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特開2023-109015情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109015
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20230731BHJP
【FI】
G16H50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010375
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】黒須 一博
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供を可能とする。
【解決手段】ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する取得部と、ユーザに対応付けて測定データを記憶する記憶部と、測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成する分析処理部とを備える、情報処理装置が開示される。分析処理部は、複数の吸収性物品に係る測定データに基づいて、症状分析結果を生成してもよい。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する取得部と、
ユーザに対応付けて前記測定データを記憶する記憶部と、
前記測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成する分析処理部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記分析処理部は、複数の前記吸収性物品に係る前記測定データに基づいて、前記症状分析結果を生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
各ユーザに対応付けて、前記測定データとともに前記症状分析結果を記憶する記憶処理部を更に備える、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記症状分析結果をユーザに通知する通知処理部を更に備える、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記測定データに基づいて、医療機関での受診をユーザに促す受診勧奨情報を出力する勧奨情報出力部を更に備える、請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記症状分析結果は、軽失禁に係る所定パラメータの算出値の統計量を含む、請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
ユーザ端末及びサーバコンピュータのうちのいずれか一方又は双方の組み合わせより実現される、請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザに対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成することを含む、コンピュータにより実行される情報処理方法。
【請求項9】
ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得し、
ユーザに対応付けて前記測定データを記憶し、
前記測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成する
処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
尿の広がりをインピーダンスを用いて測定可能な排尿センサを設けた吸収性物品を利用して、ユーザの総排尿量と吸収性物品の尿吸収容量との関係を比較することで、ユーザの介護スケジュールを提案するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-206381号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術は、吸収性物品の装着者(ユーザ)として要介護者を想定した技術であり、軽失禁に悩むユーザにとって有用な情報を提供可能とすることが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、ユーザが装着可能な吸収性物品に設けられる軽失禁検出手段の測定データを取得する取得部と、
ユーザに対応付けて前記測定データを記憶する記憶部と、
前記測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成する分析処理部とを備える、情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、軽失禁に悩むユーザにとって有用となりうる情報提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による情報送信システムのシステム構成を概略的に示す図である。
図2】軽失禁検出手段付きの吸収性物品の一例を概略的に示す平面図である。
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】ユーザ端末及びサーバのそれぞれの各種機能の一例を示す機能ブロック図である。
図6】ユーザ端末からサーバへの送信データの説明図である。
図7】測定データの一例を示す図である。
図8】ユーザデータ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図9】測定データ記憶部内のデータの一例の説明図である。
図10】アンケート回答情報の一例の説明図である。
図11】測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。
