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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023109076
(43)【公開日】2023-08-07
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
A63F7/02 326C
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022010463
(22)【出願日】2022-01-26
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(74)【代理人】
【識別番号】110001645
【氏名又は名称】弁理士法人谷藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角本 大樹
(72)【発明者】
【氏名】中筋 慶
(72)【発明者】
【氏名】上野 瑛祐
(72)【発明者】
【氏名】和田 悟
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088DA23
2C088EA08
(57)【要約】
【課題】遊技機前側に配置した装飾手段に関し、大型化しても重量化を抑制でき、しかもデザインの自由度が高く、異なる機種間での一部共通化が容易な遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機本体の前部に装飾手段82を備え、装飾手段82は、任意の装飾が施された薄板状の装飾シート82aと、その装飾シート82aをその外周部に沿って支持する支持手段82bとを有する遊技機で、装飾シート82aの外周部は、支持手段82bにより支持される支持外周部161,162と、支持手段82bにより支持されない非支持外周部163とで構成されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機本体の前部に装飾手段を備え、
前記装飾手段は、任意の装飾が施された薄板状の装飾シートと、該装飾シートをその外周部に沿って支持する支持手段とを有する
遊技機において、
前記装飾シートの前記外周部は、前記支持手段により支持される支持外周部と、前記支持手段により支持されない非支持外周部とで構成される
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技機本体の前面側に様々な装飾手段が配置されている。また最近では、前側上部の装飾手段を、遊技機本体の本来の上端を大きく超えて前斜め上方に張り出すように配置するなど、見栄えの向上やより大きなインパクトを求めて装飾手段が巨大化する傾向にある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-153203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように遊技機前側に巨大な装飾手段を配置した従来の遊技機は、確かに見栄えの向上や遊技者に与えるインパクトの面で利点がある一方、極端な大型化や重量化を原因とする問題点も多い。即ち、遊技機前側の装飾手段が大型化、重量化したことによって遊技機本体に対してより高い強度が求められ、それによって制作コストが増加するだけでなく、運搬費用の上昇、機種入れ替え時の作業負担の増加、固定用の釘が多数必要になることによる島設備の劣化等、数多くの問題点が指摘されている。
また、上記のような従来の遊技機では、装飾手段の一部のみを変更してもデザインや雰囲気を大きく変えることは難しく、異なる機種間での装飾手段の一部共通化によるコスト削減も困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機前側に配置した装飾手段に関し、大型化しても重量化を抑制でき、しかもデザインの自由度が高く、異なる機種間での一部共通化が容易な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技機本体の前部に装飾手段を備え、前記装飾手段は、任意の装飾が施された薄板状の装飾シートと、該装飾シートをその外周部に沿って支持する支持手段とを有する遊技機において、前記装飾シートの前記外周部は、前記支持手段により支持される支持外周部と、前記支持手段により支持されない非支持外周部とで構成されるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、遊技機前側に配置した装飾手段に関し、大型化しても重量化を抑制でき、しかもデザインの自由度が高く、異なる機種間での一部共通化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係るパチンコ機の全体正面図である。
図2】同パチンコ機の全体側面図である。
図3】同パチンコ機の分解斜視図である。
図4】同パチンコ機のガラス扉の分解斜視図である。
図5】同パチンコ機のサイドユニットの正面図である。
図6】同パチンコ機のサイドユニットの右側面図である。
図7】同パチンコ機のサイドユニットの左側面図である。
図8】同パチンコ機のサイドユニットの平面図である。
図9】同パチンコ機のサイドユニットの分解斜視図である。
図10】同パチンコ機のサイドユニットにおける上装飾手段の分解斜視図である。
図11】同パチンコ機のサイドユニットにおける装飾シート及び第2支持手段の分解斜視図である。
図12】同パチンコ機のサイドユニットにおける第2支持手段の分解斜視図である。
図13】同パチンコ機の解除キーの正面図及び平面図である。
図14】同パチンコ機のサイドユニットにおける右装飾手段の要部平面断面図である。
図15】同パチンコ機のサイドユニットにおける右装飾手段の要部平面断面図である。
図16】同パチンコ機のサイドユニットにおける第2装飾体の分解斜視図である。
図17】同パチンコ機のサイドユニットにおける第2装飾体のロック機構を示す側面断面図である。
図18】同パチンコ機における装飾シートと第2装飾体の取り付け手順の前半を示す説明図である。
図19】同パチンコ機における装飾シートと第2装飾体の取り付け手順の後半を示す説明図である。
図20】同パチンコ機における装飾シートと第2装飾体の取り外し手順の要部を示す説明図である。
図21】本発明の第2の実施形態に係るパチンコ機のサイドユニットの正面図である。
図22】同パチンコ機のサイドユニットの右側面図である。
図23】同パチンコ機の第3装飾体における装飾支持部の分解斜視図である。
図24】同パチンコ機のサイドユニットにおける第3装飾体のロック機構を示す側面断面図である。
図25】本発明の第3の実施形態に係るパチンコ機のサイドユニットの左側面図である。
図26】同パチンコ機のサイドユニットの斜視図である。
図27】同パチンコ機のサイドユニットにおける第2装飾シートとその支持構造の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1図20は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1図3において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4の反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0009】
前枠3は、内枠6と、その内枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して内枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって内枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。
【0010】
施錠手段5は、前枠3の開閉端側(右端側)近傍における上下方向所定位置、例えば下部側に前向きに配置された鍵穴5aを備えており、この鍵穴5aに専用の解除キー9を差し込み、左右方向の一方側(例えば右側)に回転させることによって外枠2に対する前枠3の施錠状態が解除され、左右方向の他方側(例えば左側)に回転させることによって内枠6に対するガラス扉7の施錠状態が解除されるようになっている。
【0011】
解除キー9は、図13に示すように、軸部26と、その軸部26の後端側に一体に設けられる頭部27とを一体に備えている。頭部27は、解錠操作を行う際に持ち手となる部分で、軸部26よりも幅広に形成されている。軸部(キー先端部)26は、その軸方向の略全体にわたって両縁部に凹凸が設けられており、先端側所定範囲の先端軸部26aと、それよりも後端側の後端軸部26bとで構成されている。先端軸部26aと後端軸部26bとは同程度の長さ(ここでは何れも15mm)に形成されている。また、先端軸部26aは後端軸部26bよりも幅が小さく、例えば先端軸部26aの幅(例えば約3mm)は軸部26の厚さ(例えば約3.5mm)と同程度かそれよりも小さく、後端軸部26bの幅(例えば約5mm)は軸部26の厚さ(例えば約3.5mm)よりも大きくなっている。
【0012】
