(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023108994
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】アタッチメント及びそれを備える砕石杭形成装置
(51)【国際特許分類】
E02D 3/08 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
E02D3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010342
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
(71)【出願人】
【識別番号】507301486
【氏名又は名称】株式会社 尾鍋組
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾鍋 哲也
(72)【発明者】
【氏名】酒井 俊典
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043DA07
2D043DB02
2D043DB05
2D043DB29
(57)【要約】 (修正有)
【課題】円筒部の摩耗により発生するメンテナンスコストを低減する。
【解決手段】砕石杭形成用のアタッチメント10は、砕石投入孔15が形成される円筒部12と、円筒部12に取付けられ砕石投入孔15を開閉する扉20とを備える。円筒部12は、回転駆動力を発生させる駆動装置11に接続され、回転駆動力により地中を掘削して空間を形成する。円筒部12は、複数の円筒部分12A、12Bと、軸方向に隣接する円筒部分12A、12Bを分離可能に連結する1又は複数の連結機構61とを備える。複数の円筒部分12A,12Bは、砕石投入孔部分を備える。砕石投入孔15は、複数の円筒部分12A,12Bに形成された砕石投入孔部分により構成される。1又は複数の連結機構61の少なくとも一つが、当該連結機構61が連結する2つの円筒部分12A、12Bの内周面に設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械に装着されるアタッチメントであって、
前記建設機械の回転駆動力を発生させる駆動装置に接続され、前記回転駆動力により地中を掘削して空間を形成する円筒部を備え、
前記円筒部は、複数の円筒部分と、軸方向に隣接する前記円筒部分を分離可能に連結する1又は複数の連結機構と、を備えており、
前記1又は複数の連結機構の少なくとも一つが、当該連結機構が連結する2つの円筒部分の内周面に設けられている、アタッチメント。
【請求項2】
前記アタッチメントは、地中に挿入されて空間を形成し、前記空間に砕石を投入して砕石杭を形成するための砕石杭形成用のアタッチメントであり、
前記複数の円筒部分の少なくとも一つには、砕石投入孔が形成されている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記連結機構が内周面に形成され、かつ、前記砕石投入孔が形成される円筒部分では、当該連結機構の近傍に前記砕石投入孔が形成されている、請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記アタッチメントは、地中に挿入されて空間を形成し、前記空間に砕石を投入して砕石杭を形成するための砕石杭形成用のアタッチメントであり、
前記円筒部の側面には、その軸方向に沿って砕石投入孔が形成されており、
前記アタッチメントは、前記円筒部に取付けられ、前記砕石投入孔を開閉する扉をさらに備えており、
前記複数の円筒部分の少なくとも一部は、その側面に前記軸方向に沿って形成された砕石投入孔部分を備えており、
前記砕石投入孔は、前記複数の円筒部分の少なくとも一部に形成された前記砕石投入孔部分により構成されている、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記複数の円筒部分のうち少なくとも2つの隣接する円筒部分の側面には、前記砕石投入孔部分が形成されており、
前記砕石投入孔は、前記少なくとも2つの隣接する円筒部分に形成された前記砕石投入孔部分により構成されている、請求項4に記載のアタッチメント。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のアタッチメントと、