図12】軽失禁イベント情報の一例の説明である。
図13】分析結果記憶部内のデータの一例の説明図である。
図14】総吸収量情報の一例を示すユーザ端末の画面例を示す図である。
図15】分析結果の一例を示すユーザ端末の画面例を示す図である。
図16】受診勧奨情報の一例を示すユーザ端末の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は、一実施形態による情報処理システム1のシステム構成を概略的に示す図である。図2は、軽失禁検出手段付きの吸収性物品7の一例を概略的に示す平面図である。
【0011】
情報処理システム1は、以下で説明するように、ユーザに装着されている吸収性物品7に対する測定データに基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を通知する機能(以下、「症状分析通知機能」とも称する)を備える。
【0012】
情報処理システム1は、ユーザ端末21と、サーバ31と、測定装置41と、を含む。
【0013】
ユーザ端末21とサーバ31とは、ネットワーク4を介して通信可能に接続される。
【0014】
ネットワーク4は、インターネット、WAN(Wide Area Network)、無線通信網、有線ネットワーク、又はこれらの任意の組み合わせ等を含んでもよい。
【0015】
ユーザ端末21は、ユーザが所持する端末である。ユーザ端末21は、通信機能を有する。ユーザ端末21は、例えば携帯端末であり、この場合、ユーザ端末21は、例えば、スマートフォンや携帯電話、タブレット端末であるが、ウエアラブル端末(例えばスマートウオッチ等)等であってもよい。また、ユーザ端末21は、固定端末(例えばパーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0016】
なお、ユーザは、典型的には、複数(多数)存在しうるが、各ユーザに係るユーザ端末21の処理は実質的に同じであるので、以下の説明では、特に言及しない限り、ユーザとは、ある一のユーザ(例えば軽失禁の悩みを有するユーザ)を指す。
【0017】
測定装置41は、吸収性物品7に対応付けられる。吸収性物品7は、任意であるが、軽失禁用のパッドが好適である。軽失禁用のパッドは、複数種類の製品があり、多様な軽失禁用のパッドに設けられてもよい。軽失禁用のパッドは、内層に、綿状パルプや合成パルプ、高分子吸水材等のような吸収体を含み、液体を吸収可能である。
【0018】
測定装置41は、センシング部410と、通信モジュール420とを含む。
【0019】
センシング部410は、軽失禁検出手段として吸収性物品7と一体的に設けられる。センシング部410は、軽失禁に起因した状態変化を検出する。センシング部410は、導電性を有する物質(例えば導電性のインク)からなる電極であってよく、吸収性物品7の内層(例えば非肌面側に近い層)に設けられてもよい。本実施例では、一例として、センシング部410は、図2に示すように、吸収性物品7の幅方向の中心に対して両側で、長手方向に延在する2本の線状の形態である。すなわち、センシング部410は、対の線状の電極を含む。
【0020】
吸収性物品7における対の線状の電極間の領域に、排尿がなされると、排尿に起因して、対の線状の電極における電流の流れやすさに変化が発生する。このようにして、センシング部410を介して、吸収性物品7に吸収される排尿に起因した状態変化に係る測定データを得ることができる。
【0021】
なお、センシング部410における軽失禁に係る体液(尿)の検出方法は、任意であり、上述したような電気的な特性の変化を利用する方法に代えて又は加えて、湿気や臭気の変化を検出する方法が利用されてもよい。以下では、測定データに係る測定値は、排尿量に相関する任意のパラメータに係る測定値である。また、本実施例では、一例として、測定値に係るパラメータは、その大きさ(以下、「測定値」レベルとも称する)が排尿量の増加に伴い増加するパラメータであるとする。
【0022】
通信モジュール420は、センシング部410に電気的に接続される。例えば、通信モジュール420は、センシング部410にコネクタ412や配線414を介して接続されてよい。
【0023】
通信モジュール420は、通信機能を有し、センシング部410を介して得られる上述した測定データをサーバ31に送信する。なお、本実施例では、測定装置41は、ユーザ端末21を介してサーバ31に測定データ等を送信するが、ユーザ端末21を介さずにサーバ31に測定データ等を送信してもよい。
【0024】
サーバ31は、1つ以上のサーバコンピュータにより形成されてよい。サーバ31は、測定装置41から送信されるユーザの測定データ等に基づいて、ユーザの軽失禁に係る症状分析結果等を生成する。
【0025】
図3は、サーバ31のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
図3に示す例では、サーバ31は、制御部101、主記憶部102、補助記憶部103、ドライブ装置104、ネットワークI/F部106、及び入力部107を含む。
【0027】
制御部101は、主記憶部102や補助記憶部103に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部107や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0028】
主記憶部102は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などである。主記憶部102は、制御部101が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリ」又は「アプリケーション」と省略する場合がある)などのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0029】
