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特開2023-1090ホログラフィック記憶光路システム及びそのビーム校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001090
(43)【公開日】2023-01-04
(54)【発明の名称】ホログラフィック記憶光路システム及びそのビーム校正方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/0065 20060101AFI20221222BHJP
   G11B 7/09 20060101ALI20221222BHJP
   G11B 7/135 20120101ALI20221222BHJP
   G03H 1/02 20060101ALI20221222BHJP
   G03H 1/26 20060101ALI20221222BHJP
【FI】
G11B7/0065
G11B7/09 C
G11B7/09 B
G11B7/135
G03H1/02
G03H1/26
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022097884
(22)【出願日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】202110673706.4
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521001294
【氏名又は名称】アメシスタム ストレージ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Amethystum Storage Technology Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】フ ドォジァオ
(72)【発明者】
【氏名】リォウ イチョン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン ジュン
【テーマコード(参考)】
2K008
5D090
5D789
【Fターム(参考)】
2K008AA04
2K008BB04
2K008BB06
2K008CC01
2K008CC03
2K008EE04
2K008HH01
2K008HH06
2K008HH14
2K008HH17
5D090AA01
5D090BB16
5D090CC01
5D090CC04
5D090FF11
5D090KK12
5D090KK15
5D090LL02
5D090LL03
5D789AA12
5D789AA28
5D789BB20
5D789JA02
5D789JA06
5D789JA12
5D789JA52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ホログラフィック記憶光路システム及びそのビーム校正方法を提供する。
【解決手段】光路システムは、記憶媒体6、記録ユニット、イメージングユニット5及びサーボユニット3を含む。記録ユニットは、移動可能なフーリエレンズを含み、該フーリエレンズの移動により、信号光スポットと参照光スポットの位置及び照射角度を調整する。サーボユニットは、サーボ光スポットの水平及び垂直方向の位置を調整して、サーボ光スポットを信号光と参照光に最適な相対位置に位置させる校正レンズ50を含む。ビーム校正方法は、データホログラムの記録前に、記憶媒体のトラック上の校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの書き込みを行うことと、データホログラムの再生前に、校正ホログラムを利用し、校正レンズ及び第2のフーリエレンズの調整によりホログラムの再生信号対雑音比を最適化してから、データホログラムの再生を行うことと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレス層及び記録層を含む記憶媒体であって、前記アドレス層は、複数のトラックで構成され、トラックに複数のデータホログラフィック位置マーク及び校正ホログラフィック位置マークが設置され、データを記録するデータホログラム、光路を校正する校正ホログラムをそれぞれ位置決めする記憶媒体と、
信号光と参照光を生成し、それぞれを一定の角度で記憶媒体に照射させ、記憶媒体の記録層で干渉露光してホログラムを生成し、信号光光路、参照光光路、及び信号光と参照光を調整するリレーレンズ群を含む記録ユニットであって、前記リレーレンズ群は、固定された第1のフーリエレンズ及び移動可能な第2のフーリエレンズを含み、第2のフーリエレンズを移動させることにより信号光と参照光の照射位置及び角度を調整する記録ユニットと、
参照光の回折により得られた再生信号光をデータページ画像に変換して収集し、イメージングのための第4のフーリエレンズ、及びデータページ画像を収集し、かつ回折効率及び信号対雑音比を分析する画像センサを含むイメージングユニットと、
記録ユニットの光ヘッドが記憶媒体に対して移動する間に、記憶媒体との距離が一定であることを確保し、かつ信号光と参照光がトラックに沿って移動することを保証し、同時に記録又は再生の位置を正確に位置決めすることができ、サーボレーザ、ビーム分割モジュール、校正レンズ及び信号検出モジュールを含むサーボユニットであって、前記サーボレーザは、サーボ光を生成し、前記ビーム分割モジュールは、サーボレーザから記憶媒体に入射したサーボ光ビームを透過させ、かつ記憶媒体から戻ったサーボ光ビームを信号検出モジュールに反射し、前記校正レンズは、サーボ光スポットの水平及び垂直方向の位置を調整し、前記信号検出モジュールは、記憶媒体から戻ったサーボ光を検出し分析して、サーボ信号を取得するサーボユニットと、
を含むことを特徴とする、ホログラフィック記憶光路システム。
【請求項2】
前記ビーム分割モジュールは、半波長板、偏光ビームスプリッタ及び1/4λ波長板を含み、前記半波長板は、サーボレーザから発したサーボ光をp偏光方向のサーボ光に調整し、前記偏光ビームスプリッタは、p偏光方向のサーボ光を透過させ、前記1/4λ波長板は、偏光ビームスプリッタから透過したp偏光方向のサーボ光を円偏光のサーボ光に調整し、かつ記憶媒体から反射された円偏光のサーボ光をs偏光方向のサーボ光に調整し、前記偏光ビームスプリッタは、s偏光方向のサーボ光を信号検出モジュールに反射し、前記信号検出モジュールは、反射されたs偏光方向のサーボ光を検出し分析することを特徴とする、請求項1に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項3】
