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特開2023-108933排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法
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  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図1
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図2
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図3
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図4
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図5
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図6
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図7
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図8
  • 特開-排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108933
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/122 20060101AFI20230731BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20230731BHJP
   F16L 55/18 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
E03C1/122 Z
F16L1/00 T
F16L55/18 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010253
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】500489015
【氏名又は名称】建装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】弁理士法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 能文
【テーマコード(参考)】
2D061
【Fターム(参考)】
2D061AA05
2D061AB07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】うっかり排水をしたとしても下流の住居内に被害が及ばない、排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管更新工法を提供する。
【解決手段】横方向に延在するように配置された排水横引き管を、上流に配置された上流排水横引き管210と下流に配置された下流排水横引き管と、にそれぞれ分割し、前記上流排水横引き管に流入した排水を貯留しつつ、前記下流排水横引き管を新規な下流排水横引き管に更新するために、前記上流排水横引き管の下流端部に取り付ける第1継手10と、第1継手の下流に配置する開閉可能なバルブ20と、新規な下流排水横引き管の上流端部に取り付けるための第2継手30と、を具備するバルブ部50と、バルブ部における第2継手と取り外し可能に取り付けるホース部80と、ホース部に取り付けられ、上流排水横引き管に流入した排水を貯留するタンク部90と、を有するバルブ装置100である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向に延在するように配置された排水横引き管を、上流に配置された上流排水横引き管と下流に配置された下流排水横引き管と、にそれぞれ分割し、前記上流排水横引き管に流入した排水を貯留しつつ、前記下流排水横引き管を新規な下流排水横引き管に更新するために、前記上流排水横引き管の下流端部に取り付ける第1継手と、
前記第1継手の下流に配置する開閉可能なバルブと、
前記新規な下流排水横引き管の上流端部に取り付けるための第2継手と、を具備するバルブ部と、
前記バルブ部における第2継手と取り外し可能に取り付けるホース部と、
前記ホース部に取り付けられ、前記上流排水横引き管に流入した排水を貯留するタンク部と、を有し、
前記上流排水横引き管に流入した排水は、前記バルブ部と、前記ホース部と、を介して前記タンク部に貯留するバルブ装置。
【請求項2】
前記バルブ部は、前記第1継手と、前記バルブとの間に透明な中空管と、
前記バルブと、前記第2継手との間に透明な中空管と、をさらに有する請求項1記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記バルブはボールバルブである請求項1または2記載のバルブ装置。
【請求項4】
横方向に延在するように配置された排水横引き管を、上流に配置された上流排水横引き管と下流に配置された下流排水横引き管と、にそれぞれ分割する排水横引き管分割工程と、
前記排水横引き管分割工程により上流に配置された上流排水横引き管の下流端部に第2継手を具備するバルブ部を取り付けるバルブ部取り付け工程と、
前記バルブ部取り付け工程によって取り付けたバルブ部における第2継手と取り外し可能に取り付けるホース部と、前記ホース部に取り付けられ、前記上流排水横引き管に流入した排水を貯留するタンク部と、を取り付けるタンク部取り付け工程と、
