(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108948
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】褌
(51)【国際特許分類】
A41B 9/02 20060101AFI20230731BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A41B9/02 A
A41B9/04 C
A41B9/02 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010277
(22)【出願日】2022-01-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
(71)【出願人】
【識別番号】521197368
【氏名又は名称】オーリーオーン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大藤則子
【テーマコード(参考)】
3B128
【Fターム(参考)】
3B128EA04
3B128EB11
3B128EB18
3B128EC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デスクワークや老化などによって、足腰が弱まり、足関節疾患、膝関節疾患、腰痛の悩みが多くなっていますが、比較的若年の方や女性の方にも腰痛や子宮関連の疾患、不妊症も激増しています。その原因の一つとして、股関節の関節運動や、鼠径部の血液リンパの循環を改善すること目的に下着では鼠径部を締め付けない方法と磁性体内蔵による気血誘導褌を提供する。
【解決手段】股関節の動きを妨げることがなく、鼠径部を開放し圧迫することなく血液リンパの流れを良くする褌に着眼し、洋装に適応するように機能的デザインに改良し、更に磁性体Jを褌に内蔵させて経絡刺激し、気血誘導することで健康補助管理ができる褌である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の幅を有し 着用者の臀部から下腹部を覆う覆い布と、前記着用者に取り付けられるベルト部から構成された褌であって、前記覆い布は前記ベルト部から臀部を覆って尾骨まで延びる臀部覆い部と、該臀部覆い部から恥骨までを覆う股覆い部と下腹部を覆う下腹覆い部と、で構成され、前記臀部覆い部と前記股覆い部と前記下腹覆い部の少なくともいずれか一つに磁性体が設けられていることを特徴とする褌。
【請求項2】
前記臀部覆い部には、前記尾骨の上部に位置する仙骨部の穴群に磁性体が、前記股覆い部には、会陰部の正中央ラインに磁性体が、前記下腹覆い部には、その中央部分からそれぞれの外方に向けて延びた磁性体が、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の褌。
【請求項3】
前記臀部覆い部は、その両サイドがバイヤス断ちであり、前記股覆い部は、会陰部を通る中央ラインが凹部になるよう立体裁断されていることを特徴とする請求項1記載の褌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日本古来の股間を締め付けない褌を健康のために現代風に改良した磁性下着である。
【背景技術】
【0002】
現代の下着は、体にピタリとフィットさせていることで、美しいシルエットを創りだすことを目的にするものが多いが、体は、躍動的に動くのが日常であり、体の全ての部分は筋肉によって拡大と収縮しているが、体の動きを制限させるシルエット中心の下着では、健康に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0003】
特に股関節部分には、動静脈やリンパ節があり、それらの流れを阻害することで股関節ばかりでなく下腿、足関節、膝関節、また、生殖器系、泌尿器系、消化器系へと悪影響を与えている場合も多い。
【0004】
女性のガードル、コールセット、矯正下着は、健康に悪影響を及ぼし、新たな疾病の原因になっている場合があり、股関節の局部の治療は、重要ポイントであるが、プライベートな部分であるため、治療困難な場合も多く不定愁訴の原因の一つといえよう。
【0005】