前記記録ユニットは、
信号光と参照光を出力する光源モジュールと、
空間光変調器における情報を信号光にロードする信号ロードモジュールと、
信号光、参照光、及びサーボ光を、一定の角度で記憶媒体に入射させ、信号光と参照光が記憶媒体で干渉露光してホログラムを生成する光ヘッドモジュールと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項4】
信号ロードモジュールは、1つの光路を含み、信号光光路と参照光光路が該光路で重ね合わせられ、かつリレーレンズ群を共用することを特徴とする、請求項3に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項5】
信号ロードモジュールは、2つの光路を含み、それぞれ信号光光路と参照光光路に対応し、かつそれぞれ独立したリレーレンズ群を有することを特徴とする、請求項3に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項6】
前記光ヘッドモジュールは、ダイクロイックミラーを含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光を反射し、読み書き光を透過させることにより、サーボ光と読み書き光を合波することを特徴とする、請求項3に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項7】
前記光ヘッドモジュールは、第1の光路及び第2の光路を含み、第1の光路に参照光が通過して参照光光路になり、参照光光路は、サーボ光光路と少なくとも部分的に重ね合わせられ、参照光とサーボ光は、同じ対物レンズを通過した後に記憶媒体に垂直に照射することを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項8】
前記光ヘッドモジュールは、第1の光路及び第2の光路を含み、第1の光路に信号光が通過して信号光光路になり、信号光光路は、サーボ光光路と少なくとも部分的に重ね合わせられ、信号光とサーボ光は、同じ対物レンズを通過した後に前記記憶媒体に垂直に照射することを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項9】
前記光ヘッドモジュールは、1つの光路を含み、信号光光路と参照光光路は、該光路で重ね合わせられ、該光路において信号光、参照光及びサーボ光は、共に同じ対物レンズを通過した後に記憶媒体に垂直に照射することを特徴とする、請求項6に記載のホログラフィック記憶光路システム。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のホログラフィック記憶光路システムに適用されるビーム校正方法であって、
データホログラムを記録する前に、記憶媒体のトラック上の校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの書き込みを行うステップS1と、
データホログラムを再生する前に、校正ホログラムを利用し、ホログラフィック記憶光路システムにおける第2のフーリエレンズを調整することにより、参照光ビームの照射位置及び角度を変更して、ホログラムの再生信号対雑音比を最適化することを保証し、同時に校正レンズを調整することによりサーボ光スポットが校正ホログラフィック位置マークに位置することを確保してから、データホログラムの再生を行うステップS2と、を含むことを特徴とする、ビーム校正方法。
【請求項11】
画像センサによりホログラムの回折効率及び信号対雑音比を検出し、ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が極大値に達する場合、参照光ビームが最適に調整されると見なすことを特徴とする、請求項10に記載のビーム校正方法。
【請求項12】
前記校正ホログラム及びデータホログラムの書き込み方法は、
校正レンズと第2のフーリエレンズを初期位置に移動させることにより、サーボ光スポットをアドレス層に合焦した後、参照光と信号光が干渉露光して生成したホログラムを記憶媒体の記録層に効果的に位置させるステップS11と、
校正レンズと第2のフーリエレンズを固定し、記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、前記校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの記録を行うステップS12と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを別の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、該校正ホログラフィック位置マークで次の校正ホログラムを記録するステップS13と、
ステップS13を複数回繰り返し、複数の校正ホログラムの記録に成功することを保証するステップS14と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを記録するステップS15と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを別のデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークで次のデータホログラムを記録するステップS16と、
ステップS16を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの記録を行うステップS17と、を含むことを特徴とする、請求項11に記載のビーム校正方法。
【請求項13】
前記ステップS11における校正レンズ50及び第2のフーリエレンズ202の初期位置の決定方法は、光路シミュレーション設計によりサーボ光スポットが記憶媒体6のトラックの位置する平面にあること、及び参照光と信号光の干渉領域が記憶媒体6を効果的にカバーすることができることを確保し、このとき、校正レンズ50と第2のフーリエレンズ202の位置が初期位置であることであることを特徴とする、請求項12に記載のビーム校正方法。
【請求項14】
データホログラムを再生する前に、記憶媒体、校正レンズ及び第2のフーリエレンズを移動させてサーボ光ビーム及び参照光ビームの校正を行うステップは、
記憶媒体を移動させることにより、光ヘッドを校正ホログラフィック位置マークの近傍に移動させ、校正レンズの位置を固定するステップS21と、
