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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108986
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07F 19/00 20060101AFI20230731BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20230731BHJP
【FI】
G07F19/00
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010331
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】前田 和彦
【テーマコード(参考)】
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E141AA07
3E141BA16
3E141CA14
3E141EA03
3E141FK05
3E141FK10
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】普通部が満頁、満行になり、通帳繰越をする際に、有効に通帳を活用することができる自動取引装置を提供しようとするものである。
【解決手段】本発明は、少なくとも、定期預金の記帳欄である定期部と、普通預金の記帳欄である普通部とを有する多科目通帳を用いて取引処理を行なう自動取引装置において、制御部と、多科目通帳における普通部の満頁、満行により通帳繰越をする際、制御部による制御を受けて、多科目通帳の定期部を継続使用させ、普通部については新たな通帳を発行する通帳処理部とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、定期預金の記帳欄である定期部と、普通預金の記帳欄である普通部とを有する多科目通帳を用いて取引処理を行なう自動取引装置において、
制御部と、
前記多科目通帳における前記普通部の満頁、満行により通帳繰越をする際、前記制御部による制御を受けて、前記多科目通帳の前記定期部を継続使用させ、前記普通部については新たな通帳を発行する通帳処理部と
を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記通帳処理部が、磁気ストライプ書き込み部を有し、
前記磁気ストライプ書き込み部が、前記多科目通帳に付されている磁気ストライプに格納されている情報をそのままとし、前記新たな通帳に付されている磁気ストライプに対して使用可とする
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記通帳処理部が、印字部を有し、
前記印字部が、前記多科目通帳の前記普通部の最終頁最終行に前記新たな通帳への繰越を示す情報を印字し、前記多科目通帳の表紙に、当該多科目通帳の前記定期部が継続使用可能であることを示す情報を印字する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記新たな通帳が、別途新たに発行した他の多科目通帳であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記新たな通帳が、普通科目の普通預金通帳であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項6】
少なくとも、定期預金の記帳欄である定期部と、普通預金の記帳欄である普通部とを有する多科目通帳を用いて取引処理を行なう自動取引装置において、
制御部と、
前記多科目通帳における前記普通部の満頁、満行により通帳繰越をする際、前記制御部による制御を受けて、前記普通部については未記帳データを記帳するための新たな通帳を発行し、前記定期部については、前記普通部の前記新たな通帳とは別の通帳とする通帳処理部と
を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項7】
前記通帳処理部が、
前記普通部については、普通科目の普通預金通帳を発行し、
前記定期部については、定期科目の定期預金通帳を発行、又は前記多科目通帳の前記定期部を継続使用する
ことを特徴とする請求項6に記載の自動取引装置。
【請求項8】
表示部を有し、
前記表示部が、顧客に対して、定期預金のデータを記帳する通帳を希望するか否かの選択画面を表示し、
前記定期預金のデータを記帳する通帳を希望しない場合、前記通帳処理部が前記定期預金のデータを記帳する通帳を発行をせず、前記表示部が前記定期預金の取引履歴の電子データを表示し、
前記定期預金のデータを記帳する通帳を希望する場合、前記通帳処理部が、別途新たに他の多科目通帳を発行する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関し、例えば、金融機関の店舗等に設置されているATM(Automatic Teller Machine)等の自動取引装置に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、総合口座通帳は、普通預金の取引内容を記帳する記帳欄(以下、「普通部」とも呼ぶ。)と、定期預金の取引内容を記帳する記帳欄(以下、「定期部」とも呼ぶ。)とを有している。
【0003】
総合口座通帳を使う顧客は、比較的、普通預金の取引を多く行なっており、普通部が満頁、満行になることがある。普通部が満頁、満行になると、自動取引装置は、新しい総合口座通帳を発行して、未記帳の取引データ(以下、「未記帳データ」とも呼ぶ。)を新しい総合口座通帳に記帳する通帳繰越を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-8108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、定期預金の取引は比較的少ない。そのため、普通部が満頁、満行となっても、同じ総合口座通帳の定期部は使用されていなかったり、定期部に印字可能なページが残っていたりすることがある。従来、総合口座通帳のうち定期部のページが使用可能な状態であっても、普通部が満頁、満行になると、新しい総合口座通帳を発行して通帳繰越をしているので、より有効に通帳を活用することが強く望まれている。
【0006】
そこで、上述した課題に鑑み、この開示は、普通部が満頁、満行になり、通帳繰越をする際に、有効に通帳を活用することができる自動取引装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため、第1の本発明は、少なくとも、定期預金の記帳欄である定期部と、普通預金の記帳欄である普通部とを有する多科目通帳を用いて取引処理を行なう自動取引装置において、制御部と、多科目通帳における普通部の満頁、満行により通帳繰越をする際、制御部による制御を受けて、多科目通帳の定期部を継続使用させ、普通部については新たな通帳を発行する通帳処理部とを備えることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、少なくとも、定期預金の記帳欄である定期部と、普通預金の記帳欄である普通部とを有する多科目通帳を用いて取引処理を行なう自動取引装置において、制御部と、多科目通帳における普通部の満頁、満行により通帳繰越をする際、制御部による制御を受けて、普通部については未記帳データを記帳するための新たな通帳を発行し、定期部については、普通部の前記新たな通帳とは別の通帳とする通帳処理部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、普通部が満頁、満行になり、通帳繰越をする際に、有効に通帳を活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る取引システムの全体構成及び自動取引装置の内部構成を示す構成図である。
図2】従来の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
図3】従来の片面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図4】従来の両面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図5】従来の新しく発行する総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図6】第1の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
図7】第1の実施形態における片面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図8】第1の実施形態における両面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図9】第2の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
図10】第2の実施形態における片面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図11】第2の実施形態における両面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図12】第2の実施形態において新しく発行する総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図13】第3の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である(その1)。
図14】第3の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である(その2)。
図15】第3の実施形態における片面通帳型の繰越済みの古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図16】第3の実施形態において新たに発行した普通預金通帳の構成を示す構成図である。
図17】第3の実施形態において新たに発行した定期預金通帳の構成を示す構成図である。
図18】第4の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である(その1)。
図19】第4の実施形態における総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である(その2)。
図20】第4の実施形態において新しく発行する総合口座通帳の構成を示す構成図である。
図21】第4の実施形態において新しく発行する普通預金通帳の構成を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下、本発明の自動取引装置の第1の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
(A-1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係る取引システムの全体構成及び自動取引装置の内部構成を示す構成図である。
【0013】
