(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109046
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】球面加工方法および球面加工装置
(51)【国際特許分類】
B23C 3/16 20060101AFI20230731BHJP
B23C 1/14 20060101ALI20230731BHJP
B23Q 17/22 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
B23C3/16
B23C1/14
B23Q17/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010418
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊津井 裕人
【テーマコード(参考)】
3C029
【Fターム(参考)】
3C029AA01
(57)【要約】
【課題】ワークの球面加工を行う際に、加工および測定を繰り返すことなく、所望の球面形状を得ることができる球面加工方法および球面加工装置を提供すること。
【解決手段】球面加工方法は、加工対象のワークの回転軸と、ワークを加工するツールの旋回軸との軸ずれ量を調整する工程と、調整後の軸ずれ量と、ワークに形成する球面の目標曲率半径とに基づいて、ツールを旋回軸回りに旋回させる際の旋回曲率半径を算出する工程と、回転軸回りにワークを回転させるとともに、旋回軸回りに旋回曲率半径でツールを旋回しながらワークに接触させることにより、ワークに球面を形成する工程と、を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象のワークの回転軸と、前記ワークを加工するツールの旋回軸との軸ずれ量を調整する工程と、
調整後の前記軸ずれ量と、前記ワークに形成する球面の目標曲率半径とに基づいて、前記ツールを前記旋回軸回りに旋回させる際の旋回曲率半径を算出する工程と、
前記回転軸回りに前記ワークを回転させるとともに、前記旋回軸回りに前記旋回曲率半径で前記ツールを旋回しながら前記ワークに接触させることにより、前記ワークに球面を形成する工程と、
を含む球面加工方法。
【請求項2】
前記旋回曲率半径を算出する工程は、
調整後の前記軸ずれ量のもとで、前記ツールに対して複数の旋回曲率半径を設定し、前記旋回曲率半径ごとの前記ツール先端の旋回軌跡を、前記軸ずれ量だけ前記旋回軸をずらして重ね合わせて合成旋回軌跡を、理論計算により算出する工程と、
前記旋回曲率半径ごとの前記合成旋回軌跡の近似曲率半径を算出し、旋回曲率半径と近似曲率半径との相関関係を導出する工程と、
前記相関関係に基づいて、前記ワークに形成する球面の近似曲率半径に対する前記旋回曲率半径を算出する工程と、
を含む請求項1に記載の球面加工方法。
【請求項3】
前記軸ずれ量を算出する工程は、
(a)前記ツールに所定の旋回曲率半径を設定する工程と、
(b)前記ツールによって前記ワークを加工する工程と、
(c)加工された前記ワークの形状を全面測定する工程と、
(d)測定結果をもとに近似曲率半径を算出する工程と、
(e)加工された前記ワークの形状のうち、前記回転軸で対称となる半面領域での球面形状を測定することにより、前記ツールの旋回曲率半径を算出する工程と、
(f)算出した近似曲率半径および旋回曲率半径を用いて、下記式(1)により、軸ずれ量bを算出する工程と、
(g)前記軸ずれ量を調整する工程と、
を含み、
前記軸ずれ量が所定値となるまで、(a)~(g)を繰り返す請求項1に記載の球面加工方法。
【数1】
【請求項4】
前記ツールは、ボールエンドミルである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の球面加工方法。
【請求項5】
加工対象のワークを保持して回転軸回りに回転駆動されるワークホルダと、
前記ワークホルダを、前記回転軸に対して平行に直線運動させるワーク移動機構と、
前記ワークを加工するツールを保持して回転駆動されるツールホルダと、
前記ツールホルダを、前記回転軸に対して平行または垂直、あるいは平行および垂直に直線運動させるツール移動機構と、
前記ツールホルダおよび前記ツール移動機構が取り付けられ、前記回転軸と直交する方向の旋回軸を有する旋回ベースと、
前記旋回ベースを、前記旋回軸回りに旋回させる旋回機構と、
前記回転軸と前記旋回軸との軸ずれ量を変化させる軸ずれ調整機構と、
前記軸ずれ量を算出する軸ずれ量算出手段と、
前記軸ずれ量のもとで、前記ワークに所望の曲率半径の球面を形成するための、前記ツールの旋回曲率半径を算出する旋回曲率半径算出手段と、
