(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109001
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/10 20120101AFI20230731BHJP
【FI】
G06Q20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010355
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宮本 圭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 聡彦
(72)【発明者】
【氏名】橋本 夏男
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA23
(57)【要約】
【課題】提供形式が混在している給与の提供を、簡易なシステム構成によって実現する。
【解決手段】全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、受取者情報と、給与額情報と、金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を、情報処理システムから取得する給与情報取得部と、複数の給与情報のうち、金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出する第1抽出部と、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報の給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1金融機関の第1情報処理システムに送信する第1送信部と、を備える情報処理システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を、所定の情報処理システムから取得する給与情報取得部と、
前記複数の給与情報のうち、前記金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出する第1抽出部と、
前記少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、前記給与額情報に応じた価値情報を前記受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を前記第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、前記第1金融機関の第1情報処理システムに送信する第1送信部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記複数の給与情報のうち、前記金融機関コードが口座に給与を振り込む第2金融機関を示す第2金融機関コードである少なくとも1つの第2給与情報を抽出する第2抽出部と、
前記少なくとも1つの第2給与情報それぞれについて、前記給与額情報に応じた給与を前記受取者情報で示される給与受取者の口座に振り込む第2提供処理を前記第2金融機関に実行させるための第2提供要求を、前記第2金融機関の第2情報処理システムに送信する第2送信部と、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第2給与情報に基づいて、前記第2提供処理において前記第2金融機関が給与を振り込む振込先の総数及び振込額の総計を示すレコード情報を生成するレコード情報生成部をさらに備え、
前記第2送信部は、前記レコード情報を前記第2情報処理システムに送信する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第2送信部は、前記レコード情報を前記少なくとも1つの第2給与情報に付加して、前記付加される少なくとも1つの第2給与情報を前記第2情報処理システムに送信する、請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの第1給与情報それぞれについての前記第1提供処理が正常に行われなかったことを示す少なくとも1つのエラー情報を、前記第1情報処理システムから取得するエラー取得部と、
前記少なくとも1つのエラー情報を取得した場合、前記少なくとも1つのエラー情報それぞれについて、前記少なくとも1つの第1給与情報及び、前記複数の給与受取者のそれぞれと前記口座とが対応付けられる情報に基づいて、前記受取者情報で示される給与受取者に対応する前記口座を振込先とする前記少なくとも1つの第2給与情報を生成するエラー処理部と、
をさらに備え、
前記第2送信部は、前記エラー処理部により生成される前記少なくとも1つの第2給与情報を前記第2情報処理システムに送信する、
請求項2~4のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1金融機関は、複数の第1金融機関を含み、
前記第1抽出部は、前記複数の給与情報に含まれる前記金融機関コードに基づいて、前記複数の第1金融機関ごとに、前記複数の給与情報から前記少なくとも1つの第1給与情報を抽出する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
コンピュータが、
全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を、所定の情報処理システムから取得し、