図1において、取引システム10は、通信回線NTに接続可能な、自動取引装置1と、ホストコンピュータ2とを有する。
【0014】
自動取引装置1は、例えば金融機関の店舗、コンビニエンスストア、小売店舗、駅や空港などの施設等に設置されているものである。自動取引装置1は、通信回線NTを通じて、ホストコンピュータ2との間で電文を授受して、各種取引処理を行なう。自動取引装置1は、少なくとも通帳記帳、通帳繰越の取引処理を行なうものである。自動取引装置1は、例えば、預け入れ、引き出し、振り込み、通帳記帳、通帳繰越等の各種取引を行なうATMであってもよいし、通帳記帳・通帳繰越を専用に行なう通帳記帳機であってもよい。
【0015】
自動取引装置1は、制御部11、通帳処理部12、カード処理部13、明細票処理部14、紙幣入出金部15、硬貨入出金部16、記憶部17、通信部18、操作表示部19を有する。
【0016】
なお、図1に例示する自動取引装置1は一例であり、自動取引装置1の内部構成は図1に限定されない。
【0017】
制御部11は、自動取引装置1の各種機能を司る処理部又は装置である。制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有する。制御部11が処理プログラム(例えば、通帳処理プログラム、取引プログラム等)を実行することで、自動取引装置1における各種機能が実現される。
【0018】
制御部11は、通帳処理部12、カード処理部13、明細票処理部14、紙幣入出金部15、硬貨入出金部16、記憶部17、通信部18、操作表示部19等の構成要素と接続しており、各構成要素との間でデータの授受を行なう。制御部11は、上述した各構成要素の状態や検知したデータ等を用いて取引に応じた処理を行なう。
【0019】
制御部11は、各種取引処理を行なう取引処理部111と、取引種類に応じて、取引に必要な表示画面を操作表示部19に表示する表示制御部112とを有する。
【0020】
記憶部17は、取引に係る処理プログラムを記憶したり、制御部11による処理に必要なデータや、制御部11の処理で得られた取引に関する情報を記憶したりする。
【0021】
通信部18は、通信回線NTを介して、ホストコンピュータ2との間で取引電文を含む情報を授受する。通信回線NTを介した通信制御(通信プロトコル)は、特に限定されず、インターネットプロトコル(IP)等を適用できる。
【0022】
通帳処理部12は、通帳入出口から挿入された通帳に付されている記録媒体(例えば、磁気ストライプ等)から通帳情報を読み取って制御部11に与えたり、取引に関する記帳情報を通帳に記帳して通帳入出口に排出したりする。
【0023】
通帳処理部12は、通帳に付されている磁気ストライプに対する書き込み、読み出し、又はデータの消去(消磁)を行なう磁気リーダ・ライタ部121、通帳のページめくりや印字を行なう印字機構部122、古い通帳を退避したり、予め装填されている新しい通帳を繰り出したり、通帳を移動させる通帳機構部123を有する。
【0024】
カード処理部13は、キャッシュカード又はクレジットカード等のように取引を行なうためのカードが挿入されると、そのカードに搭載の記録媒体(例えば、ICチップ、磁気ストライプ等)からカード情報を読み取って制御部11に与える。
【0025】
明細票処理部14は、取引情報を媒体(例えば用紙等)に印刷した明細票を明細票排出口から排出する。明細票処理部14は、例えば、取引日、取引種別、取引金額、残高などの情報を明細票に印字する。
【0026】
紙幣入出金部15は、入金取引のときには、紙幣入出口から挿入された紙幣の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、紙幣入出金部15は、出金取引のときには、出金すべき紙幣を金種別のカセットから繰り出して、紙幣入出口から排出する。
【0027】
硬貨入出金部16は、入金取引のときには、硬貨入出口から投入された硬貨の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、硬貨入出金部16は、出金処理のときには、出金すべき硬貨を金種別のカセットから繰り出して、硬貨入出口から排出する。
【0028】
操作表示部19は、取引に必要な操作画面を表示したり、顧客によって操作された情報を受け付けたりするものであり、例えばタッチパネル機能を有するディスプレイを用いることができる。ここでは、操作表示部19がタッチパネル型ディスプレイである場合を例示するが、これに限定されず、例えば、物理的なボタンや、別に設けたディスプレイ(補助的な表示部等)を備えてもよい。また、操作表示部19は、非接触型の操作表示部を適用してもよい。
【0029】
ホストコンピュータ2は、取引制御や口座情報の管理をするサーバである。ホストコンピュータ2は、制御部21、通信部22、顧客情報と口座情報等を管理するデータベース23を有する。ホストコンピュータ2は、自動取引装置1との間で電文の授受をして、自動取引装置1から要求されたデータに基づいて口座情報の照会をして応答電文を返信する。また、ホストコンピュータ2は、取引の終了時に口座情報の更新を行なう。
【0030】
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る通帳繰越時の処理を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
(A-2-1)従来の通帳繰越時の処理
まず、図2図5を用いて、従来の総合口座通帳の通帳繰越時の処理を説明した上で、第1の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越時の処理を説明する。
【0032】
図2は、従来の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
【0033】
自動取引装置1を利用する顧客は、普通部と定期部とを有する総合口座通帳を使用して、例えば預け入れ、通帳記帳など普通預金の取引を行なう場合を例示する。取引の種類は、特に限定されない。通帳繰越単独の取引処理でもよい。
【0034】
なお、総合口座通帳は、少なくとも、普通部と定期部を有する。金融機関によっては、貯蓄科目を有する総合口座通帳もあり、その場合も、この実施形態に適用できる。総合口座通帳を「多科目通帳」とも呼ぶ。
【0035】
[ステップS101及びS102]
顧客は、総合口座通帳を自動取引装置1に挿入して(ステップS101)、顧客が希望する取引を行なう。
【0036】
取引成立後、自動取引装置1の制御部11は、ホストコンピュータ2に対して、例えば、金融機関コード、店番号、口座番号等のように総合口座を特定するデータを含む記帳要求電文を作成して送信する(ステップS102)。
【0037】
[ステップS103及びS104]
ホストコンピュータ2の制御部21は、受信した記帳要求電文で指示された口座(総合口座の普通預金)の口座情報を照会して、今回行った取引データも含めて未記帳の取引データがあるか否かを判断する。
【0038】
未記帳データがある場合、ホストコンピュータ2の制御部21は、自動取引装置1に対して、当該総合口座の普通預金に関する未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS103)。
【0039】
ホストコンピュータ2において制御部21は、当該総合口座に関する口座情報のデータ編集を行なう(ステップS104)。なお、未記帳データがない場合、ホストコンピュータ2の制御部21はその旨を示す応答電文を自動取引装置1に返信する。
【0040】
[ステップS105~S107]
自動取引装置1において、制御部11は受信した未記帳データを通帳処理部12に与え、通帳処理部12は、未記帳データを、総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS105)。
【0041】
ここで、総合口座通帳の普通部が満頁、満行になり(ステップS106)、通帳繰越が発生する。このとき、例えば表示制御部112が、顧客に対して、通帳繰越のため、新しい通帳を後日発行するか又は今すぐ発行するかを選択させる確認する画面(例えば、図2の画面500)を操作表示部19に表示する。例えば画面500で「後日発行」のボタンが選択されたときには、自動取引装置1の制御部11は、挿入されている総合口座通帳を返却して取引を終了する。
【0042】
他方、画面500で「今すぐ発行する」のボタンが選択されたとき、継続して通帳繰越を行なうために、自動取引装置1の制御部11は、通帳発行要求をホストコンピュータ2に送信する(ステップS107)。なお、かかる例に限定されず、例えば、「後日発行」のボタンは表示されずに、「今すぐ発行する」ボタンまたは「確認」ボタン等のこれに類するボタンが表示される場合でも良い。
【0043】
[ステップS108]
ホストコンピュータ2では、制御部21が、総合口座の普通預金及び定期預金の口座情報を照会して、通帳繰越のために必要なデータの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS108)。
【0044】
上述した通帳繰越のために必要なデータを、ここでは説明便宜上「通帳繰越データ」と呼ぶ。通帳繰越データは、普通部が満頁、満行になった総合口座通帳(以下、「古い総合口座通帳」又は「旧総合口座通帳」と呼ぶ。)に対して印字するデータを含むものである。
【0045】
例えば、通帳繰越データは、普通部の最終行に繰越をしたこと示す「最終行繰越印字データ」、通帳の磁気ストライプ(MS)に普通部の繰越の書き込み指示を示す「通帳MSライト指示」、「通帳表紙までの改ページ指示」、「表紙への通帳繰越印字データ」を有する。さらに、通帳繰越データは、「総合口座通帳発行指示」、「新しい総合口座通帳の表紙と見返し部分の印字指示」を有する。
【0046】
また、ホストコンピュータ2において、総合口座の定期預金に未記帳データがある場合、通帳繰越データは、「定期部までの改ページ指示」、「定期部の未記帳印字データ」を有する。定期部も繰り越すのであれば「繰越印字データ」を有する。
【0047】
[ステップS109]
自動取引装置1では、通帳処理部12が、受信した通帳繰越データを用いて、古い総合口座通帳の通帳繰越を行なう(ステップS109)。通帳処理部12は、以下に例示するような通帳繰越処理を行なった後、繰越済みの古い総合口座通帳を、一時的に退避する。
【0048】
図3は、通帳繰越時の古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。図3(A)は、総合口座通帳PBの普通部61の構成を示し、図3(B)は、総合口座通帳PBの定期部62の構成を示し、図3(C)は、総合口座通帳PBの表紙63の構成を示している。
【0049】
図3(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる最終行繰越印字データ601を用いて、普通部61の最終行に、新通帳へ繰越することを印字する。
【0050】
また、定期部62に記帳すべき未記帳データがある場合、図3(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの定期部62までページ送りをし、通帳処理部12は定期部62に未記帳データ602を印字する。
【0051】