を備える球面加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球面加工方法および球面加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、所定の回転軸回りに回転させたワーク(レンズ研磨用砥石)に対して、ツール(円盤状砥石)の端面を接触させ、更にツール全体を旋回させることにより、ワークに球面を形成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示された技術では、例えば
図18に示すように、ワーク回転軸Awの位置(高さ)と、ツール131の旋回軸Acの位置(高さ)とが一致している場合、所望の球面形状を得ることができる。なお、同図の符号Pは、ツール131の加工点のことを示している。
【0005】
しかしながら、ワーク回転軸Awの位置と、ツール131の旋回軸Acの位置とが、わずか(例えばμm程度)でもずれると、加工後の形状が、例えば
図19に示すようなW形状、または
図20に示すようなV形状となってしまう。そのため、所望の球面形状からの外れ量が大きくなる。そのため、ワークの球面加工を行う際に、加工(試し加工)と、加工後の形状の測定とを繰り返さなければ、所望の球面形状を得ることができなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ワークの球面加工を行う際に、加工および測定を繰り返すことなく、所望の球面形状を得ることができる球面加工方法および球面加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る球面加工方法は、加工対象のワークの回転軸と、前記ワークを加工するツールの旋回軸との軸ずれ量を調整する工程と、調整後の前記軸ずれ量と、前記ワークに形成する球面の目標曲率半径とに基づいて、前記ツールを前記旋回軸回りに旋回させる際の旋回曲率半径を算出する工程と、前記回転軸回りに前記ワークを回転させるとともに、前記旋回軸回りに前記旋回曲率半径で前記ツールを旋回しながら前記ワークに接触させることにより、前記ワークに球面を形成する工程と、を含む。
【0008】
また、本発明に係る球面加工方法は、上記発明において、前記旋回曲率半径を算出する工程が、調整後の前記軸ずれ量のもとで、前記ツールに対して複数の旋回曲率半径を設定し、前記旋回曲率半径ごとの前記ツール先端の旋回軌跡を、前記軸ずれ量だけ前記旋回軸をずらして重ね合わせて合成旋回軌跡を、理論計算により算出する工程と、前記旋回曲率半径ごとの前記合成旋回軌跡の近似曲率半径を算出し、旋回曲率半径と近似曲率半径との相関関係を導出する工程と、前記相関関係に基づいて、前記ワークに形成する球面の近似曲率半径に対する前記旋回曲率半径を算出する工程と、を含む。
【0009】
また、本発明に係る球面加工方法は、上記発明において、前記軸ずれ量を算出する工程が、(a)前記ツールに所定の旋回曲率半径を設定する工程と、(b)前記ツールによって前記ワークを加工する工程と、(c)加工された前記ワークの形状を全面測定する工程と、(d)測定結果をもとに近似曲率半径を算出する工程と、(e)加工された前記ワークの形状のうち、前記回転軸で対称となる半面領域での球面形状を測定することにより、前記ツールの旋回曲率半径を算出する工程と、(f)算出した近似曲率半径および旋回曲率半径を用いて、下記式(1)により、軸ずれ量bを算出する工程と、(g)前記軸ずれ量を調整する工程と、を含み、前記軸ずれ量が所定値となるまで、(a)~(g)を繰り返す。
【数1】
【0010】
また、本発明に係る球面加工方法は、上記発明において、前記ツールが、ボールエンドミルである。
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る球面加工装置は、加工対象のワークを保持して回転軸回りに回転駆動されるワークホルダと、前記ワークホルダを、前記回転軸に対して平行に直線運動させるワーク移動機構と、前記ワークを加工するツールを保持して回転駆動されるツールホルダと、前記ツールホルダを、前記回転軸に対して平行または垂直、あるいは平行および垂直に直線運動させるツール移動機構と、前記ツールホルダおよび前記ツール移動機構が取り付けられ、前記回転軸と直交する方向の旋回軸を有する旋回ベースと、前記旋回ベースを、前記旋回軸回りに旋回させる旋回機構と、前記回転軸と前記旋回軸との軸ずれ量を変化させる軸ずれ調整機構と、前記軸ずれ量を算出する軸ずれ量算出手段と、前記軸ずれ量のもとで、前記ワークに所望の曲率半径の球面を形成するための、前記ツールの旋回曲率半径を算出する旋回曲率半径算出手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る球面加工方法および球面加工装置では、軸ずれ量とワークに形成する球面の曲率半径とに基づいて旋回曲率半径を算出することができる。