前記複数の給与情報のうち、前記金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出し、
前記少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、前記給与額情報に応じた価値情報を前記受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を前記第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、前記第1金融機関の第1情報処理システムに送信する、
情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を所定の情報処理システムから取得する給与情報取得部と、
前記複数の給与情報のうち、前記金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出する第1抽出部と、
前記少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、前記給与額情報に応じた価値情報を前記受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を前記第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、前記第1金融機関の第1情報処理システムに送信する第1送信部と、
を実現させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
給与を受け取る給与受取者から給与の前払い申請を受け付けたとき、給与受取者の勤怠報告に基づいて、給与の全部又は一部を給与受取者の電子マネーカードに入金する給与前払いシステムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のシステムでは、給与受取者から給与の前払い申請を受け付けたことを契機に、給与の全部又は一部を、給与受取者の電子マネーカードに入金することにより、給与の前払いを実現している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、給与を所定の口座に振り込んで提供する形式と給与を電子マネー等の価値情報で提供する形式とが混在している給与支払いに対応する場合、企業において、それぞれの形式に適合するシステム設計を要するため、システム開発費用が増大するという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、提供形式が混在している給与の提供を、簡易なシステム構成によって実現する情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を所定の情報処理システムから取得する給与情報取得部と、複数の給与情報のうち、金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出する第1抽出部と、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1金融機関の第1情報処理システムに送信する第1送信部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を所定の情報処理システムから取得し、複数の給与情報のうち、金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出し、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1金融機関の第1情報処理システムに送信する。
【0009】
本発明の一態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報であって、各給与情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む複数の給与情報を所定の情報処理システムから取得する給与情報取得部と、複数の給与情報のうち、金融機関コードが価値情報で給与を提供する第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出する第1抽出部と、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1金融機関の第1情報処理システムに送信する第1送信部と、を実現させる。
【0010】
なお、本発明において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、提供形式が混在している給与の提供を、簡易なシステム構成によって実現することが可能な情報処理システム、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】給与支払システム10の構成を示す図である。
【
図2】給与情報記憶部112に記憶される給与情報の例を示す図である。
【
図3】金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報の例を示す図である。
【
図4】第1給与情報記憶部122に記憶される第1給与情報の例を示す図である。
【
図5】第2給与情報記憶部132に記憶される第2給与情報の例を示す図である。
【
図6】レコード情報記憶部135に記憶されるレコード情報の例を示す図である。
【
図7】給与支払システム10における処理の例を示すフローチャートである。
【