前記下流に配置された下流排水横引き管を新たな下流排水横引き管に取り換える新下流排水横引き管取り換え工程と、を有する排水横引き管更新工法。
【請求項5】
前記バルブ部は、前記第1継手と、前記バルブ部との間に透明な中空管と、
前記バルブ部と、前記第2継手との間に透明な中空管と、をさらに有する請求項4記載の排水横引き管更新工法。
【請求項6】
前記バルブはボールバルブである請求項4または5記載の排水横引き管更新工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排水横引き管を更新するときに使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビルやマンションなどの建築物において、各階から排出された排水はいわゆる排水立管に集められ、その排水立管を介してその建築物の下階に配置されている排水横引き管を介して下水に排水されるように構成されている。近年このような建築物の建築年数が経過し、建築物本体のみならず、その排水横引き管の劣化が問題視されている。
【0003】
そこで、劣化した排水横引き管を、継手やパイプを使用して新たな排水横引き管に更新する排水横引き管更新工事が行われている。このような更新工事に使用される継手として例えば、特開2021-147921号公報において、第1の継手と、前記第1の継手の下流に位置する第2の継手と、前記第1の継手から下流に延びる第1の立管と、前記第2の継手から上流に延びる第2の立管と、を備える配管構造に用いられ、前記第1の立管と前記第2の立管とを接続する更新用継手であって、前記第1の立管の下端が上端に装着され、前記第2の立管の上端が下端に装着される継手本体と、前記継手本体の前記上端と前記下端との間の中間部内に配置され、前記第1の立管の下端と前記第2の立管の上端との間に設けられた立管連通部と、を備え、前記継手本体の外周面には、前記立管連通部を前記継手本体内から外部に取り出すための開口が設けられている、更新用継手が開示されている。
【0004】
また、第1の継手と、前記第1の継手の下流に位置する第2の継手と、前記第1の継手から下流に延びる第1の立管と、前記第2の継手から上流に延びる第2の立管と、上記公報に記載された請求項1から4のいずれか一項に記載の更新用継手と、を備える、配管構造における配管の更新工法であって、前記立管連通部を、前記継手本体の前記開口を通して前記継手本体の内部から外部に取り出す第1工程を含む、配管の更新工法が開示されている。
【0005】
上記工法によって排水横引き管を更新する場合は、その居住者に対してあらかじめ排水しないようにする排水規制を求めてからその工事を開始する。しかしながら、居住者がそのような排水規制中にもかかわらず更新工事であることを失念することによって、水回り製品を使用することで排水してしまう事例が報告されている。このような排水をうっかり排水と呼称される場合がある。
【0006】
建物の下階に配置された排水横引き管を更新する工事中にもかかわらずその排水横引き管にうっかり排水されてしまった場合は、その更新工事の現場においてその排水が漏出することになり、その建築物のみならず作業者に対しても被害が及ぶ場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-147921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は前記の点に着目してなされたもので、その課題は、うっかり排水をしたとしても、その建築物のみならず作業者に被害が及ばない排水横引き管を更新するために使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、第1観点のバルブ装置は、横方向に延在するように配置された排水横引き管を、上流に配置された上流排水横引き管と下流に配置された下流排水横引き管と、にそれぞれ分割し、前記上流排水横引き管に流入した排水を貯留しつつ、前記下流排水横引き管を新規な下流排水横引き管に更新するために、前記上流排水横引き管の下流端部に取り付ける第1継手と、第1継手の下流に配置する開閉可能なバルブと、新規な下流排水横引き管の上流端部に取り付けるための第2継手と、を具備するバルブ部と、バルブ部における第2継手と取り外し可能に取り付けるホース部と、ホース部に取り付けられ、上流排水横引き管に流入した排水を貯留するタンク部と、を有し、上流排水横引き管に流入した排水は、バルブ部と、ホース部と、を介して前記タンク部に貯留するというものである。
【0010】
また、第2観点のバルブ装置は、第1観点において、バルブ部は、第1継手と、バルブとの間に透明な中空管と、バルブと、第2継手との間に透明な中空管と、をさらに有するというものである。
【0011】
また、第3観点のバルブ装置は、第1観点または第2観点において、バルブはボールバルブであるというものである。
【0012】
前記の課題を解決するために、第4観点の排水横引き管更新工法は、横方向に延在するように配置された排水横引き管を、上流に配置された上流排水横引き管と下流に配置された下流排水横引き管と、にそれぞれ分割する排水横引き管分割工程と、排水横引き管分割工程により上流に配置された上流排水横引き管の下流端部に第2継手を具備するバルブ部を取り付けるバルブ部取り付け工程と、バルブ部取り付け工程によって取り付けたバルブ部における第2継手と取り外し可能に取り付けるホース部と、ホース部に取り付けられ、上流排水横引き管に流入した排水を貯留するタンク部と、を取り付けるタンク部取り付け工程と、下流に配置された下流排水横引き管を新たな下流排水横引き管に取り換える新下流排水横引き管取り換え工程と、を有するというものである。
【0013】