参照光の波長を調整し、かつ第2のフーリエレンズ及び記憶媒体の位置を微調整し、校正ホログラフィック位置マークでの校正ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が最適となる場合、第2のフーリエレンズの位置及び参照光の波長を固定するステップS22と、
校正レンズの位置を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、校正レンズの位置を固定するステップS23と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを次の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムを再生するステップS24と、
ステップS24を複数回繰り返し、第2のフーリエレンズ、校正レンズを固定した後、複数の校正ホログラムの再生信号対雑音比が最高の信号対雑音比要求に達することを確保するステップS25と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを再生するステップS26と、
ステップS26を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの再生を行うステップS27と、を含むことを特徴とする、請求項13に記載のビーム校正方法。
【請求項15】
光検出器によりトラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号を検出し、サーボ光スポットの位置を検出し、サーボ光スポットが校正ホログラフィック位置マーク又はデータホログラフィック位置マークの真ん中に位置する場合、トラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号は、いずれも正負の極大値の間のゼロ値に位置することを特徴とする、請求項11~14のいずれか1項に記載のビーム校正方法。
【請求項16】
前記トラックロック誤差信号は、サーボ光スポットがトラックから外れる状況を検出し、サーボ光スポットがトラックの中線に位置する場合、トラックロック誤差信号は0であり、サーボ光スポットがトラックから徐々に外れる場合、トラックロック誤差信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットがトラックから完全に外れる場合、トラックロック誤差信号は0になることを特徴とする、請求項15に記載のビーム校正方法。
【請求項17】
前記接線方向プッシュプル信号は、トラックのホログラフィック位置マークを検出し、前記ホログラフィック位置マークが切り欠きであり、サーボ光スポットが切り欠きの真ん中に位置する場合、接線方向プッシュプル信号は0であり、サーボ光スポットが切り欠きから徐々に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットが切り欠きから完全に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は0になることを特徴とする、請求項15に記載のビーム校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学記憶の技術分野に関し、より具体的には、ホログラフィック記憶光路システム及びそのビーム校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホログラフィック光記憶は、光波の干渉を利用してデータページ情報をホログラムの形式で感光媒体に記録し、従来の光記憶技術に比べて記憶容量が大きく、データ伝送速度が高く、アドレス指定時間が短いなどの利点を有する。ホログラフィック光記憶技術において、レーザビームは、参照光と信号光の2つのビームに分けられ、信号光は、空間光変調器により透過又は反射された後にデータページ情報を載せ、参照光と記憶媒体の感光材料層で干渉し、かつ露光してホログラムを形成し、情報の記録を実現する。
【0003】
ホログラフィック記憶媒体の内部にアドレス層が設置され、その上に環状又はスパイラル状の溝又はリッジ状のトラックが分布し、サーボ光感知システムを利用して環状溝又はリッジを検出することにより、正確な位置決めを実現し、さらに迅速かつ便利なデータアクセス及び記憶を実現する。ホログラフィック光記憶光路システムにサーボ光路を設置することにより、データの記憶及び検索効率を効果的に向上させることができる。
【0004】
ホログラムを読み取る場合に、記録時と同じ参照光で照射してこそ、ホログラフィック材料に記憶されたホログラムを再生することができ、記憶媒体に変形が発生する場合、再生参照光の照射位置及び角度を調整して、その波数ベクトルがホログラムのブラッグ整合条件を満たす必要があり、それにより信号光を効果的に再生する。また、データが書き込まれたホログラムディスクに対して同一のホログラフィック光ドライブ又は他のホログラフィック光ドライブでデータの読み取りを行う場合、データの完全な読み取りを実現することができることを保証するために、サーボ光ビーム及び参照光ビームを校正しなければならない。したがって、効果的な校正システムを確立し、サーボ光ビーム及び参照光ビームを校正することにより、光ヘッドが高速移動中にホログラムにおけるデータを完全に読み取ることができることは、非常に必要である。
【0005】
他の会社により設計された従来のホログラフィック光記憶システムは、軸外及び同軸ホログラフィック技術のいずれを使用する場合でも、そのサーボ光路システムにいずれも校正メカニズムがないため、完全なデータの読み取り難度が大きく、かつ異なる装置の間に互換性が乏しい。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上記従来の技術の少なくとも1つの欠点(不足)を克服し、ホログラフィック記憶光路システム及びそのビーム校正方法を提供することを目的とする。
【0007】
一態様において、本発明に係るホログラフィック記憶光路システムは、記憶媒体、記録ユニット、イメージングユニット及びサーボユニットを含む。
【0008】
前記記憶媒体は、アドレス層及び記録層を含み、前記アドレス層は、複数のトラックで構成され、トラックに複数のデータホログラフィック位置マーク及び校正ホログラフィック位置マークが設置され、データを記録するホログラム、光路を校正する校正ホログラムをそれぞれ位置決めする。
【0009】
前記データホログラフィック位置マークと校正ホログラフィック位置マークは、それぞれトラックの異なる領域に位置する。
【0010】