そのため、ワークの球面加工を行う際に、加工および測定を繰り返すことなく、所望の球面形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置において、軸ずれ量、旋回RおよびFitRの定義を説明するための説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の軸ずれ調整工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の軸ずれ調整工程において、軸ずれ量、旋回RおよびFitRの関係を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の軸ずれ調整工程において、旋回Rと係数との相関関係を示すグラフである。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の旋回R算出工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の旋回R算出工程において、旋回RとFitRとの相関関係を示すグラフである。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法の旋回R算出工程において、旋回RとFitRずれ量との相関関係を示すグラフである。
【
図10】
図10は、本発明の実施の形態に係る球面加工方法のツール位置算出工程の詳細を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、ツール位置算出工程において用いる数式の各パラメータを説明するための図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置のツールの第一の変形例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置のツールの第二の変形例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置のツールの第三の変形例を示す図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置によって凸面加工を行う場合の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置において、ツールの旋回を第2象限区間のみとする場合の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施の形態に係る球面加工装置において、ツールの旋回を第2象限区間、第3象限区間とする場合の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、ツールによるワークの球面加工において、ワークの回転軸の位置と、ツールの旋回軸の位置とが一致しており、所望の球面形状を得られる場合の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、ツールによるワークの球面加工において、ワークの回転軸の位置と、ツールの旋回軸の位置とがずれているため、球面形状がW形状となった場合の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、ツールによるワークの球面加工において、ワークの回転軸の位置と、ツールの旋回軸の位置とがずれているため、球面形状がV形状となった場合の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、球面形状がW形状となった場合における旋回RとFitRの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る球面加工方法および球面加工装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、以下の実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものも含まれる。
【0015】
ここで、従来の球面加工方法では、加工後のワークWの形状が、例えばW形状(
図19参照)となると、
図21に示すように、ツール13の旋回曲率半径(以下、「旋回R」という)が設定値に等しくても、加工後のワークWの出来栄えを表す指標である近似曲率半径(以下、「FitR」という)は、所望の値から外れてしまう。
【0016】
なお、「旋回R」とは、加工点Pと旋回軸Acとの間の距離のことを示している。また、「FitR」とは、曲線の曲がり具合を円に近似した際の曲率半径(フィッティング曲率半径)のことであり、例えば加工後のワークWの形状から測定した複数のデータ点列から、最小二乗法等を用いて算出される。また、FitRとワークWの実際の加工面とのずれ量の最大値のことを、「PV(Peak of Valley)値」という。