外枠2は、図3等に示すように、左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、合成樹脂製の前カバー部材10が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材10は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に内枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材10の上側に夫々配置されている。
【0013】
内枠6は合成樹脂製で、前カバー部材10の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、第1スピーカ18等が配置されている。また内枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が左下部に夫々配置されている。
【0014】
ガラス扉(扉体)7は、内枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の第2スピーカ25a~25d、その他の演出手段が配置されている。
【0015】
扉ベース22の上部前側には、窓孔24aの外周の少なくとも一部、例えば窓孔24aの上側と右側とに対応する正面視逆L字型の部分にサイドユニット30が装着され、その他の一部、例えば窓孔24aの左側には上装飾カバー31が装着されている。サイドユニット30は、図3図4等に示すように、ガラス扉7を開いた状態で、特殊な工具を使用することなく、前枠3の裏側の固定ネジ30a、固定レバー30b等を操作することによって容易に着脱が可能となっている。
【0016】
通常、前枠3は複数の機種で共通に用いられ、機種毎に異なる遊技盤16をこの前枠3に装着することでその機種に特有の遊技性やデザインを実現しているが、本パチンコ機では、前枠3の前側の一部を、その他の部品に比べて容易に着脱可能なサイドユニット30とし、このサイドユニット30に、遊技盤16と一体感のあるデザインや特有の機能を持たせることにより、前枠3の大部分を共通化しつつも、機種毎のデザインや機能の自由度を高めることを可能としている。なお、このサイドユニット30の詳細については後述する。
【0017】
扉ベース22の下部前側には、内枠6の後側に配置された払い出し手段32から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿33、その上皿33が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿34、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル35等が配置され、更に上皿33、下皿34等を前側から略覆う下装飾カバー36が装着されている。下装飾カバー36は前向きの膨出状に形成されており、その上部側に、演出用の操作ボタン37、その他の各種操作手段が設けられている。
【0018】
扉ベース22の背面側には、図3に示すように窓孔24aを後側から略塞ぐガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが左下部に夫々配置されている。
【0019】
また、下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿33内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿33が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿34に案内するためのもので、球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
【0020】
遊技盤16は、図1に示すように、ポリカーボネート等よりなるベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、大入賞ユニット49、普通入賞ユニット50等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置されている。
【0021】
遊技盤16の複数のユニット部品47~50上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。また、中央表示枠ユニット47等、遊技盤16の前側の所定箇所に普通図柄表示手段66、第1特別図柄表示手段67、第2特別図柄表示手段68等が配置されている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)69の他、液晶表示手段69の前側を上下方向、その他の任意の方向に移動可能な盤可動体70aを備えた盤可動演出手段70等が配置されている。
【0022】
普通図柄始動手段61は、遊技球の通過を検出し、その検出を契機に普通図柄表示手段66による普通図柄の変動を開始させるように構成されている。普通図柄表示手段66は、普通図柄始動手段61による遊技球の検出を契機に普通図柄を変動表示し、普通図柄始動手段61による遊技球の検出を契機として行われる抽選で当選した場合に、変動後の普通図柄を当り態様で停止させるようになっている。
【0023】
第1特別図柄始動手段62は、開閉手段を有しない非作動式入賞手段で、遊技球の入球を検出した場合に、その検出を契機に第1特別図柄表示手段67による第1特別図柄の変動を開始させるように構成されている。第2特別図柄始動手段63は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段で、普通図柄表示手段66による普通図柄が変動後に当り態様で停止した場合に所定時間開状態に変化するように構成されており、その開状態等のときに遊技球の入球を検出した場合に、その検出を契機に第2特別図柄表示手段68による第2特別図柄の変動を開始させるようになっている。
【0024】
第1,第2特別図柄表示手段67,68は、第1,第2特別図柄始動手段62,63による遊技球の検出を契機に第1,第2特別図柄を変動表示し、第1,第2特別図柄始動手段62,63による遊技球の検出を契機として行われる抽選で当選した場合に、変動後の第1,第2特別図柄を大当り態様で停止させるようになっている。大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに変化可能な作動式入賞手段で、第1,第2特別図柄表示手段67,68による第1,第2特別図柄が変動後に大当り態様で停止した場合に、所定の大当り開閉パターンに従って開閉して(大当り遊技)、その入賞口内に遊技球が入賞し易くなるように構成されている。
【0025】
液晶表示手段69は、演出図柄表示手段71等を構成している。演出図柄表示手段71は、第1,第2特別図柄表示手段67,68による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄を変動表示するもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63による遊技球の検出を契機として、1個又は複数個(例えば左右方向に3個)の演出図柄71a~71cを変動表示可能である。演出図柄71a~71cは、例えば0~9等の数字が割り当てられた数字図柄により構成されており、第1,第2特別図柄が大当り態様で停止する場合は所定の大当り演出態様で停止し、第1,第2特別図柄が大当り態様以外のはずれ態様で停止する場合は所定のはずれ演出態様で停止する。
【0026】
続いて、サイドユニット30の構成について詳細に説明する。サイドユニット30は、図4図9(特に図9)に示すように、前枠3の上部中央に対応する上装飾手段81と、前枠3の右側部に対応する右装飾手段82と、それら上装飾手段81と右装飾手段82とを背面側で支持するベース部材83とで構成されている。
【0027】
ベース部材83は板金製で、図9等に示すように、扉ベース22の上縁に沿って配置される左右方向の横長部83aと、扉ベース22の右側縁に沿って配置される上下方向の縦長部83bとを一体に備えた正面視逆L字型に形成されており、扉ベース22に係脱自在に係合するための係合部84、固定ネジ30aに対応するネジ固定部85、固定レバー30bに対応するレバー固定部86、図示しないハーネス等を引き出すためのハーネス挿通孔87、右上部の第2右上スピーカ25bを前向きに挿通させるためのスピーカ挿通孔88等を備えている。サイドユニット30は、このベース部材83の係合部84を扉ベース22に対して前側から係合させ、ベース部材83のネジ固定部85に対して扉ベース22の裏側から固定ネジ30aを捩じ込み、ベース部材83のレバー固定部86に対して扉ベース22の裏側から固定レバー30bを係合させることによって扉ベース22の前側に着脱自在に固定されている。
【0028】
上装飾手段81は、ベース部材83の横長部83aに対応してその前側に装着されており、図10等に示すように、第1装飾体81aと、この第1装飾体81aを支持する第1支持手段81bとで構成されている。第1支持手段81bは、ベース部材83に対して前向き突出状に形成されており、その背面側がベース部材83の横長部83aにねじ止め等により着脱可能に固定されている。
【0029】
また、第1支持手段81bの前部には、第1装飾体81aが装着される第1装飾体受け部89と、この第1装飾体受け部89に装着された第1装飾体81aを解除可能にロックする第1装飾体ロック手段90とが設けられている。第1装飾体受け部89は、第1支持手段81bの前面側に設けられており、例えば中央部が左右両側よりも前側に突出する平面視略円弧状に形成されている。第1装飾体受け部89には、第1装飾体81a側の係合部91に対応する係合受け部92と、第1装飾体81a側のロック受け部93に対応するロック受け収容部94が設けられている。