前記記録ユニットは、信号光と参照光を生成し、それぞれを一定の角度で記憶媒体に照射させ、記憶媒体の記録層で干渉露光させてホログラムを生成する。前記記録ユニットは、信号光光路、参照光光路、及び信号光と参照光のビームを調整するリレーレンズ群を含む。前記リレーレンズ群は、固定された第1のフーリエレンズ及び移動可能な第2のフーリエレンズを含み、第2のフーリエレンズを移動させることにより信号光と参照光の照射位置及び角度を調整する。
【0011】
前記イメージングユニットは、参照光の回折により得られた再生信号光をデータページ画像に変換して収集し、イメージングのための第4のフーリエレンズ、及びデータページ画像、即ちホログラム再生画像を収集し、かつ回折効率及び信号対雑音比を分析する画像センサを含む。
【0012】
前記サーボユニットは、光ヘッドが記憶媒体に対して移動する間に、記憶媒体との距離が一定であることを確保し、かつ信号光と参照光がトラックに沿って移動することを保証し、同時に、サーボユニットは、さらに、記録又は再生の位置を正確に位置決めすることができ、サーボレーザ、ビーム分割モジュール、校正レンズ及び信号検出モジュールを含む。前記サーボレーザは、サーボ光を生成する。前記ビーム分割モジュールは、サーボレーザから記憶媒体に入射したサーボ光ビームを透過させ、かつ記憶媒体から戻ったサーボ光ビームを信号検出モジュールに反射する。前記校正レンズは、サーボ光スポットの水平及び垂直方向の位置を調整する。前記信号検出モジュールは、記憶媒体から戻ったサーボ光を検出し分析して、サーボ信号を取得する。
【0013】
本発明は、校正レンズを移動させることにより、サーボ光スポットの位置を校正し、第2のフーリエレンズを移動させることにより、参照光と信号光の照射位置及び角度を調整する。記録過程において、校正レンズ及び第2のフーリエレンズが初期位置に移動し、このときにサーボ光は、アドレス層に収束され、同時に参照光と信号光との干渉領域は、記憶媒体を効果的にカバーする。読み取り過程において、第2のフーリエレンズを移動させることにより、参照光の照射位置及び角度を調整して、ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が極大値に達し、かつ校正レンズによりサーボ光スポットを校正することにより、ホログラフィック位置マークに位置させる。このように、サーボ光スポットがホログラフィック位置マークに位置する場合、再生参照光は、常に最適な信号対雑音比で記録されたデータページ情報を再生することができる。
【0014】
サーボレーザから出射されたレーザを効果的に利用してサーボ信号を生成するために、サーボ光光路においてビーム分割モジュールを使用してサーボ光の偏光状態及び進行経路を調整制御する。好ましくは、前記ビーム分割モジュールは、第1の半波長板、第1の偏光ビームスプリッタ及び1/4λ波長板を含み、前記第1の半波長板は、サーボレーザから発したサーボ光をp偏光のサーボ光に調整し、p偏光のサーボ光は、第1の偏光ビームスプリッタを完全に透過することができ、前記1/4λ波長板は、第1の偏光ビームスプリッタから透過したp偏光のサーボ光を円偏光のサーボ光に調整し、かつ記憶媒体から反射された円偏光のサーボ光をs偏光のサーボ光に調整し、s偏光のサーボ光は、第1の偏光ビームスプリッタにより前記信号検出モジュールに完全に反射され、かつ検出分析され、前記信号検出モジュールは、好ましくは、光検出器である。
【0015】
前記記録ユニットは、光源モジュール、信号ロードモジュール及び光ヘッドモジュールを含む。前記光源モジュールは、信号光と参照光を出力する。前記信号ロードモジュールは、空間光変調器における情報を信号光にロードする。前記光ヘッドモジュールは、信号光、参照光、及びサーボ光を、一定の角度で記憶媒体に入射させ、信号光と参照光が記憶媒体で干渉露光してホログラムを生成する。
【0016】
光ヘッドモジュールは、ダイクロイックミラーを含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光を反射し、読み書き光を透過させることにより、サーボ光と読み書き光を合波する。
【0017】
前記光源モジュールは、1つの光路を含み、前記信号ロードモジュールは、1つの光路又は2つの光路を含み、前記光ヘッドモジュールは、1つの光路又は2つの光路を含む。
【0018】
前記信号ロードモジュールが1つの光路を含む場合、信号光光路と参照光光路は、該光路で重ね合わせられ、かつリレーレンズ群を共用し、第2のフーリエレンズを移動させることにより、信号光と参照光の照射位置及び角度を同時に調整することができる。前記信号ロードモジュールが2つの光路を含む場合、信号光光路と参照光光路は、それぞれ独立したリレーレンズ群を含み、信号光光路における第2のフーリエレンズを移動させることにより、信号光の照射位置及び角度を個別に調整することができ、参照光光路における第2のフーリエレンズを移動させることにより、参照光の照射位置及び角度を個別に調整することができる。
【0019】
前記光ヘッドモジュールが1つの光路を含む場合、信号光光路、参照光光路及びサーボ光光路は、1つの対物レンズを共用し、かつ記憶媒体の表面に垂直な方向で記憶媒体に照射する。前記光ヘッドモジュールが第1の光路及び第2の光路を含む場合、第1の光路は、サーボ光光路と部分的に重ね合わせられる。第1の光路に参照光が通過するときに前記参照光光路になり、即ち参照光光路とサーボ光光路は、部分的に重ね合わせられる。このとき、参照光及びサーボ光は、1つの対物レンズを共用し、該対物レンズを介して記憶媒体の表面に垂直な方向で記憶媒体に照射する。別の好ましい実施形態によれば、第1の光路に信号光が通過し、このとき、第1の光路は、信号光光路であり、即ち信号光光路とサーボ光光路は、部分的に重ね合わせられる。このとき、信号光とサーボ光は、1つの対物レンズを共用し、該対物レンズを介してそれぞれ記憶媒体の表面に垂直な方向で記憶媒体に入射する。
【0020】
本発明は、さらにビーム校正方法を提供し、データホログラムを記録する前に、記憶媒体のトラック上の校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの書き込みを行う。データホログラムを再生する前に、校正ホログラムを利用し、ホログラフィック記憶光路システムにおける校正レンズ及び第2のフーリエレンズを調整することにより、サーボ光スポットが校正ホログラフィック位置マークに位置することを確保し、参照光ビームの照射位置及び角度を変更してホログラムの再生信号対雑音比を最適化してから、データホログラムの再生を行う。
【0021】
本発明は、画像センサによりホログラムの回折効率及び信号対雑音比を検出し、ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が極大値に達する場合、参照光ビームが最適に調整されると見なす。
