【0031】
「1.間際割[本日]」は、当日の閉店間際において商品を販売するための募集要項であり、割引率は「50%(半額)」であり、商品取引時間は「閉店間際の17:15~18:00」、応募受付時間は「本日16:00~17:00」、結果連絡時間は「本日17:15~17:45」である。また、募集状況は、不可(現時点では募集を開始していない)である。
【0032】
「2.明日割[明日]」は、商品を前日に応募(予約)してもらう募集要項であり、割引率は「20%」であり、商品取引時間は「明日13:00~閉店まで」、応募受付時間は「現在時~本日24:00」、結果連絡時間は「明日10:00~11:00」である。また、募集状況は、可(応募できる)である。
【0033】
「3.早割[10%]」は、商品を2日前までに応募(予約)してもらう募集要項であり、割引率は「10%」であり、商品取引時間は「明後日以降から30日先」、応募受付時間は「現在時~本日24:00」、結果連絡時間は「明日10:00~11:00」である。また、募集状況は、可(応募できる)である。
【0034】
「4.超割[即時]」は、閉店間際でなくても今すぐに販売したい(いわゆる投げ売りしたい)商品を応募してもらう募集要項であり、割引率は「70%」であり、商品取引時間は「現在時~18:00閉店」、応募受付時間は「現在時~18:00閉店」、結果連絡時間は「即座に回答(即レス)」である。また、募集状況は、不可(現時点では募集していない)である。
【0035】
「5.ネット注文」は、インターネットで商品を応募(予約)してもらう通常のインターネット注文の募集要項であり、割引率は「5%」であり、商品取引時間は「選択又は記入(自由に設定可能)」、応募受付時間は「常時(いつでも)」、結果連絡時間は「営業時間1時間以内」である。また、募集状況は、可(応募できる)である。
【0036】
ここで、商品購入申し込み画面W1に表示される各募集要項は、店舗端末300によって予め設定されたものである。この店舗端末300により設定された募集要項に応じて、商品購入申し込み画面W1に表示される募集要項は変更することができる。
【0037】
そして、応募情報入力部202によりいずれかの募集種別を選択すると、各募集種別に対応した商品選択画面W2~W6が表示される。
【0038】
商品選択画面W2~W6には、図4図8に示すように、選択された募集要項に含まれる複数の商品が一覧表示されており、各商品の販売価格(割引前の価格及び/又は割引後の価格)が表示されている。なお、図4図8では、一覧表示された複数の商品が同じであるが、各商品選択画面W2~W6において一覧表示される商品が異なっていても良い。
【0039】
応募情報入力部202は、募集要項に基づいて応募者が購入を希望する購入希望商品及びその購入希望個数を入力できるように構成されている。本実施形態の応募情報入力部202は、店舗側が応募者に販売する商品及びその内訳を店舗側の裁量で決定できるように、商品選択画面W2~W6には複数の購入希望商品及びその購入希望個数を入力(指定)できるように構成されている。
【0040】
また、応募情報入力部202は、複数の購入希望商品に優先順位を付けて入力できるように構成されている。具体的には、商品選択画面W2~W6の優先順位入力欄R1に第1希望、第2希望などの希望順位を入力できるように構成されている。
【0041】
ここでは、図4図8に示すように、「グループ1」には、モンブラン、イチゴショート、ロールケーキが分類され、「グループ2」には、イチゴ大福、豆大福、最中が分類された例を示している。なお、グループ分けは、店舗端末300によって予め設定されている。そして、例えば、「グループ1」の各商品に対応した個数入力欄R2に個数を入力することによって、各商品の購入希望個数を入力することができる。また、「グループ1」の購入希望合計個数欄R3に個数を入力することによって、複数の購入希望商品を一括して入力することもできる。
【0042】
図4に「1.間際割[本日]」の商品選択画面W2を示し、図5に「2.明日割[明日]」の商品選択画面W3を示し、図6に「3.早割[10%]」の商品選択画面W4を示し、図7に「4.超割[即時]」の商品選択画面W5を示し、図8に「5.ネット注文」の商品選択画面W6を示している。