【0030】
係合受け部92は、第1装飾体81aの下部側に対応して左右方向に一又は複数、例えば4つ配置されており、例えば上向きの溝状に形成されている。ロック受け収容部94は、第1装飾体81aの上部側に対応して左右方向に一又は複数、例えば左右に各1つ配置されており、後向きの凹入状に形成されている。
【0031】
第1装飾体ロック手段90は、一又は複数、例えば左右一対のスライドロック部材90a,90bで構成されている。このスライドロック部材90a,90bは、図8図10等に示すように、左右方向の一方側(ここでは左側のスライドロック部材90aは左向き、右側のスライドロック部材90bは右向き)に突出するロックピン95と、当該スライドロック部材90a,90bを手動にてスライド操作するための突起状その他のスライド操作部96とを一体に備え、ロックピン95が左右一対のロック受け収容部94の後部に位置する状態で、例えば第1支持手段81bの上壁97に対してその下側に左右方向スライド自在に装着されている。第1支持手段81bの上壁97には、スライド操作部96のスライド可能範囲に対応する長孔状の操作窓98が形成されており、スライド操作部96はこの操作窓98を介して上側からアクセス可能となっている。
【0032】
スライドロック部材90a,90bは、ロック解除位置とロック位置との間でスライド移動可能となっている。ロック解除位置は、スライド可能範囲の一端側(ここでは左側のスライドロック部材90aは右端側、右側のスライドロック部材90bは左端側)で、このときにロックピン95はロック受け収容部94の側方に退避した状態となる。またロック位置は、スライド可能範囲の他端側(ここでは左側のスライドロック部材90aは左端側、右側のスライドロック部材90bは右端側)で、このときにロックピン95はロック受け収容部94内に突出した状態となる。
【0033】
また第1支持手段81bには、図5に示すように、その内側に一又は複数のLED基板99が例えばLED99aの配置面を前側に向けた状態で配置されており、第1装飾体受け部89の少なくとも一部に透光部(透光性を有する樹脂部又は開口部)を有することにより、第1装飾体81aに対して後側から光を照射することが可能となっている。
【0034】
第1装飾体81aは、透光性を有する樹脂により第1装飾体受け部89の前面形状に対応する略板状に形成されており、前面側には任意の装飾(図示省略)が施され、背面側には後側のLED基板99からの光を乱反射させるための粗面加工が施されている。
【0035】
また第1装飾体81aには、図5図10等に示すように、第1装飾体受け部89側の係合受け部92に対応する一又は複数(ここでは4つ)の係合部91と、第1装飾体受け部89側のロック受け収容部94に対応する一又は複数(ここでは左右に各1つ)のロック受け部93とが設けられている。係合部91は、第1装飾体81aの下縁側に下向きの突起状に形成されており、第1装飾体受け部89側の係合受け部92に対して上側から係合可能となっている。ロック受け部93は、第1装飾体81aの上縁部近傍に後向き突出状に形成されており、その後端側に、スライドロック部材90a,90bのロックピン95が係合(嵌合)可能な左右方向のロック孔93aが形成されている。
【0036】
第1装飾体81aを第1支持手段81bの前部に装着する際には、まず第1装飾体81aの下部側の係合部91を、第1装飾体受け部89側の係合受け部92に係合させる。そして、スライドロック部材90a,90bがロック解除位置にある状態で、第1装飾体81aの上部側のロック受け部93を、第1装飾体受け部89側のロック受け収容部94に前側から挿入し、その状態で、操作窓98を介してスライド操作部96を操作することにより、スライドロック部材90a,90bをロック解除位置からロック位置までスライド移動させる。これにより、スライドロック部材90a,90bのロックピン95がロック受け部93のロック孔93aに係合(嵌合)し、第1装飾体81aは第1支持手段81bの前部に固定される。第1装飾体81aを取り外す際には、以上の逆の手順で行えばよい。
【0037】
右装飾手段(装飾手段)82は、図9等に示すように、ベース部材83の縦長部83bに対応してその前側に装着されており、装飾シート82aと、この装飾シート82aを支持する第2支持手段82bと、第2支持手段82bに着脱自在に装着される第2装飾体82cとを備え、第2支持手段82bの背面側がベース部材83の縦長部83bにねじ止め等により着脱可能に固定されている。
【0038】
第2支持手段82bは、図11図12等に示すように、ユニットベース101と、支持装飾部材102と、装飾シートロック部材103と、内カバー部材104とを備えている。ユニットベース101は、ベース部材83の縦長部83bに対応してその前面側に装着されるベース板105と、ベース部材83のスピーカ挿通孔88に対応してその前側に配置されるスピーカカバー部106とを一体に備えている。サイドユニット30を扉ベース22の前側に装着したとき、扉ベース22側の第2右上スピーカ25bがスピーカ挿通孔88を介してスピーカカバー部106内に収容される。
【0039】
支持装飾部材102は、左右方向に対向する一対の左サイド部材102aと右サイド部材102bとを嵌め合わせることにより、左右方向に扁平な中空状に形成されており、前縁側に配置される前縁装飾部107と、その前縁装飾部107の後側の装飾ケース部108とを備え、装飾ケース部108の後部側がユニットベース101のベース板105に対してねじ止め等により着脱可能に固定されている。
【0040】
前縁装飾部107は、図6図7図11図12等に示すように、上部側の第1前縁装飾部107aと、この第1前縁装飾部107aの下側に連結される第2前縁装飾部107bと、この第2前縁装飾部107bの更に下側に連結される第3前縁装飾部107cとで構成されている。なお本実施形態では、第1~第3前縁装飾部107a~107cのうち、第1前縁装飾部107aと第2前縁装飾部107bとが、装飾シートをその外周において支持する装飾シート支持部を構成しており、第3前縁装飾部107cについては装飾シート支持部を構成していない。
【0041】
装飾シート支持部を構成する第1,第2前縁装飾部107a,107bは、互いに異なる方向の細長状に形成されている。即ち、第1前縁装飾部(第1装飾シート支持部)107aは、装飾シート82aの外周部の後側を支持するもので、本実施形態では上端側が下端側よりも前側に位置する後ろ下がりの傾斜状に配置されている。また第2前縁装飾部(第2装飾シート支持部)107bは、装飾シート82aの外周部の下側を支持するもので、第1前縁装飾部107aの下端側から前側に向けて略水平に配置されている。第1前縁装飾部107aは、上端側の少なくとも一部、ここでは約2/3が外枠2及び前枠3の上縁よりも上側に突出している。
【0042】
また、装飾シート支持部を構成しない第3前縁装飾部107cについても、隣接する第2前縁装飾部107bとは異なる方向に配置されている。即ち、第3前縁装飾部107cは、第2前縁装飾部107bの前端側から第1前縁装飾部107aと略平行となるように後ろ下がりの傾斜状に配置されており、下端部はユニットベース101の下端部前面側に達している。このように、本実施形態の前縁装飾部107は、装飾シート支持部を構成する第1,第2前縁装飾部107a,107bと装飾シート支持部を構成しない第3前縁装飾部107cとによって側面視で稲妻状(略Z状)に形成されている。
【0043】
第1前縁装飾部(第1装飾シート支持部)107a及び第2前縁装飾部(第2装飾シート支持部)107bは、長手方向に沿って略一定の断面形状を有しており、図14(a),図15等に示すように、装飾シート82aを挟持するための左右一対のシート挟持部111,112と、装飾シート82aの外縁に沿って配設される分離壁113とを備えている。左シート挟持部111は左サイド部材102a側に、右シート挟持部112は右サイド部材102b側に夫々設けられている。
【0044】
分離壁113は、装飾シート82aの外縁に略当接(当接又は近接)するようにその外縁に沿って配設されており、左サイド部材102a側から右向きに突設された左分離壁113aと、右サイド部材102b側から左向きに突設された右分離壁113bとがそれらの中央位置よりも左右一方側(ここでは右側)にずれた位置で突き合わされることにより形成されている。なお、この分離壁113の板厚は約2mmで、装飾シート82aの板厚(約1mm)よりも大となっている。
【0045】
左右一対のシート挟持部111,112は、分離壁113の左右両端側から装飾シート82aの内側に向けて延設され、その先端側に、装飾シート82a側に屈曲する挟持先端部111a,112aが設けられている。左右の挟持先端部111a,112a間には、装飾シート82aの厚さ(ここでは約1mm)と同程度の隙間よりなる装飾シート挿入部114が形成されている。また、挟持先端部111a,112aには、その先端部外面側にテーパー面111b,112bが形成されており、装飾シート82aを装着する際にその装飾シート82aの縁部を装飾シート挿入部114側に案内するようになっている。なお、装飾シート挿入部114及びテーパー面111b,112bは、第1前縁装飾部107aの上部側では前縁側から上縁側にかけて回り込むように設けられており、装飾シート82aを第1前縁装飾部107aに沿って下向きにスライドさせつつ装飾シート挿入部114に挿入することが可能となっている。