正転方向と反転方向の回転駆動力を発生させて、前記アタッチメントを駆動する駆動装置と、を備える、砕石杭形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、地盤改良機に装着されるアタッチメント(例えば、砕石杭形成用のアタッチメント)と、該アタッチメントを備える砕石杭形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地盤改良を行う場合、地盤改良機に装着したアタッチメントを用いることがある。例えば、液状化対策等の地盤改良のために、地中に砕石杭を形成する方法が知られている。この砕石杭形成方法では、アタッチメントを用いて地中に空間を形成し、その形成した空間に砕石を投入して砕石杭を形成する。特許文献1に開示のアタッチメントは、砕石投入孔が形成される円筒部を備えている。円筒部は、地盤改良機の駆動装置に接続される。駆動装置が回転駆動力を発生させると、その回転駆動力により円筒部が地中に挿入されながら地中を掘削する。地中を掘削することで形成された空間には、円筒部に設けられる砕石投入孔から砕石が投入される。そして、砕石杭が形成される際に、円筒部は地中から引き抜かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のアタッチメントでは、円筒部が地中に挿入され、その後に地中から引き抜かれる。このため、時間の経過に伴って円筒部の表面等が摩耗し、摩耗が進むと円筒部を交換する必要が生じる。ここで、地中を掘削する際は、円筒部の先端から地中に挿入され、また、地中に挿入された円筒部は基端側から地中より引き抜かれる。このため、円筒部は先端側が最も摩耗し、基端側に向かって摩耗していないことになる。従来のアタッチメントでは、円筒部の先端側が摩耗しているだけでも、円筒部全体を交換する必要があり、メンテナンスコストが高額になるという問題を有していた。本明細書は、円筒部の摩耗により発生するメンテナンスコストを低減することができる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示するアタッチメントは、建設機械に装着されるアタッチメントであって、建設機械の回転駆動力を発生させる駆動装置に接続され、回転駆動力により地中を掘削して空間を形成する円筒部を備える。円筒部は、複数の円筒部分と、軸方向に隣接する円筒部分を分離可能に連結する1又は複数の連結機構と、を備えている。1又は複数の連結機構の少なくとも一つが、当該連結機構が連結する2つの円筒部分の内周面に設けられている。
【0006】
上記のアタッチメントでは、複数の円筒部分を軸方向に連結して円筒部を構成している。このため、円筒部が使用により部分的に摩耗したときは、摩耗した円筒部分のみを交換し、摩耗していない円筒部分は交換する必要がない。これによって、円筒部の摩耗により発生するメンテナンスコストを低減することができる。また、円筒部を複数の円筒部分を軸方向に連結して構成しても、1又は複数の連結機構の少なくとも一つは、円筒部分の内周面に設けられている。このため、円筒部が地中に挿入されるとき、また、円筒部を地中から引き抜くときに、連結機構が障害となることを抑制することができる。
【0007】
また、本明細書は、上記のアタッチメントを備えた砕石杭形成装置を開示する。すなわち、本明細書に開示する砕石杭形成装置は、上記のアタッチメントと、回転駆動力を発生させてアタッチメントを駆動する駆動装置と、を備える。この砕石杭形成装置によると、円筒部の摩耗により発生するメンテナンスコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例に係る砕石杭形成装置の概略構成を示す図。
【
図3】
図1のA-A線における断面図(砕石投入孔にホッパーの先端が挿入されていない状態(地中を掘削するときの状態))。
【
図4】
図1のA-A線における断面図(砕石投入孔にホッパーの先端が挿入された状態(地中からアタッチメントを引き抜くときの状態))。
【
図5】円筒部を構成する上側の円筒部分及び連結機構を下方から見たときの図。
【
図6】円筒部を構成する下側の円筒部分及び連結機構を上方から見たときの図。
【
図7】
図5のB-B線及び
図6のC-C線における断面図(円筒部分同士を連結していないときの状態)。
【
図8】
図5のB-B線及び
図6のC-C線における断面図(円筒部分同士を連結したときの状態)。
【
図9】他の実施例に係るアタッチメントがバックホー(建設機械の一例)に装着された状態を模式的に示す図。
【
図10】他の実施例に係るアタッチメントの外観を模式的に示す斜視図。
【
図11】
図10に示すアタッチメントにおいて、上側の円筒部分と下側の円筒部分を連結するときの様子を模式的に示す図。
【
図12】
図10に示すアタッチメントの変形例を模式的に示す断面図であって、その外周に位置合せ用のステーを備える状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(特徴1)本明細書が開示するアタッチメントでは、アタッチメントは、地中に挿入されて空間を形成し、前記空間に砕石を投入して砕石杭を形成するための砕石杭形成用のアタッチメントであってもよい。この場合に、複数の円筒部分の少なくとも一つには、砕石投入孔が形成されていてもよい。
【0010】
(特徴2)本明細書が開示するアタッチメントでは、連結機構が内周面に形成され、かつ、前記砕石投入孔が形成される円筒部分では、当該連結機構の近傍に砕石投入孔が形成されていてもよい。このような構成によると、砕石投入孔を利用して円筒部分同士を連結することができる。