また、第5観点の排水横引き管更新工法は、第4観点において、バルブ部は、第1継手と、バルブとの間に透明な中空管と、バルブと、第2継手との間に透明な中空管と、をさらに有するというものである。
【0014】
また、第6観点の排水横引き管更新工法は、第4観点または第5観点において、バルブはボールバルブであるというものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、うっかり排水をしたとしても、建築物のみならず作業者に被害が及ばない排水横引き管を更新するために使用するバルブ装置と、排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1実施例のバルブ装置の正面図である。
図2】バルブ部の正面図である。
図3】Aは、建物の下階の排水横引き管を示した概念図である。Bは、排水横引き管分割工程を示す建物を抜き出して示した概念図である。
図4】Aは、バルブ部取り付け工程を示す概念図である。Bは、タンク部取り付け工程を示す概念図である。
図5】Aは下流排水横引き管220を撤去する状態を示した概念図である。Bは、新下流排水横引き管取り付け工程を示した概念図である。
図6】Aは、第2排水横引き管分割工程を示した概念図である。Bは、第2バルブ部取り付け工程を示した概念図である。
図7】Aは、第2排水横引き管分割工程S1を示す高層建物の下階を抜き出して示した概念図である。Bは、上流排水横引き管であった第2下流排水横引き管を撤去する状態を示した概念図である。
図8】Aは、第2下流排水横引き管の撤去を開始した状態の下階を抜き出して示した概念図である。Bは、第2下流排水横引き管取り換え工程を示す高層建物の下階の抜き出して示した概念図である。
図9】排水横引き管を更新する排水横引き管更新工法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図示の実施形態を参照して第1実施例のバルブ装置100について説明する。第1実施例のバルブ装置100は、例えば建物Tの下階部分に横方向に延在するように配置された排水横引き管200を、少なくとも上流に配置された上流排水横引き管210と下流排水横引き管220とに、それぞれ分割し、その上流排水横引き管210に流入した排水を貯留しつつ、その上流排水横引き管210に取り付けて使用するものである。ここで、上流と下流とは、第1実施例のバルブ装置100を取り付ける位置を基準に排水の流れる方向を基準とするものであり、本実施例においては矢印X方向に流れるものである(図3参照)。なお、下階とは、建物Tの1階にかかわらず、建物Tの外部に排水するための排水横引き管200が配置されている階をいい、建物Tの2階以上に配置される場合がある。また、地下に配置されている場合もある。
【0018】
第1実施例のバルブ装置100は、上流排水横引き管210に流入した排水を貯留するため、上流排水横引き管210の下流端部211に取り付ける第1継手10と、第1継手10の下流に配置する開閉可能なバルブ20と、下流排水横引き管220を更新した新下流排水横引き管320の上流端部321に取り付けるための第2継手30と、を有するバルブ部50と、そのバルブ部50における第2継手30と取り外し可能に取り付ける管状を呈するホース部80と、そのホース部80に取り付けられ、上流排水横引き管210に各階から流入した排水を貯留するタンク部90と、を有するものである。
【0019】
さらにバルブ部50は、第1中空管60と、第2中空管70を有する場合がある。第1中空管60と、第2中空管70は、それぞれ透明な塩化ビニル製の中空管が好ましい。排水を目視することができるからである。特に、透明な塩化ビニル製の管を適用することで、排水規制中にも関わらず、水回り製品を使用することにより、各階から流入するいわゆるうっかり排水が、バルブ装置100内に流入する様子を目視することができる。
【0020】
第1中空管60は、第1継手10と、バルブ20との間に配置され、第1継手10と、バルブ20と連結するように配置されている。また、第2中空管70は、バルブ20と第2継手30との間に配置され、バルブ20と第2継手30連結するように配置されている。
【0021】
バルブ20は、開け閉めすることで排水の流れを制御するものである。また、バルブ20は開閉するためのつまみ21を有し、横位置のつまみ21は開の状態であり、縦位置のつまみ21’は、閉の状態である。なお、バルブ20は、いわゆるボールバルブが好ましい。
【0022】
第1継手10は、排水横引き管200を分割した上流排水横引き管210の下流端部211と接続するために使用するものである。第1継手10は、いわゆるMD継手が好ましく、MD継手とは、Mechanical Drainage Jointと呼ばれるものであり、排水鋼管用可とう継手と呼ばれるものが好ましい。また、第2継手30も同様に排水横引き管200を分割した下流排水横引き管220の上流端部221と接続するために使用するものである。第2継手30も、いわゆるMD継手が好ましく、MD継手とは、Mechanical Drainage Jointと呼ばれる場合があり、排水鋼管用可とう継手と呼ばれるものが好ましい。
【0023】
ホース部80は、管状を呈するいわゆるホース状のものが好ましく、また、ポロスリーブを使用することもできる。また、タンク部90は、排水を貯留するためのものである。
【0024】
次に、バルブ部50とそのバルブ部50を有する第1実施例のバルブ装置100を使用する排水横引き管更新工事の工法について説明する。
【0025】
建物Tの下階において、横方向に延在するように配置された排水横引き管200を更新する場合について説明する。排水横引き管200は、建物の下階部分において図示しない下水に通じるように配置されている(図3A参照)。
【0026】