【0046】
シート挟持部111,112の板厚は、テーパー面111b,112bが形成された先端部を除き、約2.5mmで、装飾シート82aの板厚(約1mm)よりも大となっている。またこのシート挟持部111,112の板厚(約2.5mm)は、分離壁113等、支持装飾部材102におけるその他の部分の標準的な板厚(約2mm)よりも大となっている。
【0047】
第3前縁装飾部107cは、図14(b)に示すように、第1,第2前縁装飾部107a,107bと略同じ断面形状を有しているが、装飾シート支持部を構成しないため、前縁側には装飾シートを挿入可能な隙間(装飾シート挿入部)が形成されていない。なお、第3前縁装飾部107cについても、第1,第2前縁装飾部107a,107bと同様、装飾シート挿入部114を有する断面形状に形成することにより装飾シート支持部として利用可能に構成してもよい。即ち、第1~第3前縁装飾部107a~107cを全て装飾シート支持部として利用可能に構成するとともに、それらの少なくとも一つ、より好適には互いに隣接する二つ以上を実際に装飾シート支持部として利用し、装飾シートを支持するように構成してもよい。
【0048】
また前縁装飾部107には、図6図11等に示すように、装飾シート支持部を構成する第1,第2前縁装飾部107a,107bに対応して、装飾シート82aが係脱自在に係合する一又は複数(ここでは2つ)の第1,第2係合受け部121a,122aが設けられている。第1係合受け部121aは、第1前縁装飾部107aの所定位置、例えば上端部近傍に配置され、左サイド部材102aと右サイド部材102bとの間を接続するように左右方向に設けられており、装飾シート82aを装飾シート挿入部114に挿入する際に、装飾シート82aの後縁部に設けられた下向きフック状の第1係合部121bが係合することにより、装飾シート82aの前側への移動を規制するようになっている。
【0049】
第2係合受け部122aは、第2前縁装飾部107b上の所定位置、例えば前端部近傍に配置され、第3前縁装飾部107c側の分離壁113が第2前縁装飾部107b側に突出した形状に形成されており、装飾シート82aを装飾シート挿入部114に挿入する際に、装飾シート82aの下縁側に設けられた凹入状の第2係合部122bが係合することにより、装飾シート82aの前側への移動を規制するようになっている。
【0050】
装飾シート82aを支持装飾部材102に装着する際には、装飾シート82aを第1前縁装飾部107aに沿って後ろ斜め下向きにスライドさせつつ装飾シート挿入部114に挿入する。そして、装飾シート82aの下縁部が第2前縁装飾部107bの装飾シート挿入部114に挿入されたとき、装飾シート82a側の第1,第2係合部121b,122bが夫々第1,第2係合受け部121a,122aに夫々係合し、装飾シート82aは支持装飾部材102に仮留めされる。
【0051】
装飾ケース部108は、前縁装飾部107と後側のユニットベース101との間に配置されており、その後部側はユニットベース101の上下方向範囲内に配置されているが、前部側上部の上部装飾ケース部108aは、第1前縁装飾部107aの後縁側に沿ってユニットベース101よりも上方(即ち外枠2や前枠3よりも上方)に突出している。なお、支持装飾部材102のうち、ユニットベース101よりも上方に突出している上突出部130(第1前縁装飾部107aとその後側の上部装飾ケース部108aとで構成される)に、後に説明する第2装飾体82c、その他の装飾体を装着可能となっている。
【0052】
装飾ケース部108内には、図6図7等に示すように、一又は複数、例えば5つのLED基板131~135と、それらLED基板131~135と前枠3側の演出制御基板(図示省略)との間を中継するための中継基板136とが配置されている。なお、それらLED基板131~135、中継基板136を支持する基板支持部は、左サイド部材102aと右サイド部材102bとの何れか一方、ここでは左サイド部材102a側に設けられている。
【0053】
LED基板131~135は何れも細長状で、夫々複数個のLED131a~135aが、少なくとも一方のLED配置面に長手方向一列状に整列配置されている。LED基板131~133は、夫々第1前縁装飾部107aの上部、中部、下部に対応してその後側に、第1前縁装飾部107aと略平行で且つLED配置面を前側に向けた状態で配置されている。
【0054】
LED基板134は、第2前縁装飾部107bに対応してその下側に、LED配置面を上側に向けた状態で配置されている。なお、LED基板134は第2前縁装飾部107bに平行ではなく、LED配置面を水平よりも若干前側に傾けた状態で配置されている。またLED基板134は、その前端側の一部が第3前縁装飾部107c内に突出しており、1個以上のLED134aが第3前縁装飾部107c内に配置されている。LED基板135は、第3前縁装飾部107cに対応してその後側に、第3前縁装飾部107cと略平行で且つLED配置面を前側に向けた状態で配置されている。
【0055】
なお、LED基板131~135は何れも、その中心線に沿ってLED131a~135aが配列されるとともに、その中心線が、装飾シート82aが配置されている支持装飾部材102の中心面と一致するように配置されている。これにより、LED基板131~135のLED131a~135aから発せられた光は、その一部が左サイド部材102a側、右サイド部材102b側のレンズ面を光らせ、また一部が分離壁113を介して装飾シート82aの端縁から入射して装飾シート82aを光らせるようになっている。
【0056】
装飾シートロック部材103は、装飾シート82aの装飾シート挿入部(挿入部)114からの離脱を阻止可能な第1ロック手段を構成するもので、図12等に示すように、左サイド部材102aと右サイド部材102bとの何れか一方側(ここでは左サイド部材102a側)のロック部材装着部141に装着されている。
【0057】
装飾シートロック部材103は、図6図11図12図15等に示すように、細長板状で例えば前後方向に配置されており、その一端側(ここでは後端側)に上下方向の回転軸142が、他端側(ここでは前端側)に、回転軸142廻りの揺動方向(ここでは左右方向)の一方側であって支持装飾部材102の内側(ここでは右側)に向けて突出する所定形状(ここでは円筒状)のロック係合部143が、夫々設けられている。
【0058】
また装飾シートロック部材103には、図15等に示すように、回転軸142側の所定位置、例えば後端面103a上に、装飾シートロック部材103をロック解除状態に保持するための解除状態保持部144が設けられ、またロック係合部143側の所定位置、例えば前端面103b上には、装飾シートロック部材103をロック状態に保持するためのロック状態保持部145が設けられている。解除状態保持部144,ロック状態保持部145は、夫々対向する対向面146,147側に向けて突出する突起状に形成されている。更に装飾シートロック部材103には、回転軸142とロック係合部143との間に、支持装飾部材102の内側(ここでは右側)に向けて突出する一又は複数列(ここでは3列)の突条部148が、装飾シートロック部材103の長手方向(ここでは前後方向)に沿って形成されている。
【0059】
ロック部材装着部141は、図12図15等に示すように、装飾シート支持部を構成する第1,第2前縁装飾部107a,107bの所定位置、例えば第1前縁装飾部107aの下部側に対応して左サイド部材102aの外面側に形成されている。このロック部材装着部141は、装飾シートロック部材103を収容可能な凹入状で、第1前縁装飾部107aとその後側の装飾ケース部108とに跨がって配置されている。
【0060】
ロック部材装着部141の一端側(ここでは後端側)には、図15に示すように、装飾シートロック部材103の回転軸142を回転自在に支持する軸受部149が設けられている。軸受部149は、左サイド部材102a側の第1軸受部149aと、右サイド部材102b側の第2軸受部149bとで構成されており、第1軸受部149aと第2軸受部149bとで回転軸142を左右両側から支持している。また、ロック部材装着部141の他端側(ここでは前端側)には、装飾シートロック部材103側のロック係合部143を第1前縁装飾部107a内に向けて挿通させるための挿通孔150が形成されている。
【0061】
ロック部材装着部141に装着され,軸受部149により支持された装飾シートロック部材103は、ロック係合部143を挿通孔150に挿通させた状態で、装飾シート82aの離脱を阻止するロック状態(図15に実線で示す)と、装飾シート82aの離脱を許容するロック解除状態(図15に二点鎖線で示す)との間で揺動可能であり、例えば後に説明する内カバー部材104により、ロック解除状態においてそれ以上の揺動が規制されるようになっている。また装飾シートロック部材103は、突条部148が左サイド部材102a側のガイド孔148a内を移動することによって揺動方向に案内される。
【0062】
装飾シートロック部材103は、図15に実線で示すロック状態のとき、装飾シートロック部材103の外面側が左サイド部材102aと略面一となり、ロック係合部143が、装飾シート82aの外周部近傍に形成された係合孔151に挿通された状態となる。これにより、支持装飾部材102に仮留めされていた装飾シート82aは、第1前縁装飾部107aに沿う上向きの移動までも規制され、支持装飾部材102からの離脱が完全に阻止される。またこのロック状態では、図15に示すように、解除状態保持部144が、左サイド部材102a側の対向面146に圧着し、ロック状態保持部145が、左サイド部材102a側の対向面147側に形成された保持受け部152に係合した状態となる。