さらに、図3(C)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳表紙までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの表紙63までページ送りをする。そして、通帳繰越データに含まれる通帳繰越印字データ(例えば「繰越済み」)603を、通帳処理部12が表紙63に印字する。
【0052】
また、通帳処理部12は、繰越済みとなった古い総合口座通帳PBの磁気ストライプMSに対して、使用不可となったことを更新する。
【0053】
なお、磁気ストライプMSの無効化方法は、この方法に限らず、別の方法を用いてもよく、例えば、通帳処理部12が総合口座通帳PBの磁気ストライプMSに使用不可を更新せず、ホストコンピュータ2側で、古い総合口座通帳PBの磁気ストライプMSは使用不可扱いとして管理するようにしてもよい。
【0054】
図4は、両面通帳の総合口座通帳の構成を示す構成図である。図4に例示する総合口座通帳PBは、両面通帳であり、図3の総合口座通帳PBの構成パターンが異なる。
【0055】
図4に例示するように、両面通帳型の総合口座通帳PBは、一方の面である表側64には、普通部に関する情報と、定期部用の磁気ストライプMS#1があり、他方の面である裏側65には、定期部に関する情報と、普通部用の磁気ストライプMS#2がある。例えば、普通部に関する情報は表側64にあり、普通部用の磁気ストライプ#2は裏側65にあることに留意されたい。定期部に関する情報及び定期部用の磁気ストライプMS#1の位置も同様である。
【0056】
例えば、普通部の記帳をするときには、表側64が前方向なるように挿入され、表側64からページめくりをして記帳する。他方、定期部の記帳をするときには、裏側65が前方向となるように、総合口座通帳PBの向きを変えて挿入し、裏側65からページめくりをして記帳する。
【0057】
図4の総合口座通帳PBを繰り越す場合、例えば、表側64が前方向となるようにして総合口座通帳PBが挿入されているとき、通帳処理部12は、普通部に最終行繰越データを印字後、表側64に通帳繰越印字データ(例えば「繰越済み」)604を印字し、裏側65の磁気ストライプMS#2を使用不可とする。その後、通帳処理部12は、総合口座通帳PBの前後方向の向きを反転させる。そして、定期部の未記帳データがあれば、通帳処理部12は、定期部の未記帳データを印字する。その後、裏側65に通帳繰越印字データ(例えば「繰越済み」)605を印字し、表側64の磁気ストライプMS#1を使用不可とする。
【0058】
なお、この場合も、磁気ストライプMSの無効化方法の別方法を用いることができる。例えば、通帳処理部12が総合口座通帳PBの磁気ストライプMSに使用不可を更新せず、ホストコンピュータ2側が、古い総合口座通帳PBの磁気ストライプMS#1及び磁気ストライプMS#2は使用不可扱いとして管理するようにしてもよい。
【0059】
[ステップS110、S111]
通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる総合口座通帳発行指示に従って、予め装填している総合口座通帳を繰り出す。
【0060】
そして、通帳処理部12は、新しい総合口座通帳の表紙と見返しページに、店番や口座番号や口座名義人等の情報を印字する。このとき、制御部11は、新しい総合口座通帳の普通部及び定期部の未記帳データを取得するため、ホストコンピュータ2に対して再記帳要求を行なう(ステップS110)。
【0061】
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された総合口座の普通部及び定期部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS111)。
【0062】
[ステップS112]
通帳処理部12は、受信した普通部の未記帳データを、新しい総合口座通帳の普通部に印字する。その後、定期部の未記帳データがある場合、通帳処理部12は新しい総合口座通帳の定期部に未記帳データを印字する(ステップS112)。
【0063】
すなわち、通帳処理部12は、新しい総合口座通帳に対して、表紙⇒見返しページ⇒普通部ページ(⇒定期部ページ:定期部取引明細ありの場合)の順に印字を実施する。
【0064】
その後、通帳処理部12は、新しい総合口座通帳の磁気ストライプMSに磁気データを書き込む。
【0065】
図5は、新しく発行する総合口座通帳の構成を示す構成図である。図5(A)は、新しい総合口座通帳PBの表紙63の構成を示し、図5(B)は、新しい総合口座通帳PBの見返しページ66の構成を示し、図5(C)は、普通部61の構成を示し、図5(D)は、定期部62の構成を示している。
【0066】
図5(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳の表紙印字指示に従って、新しい総合口座通帳の表紙63に、店番、口座番号、口座名義人の情報606を印字する。
【0067】
図5(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい総合口座通帳の見返しページ66に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報607を印字する。
【0068】
図5(C)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる普通部の未記帳印字データ608を、新しい総合口座通帳の普通部61に印字する。
【0069】
また、定期部62に記帳すべき未記帳データがある場合、図5(D)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる定期部の未記帳印字データ609を、新しい総合口座通帳の定期部62に印字する。
【0070】
[ステップS113及びS114]
通帳処理部12は、新しく発行した総合口座通帳を排出する(ステップS113)。
【0071】
そして、新しい総合口座通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避した古い総合口座通帳を復帰させて排出する(ステップS114)。
【0072】
(A-2-2)第1の実施形態の通帳繰越時の処理
図6は、第1の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
【0073】
以下では、第1の実施形態の通帳繰越時の処理を詳細に説明するため、図2図5を用いた従来の通帳繰越時の処理の説明と重複して説明する部分もある。
【0074】
[ステップS201及びS202]
顧客は、総合口座通帳を自動取引装置1に挿入して(ステップS201)、顧客が希望する取引を行なう。
【0075】
例えば、自動取引装置1は、金融機関コード、店番号、口座番号、口座名義、取引種類、取引金額等の取引内容を示す取引データを含む要求電文を、ホストコンピュータ2に送信する。他方、ホストコンピュータ2は、受信した要求電文に基づいて口座情報を照会して応答電文を自動取引装置1に送信する。
【0076】
自動取引装置1は受信した応答電文に基づいて取引を行なう。そして、取引が成立した後、自動取引装置1の制御部11は、ホストコンピュータ2に対して、例えば、金融機関コード、店番号、口座番号等のように総合口座を特定するデータを含む記帳要求電文を作成して送信する(ステップS202)。
【0077】
なお、ここでは自動取引装置1が取引データの記帳をホストコンピュータ2に要求することを明確にするため「記帳要求電文」と表記しているが、顧客が行なう取引に応じた要求電文が、取引に関する照会と同時に、記帳データを返信することを要求しているものであるとき、その取引の要求電文であってもよい。いずれにしても、自動取引装置1がホストコンピュータ2に総合口座に未記帳データがあるか否かを判断させ、未記帳データがある場合には、その未記帳データを要求する。
【0078】
[ステップS203及びS204]
ホストコンピュータ2の制御部21は、受信した記帳要求電文で指示された口座(総合口座の普通預金)の口座情報を照会して、今回行った取引データも含めて未記帳の取引データがあるか否かを判断する。
【0079】
未記帳データがある場合、ホストコンピュータ2の制御部21は、自動取引装置1に対して、当該総合口座の普通預金に関する未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS203)。
【0080】
ホストコンピュータ2において制御部21は、当該総合口座に関する口座情報のデータ編集を行なう(ステップS204)。なお、未記帳データがない場合、ホストコンピュータ2の制御部21はその旨を示す応答電文を自動取引装置1に返信する。
【0081】
[ステップS205~S207]
自動取引装置1において、制御部11は受信した未記帳データを通帳処理部12に与え、通帳処理部12は、未記帳データを、総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS205)。
【0082】
ここで、総合口座通帳の普通部が満頁、満行になり(ステップS206)、通帳繰越が発生する。このとき、例えば表示制御部112が、顧客に対して、通帳繰越のため、新しい通帳を後日発行するか又は今すぐ発行するかを選択させる確認する画面(例えば、図2の画面500)を操作表示部19に表示する。
【0083】
例えば画面500で「後日発行」のボタンが選択されたときには、自動取引装置1の制御部11は、挿入されている総合口座通帳を返却して取引を終了する。そして、後日、顧客が、自動取引装置1で、総合口座通帳の繰り越しを行なう際に、自動取引装置1は、ステップS208以降で説明する処理を適用できる。
【0084】
他方、画面500で「今すぐ発行する」のボタンが選択されたとき、継続して通帳繰越を行なうために、自動取引装置1の制御部11は、通帳発行要求をホストコンピュータ2に送信する(ステップS207)。
【0085】
[ステップS208]
ホストコンピュータ2では、制御部21が、総合口座の普通預金及び定期預金の口座情報を照会して、通帳繰越のために必要なデータの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS208)。
【0086】
ここで、ホストコンピュータ2が送信する通帳繰越データは、普通部が満頁、満行になった、古い総合口座通帳に対して、印字するデータを含むものである。
【0087】
例えば、通帳繰越データは、「普通部の最終行繰越印字データ」、「通帳表紙までの改ページ指示」を有する。さらに、通帳繰越データは、「総合口座通帳発行指示」、「新しい総合口座通帳の表紙と見返し部分の印字指示を」有する。
【0088】
また、ホストコンピュータ2において、総合口座の定期預金に未記帳データがある場合、通帳繰越データは、「定期部までの改ページ指示」、「定期部の未記帳印字データ」を含む。
【0089】
ここで、第1の実施形態の通帳繰越時の処理は、従来の通帳繰越時の処理と異なり、古い総合口座通帳の定期部を引き続き利用できるようにする。
【0090】
したがって、第1の実施形態の通帳繰越データは、古い総合口座通帳の定期部を継続して利用できるようにするため、「定期部の継続使用を許可する印字データ」を有する。
【0091】