【0011】
(特徴3)本明細書が開示するアタッチメントでは、アタッチメントは、地中に挿入されて空間を形成し、前記空間に砕石を投入して砕石杭を形成するための砕石杭形成用のアタッチメントであってもよい。円筒部の側面には、その軸方向に沿って砕石投入孔が形成されていてもよい。アタッチメントは、円筒部に取付けられ、砕石投入孔を開閉する扉をさらに備えていてもよい。複数の円筒部分の少なくとも一部は、その側面に軸方向に沿って形成された砕石投入孔部分を備えていてもよい。砕石投入孔は、複数の円筒部分の少なくとも一部に形成された砕石投入孔部分により構成されていてもよい。このような構成によると、複数の円筒部分の一部に形成された砕石投入孔部分によって、1つの砕石投入孔を形成することができる。
【0012】
(特徴4)本明細書が開示するアタッチメントでは、複数の円筒部分のうち少なくとも2つの隣接する円筒部分の側面には、砕石投入孔部分が形成されていてもよい。砕石投入孔は、少なくとも2つの隣接する円筒部分に形成された砕石投入孔部分により構成されていてもよい。このような構成によると、隣接する複数の円筒部分に砕石投入孔部分が形成されることで、軸方向に伸びる所望の長さの砕石投入孔を構成することができる。
【0013】
(特徴5)本明細書が開示するアタッチメントでは、複数の連結機構の少なくとも一つは、当該連結機構が連結する2つの円筒部分の一方の内周面に設けられ、当該内周面から当該円筒部分の軸線に向かって突出する第1内側フランジと、当該連結機構が連結する2つの円筒部分の他方の内周面に設けられ、当該内周面から当該円筒部分の軸線に向かって突出する第2内側フランジと、を備えていてもよい。第1内側フランジと第2内側フランジとを結合することで、2つの円筒部分が連結されるようになっていてもよい。このような構成によると、連結機構を簡易な構成としながら、2つの円筒部分を強固に連結することができる。
【0014】
(特徴6)本明細書が開示するアタッチメントでは、第1内側フランジは、当該第1内側フランジが設けられる円筒部分の周方向の少なくとも一部に形成されていてもよい。第2内側フランジは、当該第2内側フランジが設けられる円筒部分の周方向の少なくとも一部に形成されていてもよい。
【0015】
(特徴7)本明細書が開示するアタッチメントでは、第1内側フランジには、周方向に間隔を空けて複数の第1貫通孔が形成されていてもよい。第2内側フランジの第1貫通孔に対応する位置には、第2貫通孔が形成されていてもよい。複数の連結機構の少なくとも一つは、第1内側フランジの第1貫通孔と、当該第1貫通孔に対応する第2内側フランジの第2貫通孔と、に差し込まれる複数の締結部材を備えていてもよい。このような構成によると、軸方向に隣接する円筒部分同士が周方向の複数個所において連結される。このため、円筒部分同士を強固に連結することができる。
【0016】
(特徴8)本明細書が開示するアタッチメントでは、第1内側フランジには、1又は複数の位置決め用凹部がさらに形成されていてもよい。第2内側フランジの位置決め用凹部に対応する位置には、位置決め用凸部がさらに形成されていてもよい。第1内側フランジと第2内側フランジとを結合したときに、位置決め用凸部が位置決め用凹部に収容されるようになっていてもよい。このような構成によると、円筒部分を軸方向に連結するときに、周方向の位置合わせを正しく行うことができる。
【0017】
(特徴9)本明細書が開示するアタッチメントでは、連結機構が内周面に形成される円筒部分では、当該連結機構の近傍まで砕石投入孔部分が形成されていてもよい。このような構成によると、作業者が砕石投入孔部分から手を円筒部内に差し入れて、円筒部分同士を連結する作業を行うことができる。このため、円筒部分を連結する作業を容易に行うことができる。
【実施例0018】
以下、本実施例に係る砕石杭形成装置100について説明する。
図1に示すように、砕石杭形成装置100は、建設機械としての地盤改良機40と、地盤改良機40に装着されたアタッチメント10を備えている。地盤改良機40は、
図1に示されるように、地盤改良機本体構造1と、運転席としてのキャビン7と、低接地圧で不整地を移動可能な無限軌道であるクローラ6と、施工時において地盤改良機40の揺動を抑制するアウトリガー5と、を備える。
【0019】
地盤改良機40は、さらに、アタッチメント10を操作するための構成として、アタッチメント10にモーター出力軸27を介して回転駆動力を供給する駆動装置11と、昇降ガイドレール9を有するリーダー4と、駆動装置11及びアタッチメント10を昇降ガイドレール9に沿って昇降する昇降台17と、リーダー4を支持するためのリーダー取付ベース2と、リーダー4の傾きを操作する油圧シリンダー3と、リーダー4の下端部においてリーダー4と一体的に形成されている延長脚柱8と、を備えている。
【0020】
図1及び