【0063】
また装飾シートロック部材103は、図15に二点鎖線で示すロック解除状態のとき、装飾シートロック部材103が左サイド部材102aの外面側よりも外側に突出した状態となり、ロック係合部143は装飾シート82aの係合孔151から離脱する。これにより、装飾シート82aは第1前縁装飾部107aに沿って上向きにスライド移動させて支持装飾部材102から取り外すことが可能である。またこのロック解除状態では、解除状態保持部144の対向面146に対する圧着が緩和(又は解除)され、ロック状態保持部145は保持受け部152から離脱する。
【0064】
また、支持装飾部材102には、装飾シートロック部材103をロック状態からロック解除状態に切り替えるためのロック解除操作部(第1ロック解除操作部)153が設けられている。ロック解除操作部153は、装飾シートロック部材103の揺動端(ここでは前端部)に対応してその対向面、即ち右サイド部材102bに形成されたロック解除操作孔(キー挿入部)153aを備えている。ロック解除操作孔153aは、任意形状の貫通孔(例えば円孔)で、解除キー9の軸部(キー先端部)26が挿入できる程度の大きさに形成されており、このロック解除操作孔153aに解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103の先端部を外向きに押圧することにより、装飾シートロック部材103をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0065】
なお、ロック解除操作孔153aを、解除キー9(図13)の先端軸部26aは挿通可能であるが後端軸部26bは挿通不可能な大きさに形成すると共に、解除キー9の先端軸部26aのみをロック解除操作孔153aに挿入することによって装飾シートロック部材103をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能な構成を採用してもよい。これにより、先端部まで幅広に形成された一般的なキー(住宅玄関用のキー等)を用いたロック解除操作ができなくなり、セキュリティを向上させることができる。
【0066】
内カバー部材104は、支持装飾部材102の左面側に装着されるもので、図12等に示すように、左サイド部材102aの後部側の一部を覆う側面カバー104aと、その上端側で支持装飾部材102とユニットベース101との間を覆う略水平な上面カバー104bとを一体に備えている。側面カバー104aの上部側は、装飾シートロック部材103の後部側、即ち回転軸142とその周辺部分を略覆っている。
【0067】
装飾シート82aは、アクリル、PET等の樹脂による可撓性シートで、2mm以下、より好ましくは1mm以下(ここでは約1mm)の板厚に形成されており、印刷層を透明なラミネートフィルムで挟み込むラミネート加工、その他の手法により、両面側から視認可能な装飾が施されている。このように、装飾シート82aは、これを支持する第2支持手段82b等よりも小さな板厚に形成されているため、大型化に伴う重量増を小さく抑えることが可能である。
【0068】
装飾シート82aは、第1面が略左向き、第2面が略右向きとなるように支持装飾部材102によって支持される。図6図7図11等に示すように、装飾シート82aの外周部のうち、後部側の第1外周部161が、第1前縁装飾部107aによって支持される部分で、第1前縁装飾部107aに対応して例えば後ろ下がりの傾斜状に形成されている。また、装飾シート82aの外周部のうち、下部側の第2外周部162が、第2前縁装飾部107bによって支持される部分で、第2前縁装飾部107bに対応して第1外周部161とは異なる方向、ここでは略水平に形成されている。
【0069】
装飾シート82aの外周部のうち、支持装飾部材102によって支持される支持外周部は、上述した第1外周部(第1支持外周部)161と第2外周部(第2支持外周部)162のみであり、それ以外の外周部、即ち上部側や前側に対応する第3外周部163は、支持装飾部材102によって支持されない非支持外周部となっている。
【0070】
このように本実施形態の装飾シート82aは、外周部の少なくとも一部(第3外周部163)が支持装飾部材102によって支持されない非支持外周部となっているため、その非支持外周部に対応する部分、即ち上側や前側の形状を支持装飾部材102の形状とは無関係に自由に決定することができ、デザインの自由度が極めて高いという利点がある。なお、本実施形態の装飾シート82aは、その前部側が第1,第2前縁装飾部107a,107bよりも前側に大きく突出している。
【0071】
第1外周部161の上端部には、第1前縁装飾部107a側の第1係合受け部121aに係合する後ろ下向きフック状の第1係合部121bが形成され、第2外周部162の前端部近傍には、第2前縁装飾部107b側の第2係合受け部122aに係合する上向き凹入状の第2係合部122bが形成され、第1外周部161の下部側所定位置の近傍には、装飾シートロック部材103のロック係合部143が挿通される係合孔151が、ロック係合部143の形状に対応して例えば円孔状に形成されている。なお、本実施形態の装飾シート82aには、第1外周部161の下端側に切欠部164が形成されているが、これは支持装飾部材102に対する着脱時に、後に説明する第2装飾体82cの所定部位を避けるためのものである。
【0072】
また、装飾シート82aの外周側には、第3外周部163の少なくとも一部(ここでは第3外周部163における上縁側後部及び下縁側後部を除く範囲)に、エッジをカバーするエッジカバー部材165が着脱可能に装着されている。装飾シート82aは薄板状樹脂であるためエッジ(外周部)が鋭く、そのまま露出させておくと遊技者等がケガをする恐れがあるため、遊技者等が触れる可能性の高い前縁側にエッジカバー部材165を装着している。
【0073】
エッジカバー部材165は、第3外周部163に沿う細長状で、図14(a)等に示すように左側の第1カバー部材165aと右側の第2カバー部材165bとで構成されており、それら第1,第2カバー部材165a,165bで装飾シート82aの外周部を左右両側から挟み込むことによって装飾シート82aに固定されている。
【0074】
第1,第2カバー部材165a,165bは、装飾シート82aに対して隙間を挟んで略平行に配置される側壁部166,167と、その側壁部166,167の内縁(装飾シート82aの内側に対応する縁部)側から互いに対向する側に屈曲して装飾シート82aに略直角に当接する内壁部168,169と、側壁部166,167の外縁(装飾シート82aの外側に対応する縁部)側から互いに対向する側に屈曲して装飾シート82aの外側で互いに当接する外壁部170,171とを一体に備えている。
【0075】
第1,第2カバー部材165a,165bは、互いに嵌め合わせた状態でねじ止めにより結合されるが、そのねじ止め用のボス172が、長手方向の複数箇所において第1,第2カバー部材165a,165bの一方側(ここでは第2カバー部材165b)から他方側に向けて突設されている。また、装飾シート82aには、そのボス172に対応する位置にボス挿通孔173が形成されており、装飾シート82aを挟んで第1,第2カバー部材165a,165bを互いに嵌め合わせたとき、第2カバー部材165b側のボス172がボス挿通孔173に挿通されることにより、エッジカバー部材165は装飾シート82aの所定位置に位置決め、固定される。
【0076】
またエッジカバー部材165では、第1,第2カバー部材165a,165bのうち、遊技者が存在する側(左側)の第1カバー部材165aにおける外縁側にテーパー面175が形成されている。これにより、前縁側の角部の角度が大きくなってより安全性が増すとともに、遊技機前側を視認可能となる左右方向の範囲が右側に広くなる利点がある。なお、第2カバー部材165b側にも第1カバー部材165a側と同様のテーパー面を設けてもよい。
【0077】
第2装飾体(装飾体,特定装飾体)82cは、第2支持手段82bにおける上突出部130に設けられた第2装飾体受け部(装飾体受け部,特定装飾体受け部)174に着脱自在に装着されており、図16等に示すように、任意形状(ここではピストルとそれを持つ手を模した三次元形状)に形成された装飾部181と、その装飾部181を第2装飾体受け部174で支持するための装飾支持部182とを備えている。第2装飾体受け部174は、上突出部130の下端部近傍に設けられており、第2装飾体82cは、装飾支持部182を上突出部130に沿ってその上端側から下向きにスライドさせることにより第2装飾体受け部174に装着される。なお、この第2装飾体82cは、装飾シート82aが装着された状態では着脱することができないようになっている。即ち、装飾シート82aと第2装飾体82cとを装着する際には装飾シート82aよりも先に第2装飾体82cを装着し、装飾シート82aと第2装飾体82cとを取り外す際には第2装飾体82cよりも先に装飾シート82aを取り外す必要がある。
【0078】