図8】給与支払システム10における処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】コンピュータ900のハードウェア構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、給与支払システム10の構成を示す図である。給与支払システム10は、汎用的なシステム構成によって、給与支払者から給与受取者(労働者)に給与を支払うためのシステムである。
【0014】
給与支払システム10は、振分システム100、給与管理システム200、第1情報処理システム300、第2情報処理システム400を備える。
【0015】
振分システム100は、給与管理システム200、第1情報処理システム300及び第2情報処理システム400とインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されるシステムである。
【0016】
振分システム100は、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する複数の給与情報を給与管理システム200から取得する。振分システム100は、取得した複数の給与情報を、ユーザに価値情報で給与を提供する第1金融機関宛の給与情報(以下、「第1給与情報」という。)と、ユーザの口座に給与を提供する第2金融機関宛の給与情報(以下、「第2給与情報」という。)とに振り分ける。そして、振分システム100は、第1給与情報を第1情報処理システム300に送信し、第2給与情報を第2情報処理システム400に送信する。振分システム100の詳細については、後述する。
【0017】
給与管理システム200は、給与情報を管理するシステムであり、給与情報を振分システム100に提供するシステムである。給与管理システム200は、例えば、複数の給与受取者の勤怠に関する情報に基づいて、給与支払者が複数の給与受取者に支払うべき給与を算出し、給与情報を管理する。給与管理システム200は、例えば、給与支払者の情報処理システムであってもよく、また、給与支払者から委託を受けて給与支払いを管理する企業等の情報処理システムであってもよい。
【0018】
第1情報処理システム300は、価値情報で給与を提供する第1金融機関の情報処理システムである。ここで、価値情報は、例えば、電子マネーやポイントである。また、第1金融機関は、例えば、資金移動業者である。
【0019】
第1情報処理システム300は、振分システム100から取得する少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、対応する給与受取者のアカウントに、給与を価値情報で提供する。
【0020】
すなわち、第1情報処理システム300によって価値情報で提供される給与は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報に基づいて複数の給与受取者に支払われる給与の少なくとも一部の給与であって、第1金融機関によって価値情報で複数の給与受取者に提供される給与である。
【0021】
なお、
図1には、1つの第1情報処理システム300が記載されているが、給与支払システム10は、複数の資金移動業者のそれぞれに対応する、複数の第1情報処理システム300を含んでもよい。
【0022】
第2情報処理システム400は、給与を給与受取者の口座に振り込む第2金融機関の情報処理システムである。ここで、第2金融機関は、例えば、銀行や証券会社等である。
【0023】
第2情報処理システム400は、振分システム100から取得する少なくとも1つの第2給与情報それぞれについて、対応する給与受取者の口座に、給与を振り込む。
【0024】
すなわち、第2情報処理システム400によって口座に提供される給与は、給与情報記憶部112に記憶される給与情報に基づいて複数の給与受取者に支払われる給与の少なくとも一部の給与であって、第2金融機関によって複数の給与受取者の口座に振り込まれる給与である。
【0025】
次に、振分システム100の詳細について説明する。振分システム100は、給与情報取得部111、給与情報記憶部112、金融機関コード記憶部113、第1抽出部121、第1給与情報記憶部122、第1送信部123、第2抽出部131、第2給与情報記憶部132、第2送信部133、レコード情報生成部134、レコード情報記憶部135、エラー取得部141、エラー処理部142を備える。振分システム100を構成するコンピュータは、プロセッサ及び記憶領域を備える。
図1に示す各部は、例えば、記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されたプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0026】
給与情報取得部111は、給与管理システム200から複数の給与情報を取得し、給与情報記憶部112に格納する。
【0027】
ここで、複数の給与情報は、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成される、給与支払者から複数の給与受取者に支払われる給与に関する情報である。各給与情報は、給与受取者を識別するための受取者情報と、給与の額を示す給与額情報と、給与を提供する金融機関を識別するための金融機関コードとを含む。
【0028】
全銀協規定フォーマットは、全銀協標準通信プロトコルにより企業・銀行相互間のオンラインデータ交換データを行うために全国銀行協会連合会(全銀協)が定めたフォーマットである。また、金融機関コードは、給与を給与受取者に提供する金融機関を識別する情報であり、金融機関ごとに設定される情報である。