総合口座通帳が片面通帳である場合、磁気ストライプMSの更新をしないので、第1の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含まない。
【0092】
他方、総合口座通帳が両面通帳である場合、普通部側の磁気ストライプMS#2については使用不可と更新するため、この場合、第1の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含む。
【0093】
[ステップS209]
自動取引装置1では、通帳処理部12が、受信した通帳繰越データを用いて、古い総合口座通帳の通帳繰越を行なう(ステップS209)。
【0094】
ここで、古い総合口座通帳の定期部が使用されていなかったり、定期部に印字可能なページが残っていたりする場合、当該総合口座通帳は、定期部については引き続き使用できるようにする。
【0095】
そのため、通帳処理部12は、片面通帳型の総合口座通帳の場合、磁気ストライプMSを使用不可にする更新は行わない。両面通帳型の総合口座通帳の場合、定期部側の表紙(裏側)に付されている磁気ストライプMS#2について、通帳処理部12は使用不可への更新を行なうが、他方、普通部側の表紙(表側)に付されている磁気ストライプMS#1について、通帳処理部12は使用不可への更新を行なわない。
【0096】
ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて普通預金の取引ができないように(すなわち、古い総合口座通帳の普通預金を使用不可扱いとして)管理する。他方、ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて定期預金の取引は継続して使用で切るように管理する。
【0097】
古い総合口座通帳の定期部については引き続き使用できることを顧客に注意喚起させるために、通帳処理部12は、当該総合口座通帳の表紙に、定期部については継続して使用できること等の文章を印字する。印字方法や文章は、特に限定されず、以下のその例を例示する。
【0098】
そして、通帳処理部12は、以下に例示するような通帳繰越処理を行なった後、繰越済みの古い総合口座通帳を、一時的に退避する。
【0099】
以下に、図面を用いて、第1の実施形態の総合口座通帳の繰越処理を説明する。
【0100】
図7は、片面通帳型の総合口座通帳の構成を示す構成図である。図7(A)は、総合口座通帳PBの普通部61の構成を示し、図7(B)は、総合口座通帳PBの定期部62の構成を示し、図7(C)は、総合口座通帳PBの表紙63の構成を示している。
【0101】
図7(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる最終行繰越印字データ601を用いて、普通部61の最終行に、新通帳へ繰越することを印字する。
【0102】
また、定期部62に記帳すべき未記帳データがある場合、図7(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの定期部62までページ送りをする。そして、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部の未記帳データ602を、古い総合口座通帳PBの定期部62に印字する。
【0103】
さらに、図7(C)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳表紙までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの表紙63までページ送りをする。
【0104】
そして、通帳繰越データに含まれる「定期部の継続使用を許可する印字データ」610、例えば「定期預金をお持ちの場合は引き続きご使用になれます。」等という文章を、通帳処理部12が表紙63に印字する。
【0105】
図8は、両面通帳型の総合口座通帳の構成を示す構成図である。
【0106】
図8の両面通帳型の総合口座通帳PBを繰り越す場合、例えば、表側64が前方向となるようにして総合口座通帳PBが挿入されているとき、通帳処理部12は、普通部に最終行繰越データを印字する。
【0107】
その後、裏側65の普通部用の磁気ストライプMS#2に対して、通帳処理部12は使用不可と更新する。さらに、「定期部の継続使用を許可する印字データ」611、例えば「定期預金をお持ちの場合は引き続きご使用になれます。」等という文章を、通帳処理部12は表側64に印字する。
【0108】
なお、裏側65の普通部用の磁気ストライプMS#2に対して使用不可と更新することに代えて、通帳処理部12は、普通部用の磁気ストライプMS#2を更新せず、ホストコンピュータ2側が、古い総合口座通帳PBの繰越した普通科目の磁気ストライプは使用不可扱いと管理するようにしてもよい。
【0109】
その後、通帳処理部12は、総合口座通帳PBの前後方向の向きを反転させる。そして、定期部の未記帳データがあれば、通帳処理部12は、定期部62に未記帳データ602を印字する。その後、通帳処理部12は、繰越済みの古い総合口座通帳PBを、一時的に退避する。
【0110】
つまり、両面通帳型の総合口座通帳PBの表側(定期部側)64の定期部用の磁気ストライプMS#1に対して、通帳処理部12は使用不可とする更新をしない。
【0111】
[ステップS210及びS211]
通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる口座通帳発行指示に従って、予め装填している口座通帳を繰り出す。
【0112】
そして、通帳処理部12は、新しい総合口座通帳の表紙と見返しページに、店番や口座番号や口座名義人等の情報を印字する。このとき、制御部11は、新しい総合口座通帳の普通部及び定期部の未記帳データを取得するため、ホストコンピュータ2に対して再記帳要求を行なう(ステップS210)。
【0113】
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された口座の普通部及び定期部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS211)。
【0114】
ここで、ホストコンピュータ2が送信する新通帳発行データは、新しい通帳を発行する際に、新しい通帳に対して印字するデータを含むものである。
【0115】
新通帳発行データは、普通部の未記帳印字データと、通帳MS(新通帳)ライト指示を有する。
【0116】
[ステップS212]
通帳処理部12は、受信した普通部の未記帳データを、新しい総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS212)。
【0117】
すなわち、通帳処理部12は、新しい総合口座通帳に対して、表紙⇒見返しページ⇒普通部ページ(⇒定期部ページ:定期部取引明細ありの場合)の順に印字を実施する。
【0118】
その後、通帳処理部12は、新しい口座通帳の磁気ストライプMSに磁気データを書き込む。
【0119】
新しい総合口座通帳PBを発行する処理は、基本的には、図5に示す従来処理と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0120】
[ステップS213及びS214]
通帳処理部12は、新しく発行した総合口座通帳を排出する(ステップS213)。
【0121】
そして、新しい総合口座通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避した古い総合口座通帳を復帰させて排出する(ステップS214)。
【0122】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、普通部が満頁満行になり、通帳繰越が発生したときでも、定期部が使用されていなかったり、定期部に印字可能な行、頁があるときには、古い総合口座通帳の定期部については継続して利用することができる。
【0123】
その結果、定期預金を実施する顧客は、定期部に記帳スペースがある総合口座通帳を引き続き使用することができ、総合口座通帳の定期部のページを有効に活用することができる。
【0124】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0125】
上述した第1の実施形態は、ATM等の自動取引装置1において、総合口座通帳の定期部のページを有効に活用する場合を一例を説明した。
【0126】
しかし、定期預金を実施する予定がない又は実施することが少ない顧客もいる。そのような顧客であっても、普通預金の取引を多く実施していることが多い。他方、通帳の種類は金融機関にもよるが総合口座通帳に限らず、普通預金通帳、定期預金通帳等がある。
【0127】
また、第1の実施形態のように、旧総合口座通帳定期部を今後も継続使用した場合であって、旧総合口座通帳の定期部が繰り越したとき、普通部で通帳発行済みの新総合口座通帳の定期部を入れるように誘導し、定期部を使えるようにMS更新する仕組みが必要になる。
【0128】
そこで、第2の実施形態では、総合口座通帳の普通部が満頁・満行になり、通帳繰越の際に、普通預金通帳に変更して通帳発行できるようにする。
【0129】
なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の処理と組み合わせて融合させたものとしてもよい。又は第1の実施形態の処理とは別に単独のものとしてもよい。
【0130】
(B-1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態の自動取引装置の構成は、基本的には、図1で例示した第1の実施形態の自動取引装置1と同じである。したがって、第2の実施形態でも、図1を用いて説明する。
【0131】
(B-2)第2の実施形態の動作
図9は、第2の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
【0132】
[ステップS301及びS302]
顧客は、総合口座通帳を自動取引装置1に挿入して(ステップS301)、自動取引装置1において顧客が希望する取引を行なう。
【0133】
例えば、自動取引装置1は、金融機関コード、店番号、口座番号、口座名義、取引種類、取引金額等の取引内容を示す取引データを含む要求電文を、ホストコンピュータ2に送信する。他方、ホストコンピュータ2は、受信した要求電文に基づいて口座情報を照会して応答電文を自動取引装置1に送信する。
【0134】
自動取引装置1は受信した応答電文に基づいて取引を行なう。そして、取引が成立した後、自動取引装置1の制御部11は、ホストコンピュータ2に対して、例えば、金融機関コード、店番号、口座番号等のように総合口座を特定するデータを含む記帳要求電文を作成して送信する(ステップS302)。
【0135】
なお、ここでは自動取引装置1が取引データの記帳をホストコンピュータ2に要求することを明確にするため「記帳要求電文」と表記しているが、顧客が行なう取引に応じた要求電文が、取引に関する照会と同時に、記帳データを返信することを要求しているものであるとき、その取引の要求電文であってもよい。いずれにしても、自動取引装置1がホストコンピュータ2に総合口座に未記帳データがあるか否かを判断させ、未記帳データがある場合には、その未記帳データを要求する。
【0136】