第2装飾体82cの装飾支持部182は、図15図16に示すように、左右一方側(ここでは左側)の支持ベース部183と他方側(ここでは右側)の支持カバー部184とを嵌め合わせて結合することにより、上突出部130を挿通可能な挿通部185を形成しており、支持ベース部183の外面(左面)側に装飾部181が配置されている。支持ベース部183と支持カバー部184とは、上突出部130の前側に設けられた一又は複数(ここでは2つ)の第1結合部182aと、上突出部130の後側に設けられた一又は複数(ここでは1つ)の第2結合部182bとにおいて夫々ねじ止めにより結合されている。
【0079】
また装飾支持部182には、図16図17に示すように、第2装飾体82cの上突出部130に対する装着状態を解除可能にロックするロック機構180が設けられている。ロック機構180は、第2支持手段82b側の係合受け部186を利用するようになっており、図17等に示すように、この係合受け部186に対して係脱自在に係合する第2装飾体ロック部(第2ロック手段)187を備えている。第2装飾体ロック部187は、上突出部130の外周面(ここでは背面)に沿って配置され、装着時のスライド方向の前側(ここでは略下側)に向けて突出状に形成されており、支持ベース部183と支持カバー部184の少なくとも一方、(ここでは支持ベース部183)に一体に形成されている。
【0080】
この第2装飾体ロック部187は、係合受け部186に係合して離脱方向へのスライド移動を阻止するロック状態(図17に実線で示す)と、係合受け部186への係合が解除されて離脱方向へのスライド移動を許容するロック解除状態(図17に二点鎖線で示す)とに切り替え可能であり、上突出部130に対するスライド方向に直交する方向に力を加えることにより、ロック状態からロック解除状態に弾性変形可能となっている。装飾支持部182が上突出部130に沿って装着方向(下向き)にスライド移動され、下端側の第2装飾体受け部174に達して装着方向のスライド移動が阻止されたとき、第2装飾体ロック部187はロック解除状態側への弾性変形を経てロック状態に復帰し、係合受け部186に係合する(図17)。
【0081】
なお支持装飾部材102には、図6図17等に示すように、係合受け部186の近傍に、第2装飾体ロック部187を収容するロック部収容部188が設けられており、第2装飾体ロック部187は、ロック部収容部188に収容された状態で係合受け部186に係合するようになっている。ロック部収容部188は、上突出部130の背壁189とその後側の装飾ケース部108の上壁190との接続部付近に、装着時のスライド方向に向けて凹入する凹入状に形成されており、そのロック部収容部188の開口部を形成する上壁190側の縁部が係合受け部186となっている。
【0082】
また支持装飾部材102には、図6図8図17等に示すように、第2装飾体ロック部187をロック状態からロック解除状態に切り替えるためのロック解除操作部(第2ロック解除操作部)191が設けられている。ロック解除操作部191は、ロック部収容部188に収容された状態の第2装飾体ロック部187の先端部に対応して装飾ケース部108の上壁190に形成されたロック解除操作孔(キー挿入部)191aを備えている。ロック解除操作孔191aは、任意形状の貫通孔(例えば楕円孔)で、解除キー9の軸部26が挿入できる程度の大きさに形成されており、このロック解除操作孔191aに解除キー9の軸部26を挿入し、第2装飾体ロック部187の先端部を押圧することにより、第2装飾体ロック部187をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0083】
なお、ロック解除操作孔191aを、解除キー9の先端軸部26aは挿通可能であるが後端軸部26bは挿通不可能な大きさに形成すると共に、解除キー9の先端軸部26aのみをロック解除操作孔191aに挿入することによって第2装飾体ロック部187をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能な構成を採用してもよい。これにより、先端部まで幅広に形成された一般のキーを用いたロック解除操作ができなくなり、セキュリティを向上させることができる。
【0084】
また第2装飾体82cは、第2装飾体受け部174に装着されたとき、装飾支持部182により装飾シートロック部材103及びその周辺部を外側から略覆うようになっている。装飾支持部182の支持ベース部183には、図15図16に示すように、少なくとも装飾シートロック部材103の外側に対応する部分に、装飾シートロック部材103の揺動を許容する隙間よりなる揺動許容部192が形成されており、第2装飾体82cが第2装飾体受け部174に装着された状態でも装飾シートロック部材103はロック状態とロック解除状態とに切り替え可能となっている。
【0085】
また装飾支持部182には、図15図16に示すように、第1前縁装飾部107a側のロック解除操作孔153aの外側に対応して、ロック解除操作孔153aとともにロック解除操作部(第1ロック解除操作部)153を構成するロック解除操作孔(キー挿入部)193が形成されている。このロック解除操作孔193は、任意形状の貫通孔(例えば円孔)で、ロック解除操作孔153aと同様、解除キー9の軸部26が挿入できる程度の大きさに形成されており、解除キー9の先端軸部26aは挿通可能であるが後端軸部26bは挿通不可能な大きさに形成してもよい。このロック解除操作孔193を設けていることにより、第2装飾体82cが第2装飾体受け部174に装着された状態でも、装飾シートロック部材103をロック状態からロック解除状態に切り替えて装飾シート82aを取り外すことが可能である。
【0086】
また装飾支持部182には、図15図16に示すように、装飾シートロック部材103の外面側に対応する所定位置に、装飾シートロック部材103をロック解除状態からロック状態に切り替えるためのロック操作孔(第1ロック操作部,キー挿入部)194が設けられている。ロック操作孔194は、任意形状の貫通孔(例えば円孔)で、例えば解除キー9の軸部26が挿入できる程度の大きさに形成されており、このロック操作孔194に解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103の先端部を内向きに押圧することにより、第2装飾体82cが第2装飾体受け部174に装着された状態でも、装飾シートロック部材103をロック解除状態からロック状態に切り替えることが可能である。
【0087】
続いて、第2支持手段82bに第2装飾体82c及び装飾シート82aを装着する際の手順を簡単に説明する。第2支持手段82bに対しては、装飾シート82aよりも先に第2装飾体82cを装着する。第2装飾体82cを装着する際には、図18(a)に示すように、装飾シートロック部材103をロック状態にして、装飾支持部182を上突出部130の上端側から外嵌させ、下部側に向けてスライドさせる。
【0088】
そして、装飾支持部182が上突出部130の下端部の第2装飾体受け部174に達したとき、図18(b)に示すように、第2装飾体ロック部187がロック部収容部188に収容された状態で係合受け部186に係合し、第2装飾体82cは第2装飾体受け部174に固定される。
【0089】
続いて、図18(c)に示すように装飾支持部182の外側からロック解除操作孔193,153aに解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103をロック解除状態に切り替えた上で、図19(d)に示すように、装飾シート82aを、第1前縁装飾部107aの上部側から装飾シート挿入部114に挿入しつつ、第1前縁装飾部107aに沿って下向きにスライドさせる。そして、装飾シート82aの下縁部が第2前縁装飾部107bの装飾シート挿入部114に挿入されて所定の装飾シート装着位置に達したとき、図19(e)に示すように、装飾シート82a側の第1,第2係合部121b,122bが夫々第1,第2係合受け部121a,122aに夫々係合し、装飾シート82aは第2支持手段82bに仮留めされた状態となる。
【0090】
最後に、図19(f)に示すように装飾支持部182の外側からロック操作孔194に解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103をロック状態に切り替える。これにより、装飾シート82aの係合孔151に装飾シートロック部材103のロック係合部143が係合し、装飾シート82aは第2支持手段82bに固定される。
【0091】
第2装飾体82c及び装飾シート82aを第2支持手段82bから取り外す際の手順は、基本的には以上の逆であるが、取り外し時に特有の手順も存在するため、その点を中心に簡単に説明する。先ず、図20(a)に示すように装飾支持部182の外側からロック解除操作孔193,153aに解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103をロック解除状態に切り替えた上で、装飾シート82aを第1前縁装飾部107aに沿って上向きにスライドさせることにより、装飾シート82aを第2支持手段82bから取り外すことができる。
【0092】