【0017】
ワーク回転軸Awの位置と、ツール131の旋回軸Acの位置とを完全に一致させることは一般的に困難であり、例えば数μm程度の誤差は避けることができない。そのため、加工後のワークWの形状は、完全な球面からは外れた形状に仕上がり、結果としてFitRが所望の値(曲率半径)からずれてしまう。
【0018】
また、ツール131の旋回Rを初期の設定値からどの程度変化させれば、FitRを所望の値にできるのかが不明であるため、実際の加工時にワークWの加工と測定を繰り返して最適な旋回Rを導き出す必要があった。そこで、本発明に係る球面加工方法および球面加工装置では、実際の加工時にワークWの加工と測定を繰り返すことなく、最適な旋回Rを導き出すことができる手法を提供する。
【0019】
(球面加工装置)
本発明の実施の形態に係る球面加工装置について、
図1および
図2を参照しながら説明する。球面加工装置は、ワークWの加工を行うためのものである。球面加工装置は、ワークWに対して凹面加工、凸面加工のいずれも行うことが可能である。本実施の形態では、凹面加工を行う場合を主に想定して説明を行う。
【0020】
球面加工装置1は、
図1に示すように、ワークホルダ11と、ワーク移動機構12と、ツール13と、ツールホルダ14と、ツール移動機構15,16と、旋回ベース17と、旋回機構18と、軸ずれ調整機構19と、制御装置20と、を備えている。
【0021】
ワークホルダ11は、加工対象のワークWを保持するためのものである。このワークホルダ11は、ワークWを保持した状態で、ワーク回転軸Aw回りに回転駆動される。また、ワークWは、例えば砥石により構成される。ワーク移動機構12は、ワークホルダ11を、ワーク回転軸Awに対して平行(Wx軸方向)に直線運動させる。
【0022】
ツール13は、ワークWを加工するためのものである。このツール13は、例えば先端が球面状に形成されたボールエンドミルにより構成される。ツールホルダ14は、ツール13を保持するためのものである。このツールホルダ14は、ツール13を保持した状態で、ツール回転軸At回りに回転駆動される。また、ツールホルダ14は、例えばワーク回転軸Awとツール回転軸Atとのなす角(鋭角)が40°となるように取り付けられている。また、この状態でワーク回転軸Awとツール移動機構15とが平行であるときの位置関係を、「旋回角度0°」とし、右回りを正とする。
【0023】
ツール移動機構15は、ツールホルダ14を、ツール回転軸Atに対して平行(x軸方向)に直線運動させる。ツール移動機構16は、ツールホルダ14を、ツール回転軸Atに対して垂直(y軸方向)に直線運動させる。
【0024】
旋回ベース17には、ツールホルダ14およびツール移動機構15,16が取り付けらえている。また、この旋回ベース17は、ワーク回転軸Awおよびツール回転軸Atと直交する旋回軸Acを有している。旋回機構18は、旋回ベース17を、旋回軸Ac回りに旋回させる。軸ずれ調整機構19は、ワークWを、Wy軸方向に移動させることにより、ワーク回転軸Awと、旋回軸Acとの軸ずれの量(以下、「軸ずれ量」という)を変化させる。なお、「軸ずれ」とは、
図1において、ワーク回転軸Awと旋回軸Acとの間の、Wy軸方向における位置(高さ)のずれのことを示している。
【0025】
制御装置20は、例えばパーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現される。この制御装置20は、例えばCPU(Central Processing Unit)等からなるプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等からなるメモリ(主記憶部)等を主要構成部品としている。
【0026】
制御装置20は、球面加工装置1において、軸ずれ量算出手段および旋回曲率半径算出手段として機能する。軸ずれ量算出手段は、ワーク回転軸Awと旋回軸Acとの軸ずれ量を算出する。また、旋回曲率半径算出手段は、軸ずれ調整機構19が調整した調整後の軸ずれ量のもとで、ワークWに所望の曲率半径の球面を形成するための、ツール13の旋回Rを算出する。なお、「所望の曲率半径」とは、ワークに形成する球面の目標曲率半径のことであり、具体的にはFitRのことを示している。
【0027】
ここで、球面加工装置1では、以下のような手順で、ワークWを加工する際のツール13の旋回Rを算出する。
(1)軸ずれ調整機構19により、
図2に示すように、軸ずれ量が所定値(例えば1μm)となるように調整する。
(2)軸ずれ量が(1)で調整した所定値である前提のもとで、所定の旋回RでワークWを加工し、当該旋回Rに対応するFitRを算出する。なお、FitRは、加工後のワークWの球面について測定した複数のデータ点列から、最小二乗法等などを用いて算出される。
(3)旋回Rの値を変えながら、上記(2)を繰り返す。