男性にとっても、陰経絡が集中しており、該陰経絡は、東洋医学理論上 引き上げる力が働いているとされているにもかかわらず 長時間の圧迫により、本来の陰経絡の働きを阻害し、西洋医学的でも自律神経の調節が出来にくくなり、精神疾患や、精力減退に繋がっていると考えられる。
【0006】
また、入院時や長期の麻痺や、手術後の介護においてのT字帯は、非常に見苦しく 機能的にするため改良する必要がある。
【0007】
歴史的にみて、古来は世界的に形は少々違えど褌型が用いられていた。日本の場合は、着物の反物から作られていたのであるから、本体部分が、狭く長方形の布になっているが、エジプトではツタンカーメンのピラミッドからは三角形の褌が見つかっている。
【0008】
歴史的な流れの褌を改良して現代の神経と循環器の医学を基に鍼灸の経穴学を組み合わせて前記の健康的な褌を考案し、温故知新の技術とともにこの健康的なデザインの褌を考案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5416300
【特許文献2】実用新案2021-001957
【特許文献3】実用新案第31777895
【非特許文献4】中国伝統医学 耳穴診療法 陳 志強著(株)たにぐち書店 97~101 項
【非特許文献5】経穴マップ/イラストで学ぶ十四経穴・奇穴・耳穴・頭鍼 王 暁明 他著書 医歯薬出版株
【非特許文献6】鍼灸医学全書 経穴学 柳谷素霊著 株式会社厚徳社
【非特許文献7】実地応用 簡明不問診断法 柳谷素霊原著 石山鍼灸医学社
【非特許文献8】鍼灸治療医典 柳谷素霊原著 東洋鍼灸専門学校出版部
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
万人が、着用している下着であるが、性別、年齢、健康状態によって効果が様々であり、陰部を隠す目的と同時に それぞれの下着に対する健康向上のための改良にする必要があります。
【0011】
性別や年齢別では、若い男性、壮年男性、老年男性、若い女性、中年女性、老年女性、そして病人で分けて考える必要があり、下着の及ぼす作用は 男性では、精神疾患、生殖器系疾患、泌尿器疾患、腰痛、大腸などの消化器疾患、女性では、他に婦人科疾患の子宮や、卵巣などの疾患、が加わります。病人に対しては、体位交換、床ずれ防止や、排便 排尿の介護が受けやすくすることが、加わり 下着は、皮膚に直接触れる部分であるため、刺激を受けやすくなり、東洋医学では、体表に経絡が、巡っていてその経絡は神経学的に皮神経のデルマトームと似ていていますし、また整体では仙骨部の調節は、後頭骨調節に影響を与えて仙骨調整をしています。
【0012】
鍼灸では股関節の経穴は、
図1、9のようになっていて、背面経穴は2参照して腰と腹部は、陰陽が相対してセットで流れ、背面では、経絡の流れが、頭から流れ、会陰穴を境に腹部では恥骨から胸部に向かって流れていています。
図3、4参照。
図4では、背中では陽経絡が下方に下り、腹部の部分では、矢印のように陰経絡が胸方向に登っています。
【0013】
図4の矢印方向の経絡の走行は会陰E100、を境にして 背部と腹部で逆行していますが、その影響は、背部と腹部で神経的にも、経絡的にも相対応していますので、下着に触れる部分は、磁性体による磁気誘導で背面腰と腹部の陰陽のバランスを取るのに良好な治療場といえます。
【0014】
また、股関節は、体幹部と下腿を繋ぐ部分であり、陰陽六経絡が通っていますので股関節治療が大切になり、下肢の治療対象として、大変有効であり、下着によって健康管理が出来ます。
図9参照。
【0015】
しかし、陰部の治療は、部位的にも 重要であるにもかかわらず 自他共による治療にも困難で、下着のなかに磁性体を入れ込む方法は、秘密裏にプライベートに未病に対応でき便利です。
【0016】
しかし、従来の日本の褌は、あまりにも密着性に乏しいため、皮膚に有効に磁気を与えることが出来にくいため ある程度緩みのある立体裁断が必要であり、特に今までの褌では股間部は 洋装では 布がもたつき、前垂れの部分は、あまり必要でありませんし、装着にあたっては、垂部を胸までふり挙げなくてはならず、不潔ですし手間がかかるといった難点があります。
【0017】