[ステップS303及びS304]
ホストコンピュータ2の制御部21は、受信した記帳要求電文で指示された口座(総合口座の普通預金)の口座情報を照会して、今回行った取引データも含めて未記帳の取引データがあるか否かを判断する。
【0137】
未記帳データがある場合、ホストコンピュータ2の制御部21は、自動取引装置1に対して、当該総合口座の普通預金に関する未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS303)。
【0138】
ホストコンピュータ2において制御部21は、当該総合口座に関する口座情報のデータ編集を行なう(ステップS304)。なお、未記帳データがない場合、ホストコンピュータ2の制御部21はその旨を示す応答電文を自動取引装置1に返信する。
【0139】
[ステップS305~S307]
自動取引装置1において、制御部11は受信した未記帳データを通帳処理部12に与え、通帳処理部12は、未記帳データを、総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS305)。ここで、総合口座通帳の普通部が満頁、満行になり(ステップS306)、通帳繰越が発生する。
【0140】
このとき、表示制御部112は、新しく発行する通帳として普通預金通帳を発行するか否かを、顧客に選択させる画面(例えば、図9の画面501)を操作表示部19に表示する。
【0141】
例えば、画面501は、第1の実施形態で例示した「後日発行」ボタン、「今すぐ発行する」ボタンに加えて、「普通預金通帳を発行する」ボタンを有する。
【0142】
新たに発行する通帳として普通預金通帳を希望する顧客が、画面501上の「普通預金通帳を発行する」ボタンを選択すると、制御部11は、総合口座通帳から普通預金通帳に繰越発行することを示す情報を含む通帳発行要求の電文を、ホストコンピュータ2に送信する(ステップS307)。
【0143】
普通預金通帳への繰越発行を示す情報を含む通帳発行要求を受信した、ホストコンピュータ2は、当該顧客と契約している総合口座の普通預金については、普通預金通帳を使用するという情報に変更する。
【0144】
なお、「後日発行」ボタン、「今すぐ発行する」ボタンが選択されたときの動作は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0145】
[ステップS308]
ホストコンピュータ2の制御部21は、総合口座の普通預金及び定期預金の口座情報を照会して、通帳繰越のために必要なデータの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS308)。
【0146】
ここで、例えば、通帳繰越データは、総合口座通帳の普通部の「最終行繰越印字データ」、「通帳表紙までの改ページ指示」、古い総合口座通帳の定期部を継続して利用できるようにするため「定期部の継続使用を許可する印字データ」を有する。
【0147】
また、ホストコンピュータ2において、総合口座の定期預金に未記帳データがある場合、通帳繰越データは、定期部までの改ページ指示、定期部の未記帳印字データを含む。なお、定期部の未記帳データが多く、定期部が満頁、満行になる場合は、未記帳データを含めない。この場合、例えば「定期部は未記帳があるので後で再度記帳してください」などのような画面表示して、再度の記帳のときに定期部を繰り越すようにしてもよい。
【0148】
さらに、通帳繰越データは、「普通預金通帳発行指示」、「普通預金通帳への表紙・見返し印字指示」を有する。
【0149】
総合口座通帳が片面通帳である場合、磁気ストライプMSの更新をしないので、第2の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含まない。
【0150】
他方、総合口座通帳が両面通帳である場合、普通部側の磁気ストライプMS#2については使用不可と更新するため、この場合、第2の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含む。
【0151】
[ステップS309]
自動取引装置1では、通帳処理部12が、受信した通帳繰越データを用いて、古い総合口座通帳に繰越に必要な印字をして通帳繰越を行なう(ステップS309)。
【0152】
ここで、第1の実施形態と同様に、古い総合口座通帳の定期部が使用されていなかったり、定期部に印字可能なページが残っていたりする場合、当該総合口座通帳は、定期部については引き続き使用できるようにする。
【0153】
そして、通帳処理部12は、以下に例示するような通帳繰越処理を行なった後、繰越済みの古い総合口座通帳を、一時的に退避する。
【0154】
図10は、片面通帳型の総合口座通帳の構成を示す構成図である。図10(A)は、総合口座通帳PBの普通部61の構成を示し、図10(B)は、総合口座通帳PBの定期部62の構成を示し、図10(C)は、総合口座通帳PBの表紙63の構成を示している。
【0155】
図10(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる最終行繰越印字データ620を用いて、普通部61の最終行に、新通帳へ繰越することを印字する。このとき、新通帳が普通預金通帳であることを明示してもよい。
【0156】
また、定期部62に記帳すべき未記帳データがある場合、図10(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの定期部62までページ送りをする。そして、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部の未記帳データ602を、古い総合口座通帳PBの定期部62に印字する。
【0157】
さらに、図10(C)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳表紙までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの表紙63までページ送りをする。そして、例えば「定期預金をお持ちの場合は引き続きご使用になれます。」等という文章を、通帳処理部12が表紙63に印字する。
【0158】
ここで、総合口座通帳の定期部については継続使用できるようにするため、片面通帳型の総合口座通帳の場合、通帳処理部12は磁気ストライプMSを使用不可にする更新は行わない。ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて普通預金の取引ができないように(すなわち、古い総合口座通帳の普通預金を使用不可扱いとして)管理する。他方、ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて定期預金の取引は継続して使用で切るように管理する。
【0159】
図11は、両面通帳型の総合口座通帳の構成を示す構成図である。
【0160】
図11の両面通帳型の総合口座通帳PBを繰り越す場合、例えば、表側64が前方向となるようにして総合口座通帳PBが挿入されているとき、通帳処理部12は、普通部に最終行繰越データを印字する。
【0161】
その後、裏側65の普通部用の磁気ストライプMS#2に対して、通帳処理部12は使用不可と更新する。さらに、「定期部の継続使用を許可する印字データ」611、例えば「定期預金をお持ちの場合は引き続きご使用になれます。」等という文章を、通帳処理部12は表側64に印字する。
【0162】
なお、裏側65の普通部用の磁気ストライプMS#2に対して使用不可と更新することに代えて、通帳処理部12は、普通部用の磁気ストライプMS#2を更新せず、ホストコンピュータ2側が、古い総合口座通帳PBの繰越した普通科目の磁気ストライプは使用不可扱いと管理するようにしてもよい。
【0163】
その後、通帳処理部12は、総合口座通帳PBの前後方向の向きを反転させる。そして、定期部の未記帳データがあれば、通帳処理部12は、定期部62に未記帳データ602を印字する。その後、通帳処理部12は、繰越済みの古い総合口座通帳PBを、一時的に退避する。
【0164】
つまり、両面通帳型の総合口座通帳PBの表側(定期部側)64の定期部用の磁気ストライプMS#1に対して、通帳処理部12は使用不可とする更新をしない。両面通帳型の場合も、ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて普通預金の取引ができないように(すなわち、古い総合口座通帳の普通預金を使用不可扱いとして)管理してもよい。他方、ホストコンピュータ2は、古い総合口座通帳を用いて定期預金の取引は継続して使用で切るように管理する。
【0165】
[ステップS310及びS311]
通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる普通預金通帳発行指示に従って、予め装填している普通預金通帳を繰り出す。
【0166】
そして、通帳処理部12は、新しい通帳としての普通預金通帳の表紙と見返しページに、店番や口座番号や口座名義人等の情報を印字する。このとき、普通預金に記帳すべき未記帳データを取得するため、制御部11はホストコンピュータ2に対して再記帳要求を行なう(ステップS310)。
【0167】
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された総合口座の普通部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS311)。例えば、ホストコンピュータ2が送信する新通帳発行データは、普通部の未記帳印字データと、通帳MS(新通帳)ライト指示を有する。
【0168】
[ステップS312]
通帳処理部12は、受信した普通部の未記帳データを、新しい普通預金通帳に印字する(ステップS312)。
【0169】
その後、通帳処理部12は、新しい普通預金通帳の磁気ストライプMSに磁気データを書き込む。
【0170】
図12は、新たに発行した普通預金通帳の構成を示す構成図である。図12(A)は、普通預金通帳PB2の表紙71の構成を示し、図12(B)は、普通預金通帳PB2の見返しページ72の構成を示し、図12(C)は、普通預金通帳PB2の普通科目のページ73の構成を示す。
【0171】
図12(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる普通預金通帳の表紙印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB2の表紙71に、店番、口座番号、口座名義人の情報701を印字する。
【0172】
図12(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB2の見返しページ72に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報702を印字する。
【0173】
図12(C)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる普通部の未記帳印字データ703を、新しい普通預金通帳の普通科目ページ73に印字する。
【0174】
[ステップS313及びS314]