【0029】
図2は、給与情報記憶部112に記憶される給与情報の例を示す図である。給与情報記憶部112に記憶される給与情報は、例えば、受取者情報、給与額情報、金融機関コード情報、アカウント情報を含む。
【0030】
受取者情報は、給与を受け取る給与受取者を識別するための情報であり、給与を受け取る給与受取者の口座又はアカウントの名義に関する情報である。受取者情報は、名義を示すテキスト情報であってもよく、また、名義を識別する識別情報(例えば、ID等)であってもよい。
【0031】
給与額情報は、第1金融機関又は第2金融機関により提供される給与の額に関する情報である。具体的には、給与額情報は、第1金融機関によって給与受取者のアカウントに提供される価値情報を示す情報又は第2金融機関によって給与受取者の口座に振り込まれる振込金額の額を示す情報である。
【0032】
金融機関コード情報は、給与を給与受取者に提供する金融機関を識別するための金融機関コードを示す情報である。金融機関コード情報は、例えば、4桁の数字によって構成される形式の情報であってもよく、また、他の形式の情報であってもよい。
【0033】
アカウント情報は、給与受取者の第1金融機関におけるアカウント又は第2金融機関における口座を識別する情報であり、例えば、口座番号やアカウント番号を示す情報である。なお、アカウント情報は、金融機関の支店を識別する情報(例えば、支店コード)を含んでもよい。
【0034】
なお、給与情報は、全銀協規定フォーマットで給与情報記憶部112に記憶されてもよく、また、全銀協規定フォーマットとは異なるフォーマットで給与情報記憶部112に記憶されてもよい。
【0035】
金融機関コード記憶部113は、金融機関コード及び金融機関の対応関係を示すコード対応情報を記憶する。
図3は、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報の例を示す図である。金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報は、例えば、金融機関コード情報、名称情報、種別情報を含む。
【0036】
名称情報は、金融機関コードに対応する金融機関の名称を示す情報である。種別情報は、金融機関の種別を示す情報である。種別情報は、例えば、「第1金融機関」又は「第2金融機関」であってもよく、また、「銀行」や「資金移動業者」であってもよい。
【0037】
第1抽出部121は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報のうち、金融機関コードが第1金融機関を示す第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出し、少なくとも1つの第1給与情報を第1給与情報記憶部122に格納する。
【0038】
すなわち、第1給与情報は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報のうち、第1金融機関によって価値情報で給与受取者に提供される給与に関する給与情報である。
【0039】
第1抽出部121は、例えば、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報に基づいて、給与情報記憶部112に記憶される給与情報のうち、少なくとも1つの第1給与情報を抽出することができる。
【0040】
すなわち、第1抽出部121は、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報に基づいて、複数の給与情報のうち、金融機関コード情報に対応する種別情報が第1金融機関を示す種別情報である少なくとも1つの給与情報を、第1給与情報として抽出することができる。また、第1抽出部121は、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報に基づいて、複数の給与情報のうち、当該複数の給与情報に含まれる金融機関コード情報が所定のコード(例えば、値「9」から始まる4桁の数字の列)である少なくとも1つの給与情報を、第1給与情報として抽出することができる。
【0041】
また、給与支払システム10が複数の第1情報処理システム300を含む場合、第1抽出部121は、当該複数の第1情報処理システム300ごとに、当該複数の第1情報処理システム300のそれぞれの第1金融機関を示す金融機関コードに対応する第1給与情報を抽出してもよい。
【0042】
なお、第1抽出部121は、例えば、給与情報記憶部112に第1給与情報が含まれない場合、抽出処理を行わない。
【0043】
図4は、第1給与情報記憶部122に記憶される第1給与情報の例を示す図である。第1給与情報記憶部122に記憶される第1給与情報は、例えば、受取者情報、給与額情報、金融機関コード情報、アカウント情報を含む。
【0044】
なお、第1給与情報は、全銀協規定フォーマットで第1給与情報記憶部122に記憶されてもよく、また、全銀協規定フォーマットとは異なるフォーマットで第1給与情報記憶部122に記憶されてもよい。
【0045】
第1送信部123は、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1情報処理システム300に送信する。第1情報処理システム300は、第1送信部123から受け付ける第1提供要求に基づいて第1提供処理を実行する。
【0046】