【0022】
前記校正ホログラム及びデータホログラムの書き込み方法は、具体的には、
校正レンズと第2のフーリエレンズを初期位置に移動させることにより、サーボ光スポットをアドレス層に合焦した後、参照光と信号光が干渉露光して生成したホログラムを記憶媒体の記録層に効果的に位置させるステップS11と、
校正レンズと第2のフーリエレンズを固定し、記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、前記校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの記録を行うステップS12と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを別の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、該校正ホログラフィック位置マークで次の校正ホログラムを記録するステップS13と、
ステップS13を複数回繰り返し、複数の校正ホログラムの記録に成功することを保証するステップS14と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを記録するステップS15と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを別のデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークで次のデータホログラムを記録するステップS16と、
ステップS16を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの記録を行うステップS17と、を含み、
ステップS11における校正レンズ50及び第2のフーリエレンズ202の初期位置の決定方法は、光路シミュレーション設計によりサーボ光スポットが記憶媒体6のトラックの位置する平面(即ちアドレス層)にあること、及び参照光と信号光の干渉領域が記憶媒体6を効果的にカバーすることができることを確保し、このとき、校正レンズ50と第2のフーリエレンズ202の位置が初期位置であることである。
【0023】
データホログラムを再生する前に、記憶媒体、校正レンズ及び第2のフーリエレンズを移動させて読取り位置及び参照光ビームの校正を行う方法及びデータホログラムの読み取り方法は、具体的には、
記憶媒体を移動させることにより、光ヘッドを校正ホログラフィック位置マークの近傍に移動させ、校正レンズの位置を固定するステップS21と、
参照光の波長を調整し、かつ第2のフーリエレンズ及び記憶媒体の位置を微調整し、校正ホログラフィック位置マークでの校正ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が最適となる場合、第2のフーリエレンズの位置及び参照光の波長を固定するステップS22と、
校正レンズの位置を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、校正レンズの位置を固定するステップS23と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを次の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムを再生するステップS24と、
ステップS24を複数回繰り返し、第2のフーリエレンズ、校正レンズを固定した後、複数の校正ホログラムの再生信号対雑音比が最高の信号対雑音比要求に達することを確保するステップS25と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを再生するステップS26と、
ステップS26を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの再生を行うステップS27と、を含む。
【0024】
光検出器によりトラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号を検出し、サーボ光スポットの位置を検出し、サーボ光スポットが校正ホログラフィック位置マーク又はデータホログラフィック位置マークの真ん中に位置する場合、トラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号は、いずれも正負の極大値の間のゼロ値に位置する。
【0025】
前記トラックロック誤差信号は、サーボ光スポットがトラックから外れる状況を検出し、サーボ光スポットがトラックの中線に位置する場合、トラックロック誤差信号は0であり、サーボ光スポットがトラックから徐々に外れる場合、トラックロック誤差信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットがトラックから完全に外れる場合、トラックロック誤差信号は0になる。
【0026】
前記接線方向プッシュプル信号は、トラックのホログラフィック位置マークを検出し、前記ホログラフィック位置マークが切り欠きであり、サーボ光スポットが切り欠きの真ん中に位置する場合、接線方向プッシュプル信号は0であり、サーボ光スポットが切り欠きから徐々に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットが切り欠きから完全に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は0になる。
【0027】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0028】
本発明に記載のホログラフィック記憶光路システムにサーボユニットが設置され、サーボユニットにより記憶媒体上のアドレスに対してアドレス指定及び位置決めを行い、ホログラムを記憶媒体の指定位置に記憶する。読み取り過程において、第2のフーリエレンズを移動させることにより、参照光の照射位置及び角度を調整し、かつ波長及び記憶媒体の移動を結合することにより、ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が極大値に達することができる。回折効率及び信号対雑音比を最大値に最適化した後、サーボユニットにおける校正レンズによりサーボ光スポットの水平位置及び垂直位置を調整することにより、サーボ光がホログラフィック位置マークを改めてロックすることができ、それにより記憶媒体全体に、サーボ光スポットがホログラフィック位置マークに位置するとき、参照光は、データページ情報を完全に再生することができる。本発明に記載の校正方法により、媒体に収縮又は膨張が発生しても、その中のデータを正確に読み取ることができる。同時に異なる装置の間の、ホログラムに記憶されたデータを読み取る互換性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係るホログラフィック記憶光路システムである。