図2に示すように、アタッチメント10は、フィン13が設けられた円筒部12と、螺旋部14と、円筒部12の振れ止め用の包囲枠30と、昇降台17に取り付けられるハンガーステー18と、トップカバーケース16と、砕石投入装置32と、包囲枠30を支持する支持プレート37と、砕石投入装置32を支持する支持アーム39と、アタッチメント10による施工状態を管理する施工管理装置41と、を備えている。
【0021】
円筒部12は円筒状の部材であり、複数の円筒部分12A、12Bを備えている。詳しくは、本実施例の円筒部12は2つの円筒部分12A、12Bを軸方向に連結することによって構成されている。なお、円筒部分12A、12Bは3つ以上であってもよい。
図1、
図2にて上側に位置する円筒部分12Aはギアボックス側の円筒部分12Aである。
図1、
図2にて下側に位置する円筒部分12Bはヘッド側の円筒部分12Bである。これら2つの円筒部分12A、12Bは等しい外径を有する。よって、2つの円筒部分12A、12Bが軸方向に連結されたとき、両者の外周面12bは段差のない面一の状態となる。円筒部12は、軸方向に隣接する2つの円筒部分12A、12Bを分離可能に連結するための機構を備えている。この機構については後で詳述する。
【0022】
円筒部分12A、12Bは、その側面に軸方向に沿って形成された砕石投入孔部15A、15Bを備えている。2つの砕石投入孔部分15A、15Bが形成された周方向の位置は同一の位置となるため、2つの砕石投入孔部分15A、15Bによって1つの砕石投入孔15が構成されている。砕石投入孔15は、円筒部12の軸方向に伸びており、弾性変形可能なゴム製又は樹脂製の扉としての開閉扉20によって塞がれている。詳細には、
図3及び
図4に示すように、砕石投入孔15は、取付プレート28に形成されており、開閉扉20は取付プレート28に固定されている。取付プレート28は、砕石投入孔15の一方の縁部(z方向に伸びる縁部)に設けられた取付部28aと、砕石投入孔15の他方の縁部(z方向に伸びる縁部)に設けられた受け止め部28bと、を備えている。開閉扉20は、取付部28aと受け止め部28bに当接することによって砕石投入孔15を塞いでいる。取付部28aは、
図3において-X方向側に位置しており、受け止め部28bは、
図3において+X方向側に位置している。砕石投入装置32が砕石投入孔15と対向する位置に配置されると、砕石投入装置32に対して取付部28aは時計回り側(後述する正転方向側)に位置し、受け止め部28bは反時計回り側(後述の反転方向側)に位置している。
【0023】
砕石投入装置32は、ホッパー部33と、ホッパー部33の下部に配置されるシュート部34を備えている。砕石投入孔15は、アタッチメント10が地中を掘削する際には、開閉扉20によって閉じられている。これによって、砕石投入孔15から円筒部12内に土砂が侵入することを防止できる。また、円筒部12内に砕石を投入する際には、開閉扉20が開けられる(
図4参照)。これによって、砕石投入装置32に投入した砕石を砕石投入孔15から円筒部12内に投入することができる。また、砕石投入孔15が軸方向に沿って長孔として設けられていることによって、円筒部12が上昇しても砕石投入位置を変更することなく、砕石を円筒部12内に投入することができる。
【0024】
図1及び
図2に示すように、螺旋部14は、円筒部12の先端に位置しており、コアロッド22(
図3、4に図示)及び回転入力軸31と一体的に構成されている。回転入力軸31は、駆動装置11のモーター出力軸27に接続されている。回転入力軸31は、モーター出力軸27の回転駆動力に応じて回転し、その回転駆動力を一体的に結合されたコアロッド22を介して螺旋部14に伝達する。螺旋部14の先端には掘削翼が設けられている。掘削翼は、螺旋部14の先端に向かうにしたがって径が大きくなる螺旋状に形成されている。掘削翼の略全体は円筒部12内に配置されており、掘削翼の先端の一部のみが円筒部12の先端から突出している。
【0025】
コアロッド22(
図3に図示)は、図示しない位置で円筒部12に回転可能に結合され、円筒部12と回転軸を共通にしている。円筒部12は、その周囲に螺旋状のフィン13を有している。フィン13は、螺旋部14の螺旋(すなわち、掘削翼)と同一方向の螺旋形状を有している。すなわち、掘削する際には、円筒部12と螺旋部14は、同一方向に回転することになる。これにより、螺旋部14の掘削によって生じた掘削土砂がフィン13によって地表に運搬されることになる。
【0026】
トップカバーケース16は、円筒部12の後端部に取付けられており、円筒部12と一体化されている。コアロッド22は、トップカバーケース16の上面を貫通しており、トップカバーケース16に回転可能に支持されている。このため、コアロッド22が回転駆動されても、円筒部12はコアロッド22と共に回転することなく、フリーな状態が保たれる。
【0027】