通帳処理部12は、新しく発行した普通預金通帳を排出する(ステップS313)。そして、新しい普通預金通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避した古い総合口座通帳を復帰させて排出する(ステップS314)。
【0175】
(B-3)第2の実施形態の変形例
上述した例は、通帳繰越時に、総合口座通帳に代えて普通預金通帳を、自動取引装置1が発行する場合を例示したが、これに限らず、総合口座通帳に代えて、単科目の定期預金通帳を発行するようにしてもよい。
【0176】
例えば、図9を用いた処理の説明では、総合口座通帳の普通部が満頁、満行となる場合に、総合口座通帳に代えて普通預金通帳を、自動取引装置1が発行する場合を例示した。
【0177】
しかし、総合口座通帳の定期部が満頁、満行となる場合もある。その場合、図9に例示した処理で、普通預金通帳を定期預金通帳と読み替えて、同等の処理を施すことで、総合口座通帳に代えて定期預金通帳を、自動取引装置1が発行することができる。
【0178】
(B-4)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、定期預金を実施する予定がない又は実施する回数が少ない場合には、総合口座通帳ではなく、総合口座通帳の普通部よりもページ数が多い普通預金通帳を新しく発行することができる。その結果、利用頻度が多い普通預金の取引については普通預金通帳に記帳できるので、通帳の繰越回数を減らすことができる。
【0179】
第2の実施形態によれば、定期預金については、これまでの総合口座通帳の定期部に記帳できるので、定期部の残りのページを有効に活用することができる。
【0180】
(C)第3の実施形態
次に、本発明の自動取引装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0181】
第3の実施形態は、総合口座通帳の普通部(及び/又は定期部)が満頁・満行になり、通帳繰越の際に、普通科目の普通預金通帳、定期科目の定期預金通帳のそれぞれを発行できるようにする。
【0182】
なお、第3の実施形態は、第1及び/又は第2の実施形態の処理と組み合わせて融合させたものとしてもよい。又は、第1及び/又は第2の実施形態の処理とは別に単独のものとしてもよい。
【0183】
(C-1)第3の実施形態の構成
第3の実施形態の自動取引装置の構成は、基本的には、図1で例示した第1及び第2の実施形態の自動取引装置1と同じである。したがって、第3の実施形態でも、図1を用いて説明する。
【0184】
(C-2)第3の実施形態の動作
次に、第3の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を、図面を用いて説明する。
【0185】
図13及び図14は、第3の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
【0186】
[ステップS401及びS402]
顧客は、総合口座通帳を自動取引装置1に挿入して(ステップS401)、自動取引装置1において顧客が希望する取引を行なう。取引が成立した後、自動取引装置1の制御部11は、ホストコンピュータ2に対して、例えば、金融機関コード、店番号、口座番号等のように総合口座を特定するデータを含む記帳要求電文を作成して送信する(ステップS402)。
【0187】
なお、ステップS401及びS402は、図9のステップS301及びS302に対応する。
【0188】
[ステップS403及びS404]
ホストコンピュータ2の制御部21は、受信した記帳要求電文で指示された口座(総合口座の普通預金)の口座情報を照会して、今回行った取引データも含めて未記帳の取引データがあるか否かを判断する。
【0189】
未記帳データがある場合、制御部21は、自動取引装置1に対して、当該総合口座の普通預金に関する未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS403)。制御部21は、当該総合口座に関する口座情報のデータ編集を行なう(ステップS404)。なお、未記帳データがない場合、ホストコンピュータ2の制御部21はその旨を示す応答電文を自動取引装置1に返信する。
【0190】
なお、ステップS403及びS404は、図9のステップS303及びS304に対応する。
【0191】
[ステップS405~S407]
自動取引装置1において、制御部11は受信した未記帳データを通帳処理部12に与え、通帳処理部12は、未記帳データを、総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS405)。ここで、総合口座通帳の普通部が満頁、満行になり(ステップS406)、通帳繰越が発生する。
【0192】
このとき、表示制御部112は、新しく発行する通帳として普通預金通帳を発行するか否かを、顧客に選択させる画面(例えば、図13の画面502)を操作表示部19に表示する。
【0193】
例えば、画面502は、第1の実施形態で例示した「後日発行」ボタン、「今すぐ発行する」ボタンに加えて、「普通預金通帳、定期貯金通帳を発行する」ボタンを有する。
【0194】
新たに発行する通帳として、普通科目と定期科目のそれぞれの通帳を希望する顧客が、画面501上の「普通預金通帳、定期預金通帳を発行する」ボタンを選択すると、制御部11は、普通科目と定期科目のそれぞれの通帳への繰越発行を行なう。
【0195】
まず、制御部11は、総合口座通帳から普通預金通帳に繰越発行することを示す情報を含む通帳発行要求の電文を、ホストコンピュータ2に送信する(ステップS407)。
【0196】
普通預金通帳への繰越発行を示す情報を含む通帳発行要求を受信した、ホストコンピュータ2は、当該顧客と契約している総合口座の普通預金については、普通預金通帳を使用するという情報に変更する。
【0197】
なお、「後日発行」ボタン、「今すぐ発行する」ボタンが選択されたときの動作は、第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0198】
ステップS405~S407は、図9のステップS305~S307に対応する。
【0199】
[ステップS408]
ホストコンピュータ2の制御部21は、総合口座の普通預金及び定期預金の口座情報を照会して、通帳繰越のために必要なデータの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS408)。
【0200】
ここで、例えば、通帳繰越データは、総合口座通帳の普通部の「最終行繰越印字データ」、「通帳表紙までの改ページ指示」、「表紙への通帳繰越印字データ」を有する。
【0201】
また、ホストコンピュータ2において、総合口座の定期預金に未記帳データがある場合、通帳繰越データは、「定期部までの改ページ指示」、「定期部の未記帳印字データ」を含む。なお、定期部の未記帳データが多く、定期部が満頁、満行のときには、通帳繰越データが「繰越印字データ」を有してもよい。
【0202】
さらに、通帳繰越データは、「普通預金通帳発行指示」、「普通預金通帳への表紙・見返し印字指示」を有する。
【0203】
総合口座通帳が片面通帳である場合、磁気ストライプMSの更新をしないので、第3の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含まない。
【0204】
他方、総合口座通帳が両面通帳である場合、普通部側の磁気ストライプMS#2については使用不可と更新するため、この場合、第3の実施形態の通帳繰越データは、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」を含む。
【0205】
[ステップS409]
自動取引装置1では、通帳処理部12が、受信した通帳繰越データを用いて、古い総合口座通帳に繰越に必要な印字をして通帳繰越を行なう(ステップS409)。
【0206】
図15は、片面通帳型の古い総合口座通帳の構成を示す構成図である。図15(A)は、総合口座通帳PBの普通部61の構成を示し、図15(B)は、総合口座通帳PBの定期部62の構成を示し、図15(C)は、総合口座通帳PBの表紙63の構成を示している。
【0207】
図15(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる最終行繰越印字データ620を用いて、普通部61の最終行に、新通帳へ繰越することを印字する。このとき、新しい通帳が普通預金通帳であることを明示してもよい。
【0208】
また、定期部62に記帳すべき未記帳データがある場合、図15(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの定期部62までページ送りをする。そして、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる定期部の未記帳データ602を、古い総合口座通帳PBの定期部62に印字する。さらに、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる繰越印字データを用いて、定期部62に、新通帳へ繰越したことを印字する。
【0209】
さらに、図15(C)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳表紙までの改ページ指示に従って、総合口座通帳PBの表紙63までページ送りをする。そして、通帳処理部12は、総合口座通帳PBの表紙63に、繰越済みの文字列603を印字する。
【0210】
ここで、第3の実施形態は、総合口座通帳の普通部を普通預金通帳へ、総合口座通帳の定期部を定期預金通帳へ分冊するので、繰越済みの古い総合口座通帳に付されている磁気ストライプMSに対して、通帳処理部12は使用不可と更新する。
【0211】
[ステップS410]
制御部11は、繰越済みの古い総合口座通帳を返却する(ステップS410)。
【0212】
例えば、通帳を退避させるスペースが1冊だけであるときには、この段階で返却することが望ましい。しかし、複数冊の通帳を退避させることが可能であれば、後述するステップS414で、又は、ステップS419-ステップS420で、繰越済みの古い総合口座通帳を返却するようにしてもよい。
【0213】
[ステップS411~S413]
通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる普通預金通帳発行指示に従って、予め装填している普通預金通帳を繰り出す。
【0214】
そして、通帳処理部12は、新しい通帳としての普通預金通帳の表紙と見返しページに、店番や口座番号や口座名義人等の情報を印字する。このとき、普通預金に記帳すべき未記帳データを取得するため、制御部11はホストコンピュータ2に対して再記帳要求を行なう(ステップS411)。
【0215】
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された総合口座の普通部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS412)。
【0216】
例えば、ホストコンピュータ2が送信する新通帳発行データを、「第1の新通帳発行データ」と呼ぶ。第1の新通帳発行データは、新しい普通預金通帳の発行に関するデータを含む。
【0217】
例えば、第1の新通帳発行データは、「普通部の未記帳印字データ」と、「通帳MS(普通預金通帳)ライト指示」に加えて、「定期預金通帳発行指示」、「定期預金通帳への表紙・見返し印字指示」を有する。