【0043】
図4の「1.間際割[本日]」の商品選択画面W2、図5の「2.明日割[明日]」の商品選択画面W3、及び、図6の「3.早割[10%]」の商品選択画面W4は、いずれも、「グループ1」に分類された3つの購入希望商品(モンブラン、イチゴショート、ロールケーキ)を合計で5個購入希望であり、かつ、モンブランを第1希望とし、イチゴショートを第2希望とした例である。これは、モンブラン5個がベストであるが、例えば、モンブラン2個、イチゴショート3個でも良いという応募内容となる。なお、ロールケーキの個数入力欄R2又は優先順位入力欄R1に「0」を入力することによって、ロールケーキは要らないという意思表示もできる。
【0044】
また、商品選択画面W2~W4では、「グループ2」に分類された3つの購入希望商品(イチゴ大福、豆大福、最中)を合計で5個購入希望であり、かつ、豆大福及び最中をともに第1希望とした例である。これは、豆大福及び最中を合計5個欲しい応募内容となる。なお、イチゴ大福の個数入力欄R2に「0」が入力されており、イチゴ大福は要らないということである。
【0045】
図7の「4.超割[即時]」の商品選択画面W5は、「グループ1」に分類された3つの購入希望商品(モンブラン、イチゴショート、ロールケーキ)を合計で10個購入希望であり、かつ、ロールケーキを第1希望とし、イチゴショートを第2希望とした例である。これは、ロールケーキ10個がベストであるが、例えば、ロールケーキ3個、イチゴショート7個でも良いという応募内容となる。なお、モンブランの個数入力欄R2又は優先順位入力欄R1に「0」を入力することによって、ロールケーキは要らないという意思表示もできる。
【0046】
また、商品選択画面W5では、「グループ2」に分類された3つの購入希望商品(イチゴ大福、豆大福、最中)を合計で10個購入希望であり、かつ、豆大福及び最中をともに第1希望とした例である。これは、豆大福及び最中を合計10個欲しい応募内容となる。なお、イチゴ大福の個数入力欄R2に「0」が入力されており、イチゴ大福は要らないということである。
【0047】
図8の「5.ネット注文」の商品選択画面W6は、「グループ1」に分類された3つの購入希望商品(モンブラン、イチゴショート、ロールケーキ)のうち、モンブランの5個、イチゴショートを5個注文した例である。
【0048】
また、商品選択画面W6では、「グループ2」に分類された3つの購入希望商品(イチゴ大福、豆大福、最中)のうち、イチゴ大福を3個注文した例である。
【0049】
さらに、上記の商品選択画面W2~W6において、下段には、グループ毎に購入希望個数を一括して入力可能な一括入力欄R4が設けられている。この一括入力欄R4に入力することによって、個別商品の個数入力欄R2への個数の入力を省略することができる。また、個数入力欄R2と一括入力欄R4との両方に個数を入力することを要求することによって、入力ミスを防止することもできる。
【0050】
加えて、図6の「3.早割[10%]」の商品選択画面W4、及び、図7の「4.超割[即時]」の商品選択画面W5では、ユーザ端末200により商品引取時間を任意に指定可能又は選択可能に構成されている。ここでは、商品取引時間を「2021年12月4日、午前・午後(選択)」としてあり、商品引取時間を2021年12月4日の午前又は午後に指定した例である。
【0051】
そして、商品選択画面W2の応募確定ボタン(不図示)を選択(クリック)すると、ユーザ端末200から応募情報がサーバの応募情報受付部402に送信される。
【0052】
サーバ400は、図2に示すように、商品に対して店舗側が決定した募集要項をユーザ端末200に送信する募集要項送信部401と、応募情報入力部202により入力された応募情報を受け付ける応募情報受付部402と、応募情報受付部402が受け付けた複数の顧客の応募情報を集計する応募情報集計部403と、当該応募情報集計部403により集計された応募集計情報を店舗端末300に送信(出力)する応募情報送信部(応募集計情報出力部)404と、売買成立情報をユーザ端末200に送信する売買成立情報送信部405とを有している。