図2】サーボ光スポットと参照光スポットの収束概略図である。
図3】本発明の他の実施形態に係るホログラフィック記憶光路システムである。
図4】はサーボ光スポットと信号光スポットの収束概略図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るホログラフィック記憶光路システムである。
図6】本発明の他の実施形態に係るホログラフィック記憶光路システムである。
図7】記憶媒体の概略構成図である。
図8】データホログラム記録時の位置決め校正のフローチャートである。
図9】データホログラム読み取り時の位置決め校正のフローチャートである。
図10】トラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号がサーボ光スポットの位置に応じて変化する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の図面は、例示的な説明のみに用いられるが、本発明を限定するものとして理解されるべきでない。以下の実施例をよりよく説明するために、図面のいくつかの部材は、省略、拡大又は縮小されてもよく、実際の製品のサイズを表すものではなく、図面におけるいくつかの周知の構造及びその説明が省略されてもよいことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0031】
図1は、ホログラフィック記憶光路システムを示す。本実施形態におけるホログラフィック記憶光路システムは、記憶媒体6、記録ユニット、イメージングユニット5及びサーボユニット3を含む。
【0032】
上記記録ユニットは、信号光62と参照光61を生成し、それぞれを一定の角度で記憶媒体6に入射させ、記憶媒体6の記録層120で干渉露光してホログラムを生成する。上記記録ユニットは、信号光光路、参照光光路及びリレーレンズ群を含む。上記リレーレンズ群は、固定された第1のフーリエレンズ201及び移動可能な第2のフーリエレンズ202を含み、第2のフーリエレンズ202を移動させることにより信号光と参照光の照射位置及び角度を調整する。
【0033】
上記イメージングユニット5は、カメラ130を含み、上記カメラ130は、再生データページを収集し、かつ再生データページの回折効率及び信号対雑音比を監視し、回折効率及び信号対雑音比が低い場合、それらが極大値に達するように、第2のフーリエレンズ202及び記憶媒体6の位置を調整する。参照光により再生されたデータページの周波数領域ライトフィールドを空間領域ライトフィールドに変換してイメージングするために、カメラ130の前に第4のフーリエレンズ103を設置し、周波数領域ライトフィールドに逆フーリエ変換を行い、かつ空間領域画像をカメラの画像センサのターゲット面に投影する。
【0034】
上記サーボユニット3は、サーボレーザ10、ビーム分割モジュール、移動可能な校正レンズ50及び信号検出モジュール40を含む。上記サーボレーザ10は、サーボ光70を生成し、上記ビーム分割モジュールは、レーザから記憶媒体6に入射したサーボ光70を透過させ、かつ記憶媒体から戻ったサーボ光70を信号検出モジュール40に反射し、上記校正レンズ50は、サーボ光スポットの水平及び垂直方向の位置を調整する。上記信号検出モジュール40は、記憶媒体6から戻ったサーボ光を検出し分析して、サーボ信号を取得する。
【0035】
図2又は図4に示すように、本実施形態は、校正レンズ50を移動させることにより、サーボ光スポットをアドレス層、即ち基板112の内表面に位置させる。記録過程において、第2のフーリエレンズ202及び記憶媒体6を初期位置に移動させて、参照光61と信号光62との干渉領域が記憶媒体を効果的にカバーすることを保証する。読み取り過程において、第2のフーリエレンズ202及び記憶媒体6を移動させることにより、参照光61の照射位置及び角度を調整して、ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が極大値に達し、かつ校正レンズ50によりサーボ光スポットを校正することにより、ホログラフィック位置マークに位置させる。このように、サーボ光スポットがホログラフィック位置マークに位置する場合、再生参照光は、常に最適な信号対雑音比で記録されたデータページ情報を再生することができる。
【0036】
本実施形態において、サーボユニット3のビーム分割モジュールは、具体的には、第1の半波長板164、第1の偏光ビームスプリッタ173及び1/4λ波長板21を含み、上記第1の半波長板164は、サーボレーザ10から発したサーボ光70をp偏光のサーボ光70に調整し、p偏光のサーボ光70は、第1の偏光ビームスプリッタ173を完全に透過することができる。上記1/4λ波長板21は、第1の偏光ビームスプリッタから透過したp偏光のサーボ光を円偏光のサーボ光70に調整し、かつ記憶媒体から反射された円偏光のサーボ光をs偏光のサーボ光70に調整し、s偏光のサーボ光70は、第1の偏光ビームスプリッタ173により上記光検出器40に完全に反射され、かつ検出分析される。
【0037】
本実施形態に記載の記録ユニットは、光源モジュール1と、信号ロードモジュール2と、光ヘッドモジュール4とを含む。
【0038】
上記光源モジュール1は、信号光62と参照光61を出力する。上記信号ロードモジュール2は、空間光変調器190におけるデータ情報を信号光62にロードする。上記光ヘッドモジュール4は、信号光62、参照光61、及びサーボ光70を、一定の角度で記憶媒体6に入射させ、信号光と参照光が記憶媒体6で干渉露光してホログラムを生成する。
【0039】
好ましくは、上記信号ロードモジュール2は、1つの光路を含み、信号光光路62と参照光光路61は、リレーレンズ群を共用し、第2のフーリエレンズを移動させることにより信号光と参照光の照射位置及び角度を同時に調整することができる。
【0040】
本実施形態において、上記光ヘッドモジュール4は、2つの光路を含み、第3の偏光ビームスプリッタ172は、p偏光方向の参照光61を上記第1の光路へ透過させ、s偏光方向の信号光を上記第2の光路に反射させる。p偏光方向の参照光は、第2の半波長板163を通過した後にs偏光方向の参照光になる。第1の光路は、ダイクロイックミラー80を含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光70を反射し、参照光61を透過させることにより、サーボ光と参照光を合波する。第1の光路において、参照光とサーボ光は、1つの対物レンズ101を共用し、該対物レンズを通過した後に記憶媒体に垂直に照射する。第2の光路において、s偏光方向の信号光は、上記第3のフーリエレンズ102により周波数領域に変換され、記憶媒体の表面と一定の夾角をなして記憶媒体6に入射する。