補助記憶部103は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
ドライブ装置104は、記録媒体105、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0031】
記録媒体105は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体105に格納されたプログラムは、ドライブ装置104を介してサーバ31にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、サーバ31により実行可能となる。
【0032】
ネットワークI/F部106は、ネットワーク4を介して接続されたユーザ端末21等とのインターフェースである。
【0033】
入力部107は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。
【0034】
なお、図3に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラムをサーバ31に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体105に記録し、このプログラムが記録された記録媒体105をサーバ31に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体105は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体105は、CD(Compact Disc)-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0035】
図4は、ユーザ端末21のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0036】
図4に示す例では、ユーザ端末21は、制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、ドライブ装置204、ネットワークI/F部206、入力部207、及び出力装置208を含む。
【0037】
制御部201は、主記憶部202や補助記憶部203に記憶されたプログラムを実行する演算装置であり、入力部207や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、記憶装置などに出力する。
【0038】
主記憶部202は、ROMやRAMなどである。主記憶部202は、制御部201が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0039】
補助記憶部203は、HDDやSSDなどであり、アプリなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0040】
ドライブ装置204は、記録媒体205、例えばフレキシブルディスクからプログラムを読み出し、記憶装置にインストールする。
【0041】
記録媒体205は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体205に格納されたプログラムは、ドライブ装置204を介してユーザ端末21にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、ユーザ端末21により実行可能となる。
【0042】
ネットワークI/F部206は、ネットワーク4を介して接続されたサーバ31等とのインターフェースである。また、ネットワークI/F部206は、測定装置41とのインターフェースを含んでよい。ユーザ端末21と測定装置41との間の接続は、ネットワーク4とは異なるネットワークによる有線接続であってもよいし、ネットワーク4を介した接続であってもよい。例えば、測定装置41は、Bluetooth(登録商標)のような無線通信技術を利用して、ユーザ端末21に接続されてもよい。
【0043】
入力部207は、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を有する。なお、入力部207は、出力装置208のディスプレイ装置に設けられるタッチパネルにより実現されてもよい。
【0044】
出力装置208は、液晶ディスプレイや、有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置や、スピーカー等の音声出力装置等を含んでよい。
【0045】
なお、図4に示す例において、以下で説明する各種処理等は、プログラム(アプリ)をユーザ端末21に実行させることで実現することができる。また、プログラムを記録媒体205に記録し、このプログラムが記録された記録媒体205をユーザ端末21に読み取らせて、以下で説明する各種処理等を実現させることも可能である。なお、記録媒体205は、様々なタイプの記録媒体を用いることができる。例えば、記録媒体205は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。
【0046】
次に、図5以降を参照して、上述した情報処理システム1の構成例を順に説明していく。
【0047】
以下では、サーバ31が、情報処理装置の一例を実現するが、後述するように、一のユーザ端末21が、情報処理装置の一例を実現してもよいし、サーバ31とユーザ端末21が、連携して情報処理装置の一例を実現してもよい。
【0048】
図5は、ユーザ端末21及びサーバ31のそれぞれの各種機能(症状分析通知機能に関連した各種機能)の一例を示す機能ブロック図である。図6は、ユーザ端末21からサーバ31への送信データの説明図である。図7は、測定データの一例を示す図である。図8は、ユーザデータ記憶部312内のデータの一例の説明図である。図9は、測定データ記憶部320内のデータの一例の説明図である。図10は、アンケート回答情報の一例の説明図である。図11は、測定データに基づく個別吸収量の算出方法の説明図である。図12は、軽失禁イベント情報の一例の説明である。図13は、分析結果記憶部322内のデータの一例の説明図である。なお、図8等において、表内の“***”は何らかの情報が入っていることを表し、“・・・”は同様の態様で連続する場合があることを表す省略記号を表す。