(4)算出した際の旋回Rをx軸、FitRをy軸にプロットしたグラフから、旋回RとFitRとの相関関係を示す相関式を導出する。
(5)導出した相関式に基づいて、狙いの径、すなわち所望のFitRに対応する旋回Rを算出する。
【0028】
なお、上記(4)では、旋回RとFitRずれ量との相関関係を求めてもよい。なお、「FitRずれ量」とは、旋回RとFitRとの差のことを示している。この場合、算出した際の旋回Rをx軸、FitRずれ量をy軸にプロットしたグラフから、旋回RとFitRずれ量との相関関係を示す相関式を導出する。そして、上記(5)において、導出した相関式に基づいて、狙いの径を旋回Rとして設定した際に、対応するFitRずれ量を算出する。そして、旋回RにFitRずれ量を反映させることにより(例えば旋回RからFitRずれ量を差し引いて)、所望のFitRに対応する旋回Rを算出する。
【0029】
(球面加工方法)
本発明の実施の形態に係る球面加工方法について、
図3~
図10を参照しながら説明する。球面加工方法では、
図3に示すように、軸ずれ調整工程(ステップS1)と、旋回R算出工程(ステップS2)と、ツール位置算出工程(ステップS3)と、球面加工工程(ステップS4)と、球面測定工程(ステップS5)と、を実施する。
【0030】
また必要に応じて、球面測定工程(ステップS5)の後に、測定したワークWの非球面度が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する工程(ステップS6)、形状の異なるワークの加工に移るための加工図番(旋回R)の変更があるか否かを判定する工程(ステップS7)、連続加工を継続するか否かを判定する工程(ステップS8)を実施する。そして、ステップS6で肯定判定がなされた場合は軸ずれ調整工程(ステップS1)に戻り、ステップS7で肯定判定がなされた場合は旋回R算出工程(ステップS2)に戻り、ステップS8で肯定判定がなされた場合はツール位置算出工程(ステップS3)に戻り、各工程を再度実施する。以下、各ステップの詳細について説明する。
【0031】
<軸ずれ調整工程>
軸ずれ調整工程(ステップS1)の詳細について、
図4~
図6を参照しながら説明する。
図4は、軸ずれ調整工程の具体的な手順を示している。
【0032】
まず、ワークWをワークホルダ11に取り付け、ツール13をツールホルダ14に取り付ける(ステップS11)。続いて、ツール13に所定の旋回Rを設定し、当該旋回Rに設定されたツール13によってワークWを加工する(ステップS12)。ステップS12の加工は、いわゆる予備加工(試し加工)に相当する。
【0033】
続いて、加工後の球面形状を全面的に測定する(ステップS13)。続いて、測定した複数のデータ点列から、最小二乗法等を用いてFitRを算出する(ステップS14)。続いて、加工されたワークWの形状のうち、ワーク回転軸Awで対称となる半面領域での球面形状を測定することにより、ツール13の旋回Rを算出する(ステップS15)。
【0034】
続いて、算出した旋回RおよびFitRを用いて、ワーク回転軸Awと旋回軸Acとの軸ずれ量を算出する(ステップS16)。ステップS16では、予め導出しておいた下記式(1)の軸ずれ推定式に基づいて、軸ずれ量bを算出する。
【0035】
【0036】
上記式(1)の軸ずれ推定式の導出方法について、
図5および
図6を参照しながら説明する。まず、旋回Rを算出する際の手順(上記(1)~(3))と同様に、ツール13の旋回Rの値を変えながら、任意の軸ずれ量を与えたときのFitRをそれぞれ算出する。なお、FitRを算出する際の設定径は、半球(D/R=2)を満たすように設定する。
【0037】
続いて、各旋回RにおけるFitRずれ量(FitR-旋回R)と、軸ずれ量との比(係数α)を求める。その結果、軸ずれ量は、「(FitR-旋回R)/(軸ずれ量)≒1.45」により近似できることがわかる。従って、例えば
図5に示すように、上半分の曲率半径、つまりツール13の旋回Rと、有効径全体に亘ってのFitRと、ワーク回転軸Awおよび旋回軸Ac間の軸ずれ量bとが設定されたとき、上記式(1)の関係が成立する。なお、同図において、「Rs」は、旋回Rのことを示している。
【0038】
このように、加工したワークWの形状や、机上における設定形状から、旋回RとFitRを求めることにより、軸ずれ量bを容易に求めることが可能となる。
【0039】
なお、係数αは、旋回Rによって多少変わるため、より厳密に係数αを求める場合、例えば以下のような手順で求めることができる。まず、旋回Rを算出する際の手順(上記(1)~(3))と同様に、ツール13の旋回Rの値を変えながら、任意の軸ずれ量を与えたときのFitRをそれぞれ算出する。なお、FitRを算出する際の設定径は、半球(D/R=2)を満たすように設定する。
【0040】