【0218】
通帳処理部12は、受信した普通部の未記帳データを、新しい普通預金通帳に印字する(ステップS413)。
【0219】
図16は、新たに発行した普通預金通帳の構成を示す構成図である。図16(A)は、普通預金通帳PB2の表紙71の構成を示し、図16(B)は、普通預金通帳PB2の見返しページ72の構成を示し、図16(C)は、普通預金通帳PB2の普通科目のページ73の構成を示す。
【0220】
図16(A)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる普通預金通帳の表紙印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB2の表紙71に、店番、口座番号、口座名義人の情報701を印字する。
【0221】
図16(B)に示すように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB2の見返しページ72に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報702を印字する。
【0222】
図16(C)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる普通部の未記帳印字データ703を、新しい普通預金通帳の普通科目ページ73に印字する。
【0223】
[ステップS414]
総合口座通帳の定期部の未記帳データがない場合、制御部11は、新しく発行した普通預金通帳を返却する(ステップS414)。
【0224】
[ステップS415及びS416]
通帳処理部12は、先に発行した普通預金通帳を退避させる。次に、通帳処理部12は、第1の新通帳発行データに含まれる「定期預金通帳発行指示」従って、予め装填している定期預金通帳を繰り出す。
【0225】
そして、通帳処理部12は、第1の新通帳発行データに含まれる「定期預金通帳への表紙・見返し印字指示」に基づいて、新しい通帳としての定期預金通帳の表紙と見返しページに、店番や口座番号や口座名義人等の情報を印字して、定期預金通帳を発行する(ステップS415)。
【0226】
このとき、定期預金通帳に未記帳データを取得するため、制御部11はホストコンピュータ2に対して再記帳要求を行なう(ステップS416)。
【0227】
[ステップS417及びS418]
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された総合口座の定期部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS417)。
【0228】
例えば、ホストコンピュータ2が送信する新通帳発行データを、「第2の新通帳発行データ」と呼ぶ。第2の新通帳発行データは、新しい定期預金通帳の発行に関するデータを含む。
【0229】
例えば、第2の新通帳発行データは、「定期部の未記帳印字データ」と、「通帳MS(定期預金通帳)ライト指示」を有する。
【0230】
通帳処理部12は、受信した定期部の未記帳データを、新しい定期預金通帳に印字する(ステップS418)。
【0231】
図17は、新たに発行した定期預金通帳の構成を示す構成図である。図17(A)は、定期預金通帳PB3の表紙81の構成を示し、図17(B)は、定期預金通帳PB3の見返しページ82の構成を示し、図17(C)は、定期預金通帳PB3の定期科目のページ83の構成を示す。
【0232】
図17(A)に示すように、通帳処理部12は、第1の新通帳発行データに含まれる定期預金通帳の表紙印字指示に従って、新しい定期預金通帳PB3の表紙81に、店番、口座番号、口座名義人の情報801を印字する。
【0233】
図17(B)に示すように、通帳処理部12は、第1の新通帳発行データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい定期預金通帳PB3の見返しページ82に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報802を印字する。
【0234】
図17(C)に示すように、通帳処理部12は、第2の新通帳発行データに含まれる定期部の未記帳印字データ803を、新しい定期預金通帳PB3の定期科目ページ83に印字する。
【0235】
また、通帳処理部12は、新しい定期預金通帳の磁気ストライプMSに磁気データを書き込む。
【0236】
[ステップS419及びS420]
通帳処理部12は、新しく発行した定期預金通帳を排出する(ステップS419)。そして、新しい定期預金通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避させていた普通預金通帳を復帰させて排出する(ステップS420)。
【0237】
(C-3)第3の実施形態の効果
以上のように、第3の実施形態によれば、総合口座通帳の普通部よりもページ数が多い普通預金通帳を新しく発行することができる。その結果、利用頻度が多い普通預金の取引については普通預金通帳に記帳できるので、通帳の繰越回数を減らすことができる。
【0238】
第3の実施形態によれば、総合口座通帳の定期部についても、満頁・満行であれば、普通預金通帳の発行に続けて、総合口座通帳の定期部よりもページ数が多い定期預金通帳を発行することができる。この場合も、通帳の繰越回数を減らすことができる。
【0239】
(D)第4の実施形態
次に、本発明の自動取引装置の第4の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0240】
昨今、紙の通帳発行を抑制する傾向にある。しかし、例えば、家計簿等として紙の通帳を利用している顧客も少なくない。そこで、第4の実施形態は、普通部については紙の通帳を発行し、定期部については、現在の定期明細を照会して電子通帳を操作表示部に表示するようにして、紙資源および経費の更なる削減を行なう。
【0241】
なお、第4の実施形態は、第1~第3の実施形態のいずれかの処理と組み合わせて融合させたものとしてもよい。又は、第1~第3の実施形態のいずれかの処理とは別に単独のものとしてもよい。
【0242】
(D-1)第4の実施形態の構成
第4の実施形態の自動取引装置の構成は、基本的には、図1で例示した第1~第3の実施形態の自動取引装置1と同じである。したがって、第4の実施形態でも、図1を用いて説明する。
【0243】
(D-2)第4の実施形態の動作
図18及び図19は、第4の実施形態の総合口座通帳の通帳繰越発生時の処理を示すシーケンス図である。
【0244】
以下の動作説明では、総合口座通帳が片面通帳である場合を例示する。勿論、総合口座通帳が両面通帳であっても適用でき、その場合、第1~第2の実施形態で説明した処理を適用することができる。
【0245】
[ステップS501及びS502]
顧客は、総合口座通帳を自動取引装置1に挿入して(ステップS501)、自動取引装置1において顧客が希望する取引を行なう。取引が成立した後、自動取引装置1の制御部11は、ホストコンピュータ2に対して、例えば、金融機関コード、店番号、口座番号等のように総合口座を特定するデータを含む記帳要求電文を作成して送信する(ステップS502)。
【0246】
なお、ステップS501及びS502は、図9のステップS301及びS302及び図13のステップS401及びS402に対応する。
【0247】
[ステップS503及びS504]
ホストコンピュータ2の制御部21は、受信した記帳要求電文で指示された口座(総合口座の普通預金)の口座情報を照会して、今回行った取引データも含めて未記帳の取引データがあるか否かを判断する。
【0248】
未記帳データがある場合、制御部21は、自動取引装置1に対して、当該総合口座の普通預金に関する未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS503)。制御部21は、当該総合口座に関する口座情報のデータ編集を行なう(ステップS504)。なお、未記帳データがない場合、ホストコンピュータ2の制御部21はその旨を示す応答電文を自動取引装置1に返信する。
【0249】
なお、ステップS503及びS504は、図9のステップS303及びS304、図13のステップS403及びS404に対応する。
【0250】
[ステップS505~S507]
自動取引装置1において、制御部11は受信した未記帳データを通帳処理部12に与え、通帳処理部12は、未記帳データを、総合口座通帳の普通部に印字する(ステップS505)。ここで、総合口座通帳の普通部が満頁、満行になり(ステップS506)、通帳繰越が発生する。
【0251】
このとき、表示制御部112は、新しく発行する通帳として普通預金通帳を発行するか否かを、顧客に選択させる画面(例えば、図19の画面500)を操作表示部19に表示する。例えば第1の実施形態と同様に、画面500上で、「今すぐ発行する」ボタンが選択されることで、継続して通帳繰越が行なわれる。なお「今すぐ発行する」ボタンが選択されたときの動作は、例えば第1の実施形態と同様であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
【0252】
制御部11は、総合口座通帳から普通預金通帳に繰越発行することを示す情報を含む通帳発行要求の電文を、ホストコンピュータ2に送信する(ステップS507)。
【0253】
[ステップS508]
ホストコンピュータ2の制御部21は、総合口座の普通預金及び定期預金の口座情報を照会して、通帳繰越のために必要なデータの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS508)。
【0254】
ここで、例えば、通帳繰越データは、総合口座通帳の普通部の「最終行繰越印字データ」、「通帳MS(普通部繰越)ライト指示」、「通帳表紙までの改ページ指示」、「表紙への通帳繰越印字データ」を有する。
【0255】
また、ホストコンピュータ2において、総合口座の定期預金に未記帳データがある場合、通帳繰越データは、「定期部までの改ページ指示」、「定期部の未記帳印字データ」を含む。なお、定期部の未記帳データが多く、定期部が満頁、満行のときには、通帳繰越データが「繰越印字データ」を有してもよい。
【0256】
[ステップS509及びS510]
自動取引装置1では、通帳処理部12が、受信した通帳繰越データを用いて、古い総合口座通帳に繰越に必要な印字をして通帳繰越を行なう(ステップS509)。
【0257】
例えば、通帳処理部12は、総合口座通帳の普通部に未記帳データを記帳し、印字中に普通部の最終行に、通帳繰越の印字を行ない、古い総合口座通帳の表紙に改ページ後、その表紙に繰越済みを印字し、磁気ストライプMSを使用不可に更新する。
【0258】
そして、通帳処理部12は、古い総合口座通帳の繰越処理を終えると、その古い総合口座通帳を退避させる(ステップS509)。
【0259】
次に、自動取引装置1の操作表示部19は、総合口座通帳の定期科目の通帳が必要か否かを顧客に選択させる選択画面を表示する(ステップS510)。
【0260】
例えば、図18の画面503に例示するように、「今後定期科目の通帳発行は有料になります。定期科目の通帳を発行するには「通帳発行」を押してください。定期科目の通帳を発行しない場合に「通帳不要」を押してください。なお、「通帳不要」の場合、定期科目の明細を画面で確認することができます。」