次に、排水横引き管200を、上流に配置された上流排水横引き管210と下流に配置された下流排水横引き管220とに、それぞれ切り離して分割する(排水横引き管分割工程S1、図3B参照)。
【0027】
次に、上述の排水横引き管分割工程において、分割した上流排水横引き管210の端部である下流端部211に、バルブ部50を取り付ける(バルブ部取り付け工程S2)。このときバルブ20は、閉めた状態で取り付ける(図4A参照)。
【0028】
次に、排水横引き管200を、分割した上流排水横引き管210の下流端部211に取り付けたバルブ部50における第2継手30に、ホース部80と、そのホース部80に取り付けられ、上流排水横引き管210に流入した排水を貯留するタンク部90と、を取り付けて(図4B参照)バルブ20を開ける(タンク部取り付け工程S3)。このとき第1実施例のバルブ装置100が構成される。また、このとき、上流排水横引き管210に、上階の居住者が、いわゆるうっかり排水したとしても、その排水はタンク部90に貯留するので、排水横引き管200を分割した建物Tの下階には被害は及ばない。
【0029】
次に、バルブ20を開けた状態で、下流排水横引き管220を撤去し(図5A参照)、その下流排水横引き管220を新たな新下流排水横引き管320に取り換えて、図示しない排水路と接続するとともに、ホース部80とタンク部90とをバルブ部50から取り外しつつ、そのバルブ部50に、その新たな新下流排水横引き管320を接続する。バルブ部50は、分割した上流排水横引き管210の下流端部211に取り付けられた状態において、そのバルブ部50における第2継手30を、更新した新下流排水横引き管320の上流端部321に取り付ける(新下流排水横引き管取り付け工程S4、図5B参照)。
【0030】
次に、さらに、更新する排水横引き管が存在するかどうかを判断する(更新排水横引き管存在判断工程S5)。本実施例の場排水横引き管が長いので、その上流において更新すべき排水横引き管が存在している。したがって、排水横引き管分割工程S1に戻る。
【0031】
あとの工程は、ほぼ上述の工程の繰り返しである。なお、各工程において第2を付加して各工程を説明する。ここで「第2」とは、図9のフローチャートにおいてS1からS5における第2回目のループを示すものである。従って建物Tの下階において排水横引き管が長い場合に、さらに、上記の通り排水横引き管分割工程S1から更新立管存在判断工程S5までを繰り返すことで、建物Tの排水横引き管200をすべて更新することができる。
【0032】
建物Tにおいて、図6Aに示すように例えばその建物Tにおいて上流排水横引き管210であった第2下流排水横引き管420(次に更新する排水横引き管に対して下流となる)を、第2上流排水横引き管410から分割する(第2排水横引き管分割工程S1、図6A参照)。
【0033】
次に、分割した第2上流排水横引き管410の下流端部411にバルブ部50Aを取り付ける(第2バルブ部取り付け工程S2)。そのときのバルブ部50Aは、閉めておく。その後、そのバルブ部50Aにおける第1継手30Aに、ホース部80Aと、そのホース部80Aに取り付けられ、上流排水横引き管410に流入した排水を貯留するタンク部90Aと、を取り付けてバルブ20Aを開ける(第2タンク部取り付け工程S3)。このとき第1実施例のバルブ装置100と同様の第2バルブ装置100Aが再び構成される(図7A参照)。また、このとき、第2上流排水横引き管410に、上流の居住者がいわゆるうっかり排水したとしても、その排水はタンク部90Aに貯留するので、第2上流排水横引き管410を分割した下階には被害は及ばない。なお、バルブ装置10と、バルブ装置10Aとは同一の装置であり、図9のフローチャートにおいてS1からS5における第2回目のループで使用するバルブ装置10Aの各構成(バルブ部50A、そのホース部80A、タンク部90A等)については、それぞれの構成に「A」を図示する。
【0034】
次に、バルブ20を開けた状態で、上流排水横引き管210であった第2下流排水横引き管420を撤去する(図7B参照)。次に、撤去した第2下流排水横引き管420を新たな第2下流排水横引き管500に取り換える(第2新下流排水横引き管取り換え工程S4。図8A参照)。
【0035】
さらに、更新する排水横引き管が存在するかどうかを判断する(第2更新排水横引き管存在判断工程S5)。本実施例の場合は、更新すべき排水横引き管は、存在しないので、その後バルブ部50を撤去し、立て管600と新たな第2下流排水横引き管500とを接続する。これにより、排水横引き管更新工事は終了する。
【0036】
上記の通り、バルブ部50と、そのバルブ部50とホース部80とタンク部90とを有する第1実施例のバルブ装置100は、上述の各工程を実行することによって排水横引き管を更新することができる。また、上記構成のバルブ部50を有する第1実施例のバルブ装置100と、その第1実施例のバルブ装置100を使用する排水横引き管更新工法によって、いわゆるうっかり排水をしたとしても、その排水横引き管が存在する建物Tの下階に被害が及ばないという効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0037】
10 第1継手
20 バルブ
30 第2継手
50 バルブ部
60 第1中空管
70 第2中空管
80 ホース部
90 タンク部
100 バルブ装置
200 排水横引き管
210 上流排水横引き管
211 下流端部
220 下流排水横引き管
320 新下流排水横引き管
500 第2下流排水横引き管
S1 排水横引き管分割工程
S2 バルブ部取り付け工程
S3 タンク部取り付け工程
S4 新下流排水横引き管取り換え工程
S5 第2更新排水横引き管存在判断工程
T 建物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9