【0049】
ユーザ端末21は、測定データ取得部210と、測定データ送信部212と、行動関連情報生成/送信部213と、アンケート回答送信部214と、症状分析結果出力部215と、受診勧奨出力処理部216と、通知処理部218と、を含む。測定データ取得部210から通知処理部218の各機能は、図4に示したユーザ端末21の制御部201が、記憶装置(例えば補助記憶部203)内のプログラムを実行することで実現できる。以下では、一例として、ユーザ端末21には、専用のアプリケーション(以下、「症状分析アプリA」と称する)が実装されており、ユーザ端末21の制御部201が症状分析アプリAを実行することで、測定データ取得部210から通知処理部218の各機能が実現されるものとする。なお、ユーザは、症状分析アプリAをユーザ端末21にダウンロードする際に、ユーザID等の初期登録を行うものとする。なお、症状分析アプリAは、ユーザ端末21にインストールされるネイティブアプリの形態に代えて、Webアプリの形態であってもよい。
【0050】
測定データ取得部210は、測定装置41から上述した測定データを取得する。図7では、横軸に時間を取り、縦軸に測定データの測定値レベル(測定値の大きさ)を取り、測定値レベルの変化態様(時系列波形)が模式的に示されている。測定データは、例えば図7に示すような時系列データであってよいし、当該時系列データから抽出された特徴量のデータであってもよい。
【0051】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210により取得された測定データをサーバ31に送信する。この場合、測定データ送信部212は、測定データを、ユーザIDに紐付けて送信してよい。なお、測定データは、加工等の処理を受けることなくサーバ31に送信されてもよいし、圧縮処理等の処理を経てサーバ31に送信されてもよい。
【0052】
図6の上側には、ユーザ端末21からサーバ31に送信される一例による送信データ600の説明図として、送信データ600に含まれてよい各種情報が示されている。この場合、送信データは、ユーザID、パッドID、種別情報(図6には、「パッド種別」と表記)、測定データ、時間情報、行動関連情報、及び外部環境情報を含む。
【0053】
パッドIDは、ユーザ端末21において吸収性物品7ごとに付与されるIDであってよく、吸収性物品7を交換するごとに新規に発行される。
【0054】
種別情報は、現在装着中の吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報である。吸収性物品7の種別は、新たな吸収性物品7の装着の際に、当該新たな吸収性物品7に付与されてよい二次元バーコードをユーザ端末21が読み取ることで、ユーザ端末21側で取得されてもよいし、ユーザにより入力されてもよい。あるいは、吸収性物品7の種別は、予め登録されていてもよい(図8の製品情報参照)。この場合、吸収性物品7の種別情報は、送信データに含められなくてもよい。時間情報は、測定データの取得された時間を表す。測定データは、図7に示すような時系列のデータであってもよく、この場合、時間情報は、測定データの開始時点と終了時点を表してよい。行動関連情報は、後述する。
【0055】
測定データ送信部212は、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得している測定データをリアルタイムにサーバ31に送信してもよいし、測定データ取得部210が測定装置41を介して取得した測定データを所定の記憶領域に格納した上で、オフラインで測定データをサーバ31に送信してもよい。
【0056】
なお、上述したように測定装置41がサーバ31に測定データを送信するような変形例も可能であり、かかる変形例の場合、測定データ取得部210及び測定データ送信部212は省略されてもよい。
【0057】
行動関連情報生成/送信部213は、ユーザに係る行動関連情報を生成し、生成した行動関連情報をサーバ31に送信する。行動関連情報は、吸収性物品7を装着したユーザの行動に関連する情報である。行動関連情報は、移動履歴や行き先を特定する情報、滞在時間等を含んでよい。例えば、行動関連情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサ(例えばGPS(Global Positioning System)等に基づく位置センサや加速度センサ等)により取得される位置情報や加速度情報に基づいて生成されてよい。この場合、行動関連情報は、ユーザ端末21の位置情報の履歴、位置情報の変化態様(例えば移動速度)等を含んでよい。また、行動関連情報は、ユーザの姿勢(立位、座位、背臥位等)を表す姿勢情報を含んでもよい。
【0058】
行動関連情報生成/送信部213は、行動関連情報に加えて、外部環境情報を生成し、生成した外部環境情報をサーバ31に送信してもよい。外部環境情報は、ユーザを取り巻く外部環境に関する情報であり、気温、湿度、天気等を含んでよい。外部環境情報は、ユーザ端末21に備わる各種センサや外部データ(例えば外部から入手可能な気象情報)に基づいて取得されてもよい。なお、変形例では、外部環境情報は、サーバ31側で取得されてもよい。サーバ31は、一のユーザに係る行動関連情報と、外部から入手可能な気象情報とに基づいて、当該一のユーザの周辺環境を特定できるためである。
【0059】