続いて、各旋回RにおけるFitRずれ量(FitR-旋回R)と、軸ずれ量との比(係数α)を求める。続いて、例えば
図6に示すように、複数の旋回Rをx軸、係数αをy軸にプロットしたグラフから、旋回Rと係数αとの相関関係を示す相関式を導出する。続いて、導出した相関式に基づいて、所定の旋回Rにおける係数αを算出し、「軸ずれ量b=(FitR-旋回R)×係数α」により、軸ずれ量bを算出する。以下、
図4のステップS17以降の手順について、説明を継続する。
【0041】
ステップS16で軸ずれ量を算出した後、球面加工装置1のキャリブレーションとして、軸ずれ調整機構19を用いて、軸ずれ量が所定値(例えば1μm)となるまでワークWをWy軸方向に移動させて、軸ずれを調整する(ステップS17)。続いて、ツール13の旋回RでワークWを加工し、残りの軸ずれ量を算出する(ステップS18)。そして、軸ずれ調整工程では、軸ずれ量が所定値となるまで、ステップS12~S18を繰り返す。
【0042】
このように、軸ずれ調整工程では、直接測定することが困難である軸ずれ量を、予め導出した相関式から容易に算出することができる。また、軸ずれ量を算出しながら、当該軸ずれ量が所定値となるまで追い込むことにより、PV値によって評価されるワークWの非球面度を改善することが可能となる。
【0043】
なお、軸ずれ量調整工程では、例えば加工したワークWの形状を測定してから軸ずれ量を把握し、必要な補正を行った上で適度な軸ずれ量まで追い込むことも想定される。この場合、例えば以下のような手順で軸ずれの調整を行うことができる。
【0044】
まず、上記の手順により、係数αまたは相関式(
図6参照)を求めておく。続いて、ツール13によってワークWを加工し、加工時のツール13の旋回Rを測定する。続いて、当該旋回Rに対応するFitRを算出する。続いて、上記の旋回Rに対応する係数αを相関式(
図6参照)から算出し、「軸ずれ量b=(FitR-旋回R)×係数α」により、軸ずれ量bを算出する。
【0045】
続いて、算出した軸ずれ量bが、所望の値(例えば1μm)よりも大きい場合、軸ずれ調整機構19を用いて、軸ずれが小さくなる方向に調整する。そして、軸ずれ量bが所望の値となるまで、軸ずれ量bの算出および調整を繰り返す。このような手順で軸ずれの調整を行うことにより、例えば機械的なバックラッシュ、センサー誤差等が存在する場合においても、軸ずれの調整を精度よく行うことが可能となる。
【0046】
<旋回R算出工程>
旋回R算出工程(ステップS2)の詳細について、
図2、
図7~
図9を参照しながら説明する。旋回R算出工程では、軸ずれ調整工程で調整後の軸ずれ量と、ワークWに形成する球面の目標曲率半径(すなわちFitR)とに基づいて、旋回Rを算出する。
図7は、旋回R算出工程の具体的な手順を示している。
【0047】
まず、所定の軸ずれ量、旋回Rにおけるツール13の旋回軌跡の点列データを作成する(ステップS21)。ステップS21では、例えば軸ずれ量が所定値(例えば1μm)であるという前提のもとで、ツール13に対して複数の旋回Rを設定し、当該旋回Rごとに、ツール13によってワークWを加工する。すなわち、所定の旋回Rに設定したツール31によってワークWを加工した後、旋回Rの設定変更とワークWの加工とを繰り返し実施する。そして、加工されたワークWの形状をそれぞれ全面的に測定することにより、旋回Rごとの点列データを作成する。
【0048】
ステップS21では、例えば旋回Rを1.5mm、2.0mm、3.0mm、4.0mmとした場合の4つの点列データを作成する。これらの点列データは、球面深さがそれぞれ異なる場合のツール13の旋回軌跡を示している。
【0049】
また、ステップS21では、ワークWの加工を行わずに旋回Rごとの点列データを取得することも可能である。例えば軸ずれの方向によって加工後のワークWの形状がW形状(
図19参照)であると想定できる場合は、
図2に示した旋回軌跡2の第2象限の点列データと、旋回軌跡1の第3象限の点列データとを合成した点列データを合成旋回軌跡として幾何学的な計算により作成することができる。一方、例えば加工後のワークWの形状がV形状(
図20参照)である場合は、
図2に示した旋回軌跡1の第2象限の点列データと旋回軌跡2の第3象限の点列データとを合成した点列データを合成旋回軌跡として作成する。この場合は、ワークWの旋回Rごとの加工自体が不要となり、理論的にツールの軌跡を算出することが可能となるため、ワークWを無駄に消費する必要なしに、様々な旋回Rについての点列データの取得が容易にできる。
【0050】
続いて、最小二乗法等を用いて、ステップS21で作成した各点列データから、旋回RごとのFitRをそれぞれ算出する(ステップS22)。続いて、旋回RとFitRとの相関式を算出する(ステップS23)。ステップS23では、例えば