続いて、図20(b)に示すように装飾支持部182の外側からロック操作孔194に解除キー9の軸部26を挿入し、装飾シートロック部材103をロック状態に切り替える。そして、図20(c)に示すように、ロック解除操作孔191aに解除キー9の軸部26を挿入し、第2装飾体ロック部187をロック解除状態に切り替え、それを保持した状態で第2装飾体82cを上突出部130に沿って上向きにスライドさせることにより、第2装飾体82cを第2支持手段82bから取り外すことができる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、遊技機本体1の前部に備えた右装飾手段82が、任意の装飾が施された薄板状(ここでは第2支持手段82b等の板厚2~2.5mmよりも薄い板厚約1mm)の装飾シート82aと、この装飾シート82aをその外周部に沿って支持する第2支持手段(支持手段)82bとを有し、装飾シート82aの外周部は、第2支持手段82bにより支持される支持外周部161,162と、第2支持手段82bにより支持されない非支持外周部163とで構成されるため、装飾シート82aを大型化しても重量化を抑制でき、しかも非支持外周部163に対応する部分に関しては形状が限定されないためにデザインの自由度が高く、機種毎に装飾シート82aのデザインを変えれば雰囲気を大きく変更することができることから異なる機種間での一部共通化が容易である。
【0094】
また、支持外周部161,162は、第1支持外周部161と、第1支持外周部161とは異なる方向に設けられた第2支持外周部162とで構成されるため、可撓性の装飾シート82aを一定形状に保った状態で確実に支持することが可能である。また、装飾シート82aを、その第1面が略左向き、第2面が略右向きとなるように配置し、装飾シート82aの後部側に第1支持外周部161を、下部側に第2支持外周部162を夫々設けているため、左右方向に大きなスペースが必要なく、しかも装飾シート82aをより確実に支持することが可能である。
【0095】
また、装飾シート82aのエッジをカバーするエッジカバー部材165を、非支持外周部163の少なくとも一部の範囲に対応して例えば着脱自在に装着しているため、装飾シート82aのエッジによる遊技者等のケガを未然に防止できる。
【0096】
また、装飾手段82を有するガラス扉(扉体)7と、ガラス扉7を閉状態で施錠可能な施錠手段5とを備え、所定の解除キー9により施錠手段5による施錠状態を解除可能であり、第2支持手段82bは、支持外周部161,162が挿入される装飾シート挿入部(挿入部)114と、装飾シート82aの装飾シート挿入部114からの離脱を阻止可能な装飾シートロック部材(第1ロック手段)103とを備え、装飾シートロック部材103は、装飾シート82aの装飾シート挿入部114からの離脱を阻止するロック状態と離脱を許容するロック解除状態とに切り替え可能であり、解除キー9を使用して装飾シートロック部材103をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能なロック解除操作部(第1ロック解除操作部)153を設けているため、特別な工具を使用することなく容易に装飾シート82aのロック解除操作を行い、装飾シート82aを取り外すことが可能である。
【0097】
なお、ロック解除操作部153は、解除キー9の先端側の軸部(キー先端部)26を挿入可能なロック解除操作孔(キー挿入部)153a,193を備え、装飾シートロック部材103は、ロック解除操作孔153a,193に挿入された軸部26に押されてロック解除状態側に変化可能となっている。
【0098】
また、第2支持手段82bに、装飾シート82aとは別の第2装飾体82cを着脱自在に装着可能な第2装飾体受け部174を設け、第2装飾体82cは、第2装飾体受け部174に支持される装飾支持部182と、第2装飾体受け部174側の係合受け部186に係脱可能に係合することによって第2支持手段82bからの離脱を阻止する第2装飾体ロック部(第2ロック手段)187とを備え、第2装飾体ロック部187は、第2装飾体82cの第2支持手段82bからの離脱を阻止するロック状態と離脱を許容するロック解除状態とに切り替え可能であり、解除キー9を使用して第2装飾体ロック部187をロック状態からロック解除状態に切り替えるためのロック解除操作部(第2ロック解除操作部)191を設けているため、特別な工具を使用することなく容易に第2装飾体82cのロック解除操作を行い、第2装飾体82cを取り外すことが可能である。
【0099】
なお、ロック解除操作部191は、解除キー9の先端側の軸部(キー先端部)26を挿入可能なロック解除操作孔(キー挿入部)191aを備え、第2装飾体ロック部187は、ロック解除操作孔191aに挿入された軸部26に押されてロック解除状態側に変化可能となっている。
【0100】
また、第2装飾体受け部(特定装飾体受け部)174を装飾シートロック部材103に対応する位置に設け、第2装飾体(特定装飾体)82cを第2装飾体受け部174に装着したとき、第2装飾体82cの装飾支持部182がロック解除操作孔193を略覆うように構成されているため、第2装飾体82cの装飾支持部182を装飾シートロック部材103を隠すカバー部材として機能させることができる。
【0101】
また、第2装飾体82cの装飾支持部182に、解除キー9を使用して装飾シートロック部材103をロック解除状態からロック状態に切り替えるためのロック操作孔(第1ロック操作部)194を設けているため、装飾シートロック部材103を隠しつつも、特別な工具を使用することなく装飾シートロック部材103により装飾シート82aをロックすることが可能である。なお、ロック操作孔194は、解除キー9の先端側の軸部(キー先端部)26を挿入可能なキー挿入部であり、装飾シートロック部材103は、ロック操作孔194に挿入された軸部26に押されてロック状態側に変化可能となっている。
【0102】
図21図24は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、サイドユニット30に新たに第3装飾体201及び第4装飾体202を設けた例を示している。なお、本実施形態の第3装飾体201及び第4装飾体202は、第1の実施形態に対して新たに追加されたもので、それ以外の構成は第1の実施形態と全く同じである。
【0103】
第3装飾体201は、図21図22に示すように、第2支持手段82bにおける上突出部130に設けられた第3装飾体受け部203に着脱自在に装着されており、任意形状(ここでは所定キャラクタの三次元形状)に形成された装飾部204と、その装飾部204を第3装飾体受け部203で支持するための装飾支持部205とを備えている。第3装飾体受け部203は、上突出部130の上端部に設けられており、第3装飾体201は、装飾支持部205を上突出部130の上端部に上側から嵌め込むことにより第3装飾体受け部203に装着される。なお、この第3装飾体201は、第2装飾体82cが装着された後に装着し、第2装飾体82cよりも先に取り外す必要があるが、装飾シート82aとの関係では、装飾シート82aが装着されている状態でも装着されていない状態でも着脱可能となっている。
【0104】
第3装飾体201の装飾支持部205は、図23に示すように、左右一対の左支持部206,右支持部207を嵌め合わせて結合することにより、上突出部130の上端部を下側から嵌合させることが可能な上向き凹入状の嵌合凹部208を形成している。また装飾支持部205には、上突出部130に対する第3装飾体201の装着状態を解除可能にロックするロック機構200が設けられている。
【0105】
ロック機構200は、上突出部130側の係合受け部210a(図24)を利用するようになっており、この係合受け部210aに対して係脱自在に係合する第3装飾体ロック部材211を備えている。第3装飾体ロック部材211は、装飾支持部205の外周面(ここでは背面)に形成された内向き凹入状のロック部材収容部209内に配置されている。なお、上突出部130の例えば背壁側には、長手方向に沿って複数(ここでは3つ)の係合受け部210a~210cが間欠的に配置されており(図8図9参照)、本実施形態のロック機構200では、それら係合受け部210a~210cのうち、最上部の係合受け部210aを利用している。
【0106】
第3装飾体ロック部材211は、上突出部130に対する装飾支持部205の着脱方向に沿って配置されており、その一端側(ここでは上端側)に左右方向の回転軸212が、他端側(ここでは下端側)に内向きの係合爪213が夫々一体に設けられており、左右の支持部206,207により回転軸212廻りに回転自在に支持されている。この第3装飾体ロック部材211は、第3装飾体201の離脱方向(上側)への移動を阻止するロック状態(図24に実線で示す)と、離脱方向への移動を許容するロック解除状態(図24に二点鎖線で示す)との間で揺動可能であり、ロック状態では、その略全体がロック部材収容部209内に収容されるとともに係合爪213が内側に突出して上突出部130側の係合受け部210aに係合し、ロック解除状態では、係合爪213が係合受け部210aから離脱して、揺動端側がロック部材収容部209の外側に突出するようになっている。
【0107】
また、第3装飾体ロック部材211には、この第3装飾体ロック部材211をロック状態に保持するためのロック状態保持部214と、第3装飾体ロック部材211をロック状態からロック解除状態に切り替えるための被操作部215とが例えば一体に設けられている。ロック状態保持部214は、ロック部材収容部209内に設けられた突起状の状態保持受け部216に対応して、第3装飾体ロック部材211における回転軸212側端部の外周面に突設されており、第3装飾体ロック部材211がロック状態とロック解除状態とに切り替えられる際に状態保持受け部216に圧接してその一方側から他方側に乗り越えるように構成することで、第3装飾体ロック部材211をロック状態とロック解除状態とに保持することが可能となっている。