アタッチメント10は、さらに、図示しない回転駆動力伝達部と反転防止部を備えている。回転駆動力伝達部は、ワンウエイクラッチ機構であり、掘削時の回転方向に螺旋部14を駆動する際は、自動的に螺旋部14と円筒部12を一体として回転させる。これにより、上述のように螺旋部14で掘削した土砂を円筒部12が有するフィン13で地上に排出することができる。一方、回転駆動力伝達部は、掘削時の回転方向と逆方向に螺旋部14を駆動する際は、螺旋部14を反転方向に回転させることで砕石に圧力を印加すると共に、螺旋部14から円筒部12への動力伝達を遮断して円筒部12の回転を停止させる。反転防止部は、掘削時の回転方向と逆方向に螺旋部14を駆動する際は、回転を停止された円筒部12が、掘削時の回転方向にもその逆方向にも回転しないように、円筒部12の回転を規制する。以下、円筒部12と螺旋部14が同一方向に回転する方向、すなわち、掘削時の回転方向を「正転方向」といい、掘削時の回転方向と逆方向に回転する方向、すなわち、螺旋部14で砕石に圧力を印加する回転方向を「反転方向」ということがある。また、正転方向の回転を右回転(時計回り)とし、反転方向の回転を左回転(反時計回り)として説明する。
【0028】
ここで、
図5~
図8に基づき、円筒部12が備える連結機構61の構成について詳述する。連結機構61は、軸方向に隣接する2つの円筒部分12A、12Bを分離可能に連結するためのものであって、当該連結機構61が連結する2つの円筒部分12A、12Bの内周面12cに設けられている。詳細には、一方の連結機構61は、
図5、
図7、
図8に示すように、上側の円筒部分12Aにおける下端の内周面12cに対して溶接されること等により設けられている。他方の連結機構61は、
図6、
図7、
図8に示すように、下側の円筒部分12Bにおける上端の内周面12cに対して溶接されること等により設けられている。
【0029】
上側の円筒部分12Aに属する連結機構61は、第1内側フランジ62を備えている。第1内側フランジ62は、上側の円筒部分12Aの内周面12cから当該円筒部分12Aの軸線に向かって突出する。上側の円筒部分12Aが連結される下側の円筒部分12Bに属する連結機構61は、第2内側フランジ63を備えている。第2内側フランジ63は、下側の円筒部分12Bの内周面12cから当該円筒部分12Bの軸線に向かって突出する。第1内側フランジ62の下面と第2内側フランジ63の上面とは対向して配置される。第1内側フランジ62と第2内側フランジ63とは、互いに面接触した状態で結合され、その結果として2つの円筒部分12A、12Bが連結される。即ち本実施例の連結機構61は、比較的簡易な構成であるにも関わらず、2つの円筒部分12A、12Bを強固に連結することが可能である。
【0030】
図5に示すように、第1内側フランジ62は、平面視で略D字状に形成された金属製の板部材である。第1内側フランジ62は、湾曲部62aと直線部62cとを有している。湾曲部62aには、円筒部分12Aの軸線を挟んで対向する位置に一対の幅広部62bが形成されている。また、湾曲部62aの中央と、湾曲部62aと直線部62cとの接続部分のそれぞれにも、内側に向かって突出する幅広部62bが形成されている。第1内側フランジ62の湾曲部62aの外周縁は、上側の円筒部分12Aの内周面12cに接するようにして固定されている。第1内側フランジ62の直線部62bは開閉扉20のある位置に対応して配置される。即ち、第1内側フランジ62の湾曲部62aは、第1内側フランジ62が設けられる上側の円筒部分12Aの周方向のほぼ全域にわたって形成されている。直線部62cの中央には、切り欠き部62dが形成されている。切り欠き部62dによって、コアロッド22と第1内側フランジ62との間に比較的に広いクリアランスが設けられている。すなわち、コアロッド22と第1内側フランジ62との距離が最も短くなる部位(直線部62bの中央)に切り欠き部62dが形成されることで、コアロッド22と第1内側フランジ62との間に十分なクリアランスが確保されている。
【0031】
第1内側フランジ62には、周方向に間隔を空けて複数の上側貫通孔64b(第1貫通孔の一例)が形成されている。具体的には、湾曲部62aの中央の幅広部62bに上側貫通孔64bが1つ形成され、湾曲部62aと直線部62cとの接続部分にある2つの幅広部62bに上側貫通孔64bがそれぞれ形成されている。すなわち、上側貫通孔64bは、湾曲部62aの中央及びその両端の3ヶ所にそれぞれ形成されている。また、第1内側フランジ62には、一対の位置決め用凹部64aが形成されている。具体的には、円筒部分12Aの軸線を挟んで対向する一対の幅広部62bに、位置決め用凹部64aが形成されている。位置決め用凹部64aは、第1内側フランジ62の下面に形成される凹部であり、後述する位置決め用凸部65aを収容する収容穴として機能する。すなわち、位置決め用凹部64aは、第1内側フランジ62の下面から上方に向かって凹となる空間として形成されている。
【0032】