【0053】
応募集積情報送信部404により送信された応募集計情報は、店舗端末300の集計情報受付部301により受け付けられる。そして、店舗端末300の集計画面表示部302は、図9及び図10に示すように、応募集計情報を示す応募集計画面W7をディスプレイに表示する。
【0054】
応募集計画面W7には、各商品の「申込総数と在庫総数」、「在庫内訳(ショーケース在庫及び厨房在庫)」、及び、「申込詳細(第1優先、第2優先、第3優先)」の集計結果が表示される。
【0055】
そして、店長等の権限者は、応募集積情報に基づいて、店舗端末300を用いて「店舗側決定」において「店頭販売継続」の個数と「注文販売」の個数とを決定して入力する。また、権限者は、この応募集計画面W7の応募集積情報に基づいて、店舗端末300を用いて各顧客に販売する商品の割り当てを入力する。具体的に、権限者は、各応募者の購入希望個数を満たす条件下で、購入希望商品の内訳を裁量により決定して、各応募者に販売する商品の種類及び個数を入力する。この権限者による入力に基づいて、店舗端末300の決定情報送信部303が決定信号を生成し、この決定信号をサーバ400の売買成立情報送信部405に送信する。
【0056】
図9に示す応募集計画面W7では、申込総数(累積個数)が197個であり、店舗総在庫数が212個である。つまり、212個-197個=15個が翌日持ち越し数となる。そうすると、日持ちの良いロールケーキを15個残すという選択肢もあるし、残りの15個は、これまでの累積購入数が多い顧客にサービスとして追加するという選択肢もある。
【0057】
また、図9では、イチゴショートの購入希望合計45個に対して総在庫数が40個であり、イチゴショートは5個不足している。この不足分の5個をロールケーキで補った例を示している。なお、他の方法としては、イチゴショートの半製品があるのであれば、追加で5個仕上げて、応募者の希望に合わせるという方法も考えられる。
【0058】
図10に示す応募集計画面W7は、図9に示すものとは、注文数が同じで在庫数が異なる場合を示している。この例では、店舗販売を継続する個数を維持するために、申込総数(累積個数)が197個に対して、注文販売する個数を190個に決定している。この場合、いずれの応募者に対して、応募が外れたことを連絡する必要がある。
【0059】
売買成立情報送信部405は、予め設定された応募結果連絡時間において、応募者が当選した商品及びその個数とともに、商品引取場所及び/又は商品引取時間を含む売買成立情報をユーザ端末200の売買成立情報受信部203に送信する。また、このときに、商品購入の決済が行われる。この売買成立情報を受け取った応募者は、指定された商品引取場所及び/又は商品引取時間に商品を取りに行く。
【0060】
<本実施形態の効果>
本実施形態の売買支援システム100によれば、応募者は、店舗側が決定した応募受付時間、応募結果連絡時間及び商品引取時間を含む募集項目に基づいて応募することにより、例えば店舗が決定した商品引取時間に合わせて商品を取りに行く等のように店舗に対して譲歩して、希望する商品を購入することになる。一方、店舗側は、募集要項に特典情報として例えば割引率を含めることにより顧客に対して譲歩して、商品を割引して販売することになる。その結果、店舗及び顧客の双方に譲歩を求めることにより、調和の取れた取引の実現を可能にする売買支援システムを構築することができる。そして、募集要項において、在庫又は余剰な生産を低減したい商品に対する特典を優遇することによって、店舗及び顧客の協力により店舗における在庫又は余剰な生産の低減を図ることができる。
【0061】
例えば、募集要項の決め方(上記の「1.間際割[本日]」)により、店舗側に翌日への持越し商品及び各商品の販売数量の決定の主導権を残しつつ、当日閉店間際の販売数量を増加させることが可能となる。
【0062】
また、この売買支援システム100であれば、応募受付時間の終了から応募結果連絡時間の開始までの間で、店舗側が種々の考察や行動を実行できることができ、これにより、店舗における販売数の増加、在庫の低減又は余剰な生産の低減等が可能となる。
【0063】