ここで、第1提供処理は、例えば、第1金融機関の情報処理システム(例えば、第1情報処理システム300)において実行される処理であって、受取者情報で示される給与受取者のアカウントに、給与額情報に応じた価値情報を加算する処理である。なお、第1情報処理システム300が、第1金融機関の異なる情報処理システムに第1提供要求を送信し、当該異なる情報処理システムが、第1提供要求に基づいて第1提供処理を行ってもよい。
【0047】
第1送信部123は、例えば、第1給与情報を第1提供要求として第1情報処理システム300に送信することができる。なお、第1送信部123は、全銀協規定フォーマットに適合した第1給与情報を第1提供要求として第1情報処理システム300に送信してもよい。また、第1送信部123は、第1情報処理システム300に対応する所定のフォーマットに第1給与情報を変換した上で、当該変換された第1給与情報を第1提供要求として第1情報処理システム300に送信してもよい。
【0048】
第2抽出部131は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報のうち、金融機関コードが第2金融機関を示す第2金融機関コードである少なくとも1つの第2給与情報を抽出し、第2給与情報を第2給与情報記憶部132に格納する。
【0049】
すなわち、第2給与情報は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報のうち、第2金融機関によって給与受取者の口座に振り込まれる給与に関する給与情報である。
【0050】
第2抽出部131は、例えば、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報に基づいて、給与情報記憶部112に記憶される給与情報のうち、少なくとも1つの第2給与情報を抽出することができる。
【0051】
すなわち、第2抽出部131は、金融機関コード記憶部113に記憶されるコード対応情報を参照して、複数の給与情報のうち、金融機関コード情報に対応する種別情報が第2金融機関を示す少なくとも1つの給与情報を、第2給与情報として抽出することができる。また、第2抽出部131は、金融機関コード記憶部に記憶されるコード対応情報を参照して、複数の給与情報のうち、当該複数の給与情報に含まれる金融機関コード情報が所定のコード(例えば、「9」でない値から始まる4桁の数字の列)である少なくとも1つの給与情報を、第2給与情報として抽出することができる。
【0052】
なお、第2抽出部131は、給与情報記憶部112に記憶される複数の給与情報に第2給与情報が含まれない場合、抽出処理を行わない。
【0053】
図5は、第2給与情報記憶部132に記憶される第2給与情報の例を示す図である。第2給与情報記憶部132に記憶される第2給与情報は、例えば、受取者情報、給与額情報、金融機関コード情報、アカウント情報を含む。
【0054】
なお、第2給与情報は、全銀協規定フォーマットで第2給与情報記憶部132に記憶されてもよく、また、全銀協規定フォーマットとは異なるフォーマットで第2給与情報記憶部132に記憶されてもよい。
【0055】
第2送信部133は、少なくとも1つの第2給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた給与を受取者情報で示される給与受取者の口座に振り込む第2提供処理を第2金融機関に実行させるための第2提供要求を、第2情報処理システム400に送信する。第2情報処理システム400は、第2送信部133から受け付ける第2提供要求に基づいて、第2提供処理を実行する。
【0056】
ここで、第2提供処理は、例えば、第2金融機関の情報処理システム(例えば、第2情報処理システム400)において実行される処理であって、受取者情報で示される給与受取者の口座に、給与額情報に応じた給与を振り込む処理である。なお、第2情報処理システム400が、第2金融機関の異なる情報処理システムに第2提供要求を送信し、当該異なる情報処理システムが、第2提供要求に基づいて第2提供処理を行ってもよい。
【0057】
第2送信部133は、例えば、第2給与情報を第2提供要求として第2情報処理システム400に送信することができる。なお、第2送信部133は、全銀協規定フォーマットに適合した第2給与情報を第2提供要求として第2情報処理システム400に送信してもよい。また、第2送信部133は、第2情報処理システム400に対応する所定のフォーマットに第2給与情報を変換した上で、当該変換された第2給与情報を第2提供要求として第2情報処理システム400に送信してもよい。
【0058】
第2送信部133が全銀協規定フォーマットに適合した第2給与情報を第2情報処理システム400に提供する場合、第2送信部133は、後述するレコード情報記憶部135に記憶されるレコード情報とともに、第2給与情報を第2情報処理システム400に送信してもよい。この場合、第2送信部133は、第2給与情報にレコード情報を付加して、当該付加された第2給与情報を第2情報処理システム400に提供してもよい。
【0059】
レコード情報生成部134は、第2給与情報記憶部132に記憶される少なくとも1つの第2給与情報に基づいて、第2提供処理において第2金融機関が振り込む振込先の総数及び振込額の総計を示すレコード情報を生成し、レコード情報記憶部135に格納する。
【0060】
全銀協規定フォーマットで生成される、所定の組織から所定の口座への振り込みを指示する振込用データには、振込先の総数及び振込額の総計が含まれる。この点、第2提供処理において第2金融機関が振り込む振込先の総数及び振込額の総計は、給与情報取得部111が取得した複数の給与情報が示す、振込先の総数及び振込額の総計と異なりうる。
【0061】