図6に示すように、第2内側フランジ63は、第1内側フランジ62と同様に構成され、平面視で略D字状に形成された金属製の板部材である。第2内側フランジ63も、湾曲部63aと直線部63cとを有している。湾曲部63aには、円筒部分12Bの軸線を挟んで対向する位置に一対の幅広部63bが形成されている。また、湾曲部63aの中央と、湾曲部63aと直線部63cとの接続部分のそれぞれにも、幅広部63bが形成されている。第2内側フランジ63の湾曲部63aの外周縁は、下側の円筒部分12Bの内周面12cに接するようにして固定されている。第2内側フランジ63の直線部63cは開閉扉20のある位置に対応して配置されている。直線部63cにも、その中央に切り欠き部63dが形成されている。これによって、コアロッド22と第2内側フランジ63との間にも十分なクリアランスが確保されている。
【0033】
第2内側フランジ63には、第1内側フランジ62と同様に、周方向に間隔を空けて複数の下側貫通孔65b(第2貫通孔の一例)が形成されている。複数の下側貫通孔65bは、上側貫通孔64bと同一の構成を有しており、上側貫通孔64bと対応する位置にそれぞれに形成されている。また、第2内側フランジ63であって、円筒部分12Bの軸線を挟んで対向する一対の幅広部63bには、位置決め用凸部65aが形成されている。位置決め用凸部65aは、位置決め用凹部64aと対応する位置に形成されており、第2内側フランジ63の上面から上方に突出している。位置決め用凸部65aの形状は、位置決め用凹部64aの形状に対応している。すなわち、位置決め用凸部65aは、位置決め用凹部64aに収容可能な形状に形成されている。
【0034】
図7、
図8に示すように、上下に配置される2つの連結機構61は、軸方向に隣接する円筒部分12A、12B同士を周方向の複数個所において連結するために、複数の締結部材(66a,66b)を備えている。複数の締結部材(66a,66b)は、第1内側フランジ62の上側貫通孔64bと、当該上側貫通孔64bに対応する第2内側フランジ63の下側貫通孔65bと、に差し込まれる。
【0035】
なお、円筒部分12A、12Bを連結する際、位置決め用凸部65aが位置決め用凹部64aに収容されるように、第1内側フランジ62と第2内側フランジ63の周方向の位置合せが行われる。これによって、円筒部分12A、12Bが適切に連結され、第1内側フランジ62の上側貫通孔64bと第2内側フランジ63の下側貫通孔65bとが対向した状態となる。上述したように、位置決め用凸部65aと位置決め用凹部64aは、円筒部分12A,12Bの軸線を挟んで対向する位置に一対だけ配置されている。これによって、円筒部分12A、12Bの周方向の位置合せ作業を容易に行うことができる。また、位置決め用凹部64aは第1内側フランジ62に形成され、その上端が閉じられている。これによって、位置決め用凹部64aへの土砂等の進入が抑制される。
【0036】
上記のように、円筒部分12A、12Bが周方向の位置合せされた状態で、複数の締結部材(66a,66b)は、上側貫通孔64bと下側貫通孔65bとに差し込まれる。本実施例では、複数の締結部材(66a,66b)として、ボルト66b及びナット66aからなる金属製の締結部材を用いている。これらのボルト66bは、例えば、下側貫通孔65bの下部開口側から挿通される。これらのボルト66bの上半部は雄ねじを有しており、第2内側フランジ63の上面から突出する。これらのボルト66bの上半部は、さらに上側貫通孔64bを挿通可能である。これらのボルトの先端側は第1内側フランジ62の上面から突出し、その突出した部分にナット66aが螺着される。なお、これらのボルト66b及びナット66aからなる締結部材には、割りピン等によって回り止め機能が付加されていてもよい。締結部材に回り止め機能を付加することで、円筒部分12A、12Bを強固に連結することができ、砕石杭を形成する際に両者が緩んでしまうという事態が生じることを抑制することができる。
【0037】
次に、砕石杭形成装置100が砕石杭を形成する際の砕石杭形成装置100の動作について説明する。まず、アタッチメント10の位置合わせを行う。アタッチメント10の位置合わせは、クローラ6の駆動によって地盤改良機40の位置と方向とを調整することによって行われる。なお、地盤改良機40の位置と方向を調整した後、地盤改良機40は、アウトリガー5によって地面に固定されてもよい。これにより、施工時における地盤改良機40の揺動や位置ずれを抑制することができる。
【0038】
次いで、アタッチメント10を地中に挿入して、地中を掘削する。具体的には、地盤改良機40を地面に固定した後、駆動装置11を駆動させながらアタッチメント10を下降させる。この際、駆動装置11は、正転方向の回転駆動力を発生するように駆動する。上述したように、駆動装置11が正転方向の回転駆動力を発生すると、回転駆動力伝達部によって、螺旋部14及び円筒部12が正転方向に回転する。これによって、アタッチメント10が地中に挿入されて掘削される。地中の掘削によって排出される土砂は、円筒部12の外周に運ばれ、フィン13によって地表に排出される。アタッチメント10が所定の深さまで到達すると、駆動装置11の正転回転の駆動を停止し、掘削を終了する。