アンケート回答送信部214は、一の吸収性物品7の装着終了時(例えば交換による装着終了時)にユーザ入力に基づいて、所定アンケートに対する回答情報を生成し、生成した回答情報をサーバ31に送信する。所定アンケートは、今回使用した吸収性物品7に対する使用感等に関するアンケートであってよい。所定アンケートは、例えば、むれ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ずれ、めくれ、余力(吸収性物品7の表示吸収目安に対する余力)等に関するアンケートであってよい。
【0060】
図6の下側には、ユーザ端末21のアンケート回答送信部214からサーバ31に送信される一例による送信データ602の説明図として、送信データ602に含まれてよい各種情報が示されている。所定アンケートに対する回答情報は、図6に示される、ユーザIDや、使用した吸収性物品7に係るパッドIDとともにサーバ31に送信されてよい。
【0061】
症状分析結果出力部215は、後述するようにサーバ31から送信される症状分析結果又はこれに関連する各種情報を出力(通知)する。症状分析結果等は、出力装置208を介して出力されてよい。症状分析結果等の出力方法の一例は、後出の図15を参照して後述する。
【0062】
受診勧奨出力処理部216は、後述するようにサーバ31から送信される受診勧奨情報の出力指示を受信すると、当該出力指示に応答して、受診勧奨情報を出力する。受診勧奨情報は、出力装置208を介して出力されてよい。受診勧奨情報は、医療機関での受診をユーザに促すための情報である。受診勧奨情報は、直接的に受診勧奨を行う情報であってもよいし、間接的に受診勧奨を行う情報であってもよい。例えば、間接的に受診勧奨を行う情報は、軽失禁に起因した同ユーザの活動低下状態を表す情報等であってもよい。受診勧奨情報の出力方法の一例は、後出の図16を参照して後述する。
【0063】
通知処理部218は、後述するようにサーバ31から送信される通知情報の出力指示を受信すると、当該出力指示に応答して、各種通知を行う。各種通知情報は、出力装置208を介して出力されてよい。各種通知の出力方法の一例は、後出の図14を参照して後述する。
【0064】
サーバ31は、ユーザデータ管理部310、ユーザデータ記憶部312と、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、測定データ記憶部320、分析処理部321、分析結果記憶部322、通知生成部324、及び受診勧奨出力処理部326を含む。
【0065】
ユーザデータ管理部310、測定データ取得部314、記憶処理部316、軽失禁イベント検出部317、軽失禁イベント情報生成部318、総吸収量情報生成部319、分析処理部321、通知生成部324、及び受診勧奨出力処理部326の各機能は、図3に示したサーバ31の制御部101が、記憶装置(例えば主記憶部102等)内のプログラムを実行することで実現できる。ユーザデータ記憶部312、測定データ記憶部320、及び分析結果記憶部322は、図3に示したサーバ31の記憶装置(例えば補助記憶部103)により実現できる。
【0066】
ユーザデータ管理部310は、情報処理システム1の各ユーザに係る各種基本情報を管理する。本実施例では、一例として、ユーザデータ管理部310は、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータを管理(生成や更新)する。例えば、ユーザデータ管理部310は、新たなユーザの初期登録の際、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータに、当該新たなユーザに係る各種基本情報を追加する。また、ユーザデータ管理部310は、登録済のユーザに係る各種基本情報の更新や変更等を行う。
【0067】
ユーザデータ記憶部312には、情報処理システム1の各ユーザに係るユーザデータが記憶される。図8に示す例では、ユーザデータ記憶部312内のユーザデータは、ユーザIDに対応付けられる態様で、ユーザ名、認証情報、年齢、性別、製品情報等を含む。製品情報は、ユーザが使用している吸収性物品7の種別(複数種類の製品のうちの、一の種類)を表す情報であってよい。なお、認証情報は、症状分析アプリAのログインの際のパスワード等の情報を含んでよい。
【0068】
測定データ取得部314は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(図6参照)を受信することで、送信データ600内の測定データを取得する。測定データ取得部314は、受信した測定データに対して、後述する分析処理部321による算出用の前処理を実行してもよい。かかる前処理は、フィルタリング処理等を含んでよい。
【0069】
記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ600(図6参照)を受信すると、送信データ600を測定データ記憶部320に記憶してよい。
【0070】
図9に示す例では、測定データ記憶部320内のデータは、パッドIDごとに、種別情報(図9には、「パッド種別」と表記)と、測定データと、時間情報と、行動関連情報と、総吸収量情報とを含む。測定データ記憶部320内のデータのうちの、総吸収量情報以外のデータ又は情報は、送信データ600内の同データ又は同情報に対応してよく、総吸収量情報は、後述する総吸収量情報生成部319により生成される。
【0071】
また、記憶処理部316は、上述したユーザ端末21から送信される送信データ602(図6参照)を受信すると、送信データ602(以下、アンケート回答情報)を測定データ記憶部320に記憶してよい。図10に示す例では、アンケート回答情報は、パッドIDごとに、蒸れ、かぶれ、下着への漏れ、におい、ズレ、めくれ、表示吸収目安に対する余力、及び取替理由を含む。なお、表示吸収目安に対する余力は、ユーザによる目視による判断に基づいてよい。
【0072】
また、記憶処理部316は、後述する分析処理部321がユーザの軽失禁に係る症状分析結果(例えば後述する所定パラメータの算出値)を生成すると、症状分析結果を分析結果記憶部322に記憶する。症状分析結果は、分析処理部321に関連して後述する。
【0073】