そこで、レコード情報生成部134は、少なくとも1つの第2給与情報に基づいて、第2提供処理において第2金融機関が振り込む振込先の総数及び振込額の総計を算出し、レコード情報を生成する。これにより、振分システム100は、レコード情報を第2給与情報に付加させて全銀協規定フォーマットに適合させた第2給与情報を、第2情報処理システム400に提供することができる。
【0062】
図6は、レコード情報記憶部135に記憶されるレコード情報の例を示す図である。
図6に示すように、レコード情報記憶部135に記憶されるレコード情報は、例えば、振込先総数情報、振込額総計情報を含む。
【0063】
振込先総数情報は、第2給与情報記憶部132に記憶される少なくとも1つの第2給与情報に含まれる振込先の総数であって、第2提供処理において第2金融機関が給与を振り込む振込先の総数を示す情報である。振込額総計情報は、第2給与情報記憶部132に記憶される少なくとも1つの第2給与情報に含まれる振込額の総計であって、第2提供処理において第2金融機関が給与受取者に振り込む振込額の総計を示す情報である。
【0064】
エラー取得部141は、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについての第1提供処理が正常に行われなかったことを示す少なくとも1つのエラー情報を第1情報処理システム300から取得する。エラー情報には、例えば、第1提供処理が正常に行われなかったアカウント情報若しくは受取者情報のうち少なくともいずれかが含まれる。また、エラー情報には、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報が含まれていてもよい。
【0065】
第1情報処理システム300が第1提供処理によって給与を価値情報で給与受取者のアカウントに提供するときに、第1情報処理システム300が正常に給与を提供できない事態が起こりうる。第1情報処理システム300が正常に給与を提供できない事態は、例えば、給与受取者のアカウントにて保有可能な価値情報の額が上限に達している若しくは第1情報処理システム300による給与の提供により上限を超える場合や、給与受取者のアカウントが存在しない場合である。
【0066】
第1情報処理システム300が正常に給与を価値情報で提供できない事態が起きた際、第1情報処理システム300は、エラー情報を振分システム100に送信する。
【0067】
エラー処理部142は、エラー取得部141が少なくとも1つのエラー情報を取得した場合、少なくとも1つのエラー情報それぞれについて、少なくとも1つの第1給与情報及び、複数の給与受取者のそれぞれと口座とが対応付けられる情報に基づいて、受取者情報で示される給与受取者に対応する口座を振込先とする少なくとも1つの第2給与情報を生成し、第2給与情報記憶部132に格納する。
【0068】
具体的には、エラー処理部142は、エラー情報に基づいて、第1提供処理が正常に行われなかった給与受取者を特定する。この場合、エラー処理部142は、例えば、エラー情報に含まれるアカウント情報若しくは受取者情報に基づいて、第1提供処理が正常に行われなかった給与受取者を特定してもよい。
【0069】
続いて、エラー処理部142は、複数の給与受取者のそれぞれと口座とが対応付けられる情報に基づいて、第1提供処理が正常に行われなかった給与受取者に対応する口座を特定する。
【0070】
そして、エラー処理部142は、当該特定される口座に、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報で示される額の給与を振り込むための第2給与情報を生成する。
【0071】
正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報がエラー情報に含まれている場合、エラー処理部142は、例えば、エラー情報に含まれる当該給与額情報に基づいて、第2給与情報を生成してもよい。また、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報がエラー情報に含まれていない場合、エラー処理部142は、例えば、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に基づいて、エラー情報に含まれるアカウント情報若しくは受取者情報に対応する給与額情報を特定し、当該給与額情報に基づいて、第2給与情報を生成してもよい。よい。
【0072】
なお、複数の給与受取者のそれぞれと口座とが対応付けられる情報は、事前に設定されていればよく、振分システム100において設定されていてもよいし、また、その他の情報処理システム(例えば、給与管理システム200)において設定されていてもよい。
【0073】
図7は、給与支払システム10における処理の例を示すフローチャートである。
【0074】
まず、振分システム100が、給与管理システム200から複数の給与情報を取得する(S701)。
【0075】
振分システム100が、受取者情報と、給与額情報と、金融機関コードとを含む複数の給与情報のうち、金融機関コードが第1金融機関を示す第1金融機関コードを含む少なくとも1つの第1給与情報を抽出する(S702)。振分システム100が、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1情報処理システム300に送信する(S703)。
【0076】
続いて、振分システム100が、受取者情報と、給与額情報と、金融機関コードとを含む複数の給与情報のうち、金融機関コードが第2金融機関を示す第2金融機関コードである少なくとも1つの第2給与情報を抽出する(S704)。振分システム100が、少なくとも1つの第2給与情報に基づいて、第2提供処理において第2金融機関が給与を振り込む振込先の総数及び振込額の総計を示すレコード情報を生成する(S705)。