図8に示すように、旋回Rをx軸、FitRをy軸にプロットしたグラフから、複数の旋回Rと複数のFitRとの相関関係を示す相関式を導出する。なお、同図のグラフおよび相関式は、ワークWに対して凹面加工を行う場合を想定しており、ワークWに対して凸面加工を行う場合は、同図とは異なるグラフおよび相関式となる。
【0051】
続いて、ステップS23で算出した相関式を用いて、所定の軸ずれ量(例えば1μm)を許容した上での、狙いのFitRを満たす旋回R(ワークWに形成する球面の曲率半径に対する旋回R)を算出する(ステップS24)。
【0052】
このように、旋回R算出工程では、ワーク回転軸Awに対する旋回軸Acの軸ずれによって発生する旋回RとFitRとの関係性を予め算出しておくことにより、所望のFitRとなるツール13の旋回Rを推測することが可能となる。これにより、加工したワークWの形状の測定を行うことなく、ツール13の最適な旋回Rを設定することができる。従って、加工および測定を繰り返すことなく、所望の球面形状を高精度に得ることができる。
【0053】
なお、ステップS23では、旋回RとFitRとの相関関係を示す相関式を導出したが、旋回RとFitRずれ量(旋回RとFitRとの差)との相関関係を示す相関式を導出してもよい。この場合、例えば
図9に示すように、旋回Rをx軸、旋回RとFitRとの差であるFitRずれ量をy軸にプロットしたグラフから、旋回RとFitRずれ量との相関関係を示す相関式を導出する。続いて、この相関式を用いて、狙いの径を旋回Rとして設定した場合のFitRずれ量を算出する。そして、例えば旋回RからFitRずれ量を差し引くことにより、旋回Rを算出する。
【0054】
例えば
図9に示した例では、最初に設定した旋回Rの値(設定値)が「2mm」である場合、同図の矢印で示すように、FitRずれ量は「0.00361mm」となる。そのため、補正後の旋回Rは、「2-0.00361=1.9964mm」となる。このように、最初に設定した旋回Rの値に対して、FitRずれ量を反映させることにより、旋回Rの設定値を補正する。
【0055】
<ツール位置算出工程>
ツール位置算出工程(ステップS3)の詳細について、
図10および
図11を参照しながら説明する。
図10は、ツール位置算出工程の具体的な手順を示している。また、
図11は、ツール位置算出工程において用いる数式の各パラメータを説明するための図である。
【0056】
まず、ツール13のy軸方向にずらす任意の値、すなわちツール13のy軸上における位置(以下、「y軸位置」という)を決定する(ステップS31)。続いて、ステップS31で決定したy軸位置からワークWの加工終了位置までの旋回角度補正量を算出する。ステップS31では、例えば下記式(2)により、旋回角度補正量θを算出する(ステップS32)。
【0057】
【0058】
なお、上記式(2)のR(旋回R)は、旋回R算出工程で算出した旋回R(
図7のステップS24参照)を用いる。
【0059】
続いて、ステップS31で決定したy軸位置において、狙いのFitRを満たす旋回Rとなるツール13のx軸上における位置(以下、「x軸位置」という)の補正量を算出する(ステップS33)。ステップS33では、例えば下記式(3)により、x軸位置の補正量を算出する。
【0060】
【0061】
このように、ツール位置算出工程では、旋回軸Acからツール13の加工点までの距離が、旋回R算出工程で算出した旋回R(
図7のステップS24参照)と一致するように、ツール13をx軸方向およびy軸方向に移動させる。このとき、まずy軸位置を算出した旋回Rの旋回軌跡の任意の点に乗るように調整し、そのy軸位置におけるx軸位置を算出し、調整を行う。このように、ワークWの加工ごとに任意のy軸位置を変更することにより、狙いの旋回Rを維持しながら、ツール13の偏摩耗を抑制することができる。
【0062】
<球面加工工程>
球面加工工程(
図3のステップS4)では、ワーク回転軸Aw回りにワークWを回転させるとともに、旋回軸Ac回りに、かつステップS2で算出した旋回Rでツール13を旋回しながらワークWに接触させることにより、ワークWに球面を形成する。
【0063】
<球面測定工程>
球面測定工程(
図3のステップS5)では、加工後のワークWの形状を測定し、ステップS6以降の判定に移行する。
【0064】
(変形例)
本発明の実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置の変形例について、
図12~
図17を参照しながら説明する。
【0065】
図12に示した球面加工装置では、ツール13の代わりに、ツール13Aを用いてワークWの加工を行う。このツール13Aは、例えばラジアスエンドミルにより構成される。このようなラジアスエンドミルからなるツール13Aを用いた場合においても、実施の形態と同様の球面加工方法を実施することが可能である。
【0066】