【0041】
記憶媒体6に入射した同じs偏光方向を有する信号光と参照光は、記憶媒体6の記録層120におけるサーボユニット3により位置決めされた記録位置で干渉露光してホログラムを形成し、情報の記録を完了する。
【0042】
再生時に、空間光変調器190に入力信号がなく、参照光のみが記憶媒体6における情報を記録するホログラムに照射し、得られた回折光は、元の信号光が記憶媒体を通過した後の伝播方向に沿って伝播し続け、イメージングユニット5は、再生されたデータ情報を収集する。
【0043】
図3は、別の実施形態を提供し、該実施形態において、上記信号ロードモジュール2は、1つの光路を含み、信号光光路62と参照光光路61は、リレーレンズ群を共用し、第2のフーリエレンズを移動させることにより信号光と参照光の照射位置及び角度を同時に調整することができる。
【0044】
上記光ヘッドモジュール4は、2つの光路を含み、第3の半波長板162を除去すると、第3の偏光ビームスプリッタ172は、p偏光方向の信号光を上記第1の光路へ透過させ、s偏光方向の参照光を上記第2の光路に反射する。第1の光路は、ダイクロイックミラー80を含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光70を反射し、信号光62を透過させることにより、サーボ光と信号光を合波する。第1の光路において、信号光は、第2の半波長板163を通過した後にs偏光に変換され、信号光とサーボ光は、同一の第3フーリエレンズ102を通過した後に記憶媒体の表面に垂直に入射する。第2の光路において、s偏光方向の参照光は、上記第1の対物レンズ101により参照光スポットに収束されて記憶媒体の水平面と一定の夾角をなして記憶媒体6に入射する。
【0045】
記憶媒体6に入射した同じs偏光方向を有する信号光スポットと参照光スポットは、記憶媒体の記録層120におけるサーボユニットにより位置決めされた記録位置で干渉露光してホログラムを形成し、情報の記録を完了する。
【0046】
再生時に、空間光変調器190に入力信号がなく、参照光のみが記憶媒体における情報を記録するホログラムに照射し、得られた回折光は、元の信号光が記憶媒体を通過した後の伝播方向に沿って伝播し続け、イメージングユニット5は、再生されたデータ情報を収集する。
【0047】
本実施形態におけるサーボユニット及びイメージングユニットは、図1の実施形態におけるサーボ光路及びイメージングユニットと同じであり、ここでは説明を省略する。
【0048】
図5は、別の実施形態を提供し、該実施形態において、上記光源モジュール1は、1つの光路を含み、信号光光路と参照光光路が重ね合わせられる。上記信号ロードモジュール2は、2つの光路を含み、信号光光路62と参照光光路61は、それぞれ独立したリレーレンズ群を有し、第2のフーリエレンズ202、第2のフーリエレンズ204をそれぞれ移動させて、信号光62と参照光61の照射位置及び角度をそれぞれ調整することができる。
【0049】
上記光ヘッドモジュール4は、2つの光路を含み、第1の光路は、ダイクロイックミラー80を含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光70を反射し、参照光61を透過させることにより、サーボ光と参照光を合波する。第1の光路において、参照光光路とサーボ光路は、1つの対物レンズ101を共用し、該対物レンズを通過した後に記憶媒体の表面に垂直な方向で記憶媒体に照射する。第2の光路において、信号光は、上記第3のフーリエレンズ102により信号光スポットに収束されて記憶媒体の水平面と一定の夾角をなして記憶媒体6に入射する。
【0050】
記憶媒体6に入射した同じp偏光方向を有する信号光スポットと参照光スポットは、記憶媒体の記録層120におけるサーボユニットにより位置決めされた記録位置で干渉露光してホログラムを形成し、情報の記録を完了する。
【0051】
再生時に、空間光変調器190に入力信号がなく、参照光のみが記憶媒体における情報を記録するホログラムに照射し、得られた回折光は、元の信号光が記憶媒体を通過した後の伝播方向に沿って伝播し続け、イメージングユニット5は、再生されたデータ情報を収集する。
【0052】
本実施形態におけるサーボユニット及びイメージングユニットは、図1の実施形態におけるサーボ光路及びイメージングユニットと同じであり、ここでは説明を省略する。
【0053】
図6は、別の実施形態を提供し、該実施形態において、上記光源モジュール1は、1つの光路を含み、信号光光路と参照光光路が重ね合わせられる。上記信号ロードモジュール2は、1つの光路を含み、信号光光路62と参照光光路61は、リレーレンズ群を共用し、第2のフーリエレンズ202を移動させることにより信号光62と参照光61の照射位置及び角度を同時に調整することができる。
【0054】
上記光ヘッドモジュール4は、1つの光路を含み、光ヘッドモジュールは、ダイクロイックミラー80を含み、ダイクロイックミラーは、サーボ光70を反射し、参照光61又は信号光62を透過させることにより、サーボ光と参照光と信号光を合波する。信号光光路、参照光光路及びサーボ光光路は、1つの対物レンズを共用し、該対物レンズを通過した後に記憶媒体の表面に垂直な方向で記憶媒体に照射する。
【0055】
記憶媒体6に入射した同じp偏光方向を有する信号光スポットと参照光スポットは、記憶媒体の記録層120におけるサーボユニットにより位置決めされた記録位置で干渉露光してホログラムを形成し、情報の記録を完了する。
【0056】
再生時に、空間光変調器190に入力信号がなく、参照光のみが記憶媒体における情報を記録するホログラムに照射し、得られた回折光は、元の信号光の方向に沿って元の経路に戻り、信号ロードモジュールにおける第2の偏光ビームスプリッタ171によりイメージングユニット5に反射され、イメージングユニットは、再生されたデータ情報を収集する。
【0057】
本実施形態におけるサーボユニットは、図1の実施形態におけるサーボユニットと同じであり、ここでは説明しない。
【0058】