【0077】
振分システム100が、第2給与情報及びレコード情報に基づいて、給与額情報に応じた給与を受取者情報で示される給与受取者の口座に振り込む第2提供処理を第2金融機関に実行させるための第2提供要求を、第2情報処理システム400に送信する(S706)。
【0078】
なお、第1給与情報の抽出処理の前に、第2給与情報の抽出処理が行われてもよく、また、第1給与情報の抽出処理の前に、第2給与情報の抽出処理及び第2提供要求の送信処理が行われてもよい。また、第1給与情報及び第2給与情報の抽出の後に、第1提供要求及び第2提供要求の送信が行われてもよい。
【0079】
図8は、給与支払システム10における処理の例を示すフローチャートである。
図8に示すフローチャートは、第1提供要求に応じた第1情報処理システム300の第1提供処理において、第1提供処理が正常に行われなかった場合の処理の例を示す。
【0080】
まず、振分システム100が、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについての第1提供処理が正常に行われなかったことを示す少なくとも1つのエラー情報を、第1情報処理システム300から取得する(S801)。続いて、振分システム100が、少なくとも1つのエラー情報それぞれについて、少なくとも1つの第1給与情報及び、複数の給与受取者のそれぞれと口座とが対応付けられる情報に基づいて、複数の給与受取者のそれぞれに対応する口座を提供先とする、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報で示される給与額の給与を振り込むための第2給与情報を生成する(S802)。
【0081】
振分システム100が、生成された第2給与情報に基づいて、第2提供処理において第2金融機関が給与を振り込む振込先の総数及び振込額の総計を示すレコード情報を生成する(S803)。振分システム100が、第2給与情報及びレコード情報に基づいて、正常に行われなかった第1提供処理に対応する第1給与情報に含まれる給与額情報で示される額の給与を、正常に行われなかった第1提供処理に対応する給与受取者の口座に振り込む第2提供処理を第2金融機関に実行させるための第2提供要求を、第2情報処理システム400に送信する(S804)。
【0082】
次に、
図9を参照して、振分システム100をコンピュータ900により実現する場合のハードウェア構成の一例について説明する。
図9は、コンピュータ900のハードウェア構成の例を示す図である。
【0083】
図9に示すように、コンピュータ900は、例えば、プロセッサ901、メモリ902、記憶装置903、入力I/F部904、データI/F部905、通信I/F部906、及び表示装置907を含む。
【0084】
コンピュータ900は、例えば、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、メディアコンピュータプラットホーム(例えば、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ等)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(例えば、PDA、電子メールクライアント等)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームであってもよい。
【0085】
プロセッサ901は、メモリ902に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ900における各種の処理を制御する制御部である。
【0086】
メモリ902は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ902は、プロセッサ901によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0087】
記憶装置903は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置903は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0088】
入力I/F部904は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部904は、例えば、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等である。入力I/F部904は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続されてもよい。
【0089】
データI/F部905は、コンピュータ900の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部905は、例えば、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等である。データI/F部905は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。データI/F部905がコンピュータ900の外部に設けられる場合、データI/F部905は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続される。