軽失禁イベント検出部317は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、吸収性物品7における体液の吸収イベントを検出する。本明細書では、吸収性物品7における体液の吸収イベントは、ユーザの軽失禁イベントに起因して生じることを想定しており、従って、以下では、吸収イベントを、軽失禁イベントとも称する。
【0074】
ところで、測定データは、軽失禁イベントに起因した液体(尿)に応じた特有の変化が発生する。軽失禁イベント検出部317は、かかる変化に基づいて、軽失禁イベントを検出できる。例えば、図7に示した測定データの場合、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、図7に示すような特有の変化を示す。具体的には、軽失禁イベントが発生すると、急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。この場合、軽失禁イベント検出部317は、急激な立ち上がりピークに基づいて、軽失禁イベントを検出できる。
【0075】
軽失禁イベント情報生成部318は、軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに係る軽失禁イベント情報を生成する。図12に示す例では、軽失禁イベント情報は、軽失禁イベントIDごとに、パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報、個別吸収量情報、吸収位置情報、及び態様情報を含む。
【0076】
この場合、パッドIDは、軽失禁イベントの際に利用していた吸収性物品7に付与されたパッドIDに対応し、日時情報及び場所情報は、軽失禁イベントの発生日時及び発生場所(例えば自宅や、外出先、職場)を表し、外部環境情報は、軽失禁イベントの発生時の外部環境を表す。パッドID、日時情報、場所情報、外部環境情報は、上述した送信データ600内の、対応する同情報に対応してよい。
【0077】
個別吸収量情報は、軽失禁イベントごとの吸収性物品7における体液の吸収量(以下、「個別吸収量」とも称する)を表す。
【0078】
ところで、測定データは、吸収性物品7における体液の吸収量(軽失禁イベントに起因した液体(尿)の量)に応じた特有の変化が発生する。従って、個別吸収量は、測定データに基づいて算出できる。すなわち、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、特有の変化を示す。軽失禁イベント情報生成部318は、かかる変化に基づいて、吸収性物品7における体液の吸収量を算出できる。なお、図7には、軽失禁イベントの発生タイミングが、EVT11からEVT15で示されている。
【0079】
具体的には、軽失禁イベントが発生すると、図7に示すように、測定データに係る測定値レベルが急激に立ち上がり、その後減少して、比較的変動が少ない値に収束する。この際、収束する値は、当該軽失禁イベントが発生する前の値よりも有意に大きい。このようにして、測定データに係る測定値レベルは、軽失禁イベントごとに、急激な立ち上がりピークを伴いつつ、増加していく。
【0080】
軽失禁イベントごとの測定データに係る測定値レベルの増加態様は、各軽失禁イベントにおける体液の吸収量(すなわち軽失禁に起因した体液の量)に相関する。このような相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに、試験結果に基づいて導出できる。軽失禁イベント情報生成部318は、このような相関関係に基づいて、軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出してよい。なお、相関関係は、吸収性物品7の種別ごとに異なりうるので、種別情報ごとに適合されてよい。
【0081】
また、軽失禁イベントごとの個別吸収量は、所定パラメータの各値を入力とする機械学習モデルに基づいて算出されてもよい。機械学習モデルは、教師付き及び教師無しで構成されたモデルのいずれであってもよい。例えば、機械学習モデルは、人工知能を利用して、測定データ又はその特徴量を入力して軽失禁イベントごとの個別吸収量を算出することも可能である。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、測定データを用いて、軽失禁イベントごとの個別吸収量に係る誤差が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習されてよい。
【0082】
態様情報は、どのような態様で軽失禁が発生したかを表す情報である。態様情報は、“ちょろちょろ”や“ある程度まとまって(ドバっと)”といった具合に、ユーザの感覚に基づく情報であってよい。この場合、態様情報は、上述した送信データ602(アンケート回答情報)に基づいて生成されてもよい。あるいは、態様情報は、ユーザからのアンケート回答情報に基づくことなく、個別吸収量の算出値に応じて生成されてもよい。例えば、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも小さい軽失禁イベントの場合に、比較的少量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよく、個別吸収量の算出値が所定閾値よりも大きい軽失禁イベントの場合に、比較的大量の軽失禁態様を表す態様情報が対応付けられてもよい。
【0083】