上記実施形態における記憶媒体は、光ディスクであり、図7に示すように、順次積層して設置された第1の基板111、記録層120及び第2の基板112を含み、上記第2の基板112において、記録層120に近い表面に、凹凸構造のアドレス層113が刻まれる。アドレス層113の凹凸構造には複数のトラックが形成され、凹凸構造には、サーボ光が記録位置及び再生位置を位置決めするデータホログラフィック位置マーク114、校正ホログラフィック位置マーク114及び開始マークが設置される。上記データホログラフィック位置マーク及び校正ホログラフィック位置マークは、いずれもトラック上の1つの切り欠きである。上記データホログラフィック位置マークと校正ホログラフィック位置マークは、それぞれトラックの異なる領域に位置する。
【0059】
データの読み取り過程において、上記実施形態におけるホログラフィック記憶光路システムは、以下の方法によりサーボ光スポット、参照光スポット及び信号光スポットの相対位置の校正を実現する。
【0060】
図8に示すとおり、ホログラムを記録する前に、校正ホログラム及びデータホログラムの書き込みを行う。上述した書き込み方法は、
校正レンズ50と第2のフーリエレンズ202を初期位置に移動させることにより、サーボ光スポットをアドレス層113に合焦した後、参照光61と信号光62が干渉露光して生成したホログラムを記憶媒体の記録層120に効果的に位置させるステップS11と、
校正レンズ50と第2のフーリエレンズ202を固定し、記憶媒体6を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、上記校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムの記録を行うステップS12と、
記憶媒体6を移動させることにより、サーボ光スポットを別の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、該校正ホログラフィック位置マークで次の校正ホログラムを記録するステップS13と、
ステップS13を複数回繰り返し、複数の校正ホログラムの記録に成功することを保証するステップS14と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを記録するステップS15と、
記憶媒体を移動させることにより、サーボ光スポットを別のデータホログラフィック位置マークに位置させ、該データホログラフィック位置マークで次のデータホログラムを記録するステップS16と、
ステップS16を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの記録を行うステップS17と、を含む。
【0061】
ステップS11における校正レンズ50及び第2のフーリエレンズ202の初期位置の決定方法は、光路シミュレーション設計によりサーボ光スポットが記憶媒体6のトラックの位置する平面(即ちアドレス層)にあること、及び参照光と信号光の干渉領域が記憶媒体6を効果的にカバーすることができることを確保し、このとき、校正レンズ50と第2のフーリエレンズ202の位置が初期位置であることである。
【0062】
図9に示すとおり、データホログラムを再生する前に、記憶媒体6、校正レンズ50及び第2のフーリエレンズ202を移動させて読取り位置及び参照光ビームの校正を行う方法及びデータホログラムの読み取り方法は、具体的には、
記憶媒体6を移動させることにより、光ヘッド4を校正ホログラフィック位置マークの近傍に移動させ、校正レンズ50の位置を固定するステップS21と、
参照光61の波長を調整し、かつ第2のフーリエレンズ202及び記憶媒体6の位置を微調整し、校正ホログラフィック位置マークでの校正ホログラムの回折効率及び信号対雑音比が最適となる場合、第2のフーリエレンズ202及び記憶媒体の位置及び参照光61の波長を固定するステップS22と、
校正レンズ50の位置を移動させることにより、サーボ光スポットを校正ホログラフィック位置マークに位置させ、校正レンズ50の位置を固定するステップS23と、
記憶媒体6を移動させることにより、サーボ光スポットを次の校正ホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該校正ホログラフィック位置マークで校正ホログラムを再生するステップS24と、
ステップS24を複数回繰り返し、第2のフーリエレンズ202、校正レンズ50を固定した後、複数の校正ホログラムの再生信号対雑音比が最高の信号対雑音比要求に達することを確保するステップS25と、
記憶媒体6を移動させることにより、サーボ光スポットをデータホログラフィック位置マークに位置させ、かつ該データホログラフィック位置マークでデータホログラムを再生するステップS26と、
ステップS26を繰り返し、ディスク全体のデータホログラムの再生を行うステップS27と、を含む。
【0063】
図10に示すとおり、光検出器によりトラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号を検出し、サーボ光スポットの位置を検出し、サーボ光スポットが校正ホログラフィック位置マーク又はデータホログラフィック位置マークの真ん中に位置する場合、トラックロック誤差信号及び接線方向プッシュプル信号は、いずれも正負の極大値の間のゼロ値に位置する。
【0064】
上記トラックロック誤差信号は、サーボ光スポットがトラックから外れる状況を検出し、サーボ光スポットがトラックの中線に位置する場合、トラックロック誤差信号は0であり、サーボ光スポットがトラックから徐々に外れる場合、トラックロック誤差信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットがトラックから完全に外れる場合、トラックロック誤差信号は0になる。
【0065】
上記接線方向プッシュプル信号は、トラックのホログラフィック位置マークを検出し、上記ホログラフィック位置マークが切り欠きであり、サーボ光スポットが切り欠きの真ん中に位置する場合、接線方向プッシュプル信号は0であり、サーボ光スポットが切り欠きから徐々に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は、徐々に極大値又は極小値になり、サーボ光スポットが切り欠きから完全に外れる場合、接線方向プッシュプル信号は0になる。
【0066】
明らかに、本発明の上記実施形態は、本発明の技術手段を明確に説明するための例に過ぎず、本発明の具体的な実施形態を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲の精神及び原則の範囲内で行われたいかなる修正、同等の代替、改良などは、本発明の特許請求の範囲の保護の範囲に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10