この発明の褌は、二重仕立にすることで腹部上部を輪にして空洞をつくり、その空洞にベルト部を入れ、磁性体を入れる箇所を各人の好みと必要性に応じて目的別にバージョン化させることで健康下着としての磁性体褌になります。製作方法を効果ごとに手段にて説明していきます。
【課題を解決するための手段】
【0018】
所定の幅を有し 着用者の臀部から下腹部を覆う覆い布と、前記着用者に取り付けられるベルト部から構成された褌であって、前記覆い布は前記ベルト部から臀部を覆って尾骨まで延びる臀部覆い部と、該臀部覆い部から恥骨までを覆う股覆い部と下腹部を覆う下腹覆い部と、で構成され、前記臀部覆い部と前記股覆い部と前記下腹覆い部の少なくともいずれか一つに磁性体が設けられていることを特徴とする褌。
【0019】
前記臀部覆い部には、前記尾骨の上部に位置する仙骨部の穴群に磁性体が、前記股覆い部には、会陰部の正中央ラインに磁性体が、前記下腹覆い部には、その中央部分からそれぞれの外方に向けて延びた磁性体が、それぞれ設けられていることを特徴とする請求項1記載の褌。
【0020】
前記臀部覆い部は、その両サイドがバイヤス断ちであり、前記股覆い部は、会陰部を通る中央ラインが凹部になるよう立体裁断されていることを特徴とする請求項1記載の褌。
【0021】
従来古来からの越中褌を基本として、形状と構成、縫製方法を改良して褌のなかに磁性体を付加させて臀部、股間部、下腹部の穴群間に磁気誘導行う。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、健康下着を目的に、日本古来の伝統的な褌を現代風に機能的に改良することで、褌の本来持つ快適さを残しつつも、東洋医学的理論をもとに褌を接点として、磁気により体の陰陽バランスを図ることで、万人の健康に貢献できる下着となる。
【0023】
男女や年齢、病症状により 違いますが、この下着は、鼠径部を圧迫しないことで、神経、血液循環、リンパの流れを潤滑にし 会陰穴E100刺激により、東洋医学的には陰陽経絡の接点であることから心身のバランスを整え、頭頂部の百会穴にも影響してリラックス効果があります。
【発明を実施するための形態】
【0024】
形状において、詳細説明すると 褌本体を臀部覆い部、股覆い部、下腹覆い部の三部に分けた構成とし、一般的な形状は 該構成の臀部覆い部は、腰椎2番から腰仙関節部を起点として、尾骨下部までとした正中線に対して対照台形の部分の構成をX1として、股覆い部は該尾骨下部から、恥骨までを立体裁断の立体形の部分をX2とし、下腹覆い部は 恥骨上部から腹部までの台形及び長方形の部分をX3とした三部構成であり 該三部構成内部に磁性体を配した磁性体褌です。以後 臀部覆い部をX1といい、 股覆い部をX2といい、 下腹覆い部をX3といいます。
図5参照。
【0025】
褌全体に磁性体Jを入れる場合 一枚の布を半分に折りたたみ 輪の部分を下腹部上側にして二枚仕立てに縫製し、前垂れ部分を作らない型式で、該二枚仕立ての輪部分にベルト部Bを通し、該ベルト部Bは、結ぶこともできるし、マジックシートMSで結合させることもでき、ベルト部Bにも磁性体を入れ込むことを特徴とする。以後ベルト部をBといい、縫製の際下腹部上側の輪の部分をWといい、磁性体をJといい、マジックシートをMSという。
図5参照。
【0026】
褌本体の生地は、二枚仕立てのみでなく一枚仕立てもありで、また反物使用の長方形のみならず、サイドが斜めにカットされたバイヤス生地使用や、臀部覆い部X1を、ヨーク仕立てにすることで、僅かに伸縮させフィット性をもたせることもできる。
【0027】
立体裁断は、体型にフィットさせせるために、装着にあたり男女の生殖器の形状差を考慮し、また各人の嗜好に合わせて、股覆い部X2の会陰穴を中心に
図6の斜線部分をカットし 、カットした部分際を縫い合わせることで、凹部立体構造にし、更に股覆い部X2への磁性体Jの配置をする。
【0028】
体の不自由な病床時において床ずれ防止のために体と床との接触部分にネット状又は、ドット状のマグネットMSを挟み血液循環を促し、ベルト部Bを強固にして体位交換の補助具にするとともに、第二腰椎部分の外側腎兪穴17、にマグネットMSを入れ、下肢に磁気誘導をすることを特徴とする。
図11参照。
【0029】