さらに、募集要項に早期予約による割引(早割)を含めることによって、店舗での在庫管理を容易にしつつ、また、顧客の購買意欲を高めることができる。例えば早く(1週間前等に)注文しておいた顧客には、ポイント還元したり、通常の割引率(例えば1割引き)よりも高い割引率(例えば2割引き)とかで優遇したりできる。
【0064】
特に本実施形態の売買支援システム100では、各応募者が複数の購入希望商品のどれでも良いという緩やかな応募をすることができ、応募者である顧客は店舗側に協力することになる。また、店舗は、応募者の緩やかな応募によって、翌日への持越し商品及び各商品の販売数量(内訳)等を決定する際にその自由度を大きくすることができ、店舗側の利便性を向上することができる。なお、応募者である顧客は、指定した複数の購入希望商品の中から商品が購入できるので、顧客の満足感を損なうこともない。
【0065】
<本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0066】
例えば、応募情報入力部202は、応募者が購入を希望する購入希望商品とともに、その購入希望商品の購入希望価格を入力できるように構成しても良い。
【0067】
また、応募情報入力部202は、店舗側が決定した応募締切時間以外の募集要項の内の少なくとも1つ(例えば、応募結果連絡時間、商品引取時間、商品引取場所等)を任意に入力可能又は選択可能に構成されていても良い。この構成により、顧客に譲歩を求めながらも顧客の利便性をより一層向上させることができる。
【0068】
さらに、前記実施形態では、各応募者に販売する商品の割り当てを店長等の権限者が行っていたが、図11に示すように、店舗端末300が、応募集積情報に基づいて、商品を販売する応募者を決定する応募者決定部304をさらに備えていても良い。この応募者決定部304は、人工知能(AI)等のコンピュータにより構成され、応募集積情報及び商品の在庫情報に基づいて、商品を販売する応募者を自動的に決定する。
【0069】
また、応募者決定部304は、応募集積情報及び商品の在庫情報に加えて、応募者の応募履歴情報及び/又は購入履歴情報に基づいて、商品を販売する応募者を決定するように構成しても良い。なお、応募者決定部は、サーバ400が備えていても良い。
【0070】
さらに、応募方法としては、商品を種類を選択することなく、購入販売個数及びその合計購入希望金額を入力できるように構成しても良い。例えば、「ケーキの種類は何でも良いけど、20個のケーキを合計3000円の範囲内でちょうだい。」といった応募ができるように構成しても良い。この構成により、顧客の譲歩を最大限にしつつ、店舗側が例えば当日に販売して店頭在庫を低減したい商品等を優先的に販売することができる。
【0071】
加えて、応募が外れた顧客に対しては、次回の応募に対して、優先的に当選できるように構成しても良いし、ポイント(例えば1ポイント=1円など)を付与して、次回以降の応募においてそのポイントを使用できるようにしても良い。
【0072】
前記実施形態の決済のタイミングは、電子決済システムの他、商品引取時に店頭で決済できるようにしても良い。
【0073】
前記実施形態では、店舗端末300とは別にサーバ400を設けた構成であったが、店舗端末300にサーバ400の機能を備えさせても良い。
【0074】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0075】
100・・・売買支援システム
NT ・・・ネットワーク
200・・・ユーザ端末
201・・・入力画面表示部
202・・・応募情報入力部
W1 ・・・商品購入申し込み画面(応募入力画面)
300・・・店舗端末
301・・・集計情報受付部
302・・・集計画面表示部
303・・・決定情報送信部
304・・・応募者決定部
400・・・サーバ
401・・・募集要項送信部
402・・・応募情報受付部
403・・・応募情報集計部
404・・・応募情報送信部(応募集積情報出力部)
405・・・売買成立情報送信部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11