[ステップS511~S515]
例えば画面503上で「通帳発行」ボタンが選択されると、通帳処理部12は、新しい通帳として総合口座通帳の発行準備をする。つまり、通帳処理部12は、予め充填している総合口座通帳を繰り出す(ステップS511)。同時に、制御部11は再記帳要求をホストコンピュータ2に送信する(ステップS512)。
【0261】
また、例えば画面503上で「通帳不要」ボタンが選択されると、通帳処理部12は、新しい通帳として、普通預金通帳の発行準備をする。つまり、通帳処理部12は、予め充填している普通預金通帳を繰り出す(ステップS513)。同時に、制御部11は再記帳要求をホストコンピュータ2に送信する(ステップS514)。
【0262】
ホストコンピュータ2の制御部21は、再記帳要求電文で指示された総合口座の普通部の未記帳データの印字指示を含む応答電文を返信する(ステップS311)。例えば、ホストコンピュータ2が送信する新通帳発行データは、普通部の未記帳印字データと、定期部までの改ページ指示、定期部の未記帳印字データ、通帳MS(新通帳)ライト指示を有する。
【0263】
[ステップS516]
通帳処理部12は、通帳繰越データの「通帳への表紙・見返しデータ印字指示」に基づいて、新しい通帳の表紙と見返しページに情報を印字し、普通部に未記帳データを印字する(ステップS516)。また、通帳処理部12は、新しい通帳の磁気ストライプMSに対して使用可能であることを更新する。
【0264】
ここでいう新しい通帳は、例えば画面503「通帳発行」が選択されたときには総合口座通帳をいい、例えば画面503の「通帳不要」が選択されたときには普通預金通帳をいう。
【0265】
新たな通帳としての総合口座通帳の構成を図20に例示し、新たな通帳としての普通預金通帳の構成を図21に例示する。
【0266】
図20(A)~図20(C)に例示するように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳の表紙印字指示に従って、新しい総合口座通帳PB4の表紙93に、店番、口座番号、口座名義人の情報906を印字する。また、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい総合口座通帳PB4の見返しページ96に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報907を印字する。図20(C)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる普通部の未記帳印字データ908を、新しい総合口座通帳PB4の普通部91に印字する。
【0267】
また、図21(A)~図21(C)に例示するように、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる通帳の表紙印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB5の表紙101に、店番、口座番号、口座名義人の情報1001を印字する。また、通帳処理部12は、通帳繰越データに含まれる見返し印字指示に従って、新しい普通預金通帳PB5の見返しページ102に、銀行名、支店名、店番、口座番号、口座名義人、印影等の情報1002を印字する。図21(C)に示すように、通帳処理部12は、新通帳発行データに含まれる普通部の未記帳印字データ1003を、新しい普通預金通帳PB5のページ103に印字する。
【0268】
ここで、図21(B)に例示するように、新しい普通預金通帳PB5の見返しページに、当該顧客名義の定期預金口座の取引データを閲覧できるサイトURLの二次元コード1004を、見返しページに印字するようにしてもよい。
【0269】
これにより、例えば、スマートフォン等の情報端末に搭載の二次元コード読み取りアプリケーション等で二次元コード1004を読み取り、顧客が、情報端末を通じて、定期預金口座の取引データのサイトにアクセスしてみることができる。
【0270】
なお、二次元コードのサイトURLは、金融機関のホームページ、金融機関の個人お客様用のホームページ、定期預金口座に関するホームページ、電子通帳のホームページ又はログインページ等とすることができる。
【0271】
[ステップS517~S522]
ステップS517~S522は、例えば画面503で「通帳不要」が選択されたときの処理である。この場合、普通預金通帳が発行されて、定期科目の取引データがあるときには、定期科目の取引データが自動取引装置1の操作表示部19に表示される。以下、説明する。
【0272】
例えば画面503で「通帳不要」が選択されている場合(ステップS517)、制御部11は、ホストコンピュータ2から受信した電文に基づいて、定期科目の取引データがあるか否かを判断する(ステップS518、S522)。
【0273】
ここで、定期科目の取引データの判断は、それまでの間に自動取引装置1とホストコンピュータ2との間で授受した電文データを用いて判断してもよい。また別の方法として、改めて、自動取引装置1が、定期科目の取引データの取引履歴を、ホストコンピュータ2に要求し、その応答電文のデータを用いて判断してもよい。
【0274】
そして、定期科目の取引データがある場合(ステップS518)、その取引データを操作表示部19に表示する(ステップS519)。
【0275】
図19の画面504は、定期科目の取引データを示す画面の一例である。画面504は、例えば電子通帳で定期科目の取引データを表示する画面と同等のものであってもよい。また、取引数に応じて、画面504は複数ページで形成されていてもよい。その場合、画面上の「前頁」ボタン、「後頁」ボタンでページめくりが可能である。また、定期科目の取引データの照会を見た顧客に対して確認を求めるため、「確認」ボタンが画面504にある。この「確認」ボタンが選択されると、定期科目の取引データの確認処理は終了して、次のステップに移行する。
【0276】
そして、定期科目の取引データの確認が終了すると、通帳処理部12は、新しく発行した普通預金通帳を排出する(ステップS520)。そして、新しい普通預金通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避した古い総合口座通帳を復帰させて排出する(ステップS521)。
【0277】
なお、制御部11は、ホストコンピュータ2から受信した電文に基づいて、定期科目の取引データがるか否かを判断して(ステップS518、S522)、定期科目の取引データがない場合(ステップS522)、制御部11は、定期科目の取引データを操作表示部19に表示せず、ステップS522に進む。変形例として、定期科目の取引データがないことを示すと共に、顧客に確認を求める「確認」ボタンを有する画面を、制御部11は操作表示部19に表示してもよい。
【0278】
[ステップS523~S526]
ステップS523~S526は、例えば画面503で「通帳発行」が選択されたときの処理である。この場合、定期部を有する総合口座通帳を新たに発行し、定期部の未記帳データがあるときには、その未記帳データを定期部に記帳する。以下、説明する。
【0279】
例えば画面503で「通帳発行」が選択されている場合(ステップS523)、図20(D)のように、通帳処理部12は、ホストコンピュータ2から受信した新通帳発行データに含まれている「定期部までの改ページ指示」に従って、新しい総合口座通帳PB4の定期部92までページめくりをする。そして、通帳処理部12は、ホストコンピュータ2から受信した新通帳発行データに含まれている定期部の未記帳データ909を、新しい総合口座通帳PB4の定期部92に印字する(ステップS524)。なお、定期部の未記帳データがない場合、定期部への未記帳データの印字は行なわない。
【0280】
そして、通帳処理部12は、新しく発行した総合口座通帳を排出する(ステップS525)。そして、新しい総合口座通帳が顧客により受け取られたことをセンサ検知すると、通帳処理部12は、一時退避した古い総合口座通帳を復帰させて排出する(ステップS526)。
【0281】
(D-3)変形例
(D-3-1)上述した第4の実施形態では、例えば画面503で「通帳発行」が選択されたときに、既存の通帳繰越処理を変更せずに適用するため、総合口座通帳を通帳処理部12が発行する場合を例示した。
【0282】
しかし「通帳発行」が選択されたときに、通帳処理部12は、定期預金通帳を、新しい通帳として発行してもよい。その場合、第3の実施形態で説明した処理を適用できる。
【0283】
また別の変形例として、「通帳発行」が選択されたときに、通帳処理部12は、古い総合口座通帳の定期部が使用可能な状態であれば、新しい総合口座通帳を発行せず、古い総合口座通帳の定期部を継続して使用できるようにしてもよい。その場合、第1の実施形態で説明した処理を適用できる。
【0284】
(D-3-2)上述した第4の実施形態では、図19のステップS519で、定期科目の取引データを操作表示部19に表示する場合を例示した。しかし、この処理に限らず、例えば新しい普通預金通帳の見返りページに、定期預金口座の取引データを閲覧するためのサイトURLの二次元コード1004を印字した場合、顧客はスマートフォン等で確認可能である。したがって、その場合、ステップS519の画面表示を省略してもよい。
【0285】
(D-3-3)さらに、上述した第4の実施形態では、新しく発行する普通預金通帳PB5の見返しページ102に、二次元コード1004を印字する場合を例示したが、二次元コード1004を印字するページは、見返しページ102に限らない。また、見返しページ102における二次元コード1004の位置も図21(B)に例示する位置に限定されない。
【0286】
(D-3-4)また、二次元コード1004は、操作表示部19の画面に表示するようにしてもよい。これにより、顧客がスマートフォン等で二次元コードを読み取り、サイトURLにアクセスでき、スマートフォン等を通じて、定期預金口座の取引データを顧客は確認できる。
【0287】
(D-4)第4の実施形態の効果
以上のように、第4の実施形態によれば、総合口座通帳の定期預金口座の取引データについては、操作表示部の画面上、また電子通帳等の情報等のように電子的な情報で閲覧できるようにする。これにより、紙資源及び費用の削減を行なうことができる。
【0288】
また、第4の実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、総合口座通帳の普通部よりもページ数が多い普通預金通帳を新しく発行することができる。その結果、利用頻度が多い普通預金の取引については普通預金通帳に記帳できるので、通帳の繰越回数を減らすことができる。
【符号の説明】
【0289】
10…取引システム、1…自動取引装置、2…ホストコンピュータ、11…制御部、111…取引処理部、112…表示制御部、12…通帳処理部、13…カード処理部、14…明細票処理部、15…紙幣入出金部、16…硬貨入出金部、17…記憶部、18…通信部、19…操作表示部、21…制御部、22…通信部、23…データベース、121…ライタ部、122…印字機構部、123…通帳機構部、NT…通信回線。
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