褌は、穴流れによって経絡上の配置と効能上から説明しやすくするために臀部覆い部X1、股覆い部X2、下腹覆い部X3の三分にわけますが、穴の流れは部位ごとに独立しているのではなく連綿と途切れることのない流れであり、経絡の合流部を接合させることで1枚の褌をつくります。
図7参照、ベルト部Bを含めて第一部X1とし、腰椎5番から、尾骨下部までとし、第二部をX2該尾骨下部から恥骨までとし、第三部をX3恥骨上部から前垂れ上部までとします。
【0030】
基本形のみを説明しますが、好みや、目的によって磁性体の配置は千差万別であり磁性体Jの形状も網目にしたり、ドットにするなど多様性があります。
【0031】
図2を参照して ベルト部Bは一般的にヤコビー線Y、(左右の腸骨稜の最高点を結ぶ線)から腰椎5番から仙骨部S、を巻き込むように仙骨先端部中央の尾骨BK、下端の長強穴13、までを臀部覆い部X1とし、股覆部は男性では、尾骨BK下部から肛門C、会陰60、を通り、恥骨結合TKの曲骨31、までとして、女性では曲骨の数センチ上中極穴32、までとする。
図3、4参照。下腹覆い部X3は、股覆い部X2の接合より上部とし、下腹覆い部X3の上側は、普通体系であれば臍中の神闕穴36、で緩みを含めて臍下数センチの下にすることもできる。以後ヤコビー線をYといい、仙骨をSといい、尾骨をBKといい、肛門をCといい、恥骨結合をTKという。
図1~4参照。
【0032】
褌の材料によっては横幅は変わり、着物系統の反物から作る場合でも横幅が30センチ前後であるが一定ではなく また両サイド腸骨稜の幅も個人差があるため、材料にあわせて自在裁断するが、股覆い部X2の横幅が一番狭く 該部分の横幅については、出来上がり寸法横幅約、15~20センチ、縦幅約15~20センチになるように裁断する。
【0033】
立体構造にするには、
図6のように中央部が凹部になるように縫い合わせ凹部が会陰に軽く当接するように立体裁断する。
【0034】
材料を選ぶ際、腰痛を目的にした場合、臀部覆い部X1の中央外側の膀胱経絡と、該膀胱経絡の外縁の胆経経絡に沿っていて 坐骨神経痛の代表穴である環跳穴15、を刺激することが有効な為 反物では広幅の反物や広幅の一般生地を選ぶ方が良い。
図1、8-イ、参照。
【0035】
下腹覆い部X2の横幅は、太陰脾経絡Z3、上の穴群を刺激できる為にで中央から約3.5寸の 横幅が必要であり、最低15センチ以上のものを選ぶと良く、二枚仕立ての縫製は、腹部側を輪Wにして、二枚の内部に磁性体Jを配置する。
図9参照。
【0036】
褌内部の磁性体の配置場所は一般的に
図7になっている。磁性体の配列は
図3仙骨孔と該外側合わせて八りょう穴4、5、6、7、8、9、10、11、
図2参照。と脊柱中央ラインから腰兪穴3、長強穴13、肛門Cを通り会陰穴E 、
図4参照して膣Oや前立腺Pを通り、恥骨結合TKの曲骨穴31、へ続き 曲骨穴より左右に別れて鼠径部Qに磁性体Jを繋げる。以後会陰穴をE100といい、膣をOといい、前立腺をPといい、鼠径部をQという。
図3、4参照。
【0037】
特定目的によって、下腹部、臍の神闕穴36、まわり、脇腹、腰では、環跳穴15、腰眼穴14、に磁性体Jを配する。
【0038】
図7は、立体裁断と立体縫製により1枚につなげた褌で、
図8は目的別に磁性体Jを入れたもので、以後 各部ごとに磁性体J入れる部位を説明していく。
【0039】
大まかな効果は、臀部覆い部X1は、経絡的には、膀胱経絡の陽経絡で、目の内眼角から頭頂、後頭部、体幹部を通り、下腿に穴部がとおっていますので、目、後頭部、背筋、腰の疾患、泌尿器系、生殖器系の疾患に効果があります。特に、仙骨部の八りょう穴は、
副交感神経調節により、腸機能の調整膀胱機能の調整、生理痛などの婦人 病、ED、早漏などの生殖器系疾患、が中心になります。
【0040】
股覆い部X2では、会陰穴E100による効果が中心で痔、排尿障害、月経異常、ED、陰茎痛、前立腺疾患になる。
【0041】
下腹覆い部X3は、男性と女性では股覆い部X2との当接部位が異なりますが、鼠径部Qラインが重要になり、
図10のように鼠径部は陰経絡の肝経絡Z2、と脾経絡Z3、と陽経絡の胃経絡Z5、が複雑に交差して走っています。
図9参照。
【0042】
下腹覆い部X3は、これらのラインを締め付けることなく接することで、効果は 下腿部の疾患、足関節、膝関節の痛みに作用し、治療効果があります。また鼠径部共に下腹部陰経絡の任脈Z1、腎Z4、肝経Z2、脾経Z3、と陽経絡の胃経絡Z5、が体の正中心に沿って走っていますにで、妊娠、授乳中の方にも、有効な効果があります。各論は、実施例にて効能を詳しく説明していきます。