【0090】
通信I/F部906は、コンピュータ900の外部の装置と有線又は無線により、インターネット等のネットワークを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部906は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。通信I/F部906がコンピュータ900の外部に設けられる場合、通信I/F部906は、例えば、USB等のインターフェースを介してコンピュータ900に接続される。
【0091】
表示装置907は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置907は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等である。表示装置907は、コンピュータ900の外部に設けられてもよい。表示装置907がコンピュータ900の外部に設けられる場合、表示装置907は、例えば、ディスプレイケーブル等を介してコンピュータ900に接続される。また、入力I/F部904としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置907は、入力I/F部904と一体化して構成されてもよい。
【0092】
以上、本発明の一実施形態について説明した。振分システム100は、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成され取得される複数の給与情報のうち、金融機関コードが第1金融機関コードである少なくとも1つの第1給与情報を抽出し、少なくとも1つの第1給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた価値情報を受取者情報で示される給与受取者に提供する第1提供処理を第1金融機関に実行させるための第1提供要求を、第1情報処理システム300に送信することができる。これにより、提供形式が混在している給与の提供を、簡易なシステム構成によって実現することが可能となる。また、振分システム100により、近年の法改正に伴い高まりつつある、給与を価値情報にて受け取りたいという給与受取者のニーズに対応した給与支払システム10を実現することができる。
【0093】
また、振分システム100は、全銀協規定フォーマットのデータ様式で生成され取得される複数の給与情報のうち、金融機関コードが第2金融機関コードである少なくとも1つの第2給与情報を抽出し、少なくとも1つの第2給与情報それぞれについて、給与額情報に応じた給与を受取者情報で示される給与受取者の口座に振り込む第2提供処理を第2金融機関に実行させるための第2提供要求を、第2情報処理システム400に送信することができる。これにより、提供形式が混在している給与の提供を、簡易なシステム構成によって実現することが可能となる。
【0094】
また、振分システム100は、少なくとも1つの第2給与情報に基づいて生成されるレコード情報を、第2情報処理システム400に送信することができる。これにより、第2情報処理システム400は、全銀協規定フォーマットのデータ様式で、少なくとも1つの第2給与情報を取得することができる。
【0095】
振分システム100は、少なくとも1つの第2給与情報に基づいて生成されるレコード情報を付加した少なくとも1つの第2給与情報を、第2情報処理システム400に送信することができる。これにより、第2情報処理システム400は、全銀協規定フォーマットのデータ様式で、少なくとも1つの第2給与情報を取得することができる。
【0096】
また、振分システム100は、第1提供処理が正常に行われなかったことを示す少なくとも1つのエラー情報を、第1情報処理システム300から取得し、少なくとも1つのエラー情報それぞれについて、少なくとも1つの第1給与情報及び、複数の給与受取者のそれぞれと口座とが対応付けられる情報に基づいて、受取者情報で示される給与受取者に対応する口座を提供先とする第2給与情報を生成することができる。これにより、振分システム100は、第1情報処理システム300での給与の提供が正常に行われなかった場合でも、簡易なシステム構成によって、第2情報処理システム400に対し、対応する口座への給与の振り込みを要求することができる。
【0097】
また、振分システム100は、複数の第1金融機関ごとに第1給与情報を生成し、複数の第1給与情報のそれぞれに対応する第1提供要求のそれぞれを、複数の第1金融機関のそれぞれに対応する第1情報処理システム300に提供することができる。これにより、振分システム100は、給与の提供先が複数の異なる第1金融機関となっており提供先が混在している場合であっても、簡易なシステム構成によって給与の提供を実現することができる。
【0098】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0099】
10 給与支払システム、100 振分システム、111 給与情報取得部、112 給与情報記憶部、113 金融機関コード記憶部、121 第1抽出部、122 第1給与情報記憶部、123 第1送信部、131 第2抽出部、132 第2給与情報記憶部、133 第2送信部、134 レコード情報生成部、135 レコード情報記憶部、141 エラー取得部、142 エラー処理部、200 給与管理システム、300 第1情報処理システム、400 第2情報処理システム、900 コンピュータ、901 プロセッサ、902 メモリ、903 記憶装置、904 入力I/F部、905 データI/F部、906 通信I/F部、907 表示装置