総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、パッドIDごとに、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出し、当該積算値を表す総吸収量情報を生成(更新)する。具体的には、総吸収量情報生成部319は、パッドIDごとに、軽失禁イベント情報生成部318により算出される個別吸収量を積算することで、吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を算出する。すなわち、総吸収量情報生成部319は、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて軽失禁イベント検出部317が一の軽失禁イベントを検出すると、当該一の軽失禁イベントに関して軽失禁イベント情報生成部318が算出した個別吸収量を前回値(初期値は0)に積算することで、吸収量の積算値を算出する。
【0084】
なお、測定データが比較的短い更新周期で更新される場合、軽失禁イベント検出部317により比較的短時間で軽失禁イベントを検出されるので、総吸収量情報生成部319は、図9に示した総吸収量情報を比較的短い更新周期で更新できる。この場合、図9に示した総吸収量情報は、実質的に現時点における吸収性物品7における体液の吸収量の積算値を表すことができる。図11には、横軸に時間を取り、縦軸を測定データに係る測定値レベルとした図7に示した測定データ1008とともに、縦軸を吸収量とした吸収量の積算値の時系列1010が模式的に示されている。図11において、軽失禁イベントの発生タイミングは、EVT11からEVT15で示されている。
【0085】
分析処理部321は、ユーザごとに、測定データ記憶部320内の測定データに基づいて、各ユーザの軽失禁に係る症状分析結果を生成する。症状分析結果は、ユーザの軽失禁の症状の診断結果(例えば医者が行う確定的な診断結果)とは異なるが、当該診断の補助となる分析結果を含んでもよい。症状分析結果は、測定データ記憶部320内の測定データに基づく統計的な分析結果を含んでよい。例えば、症状分析結果は、軽失禁イベントの頻度、軽失禁イベントあたりの吸収量(軽失禁による漏れ量)の平均値等を含んでよい。
【0086】
本実施例では、分析処理部321は、測定データ記憶部320に記憶された測定データに基づいて、ユーザの軽失禁の症状に係る所定パラメータの値を算出する。
【0087】
所定パラメータは、ユーザの軽失禁の症状の分析に利用可能な任意のパラメータであり、複数設定されてもよい。所定パラメータは、例えば、軽失禁イベント間の間隔(時間間隔)、軽失禁イベントの回数、日ごとの総吸収量、一の軽失禁イベントあたりの吸収量(排尿量)、吸収性物品7の取替回数、特定の時間帯(例えば夜間)での吸収性物品7の使用枚数又はこれらの類であってよい。
【0088】
所定パラメータは、好ましくは、所定パラメータの値の統計量を含む。例えば、所定パラメータは、上述した軽失禁イベント間の間隔等についての、特定期間にわたる移動平均等の統計量であってもよい。このような統計量は、複数の吸収性物品7(すなわち複数のパッドID)に係る測定データを利用して導出できる。
【0089】
分析処理部321は、好ましくは、同一属性の期間ごとに、測定データに基づいて、所定パラメータの値を算出してもよい。期間の属性は、冬期、夏期といった、季節に係る属性であってもよい。あるいは、期間の属性は、外部環境情報に基づく属性であってもよい。この場合、期間の属性は、気温が低い期間、気温が高い期間、天気が晴れの期間等を含んでよい。あるいは、期間の属性は、行動関連情報に基づく属性であってもよい。この場合、期間の属性は、自宅にいる期間、外出中の期間、仕事中の期間、通勤途中の期間、家事中の期間等を含んでよい。これにより、期間の属性ごとに症状分析結果を生成できる。
【0090】
あるいは、分析処理部321は、同一の種別の吸収性物品7が使用されている期間ごとに、測定データに基づいて、所定パラメータの値を算出してもよい。これにより、吸収性物品7の種別ごとに症状分析結果を生成できる。
【0091】
なお、分析処理部321は、所定パラメータの算出値の傾向(例えば期間ごとの変化態様)を、分析結果として更に生成してもよい。例えば、所定パラメータが、軽失禁イベント間の間隔である場合、間隔が短くなっているか、長くなってきているか等の傾向を、分析結果として更に生成してもよい。この場合、分析処理部321は、好ましくは、上述した同一属性の期間ごとの所定パラメータの算出値に基づいて、ユーザの軽失禁に係る傾向を分析してもよい。これにより、期間の属性ごとに傾向を分析できるので、症状分析結果の信頼性を高めることができる。
【0092】
また、分析処理部321は、ユーザごとに、所定パラメータの算出値の履歴に基づいて、所定パラメータの算出値の変化が改善傾向であるか否かを分析(判定)してもよい。また、分析処理部321は、ユーザごとに、1つ以上の所定パラメータの算出値に基づいて、軽失禁の症状をレベル分けしてもよい。例えば、所定パラメータが日ごとの軽失禁イベントの回数である場合、分析処理部321は、日ごとの軽失禁イベントの回数が増加するほどにレベルが高くなる態様で、軽失禁の症状をレベル分けしてもよい。また、同様に、所定パラメータが日ごとの総吸収量である場合、分析処理部321は、日ごとの総吸収量が増加するほどにレベルが高くなる態様で、レベル分けしてもよい。
【0093】
本実施例では、一例として、分析処理部321は、日ごとの各種所定パラメータの算出値に基づいて、100段階(1から100の間)の状態レベルを決定する。状態レベルは、数値が高いほど軽失禁の悩み度合いが大きいことを表してよい。なお、状態レベルを決定するために利用される各種所定パラメータは、上述した所定パラメータのうちの任意の1つ又は2つ以上の組み合わせであってよい。
【0094】
このようにして分析処理部321がユーザの軽失禁に係る症状分析結果(例えば所定パラメータの算出値)を生成すると、記憶処理部316は、症状分析結果を分析結果記憶部322に記憶する。図13には、一のユーザに係る症状分析結果の一例が示されている。図13では、上側に、日付ごとの症状分析結果の一例が示され、下側に、期間ごとの症状分析結果の一例が示されている。
【0095】
なお、分析処理部321による症状分析結果の生成タイミングは、任意であり、定期的又は不定期的であってよい。例えば、分析処理部321による症状分析結果の生成は、日ごとに実行されてもよいし、測定データが取得されるごとに実行されてもよい。