図9参照。
【0043】
製作において褌の本体部分を二重にする場合、磁性体を該二枚の本体部分の間に挟み込んで上からのキルティング様にミシン掛けをしてサンドする方法がありまた、本体部分を一重にする場合本体部分をパーツ分けしてつなぎ合わせる部分を袋縫いにして該袋縫いの間に磁性体Jを入れ込む方法があります。その場合は、一般的には単純な縦ラインに磁性体Jが入ります。
図10参照。
【0044】
褌の本体の長さは、一般的には会陰穴E100を起点に股上までと会陰穴から脊柱のベルトBまでをプラスした長さとプラスしたものに緩みがプラスした長さで、一般的な越中褌では、前垂れを引いた縦褌の全長は、60から70センチ位になっていますが、長身、やせ型、肥満型、妊婦、によって全長が変わってきます。一重の場合は、前垂れで調節できますが、二重の場合でも腹側の上部には磁性体を入れませんので、褌の長さは調整はできます。
【0045】
股覆い部X2をもたつかせないために、臀部のX1と腹部のX3の股間のU字状のカーブに合わせてX2の中央をカットして正中の会陰穴と下着とを近距離にでき装着も快適になります。
図6参照。
【0046】
以下にての実施例について区分けるが、前記の手段にても縦褌をX1、X2、X3、の三部に分けて解かりやすく部位の説明をしましたが、実際には、一つの褌で区分けすることなく連結させていきます。
【0047】
素材については、日本の褌は従来は、着物の反物を基準にして縫製されるものが多いが、ツタンカーメンの墳墓から発掘された褌は、二等辺三角形であり、サイドの部分が斜めのバイヤスカットになっているので、伸縮性があり、また更にジーンズの腰の部分ではヨーク仕立てにしてベルト部Bと臀部の伸縮性を出すこともできます。
【0048】
上記のツタンカーメンの褌を参考に、縦褌のサイドを斜めにカットして仕立てることで、体になじませることを考案し、着物反物生地を使うとベルト部Bと臀部覆い部X1の接点幅は、30センチ余りしかとれませんので、大きい体系の場合などには、着物の反物以外の生地を使うと良いと考えます。
【実施例0049】
一般的若年から壮年までの男性を対象とした場合の褌で、褌本体のベルト部Bの位置はヤコビー線に合わせるとかなり深めばきになるのでヤコビー線より下の腸骨棘(腸骨の一番膨らんでいるところ)の上にとると、上衣のズボンに響かない。脊椎では、腰椎L5下と仙骨の間で督脈の少し外方で関元穴1、にあたる。縦褌の腹部側の位置は、前上腸骨棘に ベルト部Bを引っ掛けて腹側では臍下1寸の陰交穴30、になる。
図8―イ参照
【0050】
ベルト部Bは褌本体が二枚仕立ての場合は、腹部側は輪Wにして縫製しているのでベルト部Bを該輪Wに通して結ぶかマジックテープで留める。
【0051】
股覆い部X2は、会陰穴E100を中心に巻き込んで図 7のように立体化させ、会陰穴より、恥骨結合手前1寸までで 下腹覆い部に繋げる。
図8―イ参照。
【0052】
下腹覆い部X3の横幅は、股覆い部の幅であるが、腹部に至っては同幅でもよいし、やや末広がりにしてもよい。着用効果は、股間部がフリーで適度な密着性と爽快なつけ心地であり、内蔵せる磁性体Jにより全身に気血を巡らし心身ともに健康体に導く。尚、内蔵させる磁性体Jは、薄手のマジックシートMSを一般的に使用する。
【0053】
内蔵させるMSの方法は、二枚仕立ての褌本体の間に配置させて、ミシンでMSを表布から抑え固定する方法で、
図8-イを参照に MSの形状が男性褌の基本になって、該MSの効果によって気血誘導することで健康増進につながっていく。また、穴ごとの特殊効果があり、点在する他の穴にMSを配置することも有効である。
【0054】
MS配置を説明すると、臀部覆い部X1の経絡的には、膀胱経絡の腰部に当たり 腰部の脊髄両脇に位置して、内臓の自律神経を調節し、仙骨部では、副交感神経刺激で精神的なリラックス効果があります。また、仙骨神経叢があり、男性生殖器を調節します。
【0055】
股覆い部分X2の会陰穴E100、は、ED、陰茎痛、前立腺疾患に直接効果があるとされています。
【0056】