【0039】
次いで、アタッチメント10を上昇させ、地中に砕石杭を形成する。砕石杭の形成は、以下の手順で行われる。まず、
図4に示すように、開閉扉20を開いた状態で、砕石投入装置32に砕石を投入する。砕石投入装置32に投入された砕石は、砕石投入孔15を介して円筒部12内に投入される。次に、反転方向の回転駆動力が発生するように、駆動装置11を駆動する。すると、螺旋部14は、反転方向に回転し、円筒部12内に投入された砕石を螺旋部14から押圧しながら円筒部12外に排出する。これによって、アタッチメント10が地中から押し出されると共に、円筒部12で形成した空間に砕石杭が形成される。上述したように、駆動装置11が反転方向の回転駆動力を発生すると、回転駆動力伝達部によって螺旋部14のみが反転方向に回転し、円筒部12は正転方向にも反転方向にも回転しない状態となる。このため、円筒部12に設けられる砕石投入孔15の位置が周方向に変化することを回避することができ、砕石投入装置32の位置を調整することなく円筒部12内へ砕石を投入することができる。そして、アタッチメント10が地表まで押し出されると、駆動装置11の反転方向の駆動を停止し、砕石杭の形成が終了する。
【0040】
なお、この種のアタッチメント10では、時間の経過に伴って円筒部12の表面等が摩耗し、摩耗が進むと円筒部12を交換する必要が生じる。ここで、砕石杭を形成するために地中を掘削する際は、円筒部12の先端から地中に挿入され、また、地中に挿入された円筒部12は基端側から地中より引き抜かれる。このため、円筒部12は先端側が最も摩耗し、基端側に向かって摩耗していないことになる。即ち、円筒部12のうち、下部の円筒部分12Bのほうが摩耗の度合いが大きく、上部の円筒部分12Aは摩耗の度合いが小さいということになる。そこで、このような摩耗が生じた場合、摩耗した下部の円筒部分12Bのみを交換するメンテナンス作業を行う。
【0041】
まず、連結状態にある2つの連結機構61を非連結状態にすることで、上部の円筒部分12Aから下部の円筒部分12Bを取り外す。具体的には、複数の締結部材(66a,66b)を構成するナット66aをボルト66bから外し、さらにボルト66bを上側貫通孔64bと下側貫通孔65bとから抜去する。これによって、2つの連結機構61が分離可能となり、上部の円筒部分12Aから下部の円筒部分12Bを取り外すことが可能となる。連結機構61が内周面12cに形成される円筒部分12A、12Bでは、いずれも連結機構61の近傍まで砕石投入孔部分15A、15Bが形成されている。そのため、作業者が砕石投入孔部分15A、15Bから手を円筒部12内に差し入れて、円筒部分12A、12B同士を取り外す作業を行うことができる。このため、円筒部分12A、12Bを取り外す作業を容易に行うことができる。
【0042】
次に、あらかじめ準備しておいた新しい下部の円筒部分12Bを上部の円筒部分12Aに取り付ける。具体的には、位置決め用凸部65aを位置決め用凹部64aに嵌合させ、複数の締結部材(66a,66b)を構成するボルト66bを上側貫通孔64bと下側貫通孔65bとに挿通させ、ボルト66bの先端側にナット66aを螺着する。その結果、2つの連結機構61が結合される。このように軸方向に隣接する円筒部分12A、12B同士が周方向の複数個所において連結されることにより、円筒部分同士12A、12Bが強固に連結される。その際、周方向の位置合わせも正しく行われる。上記のような連結作業の結果、アタッチメント10が再び使用可能な状態となる。
【0043】
以上詳述したように、本実施例のアタッチメント10では、2つの円筒部分12A、12Bを軸方向に連結して円筒部12を構成している。このため、円筒部12が使用により部分的に摩耗したときは、摩耗した円筒部分(ここでは下側の円筒部分12B)のみを交換すればよく、摩耗していない円筒部分(ここでは上側の円筒部分12A)は交換する必要がない。これによって、円筒部12の摩耗により発生するメンテナンスコストを低減することができる。また、円筒部12を2つの円筒部分12A、12Bを軸方向に連結して構成しても、両者がそれぞれ有する連結機構61は、円筒部分12A、12Bの内周面12cに設けられている。即ち連結機構61は、いずれも円筒部分12A、12Bの外周面12bに露出していない。従って、円筒部12が地中に挿入されるとき、また、円筒部12を地中から引き抜くときに、連結機構61が障害となることを抑制することができる。
【0044】