【0108】
また被操作部215は、第3装飾体ロック部材211における揺動端側に突設されている。ロック部材収容部209には、被操作部215に隣接する位置に、切欠状又は開口状のロック解除操作部217が形成されている。ロック解除操作部217は、解除キー9の軸部26が挿入できる程度の大きさに形成されており、このロック解除操作部217に解除キー9の軸部26を挿入し、その軸部26の先端部を被操作部215に引っ掛けて引き上げることにより、第3装飾体ロック部材211をロック状態からロック解除状態に切り替えることが可能である。
【0109】
また、第3装飾体201の装飾支持部205には、外面側所定位置、例えば上面側に、他の装飾体(ここでは第4装飾体202)を支持するための凹入状、その他の装飾体支持部218が形成され、また前部側には、装飾シート82aを挿通させるためのスリット219が形成されている。
【0110】
第4装飾体202は、図21に示すように、任意形状(ここでは西洋剣を模した三次元形状)に形成された装飾部221を備えており、一端側が第1装飾体81aにより、他端側が第3装飾体201により夫々支持されている。即ち、第4装飾体202の一端側は第1装飾体81aの前部にねじ止め等により固定されており、他端側は、装飾部221の端部近傍に形成された支持係合部222が、第3装飾体201側の装飾体支持部218に上側から係合することにより係脱自在に支持されている。
【0111】
このように、第4装飾体202は、複数(ここでは2つ)の異なる第1,第3装飾体81a,201によって支持されるように構成されているため、支持構造の自由度が高くなる利点がある。なお、第4装飾体202と第1装飾体81aとで一つの所定装飾体を形成していると考えると、この所定装飾体は、所定箇所(ここでは一端側)において他の装飾体(第3装飾体201)により支持されており、この場合も支持構造の自由度が高くなる利点がある。
【0112】
また本実施形態のように、第2支持手段82bの上突出部130に複数(ここでは2つ)の装飾体受け部を設け、それら装飾体受け部に夫々装飾体を着脱可能に装着するように構成してもよい。なお本実施形態では、上突出部130の背壁側に設けた複数(ここでは3つ)の係合受け部210a~210cのうち、最上部の係合受け部210aを利用して第3装飾体201を装着したが、これに限られるものではなく、係合受け部210a~210cのうちの何れか一つ以上を用いて一又は複数の装飾体を装着することが可能である。
【0113】
図25図27は本発明の第3の実施形態を例示し、第1,第2の実施形態を一部変更して、装飾シート82aとは別に新たに第2装飾シート231を装着した例を示している。なお本実施形態では、第1,第2の実施形態における第2装飾体82cは装着されておらず、それに代えて、装飾シート231を支持するための第1,第2装飾シート支持部232,233が装着されているが、第1支持手段81b、第2支持手段82b、装飾シート82a等の構成については第1,第2の実施形態と全く同じである。以下、第1,第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0114】
第2装飾シート231は、図25図27に示すように、装飾シート82aに対して略直交し、且つ上端側が下端側よりも前側に位置する後ろ下がりの傾斜状となるように装飾シート82aの左側に配置されており、右縁部が第1装飾シート支持部232により、下縁部が第2装飾シート支持部233により夫々支持されている。なお、第2装飾シート231は、装飾シート82aと同様、アクリル、PET等の樹脂による可撓性シートで、2mm以下、より好ましくは1mm以下(ここでは約1mm)の板厚に形成されており、印刷層を透明なラミネートフィルムで挟み込むラミネート加工、その他の手法により、少なくとも前側から視認可能な装飾が施されている。
【0115】
第1装飾シート支持部232は、図26図27等に示すように、左右一対の左部材234,右部材235を嵌め合わせて結合することにより、上突出部130に対してその上端部から背壁に跨がるように着脱自在に装着されており、左部材234の外面(左面)側に、第2装飾シート231の右縁部を挟持する第1装飾シート挟持部236が一体に形成されている。第1装飾シート挟持部236は、第2装飾シート231の厚さ(ここでは約1mm)と同程度の隙間を挟んで略前後方向に対向する一対の挟持板236a,236bにより構成されており、上突出部130に沿って後ろ下がりの傾斜状に配置されている。
【0116】
また第1装飾シート挟持部236上又はその近傍には、第2装飾シート231が係脱自在に係合する一又は複数(ここでは2つ)の第1,第2係合受け部237a,237bが設けられている。第1,第2係合受け部237a,237bは、第1装飾シート挟持部236の上端部と下端部に配置されており、第2装飾シート231の右縁部に設けられた切欠状、その他の第1,第2係合部238a,238bが夫々上側から係合可能となっている。
【0117】
また、第1装飾シート支持部232には、上突出部130に対する装着状態を解除可能にロックする第1,第2ロック機構241,242が設けられている。第1ロック機構241は、第2支持手段82b側の係合受け部186を利用するもので、第1の実施形態において第2装飾体82cに設けられたロック機構180(図17等)と同様に構成されているため、関連する部分には第1の実施形態におけるロック機構180と同様の符号を付した上で説明は省略する。また第2ロック機構242は、上突出部130側の係合受け部210aを利用するもので、第2の実施形態において第3装飾体201に設けられたロック機構200(図24等)と同様に構成されているため、関連する部分には第2の実施形態におけるロック機構200と同様の符号を付した上で説明は省略する。
【0118】
第2装飾シート支持部233は、第1の実施形態と同様の第1装飾体81aを備え、その第1装飾体81aの上部側に、第2装飾シート231の下縁部を挟持する第2装飾シート挟持部243が例えば一体に形成されている。第2装飾シート挟持部243は、第2装飾シート231の厚さ(ここでは約1mm)と同程度の隙間を挟んで略前後方向に対向する一対の挟持板243a,243bにより構成されており、第1装飾シート挟持部236と平行になるように後ろ下がりの傾斜状に配置されている。なお、第2装飾シート231は、例えば第2装飾シート支持部233に対してねじ止め等により着脱自在に固定される。
【0119】
第2装飾シート231を装着する際には、先に第1装飾シート支持部232と第2装飾シート支持部233とを装着した上で、それら第1,第2装飾シート支持部232,233に対して第2装飾シート231を装着してもよいし、第2装飾シート231を第2装飾シート支持部233に固定した状態で、予め装着した第1装飾シート支持部232に第2装飾シート231の右縁部を挿入しつつ、第2装飾シート支持部233を第1支持手段81bに装着してもよい。以上のように、複数の装飾シートを例えば異なる向きに配置することも可能である。
【0120】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、装飾シート82aは、非支持外周部163に対応する部分については任意の形状に形成することができ、例えば装飾シート支持部(第1,第2前縁装飾部107a,107b等)よりも上方に大きく突出させることも可能である。
【0121】
装飾シートのエッジをカバーするエッジカバー部材は、例えばその端部(一端側又は両端側)を装飾シート支持部等に係合させ、或いは装飾シート支持部等にねじ止め等により固定してもよい。また、非支持外周部における連続しない複数の領域に夫々エッジカバー部材を装着してもよい。
【0122】
実施形態では、装飾シート82aの後部側に第1支持外周部を、下部側に第2支持外周部を夫々配置した例を示したが、装飾シート82aの前部側に第1支持外周部を配置してもよいし、装飾シート82aの上部側に第2支持外周部を配置してもよい。第1支持外周部と第2支持外周部とを含む複数の支持外周部を互いに離間して配置してもよい。この場合、非支持外周部も互いに離間した複数の範囲となる。
【0123】
実施形態は本発明をパチンコ機に採用した例を示したが、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 遊技機本体
5 施錠手段
7 ガラス扉(扉体)
9 解除キー
26 解除キーの軸部(キー先端部)
82 右装飾手段(装飾手段)
82a 装飾シート
82b 第2支持手段(支持手段)
82c 第2装飾体(装飾体,特定装飾体)
103 装飾シートロック部材(第1ロック手段)
114 装飾シート挿入部(挿入部)
153 ロック解除操作部(第1ロック解除操作部)
153a ロック解除操作孔(キー挿入部)
161 第1外周部(支持外周部,第1支持外周部)
162 第2外周部(支持外周部,第2支持外周部)
163 第3外周部(非支持外周部)
165 エッジカバー部材
174 第2装飾体受け部(装飾体受け部,特定装飾体受け部)
182 装飾支持部
186 係合受け部
187 第2装飾体ロック部(第2ロック手段)
191 ロック解除操作部(第2ロック解除操作部)
191a ロック解除操作孔(キー挿入部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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