【0096】
通知生成部324は、測定データ記憶部320内のデータに基づいて、各種通知情報の出力指示を、対応するユーザに係るユーザ端末21に送信する。この場合、ユーザ端末21の通知処理部218は、出力指示に応答して各種通知を行う。なお、各種通知情報の通知は、プッシュ型であってもよいし、プル型であってもよい。また、各種通知情報の扱いの安全性を高めるために、ユーザによる認証情報の照合を条件として、各種通知情報のアクセス(閲覧)等が可能とされてもよい。
【0097】
図14は、各種通知情報の一例である総吸収量情報の出力方法の一例の説明図であり、ユーザ端末21の出力装置208としての表示部2081上の画面例を示す図である。
【0098】
図14に示す例では、総吸収量情報は、電池の残容量を模した表示により表現される。この場合、電池の残容量は、吸収性物品7の吸収量に対する余裕分(表示吸収目安に対する余力)を表してもよい。すなわち、電池の残容量の表示は、総吸収量情報の総吸収量が大きくなるほど、少なくなる態様で変化されてもよい。このようにして、軽失禁を示唆又は想起しない表示を利用して、総吸収量情報を通知することで、軽失禁に悩むユーザにとって安心感のある通知を実現できる。すなわち、万が一他人に見られても平気な通知を実現できる。
【0099】
なお、図14に示す例は、総吸収量情報の通知であるが、軽失禁を示唆又は想起しない表示を利用した通知は、他の各種通知にも適用されてよい。
【0100】
また、通知生成部324は、分析結果記憶部322内のデータに基づいて、症状分析結果をユーザに通知してよい。具体的には、通知生成部324は、症状分析結果又はこれに関連する各種情報を、対応するユーザに係るユーザ端末21に送信する。この場合、ユーザ端末21の症状分析結果出力部215は、症状分析結果又はこれらに関連する各種情報を出力(通知)する。なお、症状分析結果等の通知は、プッシュ型であってもよいし、プル型であってもよい。また、症状分析結果又はこれに関連する各種情報の扱いの安全性を高めるために、ユーザによる認証情報の照合を条件として、症状分析結果又はこれに関連する各種情報のアクセス(閲覧)等が可能とされてもよい。
【0101】
図15は、症状分析結果の出力方法の一例の説明図であり、ユーザ端末21の出力装置208としての表示部2081上の画面例を示す図である。
【0102】
図15に示す例では、特定期間ごとの状態レベルが棒グラフにより示されている。なお、表示部2081上の画面は、特定期間を変更可能なユーザインタフェース1500を有してよい。なお、表示部2081上の画面は、軽失禁や排尿等を示唆する表示や情報を含まないように形成されてよい。これにより、軽失禁に悩むユーザにとって安心感のある通知(表示)を実現できる。
【0103】
受診勧奨出力処理部326は、分析処理部321により算出された1つ以上の所定パラメータの値に基づいて、ユーザ端末21を介して、対応するユーザに受診勧奨情報を出力する。例えば、受診勧奨出力処理部326は、一のユーザに対して導出される状態レベルが所定閾値レベル(例えば75)を超えた場合に、対応するユーザに受診勧奨情報を出力する。
【0104】
例えば、受診勧奨出力処理部326は、対応するユーザのユーザ端末21に向けて受診勧奨情報の出力指示を送信することで、受診勧奨情報を出力してよい。この場合、上述したユーザ端末21の受診勧奨出力処理部216が受診勧奨情報の出力指示に応答して、受診勧奨情報を、対応するユーザに向けて出力する。
【0105】
図16は、受診勧奨情報の出力方法の一例の説明図であり、ユーザ端末21の出力装置208としての表示部2081上の画面例を示す図である。
【0106】
図16に示す例では、表示部2081には、プッシュ通知の形態で、モーダルウインドウW10が出力されている。モーダルウインドウW10は、「一度、医療機関での受診をおすすめします!」といったメッセージに加えて、受診予約のための医療機関へのアクセスを可能とするボタンB21等を含んでよい。例えば、ユーザがボタンB21を操作すると、表示部2081の画面は、所定の医療機関(例えば事前に登録した住所等に近い医療機関等)の予約画面に遷移してもよいし、所定のアドバイザーとの相談画面(例えば、チャット画面)に遷移してもよい。
【0107】
このような受診勧奨情報の出力方法によれば、軽失禁に悩まされるユーザも、受診すべき状態を自覚できるとともに、ボタンB21を介して容易に受診予約できる。これにより、軽失禁に起因して生じるユーザの負荷を軽減できる。
【0108】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例において、各ユーザに係る測定データや症状分析結果は、プライバシーを考慮した匿名のユーザのデータとして、医療機関での研究等に利用されてもよいし、吸収性物品7の開発等に利用されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 情報処理システム
4 ネットワーク
7 吸収性物品
21 ユーザ端末
31 サーバ
41 測定装置
210 測定データ取得部
212 測定データ送信部
213 行動関連情報生成/送信部
214 アンケート回答送信部
215 症状分析結果出力部
216 受診勧奨出力処理部(勧奨情報出力部の一例)
218 通知処理部
310 ユーザデータ管理部
312 ユーザデータ記憶部
314 測定データ取得部
316 記憶処理部
317 軽失禁イベント検出部
318 軽失禁イベント情報生成部
319 総吸収量情報生成部
320 測定データ記憶部
321 分析処理部
322 分析結果記憶部
324 通知生成部
326 受診勧奨出力処理部(勧奨情報出力部の一例)
410 センシング部
412 コネクタ
414 配線
420 通信モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16