なお、本実施例では、2つの円筒部分12A、12Bの外径が等しく、連結時にそれらの外周面12bが面一になるように構成したが、これに限定されない。連結機構61は、一方の円筒部分に他方の円筒部分が嵌合するような形態であってもよい。また、連結機構61は、一方の円筒部分に形成された係合片が他方の円筒部分の内周面の溝等に係合するような形態であってもよい。さらに、例えば、円筒部分が3つ以上である場合に、最も下側にある円筒部分を他の円筒部分よりも小径に形成してもよい。即ち、円筒部12の先端部径を小さくするために、敢えて円筒部の外周面に段差を設けてもよい。また、円筒部が3以上の円筒部分により構成される場合は、これら複数の連結機構の一部においてのみ、その内周面12cに本明細書に開示の連結機構61が形成されていればよく、一部の連結機構61については外周面12bに連結機構が形成されていてもよい。
【0045】
また、本実施例では、第1内側フランジ62及び第2内側フランジ63が円筒部分12A、12Bの周方向のほぼ全部に形成されていたが、周方向の一部に形成されてもよい。
【0046】
また、位置決め用凸部65a及び位置決め用凹部64aは、本実施例のような構成に限定されない。例えば、位置決め用の溝(例えば、方形状のキー溝)のようなものを形成し、これによって円筒部分12A、12Bの周方向の位置合せを行うようにしてもよい。
【0047】
また、本実施例では、締結部材(66a,66b)としてボルト及びナットを使用したが、これ以外の締結部材を使用してもよい。例えば、一方の内側フランジの貫通孔(例えば、第1内側フランジ62の上側貫通孔64b)に雌ねじを形成し、内側フランジの貫通孔にボルトが螺着するようにしてもよい。
【0048】
また、本実施例では、地中に形成された空間に砕石を投入して砕石杭を形成する方法として、アタッチメント10のスクリューの逆回転による締固めを行っていたが、このような例に限られない。本明細書に開示の技術は、アタッチメント10のスクリューの逆回転による締固めを用いない砕石杭形成方法においても採用することができる。
【0049】
また、本実施例は、地盤改良機のリーダーにアタッチメントを装着した例であったが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られず、本明細書に開示のアタッチメントは種々の建設機械に装着することができる。例えば、
図9に示すように、ガンホー140(建設機械の一例)にアタッチメント144を装着してもよい。この場合、アタッチメント144は、ガンホー140のアーム142の先端(詳細には、アーム先端に設けられた駆動装置(モータ))に接続される。アーム先端の駆動装置が作動すると、アタッチメント144は回転し、地中を掘削することができる。
【0050】
また、本実施例では、円筒部12の側面に軸方向に伸びる砕石投入孔15が形成され、この砕石投入孔15から円筒部12内に砕石が投入されたが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、
図10に示すように、円筒部(70,72)の上端近傍に砕石投入孔74を形成し、この砕石投入孔74から円筒部(70,72)内に砕石を投入するようにしてもよい。この場合、上型の円筒部分70にのみ砕石投入孔74が形成され、下側の円筒部分72には砕石投入孔が形成されていない。また、
図10から明らかなように、下型の円筒部分72の軸方向の長さは、上側の円筒部分70の軸方向の長さよりも短くなっている。これらによって、摩耗し易い円筒部(70,72)の下端部分(即ち、下側の円筒部分72)の構造が簡易になると共にその軸方向の長さが短くなるため、メンテナンスコストをより抑えることができる。なお、
図10においては、螺旋部(上記した実施例の螺旋部14に相当)の図示を省略している。
【0051】
図10に示すアタッチメントを使用する場合、上側の円筒部分70と下型の円筒部分72との連結は、下側の円筒部分72の下端開口から行うことができる。例えば、
図11に示すように、上側の円筒部分70の内側フランジ76にボルト80を固定し、下側の円筒部分72の内側フランジ78にボルト80の先端が挿通される貫通孔を形成する。そして、ボルト80の先端に治具84を用いてナット82を螺着することで、上側の円筒部分70と下側の円筒部分72とを連結する。なお、上側の円筒部分70と下側の円筒部分72の周方向の位置合せは、上記した実施例と同様、内側フランジ76,78に形成した位置決め用凸部(図示省略)及び位置決め用凹部(図示省略)で行うことができる。あるいは、内側フランジに位置決め用凸部及び位置決め用凹部を形成することなく、
図12に示すように、上側の円筒部分86の外周面にステー88を形成し、ステー88と係合する溝(図示省略)を下側の円筒部分90に形成してもよい。この場合、上側の円筒部分86と下側の円筒部分90の周方向の位置合せを目視で行うことができるため、両者の周方向の位置合せをより容易に行うことができる。
【0052】
また、本実施例は、掘削した土砂を地表面に排出するタイプ(いわゆる、排土タイプ)のアタッチメント10であったが、このような例に限られない。本明細書に開示の技術は、例えば、掘削した土砂を地表面に排出しない無排土タイプのアタッチメントにおいても採用することができる。
【0053】
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。