図13に示した球面加工装置では、ツール13の代わりに、ツール13Bを用いてワークWの加工を行う。このツール13Bは、例えば円柱形状(中空形状)工具により構成される。このような円柱形状工具からなるツール13Bを用いた場合においても、実施の形態と同様の球面加工方法を実施することが可能である。
【0067】
図14に示した球面加工装置では、ツール13の代わりに、ツール13Cを用いてワークWの加工を行う。このツール13Cは、例えば電着ダイヤモンドバーにより構成される。このような電着ダイヤモンドバーからなるツール13Cを用いた場合においても、実施の形態と同様の球面加工方法を実施することが可能である。
【0068】
図15は、実施の形態に係る球面加工装置により、ワークWの凸面加工を行う場合の例を示している。凸面加工では、凹面加工と同様に、所望のFitRとなる旋回Rとなるように、ツール13を移動させる。このとき、ツール13は、x軸方向が正となる方向に移動させる。凸面加工では、凹面加工と異なり、ボールエンドミルからなるツール13の先端の曲率半径に制限がなく、加工する球面形状に左右されないという特徴がある。
【0069】
図16は、実施の形態に係る球面加工方法において、ツール13を第2象限区間のみで旋回させて加工を行う場合の例を示している。なお、同図では、ワークWの凹面加工を行う場合を示しているが、例えば凸面加工を行う場合は、ツール13を第4象限区間のみで旋回させて加工を行えばよい。
【0070】
図17は、実施の形態に係る球面加工方法において、ツール13を第2象限区間および第3象限区間で旋回させて加工を行う場合の例を示している。なお、同図では、ワークWの凹面加工を行う場合を示しているが、例えば凸面加工を行う場合は、ツール13を第1象限区間および第4象限区間で旋回させて加工を行えばよい。
【0071】
以上説明した本実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置では、ワークWを回転させるとともに、所望の曲率半径でツール13を旋回させることにより、ワークWに球面を形成する際に、軸ずれを所定値まで抑える工程(軸ずれ調整工程)と、予備加工によるワークWの形状の測定結果から得られる旋回RとFitRとの相関関係に基づいて、ツール13の旋回Rを算出する工程(旋回R算出工程)と、上記の相関関係から、所望のFitRとなるツール13の位置を算出して調整する工程(ツール位置算出工程)とを実施する。これにより、PV値を小さく抑えたまま、適切なFitRとなる球面形状を効率よく得ることができる。
【0072】
また、ワーク回転軸Awと旋回軸Acとの間に軸ずれがあると、ワークWの形状が、旋回Rの設定値からずれた球面となってしまう。一方、本実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置では、所望のFitRにするために必要な旋回Rを適切に設定する工程を実施することにより、所望の曲率半径の球面形状を得ることができる。
【0073】
また、本実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置では、軸ずれ量とワークWに形成する球面の曲率半径(FitR)とに基づいて旋回Rを算出することができる。そのため、ワークWの球面加工を行う際に、加工および測定を繰り返すことなく、所望の球面形状を得ることができる。
【0074】
また、ワークWを加工するツールとして、例えば従来の砥石、スローアウェイチップによるフライス等を用いる場合、凸面加工のみに限定されてしまう。一方、本実施の形態に係る球面加工方法および球面加工装置では、ツール13として、先端が球状に形成されたボールエンドミルを用いることにより、凸面加工のみならず、凹面加工(
図15参照)も行うことが可能となる。なお、ボールエンドミルの先端の曲率半径は、加工したい球面形状の半径よりも小さいことが必要であることは言うまでもない。
【0075】
更に、ツール13の旋回Rを所定値としたまま、
図11に示すように、ボールエンドミルのx軸位置およびy軸位置を変えることにより、ツール13のワークWへの接触点を変えることが可能である。そのため、複数のワークWの加工を繰り返し行う場合であっても、ツール13(ボールエンドミル)の接触点を適宜変更することにより、局所的な摩耗を抑制し、ツール13の寿命を実質的に伸ばすことが可能となる。
【0076】
以上、本発明に係る球面加工方法および球面加工装置について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0077】
1 球面加工装置
11 ワークホルダ
12 ワーク移動機構
13,13A,13B,13C ツール
14 ツールホルダ
15,16 ツール移動機構
17 旋回ベース
18 旋回機構
19 軸ずれ調整機構
20 制御装置
Ac 旋回軸
At ツール回転軸
Aw ワーク回転軸
P 加工点
W ワーク