臀部覆い部X1の脊柱を走る経絡は、督脈で陽経絡を統括する機能を持って、 腰部では、主な穴として陽関兪穴2、陽兪穴3、長強穴13があり 泌尿器系疾患、腰椎疾患に効果があるとされ、仙骨部では、生殖器系や婦人科疾患の治療に使われます。脊柱の両サイドは前記の膀胱経絡が通っていて膀胱経絡は目から後頭部、背筋、腰の疾患坐骨神経痛、下肢の知覚や運動神経障害泌尿器生殖器系の疾患の治療がされます。図のように上りょう穴4、次りょう穴5、中りょう穴6、下りょう穴7、小腸兪8、膀胱兪、9、中りょ穴10、白環兪11、会陽穴12にマジックシートMSを配置します。
図8―イ参照
【0057】
股覆い部X2では、
図4を参照にして長強穴13より、股間部の肛門Cを下り会陰穴E100、を通り左右に別れて睾丸の周囲を巡る肝経絡の足五里穴53、陰簾穴54が通っているので、鼠径部に磁性体MSを誘導します。
図1、8―イ参照。
【0058】
下腹覆い部X3は、恥骨結合TK部分からで腹部下部の肝経Z2、脾経Z3、腎経Z4、が通って、季肋部の臓器の気血を巡らします。
図9参照。経絡は、正中心を走る任脈Z1で陰経絡を統括する作用をもっていて 図のように曲骨穴31、中極穴32、関元穴33、石門穴34、気海兪欠35、陰交穴30、神闕穴36で下腹部では泌尿器生殖器系、婦人科の疾患に、一部の経穴には強壮作用を持っています。次に正中心サイドに腎経絡が通り横骨穴37、大かく穴38、気穴39、四満穴40、中注穴41、盲兪穴42で、腎経絡のアウトサイドには胃経絡Z5が通り気衝穴43、帰来穴44、水道穴45、大巨穴46、外陵穴47、天枢穴48、で、鼠径部Q寄りに脾経絡が通り 衝門穴49、府舎穴50、腹結穴51、大横穴52、が並びまた脇腹に胆経絡が通っています。これらの経絡が縦に梯子のようであり、左右にも関連していますので、穴構成は、碁盤の目になっていて 多くの穴が相互に関連しているので専門的効果を導くためには 専門的知識が、必要になります。
図9参照。
【0059】
磁性体Jの配穴について実施例1では、男性対象としていますので総合効果は、上記にて説明しましたが、総合的に腰痛、下腿の疾患、下腹部疾患、泌尿器、生殖器、小腸、大腸の消化器疾患に効果が期待できます
【0060】
<実施例1の第1変形例>
一般的壮年から老年期の男性の場合で、ベルト部Bの位置はヤコビー線Yに合わせ脊椎では、腰椎L4と5の間の腰陽関穴2、に当たり、該腰陽関穴の外方に奇穴の腰眼穴14、がありって縦褌の腹部側は、臍の神闕穴36、にとる。ベルト部Bは下腹覆い部X3の上部に入れて結ぶかマジックテープで留める。
【0061】
股覆い部X2も実施例1と同様であるが恥骨結合手前1寸にて前褌に繋げる。下腹覆い部X3は、股覆い部の幅をやや末広がりにして、胆経の坐骨神経痛効果を加えることができ更に下腹覆い部X3は環跳穴15、に続く経絡上の維道穴55、五枢穴56に刺激を与え体の横側面の腰痛を緩和できます。
【0062】
効果について 腰を回転させる捻転に関係しているので、実施例1に準じているが、下腿の運動に大きく関わる。ベルト部Bが、実施例1より上の腰陽関穴2、腰眼穴1、に至ることより、実施例1の効果プラス下腿麻痺や、坐骨神経痛、睾丸炎、下腹部疾患、糖尿病など効果が期待できます。
【0063】
<実施例1の第2変形例>
男性の腹巻を兼ねた健康褌の場合で褌本体のベルト部Bの位置は肋骨の下脊椎では、腰椎L2と3の間の命門穴16に当たり、該命門穴外方に腎兪17、その外方には志室穴18、がある。腹部側は、前上腸骨棘に横廻しを引っ掛けて臍上1寸の水分穴57、に当たる。
【0064】
股覆い部X3は、実施例1と同様。
【0065】
効果は、実施例1の第1変形例プラス消化器器官、胃、腸の疾患、慢性的な腰部疾患、や腎臓病などが加わります。
【0066】
<実施例1の第3変形例>
実施例1の簡易バージョンです。臀部覆い部X1は、実施例1と同様ですが、の下腹覆い部X3のベルト部Bが下腹に下がりローライズの褌になります。腎、生殖器系の効果を特化させています。
女性の現代の下着は、見た目を矯正する目的で腹部を圧迫し、特に矯正下着は、股関節にくい込み、血液やリンパを阻害するものが多いため、子宮や卵巣、泌尿器系統に悪影響させています。しかし、この褌は、仙骨から、肛門、膣、子宮への血液やリンパ循環を促して機能向上させます。その他の効果は、実施例1の男性と同様です。